平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月17日

(令和2年11月17日(火) 9:11~9:32  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 昨日の「デジタル改革×規制改革」をテーマにした河野大臣とのオープン対話についてです。これは、YouTubeで同時配信もさせていただきました。オープン対話では、「規制改革・行政改革ホットライン」、そしてデジタル改革の「アイデアボックス」からのアイデア・意見のほか、Twitterでリアルタイムで募集した投稿も取り上げることにしました。押印廃止とかマイナポータルのUI/UXの向上等、行政手続のデジタル化に関する意見交換や、民間の人材の活用、働き方改革に関する意見交換を行いました。
 私からは、関連する二つの取組を紹介したというか、その場で決めたということですが、一つ目は、アイデアボックスで得票数が第1位であった、これは賛成票から反対票を引いたポイントということですが、「暗号化ZIPファイルの廃止」について、実は内閣府・内閣官房で廃止する方向で検討を進めています。他省庁についても、実態調査を行うように指示をしたところであります。このように、アイデアボックスの評価が高い、支持が多い意見は、直ちに取り上げて対処したいと思っています。
 二つ目は、Twitterで投稿いただいた、地方への寄り添いを求める意見について、自治体システムについて現場の業務や技術面から検討に参加してくれる全国の自治体職員との共創プラットフォームを立ち上げることにいたしました。詳細は別途改めて公表しますが、参加自治体職員と直接対話をしながら自治体システムのあるべき姿を創っていきたいと思います。国で作って、「どうだ、これを使え」というような形にはしないと。そのためのプラットフォームを作るということでございます。
 もう一つは、今週の木曜日に、武田総務大臣と一緒に、マイナンバーカードの取得促進に向けたイベントとして、「マイナンバーローカルサミットWEB会議」を、これもマスコミフルオープンで開催します。このWEB会議では、カード普及に当たり、特に熱心な取組を行っている宮崎県都城市・池田市長、兵庫県三田市・森市長、石川県加賀市・宮元市長から、各市が工夫して行っている取組を御紹介いただき、意見交換を行う予定です。この3市に関して言えば、マイナンバーの取得率はとても高い市、ある意味すごいところですね。WEB会議の模様を撮影した動画を使いまして、Webで公開する予定で、他の市区町村におけるマイナンバーの取得促進に向けた参考にしていただければと考えています。記者の皆さんには、この後、政策評価広報課より御案内させていただくということ、詳細は内閣府大臣官房番号制度担当室にお問い合わせをいただければと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)デジタル庁に関連してですけれども、今予算編成作業中だと思うんですけれども、その作業部会ですとか党の提言などで、デジタル庁に予算を一元化して、執行権限が強いものを持たせるべきだというものが多いですけれども、今の状況と改めて大臣のお考えを伺えればと思います。
(答)(自民)党の提言はまだいただいていないので、今週いただくということになっていて、報道ベースでは存じ上げていますが、政府情報システムについての予算の一括計上を含めた一元的なプロジェクト管理というのは、実は今年度からスタートをしています。
 これは、前回私がIT担当大臣の時にやらせてくれということで、段階的にということだったと思います。令和3年度としては、829億円を要求していますが、予算については調整中ではありますけれども、一括計上の対象範囲をさらに拡大すると考えておりまして、一元的なプロジェクト管理をより強化して、実効性を高めたいと思います。デジタル庁が創設した令和4年からは全部見たいと思っています。予算要求前から予算要求時、予算執行前まで、年間を通じてプロジェクトのレビューを実施して、プロジェクトの方向性とか、オープンなデザインとなっているかとか、関連サービスとの連携の有無とか、費用の妥当性などについて検証を行うと。国民の利便性向上と行政運営の簡素化・効率化を進めたいと考えています
(問)昨日もYouTubeで拝見させていただいたんですけれども、その中で、「国民が喜ぶシステムにしないと意味がないんだ」ということを結構強調されていたと思うんですが。丁度政権が発足して2か月で、これまでそちらの方向性で進めてきて、うまくいっているところと、やっぱりもうちょっと頑張らなきゃいけないなと思っているところがあれば、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まず、この2か月で我々が考えている方向性というものに関して、各省庁、少しずつマインドセットが変わりつつあると思います。特に、今まで一番固かった警察が前向きに取り組んでいると。システムの一元化だけではなくて、マイナンバーカードの一体化、しかもそれもできるだけ早く、ただでさえ大変速いスピードなのに、前倒ししようということとか。文部科学省もそうですし、厚生労働省もそうですし、具体的に生徒の立場になってとか、患者の立場になってということで、今までとは違う検討を開始しているということは大きいと思います。
 ただ、2か月で具体的なシステムを全部改修するということは不可能なことですが、例えばアイデアボックスは、最初はバグだらけのシステムで公開したものを、いろいろな御指摘を受けながら、改修しながら、だんだん形になってきて。中に寄せられている意見はとてもいいので、先の二つの事例を、一つはTwitterですが、お話ししたとおり、いいと思ったことはすぐ採用して実行するということは、もう既に、デジタル庁が発足する前にもできていると思っています。
(問)もう少し頑張らないといけないなと思っていらっしゃるところは。
(答)国民が一番変わったなというタッチポイントは、地方自治体のシステムなんですね。今までは、それは地方のことは地方に任せるということだったんだけれども、オール国民と考えた時に、やはり国と市町村が協力して進めなくてはいけないと我々は思っていて。その取組に対する、今、全ての自治体ではありませんが、勝手に決めてくれるなという話もあれば、一緒にやりたいという前向きな話もあったりするんですが、やっとコミュニケーションが始まったので、そのコミュニケーションをプラットフォーム化するということをもう決めさせていただいて、これは実行に移そうと考えています。ですから、国と地方の意見交換の場、風通しのよい意見交換の下にスタートさせたいと思っています。
(問)先ほど言及のあったプラットフォームについて、今の段階での詳細といいますか、いつからどこに、最終的にどんな成果をという現段階のイメージを伺えますでしょうか。
(答)これは、昨日、やるぞと決めたばかりの話ですので、設計はこれからです。ただ、一回、対話集会で地方自治体のITの得意な皆さんを集めて、大変いい議論ができたので、どのような形にするかはこれから決めますが、できるだけ早急に具体的な形を発表したいと思います。
 ただ、私自身がそういうものを作るというメッセージは、既に自治体の皆さんに届いていると思うので、後はどうしたら自治体の皆さんが参加しやすいかということも含めて、これは自治体のトップの人に参加していただくわけではなくて、正に現場のシステムを担当していたり、個別の政策を担当している方々に参加していただくということなので、ある意味、非常にオープンなコミュニケーションの場を作るべきだと思います。
 それと、最近、デジタル庁が省庁横断のプロジェクトを進めるということに、恐らく触発されてというか、そういう考え方を各自治体の皆さんが取り組んでおられまして、私の地元の高松市も「DAPPY」というグループを職員の中から募集をして、デジタル化に取り組むチームを、セクション横断で作るという動きがありました。私もこの間知ったんですけれども。こういうことが広がっていくと思います。
 ですから、縦割りなのは霞が関だけではなくて、実は地方自治体でも同じような問題があって、市民のサービスを向上していくというのは、セクションをまたがっていかなくてはいけない。そういう動きと、さらに今、国と地方のシステムのアーキテクチャを見直して、全体的にシームレスにいろいろなサービスが展開できないかという話が、うまく同じ方向で動き出せるようなプラットフォームを作りたいと思っています。
(問)今のプラットフォームですが、これはデジタル庁を創設する前からこういうのを作るということでよろしいでしょうか。
(答)プラットフォームみたいなものは、そうです。
(問)実際に会うというよりかは、これは基本的にオンラインでそういう場を作るという感じですか。
(答)今コロナ禍ですし、出張してもらうということはできないので、オンラインで自由に意見が交換できる場を作りたいということです。
(問)こちら側というのは準備室とかと地方の方が一緒に話し合うと。
(答)地方のシステムの担当セクション、これはもうIT室に既にありますので、私を含めた、これからそういうものに取り組む人たちに入ってもらおうと思っています。
(問)昨日の、「デジタル×規制改革」のオープン対話の方で、大臣、チーフ・セキュリティ・オフィサーというものをデジタル庁に置きたいといった御発言があったかと思うんですけれども、もう少し具体的に、どういったようなイメージのものかというのをお聞かせください。
(答)デジタル庁の機能として考えた場合に、やはりシステムのセキュリティというのは非常に重要だと思います。ましてクラウドを前提にいろいろなシステムを考えたりすると。そうなると、データをどう扱っていくかという専門家と新しいシステムアーキテクチャの下での、セキュリティをわかる人材等々がやはり要るということですので、セキュリティやデータに関しては、責任を持ってもらう人をそこに配置したいと考えているということです。
 ただ、そのほかにも実は考えられるので、例えば最新のテクノロジーを、だからチーフ・テクノロジー・オフィサーというんですか、これをもう英語の3文字で言い出すと切りがなく増えていくんですが。後は業務の見直しをするBPRの専門家であるとか、チーフ・デジタル・オフィサーというのもあるんですね。データオフィサーとするのがいいのか、これから考えます。ただ、セキュリティはもう絶対に最重要課題であることは変わらないので、ここはもうNISCとかIPAと連携をしながら、間違いないシステムのセキュリティポリシーを一緒に作っていきたいと考えています。
(問)チーフ・セキュリティ・オフィサーですけれども、これは当然、民間から採用というイメージですか。
(答)これはどうなんだろうね。この分野はお役人さんの中にもいなくはないんですね、NISCがあるので。あそこの人事ローテーションというのもあるので。
 ただ、やっぱりセキュリティの考え方が、ここに来てもう大幅にやっぱり変わってきているんですよね。クラウドベース、しかもマルチクラウドの中で、エンドポイントのセキュリティをどうやっていくかという考え方は、まさにゼロトラストという考え方に基づいた、いろいろなテクノロジーを駆使した、できるだけ人手がかからないセキュリティを構築するということに関していうと、民間の人たちの方が今進んでいるかなと。これはこれから決めますが、ただそういう人を充てるのか、わかっている役所の方々にやってもらった上で、そういう最新のテクノロジーをわかっている人をつけるのか、これはこれから考えます。
(問)チーフということは、1人置いて、その周りに同じように。
(答)はい、そうですね。
(問)直接の所管ではないかもしれませんが、マイナンバーカードと一体化が始まる健康保険証なんですけれども、将来的な廃止ということが政府として検討しているのかということについて教えてください。
(答)これは、私自身が党にいた時からこの話はずっとあるんですよ。マイナンバーカードの取得が進んで、カードでの健康保険証の利用が進めば、将来的には保険者の判断で健康保険証を発行しなくてもよいという世界観は当たり前だと私は思っています。なので、マイナンバーカードによると思いますよ。結局そうなると、新たな保険証を発行するコストが助かるし、ですから保険者の判断で当然なくなっていくと思います。

(以上)