甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年11月14日

(平成26年11月14日(金) 9:06~9:25  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)解散の話ですが、通常、解散というのは内閣不信任案が出たり、若しくは政策遂行が行き詰まったり、そういう場面で局面を打開するためにやるというのが大体の考え方だと思うのですけれども、仮に今回QEが出た後に解散となると、そういう山場を迎えないまま解散に突入するというのは何かすごく違和感があるのですけれども、大臣はどのようにこのシナリオを見ていらっしゃるのか教えて下さい。
(答)まだ総理が解散するとは一切おっしゃっていないので、帰国されてQEの数字なり、あるいは有識者・専門家の意見聴取なり、あるいはそれ以外の経済データが出た時に、まず経済対策をどうされるのかということと、それから消費税判断をどうされるのか、それがばらばらに行われるのか、あるいは一度に行われるのか、それに関して解散のうわさが相当強くなっておりますけれども、それが信を問うという形で行われるのか、全て仮定の話でありますから、総理にお聞きになるのが一番だと思います。
 野党は、法律で決まっている既定方針を変えると仮にするならば、それは信を問えということは各党がおっしゃってきたわけであります。解散という風が流れると、大義がないとか突然御自分がおっしゃったことを訂正していらっしゃるというのはよほど慌てておられるのだと思いますけれども、大きな出来事に関して、政府として、安倍内閣として、大きな方針変更する際には、御自身の内閣としての政府としての考え方を示して、こういう状況だから、こう対応するためにこういうことをやりたい。それが大きな方針転換になるのであれば、考えを示して信を問う。これはむしろ野党がそうであるならばそうせよとおっしゃってきたはずであります。総理御自身がまだ何もおっしゃっていませんから仮定に基づいた発言でありますけれども、仮にそうならば、別に整合性がとれないということではないと思います。
(問)消費税率引上げを延期するとなると、これは3党合意の破棄に当たるのか、それとも修正に当たるのか、その辺のお考えというのは何かあるのでしょうか。
(答)3党合意は、こういう枠組みでやっていこうということで、その中には、経済の状況を勘案して判断するという大きな項目があります。その項目に従っている限り、3党合意の枠内での行動だと私は思います。
(問)質問が二つあります。まず仮定の話になるのですけれども、もし報道されているとおり、いつまで延期するかは別にして、消費税を仮に延期したとなると、来年度のPBの赤字半減ということが、万が一解散が行われて選挙も行われるとなると、多分、補正予算も越年ということになって、年度内執行はほとんど難しいでしょうから、大分来年度に引っかかってくることになる。PBの赤字の半減をどうやってするのかというのがなかなか、その場合はどのようにしてそれを達成できるのかできないのか、達成できるとしたら、どういう手段が考えられるのかというのが一つと、昨日も点検会合の中でおっしゃっていましたけれども、何がアベノミクスで問題なのか、その処方せんを考えなければいけないということに関して、個人消費の部分ですけれども、売る側と買い手側のデータ、商業販売統計や家計消費を見ると、一方は上がっていて、一方は下がっているといった感じになっており、見方によって随分データが違うというか、統計上のバイアス、くせみたいなものかもしれないですけれども、そういう意味で、個人消費の現状を今どのように見ていますでしょうか。
(答)いろいろ前提を置いての御質問でありますので、前提を置いての回答になります。
 何度も申し上げていますけれども、総理は消費税率再引上げについて、やるともやらないともおっしゃっていないわけであります。もちろん解散について公式に言及はされていません。しかし、そういう中で既成事実化しているということが現状でありますけれども、仮に消費税率引上げの先送り判断がなされるとするならば、それはデフレの脱却に向けて歩んでいくという一番大きな目標が難しい状況になるということを避けなければならないわけであります。
 アベノミクスの基調は、ある種想定の範囲内で順調に進んでいるのだと思いますが、それに消費税率の引上げがどういうインパクトを与えているかということで、企業収益や雇用、あるいは設備投資計画は想定どおり順調にいっているのでありますけれども、消費の反動減回復が目論見と少しずれているということだと思います。それに対してどういう手だてをするのか、それが経済対策の判断だと思います。そして、更に1年半後にもう一度大きな消費の下押し圧力となり得るイベントが控えている。それを延期すべきか、予定どおり実行すべきか、それは経済対策の必要性・規模と相まって下押し圧力になる連続した出来事にどう対処するかという高度な政治判断になるのだと思います。
 それから、消費動向について、売る方と買う方とでデータが違うということは事実ですが、これがどういうことによるかは学者も説明ができないところだと思います。売る方のデータには、サービスの部分が含まれていないわけでありますし、買う方のデータには、外国人の消費が含まれていないという、消費を構成する重要な要素がどちらの側にも欠けているわけでありますから、この売る方、買う方の乖離を説明するということは、私も現時点でできないのであります。ただ、買う方のデータの回復が想定よりは少し遅れているということは事実であります。消費税というのは、まさに消費に直結する案件でありますから、経済の6割を占めている消費が堅調に伸びていくように、そこは好循環の2巡目、3巡目をしっかり回していくとか、あるいは物価をオーバーライドするような賃上げに持っていくような環境を作るとか、処方せんはしっかりできると思います。要は、それまでの間に、更なる消費の下押し圧力になる事態をどの時点でセットするかという判断になってくるのではないかと思います。全て仮にこうであるならばということを前提にしたお答えであります。
(問)今日開かれていますが、「選択する未来」委員会で、今年から話し合ってきた内容が最終的な取りまとめを迎えると思います。後で大臣の挨拶のところをのぞかせていただくのですが、改めてその感想を教えてください。
(答)「選択する未来」委員会、これから三村レポートというべきものが発出されるわけであります。この「選択する未来」委員会の非常に大きな意義は、人口減少、超高齢化ということがどれほど日本に経済を初めとして大きなインパクトを与えるかということを、国民が認識する機会を与えたということだと思います。そして、人口と経済と、それから地域社会の成り立ち、それぞれがみんな密接に関係しているということを浮き彫りにしたわけであります。それと同時に、未来というのは手をこまねいてただ待っているものではなくて、選択することができる。50年後にこうありたいということであるならば、今から政策を準備して対処すれば、そういう未来を我々は選択できるという希望を与えてくれたのだと思います。そういった意味で非常に大きな意義があったと思います。
 まち・ひと・しごと創生本部に対しても、地域の50年後、地域の未来ということで、そのなすべき手当て、方向性というものを示したのではないかと思っております。
(問)仮にその消費増税の先送り判断がなされる場合には、いつまで延期するかということを明示するのは大事なことだと大臣もお考えだと思うのですけれども、景気条項をその際につけるべきかどうか、現時点でのお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
(答)私は総理ではありませんから、どんどん総理が判断されることを先回りして聞かれますが、私はそこまでの権限はありません。総理御自身がまだ延期するかしないかお決めになっていらっしゃらない。間違いなく言えることは、どちらを選択してもリスクがあるわけです。要は、どちらを選択してもリスクが顕在化しない手だてを打っていくということが大事で、総理は、そこには最大の配慮をされると思います。仮に延期された場合には、延期することによって顕在化するリスクへの手だては、当然、総理は打たれると思います。
(問)「選択する未来」委員会は50年後、かなり長期の方向性を示したものになるので、今から準備をということですが、政策は一方である程度継続していかないとその姿を見出せないと思うのですが、大臣としてかなり長期の間、政策が方向性を継続させていく、それを担保させるためにはどういったこと、レポートを出されて報告書を反映するということですが、どういったことが必要というお考えがあればお聞かせください。
(答)理想的に言えば、50年間安倍内閣が続いているということなのでしょうけれども、それは少し無理ですから、いろいろな発出された政策提言を、よりコンクリートしていく作業が必要だと思います。「骨太の方針」等々いろいろ閣議決定をして現内閣、そしてその変更がなければ将来も縛っていくというもので将来につないでいくという継続性が大事だと思っております。
(問)仮の話にはなるのですが、増税を延期した場合、来年度のPB赤字半減目標というのは達成可能なのかどうかということについて、お答えがなかったようなので、そこをお願いします。
(答)総理御自身は、財政再建に対する強い思いを持っておられます。いかなる場合も財政再建の道筋をしっかり示したいということはおっしゃっておりました。仮に10%引上げが仮に延期をされた場合でも、総理から最大限の努力をせよ。つまりそれは何かというと、2020年に向けて、それから、もう目の前に迫っている来年度の国、地方を併せたSNAベースでの半減目標、これは可能な限り堅持する方途を探れという御指示はいかなる場合にもあるのではないかと思います。
(問)本田内閣官房参与ですとか山本幸三議員などは、消費税率引上げの1年半の先送りを主張されておりますけれども、こうした案についていかがお考えでしょうか。
(答)総理が消費税判断をされる時、仮にそれが延期をするという判断であった場合には、時期を明示しないで先送りするということは、私はあり得ないと思います。日本が発行する国債の信認を失わせるというようなことは断じてない手だてをされると思います。

(以上)