平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月29日

(令和3年1月29日(金) 11:11~11:21  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 まず私の方から、地方自治体が活用するガバメントクラウドについての「デジタル改革共創プラットフォーム」における対話について、報告申し上げます。
 現在、政府の情報システムについて、共通的な基盤等となるクラウドサービス、いわゆるガバメントクラウドの整備を進めています。地方自治体の情報システムについてもガバメントクラウドを活用できるように準備を進めており、標準化の議論と並行して標準仕様に準拠した基幹業務等いわゆる17業務の情報システムについてガバメントクラウドを利用できるようにしたいと考えています。
 このことについては、地方自治体の意見を丁寧に伺いながら取組を進めていかなければならないと考えておりまして、1月22日に開催された総務省主催の「全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議」において、地方自治体におけるガバメントクラウドの活用案について内閣官房より説明しまして、そして今週月曜日から内閣官房IT総合戦略室の「デジタル改革共創プラットフォーム」を通じて、この案について地方自治体の皆さんとの対話を重ねています。
 記者の皆さんにその資料等は既にお送りしていると思いますが、昨日時点でガバメントクラウドの共通基盤・機能やガバメントクラウドを活用する業務の範囲等について、64件のコメントをいただいており、今後も丁寧に対話を重ねて意見を伺いながら検討を進めていこうと考えています。地方自治体の皆さんにおかれては、「デジタル改革共創プラットフォーム」に積極的に御意見をお寄せいただけたらと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2点お伺いしたいのですが、まず冒頭発言の資料について確認させていただきたいんですが、日程を含めて、これまでに公にされていない要素というのはどこになりますでしょう。新たな要素があればお伺いしたいんですが。
(答)それは事務方からまた説明させてもらいます。
(問)もう1点が開発中のワクチンの新しいシステムについてお伺いします。このメリットは理解した上で、自治体から新たな負担増にならないかという不安ですとか懸念の声があるんですけれども、大臣はこの声に対してどのようにお答えになりますでしょうか。
(答)ワクチン接種の情報管理システムについては、現在河野大臣を補佐する小林内閣府大臣補佐官の下、内閣官房IT総合戦略室が協力して今、具体的な検討を行っています。
 このシステムでマイナンバーを活用できれば、例えば引っ越し等で自治体をまたいで接種を受ける住民も見込まれる中、自治体の内部事務における迅速な情報把握が可能になります。これはよく誤解があるんですけれども、マイナンバーの利用は元々マイナンバー法上、予防接種管理事務で可能になっていたものと、これは私、予算委員会でも発言をさせていただきましたが、また、一部の報道で自治体のマイナンバーとの紐付け作業が大変なのではないかという指摘もあるんですが、自治体の内部事務処理でのマイナンバーの利用は、これは従来から行っているので、既に各自治体の住民基本台帳上マイナンバーとの紐付けはもう行われているということなんです。
 ですから、新たな紐付けということではないということです。今回開発するシステムの検討に際しては、ワクチンの配送、接種の業務に滞りが生じないことを大前提として、現場の負担を最小限にしたシステムを考えておりまして、実際にワクチン接種業務を行う自治体の意見やニーズも聞きながら迅速に検討していくことが重要だと考えています。
 マイナンバーやデジタルを活用した情報連携が円滑にできる体制を整備していくために、今後も協力をしていきたいと考えています。
(問)ガバメントクラウドについて教えてください。先ほどの御説明で自治体が利用できるようにするということですが、今度出されるデジタル改革関連法案では、利用を、努力義務を自治体に課すと私は聞いております。なぜ努力義務を課して、国のクラウドに集約していくのか、どういうメリットを見込んでいらっしゃるのか、その辺りの狙いをお聞かせください。
(答)メリットはたくさんあると思うんですけれども、まず、自治体によって財政的な基盤もありますので、今後、人口減少過程においてシステムの維持管理というものの負担を軽減していきたいということ、そしていろいろな制度設計、国の法律が変わるたびにシステムの大幅な改修ということ、その費用がかさむことを何とか避けたいと。つまり制度変更に対してコストがかからないようにする、それがクラウドという考え方、できればSaaSモデルにもっていくのが一番いいと我々は考えています。
 そして、自治体の業務の軽減というものも必要だと思います。今回の、例えばワクチン接種のワクチン台帳の話もそうですけれども、仕事の内容は一緒なんですが、やり方が各自治体によって違う、つまり標準化されていないということもあって、そうなった時に全国的な情報としてそれを分析していくということが非常に行いづらいわけです。
 ですから、今回のワクチン接種の台帳の情報共有の話に関して言うと、今後こういうことが起きていく、その前、各自治体がばらばらに管理をしている17業務に関わるようなものに関しては、そういうものの標準化ということを進める一つの試金石になるのではないかと思っています。
 国民にメリットがあるというのは、国民はその自治体でずっととどまって動かないというものではなくて、移動もしますし、特にこの春先は転勤とか就学で人が動く時です。住民票が動くたびに多大な、いろいろな手続があるというようなことも、今後避けていくためには情報連携をしていかなくてはいけないと考えています。
(問)確認ですが、そうすると実際の財布は自治体の規模にもよりますが、基本的には国がシステムをアプリケーションまで含めて用意するスタンス。
(答)アプリケーションは自治体が用意するという方が多いと思います。それは既にいろいろなベンダーさんと進めておられるものもあって。ですから、クラウド環境を用意するというのが正しいと思います。

(以上)