石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年11月18日

(平成26年11月18日(火) 9:37~9:54  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 お待たせしました。御質問のある方はどうぞ。

2.質疑応答

(問)大臣、週末、講演等でもよくおっしゃられていますが、仮に解散すればということで、地方創生は大きなテーマになるとおっしゃっていましたけれども、臨時国会を地方創生国会と位置付けましたが、まだ法案の成立がギリギリでもつれておりますし、これは解散で総合戦略の策定等に大きな停滞も生じると思うんですけれども、地方創生国会と位置付けながらなかなか進まないことについて、大臣はどのように思われますか。
(答)この国会が地方創生国会とも位置付けられて、総理が最重要法案と言っておられる地方創生関連2法案、ほかにもありますが、まだ今日が11月18日であって、会期は30日まであるわけですね。解散云々については私がとやかく申し上げることではございませんが、2法案は衆議院を通過し、参議院において本当にいい議論がなされていると思っております。昨日は地方公聴会も行われたということで、ここに至るまで法案の内容あるいは政府の対応等々を巡って、もちろん万全とかいうことを我々は言うべきことではありませんが、審議は順調に進捗しているし、真摯な議論が行われていると思っております。
 解散云々はともかくとして、ここまで審議が進んできたものですし、最初は中身がないじゃないかとか、スカスカのをどうやるこうやるというような御批判も頂いても、いや、これはそういうものでと。これから先、中身を、この法案が通ったことによっていろんな中身を詰めることができるなということも、もろ手を挙げて賛成とは言わないが、そういう考え方もあるかということになっていると思っております。
 何とか地方創生関連の法案、それだけでなく、私どもが出しております法案全部、成立ができるように、最後まで全力を尽くすとしか言いようがありません。審議が遅れているのは、いろいろ国会が動かなかった等々ありますが、審議の進捗それ自体は、野党の皆様方にもいろんな御提案を頂いて、ここまで順調にいっていると思っております。何とか成立をお願いしたいということであります。
(問)この総合戦略の策定等、仮に解散になった場合に遅れが生じると思うんですけれども、ここについてはどう思われますか。
(答)総合戦略をどう位置付けるかですけれども、やはり政府として、今までとは違う観点から総合戦略というものを立てていかねばならんと。そこにおいては、地方に人の流れを作る、そのためには地方に仕事を作らねばならない等々、今までとは違う施策の在り方というのを提示しておるわけで、いろんな日程によってそれがずれることはあるにしても、これを作らねばならないという方針は不変であり、そしてまた、地方においても総合戦略を作ってくださいというふうにお願いすることも、これはありとあらゆるところで御説明をしておるところであります。ですから、日程に多少の齟齬(そご)は出るにしても、全体的な流れというものが変わらないように、我々としては更に努力をしていかねばならないということです。
(問)今のお話に関連ですけれども、日程に齟齬(そご)が出るということは、年内の策定というところはずれるということでよろしいでしょうか。
(答)これは政治日程、何がどうなるか分かりません。私どもとして、国民生活に支障を来すことがないようにというのは、決められた時期にきちんとそういうものを反映した予算案というものができ、国会において十分な御審議を頂き、4月1日から執行できるという態勢がコアですから、そこに影響が生じないように我々としては責任を果たしていかねばならないと。ですから、日程がどのように変わろうとも、国民生活に支障を来さないようにという、こういう目標だけは決して逸してはならないということだと思います。
(問)関連して、総合戦略とはまた別に、地方分権の対応方針も閣議決定が年内に予定されていたと思うんですが、これもずれ込む可能性があるということに。
(答)それは分かりません。解散があるないとか、そういうことについては口の端に乗せるべきことでもないので、お答えのしようがない。
(問)まだ総理、指示されてはおりませんが、近くというか今日、恐らく出ると思うんですが、緊急経済対策、補正の関係ですね、今後まとめることに恐らくなると思うんですけれども、地方創生の観点で補正を組む場合、大臣はどういう政策が必要というふうにお考えでしょうか。
(答)緊急経済対策がどうのこうのということは、まだ総理から御指示がないので、言及をすることはいたしません。ただ、総理が全国津々浦々まで新しい経済政策の効果が行き渡るようにしたいというふうにおっしゃっておられるわけで、実際、地方においてそういうことがまだ行き渡っていないということが重点だと思っております。やはりどの層に光を当てた経済対策を行うかであって、漠然とした総花的(そうばなてき)なものではなくて、今、現下の経済情勢の中で、どの層の方が、どの地域の方が、何ゆえに困窮している状態にあるかということに焦点を当てた、そういうような政策というものは、緊急対策と銘打つかどうかは別として、それが求められているのではないかと思っております。
 ですから、例えばエネルギー価格の高騰で苦しんでおられる方々とか、あるいは、いつも言っていることですが、委員会でもお答えをしたことですが、所得が比較的高くない方々の所得を上げるということは、それが消費に回る確率が非常に高いわけですし、別に景気さえ良くなればどうでもいいというつもりは私はないのだが、そういう方々にきちんとした対策を打つことによって消費が上がるということは、それは数字の上から当然あることで、緊急対策かどうかは別として、そういうメリハリの効いた、どの層にどういうような手当てをすることが必要なのかということをよく吟味した政策というものは、常に必要なものでございます。
(問)その関連なんですけれども、地方創生というと、法律にも書いていますが、人口減少に歯止めをかけるという点が一つ大きいと思うんですが、そういった観点で、目先のというか、短期的な景気対策というのも地方創生の取組の一環に入ってくるというふうに、大臣はお考えになられますでしょうか。
(答)それはそうでしょう。だから、短期、中期、長期というのは、それは全然脈絡を持たずにやるわけではなくて、整合を持ったものでなければいけないということですが、少子化対策という話は、要は若い世代の方々がどうすれば家庭を持たれ、そしてどうすればお子さんを2人以上、という御希望が多いわけですから、それをかなえるかということなのであって、やはり短期にしてもそれと符合したものでなければいけないということではないでしょうか。
(問)地方創生担当大臣になられて3カ月ですが、これまで防衛とか農水の分野でやられていたわけですけれども、今後も、これから政局どうなるか分かりませんが、地方の政策、地方創生に関連する政策についてイニシアチブをとっていかれるお考えはありますか。
(答)何か不思議な御質問でありまして、お答えをしにくいのですが。それは、解散があるかどうかも分からないし、その後どうなるかは誰も知らない。総理だけが御存じだし、仮に解散があったとしても、国民の御審判がどうなるかは分かりません。
 この3カ月やってみて、私が不勉強なせいですが、こんな事例があるんだよねと、ここでこんなに頑張っている地域があるんだよねということを学ぶことができたというのは、自分にとって得難い経験だったと思っております。また、今までお話しできなかった方々、党にいたときに、あちこち回っても、これはもう選挙をお願いしますということで回ってきたわけで、その地域でどんな取り組みをしておられるかということをじっくり聞くこともなかったわけですよね。だから、それは自分にとって得難い経験であったと思っております。
 私は農林水産であり安全保障というものを専門にやってきた人間ですが、いつも自分の選挙区がそういう地域であるせいもあって、この日本というのは、地方とか第一次産業とかが国を支える。そういうものの潜在力を十分に発揮しないままにここまで来たし、それはそれで一つの成功のモデルであったのだけれども、世の中が全く変わった、すなわち、産業構造が変わった、人口構造が変わった、あるいは日本を取り巻く状況がガラッと変わったと。そういう時代になったときに、今まで潜在力を発揮してこなかった地方とかあるいは第一次産業とか、私、最近よく言うんですが、中央から国が変わったためしはないと。常に国を変えるのは地方なのだということ、そしてまた、それがこれから先も日本の中心として経済の牽引役とならねばならない東京がまた強い都市としてよみがえるために、それはセットなのだという思いは、この3カ月間、強く持っております。
 ですから、解散があるとかないとか、あるいは国民がどういう審判を下されるとか、そういうこととは全然別にして、そういう日本を作り変えていくということは、私に限らず、そういう思いを共有する政治家というのは多いんじゃないでしょうか。そういう方々とともにこれから先もやる機会が、やる機会がというのは、どのポストがとか、そういう話じゃないですよ。何かそういうことを御期待かもしれないが。そういう話とは関係なく、自分のライフワークであるわけで、そこにおいていろんな経験を今させていただいているというのは本当に有り難いことで、これを生かさなければ、お国の役に自分は立たないなと思っております。
(問)解散総選挙に関してなんですが、今回、解散事態に対して様々な意見が出ていると思うんですけれども、大臣、今、国民、どのような御審判下すか分からないとおっしゃいましたが、今回のもし解散あった場合の選挙戦というのは、自民党・与党にとってどういったものになるとお考えでしょうか。
(答)これはずっと立場のいかんを問わず言い続けていることですが、あの野党の時代というものは、本当に我々にとって臥薪嘗胆(がしんしょうたん)というか捲土重来(けんどちょうらい)というか、それを期して本当に毎日毎日、何を変えるべきかということを考えてきた日々でした。ですから、思い出したくもないが、あれを忘れたらばまた厳しい国民の御審判を受けるということは、常に言い続けてきたことであります。
 時期のいかんはともかくとして、いつの日か来るであろう国民の御審判を仰ぐときというのは、野党を経験したことがない人たちが御審判を受けるということでもございます。ですから、私にしても副大臣にしてもそうですが、語り部というつもりはないのだが、党の役職をしていたときも今も、あの野党の時代ということの体験を、非常に数の多い野党経験のない方々に述べ伝えてきたつもりであって、自由民主党が与党になって受ける初めての衆議院の、参議院はありましたがね、御審判なので、やはりそういう観点を忘れてはいけないことだと思っております。
 ですから、常に総理総裁を先頭として、一人一人の候補者、お願いする一人一人の選挙スタッフ、そこに至るまで、おごることなく高ぶることなく、本当に謙虚さと畏れを持って、全身全霊で国民にお願いできるかどうかということじゃないでしょうか。もちろん、政策はきちんとしたものを示して戦うのは当然のことですが、それと同時に、私どもが野党のときに学んだことを、決して忘れていないねというふうに国民の皆様に思っていただくことも大事だと思います。

(以上)