石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年11月7日

(平成26年11月7日(金) 8:41~8:50  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨

 地方からの改革提案の実現に向けた更なる検討要請について申し上げます。
 地方分権改革に関する提案に対しましては、先月29日の有識者会議において、地方からの提案に関する当面の方針を決定いただいたところであります。
 専門部会で審議を重ねていただいた結果、重点事項を中心に、次第に成果が上がってきていると理解しておりますが、まだ結論が出ていないものが多く残っておりますため、本日の閣僚懇におきまして、私から各大臣に対し、地方からの期待が大きい地方分権改革の推進は、政府の最重要課題である地方創生に不可欠な要素であるとの認識に立ちまして、提案の最大限の実現に向けて、強力なリーダーシップを発揮するよう再度お願いしたところであります。
 これは9月26日の閣僚懇談会でも、各大臣に対してお願いしたところであります。
 あわせて現行規定で対応が可能であるという提案に対しましても、どうすればできるのか、ということを具体的かつ丁寧に説明するとともに、対応困難な提案に対しましても、なぜ対応困難なのかということについて合理的な理由を示し、納得を得ることが重要でありますので、これらの点につきましても、各大臣に、より一層の御尽力をお願いしたところであります。
 対応方針を政府が決定しますのは年末でありまして、時間は限られておりますが、このような過程を通じまして、国・地方が互いに納得し、さらなる地方分権について、これにつながる結論が得られるよう調整は加速しなければいけない。このように認識しております。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)昨日の創生会議で、「長期ビジョン」と「総合戦略」の骨子案を取りまとめたと思うのですけれども、その中で当面目指すべき水準ということで合計特殊出生率1.8という数字が入っていたかと思うのですけれども、この数字の意味するところと、これを政府の目標として捉えていいのかというところを改めてお聞かせ願えればと思います。
(答)これは、御指摘の骨子案において、結婚や出産に関しまして、国民の御希望というものがあります。いろいろなアンケート調査等々によって、こうだったらいいなというような国民の御希望というものを把握しておるところでございまして、ご指摘の骨子案において、それが実現した場合という試算をお示ししたものでございます。
 押しつけるとかそういうお話ではなくて、国民の皆様方が望んでおられる、そのことが実現したらどうなるかということで試算をいたしたものでありまして、この数字はOECD諸国の半分ぐらいが、その数字を実現しておるということであります。
 私どもとして、国民のそういう御希望というものを実現するということも、政府の役割であると承知しておりまして、国家として目指すべき水準、目指すべきというのは、国民の期待をかなえるという意味で申し上げておりますが、目指すべき水準として一つの数字だというふうに御理解いただきたいと思いますが、これを数値目標とするかどうか、KPIというものになじむものなのかどうなのかということについては、多くの議論があるというのは御承知のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、昨日の創生会議におきましては、「長期ビジョン」の骨子案を示したものでございまして、あくまで骨子案ですから、これから先、さまざまな御議論というものがあると承知をいたしております。
 一部報道にありますように、そういう数字を決めて「さあ、これを実現しなさい」ということを言っているわけでは全くなくて、国民の皆様方がこうあったらいいなというふうに思っておられる、そういう御希望をかなえるために政府として何ができるかということはきちんと考えなければいけないことだと思っております。
(問)地方分権ですが、前回も大臣指示で大幅に前進しましたけれども、このタイミングで改めて指示した狙いと、現行規定でできるものはできる理由を説明しろということではなくて、さらに踏み込んで対応しろということですか。
(答)くどいような念押しという今日の発言ですが、年末まで時間は限られているということで、別に何割対応可能だということになるとかということに意味があるわけではないが、さらにこれを加速するというのは必要なことだというふうに思っています。
 それはぎりぎり最後まで可能な限りの努力をしなければいけないということで、もう11月もかなり過ぎましたから、改めてお願いしたというところであります。
 「現行制度で対応可能。以上」みたいなことでは「できないと思うから、頼んでいるのでしょう」、ということなので、対応可能とこちらが言うからには、ではどうして対応可能なんだろうということを懇切丁寧に御説明しなければいけない。木で鼻をくくったようなことを言ってはいけないのであって、どうすれば対応可能なのかということを、先ほどお互いの理解と納得という言葉を使いましたが、納得していただけるまでこちらは責任を果たしたことにはならないということだと思います。
(問)ところで農地転用に関しては、後ろ向きというか、なかなか進んでいない現状ですけれども、これについては大臣、何らかの、農水大臣と話し合うなり石破大臣の考えで進められるなりのお考えはありますか。
(答)ここは今、事務方からどこまで作業が進捗しているか、どこに相違があるのかということは詳細に説明を受けているところです。これは要するに国としてどれくらいの農地というものを確保しなければならないのか。それは自給率から逆算して、これぐらいの農地だよねという話なのですが、さてこの自給率の数字についてもいろいろな議論のあるところです。
 地方がこれだけ確保しました、全部出しました。そうすると国の目標との間に乖離が生まれた、そういうことが当然起こり得ることであって、そういうことが起こらないように、どういうような調整ができるかということが議論の核心の一つだと私自身、かつて農水大臣をやっていて認識はしておるところです。
 ですからまだ大臣同士という話までいかなくて、かなり議論というのは整理されて、地方の側もとにかく分権、分権、分権と言っているわけではない。国として農地の確保というのは極めて重要なことであるという認識は、地方も持っているわけで、そこをどう調整するかというかなり技術的なお話だと思いますが、そこの詰めは事務方でお願いしたい。政治レベルに上がるまでに論点を整理し、国としてもいろいろな提案をする、門前払いではなくて提案する形で議論は煮詰まりつつあると思っています。
 今なお事務方における作業というものを加速し、詰める必要があるという認識でおります。
(問)各府省に重複事業、類似事業の整理ということを指示されていて、もう回答期限が来たかと思いますが、現在の状況はいかがでしょうか。
(答)かなり整理されていると思います。まだ、何しろ国会審議が昨日衆議院を通ったところですので、その対応もございますので。今日から参議院も始まりますが、どういう整理状況か、一度私として、あるいは副大臣、政務官も交えて、我々として認識を持ち、これだけ国会で重複事業はなるべく統合する、重複は排除するというふうに言ってきたわけですから、そこに一定の認識は早急に持ちたいと思います。

(以上)