有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月4日

(平成26年9月4日(木) 11:40~12:00  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 このたび、安倍内閣総理大臣の御指名のもとで新しく大臣に着任をさせていただきました有村治子でございます。初めての会見ということになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 御案内のとおり、女性活躍、行政改革、国家公務員制度、それからここ内閣府では、消費者及び食品安全という特命とともに、少子化対策、男女共同参画、規制改革という、合計七つの主な大きなテーマを頂戴している次第でございます。今ほど、森まさこ前大臣と引き継ぎを終えました。森まさこ大臣の強いリーダーシップに心からの敬意を表して、その意気込みをしっかりと、それからその意気込み、理念を体現していくための実務的な技、情報、人脈、それから社会全般、各地、各方面からの御意見にしっかりと心の耳を研ぎ澄ませて、これからの消費者行政をはじめとする所管にしっかりと任に当たっていきたいというふうに考えております。

2.質疑応答

(問)これからよろしくお願いいたします。
 七つあるうちの、まず消費者行政についてお尋ねします。昨晩も同じ質問があったのですが、課徴金制度の導入について、今法改正に向けて進められています。確認ですけれども、秋の臨時国会に法案提出で、目安は3%、これはこのまま継続という理解でよろしいでしょうか。
(答)御質問ありがとうございます。不当表示を防止するための課徴金制度についての御質問をいただきました。御指摘のとおり、不当な表示や広告は、様々な商品、サービスで発生しています。大事な懸案だと認識しております。それを受けて、課徴金制度の導入の是非ということでございますけれども、速やかに法案を提出すべく、国会でお出しいただきました附帯決議もしっかりと受け止めていかなければならない。心して加速させていただきたいというふうに考えております。
 具体的な数値に関しましては、その御意見、御指摘の数値があります。一方で、私自身、関係各位いろいろ利害関係が異なる大変難しい分野でございますから、それぞれの利害が相反する両方の意見を聞いていかなければいけませんので、具体的な数値に関しては、まだ検討中というふうに御報告させていただきます。
(問)よろしくお願いします。
 それに関連してなんですけれども、昨日の会見の発言で、幾つかの懸案ということもあって、最近動きがあるというふうなことをおっしゃって、それで明日、つまり今日ですけれども、森大臣と会って話を聞いてきたいということをおっしゃっていたのですが、その幾つかの懸案ということが、先ほどおっしゃった利害関係が異なる方の意見もあるという、そういうことをおっしゃっているのでしょうか。
(答)はい。賛成もありますし、反対もありますということで、私も政治家として、また大臣として、虚心坦懐に、それぞれの意見を聞かせていただいて、主権者たる、消費者たる国民の皆さんの安心と、何がフェアか、何がより多くの公益のために公正なジャッジメントになるのかということを判断していきたいと思います。当然、森まさこ前大臣とのお話の中でも、この課徴金は話題になりました。
(問)よろしくお願いします。
 女性の社会進出についてなんですけれども、その社会進出を拒むものとして、よく103万円の壁とか130万円の壁ということが言われていますけれども、今、配偶者控除の見直しの議論が進んでおりますが、この壁については、見直すべきか、もしくはこのまま維持すべきか、お考えをお聞かせください。
(答)103万円及び130万円、いろいろな議論がございますけれども、働き方に中立な税制ということも大事な柱でございますが、これは与党自民党にもいろいろな意見がございます。そのため、自民党、公明党さん、与党と御相談もしながら、官邸としっかりと詰めていくべき話だと現時点では認識をしております。
(問)女性の活躍推進の関係なのですが、今法案策定に向けて複数の省庁で作業が進められていますが、どちらかといえば企業や自治体に女性の雇用を増やすような、そういう趣旨が色濃くあって、昨日の会見では、働く女性のみならず、全ての女性を対象とした法律というテーマでおっしゃっていたと思うのですが、もう少し具体的にどういう法律にしたいか、働いていない方に対してもというのは、どういう手当てをしていくのかということを教えていただければと思います。
(答)私も従来から、女性の活躍ということは大事だと思ってきました。けれども、その女性というのは、今おっしゃったように雇用に関係する部分と、いろいろなライフステージもありますし、それからいろいろな状況もございますから、そこのどの分野を、特に雇用にフォーカスをするというのも一つの案としては出ています。ただ、雇用だけで女性の活躍ということ全てにはなりませんので、それを補完するような、例えば外で働くことをしないという専業主婦の輝き方もありますし、地域の活用、活躍ということもございますし、また社会への復帰、出産、あるいは困難な事態に直面をして、それを乗り越えてということへの支援とともに、結婚、妊娠、出産、子育て、そして希望される方には職務に復帰するということのそれぞれの段階を精査して、雇用が中心になると、新法に関しては思います。
 けれども、そのすみ分けや、どうやって雇用以外のところを補完し合うかというのは、それ以外の方々への新しいプランということもしっかりと肉付けをして、どのような立場の方にも目配りをしている、そしてみんなが輝いて、総理からの御指示にもあります、全ての女性が生き方に自信と誇りを持っていただけるような後押しをしていけるようにしていきたいと思っております。雇用が中心になるということは、この限られた1日、2日ですけれども、そういうふうに従来はお考えになってこられたようだという印象は持っております。
(問)よろしくお願いします。
 大臣と消費者問題との関わりをお聞きしたいのですが、平成25年度の消費生活相談の件数なのですけれども、93.5万件という、その前の86万件から急増したということで、9年ぶりの増加になりました。それで、被害の防止とか救済というのが消費者庁の一つの使命であるということなのですけれども、消費者問題との関わりの中で、大臣あるいは御家族の中で消費者被害に遭ったとか、そういう体験をしたとか、そういう経験というのは、まずおありでしょうか。訪問販売とか電話勧誘とか表示とか安全とか、いろいろな分野でよろしいのですが。
(答)生きている上で、そういうリスクというのは完全にゼロではないので、そういう意味では、かつてそういうことがあったというふうに思います。けれども、それを社会的に事件にしよう、あるいは問題にしようというふうに私自身が一消費者として動いてきたということはございません。むしろ政治家として、私自身の家庭の経験の中で、これを放っておくと危ないことになりますよということで、自治体や省庁に御連絡をして、自民党の参議院議員の有村ですということで明確に名前を出して、これを放っておくと、より多くの人が損害を受けるおそれがあるので、早く事態を収拾されたほうがいいということを政治家として発信することはございました。御質問で、そういうことはあったかなということは、ございました。
 その上で、やはり消費者行政ということで、偶発的に見える事件を、多くの懸案、情報を寄せていただくということで、クレームが増えるということなのですけれども、それはある意味では、皆様の気づき、これは消費者問題になるのだと自分が気づく、あるいはおそれがあるということを発出することによって、より多くの人が巻き込まれる事態を未然に防ぐかもしれないというトレンドなり傾向が出てくると思います。その時点で一定の傾向、トレンドを、しっかりとサインを見過ごさないということと、そしてその傾向が明らかになってきたと同時に、原因究明、専門家の招集ということで次の段階にして、そして一定の信憑性のある、科学的見地、安全性に基づくプロの意見もお伺いしながら、一定の方向が出た時には速やかにアラートを社会に向けて発信するという手順をしっかりとシームレスにやっていかなければならないというふうに理解をしております。
(問)どうぞよろしくお願いいたします。
 やや微に入るのですけれども、消費者行政の分野で北海道電力が値上げを今経済産業省に申請中でして、消費者庁の意見交換会というのが札幌で2日に開かれまして、その場で北海道の消費者から非常に反対の声というのか、値上げ撤回を求める声が多数上がりました。この件に関して御所見と今後の対応など、お考えがあればお聞かせいただければと思います。
(答)御指摘ありがとうございます。7月31日に北海道電力から経済産業省に対して行われました電力料金再値上げ認可申請、再値上げです。これについては、現在、経済産業省にて申請内容の精査をされているというふうに伺っております。今後ですけれども、消費者庁と経産省で協議を行い、昨日着任をされた小渕優子大臣とも話をすることになりますが、物価の問題に対する関係閣僚会議でお話、検討させていただくことになるかというふうに思います。
 御指摘のとおり、やはり電力料金というのは、私たちの暮らしの基盤の中の本当に生活に直結する影響があるものですから、地元、なかんずく北海道の道民の皆様をはじめ、その供給を受ける方々と消費者団体、また消費者委員会の御意見、各方面の御意見をしっかりと私自身も伺っていきたいというふうに思っております。その上で、最終的には小渕大臣、そしてやはり国民生活、エネルギー、安全保障ということもありますでしょうから、官邸、官房長官、また総理の御見解ということもしっかりと伺うことになるかというふうに思います。
(問)よろしくお願いします。
 少しやわらかい話題になって恐縮ですけれども、昨日の大臣の就任から1日たってのお気持ちというのと、あと1点、大臣はホームページでも、娘さんへの絵本の読み聞かせというのを息抜きに挙げられていたと思うのですけれども、今後、大臣として忙しくなる中で、そういった子育ての面でできなくなったりとか、変わっていったりするような変化はありそうなのかどうかというようなことをお伺いしたいのですけれども。
(答)任命、初入閣から24時間が経とうとする中で、どのような心理状況があったかということですが、時間を経るたびに、御指示いただいた領域のフィールドの広さ、課題の影響力の強さ、国民各層の負託に応えていかなければいけないその重さは、強い、ますます強くなるという認識、とてつもなく大事なミッションをお与えいただいたなというふうに思っております。
 森まさこ前大臣とも先程、公式の引き継ぎ、また非公式で2人だけでもお話をさせていただきましたけれども、お互い2人の子供を持って現役で子育てをしている母親同士ということもあって、官僚の皆様とどうやって一緒にやっていくか、かつ官僚の皆さんのおっしゃっていただいたことだけではなくて、政治家としてそこにどう国民の皆さんの民意ということを入れていくのかということもお話ししました。そして、子供の問題というのは先程お話ししていませんけれども、これは小渕大臣にも共通することなのですけれども、母親の体が子供たちのものだけではないと、ママがママであってママでないというところは、やはり伝えていかなければならないというふうに思いましたので、昨日から、ママの心はここにある、でも体はここにいないことが今まで以上に多くなる、だけど、天に向かって自然に淡々と生きていけばいいよということを伝えました。
 絵本の読み聞かせは、正直なかなか集中して絵本を読んであげるということもできない、疲れることもあるので、きれいだね、この絵いいね、この組み合わせはいいねというような、もう疲れた時には、その時の気持ちに一緒になってあげればいいのかなと。そして、そういうオフがあるから、またオンの時に、そういう守らなければいけない声なき声をしっかりと代弁していかなければいけないという政治家として、大臣としての活力にもなっているかというふうに思います。絶対的な時間はかないません。一緒にいられる時間。その分、知恵を尽くしていきたい、今まで以上に知恵を尽くしていきたいというふうに思っています。そういう意味では、今回入閣された女性大臣の中にも、現役で子育て中という方が3人いらっしゃいますので、その知恵あるいは教訓、失敗談も含めて、臆さずお伝えすることによって、みんな四苦八苦している、その中で生きがいなり自己実現なり社会の貢献なりをしようと努力をしているということを発信することによって、では、こうしたらいいよという反響も全国各地の皆様、一部海外のメディアからも関心を持っていただいているようですけれども、発信するところに情報は集まってくると思います。自らを少しさらけ出すことによって、では、こうしたらという知恵をいただいて、その知恵を社会の幾ばくでも制度や仕組みや文化に入れていけるように、そこに政治家として、大臣としての仕事のミッションがあるというふうに思っております。

(以上)