平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月25日

(令和2年12月25日(金) 10:11~10:42  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 今年最後の記者会見ということになるんですよね、多分。定例記者会見は今日が今年最後になると思います。
 閣僚になって約100日間、皆様方にはいろいろお世話になりました。ただ、まだ、仕事の方はおそらく正月返上になる人もスタッフの中には多いですし、まだ終わったという感じはしませんが、今日、一つの閣議決定という節目の日でもありますし、来年の9月1日にデジタル庁が発足するということもここで正式に決定したわけで、いよいよ我々はさらにスピードアップして仕事に取り組まなくてはいけないなと思います。
 それでは私の方から、先日のこの記者会見でも触れましたが、本日の閣議において「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」そして「デジタル・ガバメント実行計画の変更」について閣議決定をしました。そしてデジタル庁の設立を記念して、来年「2021年デジタルの日」を実施するということで、本日15時から詳細を発表する予定です。ですので、今はいつかは言えないと、この記者会見で発表するということになっております。
 その発表イベントはオンラインで開催しますけれども、デジタルの日について御提案、御議論いただいたデジタル改革関連法案ワーキンググループの構成員を始めとした、このイベントの出席者からお祝いとか応援のメッセージや、国民や各界から寄せられたデジタルの日への期待の声、賛同企業等について紹介をさせていただきます。短い間によくこれだけ集まったなというほどメッセージも寄せられています。イベント終了後に広く国民の皆さんに知っていただくために、YouTubeで動画配信する予定で、これはどなたでも見ていただけるようにするということになっています。
 今日のイベントの模様は記者の皆さんだけがライブで見られるようにさせていただいています。これにより、来年のデジタルの日を皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思っています。
 なお、このデジタルの日の2022年以降の日程については引き続き国民の意見等を聞きながら、盛り上げながら検討していきたいと思います。来年は10日が日曜日ということもありまして、ちょうどどんぴしゃなんですが、どのようにするかはまたその来年の成功を見て、成功すると思いますが、また考えたいと思います。
 次に、「マイナポータルの新デザイン案」を公表して意見募集することとしましたので、あわせて報告したいと思います。
 マイナポータルは「マイナンバーカードをキーにした私たちの暮らしと行政との入り口」として、行政機関等への手続をスマートフォンでできるプラットフォームの役割とか、行政機関等にある自分の情報を簡単に取得できるなど暮らしをより便利にするためのサービスを提供しています。他方、国民がデジタルに圧倒的な利便性を感じていただくためには、マイナポータルのUX(ユーザーエクスペリエンス)、UI(ユーザーインターフェース)、使い勝手ということですが、徹底して見直す必要がありましたので、利用者が同じ情報の入力はしなくてよいようにするとか、利用者が迷わない導線にするとか、入力の手続のステップ数を減らすとか、そういうことを考えています。
 これは常に改良を続けようと考えてはいますが、まず令和3年6月に第一弾のリリースとして、導線の最適化とか、手続の入力ステップの削減などを実施して、さらに令和3年秋には第二弾のリリースとして行政機関等にある自分の情報や申請履歴を用いて再入力をなくす対応を行おうと考えています。不断の見直しをするということが重要だと思っています。
 このマイナポータルの新デザイン案については、本日25日から1月15日までデジタル改革アイデアボックスに掲載して広く国民の皆さんの意見を募集すると、利用者目線での忌憚なき御意見をお寄せいただきたいと、皆さんにも是非トライをしていただいて、忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
 マイナポータル、これは国民が全部使えるようになりますと本当に便利になりますので、是非皆さんも国民の一人として意見をお寄せいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)本日正式に基本方針と実行計画が閣議決定されたということで、改めてその意義とこの先の大臣の思い入れを聞かせてください。
(答)本日閣議決定された基本方針の中にデジタル化で目指すべき社会のビジョンについてもしっかりと書き込むことができたと思います。
 また、デジタル庁についても社会全体のデジタル化を推進する司令塔として必要な権限を付与して、また必要な人員約500人程度を確保するという方向が確認できたと思っています。
 また、デジタル・ガバメント実行計画については、新型コロナウイルス感染症への対応で明らかになった課題を踏まえて改定したものであって、網羅的かつ具体的な取組を含む大部の計画になっていますが、ここに書かれた取組を着実に実施して、基本方針と併せて行政のデジタル化を強力に進めていきたいと思います。
 今年の9月に総理からデジタル庁の設置とIT基本法の抜本改正について御指示をいただいて以来、9月末にデジタル改革関連法案準備室を立ち上げ、ワーキンググループの議論をもとに12月中旬には基本方針をまとめるという、これは今までにないスピード感で進めてまいりましたが、きっちりしたものができたと思っています。
 来年は基本方針の内容をしっかりと反映した法案を練り上げて次期通常国会に提出をし、成立を目指すということでありまして、このことが来年は一番重要だと思います。同時に、来年9月1日のデジタル庁設置に向けて可能な限り先行して必要な人員採用を進めるということの必要がありますので、その作業も急ピッチで進めていきたいと思います。
 本当にデジタル庁の設立に向けてのこのスピードは全く緩めることができないので、これからもスピード、スピード・アンド・スピードでやり抜こうと思っています。
(問)マイナポータルの新デザイン案の方ですけれども、実際にネットなんかの操作とかアプリの評価を見ると、マイナポータルはすごい低いというか、使い勝手が悪いと今までされてきていて、そしてこのタイミングでこういう改良に取り組もうと思われた理由と、その使い勝手、なぜこれまで政府としてマイナポータルを重要だと言っていながらここまで使い勝手が悪いままきてしまったのかという部分について、どう思われているか教えてください。
(答)マイナポータルに限らず、政府の作っているものが全てUI/UXははっきり言っていけてません。ですからそこに関して、やっぱり、十分重視していなかったという反省も踏まえつつ、国民のタッチポイントとしてのマイナポータルは改良の成果が一番国民にわかりやすいだろうと思うので、我々がいう国民目線、ユーザー目線のこれからの改良というものの一つの先駆けになると考えています。
 ですから、UI/UXはマイナポータルに限らず、全ての行政手続の改革の過程で見直していきたいと思います。いち早く手をつけたというのはマイナポータルということであります。
(問)マイナポータルなんですけれども、将来的にどのようにしていかれたいかということをお伺いしたいんですが、役所の個人の申請とかは全てここに寄せるとかそういうアイデアもあると思うんですけれども、この辺はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)いや、これは相当いろんなものがこれから考えられると思うし、例えば薬剤情報であるとか、自分のレセプトに由来する健康の管理であるとか、そのほかの確定申告であるとか、ふるさと納税であるとか、いくらでも拡張できると考えています。児童手当の申請とか、現況届を出すという話もさせていただいたんですが、マイナポータルさえチェックしておけば、ほぼほぼ全ての行政手続に関しては困らないという状態をつくりたいと。
 そのためにはやっぱり自治体との情報連携を進めていくということで、マイナポータルの一番いいところは、皆さんそれぞれが自分の情報に対して、特にマイナンバー関係で言いますと、どの役所が皆さんの情報を参照したかというようなことも皆さん自身が確認できるということで、非常に透明性が高い行政プロセスというものもそこで担保ができるんではないかなと思います。
 ただ、これを皆さんが使いこなせるというような時代は簡単にはこないなと思っているので、しかし、明らかに、それができると全く行政に対する考え方が変わると思うんです。だから、高い目標を目指して一歩ずつ進化をしていきたいと思っています。
(問)確認ですけれども、先ほど10日の日曜日とおっしゃったデジタルの日なんですけれども、これ、日程に関しては今日の閣議で了解を得た、了承を得たということでいいんですか。
(答)閣議了解にしていません、今回は敢えて。来年以降その日にちの変更も踏まえて考えようと。だから取りあえず、来年は9月1日にデジタル庁が発足して恐らく国民に対するお披露目というのはその10日、11日辺りが非常に重要なポイントになると考えているので。0(ゼロ)と1の組み合わせでその日をデジタルの日としてお祝いをしようというイベントは。もう、日にち言っちゃったですね、私。そういう質問をされちゃうと、これはもう、いやいや、ああ言っちゃった。ということで、日にちは聞かなかったことにしてもらわなくてはいけないんだけど、閣議了解していません、基本的には。
(問)この日程について報告はされたということですか。
(答)こういうことをやることに関して言えば、今までのこのワーキンググループのペーパーの中でずっと入っていますので。ただ日にちは具体的には入れてないんです、敢えて。今、言ったのはとりあえず忘れてください。すいません。
(問)先ほどのマイナポータルの件で、マイナポータルに限らず政府のもののUI/UXがついていけていなくて、今までも重視していなかったということなんですけれども、例えばその平井さんが前にIT担当相をやられていた時に、こういうところをもうちょっと変えようという御意識があったのか。それがあるなしにかかわらずなぜ重視できなかったのかというところをもう少し詳しくお願いできますか。
(答)デジタル化をするということで、やり方を十分に見直さずにやってきたという反省がずっとあったわけです。
 IT室でも、個別のシステムに関してできる改良はやっていたんですけれども、それではやはり不十分だということで、システムのアーキテクチャまで踏み込んで直さないと本当の意味でのUI/UXはよくならないと考えて、今回取り組んでいると。
 今までやってきたことは無駄ではなかったとは思いますけれども、本当に抜本的に、例えばワンスオンリーを実現しようと思うと、情報連携しないとできないんです。だから、同じことを何度も聞くなというふうに政府に対して思うのもわかるんです。だからそのためにやるという、それもUI/UXが非常に重要な点なので、そういう意味で抜本的に見直すのは、こういう権限を付与されるデジタル庁というものができるからそこができると考えて、今もうその作業に入ったということです。
(問)前からもお聞きしているんですけれども、便利になるというのは、万が一何か情報漏えいとかがあったときには結構それがリスクにもなると思うんですけれども。その辺りはどんな感じで国民にこれから御説明したいと思われていますか。
(答)セキュリティに対しては万全にやっていくということと、基本的なシステムのアーキテクチャが全て分散管理しているということで、ある一定以上のセキュリティは担保されているということをもっと理解していただかなくてはいけないと思います。
 ですので、いろいろな、デジタル化を進める中に当たって、特に政府に関して言えば、そこに対する一元管理というものに関する配慮は十分に行き届いた形になっているので、そのところを説明した上で、あくまでも国民個人が自分の情報をコントロールできる、そこがマイナポータルの非常にいいところではないかなと思っています。
(問)マイナポータルの改良に関してなんですが、アウトプットとしてこういったところを実現が間近ということなんですが、この改良に当たっては、今までの最初に作ったときのプロセスと今回の改良のプロセスではどんなところを改善したことで今回の改善に至ったのかという。今までとこういったところを変えたというところを御説明いただけますでしょうか。
(答)前回は、高市マイナンバー制度担当大臣が担当していたということなんですが、今度はデジタル改革担当大臣の私がデジタル庁に権限を寄せるということも踏まえて進めているという意味では、進め方が変わったということだと思います。
(問)属人的ということ。
(答)属人的というよりも、もっと大胆に変えるということが今まではなかなかできなかったんです。そこを大胆に変えていこうと。普通の役所が今まで改良を加えるということは今までもやってきて、少しずつはよくなっていたんですが、根本的に変えたいということと、スマートフォンで最終的に全ての手続を60秒以内にという世界観は、今までの改良の延長線上にはないんです。
 なので、そこら辺りも根本的に見直せるようにしていこうという意味では、これからやはり大変だと思いますけれども、高い山に登ろうという決意の下に取り組んでいるということです。
(問)全然話が違うんですけれども、大臣のツイッターに、28日午前11時半からYouTubeとインスタでライブをされるという告知が出ていますけれども、これはどういった内容のものなんでしょうか。
(答)それ、28日に私は地元に帰ってと。これは大臣としてというよりは、私のツイッターのアカウントで、街頭演説を大臣になってから一切していません。私はもう20年間ずっと街頭演説をするというのを自分に課していた、ノルマにしていたんですが、さすがに警備の関係上いろいろできなかったので、今年最後に1回だけライブで街頭演説をやろうと、そしてその準備をして時間も決めてツイッターで生で見てもらうというのがいいだろうということで、YouTubeライブで見てもらおうということで、高松でやります。東京でもどこでも見ていただけると思います。
(問)マイナポータルに話が戻るんですけれども、これはこれからも改良を重ねるということなんですけれども、デジタルデバイド改修に関して、どの辺りに工夫のポイントがあると思われますでしょうか。ちょっとややまだ高齢の方達がサクサクいけるというところまではまだ難しいと思うんですけれども。
(答)障害を持っている方々とか、高齢者の方々とか、こういうものに慣れていない方々をやはり対象にしてUI/UXは変えていかなくてはいけないと思います。ですから、改良をし続けるということを決めるというのが一番重要なところで、UI/UXはこれでいいという状態、完成品というのは永久にないと思っています。
 ありとあらゆる人たちにフレンドリーなインターフェースを作っていくというのも、これから大きなチャレンジだと思います。
(問)デジタルの日に関してですけれども、冒頭発言の中で10日日曜日とおっしゃった時点で、若干ごちそうさまな感じだったんですが、ということで伺うんですが。午後のイベントで打ち出しがあるのかもしれないんですけれども、改めて大臣として具体的にどういうイベントをやってデジタルの日を盛り上げていきたいのかという。どういうイメージを持たれているのかを伺えますでしょうか。
(答)これもいろんなアイデアがきていたんです。国民参加型のデータ活用イベントであるとか、デジタルオリンピックみたいなものであるとか、音楽配信のライブをやりたいという提案ももう受けています。
 来年の秋ということだと、コロナの問題をどこまで克服しているかまだ想像がつかないところがあるんですけれども、デジタルを前提にしたイベント、ハイブリッド型のイベントとかは、ちょうどいいタイミングじゃないかなと思っています。
 デジタルがいかに可能性があるのか、楽しいのかというところを、楽しく生きるために、デジタルってこう使えるんだみたいなことを国民の皆さんと共有できるようなことができたらいいなって思っています。
 また、9月1日に発足してもデジタル庁のことをなかなかPRするというか、そういう機会もあまりありませんので、そういう機会を通じてデジタル庁がその時にはスタッフもある程度そろっていますし、場所もロゴも決まっているでしょうし、名前も決まると思います、デジタル庁という名前になるんでしょうと想像していますけれども、私も。英語で何というんだというのかはまだ決まっていないし、そんなことも含めて、いろいろデジタル庁がやろうとする仕事に関しても情報共有できるような仕掛けを考えていきたいと思います。「デジタル×(かける)〇〇」というようなイベントをたくさんやりたいと思います。
(問)マイナポータルの関係で、先ほどの質問の中で、マイナポータル、皆さんが使いこなせる時代は簡単にはこないということをおっしゃいましたけれども。これは使い勝手の問題なのか、それとも使う側のデジタルの活用能力の問題なのか、どういったイメージでそういう発言をされたんでしょうか。
(答)これは結局Society5.0とか次の時代の一つのデジタル社会というものが、国民とまだ共有できているとは思っていないんです。
 ですから人それぞれ、Society5.0に関するイメージも違うと思います。スーパーシティとか、スマートシティもそうだと思うんです。ですから、本当に便利になるというのはやはり今までの当たり前だったことが当たり前じゃなくなってくる時代だと思うんです。このマイナポータルというのも、圧倒的に便利な社会を作って主体的に行政と関わっていくことができる、自分の情報を自分でコントロールしながら自分に役立てていくということができる社会を目指すということですから、これは簡単に全世界的に見てもそんなに簡単に実現できることではないと思っているんです。
 ただ、圧倒的に便利なものというのは、自然に使われていくと考えていますし、そうこうしているうちにデジタルネイティブの方々が社会の中心になっていくとなったときに、マイナポータルはさらに進化する可能性があると思います。
 ただ、その基盤となる一つの考え方としては、私はこれは普遍的なものだろうと思っているので、そういう意味でマイナポータルに期待するところは大きいと思います。
 ただ、世の中が一気に変わるとはなかなかならないし、中国のように国が全部監視管理をして情報を一元的に扱っていくというやり方は我々は良しとしていなくて、やはり個人情報の保護であるとか、プライバシーに最大の配慮をしながらデジタル化を進めていくというやり方においてはこれは日本の国のチャレンジだろうと、その象徴の一つだと思います。
(問)マイナポータルをみんなが使いこなせるのはいつ頃を想定しているんでしょうか。
(答)できれば5年あたりでやりたいとは思っています。
(問)少々細かい話ですがデジタルの日、今回固定した日程にしないで、毎年ごとに日程を検討する形になると理解しているのですが、その日程を変更するような形を取った理由というのをお聞かせください。
(答)日程を変更するか、しないかというよりも、0(ゼロ)と1でいくつかの候補を出したんですけれども、アイデアボックスに対する投稿が思ったより多くなかったんです、正直言って。もっと多くの皆さんに参加してもらった上で決めたいというのが本当のところです。

(以上)