甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月3日

(平成27年4月3日(金) 11:40~11:53  於:合同庁舎8号館1階108会見室)

1.発言要旨

 マイナンバーにつきましては、今年10月から通知がなされて、来年の1月からその利用が開始されます。
 10月からの通知に向けまして、第一弾の集中的な広報として、タレントの上戸彩さんとマイナちゃんのテレビCMの放映や全国新聞の折り込み広告などを行いました。
 こうした広報によりましてマイナちゃんの認知度も高まっておりますけれども、マイナンバー制度の導入に合わせて、新たに構築する個人ごとのポータルサイトにつきましては、これまで「マイポータル」であるとか、あるいは「マイガバメント」といった仮称が使われておりましたが、今後、マイナちゃんにちなんで、「マイナポータル」とすることを正式に決定いたしました。これからの呼び名は「マイナポータル」とさせていただきます。
 このマイナポータルでは、国や自治体などの間の特定個人情報のやり取りの記録の閲覧であるとか、自治体などが保有する自らの特定個人情報の閲覧のほかに、自治体などからの予防接種や年金、介護などの各種のお知らせの受け取り、それから引っ越しなどの際の官民横断的な手続のワンストップ化、更に納税や社会保障などの決済をキャッシュレスで電子的に行うサービスなどを平成29年1月以降、つまり来年の1月から利用開始、再来年の1月からこのマイナポータルで順次、申し上げたようなサービスを提供していくという予定であります。
 このようにマイナポータルにつきましては、マイナンバー制度に対する国民の信頼確保や利便性に役立つものでありますので、報道機関の皆様におかれましても、引き続き取上げていただいて、国民の皆様にお伝えくださいますように、協力をお願いいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)TPPの交渉についてですけれども、前回のCN(首席交渉官)会合と日米協議では、残された課題について事務レベルで協議を継続する方向となっていますけれども、この日米協議について、安倍首相が訪米をする前に農産物の関税協議再開の見通しがあれば、お聞かせいただきたいということと、訪米前に日米合意の道筋が付きそうなのかどうか、現状認識と見通しをお聞かせください。併せて、交渉全体については、CN会合が23日から開かれるという報道もありますけれども、今後の日程感や早期妥結に向けた見通しをお聞かせください。
(答)総理訪米前に、まだ残されている課題が幾つかありますから、可能な限り、日米間で合意が成り立つものについては協議を進めていきたいと思います。日米の事務レベル協議は、総理訪米前、しかるべきときに開始したいと思っておりますし、そういうことになるであろうと思います。その協議の上に、それが整いましたら日米の閣僚協議も考えていきたいと思います。
 そして、次なるCN会合について、23日からという報道が、一部で報道されているようでありますが、場所も含めて、現在、調整中と承知いたしております。
 一連の協議にとって大事なことは、何度も申し上げていますけれども、TPA(貿易促進権限)法案が議会成立する見通しが非常に大事になってきております。イースター休暇明けに何らかの動きが始まってほしいと強く願っているところであります。
(問)今の発言の、日米閣僚協議も考えていきたいというのは、首相の訪米前に閣僚会議を開くということになるのでしょうか。
(答)はい。総理訪米前にこの残されている課題で解決できる部分は、できるだけ解決したいと思います。ただ、総理が訪米されるから、残された案件を日本が不本意な譲歩をしてまとめるということではありません。
(問)そこで決着を目指すということではないということでよろしいのでしょうか。
(答)日米で合理的な着地点が見出せれば、それは別にわざわざ引き延ばすつもりもありませんけれども、総理が訪米するからといって、何が何でも理不尽な妥協をしてでも決着するということではないということであります。
(問)少し細かいことのお話になるのですけれども、先々週だか、政策コメンテーター会議というのがあったと思うのですけれども、その中で北海道のコンビニチェーンの経営者から、60代以上の消費が落ち込んでいる。若年層の30代、40代の消費が元気であるというコメントがありました。これはその原因はよく分からないところもあるのですけれども、年金層で見ると、マクロ経済スライドなどで、実質減額になるという警戒感からなのかと思ったりもしているのですけれども、政権として、消費の回復について少しブレーキとアクセルを同時に踏んでいるという捉え方もできるのかと思っていまして、その辺はどのように受け止めておられるのでしょうか。
(答)年金を初めとする社会保障が安定的に、将来にわたって運営されていくと、その安心感と、その設計の下に当面の微修正があるということをどう捉えるかだと思います。安倍内閣といたしましては、年金や医療や介護、そして子育て等のいわば社会保障制度が、安定的な財源を確保して、将来にわたって安定的に運営されていく。そのための改革を行っているということはしっかりと説明していきたいと思います。今日良くて、明日駄目になるのと、多少の調整はあるけれども、明日も明後日も続いていく制度と、どちらがいいですかということになるかと思います。今日の支給だけ目いっぱい上げていくと、明日の継続性に黄色信号が灯るということについて、全体の改革構想についての理解を進めることが大事だと思います。
(問)いわゆる黒田バズーカと言われる緩和から2年がたちますけれども、これまでの金融政策についての御評価と今後の見通しについてお伺いできますでしょうか。
(答)黒田バズーカは2回発せられたわけであります。それぞれ適宜適切、なおかつ市場にとって意外性も含めて放たれたということは、それなりの効果を発揮してきたということであります。2年を経て、CPI総合が+0.1、そしてコアが+0.0になるわけであります。ただ、原油価格の下落がそれぞれ物価に与える影響は、0.7から0.8と試算されています。ですから、それを勘案すると、+1%近傍ということになるわけであります。2015年を中心としたところで2%ということからすれば、若干スケジュール感にずれは生じてきておりますけれども、それだけこの15年以上続いたデフレを脱却するということは大変なことなのだろうと思っております。今のところ順調に推移をしている範囲内であろうと思います。
 黒田バズーカについては、これは手法でありますから、日銀の判断にお任せをするというところであります。
(問)原油価格の下落が与えている影響の試算の件ですけれども、これは内閣府の試算でしょうか。
(答)これは日銀の試算です。

(以上)