平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月16日

(令和2年10月16日(金) 17:32~17:59  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 丁度、今日で大臣に就任して1カ月ということだと思います。全てが新しい取組ばかりなのでばたばたしましたけれども、走りながら今日まで来ましたけれども、大体おぼろげながらもデジタル庁というものが見えてきたなと思います。
 それでは、私の方からまず昨日のデジタル・ガバメント閣僚会議の下に設置したデジタル改革関連法案ワーキンググループの第1回目の会合について報告させていただきたいと思います。
 会議の冒頭に私の方から、何のためにデジタル化を進めるかといった理念や今後10年、20年後のあるべき日本の社会を見据えた議論をお願いしたいということで各委員の皆さんから積極的にいろいろな御意見をいただきました。
 紙とファクスに回帰している政府自治体のインターネット、ready化が必要だとか、自治体システムの共通化、共同利用を進め基盤や重要部分は国の責任で一気に進めるべきだとか、デジタル前提で行政手続を見直すべき、データフォーマットをデジタル庁で決定すべき、デジタル庁で人材育成プログラムを整備すべき、スマホに限らず高齢者こそ必要なサービスを充実すべき、アプリや説明書など高齢者に実際に使わせて開発すべき、ダイバーシティ・アクセシビリティのガイドラインが必要というような、そのほかにもたくさんの御意見をいただきました。年内に4回の開催を経て、ワーキングの考え方をまとめていきたいと考えています。
 この後18時から私の部屋でデジタル改革アイデアボックスのオープン対話の第1回目をオンラインで開催します。これはマスコミに最後までフルオープンするので、取材もしていただければと思います。
 今回は全体として投稿数が一番多かったマイナンバー制度の活用をテーマにします。マイナンバー制度について人気のあるアイデアを投稿いただいた方5名に参加いただいて、私が直接アイデアを伺った上で意見交換を行う予定です。
 アイデアボックスは開設以降1週間で1,688件を超えるアイデアが寄せられ、2,000人を超えるユーザーの登録がありました。昨日からはスマートフォンに対応した正式版にアップデートしているので、さらに増えると思っています。
 もう1つは私と河野大臣、小此木大臣で2プラス1を開催したので結果の概要を報告します。今回は警察庁関係と内閣府防災関係をテーマにしました。
 まず警察庁関係については、私から全国警察の運転免許証管理システムについて対応可能な都道府県から導入を開始して2025年中には全国の運転免許管理システムのワンクラウド化を実現する。居住地以外での免許更新や、並行してオンラインの更新申請や講習受講を可能にする。その上で2026年にはマイナンバーカードと運転免許証の一体化を実現するということで、これは小此木大臣にも御同意をいただきました。
 そして、3者で警察関係の手続のオンライン化についても合意をしまして、まずは車庫証明、道路使用許可、落とし物に係る申請登録についてはネット、スマホで完結できるようにしていくということにします。
 そして私と河野大臣から交通反則金の支払いについて、今は銀行振込しかありませんから、まず政令を改正していただいて、コンビニ払い、クレジット払いをできるだけ早く実施してほしいということで小此木大臣に御検討いただくことになりました。そして、その先のキャッシュレス対応というものも進めていきたいと考えています。
 さらに、私と河野大臣から、犯罪収益移転防止法の本人確認について、紙のコピーといったアナログなものを廃止して確実な本人確認ができるマイナンバーカードや、運転免許証等のICチップによるものに限定してほしいと、私と河野大臣の方からそのことをお話をさせていただきました。
 これはマネロン対策の強化に係る国際的な要請の対応とか、安全、安心なフィンテック基盤を構築するという意味で非常に重要だと思っています。ここは規制強化をお願いしたということであります。
 最後に防災分野については、被災者支援分野の徹底したデジタル化による支援の大幅スピードアップと負担軽減について、私から申し入れまして小此木大臣には十分に御理解をいただいたと考えています。
 具体的にどういうことかと申し上げますと、全市町村において各種支援申請の際の罹災証明書の添付を不要にしてほしいと、なぜなら市町村がその罹災証明書を発行するということであります。同時に罹災証明書はいろいろな場合に使われますので、マイナンバーカードによるコンビニでの取得もできるようにしてほしいと、そして避難所への避難の際にマイナンバーカードでエントリーできれば、きめ細かい支援が受けられるようになるのではないかということも私の方から提案をさせていただきました。
 被災者生活再建支援金の給付までの期間短縮は1か月以内というのが本当は望ましいと私は思っておりまして、できるだけ早く検討して必要な処置を講じればと思います。
 その他、罹災状況の確認には今の準天頂衛星やドローンとか民間、損保保険会社との連携もできるのではないかという提案をさせていただきましたので、今後御検討をいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)運転免許関係の手続の統一、ワンクラウド化なんですが、今、政府共通プラットフォームとしては政府で調達、運用が始まりましたが、これを実際にクラウドに移すとなるとどういうシステムでどういう形で描いていらっしゃるか、それからクラウドの活用という意味では2例目になるんでしょうか、その辺りを確認させてください。
(答)47都道府県のシステムをワンクラウドにするというのは初めてだと思います。
 ですからそこは相当野心的な取組ではないかと考えています。逆に言うと警察のシステムができるんだから、地方自治体もできるのではないかという、スタートにしては非常によいクラウド化ではないかと思います。
(問)これは載せる基盤としては政府共通プラットフォームが動いたのでそちらをお考えでしょうか。
(答)そこはまだ警察のワンクラウド化ということで、結局政府共通プラットフォームというのは各省が載ってくるという、そのプラットフォームのことを言っておられるんですか。
(問)政府共通プラットフォームはいろいろな省庁のシステムを載せるために今稼働させたわけですから、その警察関係の手続というアプリケーション、用途が固まったら載せる基盤としては最適ではないかなという……
(答)これは運転免許証のデータベースを1つのクラウドにするということなので、今すぐ政府共通プラットフォームに載せる意味があるのかどうなのかも私は、今ちょっとわかりません。
(問)その辺りの調達は警察にお任せするのか、それともデジタル庁のお仕事になるんでしょうか……
(答)設計は当然、ワンクラウドにするという流れはIT室で今まで検討して決めたことで、当然その調達に関してはまだデジタル庁がありませんから、今はIT室が主導するという形になるか。
(問)いわゆるIT室での一元化、調達一元化の対象としてそこに含まれると……
(答)そうです。
(問)運転免許証とマイナンバーカードの一体化について、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の情報を認識させるということなんですが、読み取る機械を警察等でどういうふうに整備をしていくか、この辺りのお考えというのはいかがでしょうか。
(答)今、警視庁等々でも一部そういうものを開発していると聞きますが、この話は運転免許証を持っていなくてもマイナンバーカードさえ持っていれば運転免許証を持っているのと同じことになると、意味わかりますか、要するに不携帯にはならないわけです、免許証情報というものが、マイナンバーカードで有効な情報がわかるようにするということを考えて、それを一元化という言い方をしているということだと思います。
(問)ということはそのマイナンバーカードを見ただけで視覚的にも何か運転免許証を持っていると。
(答)それは視覚ではわかりません、読み取らなければいけないので、当然そのICチップを読むということになります。
(問)そのICチップを読み取るための機器というのを警察の方にもこれから……。
(答)もう既にいろいろと検討が始まっているようで、警視庁からそういう検討をスタートして全国に広げていこうと、その場合はいろんな機能がさらに載ると。可能性があるのではないかと私が思うのは、違反の時の支払いのキャッシュレス化も、もしそれでできるようになればいいのではないかと思います。これは今後のまだまだ年数がかかる話ですから、今後の検討になると思います。
(問)今日もそうですけれども、2プラス1でこの1か月でかなりスピードアップを求めてデジタル化、規制改革を進めていますけれども改めてこの2プラス1での、これまで3回やってきての大臣の受け止めというか、この意義の部分と、今まで挙げられてきたテーマはもう一通りはやったかなと思うんですけれども、今後またどういうテーマでやりたいかというのをお聞かせください。
(答)次は国土交通省とやろうと思っています。
 この意義というのは事務方の調整を経ずに担当大臣が直接自分の意見をぶつけ合った上で方向性を決めていくというのは新しいんじゃないでしょうか。ですからうまくいくもの、いかないものが後に出てくると思いますが、意外と各閣僚同士、事務方抜きで本音の議論をするというは今までもあんまりないんです。ところが今回は規制改革とデジタル化というテーマに絞って、本当の意見交換ができると。最終的に合意した内容を事務方の皆さんに実現していただけるように動くという意味では今までとはやり方が全く違って、それがスピード感につながっているんだと思います。
 ですからやる必要はあるし、これは河野大臣としてもいろいろな物事を進めていく優先順位がその中でやっぱり決まってくるのではないかと、そういう意味で早く成果に結びつけるためによいシステムだと思います。 
(問)国土交通省とはどういったテーマでお考えでしょうか。
(答)今、検討中です。
(問)先ほどの関連なんですけれども、マイナンバーカードで視覚的に見られないということになると、当初実施されていっても利用者からなかなか利便性が見えないような気がするんですけれども、この辺は健康保険証の情報も載ってくるということになると何か情報が見えないものを持っているだけということになって、なかなか民間活用もしにくいんではないかと思うんですが、その辺を詳しく教えてください。
(答)質問の意味がよくわからないのは、マイナンバーカードの上に免許証が目で見てわかるようにしてほしいということですか。
(問)いや、目で見てわからないわけですよね。そうすると、結局利用者は2つのカードをいつも持っていなくてはいけないということになるのではないですか。
(答)いやいや運転免許証を家に置いていても、健康保険証を家に置いていてもマイナンバーカードを持っていれば両方の機能を果たせるということです。
(問)そうすると、身分証明書がわりに使うとか、あるいはレンタカー屋さんで借りるとかということになると相手方が読取機を持っていないと……
(答)いやだから、今回医療機関、できるだけ早く全ての医療機関に置いていただくということを、まずは健康保険証からスタートするのでお願いするんですが、結局このデジタル化を進めてICチップの方が本人確認として目視よりもさらに正確にできるわけだし、これから全ての国家資格などもそこで読み出せるようにするということで、全てのそういう使う局面において読取機を用意していくというのは、デジタル化を進めていく上では一番必要なことではないかと思います。
 それを社会に配備しないと、いつまでたっても目視の世界から脱することができないし、免許証のコピーを本人確認の基盤にずっとしてきた日本からワンランク上げるということにはならないのではないでしょうか。
(問)昨日のワーキンググループで少し確認なんですけれども、IT基本法の改正とか、理念的な部分で特に目指すべきデジタル社会はどうあるべきかとか、そういうようなところで最終的に取りまとめていくという話でしたけれども、このワーキンググループでは規制改革については特に議論はしないということですか。
(答)新しいデジタル社会の進め方と、要するに、なぜデジタル庁を設置しなければならないかという理由をそこには書くわけですから、規制改革という言葉よりも国民中心のデジタル社会を推進するという大きな方向性をそこで決めるということだと思います。
(問)今日の小此木大臣との会談での合意事項について少し整理したいんですが、今日の両者の合意事項としては、これは2026年にマイナンバーカードと免許証の一体化というところが合意事項で、それ以降におっしゃっていただいた警察関係の手続きのオンライン化というところより後ろの、防災に関して、これは平井大臣からの要請事項という、そういう整理でよろしいですか。
(答)そうです。御検討いただくということです。25年のワンクラウド、26年の免許証との一体化は、これは合意、合意ですよね。あとはだからその検討するという方向で前向きに御検討いただくということでは合意していますけれども、その結論ということではありません。
警察関係の手続きのオンライン化、さっき言った、スマホ完結、これも合意です。
(問)これ、小池都知事に聞いてくれと言われるかもしれないんですけれども、知事からの要請の中身なんですけれども、こういう理解でいいのか、任期付職員ではなくて、それでは足りないから、官民交流法の地方公務員版というものを作ってくれと、その方が使い勝手がいいよとそういう理解でいいんでしょうか、要請としては。
(答)国は官民人材交流制度を構築してそれぞれの身分を持ったまま相互に人材交流が可能、でも、地方公共団体には同様の制度がなくて、今の宮坂副知事のように民間企業等の退職が必要ということがあるのでこれを改善してくれということですが、ここの改善は両方とも私の所管ではないので総務省とか人事院とかになるんだと思います。
 ただ、デジタル庁も東京都も必要な人材を確保するために協力し合おうということは我々は合意をしています。
(問)マイナンバーカードの取得率が低いということについて大臣の御見解をお伺いしたいんですけれども、現状、マイナンバーカードの申請はPC、スマホ、郵送等でできると思うんですが、受け取りには各地方自治体の窓口に行かなければならないとか、通知カードを紛失されているケースとかで、申請したくてもできないというケースも話には聞くんですけれども、こういったところをどう広報、周知していけばいいのかという御見解をお願いします。
(答)まず、年末に今マイナンバーカードを持っていない方、恐らくあの時の通知カードがもうどこかにいってわからなくなっていると思うので、もう1回QRコード付きの申請ができるものを郵送するということになります。
 スマホ申請が一番便利なので、QRコードを読んでいただいて申請をしていただく、写真もスマートフォンで撮って出していただくということで窓口に行って申請するよりははるかに利便性が上がるのではないかと思います。
 私はマイナンバーカードの普及率が今、急速に、右肩上がりで増えていると思っておりまして、例えば港区、千代田区なんかはもう3人に1人は持っていると、都城市等々はもう少ししたら半分にいくだろうというふうに思っていて、今回、オンライン上でも本人確認ができるようにするということができるマイナンバーカードは、一度はやはり本人が役所に出向いて直接面談しなくてはいけないと、会わなければならないということはありますが、これは1回でいいわけですから、どちらか、受け取り時か申請時か、ですからそれはエストニアもそうで、1回はやはりアナログの世界での面談というか、本人確認というものがやっぱり基盤になると、それが以後ネットでできるようになるという理解をさらに求めていきたいと思います。
 私は今2,600万枚という枚数がそれなりに大きい数字だと思っていて、お持ちの方はそれを非常に有効にまずは活用していただけるのではないかと思います。
 その利便性がまた、さらにこれから広がっていくのでさらに多くの皆さんに持っていただけるのではないかと期待しています。
(問)マイナンバーカードと免許証の一体化で、将来的にはマイナンバーカードで代用できて免許証はなくなるだろうと想定されていらっしゃるのかということをお伺いします。
(答)免許証はなくならないでしょう、と思います。今のところ、なくすというふうにはなっていないんですけど、将来のことというとよくわからないのは、マイナンバーカードも将来はなくなる可能性は十分にあると思うんです。ですからいろんなカードというようなもの自体がいずれかの将来、いつかは申し上げられませんが恐らくそういう時代が来るのではないかと思います。
(問)もう1点、靖国神社、週末、参拝はされないということでしたけれども、真榊についてはどういうふうに……
(答)参拝しません、真榊もやりません。

(以上)