河野内閣府特命担当大臣就任記者会見要旨 令和2年9月17日

(令和2年9月17日(木) 18:00~18:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 お疲れ様です。昨日というか今朝未明までお疲れ様でございました。ああいうのはなるべくやめようと思います。
 行政改革・国家公務員制度、それから内閣府特命担当大臣として規制改革、沖縄及び北方を担当することになりました。昨日も申し上げましたけれども、前回の行革担当大臣の際は、行政の無駄をそぎ落とすということを主眼に行政改革をやりましたけれども、今回は国民の側、社会の側から見て、いかに価値をつくるかということから必要な規制改革をやる、そういうところに少し中心を移していきたいと思っております。
 先ほど、「行政改革目安箱(縦割り110番)」というのを立ち上げましたら、もう700通ぐらい来まして、ちょっと目安箱、破裂しそうだなという状況ですが、なるべくしっかり、かなり中身は激励のメールが多かったり、あとは一般的にデジタル化を早くやれというようなものもありましたが、かなり個別に具体的な規制改革の話も多くいただきましたので、なるべく具体的なものからしっかり手をつけていきたいと思っております。
 それから、国家公務員制度に関しては、前回も有識者にお集まりをいただいて、少し改善していこうということをやりましたが、なかなか改善し切れていないというのが現実だと思います。これだけ霞が関を志望してくれる人が減り、また、せっかく省庁で勤務を始めた若い人が、かなり早い段階で辞めたいという状況になっているのは、霞が関、極めて危機的な状況にあると言わざるを得ないと思います。やはり、給料はそんなに高くはないですけれども、国のためにやりがいのある仕事を求めて若い人が来てくれて、本当にやりがいのある仕事をやってもらうというのが大事だと思います。
 いろんな霞が関の若い人と話をしていると、非常に無駄な時間、無駄な作業、どうでもいいような仕事というのが多くて、という声と、ここでずっとこんな仕事をやっていて、自分が成長できるんだろうかという焦りのようなものが非常に強く聞こえてきます。やはりそういう状況を一刻も早く改善をしていかないといけないのかなと思っております。そういう意味で、この霞が関のブラックな状況を、何とかホワイト化するということを優先順位高くやっていかなければいけないと思っております。
 沖縄・北方につきましては、とりあえず、まず沖縄に土曜日に、ちょっと時間的には短い時間ではありますが行ってまいりたいと思っております。概算要求はもう終わって、あらかた形ができつつありますが、3,000億のお金を毎年投入していながら、この県民所得の格差がいまだに残っているということをはじめ、あるいは若年層の失業率が高かったり、一度これまでやってきたことがどれだけの効果を生んでいるのか、これまでやってきたことの延長線でいいのかどうかということはきちんと見ていかなければいけないと思っております。
 沖縄という場所がこの東アジアの交流の拠点であったわけですし、そういう立地を生かし切れているのかどうか、あるいは、IT化といっても、コールセンターが多い。それだけではないはずで、なかなか沖縄に製造業を持っていくというのは距離を考えると厳しい部分はあるのかもしれませんけれども、ITとか金融とか、あるいはOISTをはじめとする科学技術というようなものについては、余り距離をハンデとしなくても本来済むものだと思います。そういうものがきちんと伸びているかどうか、更に伸ばすためにはどうしたら良いのかということを再点検していく必要があると思いますし、観光業はコロナの状況で、今非常に残念な状況になっておりますけれども、この間まではハワイを超えたと皆さん言っていたわけで、そういう意味で、滞在期間が、まだ最新の数字は見ていませんけれども、ハワイを超えたと言っていたときの平均滞在期間が多分4日を切っていたのではないのかなと。日本人のハワイの滞在はそんなものかもしれませんけれども、本当にハワイを超えるなら、滞在期間をもっと伸ばさないといけないと思いますし、様々考えていくことはあろうかと思っています。そういう意味で、沖縄の経済をどうやって伸ばしていくのかというのは真剣に考えていかないといけないかなと思っております。
 北方につきましては、北方領土について、若い世代があまり知らないという世論調査もありまして、数字によっては5割近くの方がよく知らないと答えているという世論調査がある中で、やはり若い世代への啓蒙というのをしっかりやらないといけないのかなと思っております。私自身、北方領土の返還のための平和条約の交渉の当事者でもございましたし、私の祖父に始まって、私のおやじもやっておりましたし、この北方領土というのは、我が家にとっては非常に身近で重要な課題でもあります。北方領土のための平和条約の交渉をバックアップしながら、少し啓蒙活動というようなこともやっていかないといけないのかなと思っておりますし、様々な交流事業がコロナで中止、あるいは延期になってしまった部分というのもございます。そういうことについてもどうしていくかということを考えないといけないと思います。
 いろいろございますけれども、しっかり取り組んでいかなければいけないものばかりだと思っておりますので、頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)沖縄振興の関連で伺いたいと思います。大臣、過去に御自身のブログで、一括交付金を使ったAKB総選挙の助成について疑問を呈されたこともあったと思います。今回、大臣として沖縄振興を所管することに当たって、沖縄関係予算や事業で問題があるのではないかと思うところ、あるいは注力したいと考えている分野を教えていただければと思います。
(答)問題があるところはまだ点検しておりませんからよく分かりませんが、これだけの振興予算を使って結果どうなのかというのは、少しきちんと見て、今までのやり方で良いのか、あるいはもっと別のやり方があるのか、そういうところは一度きちんと見ていく必要があろうかと思いますので、その分析はやっていきたいと思っております。
 コロナで観光産業の部分が非常に大きな影響を受けているというところがありますので、なかなか当面、急上昇というわけにはいかないのかもしれませんけれども、非常にポテンシャルはあるんだろうと思っておりますので、そこは我々としても少し頑張ってみたいと思いますし、沖縄の関係の皆さんの話もじっくり聞く機会を、最初の出張はなかなかそこまで時間がないですけれども、そういう時間をしっかりとっていきたいと思っています。
(問)最後に言及のあった北方領土の問題に関して伺います。元島民の高齢化が進んで、国内の領土返還運動の関心を高めることも大きな課題になっています。先程、若者の啓蒙という話がありましたけれども、具体的に何をなさっていくのかというお考えと、あと、根室市を訪問する予定があれば、併せて教えてください。
(答)どういうことをやっていったら良いのかというのは、ちょっと考えていかないといけないと思っております。世論調査の数字はややショッキングなところもありましたので、真剣に考えていきたいと思います。根室も行きたいと思っておりますし、北方領土の隣接地域、一度わーっと走ったことはありますけれども、落ちついてそれぞれじっくり話をする時間というのをとらなければいけないなと思っておりますので、しっかり調整していきたいと思います。
(問)最初の目安箱なんですけれども、これは、いわゆる菅総理が指示をしたという「縦割り110番」のことで良いのかということと、これは大臣が個人としてされているものなのか、それともどこか役所の機能としてされているものなのか、どちらにせよ、その理由を教えてください。
(答)「縦割り110番」という話が総理からもありましたので、私のホームページにぶら下げるのが一番早いと思いましたので立ち上げました。もう一つ、規制改革のホットラインというのが役所にありますので、そちらに御意見を頂戴しても構いません。どちらでもいいと思います。
(問)関連してお伺いします。この「行政改革目安箱」を設置されようと思ったタイミングというのはいつなのかということと、改めて、この「行政改革目安箱」の意義というものを、大臣としてはどこにあるとお考えでしょうか。
(答)規制改革、様々な分野の規制を変えていく必要があると思いますので、いろんな方から話を伺っていこうと考えておりますが、広く一般の方から目の前で困っている問題、具体的な、なるほどなという規制改革のお願いのメールを今日かなりいただいて、やって良かったなと正直思いました。そういう問題もあるんだというのは、本人でないと気付かないようなものも来ましたので、それは非常に良かったなと思っています。
 いろんな方から話を聞こうと思っている中で、総理が「縦割り110番」とおっしゃったので、それをぱくって、「縦割り110番」でいいのかと、119番じゃないのかとかいろんな話はありましたけれども、そのままぱくらせていただきました。
(問)関連してお伺いします。こういうものもあるのかという投稿もあったというお話ですけれども、具体的にどういうお声があったのか、どういうような投稿が寄せられたのかというのを、可能な範囲で御紹介いただきたいなというふうに思いましたのと、あと、ホットラインのほうでも、大臣の公式ホームページのほうに上げられているほうでもどちらでもというふうに今おっしゃっていましたけれども、最終的に公的なホームページの方に移行されていく考えがあるのかなどを含めてお教え願います。
(答)とりあえず、早くやろうと思ってやりましたけれども、あれはあくまでも河野太郎のホームページに付随しているものなので、どこかの段階で移行したいと思います。今も規制改革ホットラインという公のものがありますから、こういうのがありますよというのを少し宣伝していきたいと思っています。具体的な細かいものについては、一度整理した上で、どこかで申し上げようと思います。
(問)本日、デジタル担当大臣の平井大臣から、河野大臣と週1回ぐらいは会談をしたいというお話があったんですけれども、それは既に予定されていることなのかということと、デジタル庁の創設に関して、2022年の4月というような報道がなされましたけれども、平井大臣はもう少し早いほうがいいんじゃないかというふうにおっしゃっていましたが、そうすると来年中にデジタル庁創設ということになるかと思いますが、お考えをお聞かせいただければと思います。
(答)デジタル庁の創設については、平井大臣に聞いていただきたいと思います。平井さんとは、規制改革とデジタル化の推進というのは、かなり表裏一体の部分がありますので、週1回は打ち合わせしようという話をしましたので、今もう秘書官同士で、多分日程の調整は始めてくれていると思います。
(問)大臣、2点お伺いしたいんですけれども、冒頭、沖縄県への視察について御発言がありましたけれども、玉城デニー知事と面談が予定されているのであれば、特にどういったことについて意見交換したいかということが1点。
 もう1点は、昨日の晩の会見で、基地問題と沖縄振興のリンク論について質疑応答があったんですけれども、玉城デニー知事は、沖縄振興と基地のリンクはあってはならないというふうに話しています。この県知事の考えも踏まえて、改めて沖縄振興と基地問題というのはリンクしているのか、河野大臣の御見解をお願いします。
(答)基地問題というのがありますので、それを無視して沖縄振興を語るわけにはいけないと思いますので、私はひっくるめ論と言いたいと思います。知事とは今までもいろんな話をしていましたので、ざっくばらんにこの沖縄振興、今までを振り返ってみてどうだったのというようなレビューを、どういうふうにやっていこうかというようなことも話ができたらと思います。
(問)ひっくるめ論のところで補足で教えてほしいんですけれども、要するに、基地が返還されていくことで、いわゆる経済的な効果が沖縄振興に影響していくという意味合いなのか、あるいは、基地建設に協力していくことで、政府の沖縄振興へのバックアップというのが強まっていくというような理解なのか、これはどちらが近いんでしょうか。
(答)いろんなことができると思うんですね、あれだけ米軍の基地があるわけですから。逆に言うと、それをメリットにしていくことを真剣に考えないといけないと思っていまして、例えば、沖縄の中学生・高校生、英語の能力は日本でトップクラスというふうになったっておかしくないと思っています。小泉政権のときに、国立の英語で教える小学校を基地のある自治体につくれないかという話をして、小泉総理からはゴーサインをもらったんですけれども、なかなかうまくいかなかったという話がありました。そんなことも考えられるんではないかなと思いますので、沖縄の様々な特色を活かして、経済振興、地域振興につなげていくことを考えていきたいと思っています。
(問)行革目安箱の話に戻るんですが、具体的に出てきた、寄せられた意見をどのように反映させていくのかというのは、大臣の中でイメージってありますでしょうか。寄せられた意見をどこかの時点でまとめて公表したりとか、その辺のお考えを改めてお願いします。
(答)とりあえず、想像を絶する数が来ていますので、まず一回きちんと整理をして、激励のところはありがたく受け取りますし、大ざっぱに何とかしろというのはしっかりやらないといけないなと思うことにして、少し具体的な問題提起について、一つずつやっていきたいと思います。
(問)もう一点、規制改革の部分で、菅総理から就任に当たってどのような指示があったか、改めて伺えますか。
(答)しっかりやれという指示をいただきました。
(問)先ほどデジタル庁のお話もあったんですけれども、今回菅政権は、閣僚の数は全部で20人ということだと思います。これは万博担当の大臣の新設に伴う結果、こうなったと思うんですけれども、行政改革という意味でいうと、少し後退かなというような指摘もあるかと思うんですけれども、その点について河野大臣、いかがお考えでしょうか。
(答)ごめんなさい、どういう意味でしょうか。
(問)省庁再編のときには19人という水準だったかと思うんですけれども、それがまた20人ということに、全体としては増えてしまったと。それで、大臣の数が全部で増えてしまうというのは、行革上、何か特に御意見は。
(答)あんまり関係ないのではないか。
(問)2020年の規制改革の取りまとめというのが今年の6月に終わったばかりで、おそらくまた来月に、来年に向けてというのが始まるのかなと思うんですけれども、規制改革推進会議、どのように大臣として取り組んでいこうと。
(答)来年に向けてというのはどういう意味でしょうか。
(問)来年の規制改革の実施計画とかを取りまとめる会議というのが、多分10月ぐらいにまた始まるのかなと思うんですけれども。
(答)いや、そんな悠長なことをやるつもりはない。さっさとできるものはやります。
(問)先程、デジタル庁の創設と行政改革は表裏一体というお話がありましたけれども、行政改革をしていくに当たって、具体的にデジタルでこんなことをやりたいだとかということのお考えがありましたら教えてください。
(答)デジタル化でこんなことがというよりは、いろんなことがデジタル化でできる、むしろデジタル化でできないものは何なのという時代になってきているのかと思います。
 私は、学校を出てから、富士ゼロックスという会社に勤めておりましたけれども、1980年代に埼玉県の志木市でサテライトオフィスの実験というのを、多分日本で最初のサテライトオフィスの実験だったと思いますけれども、それの現場責任者をやっておりましたが、かなりの業務が、そのときですらもうできるというんです。あの時代から比べると、通信速度も圧倒的になりましたし、あのころは9600bpsという、それが、モデムが100万円を切ったぞと、今では桁が全然理解できないという、桁というか単位がもう違うという時代でも、それなりの業務ができていましたし、あのころはテレビ会議システムを入れてもらったけど、コマ落ちだったのが、もう今は普通に、Zoom飲みなんかができる時代になっていますから、多分いろんなものがオンラインでやれるし、いろんなものをデジタル化して、オンラインで仕事をしたり、あるいは申請をしたり、何かをしたりということができるようになったと思います。
 消費者問題を担当していたときに、消費者庁を徳島へ移そうといって、全部移しちゃっても問題ないんではないかなと思ったら、まだこっちに少し、4号館に残っているみたいですけれども、そういうことを含めて、いろんなことが考えられる時代になってきたと思っていますので、もう何でもオンラインにできる、何でもデジタル化できるという前提で、それを実現するために、必要な規制改革はやらなければいけないかなと思っています。
(問)先ほどの沖縄のリンク論の関係なんですけれども、先ほど英語の話が出ていて、大臣も外務大臣時代にTOFUプログラムですか、関わったこともあったと思うんですけれども。ただ、沖縄の基地というのは、基本的に銃剣とブルドーザーでつくられたというふうに言われる中で、県民の心理的抵抗だったり、あるいは、基地自体はそもそも基本的に返還を進めるという方向性がある中で、固定化につながらないかという懸念も出てくると思うんですけれども、そういったことに対して、どういうふうにお考えになるか教えてください。
(答)使えるリソースは何でも使うということが大事なのではないかと思います。

(以上)