片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年5月21日

(令和元年5月21日(火) 9:30~9:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 本日は2件御報告がございます。
 まず1件目は、内閣府が国土交通省と連携して創設いたします地域プラットフォームの協定制度でございます。これは新しく立ち上げるもので、国が各地域の自治体や金融機関や企業から構成される地域プラットフォームと協定を結び、PPP/PFI事業の立案や実施などの活動を内閣府、国土交通省で連携して継続的に支援をするものです。今年の1月25日から3月20日まで、全国から協定先を募集いたしました。そこで本日、協定の要件を満たす意欲の高い21の地域プラットフォームと協定を締結をいたしました。15府県、4政令市、2中核市でございまして、全部で21であります。この協定先の地域プラットフォームには、関係省庁の職員や専門家の派遣、PPP/PFI事業の企画・構想の事業化の支援といった支援策、それがプラットフォームの立ち上げ時のみならず、立ち上げた後に継続的に講じていかれるということでございます。各地域において、PFI事業については、官民双方のノウハウが不足していることなどによって地域の企業が参画することが難しいという声も多くて、この新制度を通じて地域企業の参画を促進し、各地域でのPPP/PFI事業の導入も進み、地方創生にも役立つことを期待をしております。
 もう一つは、第4回の民間シェルター検討会の開催とその後についてです。私の下に、「DV等の被害者のための民間シェルター等に対する支援の在り方に関する検討会」を立ち上げました。私自身がDVの被害者でもありますが、DVについての問合せが10万件とずっと高止まりして減らない、また、児童虐待とDVの関連性という新たに直面する課題もございまして、集中的にいろいろと検討をやって、昨日、4回目の検討会が終わりました。検討会以外にヒアリングも重ね、私自身も民間のシェルター、それから配偶者暴力相談支援センター、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどを実地に足を運んで視察もいたしました。昨日の検討会で頂いた御意見も踏まえて、今月中に報告書を取りまとめて公表いたしますが、昨日も皆様に御同意頂いた内容としては次のとおりです。
 まず、民間シェルターは、DV被害や、それにかかわらずその他の生きづらさを抱える女性の皆さんの方々への支援において、公的シェルターではできない柔軟な対応ができる重要な社会資源でありますが、今までに国からの直接の公的支援をしておらず、特別交付税による支援だけでございます。ですから、今、まさにゼロのものを1にしようとしているのですから大変なことでございますが、いずれも非常に財政的に厳しい状況に置かれておりまして、厚生労働大臣の感謝状が出ているようなところも寄附を募るのは大変な状況で、ほとんどの方が無報酬のボランティアで都合を付けて来ていただいているような状況です。立ち上げた方の高齢化も進み、今までの民間の自主的な取組のままでは近々に立ち行かなくなっていくことは見えているので、そこを何とか財政的な支援、公的な、国の方から初めて行っていこうというものです。
 その次が、民間シェルターなどに寄せられた相談を分析している方々から広くお話を聞きましたが、ほとんどの問題が、メンタルの問題が起因であり、多いところでは95%、少ないところでも8割がメンタル面であり、生活や貧困の方ではなくて、どちらかというと行き場がない、寄る辺ない生きづらさのようなところが多くなっております。公認心理師の制度も立ち上がりましたが、いわゆるカウンセラーを含めた心理の専門家による心のケアにもっと重点を置くことが必要であるいうことです。
 それから、諸外国との比較においても、民間シェルターに対する財政支援が非常に手薄であることが再度認識されて、今申し上げたように、ゼロを1にしなくてはなりません。特別交付税の方は、やらない県はやらないということで、実際やっていない県も2桁あり、民間シェルターが存在しない県もあります。
 それから、心理専門職等によるメンタル面のケア、児童虐待対策との連携、一時保護後の切れ目のない総合的支援など先進的な取組を行っていただく民間シェルター等に対して、まずは支援を強化していこうという方針を固めております。これは、経常的な公的補助を作る前にはよく行うステップでございまして、パイロットプロジェクトとして国が選定をして行うということです。
 こういったラインで進めることで昨日、おおむね合意を得られましたが、さらに建設的な御意見が出たので、報告書は字句修正等を行った上で今月中に出させていただこうと思っております。
 以上のラインにつきましては、内閣官房、官邸の方ともお話をしております。加害者更生プログラムを被害者支援の一環と位置付け、実施基準の作成に向けて検討するということも含めて新たなパッケージとして取りまとめた上で、6月中旬の全ての女性が輝く社会づくり本部で決定する「女性活躍加速のための重点方針2019」に盛り込み、必要な部分は「骨太の方針」にも盛り込み予算化をしていく、要求につなげるということでございます。
 こういった一連の動きがいずれも初めてのものですが、詳細は事務方にお問合せいただきたいと思います。私も30代の頃に、厚生労働の予算の主査もしておりましたが、この部分についての正面からの公的支援について、非常に強い要求があったという記憶はないです。自治体からは、やはり公的支援を出していただければ、特別交付税等の措置もやりやすいという要望も全部ではないですけれども、かなり多くの自治体から出ていたのも事実です。そして、数年前から施設については何らかの立法をしてはどうかという動きもあり、自民党や公明党の中でも数は少ないけれども、有志議員の中で話が出ていたのも事実です。私もその1人でした。ただ、それが大きな形になることなく今日を迎え、児童虐待であのような例も出てしまったということで、今回からは、まさにSDGsが日本でも国是の一つとして取り上げられて、誰も取り残さない、虐待のない、女性がジェンダーギャップなく活躍する社会を目指すことになっているわけですから、この機を捉えて、きっちりと形にしていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)民間シェルターの件で確認なのですが、大臣、昨日フェイスブックで骨子がまとまったとお書きになっていますけど、骨子というのが、今御説明いただいた内容ということで。
(答)そうですね。報告書自体は昨日の検討会で出た意見を入れてさらに良いものにした上で今月中に公表ということです。
(問)本日発表の春の叙勲の女性受章者数が過去最多となりました。女性活躍担当大臣として、受止めがありましたらお願いします。
(答)叙勲というのは、国家や公共に対して功労のある方に授与をさせていただきまして、女性の受章者数が増えるということは、もちろん担当大臣として大変喜ばしいことですし、今の世の中の流れに沿った傾向が表れたのかなと思っております。今後とも、2020年、30%の目標も含めて、指導的地位に占める女性の割合を高めていくのが方針でございまして、叙勲の場合は、現役を1回退かれた方がなられる場合が多く、大学の名誉教授とか、家裁の所長をされたOGの方とかも多かったんですが、3年前に、介護とか保育など女性の多い分野についても重視していくという、栄典授与分野の見直しが行われまして、今回は5時に発表されていらっしゃると思いますが、30年余りにおいて、特養の介護職員として一筋に務められた方、さらに保育園長の方が叙勲をされておりますし、こういった分野もありますので、今後もますます増えていくことは期待されると考えております。

(以上)