石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年10月21日

(平成26年10月21日(火) 9:25~9:37  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議で特に当方関係のものはございません。御質問があれば、お答えいたします。

2.質疑応答

(問)全国知事会が地方創生の予算として、今後5年間で5兆円程度の予算を確保するように国に求めていますが、具体的な戦略が決まっていない中で、こうした財源の要望が先行することについて、大臣、受け止めをお願いします。
(答)この5年間で5兆円というお話、なかなか大きな金額ですが、中身は何でしょうね、どういうふうにお使いになるんでしょうねということがなお不分明というか、漠然としていてよく分かりません。やはり私どもとして、そういうお金は、縦割りの排除ということにはつながるのだろうが、いわゆる何に使われるのかよく分かりませんねと。それはもちろん有効な使い方をなさるということだと思いますけれども、その点についての御説明というのをもう少しいただかねばならんことだと思っております。それから、本当に地方を創生するために、知事会のメンバーは皆さん見識のある方なので、これを使ってどのようにしようとしているのか、要はそこの各論のお話だと思います。頭ごなしに駄目と言うつもりは全くありませんが、更に議論を詰めたいと思っております。
(問)関連なんですが、知事会が数千億円規模の交付金というのも要望しているわけなんですが、その交付金だったり交付税について、法案が審議入りしました14日の衆議院の本会議で大臣や総理も御答弁されたんですが、その支援の前提として、答弁の中で、地方が自ら政策目標を設定して、厳格な効果検証をするというのと、もう一つ、やる気のある地方の提案を競い合ってもらうという、大きくその二つを御答弁されたと思うんですが、この二つの前提について具体的にどういった制度を想定されているのか、もう少し御説明いただければと思うんですが。
(答)国として12月の適切な時期に長期ビジョン、総合戦略というものを策定いたします。自治体に対しましては、27年度にそれぞれの地域の総合戦略、長期ビジョンを策定していただくということになります。そうしますと、長期ビジョン、そして総合戦略を策定する中にあって、例えば昨日も「人口減少に立ち向かう自治体連合」というのが発足をして、私も行って挨拶をしてまいりましたが、それぞれの地域地域が何をしようとしているのかということを確立していただくということを全国あまねくやっていただくというのは、極めて大事なことだと思います。今までも作ってはいたでしょうけれども、そういうふうに統一的に作るという試みをしたことがありません。それぞれで考えていただくというのはそういうことでございまして、国が26年12月、地方が27年度ということで、少しずつずれは当初は出てまいります。
 総合戦略、長期ビジョンを策定する中にあって、その検証システムというのをどのように入れていくかということも、我々の側もこういうものはどうでしょうかということは申し上げますが、地方においてもそれはお願いをしたい。そのときは当然、二元代表制ですので、議会との関係というのも議論になるでしょう。もう一つは、第三者的な観点というものをどう入れるかということになります。ですから、そういうものが27年、28年にかけて全てそろっていくということになると思います。
 私は幾つかのスピーチでも申し上げましたが、地方にそれをお願いをするからには、国の制度は今のままですよということにはなかなか相ならんであろうと。補助金でも縦割りになっているわけですが、縦割り全てを悪いというのではなくて、使う側からして使い勝手のいい補助金というのはどういうものなのだろうか、そして、結果平等を志向しておりますところの交付税の仕組みというものを改めるということを、私はここで総務大臣でもないのに申し上げることではありませんが、この交付税というものについての在り方、それは地方の方から、我々にしてみれば、こういう方が使い勝手がいいのだ、使い勝手がいいだけでは駄目で、それが地方の活性化、地域における経済の循環にどのように資するものであるのか、そして、それが使われることによって発現した効果について、検証するシステムはどのようなものなのかということです。間違っても国が上で、地方が下だというつもりもありません。逆でもございません。だから、地方と国がそういうふうないろいろ制度を仕組む過程にあって、有益な議論を行い、結論を出すというのが、余り何年もかかってはいけないのだと思っております。
(問)お話変わります。改めてになってしまうんですが、昨日、小渕大臣と松島大臣が辞任されて、女性の活躍というのをいわゆる目玉として行った改造であるけれども、1カ月余りでこのような結果になったことについて、大臣、いかがお考えかということと、こうした結果になったことで、今後、女性の活躍という方針に悪影響みたいなものは出ないでしょうか。
(答)ちょっと型通りのお答えになって恐縮ですが、小渕さんも松島さんも女性であるからということで登用されたわけではない。それぞれの能力、見識というものを評価して、総理が登用されたのだということであります。また、お辞めになったのも、御指摘のように、女性が輝く、女性活躍ということを掲げながら、こういうことであるので、それは具合が悪いというお話ではなくて、小渕さん、松島さんがそれぞれの事情で辞任したいということを申し出たので、総理がそれを受け取ったということに尽きます。総理のお考えは、もう総理御自身が会見でおっしゃっておられることですから、それに付け加えることはございません。
 地方の創生、経済再生ということと、女性が活躍できる社会を作るというのは、私どもの政権として必ず成し遂げねばならないことなので、今回の事態を受けて、更に内閣全体としてその二つの実現を図るべく、なおかつ国民の皆様方に失望とか無念な思いとか、そういうことがあることを決して私は否定するつもりはございません。それを回復するために、あんなことがあったけどよくやっているじゃないかというふうに言っていただけるためには、相当の努力が必要だということはよく承知をいたしておりまして、これは人ごとではなくて、内閣、政権全体でそれに向けて邁進しなければいかんということだと思います。
(問)関連になるんですけれども。辞任した大臣の後任として、新たに2人、大臣が指名されましたけれども、これについて、大臣、受け止めをお願いいたします。
(答)宮沢さんも、あるいは上川さんも、選挙のお手伝いに行ったこともありますし、政調、税調で議論をしたこともあります。随分長い間知っておるお二人ですし、上川さんは福田内閣で一緒に仕事もさせていただきました。非常に国際性豊かな、そして手堅い、しかし非常に強い信念を持った政治家だと思っております。また、宮沢さんは全ての人が認める政策通であって、私が幹事長在任中に政調会長代理として様々な場面で見識を発揮してこられました。今、我が国が経済成長と財政再建という二つの課題を抱える、それを両立させねばならないという時期にあって、見識の高い宮沢洋一さんが起用されたというのは、非常に意義のあることだと思っております。
(問)関連で、一連の昨日からの辞任の関係で、地方創生特別委員会が昨日、流れてしまいまして、また審議が再開する見通しも立っていないと。まち・ひと・しごと創生法案を始め、政府の重要な法案だと思うんですけれども、この審議が再開されない状況についてどう思われているか聞かせてください。
(答)これは国会が日程をお決めになることなので、政府としては早く審議をお願いしたいということに尽きます。明日、地方公聴会、これは予定通り、外部の方をお招きしておることでございますので、徳島において開催されると聞いております。そういう場において、新藤筆頭理事、渡辺筆頭理事同士、またいろんなお話があるのだろうと思っておりますし、こういういわゆる政治とカネ系のお話とそれから重要法案というものは、分けて考える。世の中、そんなきれいにはいかないんですけれど。私は現場をよく存じませんが、我々、政府与党として、対野党のみならず、国民の皆様方にこの事態を糊塗(こと)することなく、きちんとそれに向かって対応しているという姿勢を見せる、国民のために重要な法案を審議するというからには、我々、与党の側が野党に対して、あるいは国民に対して、御理解を求める努力を更にしていくということだと思います。

(以上)