片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年6月7日

(令和元年6月7日(金) 9:26~9:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 本日は3件の御報告があります。
 まず1件目、今日の閣議におきまして、「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案」を閣議決定いたしました。令和初の閣法の決定となります。
 本法案は、第4次産業革命における最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する、いわゆるスーパーシティ構想の実現に向けた制度の整備など、地域から要望の強い新たな制度改革事項を盛り込んだものでございます。
 具体的には、スーパーシティ構想の実現に向けたデータ連携基盤の整備の促進、複数分野の規制改革を一体的・包括的に進める特別の手続に関わる規定、自動運転やドローン、これらに関連する電波利用技術などの近未来技術の実証実験に資する地域限定型サンドボックス制度の整備、清酒製造免許の保有者が清酒の製造体験を実施しようとする場合の酒税法の特例措置、一定の市街化調整区域において地方公共団体による土地区画整理事業を可能とする都市計画法の特例措置を盛り込むこととしております。
 速やかに国会に提出し、御審議をお願いしたいと考えております。詳細につきまして、後ほど事務方から記者ブリーフィングをさせていただきます。
 次に2件目ですが、昨日6日、規制改革推進会議が開催され、安倍総理に対し、大田議長から第5次答申が手交されました。今回の答申では、例えば教育における遠隔教育などの最新技術の活用、副業・兼業におけるルールの明確化、介護離職ゼロ対策の強化など、今まで踏み込むことのなかった規制改革事項についても盛り込まれている他、地方創生のための銀行の出資規制見直し、各種国家資格等における旧姓使用の範囲拡大等、地方創生や女性活躍にも資する規制改革事項も盛り込まれておりまして、極めて画期的で意欲的な内容と考えております。
 今後、今回の答申と去年11月の第4次答申で示された規制改革事項につきまして、政府として計画的かつ着実に実行するために担当府省や実施時期を定めた規制改革実施計画として閣議決定することを目指してまいります。
 最後に3件目ですが、地域における意欲ある取組や地域のニーズ等を把握し、今後の地方創生に関する取組に生かすべく、明日の土曜日に静岡県の長泉町、沼津市、函南町、翌日9日の日曜日に富山県の富山市、高岡市、射水市を視察いたします。
 以上、いずれも詳細につきましては事務方にお問い合わせください。

2.質疑応答

(問)スーパーシティのことでお伺いいたします。大臣、10月に就任して以降、スーパーシティというものを掲げられてこれまで取り組んでこられたと思いますけれども、改めてこの法案が実現したことについての感想をお願いできますでしょうか。
(答)私が10月2日に担務を拝命したときに安倍総理より、今まで特区も規制改革も進めてきたけれども、いろいろな状況もあって、もっとステージを超えて進めていかなければならないから、その起爆剤としてどんどんやってほしいというお話がございました。
 率直に言って、いろいろなことがあったので、諮問会議の委員の先生方と事務局の意思疎通もあまり図られておらず、私も最初の会議に出たときにとてもびっくりしました。このような状態では日本の規制改革は進まず、生産性向上や、世界の中での競争力の奪還、日本の地位の奪還という安倍政権が一丁目一番地に掲げる過程に進めないなという危機感を強く持ちましたので、今までにいろいろと御要望が出ているとか、こういうことができないかというもので残っているものはないのかなと洗ったところ、この「スーパーシティ構想」がありました。私も官僚を23年、国会議員を14年やって、非常に多くの法案等を手掛けてきておりますが、感じ方は人によって違うと思いますが、私はこれはやれる範囲だと直ぐに思いましたので、大臣の下に懇談会を設けて産官学の皆様に入っていただいて構想を固めようということで官邸に持ち込んだところ、これは良いということで直ぐにOKサインが出ましたのでやったということでございます。思ったよりも地域における広がりがすごくあるので、大変、地方創生的な意味でもやりがいを感じた案件の一つではありました。
 やはりスーパーシティという、昔、私たちの世代では沢田研二の歌で「TOKIO」なんですけれども、これに敏感に反応した市長さんは地方のほうが多かったです。最近、東京都のほうでも小池知事が御自分の勉強会をAI型都市で作られて、それは非常に良いことだと思うんです。ですから、国際的な世界のトップを争う都市として東京には頑張っていただくけれども、我が国が抱えている超少子高齢化や労働人口の急減、少子化など、担い手が確保できない状況の中でクオリティ・オブ・ライフを維持する、むしろ向上していくようなまちづくりを、自治体の市長さんはやりたいと考えておられる。その中では、AIやビッグデータやIoTを活用するしかない。それを行政経験が長くて市長になられた方ほどおっしゃるので、そこは我々の狙ったところがどんぴしゃりだったなと思っております。
 また、ダボス会議等、国際的な場でもいろいろとお話をしてきて、ここも極めて我々の考えと、今、世界が進んでいる潮流は近いというか同じであるということと、それから日本の世界に冠たる企業も要素技術としてはトップにいけるんだけれども、国内において実装・実験の場がないということで、海外で例えばインドでスマートシティ案件が100件あって、実地に選ばれている企業さんがありますが、国内での実例があるかないかで、やはり全然違いますよね。そういう部分もあるんだなということが分かりました。ただ、それは飽くまでそういう部分もあるんだということが後で分かったので、我々は地方のために、地域のためにやるわけですけど、結果的にスーパーシティ法が通って、更にやりやすくなって国内実例ができれば、それは我が国全体の産業競争力を比較にならないぐらい増すことにはなるでしょう。ただ、それは飽くまでも副次的な効果だと思っております。
 この政権は皆様が思っておられるよりも、ずっと改革オリエンテッドでございまして、ダボスでの、まさにジャパンデーのようになった日に、私たちも目の前で総理のスピーチを聞いておりまして、すごい迫力だったのですが、岩盤規制を打破して日本経済をもう一度世界経済のど真ん中で輝くようにするためには、このぐらいのこともできないようではしようがないなというふうに担当大臣としては思って、ここまで皆様の御協力、お知恵をお借りしてきたなという感じでございます。
(問)今国会なんですけれども、大臣も会見でおっしゃっていたように、非常に日程がタイトという状況があったと思うんですけれども、最近になって森山国対委員長、会期の延長ということも示唆しておられるので、会期内での審議の可能性というのも出てきていると思うんですが、その辺りについては大臣はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)森山委員長とはいつもいろんなことでお話をしておりますし、昨日はたまたま夜、二階幹事長とも御一緒だったので、これは国会での審議を、我々担当省庁はお願いする立場でございまして、あとは国会でお決めいただくこと。特に二幹二国(自民党・公明党の幹事長及び国対委員長)にも上がっているお話ですから、そちらにお委ねするということでございます。
(問)昨日、規制改革推進会議の答申がまとまりまして、非常に内容がボリュームあって、盛りだくさんの内容で、大臣おっしゃるように画期的で意欲的なんじゃないかと思うんですけれども、昨日の会見でも出たんですが、地方創生の地銀の出資規制の緩和見直しについては、大臣の非常に持ち込んだ案件というか、大臣の問題意識で持ち込まれたというふうに伺ったんですが、なぜ大臣はこれをやろうというふうにお考えになって、持ち込むことになられたんでしょうか。
(答)このお話はすごくインパクトがあって、いくつかのメディアさんも一面で書いていただいたり、それも複数回いただいています。ただ、私がそういうことを思いつくように買いかぶっていただくとむしろ大変有り難いのですが、ある商工会議所連合とのお話合いがありまして、いろいろな幹部の方も他におられましたが、商工会議所の幹部の方って地銀のトップがすごく多いんです、兼ねておられる方が。その方から具体的に商工会議所が事業承継を一生懸命進めたと。前の選挙では当時実は私はそのお願いの受け手である政調会長の担当代理でございまして、まさに中小企業向けの事業承継の抜本的な見直しというのを岸田会長にお願いして、岸田会長に総理のところに持っていっていただいて、マニフェストのど真ん中に入れてもらったんですけれども、それで税制改正は実現したんですけど、有り難いけれども、我々実際に見ていると、直ぐに承継者が見つからないものが一杯あって、それは結局取引先である銀行が責任を持ってある程度持っていないと、どうにもならないけど、地銀のいわゆる5%ルールが引っかかってできませんので、そこが画竜点睛を欠いているんじゃないですかという、非常に、そうだったっけというお話があって、私はその辺ってもう緩和されていたのかなと思っていたので、緩和されていないんだったら、それはお出しになったらどうですかと言って、そしたら出てきたというだけです。
 私も規制改革ホットラインの一人ですから、むしろ総理は担当大臣が自分でこんな規制もまだ残っているのかというぐらいじゃないとという御姿勢の方なので、逆にあまり私が今回ああせえ、こうせえと言ったことは、この件に関してもその後もなく、本当に議長や代理や関係の議員の皆様に頑張っていただいたと思っております。

(以上)