第303回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2019年7月26日(金)15:00~16:10

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    高委員長、池本委員長代理、大森委員、蟹瀬委員、長田委員、増田委員
    (高委員長の「高」は、正しくは「はしごだか」)
  • 【説明者】
    シェアリングエコノミー協会事務局 石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター
  • 【事務局】
    二之宮事務局長、福島審議官、金子参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 預託等取引契約に関する消費者問題について
  3. その他
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○高委員長 それでは、時間になりましたので、第303回「消費者委員会本会議」を開催させていただきます。

お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。

本日は、受田委員、鹿野委員、樋口委員、山本委員が御欠席となります。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いいたします。

○金子参事官 配付資料の確認をさせていただきます。

議事次第の下部に一覧がございます。もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いします。

よろしいでしょうか。

○高委員長 ありがとうございました。


≪2.預託等取引契約に関する消費者問題について≫

○高委員長 本日の議題は「預託等取引契約に関する消費者問題について」でございます。

我が国では、物品・権利を販売すると同時に、当該物品等を預かり、第三者に貸し出すなどの事業を行うとして、利益の還元や、物品などの一定定価での買い取りを行う商法を悪用し、多数の消費者に高額かつ深刻な被害をもたらす事案が繰り返し発生しております。消費者委員会では、平成30年8月の第284回委員会において、ジャパンライフ事件の被害実態と預託法の問題点等について、また本年6月の第301回委員会においては、有識者からそれぞれヒアリングを行うなど、様々な観点から検討を進めてまいりました。

本日は、預託商法に対する規制がシェアリングエコノミーやその関連事業に与える影響等についてヒアリングを行い、意見交換を行いたいと思っております。

本日は、シェアリングエコノミー協会より、石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクターにお越しいただいております。

石原様におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございます。

それでは、大変恐縮ですが、20分程度で御説明をお願いしたいと思います。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター 皆さん、こんにちは。シェアリングエコノミー協会の石原と申します。大変貴重な機会をい ただきまして、ありがとうございます。

既に内閣府の消費者委員会のオンラインプラットフォーム専門委員会で、私から一部説明させていただいた内容と重複するところもあるのですけれども、御指名いただきましたので、シェアリングエコノミーのビジネスがどういったものであるかという基本的なところにも触れながら、預託ビジネスに関連し得るところがあるのか、ないのかというところも含めて、簡単に御説明させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

資料を開いていただいて、2ページ目のところですけれども、我々はシェアリングエコノミーの関連するビジネスをしている企業が集まって作っている事業者団体です。ただ、我々も何か企業中心の世界を作りたいというわけではなくて、むしろ個人を主役にした経済へというところで、パラダイムシフトが起きているというところを捉えて、我々は企業が集まっている団体ではありますけれども、個人をどうエンパワーメントしていくのかというところを一つ、大きな課題として掲げてやっております。

3ページ目に書いてあるとおり、まだ設立されてから3年半ほどの若い、まだまだ零細協会なのですけれども、現時点で290社ほどの会社が集まっていまして、いわゆる大企業といわれる、皆さんも御存じの大きい、いわゆる一流企業、一部上場企業のような企業も、賛助会員として80社ほど加盟していただいていますが、大半はシェアリングエコノミーに関するビジネスをやっている中小零細スタートアップというところが集まっている協会になります。

4ページ目、5ページ目のところですけれども、本日、そもそもシェアリングエコノミーとはというところをお話しさせていただきますとともに、どういうプレーヤーが実際にいるのかというところも、具体例がないとイメージしづらいところもあると思いますので、預託ビジネスに関連し得るところはこのようなところかというところで、多少違うところも御紹介しますけれども、そこに絡めてお話しさせていただき、我々協会が何をやっているのか、安全・安心のための取組としてどういうことをやっているのかというところも、最後に御説明したいと思います。

20分ということなので余り深い話はできないですけれども、御質問をいただく中でいろいろと議論させていただければと思います。

5ページ目ですけれども、本日お伝えしたいことを先に申し上げますと、販売預託ビジネスは、このシェアリングエコノミーのビジネスとは一般的には違う概念であると考えておりますので、直接的にこの預託ビジネスを何らかの形で規制したからといって、直接的に何か影響があるということは、現時点ではないと考えております。

なぜかというと、後ほど説明しますけれども、シェアリングエコノミーのビジネスというのは、そもそも遊休資産、既に余っている御自宅だったりとか、あとは車だったりとか、はたまた自分自身の時間も含めてなのですけれども、スキルという無形資産も含めて、余っているものを有効活用しようということがもともとの出発点ですので、お金を払って投資をして回収するとか、そういうビジネスモデルではないということが大きなところかと思います。

ただ、後ほども少し御説明させていただきますが、お金のシェアという文脈で、クラウドファンディングという、お金を募ってプロジェクトを成功させるみたいなものがありますので、そういったものについては一定程度、この預託ビジネスに近いビジネスモデルが今後出てき得る可能性は十分あるかと思っています。

次のページに行っていただいて、他方、ビジネスの世界は非常に動きが早くて、更にこの数年間でもっともっと早くなっているという状態です。ですので、我々がこの協会を作った3年半前を考えても、全く違うビジネスが日々生まれている状態ですので、従来想定されていなかったビジネスが生まれてくるというのは、今後も変わらないのだろうなと言われています。

真ん中ですけれども、特にデータに関しては、21世紀の石油とも言われていますけれども、シェアリングエコノミーに限定されないとは思いますけれども、今後データをどう使っていくかというところが中心になってビジネスモデルが考えられていくと思いますので、この辺りが投資とかにつながる可能性としては十分あるのかなということで、私としても考えています。

何かシェアリングエコノミーに関連して、預託ビジネスにつながり得るものがあるかというと、先ほどのクラウドファンディングもありますが、あとはカーシェアリングの分野での大きなパラダイムシフトとしては、DeNAという大きなメガベンチャーと損保ジャパンが今、共同で出資をして、新たな会社を作って、このカーシェアリングの会社を昨年作りました。そこでは、後ほど御紹介しますけれども、0円マイカーといって、0円で車を持っていただいて、お金は要らないので車を持ってくださいと。駐車場代とかも全部会社が払いますと。カーシェアの運営について一部貸出しとかの手間をやっていただく代わりに、ただで車を持っていただけますというような、本当に全然、今までの発想からするとあり得ないようなビジネスというのがだんだん出てきている状態です。

車というのは高価なものですし、預託ビジネスに近い形で何らかの投資回収みたいなものが出てくることもないとはいえないと思いますので、その辺りはもし、何らかの規制を導入するということになるとすると、まずはハードルの低い、登録制とか許可制のようなものではなくて、届出制とかにしていただいて、事業者の負担を軽くしつつ、先ほど御指摘いただいた、社会をにぎわすような問題には対応できるような形で規制をしていくというのが大切なのではないかと思っています

もう時間がないのでどんどんいきますけれども、次のページで、そもそもシェアリングエコノミーとはというところで御説明をさせていただきます。

先ほどカーシェアとクラウドファンディングというところも少しお話ししましたが、大きく分けて、当協会では、物、空間、スキル、お金、移動ということで、この5分野で整理をさせていただいています。

一番身近になっているというか、皆さんがもしかしたら使ったことがあるかもしれないということでいうと、物の中で、フリーマーケットのような形で、スマホ一つあれば、要らなくなったものが売れるというものがシェアリングエコノミーの一つと言われていますし、左側の空間という意味ですと民泊ですね。昨年、一昨年辺りからずっと議論されていますけれども、民泊というところも、この「シェア×空間」というところであるのかなと思っています。

次のページですけれども、何でこういうパラダイムシフトが起きているかというと、一般的に言われるところで恐縮ですけれども、ソーシャルメディアとスマートフォンの発達が大きかったといわれています。

具体的に言うと、ソーシャルメディアを通じて、口コミのような形でレーティングシステムが発達したということ、あとはスマートフォンで位置情報とかが全て便利に分かるようになったこともあって、決済なども含めて、スマホ上で全てやれるようになったというところが大きいと言われています。

次のページですけれども、シェアリングエコノミー協会の作っている領域マップというところを御覧いただくと分かるとおり、これは一部なのですけれども、これだけ多くのビジネスが生まれている状態です。

何でこのスキルが多いかというと、日本の中での法規制が一番かかりづらいのがこのスキルの分野なので、家事代行からベビーシッターサービスから、本当に多くの専門に特化したサービスから幅広くお手伝い系のサービスまで、いろいろなものがあったりします。

ただ、スキルのところは預託ビジネスには直接関係しないと思いますので、今回は物や空間、お金というところについてお話をさせていたただきたいと思います。

次のページからは市場規模なのですけれども、この辺りは時間の関係で割愛をさせていただきたいと思います。

15ページのところを御覧いただくと良いかと思うのですが、このシェアリングエコノミーはお金も市場規模としても大きくなってはいるのですけれども、大きなところとしては、利用者側の幸福度も向上する。昨今叫ばれているSDGsとかESGとかいろいろなことを言われていますけれども、既に余っているものをうまく使って有効活用しようという流れですので、その辺りのサステナブルな世界を目指すというところでも関与しているのかと考えています。

次のページから認知度調査ですので、こちらも時間の関係で割愛させていただきます。

20ページの「シェアリングエコノミーが社会に与える影響」というところです。駆け足で恐縮ですが、協会としては、大きく分けてこの3つという形で整理しています。先ほどから申し上げているとおり、遊休資産を再活用するのだというところ、あとは個人間の経済行為がどんどん膨らんでいく。

あとは大きいところで言うと、子育てとか介護という分野とか、産業振興、観光振興と、本当にいろいろな自治体が行政課題を抱えている中で、公序から共助へという一つのテーマがあるのですけれども、今までは公共がやっていたところを、どんどん小さいコミュニティに任せていって、共助の仕組みでサステナブルな世界を目指そうというところが言われています。

次のページも割愛させていただいて、プレーヤー概観に移りたいと思います。代表的サービスというところで、私が関与しているということもあって、SPACEMARKETを最初に出させていただいて恐縮ですけれども、私が関与しているSPACEMARKETについては、ここにいろいろな写真が出ているように、古民家だったり、お寺だったり、劇場だったり、もう潰れてしまった銭湯だったりとか、無人島だったり、いろいろな場所を時間単位でシェアできるということで、今、空間のシェアということでやっております。

こういった形で不動産を運用するということになりますので、もしかすると、このSPACEMARKETに関しても預託ビジネスに近いビジネスモデルが何か出てくる可能性もゼロではないですけれども、ただ、現状、我々プラットフォーマーとして何か預託ビジネスに近いことをやろうとしているかというと、そういうことはないということです。

次のページは実際の具体的な用途も御紹介していますけれども、下のページを見ていただくと分かるとおり、お寺で何をするのかというと、社員総会をしてみたりとか、映画館は平日の午前中などだとほとんど使われないのですけれども、映画館で社員総会をやってみたりとか、あとは先ほどお示しした無人島などは、横須賀市にある猿島という無人島なのですが、そこは夏はバーベキューで有名なのですけれども、冬はもう本当に船も通らない本当の無人島になるのですけれども、その冬の間、丸1日貸したところ、コスプレイヤーの人たちが集まって撮影会をするという、本当に新しい使われ方がどんどん生まれてきているという実例でございます。

次のページですけれども、軒先PARKINGというサービスです。こちらは御自宅の駐車場とかをインターネット上に掲載しておくと、そこでマッチングされて、これは札幌ドームの例ですけれども、大きいスポーツ施設とかライブの会場の近くの駐車場とかでコインパーキングがほとんどいっぱいになってしまうようなところを、御自宅の駐車場に置く。それをインターネット上で事前に予約をしておいて、駐車場に止められるというサービスがあったりします。これも預託ビジネスには関係しないかなと思っています。

次のページで、nottecoというサービスです。こちらは中長距離のライドシェアです。道路交通法には違反しない形でのライドシェア。実費を分割して、高速代やガソリン代の範囲で分割するライドシェアの仕組みです。名古屋まで単身赴任している人が名古屋まで帰るのに、助手席も後ろの席も空いているのでもったいないので、誰か名古屋まで行く人はいませんかということで相乗りを募って、名古屋まで運んだ上でガソリン代とかを分割するというサービスになっています。

次のスライドですけれども、Anycaという、こちらは先ほどちょっと説明した損保ジャパンとDeNAが合弁で会社を作って最近やり始めたところで、もともとはDeNAが単独でやっていたビジネスになります。

こちらは一般のユーザーが持っている自動車を、平日仕事をしている方々はほとんど土日しか乗らないと思うのですけれども、その平日の間、個人に貸して、1日8,000円ほどのお金をもらった上で、それを駐車場代に充てるとか、そういう使われ方をしている個人間のカーシェアの仕組みになっています。

先ほど冒頭で少し説明した0円マイカーというものを次のページで説明していますけれども、今、始まっている新しい仕組みだったりします。この辺りがもしかしたら預託ビジネスに関連してくるかもしれないというところです。

次のスライドですけれども、こちらは新しく最近協会会員になっていただいたサービスで、Alice.styleというサービスなのですけれども、こちらは家電とか、毎日使わないのに何となく買ってしまったものを、これは今までであればメルカリで売るということが多かったのですが、トランクルームに預けているぐらいだったら貸し出してしまおうということで、これも言ってみれば預託ビジネスに近いのですが、別に新しく何かを買って貸すというよりは、今あるものを売るのもちょっともったいないけれども、眠ってしまっているものを1週間1,000円や2,000円で貸しますとか、そういうサービスも出てきている状況です。

次のサービスはLaxusというサービスですけれども、こちらは高級バッグ、ブランドバッグを定額制で使い放題になるサービスということで、結構若い人たちに人気になっているサービスです。取っ替え引っ替え新しいバッグを買うぐらいであれば、月1万円しないぐらいの会員費を払うだけで、常にきれいなブランドバッグが手に入るというサービスになっていますので、こちらも単にその会社だったりとか、既に持っている人からこれを預かって貸すビジネスなのですけれども、これが預託ビジネスにつながる可能性もゼロではないかなと思っています。

最後、スライドには入れられなかったのですけれども、クラウドファンディングのところで、いわゆる投資型の、金融商品になるようなクラウドファンディングもあれば、購入型といわれる、事前に会員権のようなものを買って、それでお金を払って、将来的には会員権で何か飲食店の御飯が食べられるとか、そういう購入型、いろいろなパターンのクラウドファンディングがあるのですけれども、当然、投資型のクラウドファンディングについては金融庁の免許が必要だったりするわけで、その辺りは既に規制されている。ただ、購入型のクラウドファンディングというものは、かなりいろいろなものがありまして、実際には大企業であっても没になってしまった企画を、クラウドファンディングでお金を集めて、実際に物を作ってみたいとか、あとは有名なところでいうと祇園祭や天神祭のようなお祭り系を維持していくお金が足りないので、そういうものに寄付のような形で地方創生につなげたいというプロジェクトがあったりとか、本当にいろいろな形があります。

それこそ、映画を作りたいけれどもお金が足りないので、お金を出してくださいと。代わりに、エンドロールに御名前を掲載しますとか、本当にいろいろな発想豊かなリターンが考えられていて、その辺りが現時点では何か強い法律があるわけでもないので、規制がされているわけではないので、その辺りのリターンというものの設計次第では預託ビジネスみたいなのが出てこないとも限らないかなと思っています。

次の「強みと将来性」というところですけれども、先ほども少し御指摘させていただいたとおり、女性とか高齢者の活躍の機会というのも、我々としては与えられると考えていますし、これは一時的なはやり言葉というよりは、今後ゆっくり着実に広がっていくと考えています。

大きい視点としては、先ほども申し上げたとおり、データというものが結局取れることになりますので、データエコノミーというところにはつながっていくと考えています。SDGs、ESGにもつながるということは、先ほど述べたとおりです。

次の課題というところですけれども、プラットフォーマー至上主義になるおそれがあるということは多方面で叫ばれているところでございますし、こちらのプラットフォーム検討専門会議のところでも、我々は業界団体として呼ばれたというところも関係しているかと思っています。

あとは、あくまでもプラットフォーマーなので、何かそこがビジネスを直接やっているわけではなく、最終的には中抜きをされてしまうリスクもあります。なので、我々としては保険会社と提携をして、プラットフォームを通して取引さえしていただければ保険が附帯されますとか、そういうプラットフォーマーとして何ができるかというのを常に考えながらやっています。

3番目はまだ将来的な話ですけれども、中国でいうと、スコアというのが個人にどんどんひもづいて、点数化をされているのが中国の世界で、日本も今、このスコアリングというのが結構ビジネスの中では、この2~3年のトレンドといわれています。ただ、中国などを見ると、非常に行き過ぎたスコア社会のような形になっていて、一度何か失敗してしまうとか、一度シェアリングエコノミーの世界で悪いことをしてしまうと、二度とシェアエコの世界を使えないみたいなところで、皆さん、中国の人たちも態度が良くなったと言われているのですけれども、とはいえ、一度失敗してしまった、一度何か過失で、利用者の方と馬が合わなかったという理由で何か低いスコアを付けられた人が、それで使えなくなってしまうのはどうなのかという形で、日本型のスコアリングというのは今後議論されてしかるべきではないかと思っています。

最後ですけれども、安全・安心のための取組ということで、我々がやっていることを簡単に御紹介させていただきます。

先ほど事業者が集まって作っている団体だというお話をしましたけれども、我々としては非常に矛盾というか逆説的ではあるのですけれども、個人会員というのも今年から始めています。これは結局、プラットフォーマーがいかに強くなっても、先ほどのプラットフォーマー至上主義のおそれということで言いましたけれども、結局サービスを提供してくれるのは個々人の方々だったりするので、個々人の方々のレベルアップをどうしていくか。利用していただく方々の底上げというか、啓蒙活動みたいなところも含めて、個人会員というものを今、立ち上げて、自治体とも連携しながらやっているところです。

次の次のページです。今、我々としては、ユーザー向けのガイドラインみたいなものを作り始めています。ホストがサービス提供するときに、何に気を付けたら良いのかとか、ゲスト側は逆に、ホストを選ぶときに何を基準にしたら良いのかみたいなところを、いろいろなサービスの傾向があるので一概には言えないのですけれども、その中でも共通する大事なところについてまとめ始めているところでございます。

最後に認証制度というところで、私が関連しているところを御説明させていただきます。認証制度というのはシェアリングエコノミーのプラットフォーム、事業者側を認証する制度です。内閣官房のIT総合戦略室と、我々事業者団体が一緒になって、有識者も含めてモデルガイドラインというものを作り、それに基づいて認証しているという一つの事例になります。

次のスライドに書いてありますが、今までであれば法規制をするか、もしくは団体として自主規制をするか、どちらかという形ではあったのですけれども、法規制をやっていると3~4年、下手すると5年掛かってしまうビジネスの動きになかなか対応できないところを、この共同規制という枠組みで、自主規制に更に政府の省庁のガイドラインを組み合わせて、ビジネスモデルの早い変化にどんどん対応していこうというルールメイキングの一つの手段だと考えています。

シェアリングエコノミーの課題を何とか解決しようということで、次のページですけれども、外国に比べると日本の市場というのは、今でこそ少し広がってきましたが、2016年、2017年とかはまだまだ、聞いたことはあるけれども使ったことがない。なぜならばトラブルがあったときに心配だからという方々が非常に多かったというところで、安全・安心の仕組みを何か作らなければいけないということで、この認証制度が始まったという次第です。

次の次のページです。チェック事項というところが一つ、モデルガイドラインでIT室といろいろな事業者団体とヒアリングして、共通事項を抽象的に抜き出して、頑張って安全・安心の取組をしている事業者はどういうところに気を付けているのかというのを項目にしたところです。登録事項、利用規約、サービスの誤解を減じる措置、事後評価、これはレビューシステムです。何かあったときの相談窓口と、IT企業なので当然情報セキュリティーをしっかりしようという大きな6項目です。これにひもづいて、6項目ごとに10個以上の審査行項目があり、更にそれにひもづいて具体的な審査項目が何個かあるので、全部で100個ぐらいのチェック項目を認証制度でチェックして、安全・安心の仕組みに取り組んでいる前向きな企業にマークを付けているということで今、頑張ってやっているところです。

こういった動きは国際的にも非常に珍しいということで、今、ISO化に向けて国際的な議論が始まったところです。始まったこと自体は2年前ぐらいから実はちょこちょこ動きはあったのですけれども、今年の6月、先月ですね。実際に日本でISOのTCという専門委員会の会議が開かれまして、8カ国、海外からもメンバーが集まって、具体的にISO化に向けて動き出したと。普通にいくと再来年ぐらいまで掛かるのですけれども、そのISOというものを目指して、世界のシェアリングエコノミーの標準を作っていくというところまで、我々としては関与しているということになります。

最後、預託ビジネスと離れてしまって恐縮ですけれども、私からは以上です。ありがとうございました。

○高委員長 ありがとうございました。

ただいまの説明、御報告に関しまして、御意見、御質問がございましたら、どうぞ自由に御発言ください。

蟹瀬委員。

○蟹瀬委員 ありがとうございました。

この新しいDeNA SOMPO Mobility、Anycaの0円になる構成は、どのようになっているか教えていただいて良いですか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター これは私は、実際に利用したことがあるわけではないのでなかなかうまく説明できるか分からないのですけれども、0円マイカーの説明をしている文章のところにも書いてあるとおり、今まで車を買うとなるとまず初期費用が掛かり、駐車場を借りて、固定費も掛かるというところで、なかなか車を持つ若者が減っているという現状を逆手に取って、Anycaのオーナーとして予約で鍵を受け渡したりとか、傷があるかないかのチェックをしたりとか、かなり手間は掛かるのですけれども、その辺りの手間をしていただく代わりに、株式会社DeNA SOMPO Mobilityという新しい合弁会社が車両代とかは全部負担して、お車をお貸ししますと。ただ、これは名義としては会社名義で車を持っていて、事実上そこのオーナー様に0円で貸出しをして、結局、利用がない、Anycaで借りられない日は自分で運転はできますけれども、Anycaで予約が入ったときには、鍵の受け渡し等々をしていただく。駐車場とかも基本的には会社側がお金を負担しますと。つまり、固定費も初期も掛からずに車を持てるという若者を増やして、車市場をもう少し活性化させる。

何でこういうことをやっているかというと、損保にとっては自動運転の世界になったら事故が減るので、損保業界としては非常に大きな、自分たちの飯の種が少なくなっていく中で、車を使う新しい利用の仕方を開拓したいという思いと、DeNAとしては、こういったマッチングシステムのデータというのが欲しい。データを使っていろいろな分析をしたいということもあって、普通の経済合理性からいくと、0円で車が持てるというのはよく分からないですけれども、新しいサービスとして、これは永遠に続くかというと、恐らくキャンペーン的に何年か限定という形にはなると思うのですけれども、そういう仕組みでやっているとは聞いています。

○高委員長 よろしいですか。

○蟹瀬委員 分かりましたか。

○高委員長 分かりましたけれども、データを集めることは。

○蟹瀬委員 石原さんがオーナーになったときにどうなるのか、例えばで詳しく言っていただいて良いですか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター 例えば、私も今、正に子供がいて、車があったら便利だなと思うものの、普通、200から300万では車のためにお金を払い、それで月3万円のうちのマンションについている駐車上を借りるかというと、年間で税金とかも含めると相当なコストが掛かるので、私は現時点では持っていないです。

これをやると、まず、駐車乗代を毎月、DeNA SOMPO Mobilityが負担をしてくれます。車も現物を実際に持ってきてくれて、別にレンタカーナンバーとかではなくて普通の乗用車を持ってきて、置いてくれます。鍵も渡してくれて、そこに共同運航使用者という形で私が登録をされて、ただ、所有権は会社が持っている状態で、事実上使える状態です。それは条件としては、このAnycaというサービスに登録をすることで、ここに書いてある2段落目で、提供する車種はBMW、メルセデスベンツ、レクサスなど、Anycaでも人気が高い会社を含む13車種ということで、結構高い高級車が提供されるのです。これは何でかというと、このAnycaの中で借りられるラインナップというのをデータで持っていて、高い、良いベンツのGクラスとか、普通に買うと1,000万ぐらいするものが、Anyca上だと大体1日1万5000円とかで借りられるのです。そうすると、普通に持っている方で1万5000円で貸している方もいますけれども、恐らくDeNA SOMPO Mobilityの0円マイカーでやっている人は多少それより安く、金額とかも多分会社から指示されると思うのですけれども、1万2000円とかで貸し出している状況にすると、結構な頻度で、月曜日と水曜日と金曜日が、Anyca上で予約が入りましたというのがアプリとかで連絡が来るわけです。そうすると、自宅の駐車場に待機をしていて、何時に待ち合わせましょうみたいな形で待ち合わせをして、そこに来てもらって鍵を渡して、本人確認で免許証の確認とかをするのですけれども、それをして、お貸しをして、駐車場から乗っていってもらい、1日乗ってもらって、朝8時に貸して、私は会社に行きますと。会社から帰ってきて、夜7時にまた車を戻していただいて、鍵を受け取って、傷があるかないかを確認して、アプリ上で利用が完了しましたという、レンタカー会社の社員のような形の受付業務みたいなのをやることになるので、本来であれば、自分が持っている車であれば、1日貸せば1万5000円みたいなところは、自分の収入というか、それをもって駐車場代とかに充てるのですけれども、そこの1日1万3000円とかいう利用していただいた分のお金も、DeNA SOMPO Mobilityに入る。つまり、自分の利益にはならないのだけれども、0円マイカーという便益を享受して、その代わりに自分の受付業務とかの対価というものは入ってこないというビジネスです。

分かりますか。

○蟹瀬委員 それでは、自分はただで使えるのですか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター そうです。ですから、予約が入っていない日は当然自分の車のように、鍵も持っていますし、自分の駐車場に置いてあるので、自分で使える。ただ、予約が入ったときはそれに対応してくださいというビジネスです。

○蟹瀬委員 ガソリン代は。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター ガソリン代とかも当然、自分で乗っている分は自分で払います。ただ、Anycaを貸し出したときは満タンにして返すという約束になっているので、借りた人が返すときに一回自分でガソリンスタンドに行って、満タンにしてから駐車場に戻すという形ですね。

○高委員長 なるほど。よくそこまで考えますね。

多分データを集めることが主目的なのでしょうね。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター そうです。DeNAとしては、恐らくもうデータですね。損保も最終的にはデータが欲しいのだと思うのですけれども、まず、表向きとしては、損保会社自体のビジネスがシュリンクする中で、新たなビジネスを生み出して、新しい収益源みたいなところにしたいというところも考えてはいるようです。

○高委員長 他にございますでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。御説明ありがとうございました。

私たちが問題意識として持っていた販売預託商法というのは、商品を販売し、預かって運用して、利益を提供しますというもの。まず、それ自体がスキームとして流れていくのであれば、それは社会的に一つ意味のあることかもしれないのですが、過去の大きな問題になっているのが、気がついたら販売、預託、運用と言っている商品がないのに、あるかのようにずっとやっている。最初からないわけではないのかもしれませんが、水増しして、結局ない状態で、気がついたときには自転車操業どころか空回りをして、ただ、新しい人のお金を前の人に渡すから破綻に気づかれない。それが深刻な被害になる。しかも、毎月利益配当していけば、既存の契約者は実態が分からない。こういうことにつながりますので、現物まがい商法につながっていく危険のあるものと、そうではないものでどう線引きができるかというところに問題意識がございます。

基本として、もともと自分が持っていた、もちろん、その物もどこかで買ったのであろうと思うのですが、預託取引をやりますという人から買って、それを預かるというところで、現物まがい商法に流れていくリスクがあるわけですから、もともとどこかで、この取引とは無関係に調達したものを預けるなら全く問題がないと思います。

その辺りで見たときに、この全体の業界の中でどのくらいの割合、何パーセントとは出ないにしても線引きがどの辺りにしかれるのか。1割、2割なのか、あるいはほとんどないのか、半分ぐらいあるのかという点が1点です。

それから、いろいろ聞いてみると、例えば車でもキャンピングカーだとか、もともと使用頻度の高くないものを買ってください、それをカーシェアリングのようなシステムにすれば、あなたも時々使えるし、それ以外の人も使えますというふうに、販売預託となるものもあることはあるようです。

ただ、車とか部屋とかというのは登記登録制度があるので、そういうものは現物まがいで、存在しないのにあることにするというのは、制度上そんなに心配がないかなと思うのです。

その意味で、先ほど第1の質問の、運営事業者自ら、あるいは、その関連会社から売って預かるというスタイルのものが、今の見ておられる範囲でどのぐらいあるかというのと、その中で、登記とか登録によってチェックできるものと、そうではない、本当の動産類で販売して預かって運用というのがどのくらいあるのだろうか。もしその辺りが分かれば教えていただきたいのです。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター ありがとうございます。

私も問題意識としては非常に認識は、正に池本先生がおっしゃったとおりの認識はしているのですけれども、シェアエコ業界で何パーセントぐらい預託ビジネスに近いものがあるかというと、私の肌感覚で恐縮ですけれども、現時点では本当に1%もない、多分ゼロではないかと思っています。

ただ、先ほど申し上げたとおり、正にキャンピングカーの事例とかもそうですけれども、私も関与している会社でもそういう、現物をしっかり投資商品として仕上げて、それはキャンピングカーというよりはトレーラーハウスなのですけれども、トレーラーハウスをしっかり内装とかをちゃんとして、旅館業法の許可を取り、富士山の麓とかに置いて、旅館として営業しますという形のビジネスで、ただ、オーナーとして出資を募って、ちゃんとお返しをしていくみたいなビジネスをやろうとしている会社もあったりして、そういう会社が、普通に金商法に係るのであれば金商法を当然やらなければいけないですけれども、できれば金商法には係りたくないということで、何らかの形で資金調達をしなければという話になるのです。

そのときに一番候補に挙がるのはクラウドファンディングとかなので、先ほど申し上げたとおり、クラウドファンディングでお金を集めて、投資商品をまず購入して、そのリターンとして、何らかの形で権利を、お金になればそれは投資型のクラウドファンディングということになるとは思うのですけれども、今後何らかの形でそういうビジネスが生まれてくる可能性もゼロではないかなということで、先ほど御説明したとおりです。

おっしゃるとおり、登録制度、登記制度があるものについては、何か現物がない中での問題となったような預託ビジネスというのは起こりづらいとは思うのですが、先ほど具体的な事例としてお示ししたAlice.styleとか、本当に数万円レベルのトースターで、バルミューダのトースターとか、7万円ぐらいする炊飯器とか、正にこの辺りは登記も何もない普通の動産です。ただ、これは現物がないと成り立たないビジネスなので、直接的には全然関係ないとは思うのですけれども、これも何か転用して、こういうビジネスだという形でどこかから買ったものを貸し出すみたいな、そうすると、実は投資商品としてももうかるのではないかみたいなビジネスが今後生まれてくるとも限らないとは考えています。

具体的に何かそういう話を聞いたかというと、別に聞いたわけではないのですけれども、私が関与しているSPACEMARKETとかでもそうですが、民泊が何であんなにはやったかというと、民泊もかなり投資としての色が強かったというところもあって、わざわざ不動産を借りて、民泊用に仕立てて運用すると、普通の賃貸マンションで出すよりも3倍ぐらいもうかるみたいなところで投資のお金が入ってきたというのもあって、シェアリングエコノミーというのは、先ほど申し上げたとおり発想は全然別なのですけれども、悪用というか、投資用に仕立てようと思えば結構できてしまうところもあるので、先ほどのAlice.styleだけではなく、代表的なものというか、全然有名ではないのですけれども、貴金属でいうと時計のシェアとか、レンタルに近いですけれども、100万、200万する時計は自分で買うほどではないけれども、先ほどのブランドバッグみたいな思考で、月々1万円ぐらい払えば有名な時計が付けられるみたいなビジネスもあったりするので、その辺りが何か投資に流れると、預託ビジネス的なところになっていく可能性もあるのではないか。

ここは我々としても全然、将来が見通せているわけでもないですし、具体的に話を聞いているわけではないので、何か中途半端な想像になってしまって恐縮なのですけれども、実際の事例としては現状はゼロで、今後出てくる可能性はゼロではないですけれども、余りビジネスモデル的に割の良い話ではないので、すぐ何か新しいビジネスとして、そういう預託ビジネス的なところが出てきて、消費者の方々に被害が及ぶようなビジネスがあるかというと、ここ数年レベルでは多分ないのではないかなと思っています。

○高委員長 ありがとうございました。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 御説明ありがとうございます。

将来、新しいビジネスモデルが出てくるかもしれないという前提で、預託法が制定される際にかなりの条件を付けて法律を作ったわけなのですけれども、その後、何十年とたって、そういうビジネスが出ているかというと、それはないというのが現状です。

時代が変わり、またこれから先は分からないという状況で、もしかしたら可能性があるかもしれないというお話を、なるほどと思いながら伺っていました。しかし、販売預託をすること自体、禁止をするわけではないわけなのです。規制ということになるのではないかと思うのですけれども、規制をされること自体が困るとか、このぐらいは良いとか、その辺りのことはありますか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター ありがとうございます。

我々に一切枠をはめるなとかラディカルな団体でもないので、あるべき姿をちゃんとみんなで作っていこうという団体でもあるので、規制されること自体は全然反対ではありません。

ただ、結局許可制だったり、認可みたいなものになってしまうと、先ほど冒頭でも説明したとおり、我々は基本的にベンチャー、いわゆるスタートアップといわれる、CEOとCTOの2人でやっている会社とか、そういう本当の中小も中小で、非常に零細な企業が集まっているところもあります。そういうところばかりではないのですけれども、普通に東証マザーズに上場している会社もあるのですけれども、そういう小さい企業のことを考えると、基本的に認可とかそういうハードルの高いものにすると、ある意味、参入障壁になると思いますし、金融系のサービスなどでいうと、資金移動業とかいろいろな登録がありますけれども、あの辺りに今、シェアリングエコノミーのビジネスモデルを全部当てはめようとしたら、恐らく半分ぐらいはもう廃業せざるを得ないみたいな形になります。

仮に中の規制をするのであれば、7ページ目、本日お伝えしたいことというところの最後で書かせていただいていますけれども、その届出制のような形で、スモールな形でまずは規制を進めていただくというのが、まず、我々としてはリーズナブルではないかと考えていますし、そこに届出制度だとしても、毎年の取引の件数とか、実際に物があるかどうかの棚卸しとか、そういう普通にビジネスとしてやっている範囲でのビジネスの報告みたいなことであれば、スタートアップだとしても、それは当然企業としてやるべきということだと思うのですけれども、何か独自の、金融庁に報告するための報告書が紙で何枚も作らなければいけないとか、何かそういう独自の報告ということになってしまうと、それはそれでスタートアップを阻害してしまうことになるので、そういう独自の報告義務自体は課さずに、経産省含めて、そもそもとんずらしてしまう会社とかを防止するという意味では、ちゃんと代表者が替わったら連絡しろとか、決算書を出させるとか、この預託ビジネスでいうと、現物があるかどうかというところも大事なところだと思うので、年に1回、どこの省庁か分かりませんけれども立入検査をさせてもらうとか、ビジネス側としては一定程度、少し負担になったとしても、できる限りリーズナブルなものにするべきとは考えています。

○高委員長 ありがとうございます。

それは業界としてもそういった考え方でいらっしゃると理解してよろしいですか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター そうですね。業界全部の会社にヒアリングしたわけではないのですけれども、うちの理事を含めた事務局側の考えとしてはそういう考えで問題ないと思っています。

○高委員長 先ほどから説明を聞いておりますと、いろいろなスキームがあるのですけれども、いずれも投資用に仕立てることはできると。例えば、先ほどのAnycaですが、仮に扱うものを車ではなく、何か別のもの(登録制度のないもの)としましょう。こういうスキームであれば、普通の会社だったら、恐らく銀行から借入れして、そのお金でもって車(扱うもの)をそろえて、それで無料でオーナーになってもらうのでしょうけれども、投資用に仕立てることができる、というわけですね。つまり、銀行からの借入れではなくて、車(扱うもの)のオーナーになりませんかと言って呼び掛け、それで車(扱うもの)をそろえて、他の人に貸しますということをやれば、実際に物があって動いていれば問題はないのでしょうけれども、このスキームを使って、物がない形で、ビジネスをやることも出来てしまいますね。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター それはそうですね。

○高委員長 そういう意味では、ある程度リーズナブルな規制であれば、むしろ業界の発展のために歓迎だというぐらいに考えて良いでしょうか。もちろん「歓迎」とは言わないでしょうが。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター 歓迎というのはあれですけれども、ただ、ジャパンライフとかの問題が起きているのは事実ですし、我々としても、別に何かそこで届出制を課したからといって、ビジネスが一気に阻害されるかというと、そこまでではないと思うので、それが省庁の許可を得ないとできないとか、そういう話になるとtoo muchな感じはしますけれども、なかなか想像で言うのも恐縮なのですが、現状ない中での届出制とかであれば、別に我々としては、それはそれで良いのではないかとは考えています。

○高委員長 ありがとうございます。

他はございますでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 会員団体は全て認証制度のSをもらっているというわけではないということですか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター はい。今、全社に取らせようとはしていますけれども、始まってちょうど2年ぐらいたったのですが、現状、理事企業の中心メンバーには当然全部取ってもらった上で、今は20サービスちょっとです。そのシェアリングエコノミーの認証制度も、実はうちの会員は、先ほど290あって、シェアに関するものが200と言いましたけれども、その中で、いわゆるB to Cのような、レンタカーみたいな形で、企業がリソースを持ってレンタルをするようなビジネスと、あとはC to Cといわれるスペースマーケットとか、先ほどの軒先PARKINGとか、正に個人が持っている遊休資産を個人に貸すみたいなもので切り分けをしていて、認証制度は、個人が個人に貸す、C to Cといわれるビジネスモデルを対象にしているので、現状、協会内で取ろうと思えばとれるサービスという意味だと100個ちょっとある中で、2割弱が今、認証されている状態です。

ただ、これが物すごく厳しい認証基準をクリアしないと取れないかというと、我々としては、まずは取ってもらった上でマネジメントシステム、PDCAを回していただいて、ビジネスモデルの変化の早い時代にちゃんと他社事例とかヒヤリ・ハット事例も含めて共有をしていって、業界全体で底上げしていこうという制度として我々は運用しているので、当然、違法なものを認証するわけにはいかないのでその辺りは全部チェックはするのですけれども、しっかりコミットしていただいて、取ろうとすれば全社取れるような形では、事務局としてもサポートはしますし、何かNGだったら門前払いをするというよりは、一度認証は留保した上で、こういう条件付けて、これでやってくれれば認証しますみたいな形で後押しをしているというのが現状です。

今年か来年中には50サービス、半分ぐらいを認証して、再来年、4年後ぐらいには全社が取っているみたいなところを今、ロードマップとしては引いているところです。

○大森委員 そうしたら、例えば決算書を上げるぐらいの簡単な届出制度みたいなものを導入しましょうとなった場合、会員の方はすぐにやっていただけるのでしょうか。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター それはやれるとは思います。

普通にやってくださいと言えば、当然それをやってくれるとは思います。

○大森委員 そうしたら、まずは認証制度を採っているところが一番信頼性があって、その後はここの会員であるかどうかを見て、届出とかがないところでは用心しないといけない。そういう判断になっていって大丈夫ですね。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター そうですね。預託ビジネスの会社がうちの協会に入るかどうかはよく分からないのですけれども、かつ、それがC to Cモデルのマッチングかというとあれなので、なかなか認証とかを付けてうまくやれるかというと、私も具体例がないので分からないですけれども、仮にシェアリングエコノミーのビジネスモデルに合致して、うちの協会にも入っていただいて、認証を取っていればそういう段階としては形になるかなと思います。

○大森委員 きっとシェアリングエコノミーなどで、これは良いビジネスだと思うと、悪いやからがまねをして、同じようなことでもうかるのですということで始まると思うので、そのときにちゃんと届出をしているかとかいうのが一つのチェックポイントになるかなと思います。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター それは本当におっしゃるとおりだと思います。

○高委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 大森委員のおっしゃったことを、ちょっと違う視点から申し上げますと、省庁に届出制というものを作らせるのは、今の時点では人が足りないとか、いろいろな問題がありますね。

協会で届出を受けるというのを代行することはできないのですか。つまり、私などが思うに、届出は認証制と違いますので、とにかく届けなさいと。そして、決算も全部見せてくださいと。協会でも良いのですけれども、そういうのをやっていただいて、届出をした方々に積極的に認証を受けませんかと、非常に経営状態も良いし、ちゃんとしているから認証しますというような、権威のある認証制度にしていただかないと意味がないと思うんですね。

これからは官民一体になってやるとするなら、ただ届出制をやっているから大丈夫だよ、お国が認めているよというのが実は一番危なくて、逆手に取られる可能性もあるので、大事なことは、届出制というものを協会で率先してやっていただくというのが今後できないのか。そうすると、認証制が強く意味を持ってくると思うのですけれども、協会自体がまだ余り知られていないのと、それほどの力がまだないので、認証というものがどのぐらい安全かという意味では、ある意味で官民一体になって、何らかのことを一緒にやるというのができれば良いなと思うのです。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター ありがとうございます。

私の一存で何も決められないのであれなのですけれども、私個人としてはそういうモデルは非常に面白いですし、興味深いので、是非前向きにというか、業界団体としてはそういうものはあるべきだと思っていますので考えたいとは思うのですが、現状、リソースの面を含めて、役所の皆さんでやれないことが、このベンチャー業界団体でやれるかというと、なかなか厳しいかなとは思っているので、今、いろいろな省庁だったりとか、いろいろな自治体とも連携させていただく中で、組織、リソースが足りないねという話にはなっているので、省庁とか、いろいろな自治体から出向者を受け入れようかとか、いろいろな考えを今、やっているのですけれども、そういう中で人的リソースに余裕が出てきて、正にこういう届出制みたいなものが、省庁がやるよりは業界団体がやっていくというものが方向制としては必要だということになれば、当然そこはやっていくというのは、認証の話も含めて、おっしゃるとおり、権威付けにしていかなければいけないところは我々は分かってはいる中で、現状なかなか知名度もない中でどうやっていくかというのを含めて、届出制というのを協会が受け付けるみたいな話は、やろうと思えば、リソースさえあればできるかなと。

ただ、認証の中で一つ、それこそ議論になったのは、当然ビジネスモデル自体の健全性とか安定性みたいなところを認証要件にするかしないかみたいなところは議論になったのですけれども、決算書さえ見れば財務状況が分かるかというと、分からないといえば分からない。本当に通帳を見せろと言えるのかというと、なかなか通帳は見せてくれない中で、どうやって財務の健全性を見るのだというと、認証する側としても、結局見たところで片手落ちになるのであれば、その辺りの財務の健全性は見ないという形で今、認証していますので、その届出制を仮にやって、我々が決算書を受け付けたところで、何かスクリーニングできるかというと、ちょっと厳しい気もしますけれども、おっしゃるとおり、それが役所がやったからといって何か違うのかというと、そこは難しいと思いますので、何か新しい官民連携の形で、官、民、あとは業界団体という3者が一体となって、うまくこういう規制モデルというか、悪いことをしようとする人たちが入ってこないようにどうアーキテクチャを組んでいくかというところの連携というのは、我々としても今後やっていきたいとは思っています。

○高委員長 どうぞ。

○蟹瀬委員 前向きに検討していただければと思います。

一つ、今の売上についての検証がしにくいという点なのですが、日本ショッピングセンター協会というものがありまして、3,000ぐらいのショッピングセンターがある中の1,000ぐらい入っていますが、そこで2年間に1回、時代を動かした館に賞をあげるのですが、そのときに必ず、条件の中に売上というものが入ってくるのです。今、ESも入ってきます。

ビジネスをやる以上は、小さかろうが大きかろうが、新しいビジネスであるということと、経営母体の安全性というものを見ていかなくては、それこそ今、預託の問題になっているものがいっぱい起こってくるわけです。そこに問題があるわけです。お金がないから問題が起こってくるわけですので、是非その辺りのところは、シェアリングエコノミーの方が、PLをBSが分かる、分からないかに関わらず、ちゃんと出していただいたものを見て、ちゃんと経営的に回っているかどうかというのを認証していただきたいのです。そうでないと、協会に認証されているから、この会社は大丈夫と消費者が入っていって、実は何もなかったですみたいなことになると、何のための認証か分からなくなります。ですので、ビジネスをやっている以上は、経営状態もきちんと押さえた上でお願いできれば良いかと思います。

○シェアリングエコノミー協会事務局石原シェアリングエコノミー認証制度統括ディレクター 御意見としてはちゃんと承って、検討させていただきます。ありがとうございます。

○高委員長 ありがとうございました。

他はよろしいですか。

今日はいろいろと説明をいただきまして、ありがとうございました。

いくつか確認させていただきたいのですけれども、まず、1点目でございます。今日の説明によりますと、現在行われているシェアリングエコノミーのビジネスというのは、基本的には遊休資産の有効活用であって、ジャパンライフで見られたような、販売と預託がセットになっているような取引とは違うということですね。ここは最初に明確にしていただいたと思っております。

一方で、これは2番目になりますけれども、様々な新しいビジネスモデルが出てくる可能性があって、今後シェアリングエコノミーの枠に収まらない新たなビジネスが出てくることがあり得ると。

御説明の中で、投資用のものとして、仕立てることができるとおっしゃいました。この場合、当然健全な事業者の方もいらっしゃるでしょうけれども、それができるというとは、逆に言えば問題のある事業所が出てくるリスクもあるということだと思います。

そのような中で、できるだけ健全な事業者が報われるような仕組みを、こちらも作っていきたいですし、当然協会としてもそちらの方向に持っていきたいとお考えかと思いますので、私どもとしては、今、考えている規制を行う場合には、シェアリングエコノミービジネスの拡大を後押ししていかなければいけない。それから、新たなビジネスの創出も念頭に置いておかなければいけない。

これを行う場合には、リーズナブルというお言葉をいただきましたけれども、余り過度に阻害しないようなビジネスを、バランスの取れた仕組みでいくのが望ましいということですね。そういう意味で、認証制度というのは、バランスの取れた方法かと感じました。

これからまだかなりの時間が掛かると思います。ISOの規格にするには相当時間が掛かるのですけれども、そこまで持っていくことができれば、シェアエコに対する信頼性も高まってくると感じました。

当委員会としては、これまでの調査・審議の結果の上に、本日の意見交換で参考にできるものは取り入れて、引き続き悪質な預託商法に対する規制の在り方についての議論を深めていきたいと思っております。

石原様におかれましては、お忙しいところを審議に御協力いただき、また、最近の動き、具体的な取組についても御紹介いただきましてありがとうございました。心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。

それでは、どうぞ御退席ください。

(石原様退席)

≪3.その他≫

○高委員長 続きまして、その他としまして、消費者委員会に寄せられました意見等の概況について、事務局より御報告いただきたく思います。

○金子参事官 それでは、参考資料1と書いてございますA3横の資料を御覧いただければと思います。

今回御報告いたしますのは、今年の4月1日から6月30日までの3カ月間に寄せられたものということで、1ページの頭のところに書いてございますように、他省庁等に宛てたものを消費者委員会に対して参考で送付されたものを含めてということでございますが、合計で28件ございました。順次、その内訳の概略を御説明させていただきます。

まず、1ページ目でございますけれども、取引・契約関係のものが12件ということで、そのほかが経産省の産業構造審議会の割賦販売小委員会の下で今、検討されている、例えば、与信を与えるときに、支払可能見込額調査に替えて、ビッグデータ等の新たな技術データを活用した与信審査に替えることにすることを認めたり、あるいは、利用限度額10万円以下の少額のものについては、指定信用情報機関への与信情報の登録義務を免除したりといったことを現在検討されていますけれども、そういったことがクレジットの過剰与信につながらないかといった懸念のものが大半ということでございます。

それ以外のものとしては、4ページ目の一番上でございますけれども、預託商法に関して、法制度の見直しを認めるものも1件ございました。

続きまして、食品表示の関係のものとして、4ページ目の中ほどからでございますけれども6件ございまして、特定保健用食品の有効活用に関するもの、遺伝子組換え表示に関して十分な準備等を行うべきであるというもの。そして5ページ目以降、当委員会の食品表示部会でも議論いたしましたけれども、ゲノム編集技術を応用した食品について、表示義務をすべきではないかといった御意見が寄せられているということです。

6ページ目の真ん中より少し下のところでございますけれども、公益通報者保護制度に関するものが1件。その下、薬品の安全に関するものですけれども1件ございました。

7ページ目から、その他として8件ございますけれども、食品ロスの削減に関するもので、9月に消費者庁が予定している国際会合に関するもの。それと、消費者庁と当委員会や創設10年に当たるということで、消費者行政の一層の充実・強化を求めるもの。それと、当委員会でも議論しました消費者庁の消費者行政新未来創造オフィスの在り方に関するものが複数件寄せられております。

最後、9ページ目ですけれども、いわゆるFIT制度、バイオマスの液体燃料の対象範囲を広げるかどうかの是非に関する意見も1件寄せられているということでございます。

以上でございます。

○高委員長 ありがとうございます。

今、事務局より御紹介いただきましたけれども、何か御意見、コメントはございますでしょうか。

どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。1ページ、2ページ、3ページ目辺りにクレジット過剰与信規制の緩和に反対する意見が各地の弁護士会からたくさん出ております。これは2008年の割賦販売法改正で、特に当時、多重債務防止の観点で信用情報機関をきちんと利用して、クレジット過剰与信、次々販売などを通じて過剰与信になっていくということをチェックすべきだということで導入されたところが、AIビッグデータで分析し与信判断をすれば、必ずしも他社の信用情報を見なくても良いではないかという形の議論が今、経済産業省で進んでおりまして、それについて、特に多重債務問題でずっと取り組んでいる弁護士会などで非常に危惧している意見がたくさん出ています。

影響の広がりの大きい問題になるだろうと思うので、この委員会でも注視していく必要があるのではないかと考えます。

その点だけです。

○高委員長 ありがとうございました。

他はございますでしょうか。よろしいですか。

過剰与信の問題については、本委員会でもヒアリングを行っておりますので、どこかのタイミングで委員会としての考え方等も、まとめることができれば進めていきたいと思います。

他にないようであれば、以上で終了させていただきます。


≪4.閉会≫

○高委員長 本日の議題は以上となります。

最後に事務局より、今後の予定について御説明をお願いいたします。

○金子参事官 次回の本会議でございますけれども、8月1日木曜日の14時からを予定しております。詳細につきましては、委員会のホームページを御参照いただければと思います。

以上でございます。

○高委員長 ありがとうございました。本日はこれにて閉会とさせていただきます。

御出席ありがとうございました。

(以上)