第357回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2021年11月5日(金)13:00~14:10

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

  • 【委員】
    (会議室)後藤委員長
    (テレビ会議)青木委員、飯島委員、生駒委員、受田委員長代理、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員、星野委員
  • 【説明者】
    独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長
  • 【事務局】
    加納事務局長、渡部審議官、太田参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 成年年齢引下げについて(若年層の消費生活相談の現状についてヒアリング)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

《1.開会》

○後藤委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから第357回「消費者委員会本会議」を開催いたします。

本日は、私が会議室で出席、受田委員長代理、青木委員、飯島委員、生駒委員、大石委員、木村委員、黒木委員、清水委員がテレビ会議システムにて御出席です。星野委員は、15分ほど遅れてテレビ会議システムにて御出席の予定です。

開催に当たり会議の進め方等について、事務局より説明をお願いいたします。

○太田参事官 本日もどうぞよろしくお願いいたします。

配付資料につきましては議事次第に記載のとおりでございます。もし、お手元の資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

以上でございます。


《2.成年年齢引下げについて(若年層の消費生活相談の現状についてヒアリング)》

○後藤委員長 本日は、来年4月の成年年齢引下げに係る民法改正の施行に関連し、若年層の消費生活相談の現状について国民生活センターへのヒアリングを実施いたします。

成年年齢の引下げを目前として、消費者委員会としては、若年層における被害の未然防止に向けた消費者教育、周知啓発等について、特に問題意識を持っているところです。

本日は国民生活センターから若年層からの相談の実態について、相談現場の現状を踏まえて御説明いただいていた後、意見交換を行います。

本日は説明者として、国民生活センター相談情報部相談第2課、加藤課長にテレビ会議にて御出席いただいております。

本日は、お忙しいところありがとうございます。それでは、15分程度で御説明いただくよう、よろしくお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 それでは、よろしくお願いいたします。

国民生活センター相談情報部相談第2課の加藤と申します。相談第2課は、各地の消費生活センターからの相談を受ける部署でございます。

第1課が直接的相談、第3課が越境取引を担当しているCCJの部署でございます。

それでは、早速、資料に基づきまして御説明をさせていただきます。また、説明後に事前にいただいていた質問につきましても、続けて御回答をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

では、資料の3ページを御覧いただけますでしょうか。

こちらは、契約当事者18歳から22歳における相談件数の推移でございます。

全体を通して、2016年から2018年までにかけて、少し棒グラフが下がっているかと思います。

アダルト情報サイトなんかが少し減少した影響かなと思っておりますが、全年代で見ますと、相談が微増、増加傾向にありまして、ちょうどこの頃、はがきの架空請求が再び増え始めたときでして、60歳以上の相談が全体としては増えたなという時期でございました。

それ以降、2019年にかけて、また増えている、増加傾向が見られます。こちらは定期購入の相談が、やはり、大変多く寄せられておりまして、特に定期購入は御存じのとおり、500円など、初回無料との広告を打って販売する手口でございますので、未成年者のトラブルも非常に多く寄せられております。ですので、そういった影響も多く、増加傾向が見られます。

また、SNSの不審なメールなど、後ほど出てきますけれども、情報商材のトラブルなども増えてきている影響もあるのかなと思っております。

続きまして、4ページを御覧ください。

こちらは、契約当事者、まず、18歳、19歳における商品役務等の内容、上位20位でございます。5年間分をまとめて掲載しておりますので、年次別の推移がちょっと分かりづらくて恐縮でございます。

18歳のところ、例えば、黒木委員からの御質問もございましたけれども、任意の他の健康食品など、4位の脱毛剤、それから13位の健康食品全般など、酵素食品など、これらは定期購入のトラブルの影響で、こういった商品が上位に来ております。

19歳も同じような傾向でございますけれども、3位、4位の、他のデジタルコンテンツ、デジタルコンテンツ全般、こちらは、どうしてもPIO-NETのくくりで分かりづらくて恐縮なのですけれども、情報商材、あるいは何らかの動画コンテンツなど、有料サイトの情報などの利用料と御理解いただければと思っております。

続きまして、5ページを御覧ください。

こちらは、20歳、21歳、22歳を表しております。特に、今年度の4月に私どもで注意喚起をしているとおり、成人になりますと、お金と美に関するものが増える傾向にございます。

特に特徴的なものとしまして黄色で色をつけております。フリーローン・サラ金、それから、教養娯楽教材、こちらは具体的に申しますと、投資用の教材など、ネットでもうけるビジネス用の教材、こういったものが含まれております。

また、ファンド型投資商品、それから、医療サービスなどの美に関するものが増えてくるという影響がございます。

6ページを御覧いただけますでしょうか。

こちらは、男女に分けての表でございます。男性は、どちらかというと、5位のフリーローン・サラ金など、9位の普通小型自動車、10位の教養娯楽教材、12位のファンド型投資商品、20位のビジネス教室など、どちらかというと、投資系のものが多いのかなと。

それに比べて女性は、脱毛、エステ、痩身エステ、12位の美顔エステ、医療サービスなど、美に関するものが多い傾向、それが男女の違いとして出てきていることが見て取れるかと思います。

続きまして、7ページを御覧いただけますでしょうか。

こちらは、18歳、19歳、それと成人になってからの販売購入形態別を表しております。

18歳、19歳は、割合としては、通信販売が6割を超えているということで多いのに比べまして、成人になりますと、マルチ取引が増えるということ。あと、店舗購入も増加傾向にあります。通信販売も件数だけ比べれば、圧倒的に多いのですけれども、割合として相対的に下がっているのかなと見て取れます。

それから、8ページを御覧いただけますでしょうか。

こちらは、男女別の販売購入形態の割合の比較でございます。

傾向としまして、訪問販売で男性が、割合が高くなっております。また、成人の男性のマルチ取引が15.2パーセントということで、他の属性に比べると、割合が高いということが見て取れるかと思います。

続きまして、9ページでございます。

こちらは、契約購入契約の平均金額です。やはり、御覧いただきましたとおり、成人になりますと、金額が増える傾向にございます。

金額が高くなる要因としましては、お金関係の、フリーローン・サラ金、それからファンド型投資商品があります。あと、内職、副業といったものが、契約金額が高くても後で取り戻せるからと勧められたりして契約金額が高くなるという傾向が見て取れます。

10ページは、既払い金額の平均金額ですけれども、契約金額も高いので、おのずと既に支払ってしまっている金額も、やはり未成年に比べると高いということが言えるかと思います。

続きまして、12ページ以降は、事例を6点掲載しております。10歳代を3事例と20歳代を3事例掲載しています。

読み上げますと、時間が足りなくなるので、簡単に御紹介をさせていただければと思います。

事例1、定期購入の御相談です。よくあるのが、動画投稿サイトの広告を見て、販売サイトに誘導されるパターンが多くございます。初回無料、送料500円ということで、1回限りのつもりで、ダイエットサプリを申し込んだら、2回継続が条件だったと。

最近は、数日後に、もう2回目が届いてしまってという相談が多く、事例では2回目の商品は3万5000円だという相談でございます。

それから、事例2、こちらは未成年なのですけれども、やはりアルバイトがしたいなという方たちも多いので、一定数このような相談があります。

インターネットで、チャットで相談に乗るだけとのアルバイトを見つけて、副業サイトに登録して、保険証と学生証の写真を送ったと。報酬以外に20万円を送ると言われて、個人情報交換のために有料の手続が必要になって、次々と理由をつけられて、クレジットカードとプリペイド型電子マネーでサイトに支払ってきたが、どうもだまされたようだという御相談です。

それから、事例3ですが、こちらは包茎手術の御相談です。未成年者の医療サービスの相談は、そう多くはないのですけれども、こちらは悪質な事例だったので紹介させていただきました。

こちらは、インターネットで包茎手術5万円と記載されて、無料相談の予約を入れたのだけれども、早めに手術を受けたほうが良いと言われ、また、未成年なので、本当は親の承諾が必要だが、もうすぐ20歳になるから承諾なしでよいと言われて、断ることができず、そのまま手術を受けることになってしまったと、契約を取り消したいという御相談です。

こういったケースは、成人でも、即日施術という問題が美容医療の御相談の中で一定数ございます。

事例4です。こちらは、就職活動の一環で、デザインを学べるオンラインスクールに興味を持って、担当者からカフェで話を聞いた。契約金額が約100万円と聞かされ、高額なので支払えないというと、消費者金融で借りれば良いと言われ、無人の借入機に行き、社会人と偽って借りるよう指南を受け、担当者に手渡したと。友人に相談したら、高額過ぎるし、怪しいと言われた、返金してほしいという御相談です。

このように、今年度も注意喚起をしておりますけれども、お金がないと言って断ると、消費者金融で借りれば良いと言われて、さらには、こういった社会人と偽りなさいなど、借りる理由をこのように説明しろという形で指南を受けて、借りさせる手口が一定数見られます。

事例5です。こちらは、アフィリエイトで簡単にもうかるというインターネットの広告を見て約3,000円のマニュアルを購入したと。マニュアルは、有料プランが紹介されていて、事業者から電話で、もっと良いサポートが受けられるプランがあると紹介され、65万円のプランを契約したという御相談です。

このように、初回は3,000円など数千円の安いマニュアル、情報商材を購入させておいて、その後使い方を説明する、もっと良いプランがあるという形で電話をかける、あるいは電話をかけさせるような形にして、高額なサポートの講座など、費用を契約させる手口というのがございます。

事例6です。こちらも知り合いに紹介された副業サイトを見て、同じようにガイドブックを7,000円で最初に購入しています。

ガイドブックは、大した内容ではなかったけれども、更に話を聞きたければ、電話するよう書いてあったので、予約をすると、事業者から電話がかかってきた。ネットで在庫を管理して販売するビジネスを紹介されて、年収で440万稼ぐことができる、10万円プレゼントがあるので、1か月の仕入れの負担は必要ないと聞いて、この方は、90万円を指定された口座に振り込んだということでした。しかし、講座が始まる予定など、何の連絡もないし、契約書面も受け取っておらず、連絡が取れない、どうしたら良いかという御相談でございます。

15ページ以降は、当センターの今年度の取組を紹介させていただきます。

今年度、4月以降は、成年年齢引下げに向けた注意喚起というのに力を入れておりまして、若者向け注意喚起シリーズというのを1か月に1回程度の頻度で公表しております。

なるべく公表資料は薄めにして、これプラス、この掲載しているようなチラシを作りまして、これで、例えば、高校生や大学生などに配っていただける資料として公表しております。

昨日もナンバー6としまして、「SNSをきっかけとした消費者トラブル」というのを注意喚起したところでございます。

美容医療など、情報商材、健康食品、先ほども御説明しましたが、借金するように指示して契約を迫る手口など、あと、怪しい副業、アルバイトのトラブル、こういった若者に多いものを注意喚起しているところでございます。

更に17ページですけれども、今年度の取組ではないのですけれども、若者に、なるべく当センターの情報も届いたら良いなということで、公式のLINEを設けまして、簡単な注意喚起や、簡単に何か調べられるような工夫をしております。

また、若者向けのクリアファイルも作っておりますけれども、残念ながらコロナ禍で、出前講座というのも減っているようで、今、在庫はあるのですけれども、なかなかはけていないような状況でございます。

資料についての御説明は、以上なのですけれども、引き続き、先生方からいただいた質問もお答えさせていただければと思います。

まず、20代といっても、21歳、22歳と、28、29歳ではトラブルに違いがあるのではないかという御質問を頂きました。

年齢で、契約のリテラシーが高まっているという感じはないのですけれども、やはりライフステージの違いによって、少し特徴はあるかなと思っています。

例えば、28、29ですと、結婚する方もいるので、結婚式場のトラブルも発生してきています。

21、22ですと、学生の場合でしたら、就活塾の契約をしてしまった、君は、このままだったらどこも就職できないよと言われて、不安をあおられて、就活塾の契約をしてしまうというトラブルが見られます。

続きまして、2点目の御質問で、SNSきっかけではなくて、SMS、ショートメッセージサービスでも、もうけ話等のトラブルが起きているかという御質問なのですけれども、SMSですと、もうけ話というよりは、何らかの料金の未納分についての架空請求など、フィッシングメールかなと思われるようなトラブルがあって、もうけ話系とはちょっと違うのですけれども、これは年代問わずあります。

3点目で解約に関する相談が多くあるかと思うが、特に若年層については、契約内容の確認を苦手とする傾向にあると考えられる。国センとして、契約のトラブルの予防策をどのように考えておられるかという御質問を頂きました。

確かに、トラブルを見ていると、きちんと契約書面を早めに見ていただければ、気づいただろうと思うところもありますが、契約書面をきちんと見ないというのは、全年代でも同様の傾向はあるのかなと思っているところでございます。

ただ、若者の場合は、知人からの誘いなど、SNS上の知り合いから誘われて、信用して契約してしまうというところがあります。友人に相談すると、友人から、それは怪しいのではと言われてセンターに相談に来るというケースをみると、自分がどういう契約をしたのかということを、きちんと確認しないでトラブルになっているというのは、相談を見る限りあるのかなと思います。

センターとして、トラブルの予防策なのですけれども、私どもは情報提供機関でございますので、今、どんなトラブルがあるのかということをなるべく迅速に公表するということかなと思っています。マスコミ各社に広く発信していただいて、是非多くの方に知っていただきたいと思っております。しかし、どうしてもその辺りは対処療法的と言いますか、応急措置的な予防策であって、契約というものの重みというものを理解していただくには、やはり消費者教育なのかなと思っています。まずは、当センターとしては、いろんな情報を迅速に発信していくことが役割かなと思っているところでございます。

情報リテラシーの課題についてのご質問で、マルチや誹謗中傷等で、若年者が加害者にもなる事例があればお示しくださいということでございましたが、それほど誹謗中傷関係は寄せられていないかなと思います。マルチに関しては、どちらかというと、友人や親御さんから、子供がはまっているようで、加害者にならないか心配だという御相談が寄せられることがございます。

また、先ほど紹介した注意喚起シリーズで、加害者とはちょっと違うのですけれども、犯罪に加担してしまうというところでいうと、荷受け代行など、あとは、昨年度注意喚起した持続化給付金の不正受給を持ち掛ける手口も、あまりにも若者の落ち度が大きいなというところがあります。そういうところのリテラシーの問題は、確かにあるのかなと思っております。

次の御質問ですけれども、相談者からどのような項目を聞き取っておられるかというところですけれども、必須の確認事項ですが、これは相談者の属性、年齢や、学生なのかどうかというところ、それから、販売購入形態や商品、役務なども、統計的に情報を発信しますので、決まった項目を聞き取ることになっております。

おのずと、それらをきちんと聞き取らないと、適切な助言ができないので、そういう意味では、体系的になっているのかなと考えております。

どの程度詳細であるかというところなのですけれども、なるべく販売サイトの情報は、URLなどを聞き取れれば、聞き取りますし、消費者と同じものを、私どもは見たいと思っています。ですので、最近は、SNSきっかけが多いので、何のSNSを使って広告を見たのかというところは、なるべく聞き取るようにしています。しかしながら、SNS上に出てくる広告というのが、消費者の興味、ターゲッティング広告で出てくるので、国民生活センターの場合は、同じようにスマホがあるので、スマホで見るのですけれども、定期購入商法のように、消費者が見た広告と同じものがなかなか見られないという難しさがあります。

また、パソコンで見るのと、スマホで見るのとでは、事業者によっては巧妙に作りを変えていたりするので、なるべくスマホであれば、スマホでセンターも見るようにしているところでございます。

黒木委員からの御質問のところで、続けて御回答させていただきますと、まず、1点目の御質問、「資料1-5をみると、20歳以上になるとフリーローン・サラ金の被害が上位10位以内にはいっており、これが18歳・19歳の被害との大きな違いである。これは、契約購入金額(資料1-9)、既支払金額(資料1-10)の差にあらわれていると考えられるが、そのような理解で良いか。」いうことで、御指摘頂いておりますが、御賢察のとおりでございまして、契約金額の多いものを見ましたら、やはりフリーローン・サラ金、それから、ファンド型投資商品などが、金額が高かったので、それらが平均を押し上げているのかなと思っています。

それから、2つ目の御質問で、「成年年齢が引き下げられることで、18歳や19歳についても、フリーローン・サラ金等の被害が増える可能性があることを示しているが、金利その他の消費者貸借契約についての基礎的な知識(金融リテラシー)を醸成するためにどのような教育を考えているか(事例4)」でございますけれども、金融関係に限ってはいないのですけれども、当センターの他部署で教育研修部というところがございまして、消費者教育を担当する相談員向けの講座も実施しております。消費者庁が作成しました社会への扉の中でも、お金について理解しようというページが用意されておりまして、この社会への扉を使って、講師に出向く相談員向けの講座というのをセンターで実施しているところでございます。

それから、「資料1-7、資料1-8によると、18歳・19歳では上位を占める通信販売の割合(約60パーセント)が減り、20歳ではこの通信販売の割合(45パーセント)が減り、店舗販売の割合(29.2パーセント)が増えている。これは、業者が店舗販売では、年齢確認が必要となるため、19歳以下を避けていたことを示すということではないか。18歳や19歳に対して、通信販売と店舗販売による契約上の違いなどについて、理解させているか」との御指摘をいただいております。

この点は、18歳、19歳以下を事業者が避けているということよりは、大人になると、やはり店頭1人で契約できるので、店頭の割合が増えるというところなのかなと思っています。店舗が、未成年者を避けているから店舗での契約が少ないということはないのかなと思っています。

続きまして、「資料1-7、資料1-8によると、マルチ取引が18歳・19歳と比較すると19歳で1,197から20歳では、11,983と10倍近い数字になっている。この若年者のマルチ取引被害については、例えば平成30年6月12日の衆議院でも、「成年年齢の引下げに伴い若年者のマルチ商法等による消費者被害が拡大するおそれがあることから、それらの被害の実態に即した対策について検討を行い、必要な措置を講ずること。」と決議されている。

20歳を境にこのようにマルチ取引が増えていることを考えると、成年年齢が18歳に引き下げられると、この年齢層までマルチ取引被害が増えることが想定されるが、これに対する対応はどのようになっているか」との御指摘をいただいております。マルチについて、対応はどうしているかという御指摘でございますけれども、2年ぐらい前に、ものなしマルチのトラブルの注意喚起を相談情報部ではしております。

それから、先ほど研修の話にもお伝えさせていただきましたけれども、マルチに特化したものではないのですけれども、消費者教育の重要性から当センターでは、教員免許の更新講習への協力というのをしておりまして、今年度も職員が、教員の方たち向けの講座に出向いて、相談の実態を御紹介しております。

やはり当センターに求められるもの、あるいは相談員に求められるものは、現場でどういったトラブルがあるのかと、その実態を知りたいという御要望を多く頂いております。なかなか教育に関する手法についての知見はないのですけれども、こういう実態があるのですということを、先生方に知っていただくというのが、センターの役割かなと思っております。

それから、取引DPF消費者保護法と、若者被害との関係についてのご質問でございます。

まず、「購入販売形態では18歳や19歳が通信販売による購入割合が多い(資料1-7)が、その内容は資料1-4によるとアダルト情報サイト、他の健康食品、他のデジタルコンテンツ、デジタルコンテンツ(全般)となっている。このようなまとめであるが、この具体的な内容は、例えば「令和2年版消費者白書「インターネット通販」の商品・サービス別構成比」(図Ⅰ-1-3-17)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/white_paper_109.html#zuhyo-1-1-3-17)と類似と考えて良いか。若年者故に異なるものがあるか」という資料の具体的な内容は良いことでございますが、御賢察のとおりです。類似と考えていただいて結構でございます。

それから、先ほどの続きの質問「資料1-4、4頁の18歳・19歳の2位にある「他の健康食品」や、同18歳の12位「化粧費その他」13位「健康食品(全般)」、19歳8位「脱毛剤」といった相談がある。これは、具体的にはどのような相談内容なのか。いわゆる定期購入販売によるトラブルではないか(事例1)」ですけれども、先ほどお答えさせていただきましたけれども、未成年者の健康食品など、化粧品関係、これらは定期購入のトラブルと考えて結構でございます。

それから、「資料1-4、4頁の19歳11位、20歳以上で10位以内にはいる「他の内職・副業」の具体的な相談内容は何か。詐欺的な副業サイトによる消費者被害といえるものではないか(事例2・事例5・事例6)」という御質問でございますけれども、こちらは、なかなかちょっとカテゴリーが分かりづらくて申し訳ございません。

具体的に言うと、オンラインカジノのマルチ取引みたいなものが入っています。要は、オンラインカジノを普及させる仕事をアフィリエイトなどで広告を出して、もうけられますよと勧誘するのですけれども、実態はそれではもうからないので勧誘者に相談すると人を紹介すれば良いのだよと言われるといういわゆる後出しマルチ的なものがこの内職、副業のところに含まれております。

それから、続きまして、「アダルト情報サイトによる消費者被害、定期購入販売による消費者被害、詐欺的な副業サイトは、そのような事業者が、取引DPF消費者保護法による取引デジタルプラットフォーム(取引DPF消費者保護法2条1項)を利用していなければ、同法による保護の対象外となるという理解であるがそれで良いか」については、所管庁にお問い合わせいただければと思います。

最後の「国センの注意喚起の取組以外で、どのような取組を行っているか」というところですが、継続的に実施している取組というのは今、御紹介した以外にはないのですけれども、昨年度は、別の部署で、女子高校生が見るようなメディアとタイアップして、記事を掲載する取組をしています。けれども、なかなか費用対効果をどう見るかというのが非常に難しくて、できれば、当センターは、いろんな情報を発信していくので、消費者庁とも連携しながら、是非そのネタを各所で使っていただければと思います。消費者庁で若者向けの動画などを作ってくださっているので、また、18歳から大人というコーナーで、当センターの、先ほど御紹介しました注意喚起資料などに紹介していただいています。そういった形で、各省庁横断的に連携しながら、広く啓発活動をしていく必要があるのかなと思っているところです。

説明と御質問への回答は、以上でございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

すみません、私の聞き落としかもしれませんけれども、黒木委員の御質問より前の御質問というのは、どの委員からの御質問でしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 すみません、事務局から御回答をと言われたので、どの方からは、ちょっと分からないのです。

○後藤委員長 後半部分は、黒木委員からの御質問が、割と数がたくさんあったと、そういうことでよろしいですか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 はい、そうでございます。

○事務局担当者 前回の委員間打合せの際に、委員の皆様から頂いた御質問のうち、国民生活センターに御確認いただきたいというところについて、事前に御質問事項がございますということで、国センにお伝えし、本日お答えいただいたということでございまして、委員の皆様からの御質問は、全てお答えいただいたかと思います。

○後藤委員長 分かりました。どうもありがとうございました。

前半部分は、前回の委員間打合せのときに、委員の方々から出た質問、それを国センにお伝えして、お答えしていただいたということであります。

それでは、委員の方々から御質問、御意見、よろしくお願いいたします。

○受田委員長代理 御説明ありがとうございました。委員長代理を務めております、受田と申します。よろしくお願いいたします。

今、詳しく御説明をいただき、また、事前の質問事項に対して、丁寧にお答えいただきましたので、私も20代と十把一絡げにすることなく、もう少し細かくセグメンテーションをやっていくと、見えてくる世界が違うのではないかという点。また、18歳、19歳と20歳以上のボーダーの部分でどういう特徴的な変化があるかという点について、非常に関心を持っておりましたので、そこの部分をデータでお示しをいただいて、極めてクリアになりました。

その上で、これは、分かればということなのですけれども、今日お示しをいただいたPIO-NETのデータというのは、もう結果として、ある意味、被害を受けている、あるいはもう限りなく被害に近い状態の結果だと、このデータから理解をしているところなのですけれども、そうであるとすると、この結果というのは2つに分解して考えないといけないのではないかと思います。

すなわち、攻撃の強さ、それから防御の強さ、この攻撃の強さに対する防御の強さが非常に際立っていけば、攻撃が頻繁かつ強力なものであっても防ぎようがあるということで、このPIO-NETにはデータとして上がってこないということではないかと拝察いたします。

伺いたいのは、これは結果であって、攻撃がどれぐらいの頻度で、どれぐらいの強度で、言ったら社会的に起こっているか、ここの部分が、もし、もう少し詳細に分かれば、そこにおける防御が結果としてどれぐらい奏功しているかということをある程度推測することができ、その防御力自体がどこをもとに養われているか、すなわち消費者のリテラシーがどう身についているかと解き明かしていくことができ、18歳、19歳の成年年齢の引下げに対する予防策が、一定見えてくるのではないかとも推測をするところでございます。

攻撃の量と質、ここに関するデータというのはあるのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 国民生活センターでは、今、統計的な調査はしていないのですけれども、消費者白書で、一般の方にアンケートをして、そういった経験があるかどうか、そのときにトラブルがあったのか、なかったのか、あった時はどこに相談したのかというような、統計的な調査を取っておられるかと思います。

また、若者に限りますと、私も参考にさせていただいたのですけれども、ちょっと前になりますけれども、消費者庁で、若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会というのがあって、そこで1万人程度のアンケート調査をしております。勧誘を受けた経験のある若者について調査をしております。

特に、ちょっと話がはずれてしまうかもしれませんけれども、驚いたと言いますか、SNS上で会ったことのない、SNS上の友人もいますよと答えている人が3割程度いるという調査が出ていました。7割はいないのだから良いと見るのか、3割もいるのかと見るのかはあるかと思うのですけれども、また、さらに、SNS上の友人に対して警戒心を持たない若者も35パーセント程度存在するというところで、それがどんどん広がってきてしまうと、相談という形で、その結果が、消費生活センターでのデータに表れてくるのかなと。

また、消費生活センターは、今、基本は電話で相談なので、若者が電話で相談するのが苦手だとなると、被害に遭った人が確実にセンターに相談してきてくれているのかというと、まだ潜在的にいるのかもしれないというところもあります。なかなかそこが相談してくれて初めて見えているデータでしかないので、そこら辺りは、先生の御指摘のとおり、なかなか見えないところも考えていかなくてはいけないし、我々としては、今後のDXというところで消費生活相談の在り方なども検討しておりますけれども、どうやったら若者に気軽に相談してもらえるのかという工夫も、消費者行政全体で考えていく課題なのかなと思っています。

○受田委員長代理 分かりました。ありがとうございました。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 丁寧な御説明ありがとうございます。私から2点お伺いしたいのですが、まず1点目なのですけれども、いろいろ話を聞いておりまして、消費者教育が重要だということは大変同意いたしますが、ただ1点、こういった被害が起こるということに対して、事業者の側に国民生活センターとしてどうやって取り組んでいらっしゃるのかという、例えば、事業者と何か一緒になさっているなど、情報提供をなさっているのか、そういったことを教えていただければというのが1点目です。

と申しますのは、やはりSNSを利用するということは、プラットフォーム事業者など、そういったところが、こういう悪質な事業者情報を載せなければ、そもそも被害がこんなに出ないのではないかなと思ったからです。

2点目としましては、先日知り合いの大学の先生と話をしていまして、その先生も消費者問題に関心がないわけではなくて、むしろ教え子たちに、そういったことが起こらないように大変気を配っている先生なのですけれども、ただ、やはり大学の先生も、消費者庁もしくは国民生活センターで、このような取組をしていることを御存じなかったというところが大変私はショックでございまして、まだまだ周知が足りないのかなと思っております。

それで、資料の15ページのところに、高校生や大学生などの配付チラシとしても活用していただけると書いているのですが、この配付チラシというのは、このホームページに来ないと見られないので、例えば、ここにこういうコンテンツがありますよ、チラシがありますよということを、どういうふうに広報していらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

以上、2点、お願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 まず、最初の1点目の事業者への協働と言いますか、取組なのですけれども、定期的に業界団体があるところとは意見交換を実施しております。

最近ですと、火災保険を使って住宅修理ができますよというようなトラブルが非常に多くございまして、それについては、損保協会さんと一緒になって啓発チラシを作っているところです。

また、委員御指摘のプラットフォーム事業者が、変な広告を載せなければというのは、確かに相談現場としても思うところでございまして、必要に応じてデジプラの事業者に問合せを掛けたりというようなことをするのですけれども、よほど犯罪であるということが明確にならない限りは、なかなかすぐに対応していただくというのは難しいのかなと思っているところです。先日取引DPF消費者保護法における官民協議会の準備会が開かれたところなので、当センターも構成員の1人でございますので、そこでどういった取組、悪質事業者を排除できる取組ができるのかどうか、我々も構成員の1人として検討していきたいと思っているところでございます。

それから、2点目の宣伝なのですけれども、申し訳ございません、こちらはなかなか啓発が、宣伝がうまくいっていなくて、確かに当センターのホームページを見ていただかないと、このチラシが見られないというところがございます。

ただ、できれば関係各所に、引き続き御案内をしてもらう、あるいは、SNSでもTwitterとFace book等で発信しておりますので、少しでも多くの方の目にとまれば良いかなと思っているところです。今年度終わった段階で、この注意喚起シリーズをまとめて若者のトラブルがさっと理解できるような形で整理をして、例えば、学生生協に連絡を取ってみるというような形で、本年度何らかの成果としてまとめて発表したいなと思っているところです。

御指摘頂きまして、ありがとうございます。

以上でございます。

○木村委員 ありがとうございます。生協など、学校に積極的にお知らせいただければと思います。

本当に私の知り合いの先生も、こんなに良いコンテンツがあるとは知らなかったと言って、大変喜んでいらっしゃいましたので、是非よろしくお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、生駒委員、よろしくお願いいたします。

○生駒委員 御説明ありがとうございました。

今の木村委員の2問目に重なるのですけれども、今、30代以下の方々と話をしていると、交際相手を見付けるのも全部オンライン上でというのが常識のようになっていて、全く疑うこともなく、むしろ、そこでちゃんと自分の勘を働かせて、いろいろと友達を見付けるみたいなことが日常になっております。

SNSでの情報というものは、もう絶対的な世代ですので、18歳、19歳、20歳の方々は、ましてその渦中にいると思うのです。

逆にその力を利用するというか、木村委員もおっしゃったのですが、私も被害例を知るということが一番歯止めになると思うのです。こんなことがあるのだというようなことを、やはりより身近に知ってもらう、そういう若者たちに、それは是非生協など、学校教育機関もですが、SNSの力を最大限に使って、彼らに身近に、被害例がこんなにあるのだということを知ってもらうというきっかけを作ることが重要ではないかと思っております。これは質問と言いますか、希望なのですけれども、そういったSNS、デジタルでの発信というのも、いろいろ御検討だと思うので、是非そこは強化していただければと思います。

以上です。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。我々もLINEや、Face Book等で、それから、Twitterをやっているのですけれども、なかなか、それをフォローしてくれるかというと、なかなか難しいところがあって、できれば、若者と同世代の方に発信していただいて、少しでも見てもらう工夫をする必要があるのだろうなと思っています。国セン単独では、予算規模等でいろいろ厳しい問題もありますので、消費者庁さんでは、いろいろよしもとさんと連携して、動画等を配信されていますけれども、なるべく同年代の人に、どうしたら見てもらえるのか、さまざまな情報がさっと流れる中で、少しでも目にとめてもらうようなコンテンツを用意するなど、そういったところは、非常に工夫していかなければいけないところかなと思っております。ありがとうございます。

○生駒委員 私も、今、消費者庁のサステナブルファッションサポーター制度のサポーターになっているのですけれども、どんどんバトンを渡して、次の方に次の方にみたいな形で、メッセージを広げていこうと考えているのです。

今の大学生や高校生の方々は、やはりエシカルやサステナビリティというのは、物すごく関心が高い領域で、言うなれば、こういったことも、例えばエシカルということであれば、その傘に入ることだと思います。

ですので、もともとそういうことに興味のある学生とつながっていただいて、サポーターになっていただいて、どんどん広めていただく、エシカルなことを広めたい、役立ちたいと思っている若い方は結構増えていると思うのです。そうした若者に私はよく出会いますので、何なら御紹介しますから、若者たちの力、潜在的に持っている力も使っていただいて、あとSNSの力も使っていただいて、とにかく広めることが大切です。被害例をまずはしっかり紹介し、そんな簡単にお金はもうからないと、幾つかの例を見ると感じるではないですか。そういったことを今こそ広めていければと思いますので、是非よろしくお願いします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

それでは、星野委員、よろしくお願いいたします。

○星野委員 丁寧な御説明ありがとうございました。

これは、受田先生が御指摘いただいたところを、再度つついてしまう形になりますが、PIO-NET自体は、非常に重要な情報だと思いますが、やはり、例えば、経済学だと、先ほどおっしゃった話で、自己申告バイアスですね、申告する人というのは、非常に特殊な人だということもありますし、あと、医学系で考えましたら、病院だけに対して調査をするということはないですね、ですから、ケースコントロール研究と申しまして、病気になった方となっていない方と何が違うのかというような研究をするというのが、まず、始まりだと思いますので、予防のために何をすれば良いか、被害が出なかったのはどういう場合なのかということを考えるためにも、やはり被害を受けなかった方を含めた調査をするというのが、まず1つ、私は重要な点だと思います。それをするからこそ、初めて、どんな場合に被害が出なかったのかということが分かるということです。

関連して、アメリカのコンシューマーセンチネルという、PIO-NETと同じようなデータがありまして、そこでの研究を御紹介しますが、加害企業の顧客リスト情報を入手して、それによってどんな方々が実際に被害に遭われたのかというのと、コンシューマーセンチネル側で、どういう方々が報告されたのかというのを比較することによって、バイアスを理解するみたいなことは結構されているのです。

そういった形で、例えば、警察や法務省側とも連携されて、是非、どのような方が実際に、PIO-NET上で報告されるのかということも含めた形で、かつ、何が、どういった試みが被害を防止するのかということに関して、やはりPIO-NET自体、非常に重要だと思いますが、それ以外の情報も組み合わせていただくことができると、ありがたいかと思います。よろしくお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 御意見ありがとうございます。

○後藤委員長 よろしいでしょうか。

それでは、飯島委員、よろしくお願いいたします。

○飯島委員 飯島でございます。

貴重な御教示をいただきまして、ありがとうございました。

成年年齢の引下げに伴って相談現場の現状について御報告いただきましたが、成年年齢の引下げを見据えて4省庁のアクション・プログラムやキャンペーンなどの施策が進められてきた中で、その効果について、特に現場でお感じになっていることがございましたら、教えていただきたく存じます。

先ほど官民協議会への言及もございましたが、そういう仕組みなどについて、これは効果がある、逆にこれは壁になっているというような具体例がございましたら、併せてお教えいただけますと幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。

我々相談情報部としては、相談に来た人を何とか救済をしてあげなければというところがあるので、先ほどの受田委員のお話にありましたとおり、被害に遭わなかった人について、例えば出前講座を聞いていたから被害に遭わなかった、ありがとうという電話は来ないので、効果を測ることはなかなか難しいな、つらいなというところはあるのですけれども、ただ、中には、友達に勧誘してみたら、それは危ないよと言われて相談に来たという相談なども踏まえると、そういう友人がいてくれた、その友人は、もしかしたら、各地の消費生活センターの相談員の出前講座を聞いたのかもしれません。やはり、いかにして同年代の人たちに、そのトラブルを知ってもらうかが重要なのかなと。友達の話はよく聞くということもあるかと思うので、啓発の効果なのか、相談してくれただけ良かったなと思ったりもしております。

官民協議会に望むことというのは、現在、答えを持ち合わせていないのですけれども、やはり情報共有と、それから迅速な情報発信なのかなと思っています。なかなか国セン単独だと取り上げていただけないところも、省庁の連携で発信していただいたりとなると、記事になったりというところをしていただいたところもあるので、やはり一緒に連携してやっていくというところが、非常に大事なのかなと思っております。

すみません、お答えにあまりなっていないのですが、申し訳ありません。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、青木委員、よろしくお願いします。

○青木委員 青木です。加藤課長、ありがとうございました。

非常に的確な御説明をいただいたと思います。ちょっと幾つか確認したいなと思っているのですけれども、まず、成年年齢引下げに伴って変化しそうな部分はどこかということです。今日お話をいただいた中で、年齢を、18歳、19歳と、20歳以上と区切りながら説明をいただきましたが、マルチあるいは副業、アルバイト、この辺りの被害金額は20歳ぐらいになると、かなり増えているのかなと思っているのですが、18歳、19歳のところが成年年齢引下げにより、今後増えると思われますが、加藤さんから見たときには、どのように見えているのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 やはり、SNSきっかけというのが、若者に限らず、結構大人の世代でも多いのですけれども、マッチングアプリで知り合った人から暗号資産の投資を勧められて契約してしまうというトラブルがあります。ちょっとお金を増やしていきたいな、稼ぎたいなという若者ならではのところに勧誘してきて、それで契約してしまうトラブルが、より低年齢化する可能性はあるかなと思っています。君、今のままで良いのか、もっと良い生活ができるよ、などと、将来の夢を描かせるような勧誘が今でも多いのですけれども、それが低年齢化するのではないかというところ。

それから、医療サービスについても、プチ整形というような感じで、手軽さをアピールする方たちもSNS上にはいらっしゃったりもするので、それを見て、ちょっときれいになりたいなと、今ですと脱毛エステの未成年者のトラブルは医療サービスに比べると多いのですけれども、これが、医療サービスでも18歳、19歳で親の同意なく契約できるようになるので相談が増える可能性はあるのかなと心配しております。

○青木委員 ありがとうございます。

もう一つ、やはり未成年者の契約取消権が、今、18歳、19歳のところは権利としてあるわけなのですが、実際の相談事例の中で、救済できた分、あるいは取り返せた分というところが、この取消権がかなり効いたなど、全体としての救済の率はどうなのでしょうか、取消権があっても相手が逃げてしまってできないのが多いなど、そちらは、いかがなのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 確かに、未成年者取消権が主張できる可能性があるときは、結構な確率でと言いますか、救済はできるのかなと思っています。

ただ、非対面取引、例えば、オンラインゲームなどは、非常に厳しいです。18歳、19歳は多少判断力が結構あるでしょうというところで、難しいところですけれども、もっと低年齢のトラブルでも、非対面取引ですと、詐術を用いたのではないかというような形でトラブルになることも多く、そこはオンラインの取引のところは、また、別の問題があるかなと思っています。

先ほど、今、委員がおっしゃった連絡が取れなくなってしまうというところは、結構投資関係では非常に多くて、それこそSNS上で知り合った人から勧誘されてとなると、もう通話アプリをブロックされてしまうと、相手と連絡が取れなくなってしまうと、そうすると、例えば、弁護士の先生のところに相談に行っても、もう相手と連絡が取れないのだったら、なかなか厳しいと言われてしまう可能性もあるので、本当にSNS上の知人という人が本当に信頼できるのかどうか注意してほしいが、先ほどの調査だと、一定数信用してしまうというデータもあったりして、その辺りが心配しているところでございます。

○青木委員 是非、その辺りも引き続き、成年年齢引下げによる影響というのを、見ておいていただきたいと思います。

やはり、どうすれば防げるかというところになると、非常に危なそうな事例など、今、出していただいているところ、これから来年に向けて、かなり焦点を絞って発信していっていただくということは重要だと思いますし、誘われている途中で、チャットポットなども導入して、契約中でもちょっと相談して、何とか防ぐ手段の拡充みたいなものは、国民生活センターからも勧めていただければと思っております。

以上です。ありがとうございました。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。

○後藤委員長 どうもありがとうございます。

それでは、清水委員、よろしくお願いいたします。

○清水委員 清水です。説明ありがとうございました。

消費生活センターの相談員は、来年4月1日以降、非常に危惧しています。恐らく、20歳、21歳の被害がそのまま18歳、19歳の被害になるだろうというのは、私たち相談員が一番心配していることでございます。

この間も相談者に、どうしたら、被害の未然防止ができるか確認しました。1件の相談は1件の啓発です。被害回復が終わったら、なかなか若者は連絡してこないです。ですけれども、くどくど聞いております。

そんな中で、こういうふうに未然に被害を防止するには、どうしたら良いのかと、若者に聞きますと、いや、もう無理です。自分ごとにならないと分からないと答えます。学校でクーリング・オフは学んでいますね、知っていたねと聞いたら知ってはいたけれども、自分ごととして勉強していないので、未然防止は無理ですと言われてしまいました。

先ほど青木委員からの質問もありましたが、未成年者取消権は現場では強い武器です。事業者も拒否はしません。

以前は、学生証を出せ、戸籍を出せ、と業者から言われたこともありましたが、最近は、きちんと受け入れてくれません。連絡を絶ってしまう業者は致し方ないのですけれども、そういう意味では、先ほど申し上げた未成年者契約の取消権が使えなくなるというのは、本当に大変です。

私たち相談員は、先ほど国民生活センターで研修があると御紹介ありました。講師養成講座も国センで受けております。

そんな中で、やはり自分ごととしてどうやって啓発していくかという中で、最近はワークショップなど、対話型の教育のやり方も実践として教育を受け、現場でやっています。

やはり自分ごととして、いかに未然に伝えるかというのが大事だと思っています。ただ、本当に啓発をやっても相談は減らない、なかなか啓発の評価を上げていきたいのですけれども、数字に上がらないのは非常に残念です。

ただ、今、被害を未然に防止するためにはどうしたら良いかということで、各消費生活センターでは、大学などに、特別に緊急な、例えば、投資被害など、そういうものの短い情報発信をして、メルマガ等で学生に送ってもらっているということもやっています。

受田先生から攻撃の力と防御の力、本当にこれなのですね、幾ら若者に防御の力をつけても、だましてくるのはもう普通ではない、海千山千の大人ですから、今、私たちは対話型で、こう言われたらああ言う、ああ言われたらこう言う、例えば、「今日は無料で体験に来ただけです」、「絶対今日は帰ります」というような言葉を講座の最後に練習します。高齢者は声を出してやってくれるのですけれども、若者はなかなか、声を出さないのでやりにくいですが、そういう対応型で実践型をやりつつあります。

現場でやっていることを紹介させていただきました。

国センが、チラシなどを作っていただいているのですが、消費生活センターではなかなかカラーコピーはできないので、白黒で現場に持っていっています。できましたらパワポにして頂けると助かります。最近、コロナ禍で現場に行けないのですが、オンラインで学生講座がありますので、見える化で電子データを頂けると有り難いです。引き続きよろしくお願いします。

以上です。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 いつでも御連絡いただければと思います。よろしくお願いします。

○後藤委員長 ありがとうございました。

それでは、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。

御説明ありがとうございました。国民生活センターでも、いろいろと取り組んでいただいているということが、大変よく分かりました。とはいえ、2022年の4月まで時間が限られておりますので、長期的に消費者教育のような形で取り組まなければならない対策と、それから短期的に、この3月までの間にどうやって新成人になる人たちに、いろいろな事実を伝えていくか、との両方の取組が求められていると思います。国民生活センターで、長期的な取組に加え、そういう短期的に集中して行う取組があれば、特に来年の3月に向けて考えられていることなどがありましたら、もう少しお聞きしてみたいと思います。

あと、やはり国民生活センターというのは、それら、発信された情報の収集を行い、それをいかに国民に伝えていくか、広めていくかということでの役割が大きいと思います。ただし、いかんせん若い人たちは、なかなか自分のことについては、あまり積極的に話したがらないようです。よほどひどい被害を受けて、消費者センターにお世話になれば、また違ってくるのでしょうが。その意味では、端緒情報のようなものをいかに若者から得るかというところでは、先ほどからほかの委員の方たちがおっしゃっていますけれども、やはり若者の気持ちや立場で、やはりSNSなどのような方法というのを考えていかなければいけないのかな、と思いました。これらは、国民生活センターだけにということではありませんし、国民生活センター単独では難しいと思うのですけれども、若者の力を借りる、また、若者の使用するものについて知識を深めるなど、私自身も、今、勉強中なのですけれども、是非、国民生活センターが主導して取り組んでいただけると、更に有り難いと思いました。

以上です。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございます。

最初の御質問なのですが、今、これといって、予定をしているものがないのですけれども、どこかで、また、まとめという形で注意喚起をしていく必要があるかなと思っています。

また、若者は自分のことを話したがらない、確かにそうかなと思っていますし、何が起こっているのかというところ、SNS上の情報をキャッチする能力、センサー的な機能も、我々も磨いていかなくてはいけないのかなと思っているところです。すごく情報の進みが早いので、何が起こっているのかということを相談者から教えていただくことも多々あります。

ですので、やはり我々も現場の強みを生かして感性を高めて、なるべく早く情報をキャッチできるように、今後、切磋琢磨していきたいと思っているところでございます。

御意見、御指摘ありがとうございます。

○大石委員 ありがとうございました。

○後藤委員長 どうもありがとうございました。

黒木委員は、事前に、たくさん御質問を頂きましたけれども、何か補うことはございますか。

○黒木委員 いや、もう十分でございます。ありがとうございます。

○後藤委員長 それでは、御質問、御意見は以上にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。本日は、国民生活センターから貴重な分析と報告を頂き、ありがとうございました。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部加藤相談第2課長 ありがとうございました。

○後藤委員長 冒頭においても申し上げましたとおり、来年4月より、民法上の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳、19歳の新成人については、未成年者取消権が行使できなくなるということになります。

そういうことから、若年者の消費者トラブルが、増加することが懸念されているところです。

本日の国民生活センターからの御説明にもありましたとおり、20歳から22歳の若者では、もうけ話や、美容関連の消費者トラブルが多いのが特徴的であります。

また、デジタル化を背景として、SNSやネット広告など、オンライン上のやり取りを契機として、消費者トラブルに巻き込まれるというケースも生じており、このまま事態を放置しますと、新成人をはじめとする若年者の消費者被害が深刻化する可能性もあります。

国民生活センターにおかれましては、若者向け注意喚起シリーズの公表をはじめとして、様々な注意喚起や周知啓発に積極的に取り組んでいただいておりますが、来年4月からの成年年齢引下げに向けて、より一層の取組強化をよろしくお願いいたします。

また、先般のヒアリングで御報告いただいたとおり、消費者庁や関連府省庁等においても、来年4月の成年年齢引下げに向けて、消費者教育全力キャンペーンを実施していますけれども、本日、委員から出された意見にもございましたとおり、若年層の消費者被害の未然防止や、自立した消費者の育成に向けては、まだまだ課題が多いと認識しております。

当委員会としては、引き続き本件について調査審議を行い、関係省庁等の取組をフォローするとともに、必要に応じて何らかの対応を行うことを検討してまいります。

国民生活センターにおかれましては、本日は、お忙しいところ審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。


《3.閉会》

○後藤委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に事務局より、今後の予定について説明をお願いいたします。

○太田参事官 今日も大変御熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

次回の本会議の日程と議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせいたします。

以上でございます。

○後藤委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)