平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月22日

(令和3年1月22日(金) 16:58~17:20  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 まず私からマイナポータルの新デザイン案に関する意見募集の結果について御報告させていただきます。
 マイナポータルは、「マイナンバーカードをキーにした、わたしの暮らしと行政との入口」の役割を担っていまして、国民の皆さんに便利に使っていただけるよう、UI/UXを利用者の目線で徹底して見直す必要があると考えています。
 昨年末にこの会見の場でも報告しましたが、マイナポータルの新デザイン案について昨年12月25日から先週1月15日まで「デジタル改革アイデアボックス」にて広く意見を募集させていただきました。
 この結果については、もう全てオープンにしていまして、皆さんもご覧になれるようになっているので、見ていただけたらと思うのですけれども、賛成とか反対とか、とてもいい具体的な提案とか、自治体とか、使っている方とか、プロの方を中心にいただいた意見が非常に役に立ったと思います。
 主なコメントとしては、情報量が多すぎるのでもっとシンプルにと、住まいや年齢などのユーザーの基本情報に対応して、その人が必要とする情報が表示されたり、申請の手続が簡単にできるようにしてほしいという提案とか、自作のデザインも提供いただきました。
 利用者目線の具体的な改善の提案は数多くいただいたので、まずはいただいた意見を参考にしながら、今年の6月までに新しいデザイン案をベースとしたマイナポータルのデザインの見直しを行うということです。
 さらに秋までには、行政機関等にある自分の情報や情報機関等への申請履歴も含めて、再入力をなくす機能の追加などをやりたいと。こうした見直しの際にはアイデアボックスを活用して皆さんの意見も聞きながら不断の改善を行いたいと思います。
 ただ、このUI/UX、デジタルトランスフォーメーションという話はこれで終わりというものはなくて、永久にやり続けることがDXでありUI/UXの見直しということなので、不断の見直しはずっと続けていきたいと思っています。
 最終的には私が言っているように、誰でも自宅にいながら最終的にはスマートフォンで全ての行政手続を60秒以内に完結できるようにして、圧倒的に便利でデジタルを意識しないデジタル社会とか、人間に優しいデジタル社会を目指したいと思います。
 これは余談ですけれども、今後、このマイナポータルから新型コロナ感染症対策のワクチンについても自己の接種履歴をマイナポータルで確認できるようにするという検討は政府としては当然の判断だと思います。ただ、今回、マイナポータルの設置状況とかそういうことで間に合わない部分もありますけれども、そういうものを目指したいと思います。
 どのぐらいのタイミングでそれができるかということではありますけれども、これはもう皆さん、望むことではないかと思うんです、自分の履歴を見られるようにするということは。乳幼児のワクチン接種とか、そういう履歴が見られるようになるので、この新型コロナに対応してそういうことができるようになれればいいと考えておりまして、またそういう提案も今後させていただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣は先日19日の閣議後会見の際に、河野大臣とマイナンバーの活用について協議するとおっしゃっていましたが、その実際の協議のやり取りがどんなものであったのかをお伺いしたいのと、その後、国会で総理がマイナンバー活用を検討という御発言をされましたけれども、現状で具体的にどんな活用方法を検討しているのかというのをお聞かせいただけないでしょうか。
(答)2番目の質問は何だった。
(問)総理がマイナンバー活用を検討とおっしゃって、官房長官も会見でおっしゃっていましたけれども、マイナポータルの設置が遅れているというのはあると思うのですが、どれぐらい。
(答)マイナンバーカードやマイナポータルの話と、マイナンバーと紐付ける話は別にしてください。タイムスパンも違うし、混乱するといけないので。
(問)今できるマイナンバーを活用した手法というのはどんなものを検討されているのかというのを改めてお聞きしたいんですが。
(答)これはまさに河野大臣のところで、私はマイナンバーを使うことを提案させていたただいて、河野大臣のところで御検討いただいているということです。決まりましたらこちらでまた、それに協力をするということです。
(問)河野大臣との協議というのはどんなやりとりがあったのでしょうか。
(答)私が記者会見で申し上げたことと同じことを河野大臣にお話をして、マイナンバーを使うなら、もう今でしょという感じだよね。
(問)確かに今、河野大臣のところでマイナンバーに関してやっていらっしゃるということではありましたが、今回マイナンバーをワクチン接種で活用するのは、情報の管理に紐付けるという解釈でよろしいのでしょうか。それとも予約の段階でも何かしらマイナンバーと紐付けることなんでしょうか。
(答)これは情報の管理ということになります。あくまでも接種の情報を悉皆性のある国民の唯一のIDであるマイナンバーを使ったらこれは確実に管理できるというところからで。それからここは私もよくわからないんですけれども、V-SYSとか厚労省で進めていただいているものの機能を、私、あまり存じ上げておりませんので、そこは分からないんですが、予約管理に関しては各自治体が厚労省から予算を用意していただいて、独自にそれぞれいろんな形で開発していると聞いています。そういうことですから、恐らくはそうはならないだろうということだと思います。
(問)午前中の閣僚会見で河野大臣は、システムを構築する必要があるか検討しているというお話があったのですが、まさにこの辺は平井大臣の方の、どちらかというとフィールドというか所管だと思うのですが、あくまで協力という形なのでしょうか。
(答)ワクチン接種のための一つのパーツとして必要なシステムということになるので、今回河野大臣がワクチン担当大臣になったということなので、連携してやるということで、そこを追い越して私が何かを作るということではありません。
(問)河野大臣はその時に、どこが所管かということは決まり次第お知らせしたいと回答されているのですが、そこは何か、平井大臣のところに所管が移るということでしょうか。
(答)所管というかシステムを作るとなると、こちらに来るということになるのではないかと。ただこのV-SYSは全然こちらに来ていませんから。V-SYSは厚労省が内部でお作りになっているので、V-SYSは完全に別な話です、これは。
(問)そこに紐付けの部分は平井大臣のところに本当にシステム……
(答)だからアドオンするような形のものをこちらに発注してくるのではないかと思います。
(問)今の関係で、新しいシステムですが、現状は予防接種台帳のオンラインのシステムがあって、ここにマイナンバーが紐付いて情報連携もされていると思うのですが、これをそのまま活用するということはできないんですか。
(答)それを含めて、どこかのサーバーに上がるわけで。ただ、台帳が標準化されていないんです。だからこれはいずれデジタル庁の標準化していくものの対象になるね、これはいずれ。今は自治体任せの台帳ですから。ただ、今回そういうことをやるべきではないかなと私は思いますけれども。
(問)COCOAの時は、IT戦略室の方で主導をして開発をされたという認識なんですけれども。
(答)COCOAは、西村担当大臣のところで開発したんだよ、あれ。その下に平副大臣がいたということです。
(問)今回の仮にそのシステムのアドオンが下りてくるとしたら、それと似たような体制になるという理解でよろしいですか。
(答)V-SYSはあくまでも厚生労働省なので、恐らく厚生労働省が今やっていることに障害がない限り、こちらにそういうものを依頼してくるということになると思います。
(問)別件で、先ほどマイナポータルにコロナ関連のワクチン接種履歴が残るといいという御発言がありましたけれども、これはコロナに限らず、各種ワクチンの接種履歴というものも残った方がいいという理解でいいのでしょうか。
(答)予防接種事務はもうやることは決まっているんです。スケジュールで情報連携をしていくということは決まっているんですけれども、今回は逆にいうと新型コロナがそこに入っていないんです。
(問)マイナンバーの活用事例としては非常にグッドアイデアだとは思うんですけれども、一方で人によっては例えば接種しないという選択をして、それを政府にも知られたくないという声も今後出てくるという気もするんですが、その辺の説明みたいなものはどのように。
(答)システムとそれは話は直接全然関係ない話なので、それはもう医療現場の皆さん、もしくは自治体の皆さんの判断ということだと思います。
(問)それを住民にどう説明するかということですか。
(答)いや、私はワクチンの必要性とかそういうのを訴える立場ではなくて、オペレーションでクーポンを配る立場でもなく、実際打つ現場にいるわけでもないので、そこでの皆さんの判断ということだと思うんです。
(問)ただ、それをマイナンバーで管理すると、自動的に受けていない人もわかってしまうというか。
(答)それはマイナンバーで管理しなくても台帳で全部わかってしまうので。
(問)結局一緒だと。
(答)要するに、住基とマイナンバーが一体です。住基と今回のワクチンの台帳の対象者が一緒ですから。つまり、誰が打って、誰が打っていないというのはわかるということなんです、マイナンバーとは関係なく。
(問)ことさらそこで騒ぐこと自体がおかしいということですよね。
(答)誰が打ったか、誰が打ってないという情報は表に出す話ではなくて、マイナポータルとかは自分が打ったことを証明したいとか、打ったことを確認したいという人たちの要望であって、誰が打ってないから打たすとかいうものではないと。
(問)ゆくゆくは今回間に合うかわからないけれども、新型コロナウイルスのワクチンを打ったか、打たないかを確認できるようにした方がいいと先ほど御発言がありましたけれども。
(答)マイナポータルはそういう機能を持たせるようにするじゃないですか、もともとのスケジュールで。今回のワクチン接種も入っていると非常にいいと、当然皆さん思われるだろうということなんですけれども。
(問)今回は間に合わないんですか。
(答)間に合うか、間に合わないかも何もまだわかりません。やるかやらないかも含めて、まだ。
(問)前向きに検討したい、間に合わせられるかどうかも含めて検討したいということなんですか。
(答)デジタル庁が今後、国民とのタッチポイントで描く世界観からいうと当然そういうものはあったらいいなと、国民が絶対思うはずなので、そういうものを目指したいとは思いますが、今回のスケジュールでどこまでできるかということに関してはまだ全くわかりません。
(問)河野大臣がワクチン担当の大臣に任命された関連で、IT総合戦略室なり、番号室の方から河野さんのいわゆるワクチンチームといいますか、ワクチンの関連で大体どのぐらいの人が行っているのか、体制として、システムとか、デジタル活用の関連でワクチンのチームにどのぐらい入っているのか、もしわかれば。
(答)ワクチンチームって、これはあるんですかね。わかりませんが、今までも河野大臣と私はこの規制改革とデジタル改革は表裏一体なので、一緒にやっているので、ことさら、何か省庁をまたがって何かやるということの問題は全く感じていません。
(問)今までの体制の延長線上でやっていると。
(答)そうです。やれる人がやる。ただ、今、法案の準備に追われているし、IT総合戦略室とか番号室も今もう佳境に入っているので、実際やるとなると多少の戦力強化は必要かなと思います、河野大臣は。こっちのリソースはほとんどないんで、今。
(問)民間人材の4月の選考採用の公募が今日で締切だと思うんですけれども、現状どのぐらい集まっているのでしょうか。
(答)30人の枠に千人以上になってしまうでしょう、最終的に。もう九百何十人とかと聞いていて、恐らく千人を突破すると思うんですけれども、多いので選考が大変かなと思います。
 誤解されたら困るから言っておくけれども、システムは誰が発注するのかというようなことも何も決まっているわけではないので。ただ、私はマイナンバー担当大臣としてそれをお手伝いするスタンスだということです。
 やはりこのシステム自体は、もしデジタル庁が作るのであれば私自身が陣頭指揮を取って、省庁横断的なシステムはスコープの中に入っているのでそれでやるべきだと思うし、この情報の話というのはこれからいろんな分野のガバメントクラウドの話の前哨戦みたいなことにもなると思っています。
 ただ、今回は安全に、国民にワクチンを届けて、安全に接種して、それを実施するというオペレーションが何よりも重要だと思っているので、新たな負荷をかけるような開発業務をONするべきではないと私も思っています。
 ですから、今やっていることの中で、今すぐ改善できる点は何なんだろうか、将来は今回のような事態を受けてマイナポータルというのをもっと有効に使えるようになったらいいだろうということで、両方を考えていかなければならないと思っています、ということです。
(問)今、千人ぐらい集まったということなんですけれども、これに対してどうお感じになるかということと、これを受けて改めて採用を少し増やすとか、何かそんなことをお考えになっていたら教えてください。
(答)まだ選考にも全然入っていないのでわからないけれども、デジタル庁に関心を持っていただいている方が非常に多いと。今回は非常勤じゃないですか。また、それ以外のいろんな形の関わり方があるんです。ですから、皆さんの専門分野とか、いろんなものも聞いてみたいし、まずは書類選考から始めたいと考えていて、まだ中身はわからないので、何とも申し上げられません。

(以上)