松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年7月6日

(平成30年7月6日(金) 9:28~9:34  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨


 私の方から3点報告がございます。
 まず、科学技術政策担当大臣として報告いたします。
 昨日の7月5日に、原子力委員会におきまして、「平成29年度版原子力白書」をまとめました。白書では、昨年、原子力委員会が策定しました「原子力利用に関する基本的な考え方」の内容を踏まえて、原子力政策に関する現状や取組を俯瞰的に説明しております。また、本年は、原子力に関する信頼構築の強化が必要な観点から、「原子力分野におけるコミュニケーション」について特集をしております。
 この白書等を通じて、国民の皆様への説明をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
 2点目に、宇宙政策担当大臣として報告いたします。
 本日閣議後に、総理を本部長とする第17回の「宇宙開発戦略本部」を開催いたしました。副本部長である私の方から、年内の宇宙基本計画の工程表改訂に向けて、検討を加速すべき重点事項について報告いたしました。
 総理から、工程表改訂に関して、特に次の3点について御指示を頂きました。
 1点目は、国際的な動向も踏まえて、防衛省を中心に関係省庁と連携して、宇宙安全保障の強化について体制整備を進めること。2点目に、これまで政府が蓄積してきた膨大な衛星データも含めて、民間におけるデータ利活用を推進し、新たなビジネス創出を一層加速していくということ。3点目に、宇宙探査や宇宙デブリの問題など、宇宙空間をめぐる国際的な様々な議論が活発になる中、我が国の技術力あるいは人材力を活かして、世界をリードして問題解決に取り組むということ。このような3点の御指示を頂いております。関係省庁と連携して、この工程表を着実に実行してまいりたいと思います。
 3点目ですが、クールジャパン戦略担当として報告いたします。
 7月7日、明日、福岡県北九州市におきまして、「クールジャパン推進会議in福岡」を開催いたします。主催者の一人として出席してまいります。この会議は、コンテンツや食など福岡県のクールジャパンの魅力を再発見し、特にアジアの若い人たちをターゲットにして海外展開・発信の方法等について議論をする予定です。
 この会議に合わせて「外国人材活用・育成セミナー」が開催され、外国人材の有効活用について、福岡県内企業の事例等を紹介しながら、産学官の連携、あるいは国と地方の協力体制等々を議論する予定です。
 この機会にアニメや漫画、ゲームなどクールジャパンの魅力と触れ合い、世界へ向けて発信するための拠点である、「あるあるCity」など周辺施設を訪問する予定にしておりまして、地域の特色、潜在力を活かした地域活性化を目指すとともに、我が国全体のクールジャパン政策の推進に活かしていきたいと思っています。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)代表、日本テレビ(高柳)です。
 先程、大臣からお話があった宇宙政策に関してお伺いいたします。工程表に関して、重点事項とかあるということだったんですけれども、具体的にどういったところがポイントになるんでしょうか。
(答)まず一つは、「宇宙安全保障の強化」であります。宇宙状況把握(SSA)システムの具体的な運用の検討と情報収集衛星の着実な整備ということを進めているということが一つです。
 二つ目に、「宇宙産業の更なる拡大」ということで、今年11月からサービスを開始する予定の準天頂衛星みちびきや衛星データの利活用の促進や基幹ロケット・衛星開発の着実な実施を進めていくということ。また小型のロケット、前回、民間の方が失敗しましたけれども、こういうものや衛星データ利用サービスなど、宇宙ベンチャーの育成支援というものをしっかり進めていきたいというふうに思っています。
 そして三つ目に、「宇宙分野における国際協力の強化」でありまして、3月に日本が主催したISEF2以降、各国で議論が進められております国際宇宙探査の在り方について、今後、国際調整や技術実証というのを主体的に進めていきたいと思っております。年々増加傾向にある、特に宇宙デブリにつきましても、除去技術の開発などにしっかりと取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
 これらを踏まえて、関係省庁が連携し、宇宙基本計画工程表の着実な実施というものを図ってまいりたいと思っております。
(問)読売新聞の船越と申します。
 原子力白書の中で、プルトニウムの削減についての方向性が盛り込まれているんですが、これについての受け止めとお考えをお願いします。
(答)原子力委員会では、国内の原子力をめぐる状況変化、あるいは国際社会におけるプルトニウム管理に関する関心の高まりを踏まえて、自主的な取組として今年の1月から、プルトニウム利用の基本的な考え方の改定に向けて議論を行っております。
 白書においても、原子力委員会において関係機関からヒアリングを行ってまいりました。そして、基本的な考え方の改定に向けた議論の状況について記載をしているところでございます。
 原子力委員会におきましては、利用目的のないプルトニウムは持たないという原則の下に、プルトニウムの利用、また回収のバランスを図っていくということ、あるいは海外に保有しているプルトニウムの削減等について議論を今行っているところでございます。具体的な内容については検討中でありますので、詳細は差し控えたいと思います。
(問)NHKの小泉です。
 閣僚の一人として伺います。先程、オウム真理教の麻原元代表の死刑が執行されたという報道が各社出ています。今の閣議でその案件についての報告はあったかどうかと、こうした平成の大きな事件が一つ終わりを、節目を迎えたということについて受け止めを一言お願いいたします。
(答)閣議では、そのような報告はありません。私もまだ報道には触れていないのですけれども、このようなことが二度とないように、こんな事件がないようにしていかなければというふうに思います。

(以上)