山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月19日

(平成26年9月19日(金) 17:18~17:30  於:中央合同庁舎8号館S103会見室)

1.発言要旨

 お疲れさまでございます。
 それでは、先ほど行われました総合科学技術・イノベーション会議につきまして御説明をさせていただきます。
 本日16時10分から、終了予定は16時40分だったのですが、若干オーバーをしまして、第4回総合科学技術・イノベーション会議を開催いたしました。
 本日は、平成27年度科学技術関係予算における重点化対象施策、並びに研究不正行為への対応について取りまとめの案をお示しして、原案のとおり決定いたしました。また、独立行政法人の目標・評価に関する指針について、総務大臣から御報告をいただきました。その後は、皆さんに御覧になっていただいたと思うのですが、前回に引き続きまして、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)のプログラム・ディレクター5名の方にお越しいただき、代表して浦辺PDからは「次世代海洋資源調査技術」についてプレゼンをいただきました。
 それでは、出席議員からの主な発言を御紹介いたします。
 まず、議題第1の「重点化」の関連につきまして、内山田議員からは、今回のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)を中心にした産業実用化という出口を見据えた取組は、企業を超えた連携や産学連携など今までにない大きな手応えを感じており、継続してブラッシュアップをしていく必要があるとの発言がありました。
 橋本議員からは、施策の連携についてはかなり進んだが、まだまだ不十分なところもあり、今後いかに横串を刺していくのか等の課題があり、産業競争力会議、規制改革会議等との協力が重要との発言がありました。
 また小谷議員からは、長期的に見て人材育成が重要な課題であり、特に若手・女性が活躍できる場をつくるために継続的安定的な支援が必要、原山議員からは、2年間の科学技術総合戦略策定で培ったノウハウを活用して、次のステップである第5期科学技術基本計画に向けた議論への準備をしているとの発言がございました。
 また小渕経済産業大臣からは、今回の決定を踏まえて、先行的な取組としての産総研(独立行政法人産業技術総合研究所)などの「橋渡し」機能の強化や企業のオープンイノベーションの促進等に重点的に取り組みたい、また下村文部科学大臣からは、特定された重点化対象施策について、各府省と連携をしてしっかりと取り組みたいとの発言がありました。
 高市総務大臣からは、オリンピック・パラリンピック東京大会において、最先端技術で世界の方をお迎えできるよう、私の下で開催をいたしますタスクフォースにおいて各府省一体となって実現に向けて取り組みたい旨の発言がありました。
 甘利経済再生担当大臣からは、イノベーションシステムの構築は大学改革と一体的に推進をする必要があり、本会議と産業競争力会議とで連携をして議論を進めたい旨の発言がありました。
 また議題第2につきましては、平野議員からは、人間教育が最も重要であり、また研究不正が発生をした場合には適正な対応が必要であるとの発言がありました。
 大西議員からは、研究コミュニティなどにおける取組について発言がございました。
 下村文部科学大臣からは、ガイドラインや先月、文部科学省において策定をされた理研(独立行政法人理化学研究所)のアクションプランなどの取組についての紹介がありまして、本会議と連携をして公正な研究活動を推進していきたいとの発言がありました。
 議題3につきましては、総務大臣から、独立行政法人の目標・評価指針の策定に当たり、前回の本会議において示した国立研究開発法人の評価等に関する指針案を「基本的に全て反映をした」旨の報告がありました。
 最後に、安倍総理からは以下のような発言がございました。
 本年6月に取りまとめた「科学技術イノベーション総合戦略2014」、これをしっかりと実行に移すことが日本経済再生の鍵である。そのために本日は、各府省の概算要求について、横串を入れて重点化を行った。関係各府省は、本日の結論を踏まえて、予算編成に向けてしっかり取り組んでもらいたい。
 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会での日本独自の科学技術イノベーションの発信に向けた取組につきましては、年明けに報告をいただきたい。
 研究不正に対しましては、研究者の大胆なチャレンジを応援するためにも、あらかじめルールを明確にすることで実効性のある対応が確保されるよう、関係各府省は、本日の取りまとめを踏まえて不断の取組を進めてもらいたいとのお話がございました。
 私からの報告は以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 重点化のほうについてお聞きしたいんですけれども、重点化対象のほうの環境創出に関連して、甘利大臣からも、大学改革と一体になってというふうなお話があったかと思うんですけども、これを読むと、大学改革については随分記述が少ないというか、文科省を尊重する余り、CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)の主張というかそういうものが余り前面に見られないような気がするんですが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)客観的に見てバランスはとれているのではないかと思いますが、やはりおっしゃるとおり、文科省は文科省の思いがあって、甘利大臣は甘利大臣でやはり産業化ということがものすごく頭におありになる。そこら辺のせめぎ合いの中で、私はこんなものかなというふうなことだと思います。ただ、やはり課題としては、甘利大臣からも個人的なお話として聞いておるのは、やはりもうちょっと出口というのをしっかり見据えてほしいということはありましたので、そこら辺は今後私のほうからまた注意をしていきたいと思います。
(問)あともう一つ、この中で、例えば競争的資金、研究費の改革についてあるんですけども、対象になっているのが科研費(科学研究費補助金)と総務省の競争的資金だけで、政府全体では十幾つあるかと思うんですけども、それだけしか対象にしていないことについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)これからの課題だと思います。やはりこれまでの経緯もお話を聞いたのですが、例えば、ある意味初めてこういった大胆な取組をやってきたわけで、やはりその間、それぞれ抵抗はあるわけです。こういう格好で何とか進み始めたわけですが、先ほど申し上げましたように、各議員のほうからは、やはりもう少し横串を入れたいとのお話もございます。これは今後の課題だと思っております。
(問)大臣としても、これからはそういう横串を通すために指導力というかそういうものを発揮していくというような。
(答)しなくてはならないと思います。そういう意味では、今回のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)関係というのは非常に参考になるというか、ある意味、これをもとにということで進めていくことができると思いますので、これでとりあえず大いに成果を上げていきたいということです。
(問)共同通信の須江です。お疲れさまです。
 研究不正のほうの対策で伺いたいんですけれども、今日、提言がまとまりまして、この後、つまり各府省がどのような施策を行っているかのフォローアップが大事だと思うのですが、総合科学技術・イノベーション会議としてどういうフォローアップを具体的に行っていくべきか、行っていけるかということ、お考えがございましたらお聞かせください。
(答)これは今後いろいろ我々としては行っていかなくてはいけない話と思いますが、やはり情報を広く収集するとともに、各いろいろな機関に国際の動向等に関連する情報を提供して改善を促していくということもやっていかなければならないだろう。同時に、全体俯瞰をする立場にあるわけですから、この総合科学技術・イノベーション会議というのは。やはりこれが各主体をそれぞれ一堂に会した場を設定して、グッドプラクティスというのですかね、こういったものを普及・展開していくということも考えられるのだろうと思います。
(問)例えば、各主体が一堂に会する場、横断的な場というのは、イメージとして総合科学技術・イノベーション会議の下に設けるとか、何かイメージがあればいかがでしょうか。
(答)下にというのではなくて、やはり今回こういう提言をして、我々としても各首長あるいは各主体に対して、こういうことですよということをやりますので、またお声かけをして集まっていただいてということになるのだろうと思います。
(問)全然、総合科学技術・イノベーション会議とはまた別個の。
(答)別の組織をつくるという話ではありません。
(問)すみません、それに関連して、よくこういう会議では、グッドプラクティスということで、いい事例ばかり取り上げるんですけども、余りにもこういうことになると現場を萎縮させるような悪い事例もあるかと思うんですけども、例えばそういう会議の場で、こういうのは悪い事例ですよというようなことも含めて紹介することも考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)当然そのような話になっていくと思います。ただ、悪い事例、特定のというのはちょっとどうなのかなと思いますが、いろいろな情報を国際的に仕入れていますから、それは当然出しながらということで。ただ一方において、総理もやはり基本的な研究者等が萎縮をしないようにしっかり指針をということですから、その辺りは配慮しながらやっていきたいと思います。

(以上)