平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月9日

(令和3年3月9日(火) 9:44~10:03  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、本日の衆議院本会議より、デジタル改革関連法案の審議が開始される御報告をさせていただきます。以前この会見でも御説明させていただいたとおり、昨年9月の菅政権発足から速やかに準備を進めまして、まずIT基本法を廃止し、新法として定める「デジタル社会形成基本法案」やデジタル庁の組織や所掌などを規定する「デジタル庁設置法案」、個人情報保護関係3法の統合や、押印書面手続の見直しなどの改革に必要な制度改正を盛り込んだ「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」など、デジタル改革に必要な法案を提出していたものであります。
 いずれも国民生活にとって重要な法案であり、法案を担当する大臣として緊張感を持って対応していきたいということでございます。いよいよ今日の本会議からスタートということになりますので頑張りたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)4月に先行採用するデジタル庁の民間人材についてですけれども、現在選考状況はどのようになっているんでしょうか。
(答)今は最終的に御本人様とコンタクトをとって、条件等の確認をしているということであります。
(問)これは最終的に30人ぐらいという話でしたが、採用になったら何らかの形で公表されるということですか。属性とかもある程度。
(答)いつ公表かな。近々だと思います。
(問)デジタル庁における人材確保の重要性とか、その中でもとりわけ民間人材についてどのように考えているか、改めてお聞かせください。
(答)今回、民間の皆さんの関心が非常に高いと、我々がジョブディスクリプションをきちんと明確にして募集をしているので、それに対応した方々が、特にこの業界でそれなりの力を持っている若手のエンジニアの皆さんが応募してくれているということを、大変心強く思っています。ただ、まだまだ足りないと。今後重要だと思うのは、特にセキュリティ関係の人たちですとか、デジタル庁というのは国内、国外も含めて広報戦略も重要だと思っているので、その人材等々に関して、今どのような方々が応募する可能性があるのかということで、接触ももう既にさせていただいています。
 これから、やはりスタートが大事だと思っているのは、霞が関、特に各省から来られる皆さんと民間の皆さん方との融合体としてスタートするので、できるだけ霞が関の文化を引きずらない、組織文化を引きずらない、フラットな風通しの良い組織を作るためにはどうしたらいいのかということを今念頭に、いろいろと考えているところです。
 具体的なプロジェクトがスタートするということになりますと、プロジェクトベースで参加してくれる方々も増えてきますので、実際の採用という表の人数には出ないけれども、民間の皆さんの協力というのは出てくるだろうと思っています。
 この間御説明した政府の共通のウエブサイトも、これはデジタル庁が目指す世界というのは、今までの技術では無理だと考えているので、そういう意味では、そういう方々にも協力をしていただかなければならないと思っています。
 民間の皆さんが力を発揮しやすい環境を作るということをどうするかというのが、今の一番重要なポイントだと思っています。
(問)今の関連なんですけれども、他の省庁でもやはりデジタル人材を確保しようとしていますけれども、デジタル庁の採用に来た数とかインパクトとか、人気というんですかね、デジタル庁でやりたいと言っている人たちが多いように見受けられるんですけれども。他の省庁で同じような仕事をするのと、やはりデジタル庁で仕事をするのとでは、どこが違ってどういう魅力があるのか。
(答)まずデジタル庁というのは、国民を向いて仕事をすると。要するに国民が喜ぶサービスを作るということなんですが、各省の採用というのは、往々にして自分たちのシステムをどのようにするかということを重視する可能性があると思っています。ですから、同じ方向に向いていただけるように、デジタル庁の民間人材と各省が雇う人材がうまく協業できるようにしていきたいと思います。
 どっちを向いて仕事をするかというのは、基本的なスタンスとして非常に重要だと思っているので、そういう意味では、デジタル庁というのは国民しか見ないと。さんざん私が言っているのはそこで、国民から見て良いサービスだと認めてもらえるようなシステムを作るにはどうしたらいいかと、そういう発想で今まで霞が関のシステムはなかったので、そこはやはり大きな転換だと思います。
(問)本日の法案について2点お伺いします。1点は、法案の中で不備が見つかって、幾つか修正点が出ていると伺っています。条文にははねないと聞いているんですけれども、どのぐらい影響があるものかというのを確認させていただきたいです。
(答)それは参考資料のところです。これは私も確認しましたけれども、技術的なもので、数字の表記の仕方とか段落の改行であるとか。不備は不備なんですけれども、中身にかかわる不備ではないんですね。ただ、不備があったことに関しては、やはり落ち度ですから、これは反省しなくてはいけないと思います。
(問)もう1点、弁護士の団体らがデジタル法案に関して声を上げていて、その中でも個人情報保護法3法を一つにすることに対する懸念が上がっています。具体的には、個人情報保護委員会に一括されることで監視力が弱まるというか、これまで以上に所掌が増えるのに対応できないのではないかと、組織の強化などを求めていますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)個人情報保護委員会というのは独立した機関で、私はそれなりに人も育ってきていると思うので、スタート時とは違うと、特に欧州のGDPRとの十分性認定等々の今までのやり取りの積み上げもあった中で、3本に分かれているというのは理由がないんですね。合理的な説明できる理由がなくて、やっと今回一つになるというのは普通の法律体系になるという意味で、海外からの理解は進むと思います。私自身はそういうイレギュラーな状態を正常化させたと理解しているので、懸念はないと思います。
(問)前回の記者会見の際も伺っているんですが、今回の法案の審議入りに関する意気込みと、一部の政党から廃案を目指すという声も上がっていますけれども、大臣としてどのような形で今回の国会審議に対応していきたいかというところをお願いします。
(答)これは、菅政権が発足したときから最重要法案という位置付けであり、言わば看板政策でもあるんですね。今回新型コロナで起きたいろいろなことを検証してみても、やはり日本のデジタル化は遅れている部分が多いと思います。そこを一気に取り戻すためには、やはり意思決定であるとか、システムの発注のやり方を変えるであるとか、ガバナンスの問題も含めて司令塔が要るだろうという意味で、まさにデジタル庁創設というのは時代の要請であるということは、野党の皆さんも理解をしていただいていると思います。
 反対される一部の方々は、そもそもデジタル化そのものに反対だということなので、逆に言うと、紙や今のExcelみたいな状態で管理しているものが果たしてセキュリティレベルが高いのかということとか、透明性があるのかということを考えると、明らかにデジタル化というのは行政のプロセスの透明化というものには寄与するということですので、ここはやはり理解をしていただきたいと思いますし、我々はやはり次の時代に対する責任ということを非常に重く受けとめています。
 今回世界的に起きたパンデミックで、まさに100年に1回のこのような事態に、全世界的にこういうものに対応していくためにどうするのかということが大きなテーマになったときに、これはデジタル化でレジリエントな国を作っていくというのは、世界共通のテーマにもなっていると思います。ですから、アフターコロナの時代は、間違いなく今までとは違うということを認識しておかなくてはいけないし、次の世代に対する我々の責任だろうと考えているので、何としてもこの法律を通して、デジタル化を前進させていきたいと思っています。
(問)参考資料の不備について先ほど質問があったと思うんですが、立法府の話になると思うんですけれども、これをタブレット化してしまえば、修正も楽で印刷代も経費削減になると思うんですが、その辺はいかがでしょう。
(答)これは政府のシステムという範疇に入らないところの話なので、それぞれ(衆・参の)院で御検討をいただくしかないんです。ただ、皆さんよくよく考えてみると、この間の予算の採決にしても、木札を手渡しというのはもうまさに、密な状態もさることながら、感染対策ということで考えると非常に問題が多いと思います。そういうものを本当は見直すきっかけにしないと、長い伝統といいますか慣習というものを、ルールというものを変えるということにはなかなか皆さん躊躇するんだと思いますが、私自身もこの間採決に参加をして、改めてやはり国会というものがデジタル化に遅れているということを痛感しました。そういう声が上がってくるだろうと私自身も思っているところであります。
(問)今日からマイナンバーに関するキャンペーンが始まっていると思うんですが、マイナンバーカードの最新の交付状況と申込状況を伺ってよろしいでしょうか。
(答)直近のマイナンバーカードの交付状況として、一昨日、3月7日時点の累計の有効申請受付件数と交付枚数ということですが、有効申請受付件数は、約3,958万件、交付枚数は約3,382万枚で、これをそのまま計算すると交付率は約26.6%ということになっています。今年1月の有効申請受付件数と交付枚数は、それぞれ受付枚数が約168万件で、交付枚数が約116万枚、そして2月は受付件数が338万件、交付枚数が約143万枚ということで、増加していると思っています。4分の1を超えましたので、次は3分の1を目指したいと思います。
(問)一部報道で、木原稔総理補佐官を水際対策の関係省庁の調整役にすると、かつ位置情報把握システムの構築に向けた調整に当たるという報道があるんですが、この事実関係と木原さんの位置づけ、役割について伺えますでしょうか。
(答)これは恐らく、官房長官から記者会見でお話しになると思いますが、総理補佐官という立場だと思いますので、恐らくオリパラアプリ等々の今後の運用等々について調整をする役割を担うんだろうと思っています。その下で、私はシステムの開発に関する工程管理はさせていただこうということです。各省にまたがるというシステムに関しては、デジタル庁がない現時点においては、このやり方しかないんだろうなとそのように思います。これは官房長官に聞いていただくのが一番ではないかと思います。

(以上)