松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年6月1日

(平成30年6月1日(金) 9:13~9:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私の方から2点御報告がございます。
 宇宙政策担当として1点報告します。
 今週の5月28日付けで、新たに宇宙政策委員に折木良一氏を内閣総理大臣より任命を頂きました。
 折木氏につきましては、宇宙政策委員会臨時委員として、既に3年にわたり議論に参画を頂いておるところでございまして、元統合幕僚長としての経験と高い見識を有しております。今後、特に安全保障面から宇宙政策委員会での審議に貢献いただけるものと期待いたしております。
 もう一点は、科学技術政策・宇宙政策担当として報告いたします。
 5月24日から29日にかけまして、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム2018出席、またロシア政府要人との会談のためにロシアに出張いたしました。
 サンクトペテルブルクにおいては、安倍総理、ロシア・プーチン大統領、フランス・マクロン大統領らがスピーチを行った、フォーラム全体会合に出席をしました。
 また、会場内のジャパンパビリオンで開催されました、内閣府主催の科学技術・宇宙セミナーに出席しまして、我が国の最先端の科学技術・宇宙政策・宇宙技術というものを広くアピールさせていただきました。
 このほか同地では、発足直後のロシア連邦内閣のコチュコフ科学・高等教育大臣、さらには、教育・科学大臣経験者の科学技術政策を担当するフルセンコ大統領補佐官とも会談をさせていただきまして、日露の科学技術・イノベーション分野における協力の在り方等について会談をさせていただいた次第です。
 モスクワでは、日露両国首脳による国際宇宙ステーションとの交信に、新たに着任されたロスコスモス・ロゴジン総裁、また山川JAXA理事長と共に立ち会いました。またこの機会に、山川理事長と共に、ロゴジン総裁とも会談をさせていただきました。宇宙分野における協力の在り方について意見交換を行いました。
 日露両国の首脳が出席をする、日露交流年開会式に参加しまして、日露間の人的交流拡大に資する様々な行事が本年幅広く開催をされるということになりまして、共にお祝いをした次第であります。
 またその後、ウリヤノフスクに移動しまして、日露間の経済・文化交流推進を目的とした、国際フォーラム「ヴォルガにおける日本の春」に出席しまして、日露の科学技術・経済・文化等の分野における交流推進の重要性等を説いてまいりました。
 サンクトペテルブルク及び、ウリヤノフスクには、ImPACTの山海プログラムマネージャーにも同行いただきまして、我が国の最先端の科学技術の例として、革新的サイバニックシステム研究について、社会実装された成果でありますロボットHALを用いてご紹介を頂いて、現地の方々から、ポジティブな反応が得られた次第であります。
 今回の出張の成果につきまして、科学技術・イノベーション政策、あるいは宇宙政策の更なる推進に役立ててまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今月取りまとめる統合戦略についてなんですが、その中でオープンイノベーションについても取り組まれると思うんですけども、その中で、特に論文のオープンアクセス化あるいは研究データのオープン化についてどのような取組を盛り込むのか、あとKPIについて今のところ決まっているものがあったら教えてください。
(答)オープン化、オープンサイエンスにつきましては、論文のオープン化と、研究データのオープン化を含む概念でございまして、第5期の科学技術基本計画におきましても、基本的な方針、そのための具体的取組というのを示しておりますが、夏に策定する「統合イノベーション戦略」では、様々な分野のデータ、情報が重要であるとの認識の下に、オープンサイエンスに向けたデータ基盤の構築など幅広い取組を盛り込む予定にしています。
 例えば、研究データの管理・公開・検索を促進するシステムの開発でありますとか、あるいは研究データの利活用のための方針・計画の策定でありますとか、そういったことが挙げられますが、そのための具体的方策、達成目標につきまして、文科省を始め関係省庁と連携して今鋭意検討を進めているところでございまして、統合イノベーション戦略の策定も踏まえまして、我が国のイノベーションを促進するための社会インフラとすべく、オープンサイエンスに関する取組を確実に進めていきたいと思っております。
(問)共同通信の須江と申します。
 ちょっと宇宙の関係でお伺いしたいんですけれども、ロシアに出張されたということで、その際に、いわゆる有人宇宙飛行、ステーション後の国際有人宇宙活動について何かお話等は出たのかということと、あとステーション後について、今月3日に金井宇宙飛行士が帰還されますけれども、ステーション後の国際有人宇宙活動、日本の参画は検討されるとは思いますが、日本人飛行士が今後ステーション後の宇宙に行くことについての検討について、大臣自身どうお考えか改めてお聞かせください。よろしくお願いします。
(答)金井飛行士は、今月の3日に帰還をされるという予定です。そのことについても御説明を頂いております。
 また、日本人飛行士は2名、一応内定いたしておりまして、来年ですかね、来年の秋ぐらいに野口さん、その次に星出さん。予定されておりますので、そのことについてもロゴジンさんにも今後の連携をお願いした次第であります。
 我々が行く直前に、総裁が替わられたということで、ロゴジンさん就任された直後のことでございまして、まだ具体的な突っ込んだ議論はなかなかできなかったのですが、大変宇宙政策の詳しい方ですので、これまでの日露の宇宙については、もう切っても切れない大変重要なパートナーですので、しっかりこれから連携をとっていこうということで会談をさせていただきました。
(問)後段部分の、2024年までの延長は合意しておりますけれども、国際宇宙ステーションの運用終了後の日本人宇宙飛行士が宇宙に行く見通し、まだ話は具体化していないと思いますけれども、どのようにお考えかちょっとお聞かせいただければ有り難いです。
(答)当然、宇宙政策については日露の関係は続けていかなければなりませんし、JAXAとロシアとのいろんな協力関係はもう結ばれておりますので、24年以降については、特に政府間でうんぬんということはございませんけれども、引き続き2024年以降もしっかり連携をしていくということはお互い意見交換をしております。
(問)NHKの鈴木です。
 ロシア出張に行かれて、科学技術に関していろいろ意見交換されたということですけども、日本にとってロシアの科学技術というもの、どんな重要な、立場というか、ロシアとの連携ではどんなところが重要だというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)日露の科学技術協力というのは、日露科学技術協力委員会も実際に2000年に締結した協定に基づき、今年も4月に東京で行われておりますし、実際に物理や医学、農業あるいは北極研究等のことも扱われておりまして、ロシア側からは特にAIでありますとかエネルギー、農業、医療という重点分野を推進したいというふうな話もありました。
 今後、グローバルな問題解決のために社会実装というものを重視した科学技術・イノベーション政策が必要であるということを共通認識をしたのですが、コチュコフ大臣も就任したばかりであり、組閣して初めて外国要人と話すのが私だったということもあって、お互い科学技術の、日本のことも十分説明をし、やはり社会実装に向けた、今本当に何が必要かというところを踏まえて科学技術・イノベーションを進めていくことが重要だというような話合いをさせていただいた次第であります。
(問)具体的にどんなことをしていきたいという思いがあるかというのはありますでしょうか、ロシアと。
(答)ロシアは、今力を入れているのは農業生産性向上を目的としたプロジェクト、これに科学技術イノベーションというものを加味して進めているということをしきりにPRされていました。特に世耕大臣が担当している経済協力の中でも、極東地域の寒冷地における科学技術の必要性というものは重要だと思いますので、そのような意見交換をさせてもらいながら、AIやエネルギーあるいは医療についても、非常に関心を示しておりましたので、我々もできる限りの連携をとって、協力できるものは協力したいというふうな話をしております。
(問)もう一点、冒頭にあった宇宙政策委員会の委員の任命についてですけども、安全保障面で貢献していただければという御意見ありましたが、その背景と、なぜこういう人事を行って安全保障面で貢献していただきたいと考えていられるのか、ある程度そこをお願いします。
(答)我が国の宇宙政策は、宇宙基本法に基づいて進めておりますので、宇宙の安全保障、そして民生利用、また産業・科学技術基盤強化、この三つの柱は既に基本方針でありますので、総合的な国家戦略として三つ柱を掲げておりますので、こういう視点に立っての人事でもありますし、バランスのいい議論をしっかりとしていきたいということで入っていただきました。
(問)NHK、小泉です。
 話題変わります。来週の月曜日に、少子化の戦略克服会議がまた開催されるかと思います。今回最後ということで取りまとめが行われると思うんですけれども、先日、育休の件ですとかが出ていたりすると思うんですが、今回改めてちょっとその目玉というか、どういったところが重点的になるとお考えかお話を伺いたいと思います。
(答)まさに今とりまとめの最中でございまして、最終的に、6月4日の夕方に最終の会議をやろうかと思っております。4日の時点でまた正式に発表したいと思うのですけれども、今おっしゃられた育休の問題なんかも非常に重要視しておりますので、骨子を幾つか整理して発表したいと思いますので、月曜日改めて発表させていただければと思います。

(以上)