平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月8日

(令和2年12月8日(火) 11:07~11:23  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、データ戦略の取りまとめの状況を報告したいと思います。本日、第4回データ戦略タスクフォースを、これは持ち回りで開催して、データ戦略の第一次取りまとめを行います。本取りまとめについては年内に開催を予定しているデジタル・ガバメント閣僚会議において正式決定する予定です。
 取りまとめにおいては、データがつながることによる新たな価値の創造をビジョンとして、具体的には、必要な給付が迅速に行われるなどのワンスオンリーや、プッシュ型サービスの実現や、民間分野においても、自らが保有するデータが幅広く国民や他の企業などに活用・促進されることを目指すとしています。
 このための施策として特に喫緊に取り組むべき、まず一つは、ベース・レジストリ等の基盤となるデータの整備。2番目がルール・ツール整備を含むプラットフォームの整備。そして3番目がトラストフレームワークの整備等々が挙げられています。
 ベース・レジストリの整備については、今後の整備方針となるロードマップを作成しました。ロードマップにおいては、ベース・レジストリの定義付けを行うとともに、重点整備対象候補を示したところです。
 具体的な進め方としては、小さなところから成功事例を作り、効果や課題を明確にしながら、段階的に進めていくことになります。
 データを活用して価値を創造するためには、プラットフォームの構築が必要であり、アーキテクチャの構築、データ連携のためのルール、データ連携のためのツール、これは検索機能とかカタログなどですが、プラットフォーム構築に必要な共通事項を示しています。また、トラストについては、トラストの確保のための論点整理も行いました。
 これらについて、これまでの会議資料をアイデアボックスで公表して、たくさん意見もいただき、それも踏まえさせていただきました。
 本日夕刻にホームページ、これはデジタル・ガバメントのホームページだと思いますが、掲載して公表することとしています。我が国初のデータ戦略に関する取りまとめとなるものであって、一人でも多くの人に是非ご覧いただきたいと思っています。具体的な掲載時間とか掲載場所等については、IT総合戦略室までお問い合わせをいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今の件ですけれども、これは何か事務方ブリーフとかはあるんでしょうか。
(答)IT総合戦略室から持ち回りで決定して、閣僚会議には正式に決定してからのブリーフはあると思うんですけれども。
(問)確か今までは普通にブリーフがあったんですけれども、今日は持ち回りで。
(答)要求していただければあると思います。
(問)「小さなところから成功事例」というお話がありましたけれども、もう少し具体的に、どのようなものを構想していらっしゃるのか教えてください。
(答)例えば、先ほど申し上げましたけれども、必要な給付が迅速に行われるなどのワンスオンリーとか、プッシュ型サービスの実現等々はできるだけ早くやりたいと考えています。民間部門においても、データに関しては、石油に代わる新しい資源という言い方もしていますが。そうであれば、日本は石油はなかったわけですけれども、資源に関していえば、ある程度の人口規模、そして人口密度、そして良質なインフラ、またいろいろな企業もいろいろな産業用データも持っているし、必ずしも私は恵まれていないという状況ではないと思っています。
 ベース・レジストリに関しても、どういう手順でやっていくのかということで、一番最初に、やはり一番多くの人が手続で利用されるもの、次に災害等の緊急時に必要であること、そして社会的・経済的に効果が大きいことの3点を一つの軸として、優先順位を設定して、成功事例を作るという意味で、効果や課題を明確にしながら進めていこうと考えています。
 ベース・レジストリを今回定義もさせていただいていますが、国民に近いベース・レジストリは最初に手がけなければいけないし、その仕事は創設されるデジタル庁が中心となってやるということになると思います。
(問)今の関連ですけれども、「必要な給付のワンスオンリー」とか、もう少しイメージしやすく説明していただけるといいなと思うんですけれども。大臣の中でなるべく早く、来年から、例えばこういう給付とか、こういう災害があったときにこういうことができるというのをもう少し伝わりやすく説明いただけるでしょうか。
(答)ワンスオンリーというのは、ベース・レジストリがあって、情報連携をしていかなくてはいけないということです。基本的には、何度も何度も同じような書類に同じ情報を国民から求めるということはしなくて済むようにするにはどうしたらいいかという情報連携、これは、システムの最適化ということも含めて、一番やらなくてはいけないことだと思っています。国と地方の情報システムというものの最適化というのは、デジタル庁でも非常に大きな仕事で、そのために同時にやらなくてはいけないのが今言った話です。
 ただ、システムが良くなるということではなくて、具体的にワンスオンリーが実現できるかどうか、そういう設計でやっていくので、そのためにはデータをどのように連携させればいいかということ、ベース・レジストリをどのように整備したらいいかということを同時に考えておかないと実現できないということで、ある一定の成果をコミットできるシステム設計にしたいと思っています。
 そういうことなので、細かにというのは後日。できないことを今言うと後で苦しくなるので、確実にできるなと思ったものから順次発表させていただきたいと思います。
(問)一定の成果というときに、デジタル庁ができると、すぐにすごく便利になって、こんなメリットがあったと一般の人たちも感じるのではないかと期待する向きもゼロではないと思うんですけれども。なかなかそこがすぐに出てこなかったとしても、やっているという感じを多分伝えないといけないかなと思うんですが。
(答)先行してできるものはデジタル庁創設前に手をつけようと思っています。デジタル庁はやはり国民の支持をいただかなくてはいけないので。さりとて、国と地方のシステムも全部を含めて、今5年でと言っていますけれども、5年も待ってもらえると思っていないので、具体的な成果の上がるものから逆に手をつけて、それは今回のデータの話ではなくなってくるんですが、例えばUI/UXは、すぐにでも改善したいものは幾つかあります。そういうものは先に手をつけようと考えていて、今のところデジタル庁に対する期待は大きいと思っているので、国民がしびれを切らさないような成果の上げ方をしたいと思います。
(問)今日取りまとめられるというデータ戦略の大枠なんですが、11月の一番最初にたたき台が示された際に、ベース・レジストリの整備、2030年を目指すというのがあったと思うんですが、この部分についての変更というのはないという理解でいいですか。
(答)ベース・レジストリに関しても、ロードマップの中で来年できること、例えば全体計画の策定とか、カタログ情報の収集を公開するということや、ルールやガイドラインというのはできると思います。そして、2025年には、基盤となるプラットフォームの整備は終わっていると思うので、ある程度、IoTのデータとかそういうものも連携できると思っています。
 2030年というのは、ベース・レジストリというのは、いつまでに全部終わるというものではないので、各国今取り組んでいますけれども、2025年までにデータの標準とか整備をした上で、2030年には世界に負けないデータ環境を実現していくというのが大きなスケジュールということです。
 完成という状態がないというのはデジタル・トランスフォーメーションというものと同じで、常に変わり続けるというのがDXなんですね。それと同じ論理だと思います。完成形がないと、常に新しいことをやり続けなければいけないということだと思いますので、その工程表というのは一つの目安としてはありますけれども、前倒しできるものはしたいと思います。
(問)政府の経済対策で、1兆円を超えるデジタル関連の経費がということが出ておりますが、改めて受け止めをお願いできればと思います。
(答)大きくはカーボンニュートラルに2兆、そしてデジタル関連に1兆ということだと思いますが、それは菅総理の気持ちがよく表れた数字だと思っています。
 元々国のシステム関連の予算は、かねてから申し上げておりますが、年間約8,000億円なんですよね。これはベースとしてあるんです。地方は約5,000億円。それで、今回はマイナンバーとかそういうものに関しても、マイナンバーカード普及のためのマイナポイントの延長とか、カードの保険証、免許証との一体化、更新手続のオンライン化、いわゆるポスト5G、6Gの研究開発を含むデジタル関連、全部合わせて1兆円を超える規模を確保するということだと思います。
 私から事務方には、デジタル庁の設置を待たずに、いわゆるガバメントクラウドとかベース・レジストリ、さっきお話しした話ですね、国・地方のデジタル基盤整備に早期に取り組めるように必要な予算を要求せよということで、それも入っているということになります。
 そういうことで、細かな内訳はIT室にお聞きいただければと思います。私的には気合いの1兆円という感じがしますけれども。

(以上)