山谷内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年11月4日

(平成26年11月4日(火) 8:48~8:58  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨

 おはようございます。
 先週、平壌(ピョンヤン)での日朝協議がございまして、そして先週金曜日に家族の皆さんに、また自民党の拉致問題対策本部で、私も出席いたしまして、説明したところでございます。厳しい声もいただきましたけれども、今後につなげていきたいと思っております。
 日本側からは、拉致問題が最優先、最重要課題であること、ほかの三つの分科会のさまざまなことが進んでも、拉致問題の報告がなければ、それを日本は評価しない、ということを明確に繰り返し最高指導部の方々に直接お伝えしたということと、北朝鮮側からは、特殊機関にもきちんと調査をする、過去の調査では、時間が不十分であった、そして一部の機関の決定であった、というような言葉がございました。
 これからが大事だと思っております。10時間半のやりとりがあったわけですし、また日本側からは、これまでのさまざまな情報の積み上げがあるわけですから、検証して分析して、そして速やかに正直な報告書を出すように求め、そして全員の被害者の帰国ということにつなげていきたいと思っております。
 それから資料がお手元にあると思いますけれども、毎年12月10日から16日まで、いわゆる「北朝鮮人権法」に基づく「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」であります。今般の政府担当者の北朝鮮派遣も受け、改めて、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題への国民の関心を喚起し、オールジャパンとして、拉致問題解決に取り組むとの姿勢を内外、そして北朝鮮に対して示すため、関連の政府主催行事を開催することといたしました。
 お手元に資料がございますが、一つは拉致問題啓発コンサートであります。津川雅彦さんの呼びかけによりまして、宇崎竜童さん、阿木燿子さんのお二人がプロデュースしてくださることとなりました。お二人には、これまで数々のコンサート等のプロデュースの経験を踏まえて、素晴らしいコンサートとなるような御尽力、御協力をいただいております。そして、お二人からお声かけいただいて、多くの有志のアーティストに御出演いただく予定でございます。
 また、今後、政府インターネットテレビや、テレビCM、街頭ビジョンなど各種メディアで広報をしていくことを考えています。
 今一つは、対北朝鮮ラジオ放送シンポジウムです。北朝鮮に向けたラジオ放送としては、我が国政府の「ふるさとの風」や特定失踪者問題調査会の「しおかぜ」のほか、韓国や米国にもそれぞれ複数のものがございます。
 本年は、COI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)報告書を契機に、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題を取り上げ、その改善、解決を迫る国際的な機運が高まっております。今年の2月に国連人権理事会で400ページに近い北朝鮮の人権状況、そして拉致問題に関する報告書が出され、また3月には高いレベルの決議が採択されました。
 これから11月国連総会の場、12月にかけて、いろいろなやりとりの中で、さらに高いレベルの決議を採択して、北朝鮮の人権問題が改善され、そして拉致問題が解決されていくように、国際社会の連携というものが必要だと思っております。
 こうした中、従来から対北朝鮮ラジオ放送に携わっている日米韓の関係者が一堂に会して、その活動や経験について共有し、また日本の皆様に紹介することで、国際連携の確認を通じた北朝鮮に対する強いメッセージになると期待しております。
 いずれの行事についても、国民各位、各層の高い関心と積極的な参加をお願いしたいところであります。こうした活動を通じて得られる内外の関心、理解、そして支持を力としながら、政府として、拉致問題の解決に向け、引き続き全力を挙げていきたいと思います。
 御家族の皆さんや関係各方面のさまざまな意見を聞きながら、今後の行動を政府全体として総合的に判断してまいりますが、何としても安倍内閣の中で「行動対行動」、「対話と圧力」の基本原則の下に、拉致問題の完全解決を目指していきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)時事通信の榊原といいます。
 大阪府警が捜査協力者とされる人から拳銃の密売取引の情報提供を受けながら摘発しなくて、銃3丁が行方不明になっているという事件が明らかになりましたが、経緯と検証についてはどのように報告を受けていらっしゃいますか。
(答)記事については承知しておりますけれども、まだ捜査中でありますので、個別具体のコメントは控えさせていただきたいと思います。
(問)朝日新聞の八木です。
 本日から埼玉県内で、持ち運びができる速度の取締違反検挙装置が試行運用されることになりました。現場では生活道路とか通学路で、取締りがこれまでできなかったものができるようになるのではないかという期待が膨らんでいると思うのですけれども、大臣の所感をお願いします。
(答)新たな速度違反自動取締装置に係る試行運用でございますが、これについては、昨年12月に取りまとめられた「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言」において、我が国においても、取締りスペースの確保が困難な生活道路や深夜など警察官の配置が困難な時間帯における取締りが行えるような機器の導入を前提に、今後、研究していくことが必要との課題が示されたことを踏まえて、実施しているものであります。
 今後は全国展開を視野に入れまして、設置効果、道路交通環境への適応性、住民意見等の試行運用結果を踏まえて、導入上の課題について検討していくなど、提言を踏まえた取組を着実に推進するように努めてまいりたいと思っております。
(問)朝日新聞の久木です。
 拉致の問題なのですけれども、今後の見通しというか、長官は常識的には年内に初回報告というようなこともおっしゃっていたのですけれども、大臣は先ほどこれからが大事とおっしゃいましたが、今後の協議の見通しについて、お伺いいたします。
(答)菅官房長官からは、常識的に年内というような期待を示されて、だらだらとやるものではありませんから、本当に早く、きちんとした1回目の報告書を出すべきだと考えております。
(問)関連になるかもわかりません。今日、閣議の後、総理と執務室でお会いになっていたようですけれども、どのようなお話があったのでしょうか。
(答)いろいろともろもろでございます。

(以上)