平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月4日

(令和2年12月4日(金) 11:13~11:28  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、(デジタル改革関連法案)ワーキンググループの取りまとめについて、作業が終了して正式に完成しました。
 これは26日の第4回のワーキンググループで取りまとめの案に対して構成員の方から御意見をいただきまして、一部の表現の修正について座長一任となっていたものであります。
 今般、必要な修正を行い、座長の了解をいただき、ホームページに掲載して公表することになりました。これはIT基本法の改正案の骨格になるもので、次のデジタル社会形成基本法(仮称)ですけれども、基本になるものであるので、是非一人でも多くの皆さんにご覧になっていただきたいと思います。
 具体的な掲載時間や掲載場所については、IT総合戦略室までお問い合わせをお願いします。
 デジタル改革関連法案ワーキンググループでの有識者提案を踏まえた、「デジタルの日」の創設に向けた準備を今始めているところであります。「デジタルの日」は、社会全体でデジタル化の進展を意識する定期的な機会として創設したいと、官民で密に連携して誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化の実現に向けて、デジタル関連の技術サービスを活用したお祝いといいますか、いわゆる祝祭のようなものを目指したいと考えています。
 国民の皆さんのアイデアや御意見を踏まえて、国民と一緒にデジタルの日を作り上げていくために、11月27日(金)から12月11日(金)まで、デジタル改革アイデアボックスにおいて、「デジタルの日」の候補日に関する投票・コメントと、催す企画についてのアイデアを募集しています。
 企画については、現在人気順にデジタルオリンピックの開催、デジタル空間へのデジタル神社の建立、国民参加型のデータ活用イベントの実施などとなっておりまして、早速様々な面白いアイデアを100件以上いただいています。
 まだあと1週間募集しておりまして、アイデアボックスを通じた参加型デジタル改革へのさらなる参加をお願いしたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今、冒頭で言及のあった取りまとめ案についてですけれども、表現ぶりの修正ということではありますが、これは大幅に変わったところがあればちょっと御紹介いただければと思います。
(答)大幅には変わっていません。
(問)骨格は基本的には一緒ということ。
(答)はい、一緒です。
(問)デジタル社会形成基本法(仮称)ということでも言及がありました、これはIT基本法を改題するというようなことになる……。
(答)全面改正ですので、そこは技術的なことだと思いますけれども、抜本改正する方向と、廃案にして新法として出すと。これは技術的にどちらも可能だと思っています。
(問)政治資金収支報告書のオンライン申請について伺います。先週の金曜日の会見と重なる部分が多くて恐縮なんですけれども、オンライン申請がほとんど利用されていないという実態があって、税金の無駄が指摘されています。政治資金の公開に向けた手続のオンライン化、デジタル化、これを進める必要性についてどうお考えかということと、平井大臣は現行のシステムについて本当の意味でのデジタル化、オンライン化がなっていないという御認識だったと思うんですけれども、それではその具体的にどういうシステムであれば、どう改善されれば平井大臣もお使いになる、利用が広まるとお考えでしょうか。
(答)確か、これは2010年からスタートをしていると思うんですけれども、この頃、同じようなことが全ての行政手続のオンライン化というのを一斉に行うということになって作ったものの、使われなかったシステムというのは実はたくさんあった。つまり、当時のデジタル化とかオンライン化という発想は、今とはやっぱり違ったと思うんです。オンラインでできればいいということで、オンラインでできること自体が自己目的化してしまったデジタル化であります。
 ただ、当時は一斉に全部やろうという動きの中で、議員立法で確かそうなったと思うんですけれども、利用者側と行政機関のフロント部分だけでなくて、バックオフィスを含めたエンドツーエンドで業務プロセスの再構築やUI/UXの改善ということが当時の発想になかったんです。だから無理やりオンラインでもできるということだったと思います。
 そういう意味で、これは当然見直しの対象にしなければならないと思っていて、これだけではないと思います、まだほかにもあると。では、これがデジタル庁のスコープの中に入るのかというと、これ、スタンドアローンのシステムで小さいので、果たしてこのままスコープの中に入るかどうかと思うんですが、僕はこれはもう見直すべきだと思っています。
 ただ、これは努力義務を課しているものですから、例えば、私にやらないんですかと聞かれたら、全く何のメリットも感じないけれども無理やりやろうということです。でもそれは本来、求めているものが少し違ったんではないかと思います。
 ですから、今の我々が考えているデジタル化の基本的な考え方に合わせると、例えば、ファイルをクラウドで共通に見られるようにするとか、それをきちんとチェックする方も必要でしょうし、受ける側、出す側、紙の領収書をどのように扱っていくか。ですからきちんと目的を整理して、もう一回作り直す必要があるのではないかと思っています。
(問)今、紙の領収書のお話等あったと思うんです。出す側、提出する側として、もっとここをこう改善すれば利用が広まるというのを具体的にはほかにございますか。
(答)開示請求があった領収書の、私もあんまり細かいこと、実際自分でやっていないんでよくわからないんですけれども、恐らく領収書のコピーをスキャンしてPDFにしてというようなことをやっているんだと思うんです。
 ここはどのように改善できるのか、何を目的にしているのか、スピード感なのか見やすさなのか、それともそれぞれの事務負担が減らすということなのか。そのことを一回整理したらいいんだろうと思います。
(問)やはりそこは、全てオンラインで完結する、デジタルで完結する、例えば、このシステムを利用するに当たっての認証ですとかそういうのもオフラインでやらなくてはいけないというところもあるようなんですけれども。
(答)恐らくこれ、マイナンバーカードの電子証明書で本人を認証するということになっているんだと思うんです。正確にはわからないんですけれども、いろいろと見直さなければ。
 ですから当時はオンライン化というのと、今のデジタル化というのとはやっぱり全然違って、英語でいうと、要するにdigitization(デジタイゼーション)とdigitalization(デジタライゼーション)の違いがもうこの10年ではっきり出たなと。digitalizeということで考えたら、今のやり方は普通はあり得ないと思います。
(問)先ほど見直しに対象にしたいということでしたが、改めてですが、政治資金を所管する武田大臣と連携して、この利用拡大に向けたシステム改善に取り組むお考えがあるということでよろしいですか。
(答)これのみならず、デジタル庁のスタンスとしては、そういう使われていない、使い勝手が極端に悪い、費用対効果がきちんと説明できないようなものに関しては全部見直しの対象にしたいと。ここに限らず、これはもうたくさんあるんだと思います。
(問)イギリス政府が、現地時間の30日に国内の5Gネットワークから中国のファーウェイなど、リスクの高いベンダーを排除するロードマップというものを発表しました。
 まず、デジタル担当大臣ということからも、それに対する受け止めを教えていただきたいです。
(答)それは11月30日に5Gサプライチェーン多様化戦略ですね。2027年末までに次世代ネットワークから、ファーウェイの機器を排除するタイムテーブルを設定するということは、私も承知しています。
 我が国においては、情報の窃取、破壊、悪意ある機能が組み込まれた機器を調達しないよう、サプライチェーンリスクの観点から、政府機関等において特に防護すべき情報システム機器、役務等に関する調達の基本的な方針及び手続について、講ずべき必要な措置について明確化した「IT調達に係る国等の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ(平成30年12月10日関係省庁申合せ)」で令和2年6月30日に一部改正していますが、それに基づいて調達を行うということにしています。
 我が国のこの申合せでは、特定の事業者とか機器を名指しで排除するような記載はしていません。しかし、我々の方が先行して申合せというものを発表したと私は受け止めています。
(問)その一方で、一部報道でアメリカでファーウェイ排除などを念頭に置いたクリーンネットワーク計画があって、それに対して日本は参加をしないという報道が出ているんですけれども。これは日本政府並びに9月に発足予定のデジタル庁でも、そのまま踏襲して排除しないといいますか、この計画には参加しないという形になるんでしょうか。
(答)その件に関しては、私は所管しているわけではなくて、正確な情報はわかりませんのでお答えしかねます。

(以上)