平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月19日
(令和3年2月19日(金) 9:28~9:39 於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)
1.発言要旨
まず私から、既に厚生労働大臣の方から皆さんには説明があったと思いますが、COCOAの不具合について少しお話をさせていただきたいと思います。
新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAの不具合について、内閣官房IT総合戦略室からも技術的な支援を行ってきたところ、昨日18日(木)、厚生労働省において陽性者との接触について通知を受けることができなかった問題等を解消した修正版の配布を開始したということです。
COCOAは自分が陽性者と濃厚接触した可能性を知ることができることや、感染したものの無症状である方が自らの感染を知るきっかけとなり得るなどの観点から意義があり、このアプリを国民の皆さまに広く安心して利用していただきたいと考えています。今後、事案の経緯や原因を改めて精査して、検討していくことが重要と考えておりまして、厚生労働省の調査に技術の専門家を派遣するなどしっかりと協力していきたいと思います。
さらに今後も不具合が発生した場合は速やかに解消し、機能改善を図っていく必要があることから、今後のCOCOAの運営、開発・運用に当たるため、内閣官房IT総合戦略室と厚生労働省の連携チームをできるだけ早く発足させることになりました。
今般の不具合はネット上の技術者コミュニティで指摘されていることを踏まえて、本連携チームでは、外部の有識者や民間技術者コミュニティとのコミュニケーションの仕組みについても検討することにしました。
デジタル庁が創設されると、こうした国にとって重要かつ緊急的なシステムについてはデジタル庁が関係省庁との連携の上、自ら開発してリリースまで担っていく予定であって、今回の事案への対応などを経験値としてデジタル庁の設置準備にも活かしていきたいと考えています。
私からは以上です。
2.質疑応答
- (問)今、お話に出た連携チームの件ですが、できるだけ早く発足ということですが、今のところ、目途としてはいつ頃に何人体制で。
- (答)できるだけ早くというか、実質上はもう彼らは動き始めています。
- (問)もう月内には。
- (答)それはもう間違いなく、月内にはいくと思います。ただこれは発令手続きに時間がかかるので、役所は。実質はもう既に彼らが動いています。
- (問)皆さん兼務、兼任ということですか。
- (答)そうです。IT総合戦略室に対して、厚生労働省、本拠地が一応こちらに移って厚生労働省を兼務させるということになるかな。
- (問)虎ノ門のIT総合戦略室の方に厚労省と。
- (答)今回は厚生労働省抜きには触れない部分があるんで、厚生労働省にも来ていただかなくてはいけないという。本拠地が内閣官房、厚生労働省から来てもらうということになると思います。
- (問)ここに出ているメンバーを数えると十数名ぐらいになるんですが、そのぐらいの規模でスタート、やるということですか。
- (答)この中でも何人か、例えば、関さんなんかはコード・フォー・ジャパンの中心的なメンバーの1人だし、GitHubとのコミュニケーションとか、そういうのがこれで正常に動いていくかと。ですから、ここにいる人たちが中心になって、エンジニアの皆さんとのコミュニケーションができる体制になったと思っています。
- (問)ワクチンの接種管理システムですけれども、こちらはベンダーが「ミラボ」というスタートアップに決まったと出ていますが、非常に注目度が高いワクチンの接種管理、注目度が高いこのシステムがスタートアップ1社で大丈夫かという指摘もあると思うんですけれども、少し御所感を伺えればと思います。
- (答)ここは既にいろいろと実績があるんです。母子手帳とか自治体関連のものがあって、ワクチン接種の台帳に関しても実績があるという意味では、一番得意とする分野なのでここに至ったと思います。
- (問)予算委員会で野党側からマイナンバーが中国で漏えいした問題について指摘が出ましたけれども、この問題について大臣の御所感をお伺いできれば。
- (答)あれは、結構古い事案というか、平成29年度に発生した事案で、当時、日本年金機構が委託した外部事業者が、契約によって再委託が禁止されているにもかかわらず、中国の事業者に再委託をした事案と聞いています。
厚生労働省の監督の下、日本年金機構において調査をし、そして、外部事業者から中国の再委託事業者に送られた情報については、当時IBM社の技術的な検証等を経て、「氏名とフリガナ」のみであったとされ、そして、このIBMの調査結果についてさらに第三者機関でも検証していただいて、IBM社の結論には信頼性があると評価されたものと承知しておりまして、一定の結論が得られていると思っているので、なぜ今この話がそんなに出てきたのかということが少し不思議です。 - (問)COCOAについて確認ですけれども、先ほど本拠地がIT総合戦略室の方にということをおっしゃっていましたけれども、これは元々はGoogle、Appleで公衆衛生当局が運営するという話になっていたと思うんですけれども、そこの関係としては如何なんでしょうか。
- (答)基本的にパラメータを動かすとか、そういう運用の部分に関していえば、厚生労働省のままということになります。
ただ、今後の開発の改修とか、今後の不具合に関してはこちらで責任を持つと、次に何か不具合が起きたら私が記者会見をしなければいけないという状況になるだけで、元々厚生労働省がやはり使う主体者であると、主体であるということは変わっていないんです。だから問題ないということです。 - (問)先ほどGitHubで今回指摘があったという点なのですが、ネット上のコミュニティとコミュニケーションをする仕組みというのは、具体的にどんなものを想定されていらっしゃるか教えてください。
- (答)今までそういう指摘があっても無視していたものを注視するということになります。今度のチームはいろいろな指摘を広く、非常にありがたく承るとなるので、そういうところとやはりコミュニケーションをしていこうと考えています。
元々このメンバーは、コード・フォー・ジャパンのメンバーでもあるし、そういう人たちにもまたいろいろアドバイスをいただくということになると思います。
不具合というのは、永久に無くなりませんので、この手のアプリは。今後、何もないということはないということを最初から言っておきます。
(以上)