平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月1日

(令和2年12月1日(火) 9:45~10:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 マイナンバーカードの解説動画について皆様方に御報告します。マイナンバーカードの利便性とか安全性について、会見の場等において質問も大変多く寄せられていますし、私もいろいろなところで様々な御意見を聞いています。改めてわかりやすい説明をしたいと申し上げておりましたが、その一環として、今般、私とマイナンバーPRキャラクターのマイナちゃんが解説する動画を制作し、先週11月27日に内閣官房・内閣府マイナンバー制度公式YouTubeチャンネルで公開したところであります。
 この動画では、マイナンバーカードの便利な使い道に加えて、マイナンバーカードの中には大事な情報がたくさん入っているのではないか、悪用が簡単にできるのではないかなどといった四つの疑問の声について、安心して便利に使っていただけるよう、フリップも使いながらわかりやすく説明したつもりです。
 まずモニターで動画のショート版を見てください。
 
(動画)マイナちゃん、平井大臣がマイナンバカードについて解説してみた。
(動画・マイナちゃん)その3、ちゃんと教えて。マイナンバカードの悪用、簡単にできちゃうんじゃないの。
(動画・平井大臣)マイナンバカードのセキュリティー対策は、ほかのカードに比べてみてもとても安全にできています。
(動画・マイナちゃん)なりすましはできない仕組みになっているし、もしものときはフリーダイヤルに電話して、いつでも利用停止することができるので、とても安全性が高いんです。
 
 こんな調子で、皆さんの質問に答えています。動画の全体版は、事前にデータでお送りした資料にリンク先を記載しているので、是非ご覧になり、周知に御協力いただけたらと思います。この動画、御自由にお使いいただいて結構ですので、使っていただければと思います。
 ここに来て、各自治体でマイナンバーカードの普及に対する取組、積極的に取り組む自治体が増えてきましたので、そういう自治体とも今後とも連携していきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)地方のデジタル化についてお聞きしたいです。
 昨日、東京都の小池知事と、元ヤフー社長で東京都副知事の宮坂副知事と面会したということですけれども、改めてどういった内容を話したのか。
 あと、東京都でも既存の戦略政策情報推進本部という組織があるんですが、そこを組織再編して、デジタル庁に倣ってデジタル局というのを作るという発表がありました。このデジタル局、仮称ですが、地方のデジタル化においてどんな役割を期待するか、国としてどう連携していくかお聞かせください。
(答)まずデジタル局の話ですけれども、歓迎したいと思うし、昨日もデジタル局とデジタル庁、是非、情報共有と連携をしたいと。この動きは東京都のみならず、いろんなところでで始めました。少なからず各自治体も縦割問題を抱えていて、やはりシステム部門の皆さんと業務をやっている皆さんと、一緒になってデジタル化を進めなくてはいけないんだという問題意識は我々と一緒です。そういう意味で、デジタル局を作るということに関して、昨日は説明を受けて、私も賛同したところです。
 小池知事からは、以前にも2回ほど来ていただいていろいろお話をしたんですが、まず自治体のクラウドの利用の推進。我々は東京都を排除する気も全くありませんし、条件さえ合えば是非そのクラウド環境に乗ってもらいたいと。人材という意味で、東京都でも人材を広く求めていて、こういうものは限られた人材ですから、両方でうまくやりましょうねという話。あとオープンデータ、オープンソース、そしてインターネットの環境のさらなる普及とか、地方の取組に差が生じないように、活用可能な交付金の要望もあったと思います。
 あとは、現場の声を反映したデジタルサービスとか。速やかなデジタル化と制度改正ですが、これ全て既に取りかかっていることですので、その状況を報告しました。特にすぐに立ち上げようと思っているのは、共創プラットフォーム。協力して創る。ここでは現場の皆さんとの情報共有と、今後パブリッククラウドと言いますか、自治体クラウド、パブリッククラウドの活用に向けた利用方針や、どのような形でそれをうまく連携していくか。私も小さな自治体、政令指定都市、そして東京都のようなところ、皆さんとお話をさせていただきましたけれども、それぞれやはり全然違うので、さらに情報を共有しながら意見交換をして、できるだけ早くプラットフォームは立ち上げようということでございました。
 全体としては宮坂副知事等々と今後とも連携してやっていこうということにはなりました。
(問)プラットフォームの、例えば座長というポジションがあるのであれば、そういったところに宮坂さんが就任するとかそういったものはありますか。
(答)プラットフォームの座長は全く考えていなかったので、そう言われますけれども、ただ、副知事という立場よりももっと現場に近い方々の情報共有からスタートしたいと思っています。特に一番困っているのは、もっと小さな自治体なんですね。そこはもう既に担当者がほぼいなかったりとか、日々のシステムの更新等々に関しても大変お困りのところもあるということですから、同じように東京都の中の、あそこは村も抱えていますからね、ですから誰が座長というような組織ではなく、もっとフラットな意見交換の場にすべきだと思っています。
(問)戸籍氏名の読み仮名の法定化についてお伺いします。前回の戸籍法改正時にも、確か法務省の研究会で検討された結果、同じ名字の家族が別々の読み仮名を届けた場合どうするかとか、全国民から届けてもらうと事務作業が膨大になるといった課題があって見送られた経緯があったかと承知しています。大臣が主張されるスピード感も重要になると思いますが、そういった課題解決との兼ね合いはどうお考えでしょうか。
(答)これ、できない理由、課題があるという、それはもう言い訳にならないと思うし、私自身はまず氏名の読みについて公証されていない、そして自由に氏名の読みを決め、自由に氏名の読みを変えることも可能な状態ということを、このまま国としては放っておけないということです。
 これによって、例えば特別定額給付金の給付に当たって、市町村からの入金指示にある口座名義人氏名の読みと銀行が持っている口座の片仮名氏名が一致しなくて、突合でエラーとなりスムーズに入金ができないというのも、1件や2件じゃないんですよ。そういう問題があるし、そもそもデジタル化以前の問題として、氏名の読みが公証されていないような国でいいのかという問題意識はあります。
 既に2024年から、マイナンバーカードを海外転出時に失効させず、継続利用できるようにすることとなっていることから、マイナンバーカードの券面に氏名をアルファベットで表記できるようにしたいと考えていて、つまり氏名の読みが決まって、それをヘボン式のローマ字にすると。2024年以降は、別に海外に出ていかない人たちのマイナンバーカードにもアルファベットを入れたいと思っています。
 そうなりますと、読みを確定するというのはそれまでにはやってもらわなくては困ると私は思っているし、これ以上できないということは、行政の不作為だと私は思います。ですからやるべきだと考えています。
 総理が主催するデジタル・ガバメント閣僚会議の下、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループにおいて、氏名の読みの公証に向けた工程表を年内にまとめます。戸籍において氏名の読みを規定することは、正にデジタル社会のインフラを構築するものであって、こうしたベース・レジストリの整備、ルール作りも、今後デジタル庁の重要なミッションの一つにしたいと思います。
 具体的な検討は、法務省において行っていると思います。戸籍法の改正も視野に入れた検討が必要となるため、一定の手続が必要なことは承知しておりますが、ここはスピード感を持って取り組むということが必要だと思いますし、2024年までにはきちんとこの問題を解決しておかなければならないと。どんなに遅くても2024年までにはやってもらわなくては困ると考えています。
(問)マイナンバーと預貯金口座の紐付け義務化見送りという点でお伺いします。国民の資産状況を正確に把握して、社会保障の給付と負担を適正化するという制度本来の目的とはまた遠のくことになりますけれども、このあたりについて大臣の所感をお聞かせください。
(答)それは、給付付税額控除とかをやっていくときには、所得情報から全部紐付けられたほうがいいんではないかということでしょうか。
(問)脱税とか不正受給とかを逃さないために。
(答)これは、義務化しなければ、登録や付番が進まないのではないかということを多くの皆さんが言われます。では義務化とは一体何なのか。証券口座の時も同じような議論があって、結局、罰則がない義務化というものの効力、そういう問題もあると思います。我々は、やはり結果的にどうすれば一番付番がスムーズに進むかという観点から今回考えておりまして、現在、内閣官房から検討中の案を示したところです。いずれの制度についても、希望者による口座登録及び付番の申出とする案として、法的に国民に義務付ける案とはしていません。これは、いろいろ議論もあり、我々も考えた末の、現時点での考え方です。
 預貯金口座への付番について、口座開設など、また送金の時など、金融機関が国民に対して、本人同意を前提とはしますが、マイナンバーをお尋ねする義務を今回規定しています。ですから、金融機関に対しては、そこは義務をかけたということです。その口座の登録や付番の申出を促進するためには、登録や申出のしやすさ、その結果受けられる具体的な国民の皆さんのメリットを充実させることが重要であると考えておりまして、登録や申出のしやすさについては、公金受取口座の登録と預貯金付番の申出をマイナポータルや金融機関の窓口から、または確定申告など行政機関への各種申請の際にできることや、1回の付番の申出により本人が他の金融機関にお持ちの口座についても個別に申出をする必要はなくて、預金保険機構を通じて自動的に付番をすることを今考えています。
 登録や付番申出をすることによる具体的なメリットについても、申請手続の簡素化とか給付の迅速化の実現として、登録した公金受取口座での行政機関からの振込を幅広い公金で受け取れるようになることとか、サービス提供側の効率化だけでなくて、利用者のメリットとして、預貯金口座への付番により、相続時や災害時に口座の所在を的確に確認できるようになると考えています。
 その上で、国と金融機関が密接に協力して、登録や付番申し出の具体的なメリットと併せて、登録や付番申出によるデメリットが生じないこともわかりやすく金融機関の窓口等で国民に対して説明することや、登録や付番を進める上では、このようなきちんとした説明が非常に重要だと思います。いずれにしろ、年内に結論を得た上で政府として対応していきます。
 この義務化の話というのは、私がよく思い出すのは、エストニアのカードですね。義務化をしたから増えたわけではなくて。結局、圧倒的に利便性が上がって一気に増えたということは、エストニアの政府の関係者の皆さんから何度もお伺いしていることです。
 結果的に全ての国民が銀行口座に紐付けるというのは非常にメリットのあることであって、そういうメリットを十分に説明することが重要ではないかなと思っています。
(問)先ほど動画も拝見させていただきましたけれども、平井大臣御自身もYouTube等々SNSでの動画活用が熱心だと思っております。動画を使った発信というところで、効果についてどのように実感されているのかというのがまず1点。
 もう一つが、マイナンバーカードと住民基本台帳カードに関することですけれども、マイナンバーを取得する際に、住基カードを返却するものになっていますけれども、住基カードを本人確認証明として使っている人がマイナンバーを取得しないという例があると聞いております。そういうケースを踏まえて、マイナンバーカードが本人確認の証明書として使えることをどのように周知していくのかお考えをお聞かせいただければと思います。
(答)まず、最後の答えですけれども、マイナンバーカードが対面のアナログの世界でもインターネットを通じたオンラインのデジタルの世界でも、最高位の身分証明書であるということは間違いなくて。
 住基カードは自治体が発行するものでしたけれども、マイナンバーカードは国が発行するというところが根本的にまず違うということで、最高位の身分証明書というのは紛れもなくマイナンバーカードであるということです。
 YouTubeとかの動画の説明が有効かどうかということは、これはやはり作り方にもよるんだと思いますけれども、難しいです。マイナンバーカードに関しては、丁寧に説明すればするほど長くなってしまうし、今回作った動画は、それをできるだけ短くして、今一番国民の皆さんが心配だったり疑問に思っているところにフォーカスして作りましたが、本当はもっと事細かくカードの使い方等々を説明するものがあってもいいと思うんですが、これも試行錯誤をしながらやっていくということで。
 ただ今まで、これは政府の広報全般に言えることなんですが、確かに動画等々はいろいろ各省庁作っているんだけど、きちんとマーケティングしながらそういう動画が到達するような手段を講じているかというと、そこまでやっていないんですね。ですから、我々はそこも考えながら今後進めていこうと考えています。

(以上)