片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年5月31日

(令和元年5月31日(金) 9:31~9:41  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 本日は、2件御報告があります。
 1件目は、5月21日火曜日にも申し上げた「DV等の被害者のための民間シェルター等に対する支援の在り方に関する検討会」について、私の下に設けて、これまで4回の議論や現場視察等を重ねてまいりましたが、本日、民間シェルターの現状、課題や支援拡充の方向性を新たなパッケージとしてお手元の報告書に取りまとめて公表をいたしました。
 概要の裏面を見ていただきますと、このパッケージのポイントがございますが、まず、基本的な考え方として、民間シェルターはDV被害その他の生きづらさを抱える、主に女性ですね、今のところ、被害者はほとんど女性なので、そういった方々への支援において、公的シェルターにはない柔軟な対応ができる重要な社会資源であり、民間と行政が対等な立場で連携して支援に当たる必要があるとさせていただいております。その上で、民間シェルターの基盤強化と対応力向上に向けて、まず、心理専門職等によるメンタル面のケア、児童虐待対策との連携、メール、SNSなども活用した相談等、民間シェルター等が行う先進的な取組を支援するパイロット事業の実施を盛り込んでおります。2として、民間シェルターのネットワーク強化に向けた研修シンポジウムの開催の促進を盛り込んでおります。3として、DV加害者対策として、加害者更生プログラムを被害者支援の一環と位置付け、実施基準の作成に入ることを盛り込んでおります。4として、児童虐待対策等との連携強化として、関係機関におけるDVと児童虐待の特性、関連性に関する理解の促進や相談能力、相談対応力の向上のため、実践的な内容の官民連携による研修の実施などを盛り込んでおります。
 これらの取組について、6月中旬に、すべての女性が輝く社会づくり本部で決定する「女性活躍加速のための重点方針2019」に盛り込んでいくなど、政府としてこの方向で是非対応してまいりたいということでございます。また、DV被害を始め複合的な困難により社会的に孤立し生きづらさを抱える女性に対する支援として、このすべての女性が輝く社会づくり本部、これは総理が本部長で、私と官房長官が副本部長ですが、ここで政府一体となって推進する体制を新たに作ってまいりたいと考えております。
 2件目は、先週に引き続きまして、G20サミットの関係閣僚会合と連動して、全国8か所のサミット開催地域自治体と連携して実施する若者向け普及啓発イベント「地方創生ワカモノ会合」の第2弾として、明日6月1日の土曜日に福岡市で開催させていただき、私も出席して冒頭挨拶をいたします。
 加えまして、これに併せて地方創生や地域の経済活性化等のニーズを把握し現状を見せていただくために、福岡市、北九州市、大分県を視察をいたします。いずれも福岡市長、北九州市長、それから大分県においては知事、さらに、別府市長などと面会をさせていただく予定でございます。豊後高田市長、杵築市長もお会いします。福岡では、服部副知事と、福岡経済同友会の久保田代表幹事にも両市長に加えてお会いをさせていただきます。

2.質疑応答

(問)民間シェルターの関連なんですけれども、その民間シェルターは財政的に厳しいというところもアンケートでも浮き彫りになったと思うんですが、その財政的な支援というところは、どういったことを想定されているんでしょうか。
(答)現時点では、特別交付税しかないんですね。あとは具体的に、業務委託を受けたら、その実費と対価としてあるというだけなんですけれども、ですから、まさにゼロ、1の議論だから非常に難しいということは昨日国会でも申し上げたんですが、具体的に今後、安定的に人が雇えるような補助につなげる前提で、まず、民間シェルター等による先進的な取組をパイロット事業として後押しすることをその要求に盛り込んでまいりたいと思います。これは当然国費ですから、これで大体なすべきことの概要とか水準とかが見えてきますので、それに応じて、それと並行して、全体の底上げとか横連携とか、そもそもシェルターがない地域で作っていこうという動きも当然出てきますから、そういったところを見ながら一般化していく方向につなげるということで、座長の戒能先生ともお話をして、財政当局ともお話をしております。いずれにしても、初めてのことなので、是非皆様にも応援を頂きたいし、見守っていただきたいと思っております。
(問)関連してお伺いします。先程大臣は、すべての女性が輝く社会づくりとして政府一体となってとおっしゃってましたけれども、予算措置を含めて今後どのような方針で進めていきたいか、大臣の具体的なお考えをお聞かせください。
(答)予算措置につきましては、まず、このDV等の民間シェルターにつきましては、長年課題はあったんですけども、正面から取り組むことができなかった話なので、まずこれをきちっと答えをお返しするとともに、性暴力被害のワンストップ支援センターも頑張っているのですけど、やはりまだお金が足りないわけですね。そちらも視察させていただきましたけれども、1億円台が2億円台になったかと、そういうレベルの話でございます。全面的にメンタルな部分についての支援が必要なところにお金が掛けられていないと、手が施せておりません。これは非常に重要でございまして、年間寄せられる相談の総件数というのは、実は分からないんですね。電話で私どもが把握しているところがどのぐらいとか、警察が7万件とかありますが、それらの重なりもあるし、そうでないものもあるし、きちっと全部整理して、さらに、民間で独自に受けておられる方まで全部含めたら、かなり膨大なことになることは間違いがないんですけれども、それでもやはり声なき声を上げたい方がアクセスできていない可能性はあります。
 ですから、DVというのは最も人権侵害的に顕在化して、しかも、議員立法によって犯罪構成要因が明らかにされているものですが、例えば相模原で起きた自殺サイトですね、あれだけ多くの女性が、単にネットに自殺サイトが書き込まれているだけで誘い込まれてお亡くなりになったわけですね。そういった問題とか、AV出演強要問題とその周辺にあるような芸能プロダクションを名乗って、実際には性的職業にほぼ強制的に誘導してしまったとか、そういう事例というのはまだ完全に根治されてないわけですね。その全体的な、女性であるがゆえにそういったところに関わってしまい、引きずり込まれてしまった部分ですとか、あるいはそれによって社会的孤立に陥っているとかいう部分を、これ、正面から捉えていくということが、まさにSDGsの社会で日本に求められていると考えております。それについては、まず実態解明が100%できておりませんので、当然法務、警察、地方警察といったところにも入っていただいて、何が一番効果的な方法なのかをきちっと詰めてまいりたいし、必要な体制の整備なども、その延長上でできていかなければいけないと思っております。
(問)日本人名のローマ字表記についてお伺いします。河野外務大臣や柴山文部科学大臣が、姓、名の順で日本人名を表記すべきだと主張をされている一方、安倍首相や菅官房長官は、名、姓での表記を続けていらっしゃいます。片山大臣御自身は、ローマ字表記を姓、名の順に統一した方が良いとお考えでしょうか。また、大臣御自身は現在、名刺や海外出張などの際にどちらの表記を使われていて、もし今、名、姓の順番で表記されているようでしたら、今後、表記を変えるお考えなどはおありでしょうか。
(答)私は「Satsuki Katayama」を使わせていただいておりまして、政府で何らかの統一方針が別の方に出ない限りは、当面、この「Satsuki Katayama」のつもりでございます。

(以上)