平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月29日

(令和2年9月29日(火) 11:32~11:49  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 23日に開催しました「デジタル改革関係閣僚会議」において、菅総理より、「行政の縦割りを打破し、大胆に規制改革を断行するための突破口としてデジタル庁を創設するように」との御指示をいただきました。この御指示を踏まえまして、明日、30日、デジタル改革関連法案準備室を設置することといたしました。
 この準備室は、内閣官房IT総合戦略室内に設置して、準備室長は私が務めます。体制は、まず職員約50名程度でスタートして、順次、民間有識者を10名程度追加するという予定です。今後、社会全体のデジタル化を見据えた「新たなIT基本法の方向性」と、それを実現するための「デジタル庁の創設に向けた青写真」となる「基本方針」を年内に定めるため、本格的な議論を行っていく予定であります。
 集合時間とか場所等は別途周知いたしますが、準備室の立ち上げに際しまして、プレスの皆さんのカメラ撮りの機会を設けたいと思いますので、是非お越しいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日のテレビ出演で、長官人事について、「女性」との御発言がありましたけれども、そこを改めて意図をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)個人のということで断って昨日発言したと思うんですけど、能力のある方をやはり広く求めたいと思います。そういう意味で、女性であっても男性であっても能力と意欲のある方を是非民間から起用するということは当然検討しなければならないことだと思っています。
(問)今の関連ですけれども、おっしゃった能力というのは、どういうような能力というイメージでしょうか。昨日の番組では、人に優しいデジタルを引っ張るという表現もされましたけれども、具体的にどのような能力の人がよいというふうにお考えか、教えてください。
(答)結局、私の脳裏のどこかに、オードリー・タンさんがあると思いますが。要するに、誰一人取り残して置き去りにしないデジタル化と、彼女もそのように言われていますが、私も全く同感です。ですから、インクルージョンという言葉だと思うんですが、インクルーシブなデジタル化を、やっぱり日本とか台湾は進めていくということになると思うので。そういう意味で、能力があり、なおかつ技術だけがわかっていたのでは務まるポジションではありません。そういう意味で、基本的な考え方を共有できる方を探したいと、そのように思います。
(問)まず、準備室についてですけれども、10名ほど民間からという御発言がありまして、この方々はフルタイムでコミットするという形になるのか、それとも所属されている会社と兼業という形になるのかをお伺いしたいのと。もう1点、先ほどの関連で、デジタル庁のトップ、女性という御発言で、IT戦略本部や規制改革、未来投資会議などの委員も務めていらっしゃるディー・エヌ・エーの南場智子さんを念頭に置かれているのかなと思ったんですけれども、南場さんの御実績や印象などもお聞かせいただければと思います。
(答)今の質問でいいますと、女性もいいのではないかという話をしたときに、私、海外でそういうデジタルガバメント系の会合等々に出たら、ほとんどの方々、そういう要職についておられるのが女性だったりするんですよね、特にアメリカの場合は。そういうことを見ていて、ああ、やっぱり日本はそういう意味では女性の活躍の場をもっと作るべきだなと。特にITの業界に関して言えばそうだし、国が旗振りするならそういうこともあるなと思って、昨日は発言をしました。
 南場さんは、私が前回大臣のときにいろいろと委員会でも諮問委員も務めていただいているので、お話もお聞きいたしましたが、大変有能な方だと思いますが、今回の長官人事に当たり念頭に置くというようなものは、個人名に関しては私の口から今申し上げる段階ではありませんので、そういうことは考えていないと答えさせていただきたいと思います。
(問)民間の準備室の方の。
(答)これもケースバイケースだと思います。あくまでもこれはまず準備室の段階で、これからいろいろなプロジェクトベースで物事が動くので、スポットで助けていただくことということも十分にあると思います。ですから、デジタル庁で採用するという話とはまた違う話なので、準備室、これは法案を作る作業が基本的に中心になることと、デジタル庁の青写真、アーキテクチャーを考えるに当たって、いろんな事例を知っている方々に意見も聞きたいし、アドバイスもいただきたいと。
 実はこの話とは別に、私も幅広く民間の皆様方からヒアリングをします。これは、これからのデジタル社会に関して、デジタル庁がスタートするに当たって、いろいろな御意見とか御提案があると思います。これは外資も含めて、そういう皆さんに広くアドバイスを求めていきたいということがあります。
 硬直化したような組織は作りたくないということがあって、そうなると、小さく生んで大きく育てる、そのアーキテクチャーとは何かというようなことも含めて、スタートアップの考え方に近いと思うんですね。ですから、明日設置の準備室に関して、私の思いとして、政府としてスタートアップ企業を立ち上げるような感覚で、この準備室は仕事をしなきゃいけないという思いで、ガバメント・アズ・ア・スタートアップ(Government As A Start up)という言葉を、ガース(GAAS)になっちゃうんですけどね。それは結果なっただけで、そのためにやったものではございません。そういうことを今回は一つの、今、準備室のスローガン的なものにしたいなと思っています。
(問)明日設置の準備室について、民間の有識者の方々、後から順次加わるということですけれども、ある程度最初の50人でその方向性というのをつけた後で加わられる感じですか。
(答)そうです。50人、まだ役割分担を決めていません。ですから、それぞれ幾つか、三つ、四つのチームに分けて、その上で私自身が、全員のお話をお聞きした上で、納得してもらって仕事をしていただこうと思うので、しばらくは立ち上がるまでに方向性を、同じ方向に向いてもらわなきゃいけないので、ですから室長みずから皆さんの意見をちゃんと聞いた上でチーム編成もしていきたいと思います。
 総理からも「室長やるの」と言われたんですけれども、「やります」と言ったら「頑張って」ということですが、人任せにしないということだと思っています。そういう中で、多分どういう人が欲しいというアイデアもそこで出てくるので、その後、公募しようと思います。
(問)先ほど大臣がおっしゃられた民間からのヒアリングですけれども、やり方としては大臣が個人的に呼ばれて聞くのか、それとも準備室で会議体みたいなものを持つ形なのか、どうお考えですか。
(答)いや、準備室に置くかどうかはわからないですけれども、誰からヒアリングするということは、大臣日程として全部オープンにしようと。場合によっては冒頭カメラを撮っていただいてもいいと考えています。ただ、漠然と会うわけにはいかないので、こちらが一定のテーマを設けて、それに関して御意見をいただきたいということで、効率的なミーティングにできたらいいなと思っています。
(問)今、ジャンルとして念頭にあるものってありますでしょうか、その民間の方の。
(答)外資でいえばGoogle、Apple、Facebookはやらない、AmazonとかSalesforceとか、そのほかOracleもやるかな。外資はいろいろあると思うし、日本はそれぞれベンダーの皆さんであるとか。最近、行政系でいろんな形で新しいことを始めておられるベンチャーの皆さん方とか、デジタル化を今後進めていく上で何らかの役割を果たしていこうとされている方等々から意見を聞こうと思います。
(問)先ほど閣議後に総理とお2人で話されていましたけれども、今御紹介もあった、「室長やるの」と聞かれた話なんかもそうかと思うんですけれども、総理へはどういう御報告をされて指示があったのか教えてください。
(答)明日準備室を立ち上げるということの御報告と、基本的な、これからの大まかな段取り等々を御説明させていただいたということです。
(問)関連してなんですが、御報告を総理にされて、総理の方からはどのようなお言葉があったか、もう少し詳しくいただけますでしょうか。
(答)全部は申し上げるわけにはいかないんですけれども、大変期待されているので頑張ろうと思いました。スピード感を持って、これからも河野大臣等と連携をとりながら、できることからやっていく。私の仕事というのはデジタル庁の創設だけではないので、そういう意味では、これから皆様方に一つずつ、今やっているデジタル化のプロジェクトについて結果が出るものから、皆さんに順次御報告をさせていただこうと思っています。
(問)準備室の50人の省庁の方ですが、具体的にどの省庁、どの部局とかはお伺いできますでしょうか。また、その方々は元の省との併任という形で理解してよろしいんでしょうか。
(答)当然、こっちは組織が何もないものですから、併任という形になるんだと思いますが、それこそ多くの省庁から、今覚えている限りでいうと、内閣、内閣府、経産、総務、文科、厚労、警察、国交、財務。財務からも結構な人数に来てもらおうと思っています。
(問)明日の準備室の発足式には、総理はいらっしゃるんでしょうか。日程に関わることですが。
(答)日程に関わることは私からは申し上げることはできませんが、準備室の立ち上げに総理が出席されるということは、普通はないんだと思います。ただ、私自身は出席していただきたいなと思っていますが、それはどうなるかわかりません。

(以上)