山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月31日

(平成26年10月31日(金) 10:32~10:44  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず私の方からですが、今週28日に、2回目となりますが沖縄を訪問させていただきました。国際物流ハブ5周年記念シンポジウムに出席をさせていただきました。また、物流ハブも視察をさせていただいて、アジアの中心という地理的優位性を活用した沖縄の物流産業の大きな可能性を感じることができたわけでございます。
 またその後、IT津梁パークを訪問させていただいて、沖縄のIT産業の実情を始め様々な点について、そこへ入居されておられる企業の皆さん方と有益な意見交換をすることができました。とりわけ、会見でも御質問が出ていましたが、当初はコールセンターのような集約的なところへ集中していたのですが、相当おもしろい企業集約ができつつあるなという感じでございました。今回の出張の成果を今後にしっかりと生かしていきたいということでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の須江です。おはようございます。
 宇宙の関係で伺いたいんですが、今朝、自民党の部会、宇宙小委員会で宇宙基本計画の骨子が提示されまして、ただ、これまでの議論などで党内からは、いわゆる安全保障重視はわかるけれども、安全保障に偏り過ぎではないか、科学技術の面が薄くなるのではないかというような危惧する声も出ておりますが、その点に関しての、例えば懸念を払拭するような今後の政策とかはいかがでしょうか。
(答)基本的な安全保障ということを今回しっかり視野に入れた基本計画なのですが、御指摘のような話もありますので、今回の目標の柱立ての中に、宇宙安全保障など民生分野における宇宙の利用推進というものがあるのですが、それらは産業、科学技術基盤の維持強化、をしっかり行うことによって、安全保障だけ突出した形にならないように配慮できていると思っております。
(問)科学新聞の中村です。
 沖縄出張の際に、IT津梁パークとか行かれて、沖縄振興とITの狭間でどういうことができるのかとあるかと思うんですけれども、例えば沖縄振興と科学技術、あるいはクールジャパン、いろいろな可能性はあるかと思うんですけれども、そういう司令塔間の連携とか、新しいアイデアを出し合う機会とか、何かしらの仕組みというのはお考えでしょうか。
(答)これからの課題として、おっしゃるように、私が司令塔役をやらなければならないと思っているのですが、今のところ、いろいろな施策を、例えば地方版クールジャパンはまだ沖縄にお邪魔していないでしょう。これはやはりお邪魔をして、しっかりと発掘をして、ある意味、突破口を作っていきたい。その後、司令塔役としていろいろ行っていきたいと思っていますし、ITももう少し私が中心になっていろいろと取りまとめをしていったほうがいいのかな。もちろん沖縄を真ん中に据えてやっていきたいと考えています。科学技術も、今までOIST(沖縄科学技術大学院大学)という話だったのですが、今回、地方創生とも絡めて、地方の大学や研究所を中心にして集積をしていこうと。とりわけ民の皆さん方の意向や、あるいは隠されたニーズなど、しっかり押さえてきちんと後々有機的に動くようにしていきたいという思いは持っておりますので、これもしっかり取り組んでいきたいと思います。
(問)毎日新聞の青木です。よろしくお願いします。
 沖縄の知事選が告示されまして、それに関して、何度もお伺いしている話なんですけれども、2021年度までの毎年3,000億円、沖縄振興予算をつけるという総理の、これは約束ということだと思うんですけども、それは仲井眞さんとの間での話だったということもあるんですが、仲井眞さん以外の方がもし知事になった場合、予算はどうなるんでしょうか。
(答)これは振興計画に基づいて、かつ総理がある意味、お約束のような形での御発言がありますので、毎年3,000億円を下らない、あと北部の方の50億円ですかね、これはしっかり守っていくべきだと思うし、守らなくてはならないと思っています。ただ、一括交付金等々は、県や市町村との密接な連携の中で、いろいろな御要望を聞いてまとめていますから、それが若干変化をする可能性があるかもわかりませんが、トータルとしてはお約束のとおりしっかり行っていくということです。
(問)となると、予算の内訳は、もしかしたら変動するかもしれないぞということなんですか。
(答)今回概算要求している分は、もう御案内のとおりで積み上げた結果でありますので、今回のものが大きく動くということはないと思っております。
(問)同じ宇宙の関係で、アメリカのロケット打ち上げが先日失敗がありまして、今日の自民党の部会でも、いわゆる民生移管の難しさというようなことが指摘されたりしたんですけれども、これからいわゆる商用化、民間市場を広げていこうという中で、国がどうバックアップをするか、リスクを民間にどこまで負ってもらうか、その辺についていろいろ難しい面もあると思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、どこまでそういった民をお助けするかというのは非常に難しい面があると思うのですね。ただ、今回、様々な産業界の御要望を踏まえて、10年という計画にして、同時に、20年間ぐらいを視野に入れながら落としていっているわけなので、そこは相当お役に立つのだろうと思います。今回、昨日ちょっと一部の方に申し上げたのですが、アンタレスロケットですね、これは保険があるとばかり思っていましたら保険がないということで、ただ、国と国との話なので、残念ながら1億円ですか、消え去ってしまいましたが、民の場合はそこも含めてやはり今後検討していく必要があるのだろうなと。我が国と米国の間では、損害賠償請求権の相互放棄というのが定められていますので、これはしようがないのですが、民の場合も、また産業界のいろいろなお話も聞きながら、今後検討してみたいと思います。
(問)今度は再生医療の関係で、再生医療はどんどん今進んでいて、期待感がすごく高まっているんですけども、一方で、総合科学技術・イノベーション会議ではなくて健康・医療戦略本部ということで新しいエイメドもできてどんどん進んでいるんですが、総合科学技術・イノベーション会議のように科学技術全体を見る司令塔がありながら、そこだけ突出して抜け出す。この状態のまま本当にいいのだろうかというのがあるかと思うんですけども、大臣としては、そこら辺はどうお考えでしょうか。
(答)いいのだろうかという思いは若干ありますが、ただ、自分なりに、ある意味割り切っているのは、全体は総合科学技術・イノベーション会議の方なのだろうと思うのですが、とりわけ健康医療等々に関することというのは、例えば薬にしても、人体に有害などいろいろありますよね。それがあるので、特別にそういう格好で、特出しといったらおかしいのですけども、そういう形になっている。ただ、全体的には総合科学技術・イノベーション会議の方でそれぞれ意見も言わせていただきますし、私の方でしっかり調整していくべきは調整していきたい。甘利大臣とも相談をしてやらせていただきたいと思います。
(問)例えば、いくつかのファンディングエージェンシーからAMED(日本医療研究開発機構)に具体的な研究課題が移るんですけども、その中で、ちゃんと向こうに移るものと、元の法人に戻るものと、その中途半端なものがいくつか切り捨てられるような話もいくつか聞いているんですけども、そういうことについては、大臣、どうお考えでしょうか。
(答)切り捨てられるという部分に関しても聞いていませんが、ただ、こちらの方としては、例えば今後技術研究などいろいろ行っていく上で必要なのではないかという可能性もありますので、そこはこちらの方で見ていった方がいいのだろうと思いますね。

(以上)