河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月6日

(令和2年10月6日(火) 10:57~11:22  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 御報告が幾つかございます。まず1つ目、昨日10月5日、行革事務局の40名と規制改革推進室の39名に対しまして、それぞれ併任の発令を行いました。9月29日に、規制改革・行政改革ホットライン、「縦割り110番」のですが、この担当の2名、それから10月1日に直轄チームの担当9名を対象に、同じように規制改革と行政改革の併任をかけておりますので、合計90名が行革と規制改革双方を担ってもらうことになります。
 規制改革と行政改革というのは、役所の中から見ると別物ということになるのでしょうけれども、外から見ると同じように様々な手続、あるいは無駄を見直す、世の中を便利にする、そういう形で外から見れば同じようなことでございますので、これは規制改革、これは行政改革と分けずに、両方とも一緒になってやっていきたいと思っております。
 国務大臣河野太郎の担当の呼び名も以前は、行革担当大臣といわれることが多かったのですが、前回は、行革を中心に行政の無駄をそぎ落とそうということでやっておりましたけれども、今回は、国民の側から見て新しい価値をつくり出す規制改革を中心に据えてやろうということでございましたので、できれば河野太郎規制改革担当大臣というふうに呼称していただければありがたく思います。
 2件目、平井大臣と毎週様々規制改革とデジタル関連の打合せをやっておりますが、「2+1」と称して、外務省では「2+2」というのがありましたが、「2+1」と称して、関連する閣僚にも参加いただいて、いろいろなディスカッションをしたいということで、2日でしたか、萩生田文科大臣に入っていただきました。
 オンライン授業、デジタル教科書、そうしたものについて幅広く意見交換をして、なるべく規制をなくしていこうと。オンラインを教育に使って、あるいはデジタル化を教育の中で活かして、教育の質を上げていく。ティーチングからコーチングへと言われておりますけれども、オンラインを活かした授業をやっていただいて、さらに、特別に対応していく必要のある生徒ですとか、あるいは病気だったり、不登校であったりという子どもたちが、病院や家庭からでも授業を受けられたり、あるいは小学校の英語教育なんかはネイティブの英語に触れるということがオンラインでできたりとか、いろんな可能性があると思います。
 今、デジタル教科書の使用割合とか、あるいは受け手側に先生がいなければいけないといった規制がありますが、不要な規制はどんどん外していこうということで一致いたしました。まだ、何かここですぐにこうやろうと決めたわけではございませんけれども、要らない規制はどんどん外して、デジタル、オンラインを教育に活用していこうということで一致いたしましたので、今後ともしっかりこのデジタル化を強力に推進していきたいと思っております。今週は田村厚生労働大臣にお入りいただいて、「2+1」をやりたいと思っております。

2.質疑応答

(問)今、冒頭に紹介のあった「2+1」の関係なんですけど、プラス・ワンのパートナーを、今後、毎週変えていくのか、どの程度の大臣を考えていらっしゃるのかと、いつまでに結論を出されていくつもりなのか、お考えがあれば教えてください。
(答)今後、いろいろ考えていきたいと思います。
(問)冒頭、体制の話があったと思うんですが、合わせて90人ということなんですが、この数で十分なのかどうか、その辺りの規模感ですね、どういうふうに感じておられるかお願いします。
(答)やりながら考えたいと思います。霞が関の全員をそこへと言ったら行政はできませんから、それなりの適切な数というのはあるのだろうと思います。やりながら考えていきたいと思いますし、あんまり無理を言って、忙しい役所から人を引っぺがしてくるというわけにもいかないと思いますので、そこはいろいろ考えながらやりたいと思います。また、自治体からも人を出していただいておりますので、そういう方にも霞が関での経験を積みながら、国と地方、国と自治体との様々な規制緩和にまつわる問題に取り組んでもらいたいと思っております。
(問)行政手続でのハンコ使用廃止の件で伺います。茨城、愛知、兵庫各県などで、地方自治体での原則廃止の動きが進んでいます。こういうことの評価と、一方で地方中心に、高齢者の方々にとっては廃止やそのデジタル化についていけないのではという懸念があります。こうした方々への配慮や具体的対応の必要性について、それぞれ認識をお聞かせください。
(答)国で押印廃止を進めさせていただいておりますけれども、市役所や役場で押印が必要な手続というのがまだまだ残っております。いろんな自治体がそれの見直しに取り組んでいく姿勢を発表してくれております。非常にありがたく思っているところでございます。
 いろいろ寄せられている声の中には、ご高齢の方からも「ハンコを捜して行かなきゃいけない」とか、「手続に行ってハンコがないよと言われた」とかということがございますので、もう年齢等に関わらず、利便性を上げていく必要があると思っております。
 ご高齢の方のデジタル対応については、これは行政の手続だけなく、様々な生活の場面で起こり得ることだと思いますので、これはもう国も自治体も、あるいは民間事業者も一体となって、このデジタルデバイドという話がかつてありましたが、今でも残っているのかもしれませんが、このデジタルデバイドをなくしていく、そういう取組は官民挙げてやっていく必要があろうかと思います。
(問)もう一点伺います。昨日、大臣はツイッターでオンラインでのブリーフィングを始めたと明らかにされました。これは、ご自身が関連するこうした会議で全面的なオンライン化というのを検討されているのかというのと、菅総理大臣も党総裁選でZoomを活用した地方議員との意見交換を重ねていましたが、こうしたオンライン会議の全面化、これは全省庁に広げていくべきとお考えか、その場合想定される課題と併せて、大臣の見解をお聞かせください。
(答)規制改革のワーキンググループはオンラインで2回やらせていただいて、全く問題ないと思っております。他方、昨日、格好よくツイートをしましたけれども、実は資料は紙で私の目の前にありまして、若干「ハーフオンライン」ではないか、「半ライン」ではないかということはあったと思います。防衛省にいた時に、定例幹部会議を全部オンラインにして、その時は紙も画面で、資料で出せるようにしてやったのですけれども、やっぱり誰かが気を利かして紙をコピーして配っていたりということがありました。顔を見ながら発言をする場面は、もうそんなに障壁なくやれるのかと思いますけれども、昨日はかなり分厚い資料でしたので、この資料を見ながらどう会議をやるかというのは大事なところだと思っております。
 自民党の下村政調会長に、党の部会などでのペーパーレスのお願いをしているところでもありますし、党でタブレットを配っていただいて、ペーパーレスの会議ができるようになれば、次は様々な議員レクもオンラインでと思っておりますので、それがきっちりできるように、我々も役所の中で、オンラインでできるものはオンラインにしていく必要があると思います。
 先日、行革事務局へ行ってまいりましたけれども、霞が関の結構上の方の階でした。大臣室に来てもらうと結構手間暇かかる、移動時間もかかりますので、やっぱりそういう部局とはオンラインでやる方が先方にもご迷惑にならなくて良いのかと思っていますし、それを言ったら、この8号館でもフロアが違って、やっぱり階段で足腰を鍛えているという人がいるのかもしれませんけれども、なるべくオンラインでできるようなものはオンラインでやりたいと思っています。やっぱり難しい課題は、その場で雰囲気を共有しながらやるというのもまだまだあるのかとも思っておりますが、なるべく業務の効率化に資するためにオンラインを進めていきたいと思っております。
(問)先週、ご紹介いただいた押印の廃止で、35種類、手続がすぐに廃止にならなかったものがあると思いますけれども、それの見直しを求めて更に進展があったものがあればお聞かせください。
(答)今、見直しをしてもらっている最中です。少々お時間を下さい。
(問)今の話でもありましたけれども、できるだけペーパーレス化を進めていくとか、オンライン化を進めていくという話があります。ファックスの廃止という話もありますが、こういったところは具体的に省庁に指示を出していく考えはあるのかお聞かせください。
(答)ハンコの問題が一段落しましたので、次はこの書面、対面、あるいはファックスといったものについて、いかに利便性を上げていくかということに取り組んでいきたいと思っております。
(問)2点お伺いします。1点目は押印の関係なんですけれども。先ほど、地方自治体でも進んでいるところがあるというふうにおっしゃっていました。大臣の直轄チームに地方自治体から人が来ているようなケースもありますけれども、もし具体的な自治体があれば、こういった自治体でこういったケースを吸い上げたいだとか、あるいは、その吸い上げたものを地方自治体の方でも押印の話を促したり、そういったお考えや計画等があればお聞かせいただけますでしょうか。
(答)いずれ福岡市が人を出してくれるという話もございますので、福岡市は、例えばもう押印を廃止しております。そういう押印廃止を実現している自治体の経験を横展開するようなマニュアルを作成して、それぞれの自治体に配布していきたいと思っております。
(問)別件で、今度は規制改革の「2+1」の関係ですけれども、先ほど、萩生田さんとの話の中で、ネイティブな英語であるだとか、教科書のデジタル化といった話をされました。小・中・高・大とそれぞれ様々な規制がありますけれども、大臣として特にこの規制を外すべきだとか、そういった具体的なものがあればお聞かせいただけますか。
(答)大体、今、問題に取り上げられているような規制については緩和できるというのが3人の共通認識だと思っております。受け手側に教員免許を持った人がいる必要はないということもそうですし、デジタルの教科書についても、デジタルの教科書に移行して紙の教科書という選択肢があっても良いという、そういう方向性は3人で共有できたと思っております。
 例えば小学生の英語とかプログラミングの教育なんていうのは、英語ができない、プログラミングが苦手という先生がやるよりは、オンラインでやってしまった方が良いだろうと思いますし、逆に、そういうところで先生の時間が空けば、何と言うのでしょうか、普通の生徒より先生の時間を割く必要がある生徒に更に時間を割けるようになってくると思いますので、そういう意味で、先生の時間を効率的、効果的に使えるようになっていくのではないかという議論もありました。
 そういう意味で、要らない規制はしっかり外して、なかなか教員の採用も厳しくなっている状況ですから、しかもベテランの先生がだんだん退職される時期でもありますので、先生方の時間をいかに効果的に使ってもらうかというようなことを、当然文部科学省も考えているわけですので、それに資するようなデジタル化というのも進めていきたいと思っています。
(問)昨日の規制改革の投資等ワーキンググループで、文化庁が同時配信について新しい方針を示しました。その方針について、大臣としてどう評価されているかと、前回から短い期間で文化庁の考え方が変わったわけですけれども、今まで変わらなかった理由、今回変わった理由、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)放送の同時配信について、今、俗に蓋かぶせといわれている著作権処理ができずに黒くなってしまうところがEテレで3割ぐらいあるという話を聞いております。10月3日に、日本テレビでしたか、何かテスト試験を始めたという話もありますし、NHKは100万件を超える登録ということで、やはり同時配信に向かって動いている中で、視聴者が見えない部分がたくさんあるというのは、これは利便性を損ねているわけですし、同時配信という場が広がっていけば、当然、権利者あるいは放送事業者の得る利益も大きくなって、国民の利便性の向上とあわせて三者Win-Winの関係をつくるということができますので、その方向に向かって文化庁、総務省でしっかり議論をしてもらいたいと思っております。
 詳細の詰めというのは残っておりますが、基本的な方針というのは良い方向へ向かっていると思っております。
 菅内閣は、国民の利便性を向上させるための規制改革をしっかりやるということで、今まで以上に各役所にはスピード感を求めております。会議をだらだらと何回もやって、結論が出るのが先送りになるということは許されないということは、私から常々申し上げているところでございます。文化庁、総務省は、スピード感を持って結論を出してくれると思っております。
(問)ただ、今までこの議論をずっとやってきて結論が出なかったものが、前回の会合で大臣がああいうふうにおっしゃって、今回こうやって結論が出ているというのは、これはもしかして文化庁が無理をしているのか、それとも、本来できることをやっていなかったのか、どうお考えでしょうか。
(答)スピード感を持ってやれることはやってもらいたいと思います。
(問)大臣に2点お伺いしたいのですが、まず、オンライン教育について、先ほど、萩生田大臣を含めた「2+1」で進めていこうということで一致されたということですが、オンラインの教科書などを配備していくにも、まずはタブレット、端末の用意ということが前提になってくるかと思います。その辺り、政府としては今年度中に配備ということを発表していましたが、一部の自治体は少し間に合っていないということも報道されています。この点に関して、どのようなアイデアで打破していかれようとお考えでしょうか。
(答)文部科学大臣も今年度末に端末は行き渡る方向でということですので、できるところはどんどんデジタル化、オンライン化してもらいたいと思っております。政府が端末を配る部分もありますけれども、今、個人でタブレットなりパソコンなり使える環境にあるという生徒もおります。そういうものを学校へ持ってきて使うということも当然あり得るわけですから、デジタル化、オンライン化できるところはどんどん進めていきたいと思っております。
 教育委員会によっては、なかなかスピード感を出せないところがあるのかもしれませんけれども、そこは、政府がしっかり働きかけをしていきたいと思っております。いろいろできるところ、できない所はあるのかもしれませんけれども、できるところはどんどんやってもらうということでよろしいかと思っておりますし、できないところは、しっかり政府でサポートの手を伸ばしていくということになろうかと思います。
(問)大臣は、冒頭に行革、規制改革をより進めていくということで、規模の拡大を発表されましたが、ちょっと所管の件とずれるかもしれませんが、日本学術会議の件で、昨日、菅総理がインタビューで、推選された人をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのかを考えたというふうにおっしゃいました。前例打破とか縦割り打破というのは大臣が取り組まれている様々な改革とテーマが共通であると思いますが。この件に関して、何か御所感はございますでしょうか。
(答)所管の大臣に聞いてください。
(問)今の質問に関連してなんですけれども、大臣としては、日本学術会議の存在意義というのはどこにあるとお考えでしょうか。
(答)所管の大臣にお聞きください。
(問)先週の会見でもお伺いしたんですが、西普天間住宅の跡地で、琉大病院の感染症対策を念頭にした設計見直しを萩生田大臣が求められた点について、これが1点。あと、先程の英語力強化の点について、萩生田大臣と「2+1」でお話しされたということですけれども、河野大臣は、先月17日に、沖縄での英語教育について基地の利用も念頭にあるというようなお話があったかと思うんですけれども、沖縄での英語教育についてのお話というのは、萩生田大臣とのお話では出ませんでしたでしょうか。
(答)病院の方に関して言えば、運用面で感染症対策ができる部分があるならば、そこはしっかりやっていただくということなのだろうと思っております。
 沖縄の英語教育について、「2+1」では特に話にはなりませんでした。

(以上)