松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年6月15日

(平成30年6月15日(金) 9:21~9:31  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から4点報告がございます。
 まず、今朝の閣議におきまして、政府のIT新戦略であります「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を決定いたしました。
 本計画では、すべての国民がデジタル技術とデータの利活用を通じて、安全で安心な暮らしや豊かさを実感できる社会の実現を目指すこととしています。
 その第一歩としまして、行政手続等のオンライン化を徹底するための「デジタルファースト法案」について、早期の国会提出に向け、鋭意作業を進めております。閣議では、私から法案の策定を始め、関係閣僚が一丸となってデジタル改革に取り組んでいただくことをお願いしました。
 詳細は、事務局のIT総合戦略室にお問合せを頂ければと存じます。
 また、科学技術政策担当として報告いたします。
 昨日、第39回の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の本会議が開催されまして、「統合イノベーション戦略」について諮問・答申がなされました。これを受けまして、本日の閣議で、この戦略について閣議決定をいたしました。
 「統合イノベーション戦略」は、世界で破壊的なイノベーションが進展する中、従来の延長線上では国際競争に勝てないという問題意識のもとに、我が国のイノベーション・エコシステムの構築・発展に向けて、府省横断的に関連施策を一体的に推進すべく、新たに策定をしたものでございます。
 昨日のCSTI本会議では、安倍総理から関係大臣に対して、本戦略を成長戦略の中核に位置付けて、これまでの発想にとらわれない大胆な政策を一丸となって実行に移すよう指示を頂いているところであります。
 我が国を「世界で最もイノベーションに適した国」とすべく、担当大臣として関係閣僚と連携・協力しまして、本戦略を着実に実行してまいりたいと思います。
 もう一点、障害者施策、また交通安全対策を担当する大臣として報告いたします。
 今朝の閣議で、「障害者白書」と「交通安全白書」を閣議決定いたしました。
 障害者白書では、今年の3月に策定した新たな「障害者基本計画」について紹介すると共に、障害者施策の現況などについて記述しています。
 交通安全白書では、自動運転技術などの様々な先端技術を活用した交通安全の取組を紹介するとともに、社会全体が先端技術に関する理解を深め効果的な活用を図っていく、そんな必要があるということについて指摘をしております。
 これらの白書が国民の皆様に広く活用されて、障害者施策、交通安全対策について、御理解、御関心を深めていただく一助となれば幸いであります。
 4点目ですが、少子化対策担当として報告します。
 企業主導型保育事業の今年度の募集を、本日6月15日から7月31日火曜日までの期間で実施いたします。今年度は新たに2万人分程度の募集を行うことにしております。多数の応募があった場合には、実務を担う公益財団法人の児童育成協会、ここの審査会で、待機児童対策に資するかどうか、また、従業員の多様で柔軟な働き方への対応になっているかどうか、事業の特徴というのをいかに活かしているかと、こういった観点から審査を行いながら助成決定をやっていくということにしております。多くの企業が積極的に応募していただくことを期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、事業が円滑に実施されるために、企業が自治体と連携することが望ましいと考えておりまして、今回からは、例えば、地域枠を設定する場合には地域の保育ニーズなど自治体にまず相談すること、そして企業が申請するときに実態を確認することが必要だということを明確化いたしました。また、自治体に対して企業からの相談に応じるように協力依頼をしております。そして、児童育成協会から自治体に対して、企業の様々な申請状況・情報を提供するということにしております。こうした取組を通じて、企業主導型保育事業において、自治体との連携が一層進むことを期待しております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 統合イノベーション戦略なのですけども、今回の閣議決定を受けて、これから様々に実行されていくかと思うのですけども、これによって研究の現場がどのように影響を受けるのか、どういうふうに変わっていくのか、そこら辺について教えてください。
(答)統合イノベーション戦略は、知の創造に関する取組として、大学の研究現場における経営環境の改善、人材の流動性の向上であるとか若手の活躍機会の創出、あるいは研究生産性の向上、ボーダレスな挑戦の促進といった重要な課題を掲げておりまして、それぞれ目指すべき将来像や達成目標というものを掲げております。
 こういう目標を実現するための具体的な方策としては、例えば、民間資金の獲得に応じた運営費交付金の配分とインセンティブを付与する仕組みを作っていく、導入していくということ。
 また、年俸制の拡大ですね、業績に応じた年俸制の拡大など人事給与システムを改善する。あるいは、科研費等の若手の重点化、また、外国の大学で博士号を取得した人材の増加促進などの施策を盛り込んだところであります。
 非連続的なイノベーションを生み出すムーンショット型の研究開発など、政府における戦略的な研究開発も推進するということにしておるところであります。こういう取組を推進しながら、大学における研究現場が活性化するように、また独創的・挑戦的な研究が促進されるように我が国の科学技術・イノベーション力、質量と共に一層向上させていくために力を入れていきたいというふうに思っております。
(問)読売新聞の船越です。
 今の統合イノベーション戦略に絡んで、この戦略の中では、かなり数値目標が、今言われたように盛り込まれていますが、これは実行は当然なんですが、検証というのはどういうふうに行っていくんでしょうか。
(答)統合イノベーション戦略では、世界水準の目標を念頭に、重要課題ごとに御指摘のように具体的目標を掲げております。そして、その達成に向けた方向性、主要施策を掲げているところですが、関係府省一丸となってこの実現のために統合的に推進していくわけですが、今年の夏に「統合イノベーション戦略推進会議」を設置することとしておりまして、この推進会議を活用しながら、本戦略に盛り込まれた取組を着実に実行に移す、そして進捗状況については、時間軸をしっかりと意識しながら、戦略で示した目標の達成というものを検証・評価というものを、この会議体の中でPDCAサイクルもしっかりとまわしながらチェックしていきたいと考えております。
(問)CSTIじゃなくても推進会議の方が、この会議の情報を全体を統括できるという理解でいいんですか。
(答)そうですね。科学技術イノベーション政策に係る横断的、かつ実施的な調整推進機能というのを果たすために、この会議体を設置するということにしましたので、「統合イノベーション戦略推進会議」で検証・評価していきたいと思います。
(問)毎日の酒造です。
 ちょっと話変わるんですけど、12日に情報収集衛星が打ち上げられました。対象が北朝鮮の軍事施設などが対象で、将来的にこれを10基に増やすという工程を掲げていると思います。
 一方で、同じ日に米朝会談があって、北朝鮮は非核化を進めるということで合意をしています。最大の脅威である北朝鮮がこういう方針転換を図ったことで、これまでの宇宙の安全保障の政策ですか、ここにどういう影響があるのか、今後どう10基体制というのは目指していくつもりなのか、そこら辺の考えをお願いします。
(答)北朝鮮の件につきましては、先日の米朝首脳会談を受けまして、国際社会の責任ある一員として政策を変えていくことを期待しておるところですが、この情報収集衛星につきましては、我が国の安全確保あるいは大規模災害の対応への危機管理にも役立つものでありまして、我が国としては、宇宙政策の柱の一つとして、宇宙安全保障の確保も位置付けておりますので、引き続き、宇宙状況把握(SSA)や宇宙システムの機能保証の強化などにも取り組んでまいります。この件につきましても予定どおり進められていくものと認識しております。

(以上)