松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年1月5日

(平成30年1月5日(金) 11:41~11:56  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 新年明けましておめでとうございます。今年もいよいよスタートしますので、どうぞ昨年に引き続きよろしくお願い申し上げます。
 私の方から3点御報告がございます。
 まず、少子化対策担当として御報告をいたします。昨年末に公表されました人口動態統計の年間推計では、平成29年の出生数が94万1千人、これは前年から3万6千人減少し、過去最少ということになりました。また、出生数から死亡数を引いた自然増減数も、マイナス40万3千人と、過去最大の減少となりました。これを例えるなら、二つの中核市が一気に消滅したということと同じことを意味します。
 この統計で、改めて、我が国が、急速に進む少子高齢化、そして人口減少社会という、まさに国難とも呼ぶべき課題に直面しているということが確認をされたわけでございます。現在、政府としては、幼児教育・保育の無償化、あるいは待機児童の解消などを懸命に進めておるところでございますが、こうした人づくり革命の取組とともに、社会全体を視野に入れて、少子化を克服するための大胆な政策展開を更に加速をしていくことが重要だというふうに思っております。
 このため、高い知見を有する各界の有識者を集めまして、従来の発想にとらわれずに、幅広い視点から、対応策を検討するため、私の主宰ということで、少子化克服戦略会議を立ち上げることといたしました。構成員はお手元の配布資料のとおりでありまして、幅広い分野の経験・知見のある方を選びました。また、関係省庁の審議官級にも参画をしてもらいます。
 今月中に第1回の会議を開催しまして、結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくりに向けて、個人・企業・地域など、全ての当事者を巻き込んでいきながら、子育てに係るあらゆる段階、あらゆる場面を想定した、ハード・ソフト両面からの更なる取組について、精力的に議論を進めていきたいと思っております。
 この戦略会議の開催に当たりましては、本日の閣僚懇におきまして、関係閣僚にも協力をお願いさせていただきました。新たな発想を取り込みながら、大胆かつ効果的な施策を立案し、できることから速やかにやっていくということで、政府一丸となって取り組んでいきたいと思っております。
 次に、交通事故防止対策の推進ですが、本日の閣議で、交通事故防止対策の推進につきまして、閣僚の皆様に協力をお願い申し上げました。
 昨年、交通事故の発生から24時間以内に亡くなられた方の数は3,694人と、現行の交通事故統計となった昭和23年以降で最少となりました。また、交通事故発生件数及び負傷者数はともに13年連続で減少をしております。これは、人命尊重の理念に基づいて、国を挙げて取り組んだ成果だと考えております。しかしながら、交通事故でいまだ多くの方が亡くなっておられます。また多くの負傷されている方もおられるなど、依然として交通事故情勢は大変厳しいものだと認識をいたしております。
 第10次交通安全基本計画では、平成32年までに24時間死者数を2,500人以下とし、世界一安全な道路交通を実現するとの目標を掲げております。その達成に向けて、人優先の交通安全思想を基本とし、今後の高齢者人口の増加を踏まえた高齢運転者の事故防止対策の推進も含め、関係機関・団体等と連携して、交通安全対策を一層充実してまいりたいと思っております。また、先端技術を活用した安全支援システムの開発普及、情報の効果的な活用も強力に推進をしていく予定でございます。
 3点目ですが、科学技術政策・宇宙政策・クールジャパン戦略担当大臣として報告をいたします。本日1月5日から15日にかけまして、米国政府要人等との会談のために、米国に出張いたします。
 科学技術イノベーション政策及び宇宙政策分野における日米協力を推進するために、クレイチオス大統領副補佐官、コルドヴァ全米科学財団長官、ペース国家宇宙会議事務局長などの米国政府要人等との会談を予定しております。
 また、我が国におけるベンチャー企業に対する支援策の検討等の参考とするために、オービタル・インサイト社などの現地ベンチャー企業、また、ファイブ・ハンドレッド・スタートアップス社など、ベンチャーの支援機関を訪問する予定にいたしております。
 さらに、大学改革あるいは研究力向上に資するために、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ハワイ大学、国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡等を視察する予定にいたしております。
 これらに加えて、クールジャパン戦略推進を目的に、12月20日に一部開館したジャパン・ハウスロサンゼルスの視察、また、ニューヨークでの関係機関との意見交換を予定しているところでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 早速なんですけれども、去年1年を漢字一文字で振り返った上で、今年の抱負をお願いしたいんですが。
(答)8月から5か月間、もちろん閣僚としては初の取組でありましたけれども、一文字でと言いますと、動といいますか、動く、自らいろいろな所に出向いて行って、肌で感じて、様々な課題に取り組んでいきたいという、自分自身の姿勢でしたので、大分動いてきたなと。全国各地、海外にも行かせていただきました。その姿勢は今年も貫いて、やはり動いて感じ、また、成果をしっかり出していくと。そのためにもやはり自分自ら行動して、感じ、政府の皆さん方と一緒になって、生産性革命、あるいは人づくり革命という大きな課題に向けて、成果を出していく1年にしたいなというふうに思っております。
(問)もう一つ。米国出張のことについてお聞きしたいんですけれども、ベンチャー支援について、今回視察されるかと思うんですけれども、ベンチャー支援といったときに、日本だとどうしても科学技術政策となるんですけれども、アメリカの場合、税制だとか経済政策に深く切り込んでいると。そこら辺について、大臣、今回の出張で、どういう点を重視して、ベンチャー支援について視察されていくお考えでしょうか。
(答)今回の出張で、特にシリコンバレー等々で、現地のベンチャー企業、それから、ベンチャーを支援する機関の視察を予定しております。我が国は、米国と比べてベンチャー企業が大変育ちにくいという指摘が各方面からなされておりますし、ベンチャー企業の育成や支援等の環境整備に係る政策課題は多岐にわたると思っていますので、そういった意味で、自らいろんなことをお聞きし、しっかり視察した上で、今後の我が国でのベンチャー支援を考えていきたいと思っております。
 もう一点は、大学についても、研究開発力強化法の改正も考えておりますので、大学関係でもベンチャー創出を促進するやり方等々も大変勉強になると思いますので、しっかりその辺も視察をしていきたいと思っております。
(問)時事通信の越後です。
 少子化克服戦略会議について伺います。第1回は今月中にということなんですけれども、全体として期間を区切っているものなのかどうか、例えば年内に報告書を取りまとめるとか、そういったものなのかどうかというのが1点と、いろんな子育て関係の政策は国として既に幾つもやっているものがあると思うんですけれども、今、こうした会議を立ち上げる問題意識というのはどういったところにあるんでしょうか。
(答)まず、スケジュール的には、今のところ、今月中に第1回を開催し、半年ほどかけて、6回から7回程度の開催を予定しています。それで終わるかどうか別として、6、7回開催します。そして、会議で提言という形で取りまとめることを想定していまして、それを踏まえて、関係省庁とも連携をしながら、様々な施策の実現に取り組んでいきたいと思っております。今後、骨太の方針もあるでしょうから、それにも反映をしていきたいと思いますし、また、平成32年には少子化社会対策大綱も見直しの予定でありますので、そういったことに反映すべく、取り組んでいきたいと思っております。提言といっても、会議をやりながら、すばらしい提案については、実行できることは直ぐに実行するというぐらいのつもりで、緊急性も持って、取り組んでいきたいと思っております。
 これまでも内閣府において、ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム、あるいは少子化危機突破タスクフォースなどもございましたけれども、国難というべき状況が、統計からも確認されましたので、少子化対策を、しっかり成果を出していくという意味で、より強力に、前向きに進めていくための少子化克服戦略会議というものをスタートしたいと思っております。
(問)読売新聞の船越です。
 米国出張についてもう一点、12日に米国の要人との会談が予定されていますが、これはどういったことを議題にされるんでしょうか。
(答)これについては、具体的なところはまだ発表できる状況にありませんけれども、いずれにしても、科学技術・宇宙政策全般について、また、来年のISEF2の開催についても、出席の要請はもちろんですけれども、内容についても様々な方面から詰めた話をしてみたいと思っております。
(問)今、正に国家宇宙会議事務局長との会談で、ISEF2についてはもちろんなんですが、深宇宙探査ゲートウェイの参画についても議論されるのでしょうか。
(答)そういったことも含めて、いろいろな形で、いろいろな方面からの話合いは考えております。
(問)毎日の酒造です。
 米国出張に関連してなんですが、アメリカのトランプ政権が科学技術政策に対して非常に冷たいという指摘がありまして、科学技術予算を削減したりとか、そういったかなり大きな方針転換をやっているわけですが、そういった中で、こうした科学技術担当の要人の方と会談するということについて、大臣の御所感を伺えればと思います。
(答)まずはトランプ政権発足から約1年が経過する中で、トランプ政権における科学技術政策、あるいは宇宙政策分野、具体的にどういう取組がなされているのか、また、これからしようとしているのかをしっかりといろいろな意見交換をする必要はあると。また、我が国の研究開発等々も遅れをとらないように、積極的ではないとはいえ、世界の最先端を行っているアメリカでありますので、その辺はしっかりと意見交換をしながら、同時に、米国との科学技術政策、あるいは宇宙政策分野という意味で、連携をしっかりとるということは、日米の関係強化には非常にいい形になると思っておりますので、その辺に意義をしっかりと感じておるところであります。

(以上)