松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年7月27日

(平成30年7月27日(金) 10:41~10:53  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私の方からは、3点御報告がございます。
 まず、科学技術政策担当として報告申し上げます。
 本日、第1回「統合イノベーション戦略推進会議」を開催いたしました。この会議は、イノベーションに関連が深い司令塔会議について、横断的かつ実質的な調整を図るとともに「統合イノベーション戦略」を推進するために新たに設置されたものでございます。
 今日の会議では、特にイノベーション関連の司令塔会議の間で、当面、調整と推進が必要となる事項について議論を行いました。本推進会議の実効性を高めるという意味で、専門的な事項の調査を行う「有識者会議」、また実務者による「イノベーション政策強化推進チーム」の設置を決定いたしました。
 最後に、菅官房長官から各大臣に対して、本推進会議の下に関係施策を積極的に取り組むこと、また統合イノベーション戦略を迅速かつ確実に実行するために、政府事業・制度のイノベーション化を含めて、政府研究開発投資の拡充に向けて概算要求において最大限努力するということについて御指示がございました。
 今後、この推進会議を中心として、関連の司令塔会議あるいは関係府省と連携・協力しながら、「統合イノベーション戦略」を着実に実行に向けて、具体的な検討あるいは調整等を進めていきたいと思っております。
 次に、青少年育成担当として報告いたします。
 本日の子ども・若者育成支援推進本部におきまして、「第4次青少年インターネット環境整備基本計画」を決定いたしました。
 この基本計画は、これから3年間に官民が一体となって重点的に取り組む施策を示すというものでありまして、まず1点目は、携帯電話事業者によるフィルタリングの設定義務の徹底などの、青少年インターネット環境整備法の改正を踏まえたフィルタリングの更なる利用促進。
 二つ目に、幼稚園、保育園などを通じた低年齢層の子供の保護者に対する啓発の実施を始めとする、子供の低年齢期からの保護者・家庭への支援です。
 三つ目に、SNS事業者などによる主体的な取組の支援といった、SNS等に起因するトラブル・いじめや被害の抑止対策を推進していくという大きな三つの柱になっています。
 この基本計画に基づきまして、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるよう、関係機関、また団体と緊密に連携しながら、政府を挙げて、施策を着実に推進してまいりたいと思っております。
 三つ目でございますが、少子化対策担当として御報告いたします。
 お手元に配付の資料のとおりに、来週31日火曜日に、「子育て応援コンソーシアム」を開催します。第1回会合として、主催者として私も出席いたします。
 我が国は、急速に進む少子化という、正に国難と言うべき課題に直面しております。この状況を踏まえて、私が主催します「少子化克服戦略会議」の提言におきまして、子育てにやさしい社会的機運の醸成に向けた国民運動の基盤として、関係業界団体をメンバーとする官民合同の「子育て応援コンソーシアム」を立ち上げます。
 子育て世帯にやさしいサービス・機能面の充実への取組推進を全国的に展開するということで打ち出しましたので、これを受けて、できることから直ちに実行に移していきたいと、そんな思いでこのコンソーシアムを早速スタートするものであります。
 第1回会合では、子育て世帯の暮らしを身近に応援するということにつながる、公共交通関係、また小売業関係の各団体・企業のトップの皆さんにお集まりを頂きます。そして、子育て世帯に優しいサービスや機能を更に充実するために、具体的にどうすればいいか、何をすべきか、またどのように取り組んでいくかというのを議論頂きまして、それぞれ各業界団体が一旦持ち帰っていただいて、更に企業の取組を促すと同時に、何度かこの会議を繰り返していきたいと思っていまして、今いろいろ、タクシーで言えば陣痛タクシーをやっていただいたり、女性専用の車両を作っていただいていますけれども、もう少し一歩踏み込んで、本当に子育て世帯の方々に優しい、手を差し伸べる、寄り添うようなことが公共交通機関や小売業界の皆さん方の業界の中でできないだろうかと、それに必要な政府の支援はしっかりしていきますし、民間の方も協力いただいて、もう目の前に子供さんがいれば、全員でその子供さんに手を差し伸べるぐらいの機運を醸成していかないと、少子化対策の環境づくりというのはできないと思っておりますので、この第1回会合は極めて重要な位置付けとして私も考えています。
 今後、他の業界にも広くこのコンソーシアムへの参加を呼びかけて、様々な業界団体、企業を巻き込んだ国民運動というのを展開していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今朝の推進会議なんですけれども、そこで菅官房長官から、政府研究開発投資の拡充に向けて、概算要求で最大限努力すると。松山大臣としては、今度の概算要求に向けてどういう点を重視したいとお考えなのか教えてください。
(答)本日の会議で、御指摘のように官房長官から、推進会議の下で統合イノベーション戦略を迅速かつ確実に実行するために、政府事業・制度のイノベーション化を含めて、政府の研究開発投資の拡充に向けて、概算要求において最大限努力してくれと御指示を頂いております。
 統合イノベーション戦略におきましては、Society 5.0の実現に向けて取組を示しておりまして、一つはAI人材育成、もう一点は、大学改革、さらにはムーンショット型研究開発、これを同戦略の中では重要項目に位置付けていまして、特に重点的に要求していきたいというふうに思っております。
 今後、推進会議を中心として、関連の司令塔会議、また関係府省と概算要求に向けた調整も含めて連携・協力しながら、統合イノベーション戦略を進めていきたいと思いますので、推進会議を中心として、そこのところをしっかり調整、予算関係も調整していきたいと思っています。
(問)共同通信の須江と申します。
 宇宙の関係で伺いたいんですけれども、報道でも御存知かと思いますが、昨日、文部科学省の現役の幹部、JAXAの元理事が逮捕されました。JAXAの理事を務めていた期間中の案件で疑義を持たれているということで、JAXAのというか、バランスの面でどのようにお考えになるか、宇宙を担当する大臣としての所感をお聞かせください。
(答)報道で存じ上げているところでありますけれども、内容をよく、何が原因でどうなっているのかということはちょっとよく存じ上げませんが、林大臣から若干報告はありましたけれども、報道の状況だと、極めて遺憾なことでもありますし、あってはならないことだと思いますので、その辺は十分私もこれからこの件を受けて指導もしていかなければならないと思いますけれども、事実関係はっきりしてからまたコメントしたいと思いますけど。
(問)例えば関連して、例えば今回、元理事が、いわゆる契約業務などに関わっていた担当していた理事であるということですけれども、JAXAの業務のより透明性化とかその辺にはついてはどのようにお考えでしょうか。
(答)所管の方は林文科大臣だというふうに思いますので、いずれにしましても、透明化は当然していかなければならないことでもございますし、しっかりと誤解のないようにやっていかなければならないと思いますが、いずれにしましても、引き続き同じ省庁でこんなことが起こるということは、本当に遺憾なことだと思いますので、我々もしっかり気を引き締めて指導していかなければならないと思っています。
(問)共同通信の山本です。
 子育て応援コンソーシアムの件なんですけれども、従前から御案内いただいていますように、公共交通機関と小売業、この第1回会合で事例発表いただくとうことですけど、今後の展開で大臣が言及されました、他の業界への参加を呼びかけるということについて、具体的にどういった業界に参加いただきたいとか、あるいはお声がけしているというのがありましたら教えてください。
(答)今後は少しずつ広げていきたいと思うのですけれども、今回は公共交通機関であり、鉄道であったり航空関係であったり、タクシー関係なんですけど、加えて、例えばショッピング等の小売業の関係でありますとか、あらゆる子育てのお母さん方が利用される分野において、少し業界団体というものを広げながらいきたいと思いますが、まずは物理的に対応できるようなところということで、公共交通機関と小売り関係の方々にお集まりを頂くということにいたしましたが、追々回を重ねていきたいと思いますので、また発表していきたいと思います。

(以上)