平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月19日

(令和3年1月19日(火) 11:02~11:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨

 私から、今日の動画とかブログで上げましたけれども、第204回国会の開会に当たってということで、まず冒頭発言をさせていただきたいと思います。
 第204回国会が開会して、デジタル改革を進めるための予算及び法案についての審議が本格化することになります。まずはデジタル改革担当大臣としてデジタル改革を推し進めるとともに、早期の法案の成立に向けて気を引き締めていきたいと思います。
 まず、令和2年度の第3次補正予算では、デジタル改革関連予算として、総理が施政方針演説でも述べたとおり、全国規模のクラウド移行や自治体システムの統一化・標準化などを通じて、住民サービスの向上を図るため、1兆円規模の緊急対策を計上しております。さらに、デジタル庁創設の初年度となる令和3年度予算は、政府情報システムの一括計上を中心に、デジタル関係予算として3,000億円を計上して、強力な機能と予算を持った組織としての第一歩にしたいと思っています。
 感染症対応については、施政方針演説でもあったように、国民の皆様の御協力をいただきながら、この難局を乗り越えていくために、内閣の一員として必要な対応に取り組みたいと思っています。
 先日御説明をさせていただいたデジタル改革関連法案は、提出に向けて鋭意作業を進めているところでありますが、今後、デジタル改革を推進するに当たって極めて重要な法案であると思いますので、非常に大部にわたりますが、内閣の一員として、また法律を担当する大臣として、早期成立に向けてしっかりとやっていきたいと思います。
 今国会はデジタル改革を進めるための重要な国会であると思っておりまして、法案とデジタル庁の創設ということを確実に一歩一歩進んでいきたいと、最終的に決まるようにしたいと思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)河野大臣についてお伺いします。これまで二人三脚でこのデジタル改革を進めていると思うんですが、ワクチン担当も兼ねることになられました。デジタル改革の取組へどういう影響があると想定されていますでしょうか。
(答)結果から言えば、影響はないと思います。これまでも規制改革とデジタル改革はコインの裏表だと、車の両輪だということで、タッグを組んで2プラス1会合による改革の議論などをやっていました。デジタル改革関連法案において、これまで河野大臣が整理いただいた約50ですかね、49の法律の改正案は、私の方でまとめて提出をさせていただく、審議担当を私がやるということでございます。ですから、法案という意味では規制改革の部分は私にバトンタッチがされたと思います。
 河野大臣は、これまでの既存のやり方を抜本的に見直す各省庁間の調整をやってきて、今回ワクチン接種に係る調整等を担われることになったので、私の方も全力で協力する考えであります。今日、午後にも打ち合わせする予定になっております。
 特にワクチン接種については、行政機関等における事務作業が今後どうなっていくのかということ、ここからマイナンバー担当としての話をさせていただきたいと思うんですけれども。実は、マイナンバーの番号法の別表に、新型インフルエンザ等対策特別措置ということで、予防接種に関してマイナンバーを使えるように書いてあるわけです。これは新型インフルエンザですけれども、それを改正をして、新型コロナにも使えるように読み替えているわけです。
 つまり、今回ワクチン接種に関しては、悉皆性のある国民の唯一のIDであるマイナンバーと紐付けると、間違いが起きないということなので、私の方から河野大臣にマイナンバーを使うことを強く進言したいと思っています。恐らくワクチンをデリバーするための管理システムと、あとは接種を管理する、いつどこで誰に打ったのかということを管理する、両方要ると思うんです。
 これ、デジタル改革担当として、是非、河野大臣をお支えしたいなと思うのは、マイナンバーを使った管理システムを現場とうまく連動できるようにすれば、間違いが起きないと思います。何のためのマイナンバーなのかということを考えた時に、税と社会保障と災害、その社会保障ということですから、今回使わなくていつ使うんだと私自身は思っています。ワクチン接種に向けて、マイナンバーを使うことを強く私は要望したいと思っています。
(問)今の御発言に関連してなんですが、今日の午後の河野大臣との協議で調えば、それから制度設計に向けて着手するというイメージですか。
(答)これ、私たちはまだ噛んでいませんでしたが、ワクチン接種に関しては厚生労働省の方で、今までワクチンの管理配送、接種の現場、いろんなことの検討を進めてきたと思います。今後、接種に関する情報管理が重要になる局面だとしたら、我々はこれから協力しようということです。
(問)今のワクチンの関係ですが、マイナンバーを紐付けると間違いが起きないとおっしゃいました。もう少し噛み砕いて、どういったメリットがあるのでしょうか。
(答)名前と住所を書いてもらって、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)で管理をするということと、今回、私が聞いている範囲だと、完全に国費100%負担なので、健康保険証も使わないと聞いています。そうなると、間違いなくその人がワクチンを打ったことを管理するには、何がいいのかと。例えば住民票だと、途中で引越しされたりすると、非常にトレースが難しくなります。だから、マイナンバーというのは、引越ししようがその人唯一の番号ですから、そこにワクチンを紐付けておいたら間違いが起きないということを申し上げたまでです。
(問)マイナンバーを使わないと、打ち漏れとかそういうことが起きかねないということ。
(答)名前と住所と電話番号とかそういうものでやることに、皆さん、危険を感じませんか。住所だってちょっとした番地の書き方、2丁目2―1を2―2―1と書くとか。2回目のワクチンを接種する間には時間があるので、住所を変えざるを得ない人たちも当然できてくるのではないでしょうか。そんなことを心配しなくていいのがマイナンバーではないかということです。
(問)関連で、厚労省がワクチン接種円滑化システム(V-SYS)を進めていると認識しています。そこにマイナンバーを使った管理システムを組み込んでいくという、そういうイメージなんでしょうか。
(答)V-SYSに関しては、詳しく聞いているわけではないですが、ワクチンの在庫管理とその搬送ということがV-SYSの一番大きな目的だと聞いています。ですから、台湾のマスクでいえば、在庫管理と配付というところまでがV-SYSで、打った後の管理ということは違うシステムになると今の時点では思っています。最終的にそれを情報連携させるかどうか等々は、今後の検討ではないでしょうか。
(問)別件になるんですけれども、政府のウエブサイトを一元化するという方針に関して、例えばマイナポータルでログイン可能になるとか、現時点でどのような要件をお考えなのでしょうか。また、現状、省庁だけでなく、政策単位でサイトを立ち上げているということがあると思うんですけれども、そういった現状のリンクサイトのようになっているところに関して、どのように認識されているのでしょうか。
(答)それはまさに今やっているところで、これから最終的にどこまでやるかを現在検討中と。デジタル庁を立ち上げた時には、それを世の中に出していきたいと思っているので、できるだけわかりやすくて、いろいろなページに、あっち行ったりこっち行ったりしないように、リンクばかり貼っているような不親切なことにならないようにしたいと思っています。
(問)先ほどのワクチンとマイナンバーの件で確認ですけれども、実際の接種した後の管理であれば、自治体が担うと思うんですけれども。自治体のシステムでマイナンバーと紐付けるというイメージになるんでしょうか。
(答)結局、今、住民票とマイナンバーというのは紐付いています。、住所で管理するかマイナンバーで管理するかということになると思います。それをどういうシステムで管理するのかは、私は全然打ち合わせに入っていないので、今後やる方向と違うかもわかりません。私が聞き及ぶ範囲においては、医療従事者、そして既往症のある方を優先して打つとなると、結局その人から行くわけで、全部の住民票から1人ずつ打ったか打たないかとやるのではなくて、積み上げ方式になると思います。その場合にも、マイナンバーで管理するのが、医療従事者であろうがどなたであろうが、一番確実だと思っています。
 いずれにせよ、自治体がタッチポイントになるので、その情報を各自治体が管理をするけれども、どこかでマージしないと、国として全体管理すべきことだと思います。
 これから先は私の想像だと思ってくださいね。副作用が今回出るわけでしょう。そういうものをトレースする時にもマイナンバーでトレースした方が安全ではないかと、個人的には思います。
(問)2月下旬から医療従事者を皮切りに始めていく中で、あと1カ月強しかないんですけれども、そのスピード感的にはマイナンバー活用というのはいかがお感じでしょうか。
(答)マイナンバーを使うということ、これは法律で新型インフルエンザの予防接種にマイナンバーを使うと、その時追加して入れているわけです。ワクチン接種というのは、確実にその人に打ったか打たないかというのがはっきりしないと危ないんですね。その意味で、誰にいつ何を打ったかというのを確実に管理する方法というのは、私はもうマイナンバーしかないと思っていて、それをどのようにマイナンバーと紐付けるか、どのように管理するかというのはこれから考えるべきだと思います。
(問)ワクチンのマイナンバーの管理ですけれども、厚労省の計画だとマイナンバーでの管理は台帳で管理するということになっていたと思うんです。その時点で何か課題があるからそういう結論になったという気もするんですけれども、課題があるとすれば、それはどう解決する。
(答)基本的に、管理は自治体に任せるということだと思います、厚労省のスタンスは。それぞれ、物も自治体に送る、接種も自治体に任せるので、自治体に管理してくださいということで、管理の仕方も自治体にお任せということだろうと思います。
(問)そうすると、厚労省の、先ほど質問に上がった円滑化のシステムとはまた違うシステムということで、今回マイナンバーを使うのは、接種した後の部分。
(答)接種する時ですね。
(問)接種する時からをトレースしていくというか、そこで。
(答)すべきだというのが私の考えです。
(問)マイナンバーとワクチンの接種を紐付けるような新しいシステムを、それは政府として作るということですか。
(答)マイナンバーというのは、それぞれの国民に振られた唯一の番号であって、その人がその人だということを本当の意味で明らかにできる唯一の番号だとしたら、それにワクチンを紐付けるというのは当然の発想であって、それ自体を、紐付けることに関して言えば、別にシステムがなくても紐付けられるわけです。Excelであろうが何であろうが、結局マイナンバーとさえ紐付けておけば、トレーサビリティーは担保される。名前で管理すれば、また同姓同名とかいろいろ出てきたりするわけです。日本語は読み方、片仮名で管理すれば、名前の読み方はいろいろだし、確定してないわけです。唯一確定しているものとやらないと。今回、人の命に関わることですから、マイナンバーを使うべきだし、その趣旨で法律の中に新型インフルエンザの予防接種をマイナンバーの別表の中に入れている。
 今のところ、マイナンバーというのは、法律で別表に加えていかないと新たなものに使えないという不便さがあるんですが、これはもう既に当初から書いてあることなので、それを敢えて使わないというのは、私ははっきり言って不作為だと思います。
(問)マイナンバーカードの普及率、少しずつ上がってきていますけれども、まだ目標とするところには遠いかと思うんですが、そうした現状でも、マイナンバーとの紐付けに関しては、特に支障はないということでしょうか。
(答)マイナンバーカード、例えば今回、マイナポータルから予防接種を予約できて、トレースできたりしたら便利なんだけど、当然今それはできないわけです。最低限できることは、マイナンバーと紐付けることだと思います。
 ただ、今後、これも想像ですけれども、一般の方々が打つようになった時に、接種の予約とかをできるようなシステムを、これは割と難しくないので、それは今のままだと各自治体が考えて作るということになると思うんですが、ある程度汎用的に使えるものを国がアシストするという必要があるのかどうなのか、早急に検討に入りたいと思っています。
(問)教育関係で一点お尋ねしたいんですが、昨日の演説でも菅総理、子供たちが希望や発達段階に応じたオンライン教育を早期に実行したいというお話がありました。文科省の方ではやはり対面を原則というお考えもあるんですが、大臣、改めて昨日の演説を受けて、今後のオンライン教育の進め方について見解をお伺いできればと思います。
(答)デジタル化を進める時に、9,000人の支援員を文科省の方で送るということを施政方針の中に入っていましたけれども、結局その人、子供たちそれぞれに適切な教育のカスタマイズというのは、デジタルが一番向いていますよね。だから今まで1対多で授業を受けて、個別に関してかゆいところに手が届くということができなかったところをデジタルの力でプラスしていくということだと思います。
 対面が重要だというのは、これは変わらない真実で、対面で人と人とが接して教育をすると、または友達と一緒にコミュニケーションするということは、人間形成の過程で非常に重要なことだと思うので、そういうかけがえのないアナログ空間は大切にすべきだと思います。それにプラスしてデジタルの力でもっと子どもたちの能力を伸ばせるのではないかという意味で、デジタル化は加速すべきだと思います。
(問)一点確認で、先ほどおっしゃったマイナンバーとの紐付けですけれども、Excelとかでもできるとおっしゃいましたが、今具体的に、何か新しい仕組みとかシステムを作って管理するということを考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)全くそれは何もないです、今のところ。私はワクチン担当ではないので、河野大臣にアシストできるならそういう方向でやらせてもらいたいと。
(問)それを今日の午後の場で進言されるということですか。
(答)しょっちゅうウエブで会話していますので。今日、朝お会いしたら河野大臣も、現況がどうなっているかまだご存知なかったので。これからレクを受けて現状を把握して、それで私と意見交換ということになると思うんです。
 ただ、今日この記者会見で話していることは、非常に異例ですが、全部未確定の話を、今日は自分を追い込む意味で言っています。要するに、マイナンバー担当として、マイナンバーは使えないというような状況だけは避けるという私の強い思いの記者会見だと思ってください。マイナンバーを使うとは誰も言っていませんから。
(問)何時ごろお話されるんですか。
(答)午後ですね。午後の早い時期にしたいと思います。
(問)先ほどのワクチンとマイナンバーの紐付けのところですけれども、必要とあらば、今のIT総合戦略室のスタッフを入れることもあり得るとお考えでしょうか。
(答)そのつもりでもう指示を出してあります。
(問)IT総合戦略室というか、デジタル庁の準備室のメンバーを出すということですか。
(答)準備室のメンバーというのは、要するに法案担当チームなので、IT室の方のメンバーを使うということになります。法案は法案で、今もう佳境に入っていますから。今、IT総合戦略室はあるので、そのスタッフもおりますので、あと番号室もあるので、そちらのスタッフを使おうと思います。

(以上)