第71回 消費者委員会 議事録

日時

2011年10月18日(火)14:00~16:53

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、小幡委員、夏目委員、
 細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
 消費者庁  畑野取引対策課長
 厚生労働省  健康局生活衛生課担当者
 経済産業省  中内商務情報政策局サービス政策課サービス産業室長 他
藤本商務情報政策局ヘルスケア産業課長
 消費者庁  坂田消費者安全課長、金児消費者安全課企画官
 国土交通省  井﨑住宅局総合整備課賃貸住宅対策官、橋本住宅局住宅生産課長
今村住宅局建築指導課企画専門官
 観光庁  鶴田観光産業課長
【事務局】
 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.貴金属等の訪問買取りについて
○説明者: 消費者庁  畑野取引対策課長
3.消費者基本計画の検証・評価・監視について
○説明者: 厚生労働省  健康局生活衛生課担当者
経済産業省  中内商務情報政策局サービス政策課サービス産業室長 他
藤本商務情報政策局ヘルスケア産業課長
消費者庁  坂田消費者安全課長
金児消費者安全課企画官 他
国土交通省  井﨑住宅局住宅総合整備課賃貸住宅対策官
橋本住宅局住宅生産課長
今村住宅局建築指導課企画専門官
観光庁  鶴田観光産業課長
4.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 貴金属等の訪問買取り関連資料(消費者庁提出資料) 【資料2】 消費者基本計画の検証・評価・監視にかかるヒアリング対象施策及びヒアリング項目について 【資料3】 消費者基本計画(施策番号39)関連資料(厚生労働省提出資料)(PDF形式:498KB)
【資料4】 消費者基本計画(施策番号40)関連資料(経済産業省提出資料)(PDF形式:33KB)
【資料5】 消費者基本計画(施策番号4)関連資料(消費者庁提出資料) 【資料6】 消費者基本計画(施策番号13-2, 13-2-2)関連資料(消費者庁提出資料)(PDF形式:240KB)
【資料7】 消費者基本計画(施策番号54)関連資料(国土交通省提出資料) 【資料8】 消費者基本計画(施策番号149)関連資料(国土交通省提出資料)(PDF形式:821KB)
【資料9】 消費者基本計画(施策番号59)関連資料(観光庁提出資料)(PDF形式:41KB)
【参考資料1】 委員間打合せ概要(PDF形式:9KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。
本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから第71回「消費者委員会」を開催いたします。
なお、本日は、所用によりまして、稲継委員、川戸委員、田島委員が御欠席となっております。また、本日は、審議の関係で、16時30分ごろの終了を予定しておりますので、お伝えいたします。
最初に配付資料の確認につきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。

○原事務局長 事務局です。消費者委員会第71回の議事次第と書いた紙の裏に配付資料の一覧を掲載しておりますが、資料1といたしまして「貴金属等の訪問買取り関連資料」ということで、消費者庁から御提出いただいた資料、クリップでとめております。
資料2といたしまして、消費者基本計画の検証・評価・監視にかかるヒアリング対象施策として、本日、予定をしております施策番号39、40、4、13-2、13-2-2、54、149、59について、こういった施策について今日ヒアリングを行いたいと思っております。
それから、資料3以降は、それに関連いたしまして、厚生労働省、経済産業省、消費者庁、国土交通省、観光庁から提出していただいた資料で、資料の3から資料の9まで準備をしております。
それから、最後に参考資料の1といたしまして、10月6日に委員間打ち合わせを行っておりますので、主な打ち合わせの内容について記載をしたものを参考資料としてお配りをしております。
資料としては、準備いたしましたのは、そういったもので、審議の途中で不備なものがございましたら、事務局までお申し出いただけたらと思います。
それでは、委員長、どうぞ、よろしくお願いいたします。

≪2.貴金属等の訪問買取りについて≫

○河上委員長 それでは、盛りだくさんなものですから、早速入りたいと思います。
初めに、貴金属の訪問買取りについてです。最近増加しております、貴金属の訪問買取りに関するトラブルに関しまして、実態の把握、分析、そして解決のための規制の在り方を検討するために、消費者庁では、今年の7月から研究会をこれまで開催して、現在、法的措置についての案を作成の上、パブリックコメントにかけるという段階にあると伺っております。
この貴金属等の訪問買取りにかかるトラブルに対する法的措置という案は、特定商取引法の改正も視野に入れた内容となっていると伺っておりまして、消費者委員会におきましても、前回の委員会において、大阪弁護士会の方から、特定商取引法改正に関する御提言をいただき、そのヒアリングを行ったという経緯もございます。
本日は、消費者庁においでいただいておりますので、そちらの研究会の検討状況についてヒアリングを行った上で議論を若干させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、説明をお願いいたします。

○消費者庁畑野取引対策課長 委員の皆様方におかれましては、初めまして、よろしくお願いいたします。消費者庁の取引対策課で特定商取引法の担当をしております、私、畑野と申します。よろしくお願いいたします。では、座ったままで御説明をさせていただきます。
いただいたお時間の中で簡潔にお話をさせていただきたいと思いますけれども、説明の中で使う資料でございますが、恐らくA3でポンチ絵風に貴金属等の訪問買取りにかかるトラブルに対する法的な措置ということで、この概要資料1-1がございます。
それから、今、委員長の方からお話をいただきました法的措置の案でございますけれども、資料1-2「貴金属等の訪問買取りにかかるトラブルに対する法的措置について(案)」ということで、昨月の年月の入りました消費者庁クレジットのペーパーがございます。この2つを利用しながらお話をさせていただきたいと思っております。
まず、本件につきまして、検討の経緯でございますけれども、これは第1次消費者委員会の体制のときに何回か御議論があったやに聞いておりますけれども、昨年の12月に国民生活センターさんの方でかなり詳細かつ内容のあるレポートで、この貴金属等の訪問買取りについてのトラブルが急増しているといったようなお話を提言していただきました。
その提言を更に受ける形と言ってよろしいかと思いますけれども、このポンチ絵風の資料1-1の冒頭にございますように、3月に、いわゆる行政刷新会議の方でも、これについて議論しようということで取り上げられまして、翌月の閣議決定の中で貴金属等の買取り業者による強引な訪問買取り、これについては、法的な措置も含めて消費者庁を中心にして検討しろと、こういったような閣議決定がされたわけでございます。
それを受けまして、若干の準備の期間をいただきました後に、委員長の方から御紹介いただきましたとおりでございまして、本年の7月から消費者庁長官の私的の研究会という位置づけで研究会を発足させていただきまして、現在のところ4回、具体的にどういったトラブルがあるのか、それに向けては、どういう処方箋が必要なのかということを中心にして議論をいただいていると、こういうことでございます。
幾つか訪問買取りにつきましてのトラブル、数字も含めまして簡単に御紹介させていただきたいと思います。
まず、同じ資料1-1、このポンチ絵風の資料の中で御説明ができますのは、このトラブルが急増しているという点でございます。真ん中のところの左側に相談件数、国民生活センターのPIOの件数が載っております。
平成21年度137件、22年度が2,367件、まさに1年間で100件程度のトラブルだったのが、1か月で100件程度のトラブルになっているということで、22年度、恐るべき勢いでこのトラブルが増えている傾向が見られるということでございます。
今年度におきましても、上半期で既に1,700件ということでございますから、単純に倍にすると、約3,500件ということで、昨年度を上回る見込み。
具体的にどういうトラブルなのか、事例の1、事例の2、これは冒頭申し上げました国民生活センターさんの方で昨年の12月に発表された資料の抜粋でございます。
着物の買取りということで電話を受けて買い取り業者が自宅を訪問してきたと。ところが、着物ではなくて貴金属はないかという形で強引な買取りにあったといったような例。
事例の2でございますけれども、一度売り渡しをしたんだけれども、後で考え直してそれを取り戻したいとうふうに思った消費者の方が業者に連絡をしたところ、解約は受付けられない、その旨については、きちんと書面にも書いてあると、こういったようなことを言われて、その取り戻しに失敗をしてしまったと、こういったような例が見えるところでございます。
ここで、レポートの方を少しごらんいただきたいと思うわけでございますけれども、このような国民生活センターさんの事例なども踏まえながら、レポートの4ページ以降でございますけれども、この夏を中心にして、私どもの課のスタッフの方で、より詳細なPIOの分析をしてみろということで、幾つかのデータを拾い上げました。
まず、4ページのところをポイントだけ拾って申し上げますと、俗に貴金属等の訪問買取りというふうに言われているけれども、本当に貴金属だけなのかといったところをもう一回調べてみました。やはり貴金属が多いということでございます。
今の例のように、衣類、要するに着物で釣って、本命は貴金属と、ちょっと言葉があれで恐縮ですけれども、そういったようなものもございますので、PIO相談カードの中には、衣類といったようなものもあったということなんでございますけれども、どうやら本命は貴金属、それに当面はターゲットを絞ってよさそうだということでございます。
ちなみに貴金属でございますけれども、国民生活センターさんの方では、4ページの下の表にございますように、例えば宝飾品であるとか、眼鏡、時計、金歯、金貨、それから古銭、金杯、銀食器、こういったようなものを一応貴金属というくくりの中でとらえているということでございますが、今、貴金属の方でトラブルがあるということでございます。
1枚めくっていただきます。今、委員長の方から冒頭に御紹介がございましたように、特定商取引法で訪問販売という商売の類型については、さまざまな規制があるということでございますから、当然、そういったものを念頭に置いて、どういったようなトラブルがあるのかといったようなことを探るのが、この問題を見るには、一番よろしいのではないかということで、PIOの相談件数約2,500件くらいのものを全部めくってみました。
例えば、その中で事業者名のところを見ていただきますと、PIOの相談カードから事業所名は名乗ったと伺えているのが、約2,500件中の300件弱と、言わなかったというふうにはっきりと消費者の方が記憶しているといったようなものが約1,000件、不明示というのが言わなかったということです。
それから、不明の1,062件、これは言ったか、言わなかったか、よく記憶がありませんというものでございます。言ったか、言わなかったかよくわからない、ないしは言った覚えがないといったようなものを加えますと、1,062足す1,165、約2,300件程度だということで、少し広めに取れば、約75%の事業者は、自分の名前を名乗らずに勧誘に入ったと、こういったようにこの表は見ていただければと思います。
同様に勧誘目的を告げたかどうか、商品の名前を言ったかどうか、こういったことについても、そこに書いてあるような数字、少なからぬトラブルがあるといったようなことが分析の結果、わかってきたわけでございます。
以下、6ページのところで、もう少しトラブルの中身、それは当然、その訪問販売におけますところの再勧誘を念頭に置きながら、どういったようなトラブルが見られるのか、同様に迷惑な行為、威迫するような行為、そういったような頭を持ちながらPIOの分析を進めていた結果、ここに書いてあるような数字が浮かび上がってきたということでありまして、やはり訪問買取りというような世界においても、訪問販売と同様のトラブル、これが現に発生しているのではないかというところまで実態分析でわかってきたわけでございます。
しからばというところでございますけれども、大変恐縮でございますけれども、またポンチ絵の方に戻っていただきまして、言わずもがなでございますが、今、こうしたようなトラブルについて、直接アクセスできる法律があるかということでございますけれども、全くないというわけではありませんが、これは、規制の仕分けのヒアリングの際にも指摘があったとおりでございますけれども、今、申し上げました特定商取引法、ある意味、残念ながら訪問販売といったところが法律の視野でございまして、こういった訪問の買取り、消費者の方が商品を提供して、それに見合うお金を買取業者の方が支払うといったような商売の類型については、規制に、今のところ置いていないという点。
それから、恐らくこの後の議論にも関わってくるかと思いますけれども、古物営業法という法律、これは警察庁さんの所管で、各都道府県の公安委員会の方で所管をしている法律でございますけれども、比較的この買取りのビジネスを行っている事業者は、この古物営業法に基づく古物商の許可を得て、こういったような商売を一方では行っているということでございます。この古物営業法によるアプローチが可能かどうか。この法律は、盗品等の売買の防止といったようなところを目的としているということで、取引についての直接的な規定を念頭に置いた法律ではないということで、やはりその規制においては、さまざまな限界がある、要すれば、現行制度では、なかなかアクセスができないと、こういったところまで改めて確認をさせていただいて、しからば、どういったような処方箋が必要なのかといったような点について、先月提案を出させていただいて、今、研究会の委員の方も勿論含めてでございますけれども、パブリックコメントにかけさせていただいているということでございます。
具体的にどういった規制が必要なのか、行ったり来たりで恐縮でございますけれども、また、レポートの方に戻っていただきたいと思います。
レポートの方の11ページ以降をごらんいただけますでしょうか。そこに4として、貴金属等の訪問買取りにかかる法的措置を検討するに当たっての論点整理と、こういった表題とのチャプターがございます。
大きく3つに分けてございます。まずは、対象標品をどうするか。特定商取引法におきましては、もう委員の皆様方も御案内かと思いますけれども、かつては指定商品、指定役務ということで、法令のレベルで申し上げますと、政令で指定をして、それに対して規制をかけていくと、こういったようなやり方でやっておったわけでございますけれども、これにつきましては、一昨年12月よりポジティブリストを転換いたしまして、原則すべての商品あるいは役務が特定商取引法の網にかかると、こういったような建て付けに変換したわけでございます。そういったものを念頭に置きながら、この訪問買取りについては、どういうふうに考えるか。
後で戻ることにして、先に構成だけ申し上げますと、それから(2)としては、いわゆる行為規制、これは、この行為規制に違反した場合の行政処分などを念頭に置いた事業者に対する一定のルールの当てはめということでございますが、今日は、お時間もないかと思いますので、後でまた、例示的に一方でお話をさせていただきたいと思います。
また、元に戻ることとして、もう一二枚開けていただきまして、13ページのところでございますけれども、実は、この研究会の方でももっとも活発な議論が行われているところでございますけれども、先ほどの問題となっている事例にも出てきましたが、一旦、売り渡しをしたんだけれども、後で返してほしいと、これは特定商取引法では、これも御案内のとおり、有名なクーリングオフという規定がございます。この規定を訪問買取りという商売の類型に当てはめることができるのか、当てはめた場合には、訪問販売と同様でいいのかといったような論点が、今、検討されておるところでございます。
議論中のところでございますので、このレポートが勿論結論というわけではないのですけれども、11ページに戻っていただきまして、第1番目の論点、対象商品、先般の研究会では、貴金属あるいは依頼といったような現行トラブルが発生している商品、こういうところから手を付けて規制措置を考えていくべきではないかといったような御提言をとりあえずさせていただきまして、御議論をさせていただきました。
(2)行為規制でございますけれども、これは、もう一目瞭然であると思いますけれども、特定商取引法の訪問販売において、今、事業者さんに課しているルール、これが訪問買取りの場面においても適用可能かどうかというような観点から、マル1からマル7まで並べてあります。
先ほど少し申し上げました、事業者名、勧誘目的等については、これが明示されていない段階で、現在、買取業者が自宅を訪問する、そこからトラブルが発生すると、着物なのに実は貴金属、こういったようなトラブルを回避するためには、やはりマル1にございますような勧誘目的、これをしっかりと告げるといったようなことをルール化する必要があるのではないかということでございます。
以下、同様でございますので、一つひとつの説明は、とりあえず、私の冒頭の説明からは外します。
13ページ、訪問買取りにかかる売渡者、すなわち消費者によるクーリングオフでございますけれども、これは、今、クーリングオフという制度を訪問買取りにもやはり適用するべきではないかといったようなことを前提にしながら、訪問販売とどういうところに差があるのかを冷静に見極めた上で、どういう設計が必要かといったようなことについて、今、議論をしていただいているところでございます。
訪問買取りと訪問販売のところで、最も違うなと感じておりますのは、もう一枚おめくりいただきまして、14ページのところ、そこの3行目からでございますけれども、少し読ませていただきます。
現行の貴金属の買取りに係る商慣行においては、買取業者は、売渡者(消費者)から商品を買取った後、速やかにこれらの貴金属を、より上流、要するに少し規模の大きいということでございますけれども、買取業者あるいはその金を溶かす洗練業者、これに転売をしています。
これは、この研究会の第3回目なんでございますけれども、田中貴金属株式会社さんでありますとか、ネットジャパンさんといったような、まさに買取りビジネスを行っている比較的規模の大きい事業者さんにヒアリングをいたしまして、こういったようなことがわかってきたわけでございますけれども、すぐに転売をいたします。なので、仮にクーリングオフ期間中、売渡者(消費者)によるクーリングオフの行使に備えるということで、こういったような買取業者に対して、その期間はしっかりとそのものを持っていなさいといったような転売規制、こういったものをかけるのが現実的かというと、結論から申し上げれば、なかなかそれは現実的ではないのではないかということが一方では突きつけられた現実だということでございます。
それから、売渡者がクーリングオフを行使したとしても、何らかの事情で、その段階で訪問買取業者の手元からその買い取った商品が第三者に渡っていたと、通常は転売するわけでございますけれども、そういたしますと、大切な指輪、大切なネックレス、これが原状のまま回復するといったようなことは、もはや期待ができない。民法の教えるところでは、こういった場合には、金銭による回復ということになるわけでございますけれども、そういたしますと、その際の適切な価格が幾らだったのかといったようなことについて、これは、立証負担といったようなことを考えると、消費者にそれが課されるというのは、それは酷ではないかと、こういったようなところが問題としては出てくるのかなと。
それで、研究会の方では、そういったような事情を含めてマル1、これがある意味、今回の工夫の最大のポイントではないかと思いますけれども、クーリングオフ中は、しからば、買取業者の手元に商品が渡るのではなくて、引き続き消費者の手元に置かれると、こういったようなことを制度設計に盛り込むことができないだろうかと、こういったような案を事務局の方から御提示を申し上げて、議論されたといったようなところでございます。どういった議論があったかということについては、また、質疑応答の中でお話をすることになろうかと思います。
最後の15ページでございますけれども、この訪問買取りについて申し上げますと、これも詳しくは質疑応答の中で紹介をすることになろうかと思いますけれども、いわゆる不招請勧誘をいっそのこと導入したらどうかといったような意見もございました。
それから、若干取引というところを外れるのですけれども、例えば買取業者の素性、信頼性に不安を感じる。あるいは買取業者から消費者の身分証明書や免許証のコピーを渡す、これも後で機会があれば、お話をします。こういったようなことで、自分の個人情報が漏えいしてしまうのではないか。
実は、PIOの分析などでは、今、最後に申し上げたこの2点の苦情というのが実際は多いわけでございますけれども、こういったところにおいても、それなりの対応が必要ではないかと、こういったような議論がされているということでございます。
この研究会は、今、意見募集をしておりまして、それを分析させていただきました後、11月中旬ないし、少しずれるかもしれませんけれども、行いまして、中間的なとりまとめというような形で、また発表させていただきたいと思っております。
ちょっと時間を超過いたしまして、失礼いたしました。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。それでは、御質問、御意見のある方、発言をお願いします。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明ありがとうございました。また、迅速な対処をなさりつつあることに敬意を表したいと思います。
幾つか御質問なんですが、まず、被害の実態のところで、このデータに出ていないのが、書面を交付しているのかどうかですね。要するに買取りの業者は、消費者から貴金属を買い取った場合に、その書面を作成して、そのコピーを必ず渡しているのか、渡していないのか、それが1つです。
それから、法規制の在り方についてでありますが、私は、勿論、個人的な意見なんですが、消費者契約法ではなく、特定商取引法の一部改正によって、この種の手口の規制がきちんとできるようにしたらどうかと思うわけですね。その場合に、幾つか方法があり得るかと思うんですが、隙間、隙間をねらって次々と新しい手口が出てくることを考えますと、訪問販売、及び訪問買取りを規制するという形の規制の在り方ではなくて、例えば訪問取引という形で概念づけして、訪問販売以外の買取りあるいはイラクディナールとかスーダンポンドなどの両替の被害が蔓延しておりますので、指定した業種あるいは行為ということで、訪問販売は勿論なんですが、例えば訪問買取りについても、いわゆる特商法の中で訪問取引あるいは有償取引、有償契約という形で概念づけして、その中で、特に現在、訪問買取りが、特に貴金属について問題があるということであれば、それを貴金属の訪問買取りという形で指定して、柔軟に新しい悪質な手口に対処できるような、そういう枠組みの規制の仕方があり得ると思うんですが、そこについて議論をなさったのか。
11ページ以下に、行為規制の在り方について書かれていますが、ほとんどが特商法に既に販売について規制がある規定だと思うわけですね。そうすると、特商法の中にこれを入れるという規定をおいてあとは政令で指定する形で規定すれば、柔軟に事態に対処できると思います。あとは勿論、クーリングオフの特則をつくらなければいけないというところはありますが、その改正の在り方について、どのような議論がなされたのか、それもお話しいただければと思います。
以上です。

○消費者庁畑野取引対策課長 まず、第1点目でございますけれども、データの方を御紹介させていただきます。
まず、結論から申し上げますと、書面の交付をどうやらしていないというケースが圧倒的に多いのではないかというふうに見ております。
先ほどPIO分析の中で、私のところで約2,200件くらい一枚一枚カードをめくりながら分析をいたしました。
その中で、ある意味幸いなるかなと言ってよろしいかと思いますけれども、契約に至らなかったといったようなものが、その約3分の1程度あるんです。したがいまして、残りの3分の2、約1,600件くらいについて書面の交付の状況がどうであったかということ、数字を御紹介いたします。
何らかの形で、一応書面らしきもの、これは領収書なども含みますけれども、あったというのが約350件。それから、明らかにそのような者はもらわなかったと言っていらっしゃる消費者の方が約250件、残りは1,000件なんですけれども、よくわからない、覚えていないということでございました。よく覚えていない、わからないといったようなものと、それから交付されていないということについて、明確に認識があるといったようなことを覚えている消費者の数を合わせますと、約1,250件ということですから、仮に何らかの形で契約らしきものに至ったといったようなものを分母に1,600件というふうに置きますと、約7割から8割ぐらいは、わからない、ないしはもらわなかったといったようなことでございますので、このデータについて言えば、やはり書面の交付が適正な形でされていないケースが圧倒的に多いのではないかというふうに問題意識としてはとらえた方がよろしいかと思います。
2点目の御質問でございますけれども、訪問買取り以外の訪問販売でもない、訪問買取りでもないといったようなことについての商取引の類型について、この研究会で検討がされたのかと、こういう御質問だと思いますけれども、それはされておりません。この研究会におきましては、まさに訪問買取りといった商取引、類型についてどういう規制が必要だったのかということについて議論をさせていただいております。
これまでの研究会、4回ほどしてきたところの感想でございますけれども、やはり規制措置を講じるということについて申し上げると、今、御紹介を申し上げましたように、こういうふうに聞いていると、あるいはそんなことを聞いたことがあるといったようなことではなくて、やはり原点に当たって、1件、1件、そのデータを見ていく、その中で正確な立法事実を積み上げていくと、その上でどういう規制が必要なのか。更には、その規制をどういう法律に落とし込むのかと。やはり一つひとつステップを踏んで検討していく必要があるのではないかと思います。こういう規制が必要だからということで、そこは軽々にすぐに法律を変えればいいのではないかといったような議論について言うと、若干私どもとしては、違和感を覚えるところがあろうかと思います。
それから、一方で、今、山口先生がおっしゃったお話の解決の糸口ということで申し上げると、これまで私が申し上げてよろしいのかよくわかりませんけれども、消費者安全法の改正を担って、いわゆる隙間事案について、行政的な措置をどう講じるのかということについて、たまたまでございますけれども、本日から研究会がスタートしております。
今、山口先生がおっしゃったようなケースについても、今、申し上げた消費者安全法の改正の検討の中でどう処理をするのか、検討がされるやに私聞いておりますので、そういった研究会の動きなども併せ見ながら消費者庁としての取組みを検討していくということなのかなと考えておりますが、もう一度申し上げますけれども、今、研究会の方で御議論いただいているのは、この訪問買取りという類型についての議論をいただいているということでございます。

○河上委員長 ほかには、いかがでしょうか。
夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 御説明ありがとうございます。14ページのところで、クーリングオフの設計のところに、買取り対象商品が消費者の手元に置かれることを可能とする制度設計ができないか御議論いただいたということですけれども、こういうことが可能になるのでしょうか。すみません、私、よく法律的にわからないので、クーリングオフの制度を導入することで、大変、今、インパクトを与えていると思うんですけれども、更に進んで、こういった新しい制度設計のところをどんな御議論をされたか、お話しいただければありがたいと思います。

○消費者庁畑野取引対策課長 それでは、お答え申し上げます。マル1番でございますけれども、手元に置かれるようなことを可能とする制度設計ができないか、こういう問題の投げかけをさせていただきまして、9月30日だったんですけれども、研究会の方で議論がございました。
その中で、これは研究会に出ておられる民法系、ないしは民法に強い先生あるいは弁護士の方から、例えば買取業者にたいしてこういう規制をかけることができないかどうか。要するに消費者に対して、指輪を引き渡せといったようなことを請求してはいけない。そうすると、消費者の方は請求されることが、法律の規定をきちんと買取業者が守ればないわけですから、引き続きこの指輪を自分の手元に置かれる確率が高まるわけでございますけれども、例えばそういったような規制、規定を行政規定的に設けると、こういったようなことは考えられないのだろうかといったような意見がございました。別に消費者庁の方でそういったことをお話し申し上げたことではないんですけれども、そういったような提案が研究会の委員の方からは出されました。
この研究会の方には、行政法の専門の先生、若手の先生も御参画をいただいておりますけれども、その範囲において、その先生から、いや、そんなことはできないといったような発言はございませんでした。
これが、今、申し上げたような話、仮にそれが法律の形で規定されるということを考えたときに、果たして本当に可能なのかどうかということについて申し上げれば、今後、法制局等々とも議論あるいは法務省とも議論が必要になってくるかと思いますけれども、私は、基本的にはこれまでの研究会の議論からすると、今、申し上げたような委員の御提案に対して、箸にも棒にもかからぬといったような感じではないのかなと、1つの有力な案なのではないかというふうな見通しは持っております。

○河上委員長 クーリングオフの行使がないことを効力発生要件あるいは成立要件として定めておけば、当然、まだ契約が成立していないのですから、目的物の引渡請求権はないという説明は、これは簡単にできることであろうと個人的には思います。ですから、それは可能なことで、あとは請求をしてはいけないとか、受け取ってはいけないという禁止行為にしておけば、その分を更に強固に防衛することができるのではないでしょうか。その意味では、充分考え得る手法であることは、おっしゃるとおりだと思います。
ほかには、何かございますか。
吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 よろしくお願いします。消費者庁が設立される以前の話なんですが、問題事象が発生した都度、特商法を最小限に改正するということを、今までも繰り返してきたわけですけれども、それが後追い行政だという批判もあったと思いますが、その消費者庁が設立された後に、これまでの姿勢に何らか変化があったのか、つまり、今回、法的措置を検討するに当たって、消費者庁になったということで、何か以前と変わったことがあったのかお聞きしたいと思います。これが1点目です。
あと、もう一点お聞きしたいと思いますが、国民生活センターが18年度に行った37回の国民生活動向調査において、訪問販売に来てほしくないというふうに言っている国民が90%を超えておりますし、同様に勧誘目的で電話をかけてきてほしくないという方もやはり90%を超えているという現実を踏まえて、今回、訪問買取りを規制するという検討の中で、訪問買取りを含む訪問取引と電話勧誘について、不招請勧誘を禁止すべきではないかという議論がなかったのかどうかということです。先ほど研究会の中では、一部そういう議論があったというふうに御説明をいただきましたけれども、消費者庁として、そういう議論が今の段階であるのか、ないのか、それを2点、お伺いしたいと思います。

○消費者庁畑野取引対策課長 この特定商取引法における商品、それからサービスの対象についての考え方が、これは消費者庁の設立ということによって変わったのかと、こういったような御質問というふうに受けとめてよろしゅうございますでしょうか。

○吉田委員 後追い行政だという批判に対して、消費者庁になって何かが変わったのかということをお伺いしたいんですが。

○消費者庁畑野取引対策課長 クロノロジー的に申し上げますと、特定商取引法の先回の改正は法律が交付されましたのが20年の6月でございます。20年6月の法改正の最大のポイントは、今、先生がおっしゃいました後追い行政から、この特定商取引法を脱却させるべきではないかということで、指定商品、役務については、これをネガ、ポジ逆転いたしまして、原則すべての商品サービスを規制にかからしめると、もう一度申し上げますが、それが20年6月、法律の公布ということでございます。
1年6か月の猶予期間を経まして、その規制が施行されましたのが、21年の12月でございます。しからば、消費者庁は、いつできたかということでございますが、これは、その3か月前の21年の9月ということでございます。
したがいまして、特定商取引法の後追い行政の脱却と消費者庁の設立の話は、今のお話で申し上げると、原則は関係ないということだと思います。よろしいですか。要するに、消費者庁ができる前に、この特定商取引法において、後追い行政から脱却しようということで法律改正が既に交付されていたということでございます。

○吉田委員 すみません、私の説明がよくなかったのかもしれないんですが、この訪問買取りの件でいいますと、平成22年度にその問題が顕在化したと、例えば今、法的措置を検討している段階ではありますが、例えばこれが法律が施行されるまでの間、つまり、業者のやり得を認めてしまうということに、結果的になってしまう。今までこういうことをずっと繰り返してきたわけですが、消費者庁ができたことによって、私が期待したのは、いわゆる問題が起こってから対応するというやり方ではなく、問題をある程度予見した上で対策を取っていく、そういうことが消費者庁において行われるんではないかという期待があったんですが、そういうふうなことを念頭に置かれて、今回の法律なり、あるいはお仕事されているのかということをお聞きしたいと思っています。

○消費者庁畑野取引対策課長 どういうふうに答えていいのか、ちょっと今、苦労しているんですけれども、まず、この訪問買取りについて、商品の範囲をどうするかという話でございますけれども、研究会の方では、今、問題となっているような貴金属、こういったようなものを中心にして、かつての特定商取引法の指定商品制といったようなものをイメージにスタートすると、こういう御提言をさせていただきました。委員の意見を御紹介申し上げます。
対象商品については、まず、この訪問買取り、初めての類型でもあり、今回は立法事実が顕著であるものから指定していくと、こういう事務局の案に賛成であると、こういう特定商取引法にかねてから携わっておられる先生の御意見でございます。
それから、消費者の立場からということで、御参画いただいております委員の方からは、商品を指定してしまうと、やはりそこから外れてしまうものがあると。例えば単価幾ら以上のものはすべてだという形で対象を考えたらどうかといったような意見も研究会では出されております。
したがいまして、指定制を引くのか、それから原則一律規制に引くのかといったようなことにつきましては、まだ、研究会でも議論が行われているということでございます。
それから、誠に恐縮ですけれども、法律の規制がない中では、業者のやり得ではないかと、それについて消費者庁として網をかけたらどうかといったような点について言うと、大変恐縮でございますけれども、こういったような規制措置を講じるには法律が必要だというところからお話を申し上げないと、なかなか正確な答えにたどりつけないと、それを説明していると時間がないと思いますから、この場での回答はやめておいた方がよろしいかと思います。

○吉田委員 わかりました。是非、いつかそういう姿勢について議論をさせていただければと思います。

○消費者庁畑野取引対策課長 今、申し上げたのは、姿勢の話と、どういう法的措置を講じるかという話は、原則リンクはしないということでございます。質問が少しナンセンスではないかということです。

○吉田委員 わかりました。それでは、2つ目の質問については、いかがでしょうか。

○消費者庁畑野取引対策課長 不招請勧誘の話について、今、消費者庁で議論が行われているかどうか。これにつきましては、今、訪問買取りという場面において、不招請勧誘の議論、そういったものはどうかという話が出ていること、これは御紹介申し上げました。
それで、本日、私がこの場に出てきているのは、訪問買取りについての研究会の動きということでございますので、不招請勧誘の話をどうするかということについて申し上げれば、11月の下旬の消費者委員会さんの方で特定商取引法のこれまでの運用状況ということでヒアリングがあるというふうに聞いておりますので、そのときにお答えを申し上げたいと思います。

○吉田委員 わかりました。ありがとうございます。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 今の質問に絡んでですが、ナンセンスではないかというふうなお答えがありましたが、やはり法規制というのは、当然必要な立法事実があって法律にして、確かに取引の自由を侵害するということがあるので、慎重にやるというのはわかりますが、どうしてもイタチごっこになるという面があるというのは、当然おわかりだと思います。それに対して、しかるべく、できるだけ迅速に対処できるような体制を整えておくというのは、当然消費者庁としてはお考えになっていることですね。
そこで、今回、貴金属等の訪問買取りということで、先ほど山口委員長代理からございましたように、とりあえず、今、貴金属が一番問題になっているけれども、やはり訪問されて、いきなり来られて、何か物を買い取られるという場合には、心の準備ができていなかったりとか、急に来られて困るとか、そういう消費者の悩みというのはあるので、それに対して幅広にどのような法制度を作っていったらよいかということをお考えいただきたいということだと思うのです。
ですから、今、まずは指定するというのも1つかもしれませんけれども、そもそも訪問という形でなされるものに、買取りに限らず、どういうふうに対処するかということは、できるだけイタチごっこにならないように、対処できるように議論していただきたいということです。

○河上委員長 特にお答えを求めているわけではないですね。

○消費者庁畑野取引対策課長 研究会でも、そういった議論は勿論出ておりますので、十分踏まえてやっていきたいと思います。

○河上委員長 大体予定していた時間になりました。委員の間からも少し意見として出てまいりましたけれども、消費者にとってみますと、店舗外で「押し付けられた取引」と申しますか、そういう不意打ち的な取引行為上の拘束から解放されて、元の状態に少しでも早く戻りたいというのは、かなり一般的な要請でもあります。クーリングオフがどのくらい有効かどうかということも問題ですが、例えばドイツ民法なんかでは、「訪問取引」という言葉を使ってクーリングオフを規定しておいて、営業法で貴金属とかいろんなものを具体的に示して禁止行為としての網をかけているというような立法例もございます。いずれにしても、具体的な立法事実を一つひとつ積み重ねていくというのも1つですが、その商品の指定制、それから取引類型の指定制というものが持っている限界というのもございますので、また、委員会の中で、まだ検討の途中だということですからあれですけれども、「いたちごっこ」にならないよう、更に検討を深めていただければと思います。
消費者庁におかれましては、お忙しい中、委員会に出席いただきまして、ありがとうございました。

○消費者庁畑野取引対策課長 ありがとうございました。またよろしくお願いします。

≪3.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

○河上委員長 続きまして、消費者基本計画の検証・評価・監視に移らせていただきたいと思います。
平成22年3月に策定されて、本年7月に一部改定されました消費者基本計画につきましては、毎年度計画に盛り込まれた施策の実施状況について、「消費者委員会の消費者行政全般に対する監視機能を最大限に発揮しつつ、検証・評価・監視を行います」という記載が、なされております。
前回、第70回の委員会でも申し上げましたように、消費者委員会として重要課題であると考える項目につきましては、今年度の施策の実施状況等について、本日から関係省庁からのヒアリングを行っていきたいと考えております。
本日は、その第1回目としまして、資料2-1にございますように、美容医療・エステに関連する施策である39番、40番について、事故情報の収集、原因究明に関連する施策である4番、13-2番、13-2-2番について、それから住宅に関する施策である54番、149番について、旅行業に関連する施策である59番について、それぞれ関係省庁においでいただいておりますので、ヒアリングを行いたいと思います。かなりたくさんございますが、よろしくお願いします。
ヒアリングの進め方としましては、初めに美容医療・エステ・結婚相手紹介サービスに関する39、40についてヒアリング、質疑を行い、以下、同様に事故情報の収集、原因究明に関する施策、4、13-2、13-2-2について、住宅に関する施策、54、149について、旅行業に関する施策、59についてそれぞれヒアリングを進めてまいりたいと思います。
なお、資料2-2にありますように、委員会でお伺いしたいと考えております内容・問題意識をヒアリング項目という形でまとめまして、あらかじめ各省庁にお伝えしておりますので、省庁の方は、こちらの質問の内容も含めまして御説明をいただければと考えております。
初めに、美容医療・エステに関する39、40の施策についてですけれども、本日は、39番の関係省庁として厚生労働省、それから40番の関係省庁として経済産業省にそれぞれおいでいただいております。初めにまとめて御説明をいただき、その後、まとめて質疑を行いたいと思います。時間が限られておりますので、簡潔に質疑をお願いしたいと思います。まず、39番について、厚生労働省の方から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○厚生労働省生活衛生課担当者 それでは、厚生労働省でございます。よろしくお願いいたします。
まず、エステティック衛生基準について御説明させていただきます。エステティック衛生基準につきましては、資料3として提出させていただいておりますが、この衛生基準というものは、財団法人日本エステティック研究財団というものがございまして、この財団によりまして策定されました営業施設の衛生管理基準でございます。
これは、エステティックに従事するものが守るべき衛生に関する措置について示したものでございまして、利用者に対して衛生的で、かつ安全な施術を行う上で大変有益なものとして活用されているところであります。
このエステティック衛生基準ですが、もともと最初に策定されたのが平成8年でございまして、その後、最新の科学的知見や業界の営業実態等を踏まえまして、平成21年4月に改定されてございます。
このエステティック衛生基準の対象となる施設ということなんですが、これは、やはりエステティックの営業施設ということになります。どんなものがエステティック営業施設かと、そこが対象の施術の範囲ということになるかと思うんですが、これにつきましては、エステの定義は何かという話になってくるかと思います。エステの定義というものも、正直申しましていろいろある中で、日本エステティック振興協議会という、そのような団体がございます。この団体は、経済産業省さんの資料で申し訳ないんですが、資料4の経済産業省さんの資料の一番上のエステティック業の概況というところの右側のところの業界団体加盟店舗数の下に、日本エステティック振興協議会構成団体ということで、このような3つの団体が構成しているところでございます。
この振興協議会というところが定めたエステティックの定義でございますが、これを読み上げさせていただきますと、一人ひとりの異なる肌、身体、心の特徴や状態を踏まえながら、手技、化粧品、栄養補助食品及び機器、用具等を用いて人の心に満足と心地よさとやすらぎを与えるとともに、肌や身体を健康的で美しい状態に保持、保護する行為ということでございますので、このような行為が対象の施術と言えると思います。
エステティック関係団体に加盟する業者数でございますが、これは経産省さんの資料にもあるんですが、うちの持ってきた数としては、大手エステの経営法人の団体であります一般社団法人日本エステティック業協会に加盟する業者数、これも経産省さんの資料で書いてあるのと、若干、うちが持ってきた数字が異なるんですが、うちの把握しているのは、平成23年3月末時点の数ということで、業者数が291社で店舗数が1,351店でございます。衛生基準のカバー率といったものなんですが、勿論、こういったエステティック研究財団に加盟している、そういった業者につきましては、当然カバーできていると思われるんですが、こういったエステティック研究財団の関係団体に加盟していない業者のカバー率というのは、正直把握できていないため、正確なところはわからないところでございます。
こういった衛生基準の周知方法といたしましては、衛生基準の冊子を研究財団の方で、これまでに約2万1,000部、このエステティック研究財団の関係団体加盟の業者に対して配布をしているということであります。
また、関係団体に加盟していない業者あるいはエステティック衛生基準の対象とならない施設、そういったものに対する衛生基準の周知の在り方としては、例えばエステ関係の無料業界誌にエステティック衛生基準というもの、そのものではないんですが、エステティック衛生基準というものがあるということ、あるいはこの研究財団のホームページに、こういった衛生基準があるということを、これまで掲載しておりました。
しかし、その衛生基準があるということは載っているんですが、その衛生基準そのものを掲載していないという実情がございましたので、今回、こうやってヒアリングを受けることを機に研究財団の方に対して、せめてホームページには衛生基準そのものを載せるべきではないかと、そのように指導行いまして、研究財団の方も前向きに考える姿勢を示したところでございます。
続きまして、問2の方でございますが、厚生労働省における美容医療・エステティックサービスに関する危害情報、患者等とのトラブルの情報を収集する仕組み、これらの情報について把握する内容及びこれらに対する現状認識等ということなんですが、まず、美容医療とエステティックサービスに大きく分けられると思いますので、まず、美容医療について御説明いたしますと、まず、美容医療に限らず、医療全般についての苦情や相談に対応する組織として、都道府県等におきまして、医療安全支援センターというものが設置されております。医療法上の医療機関の指導、監督権限は、基本的には都道府県等の事務となっているところでございまして、都道府県等は、医療安全支援センターを通じて収集した情報も踏まえつつ、医療機関の指導、監督に当たっているものと承知しております。
一方、美容医療に該当しない、いわゆるエステティックサービス、その医療の範囲外の施術ということでございますが、そういったものについての苦情や相談は、都道府県や市区町村の消費生活センターなどに寄せられることになります。
国民生活センターにおいては、苦情、相談を消費生活センターから収集し、必要に応じて厚生労働省へ情報提供が行われ、その情報提供の内容により、都道府県等を通じて営業者に対する指導、監督等を行っているところでございます。
とりあえず、厚生労働省からは、以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。では、経済産業省の方、お願いいたします。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 ヘルスケア産業課長の藤本です。よろしくお願いいたします。
お手元にあります、資料4をごらんいただければと思います。3つ、御質問をいただいておりますけれども、1つ目の経産省が把握しているエステティック事業者に係るデータということですが、公的な統計としては、現在、エステティック事業者の方々をカバーするものはございません。平成14年に特定サービス産業実態調査というのを単年度の枠の中に単年度で入ったケースがございますが、今、業界で、広くベースとして使われておりますのは、株式会社矢野経済研究所が発行しておられますエステティックサロンマーケティング総鑑というのがございます。これは毎年度でございますので、そこを出典とさせていただきまして、この数字だけ書かせていただきましたけれども、市場規模としては、こういう形でおおむね4,000億だったものが、今は3,500億円ぐらいの規模になってきているということと、店舗数が5年くらい前は9,800であったものが、今、8,800くらいになっております。ですから、市場規模としては、少しずつ減っていっているような状況でございます。
それから、業界団体ですけれども、我々は、こういうエステティック事業者の方々の置かれている状況なんかを把握する場合には、こういう業界団体とよく会話をさせていただきますけれども、我々が会話をさせていただいている業界団体は大きく分けて2つございまして、日本エステティック振興協議会という幾つかの団体が集まった場と、それから下にございます日本全身美容協会ということでございます。
どちらかというと、このエステティック振興協議会の方が、いわゆる事業者的に、例えばチェーン化しているとか、そういう事業者が多く入っておられます。
それから、全身美容協会の方は、むしろ地域に根差したエステティックサロンみたいな形で、単独のサロンということをやっておられる方が多いです。
エステティック振興協議会の中には3つございまして、エステティック業協会という一般社団法人、これがいわゆるチェーン化しているようなエステティックサロンの事業者の集まり。
それから、エステティック技術者、個人として参加しているのが、日本エステティック協会でございます。
それから、エステティック工業会は、いろいろ機械を扱う事業者が集まっておられます。そういう状況でございます。
それから、エステティックの定義につきましては、今、厚生労働省さんの方からもお話がありました、エステティック振興協議会の定義を、我々も一般的には理解として考えております。
2番目の御質問でございますけれども、認証制度でございますが、この資料4の下の方にございますけれども、真ん中にございます経緯ですが、平成15年の6月にエステティック産業適正化研究会という場で報告書が出されております。
それを受けて、19年の6月に、では、具体的に認証制度というのをどうしたらいいんだろうかという在り方についての報告書が出ております。これは、いずれも経産省の研究会でございます。
それを踏まえて、ここから先は、経産省の具体的な施策というよりも、経産省が場を用意させていただいて、先生方に研究をしていただいた報告書にのっとって、業界が動いているということでございますけれども、平成16年5月に、NPOの日本エステティック機構というのが設立されまして、そこが認証制度を開始しております。
現在、認証を受けた事業所が、右にございますように、平成22年8月で310店舗、10月現在ですけれども、295店舗ということで、おおむね、先ほどの統計が全国で8,800くらいの店舗ということでございますので、おおむね普及率は3.3%くらいというイメージでございます。
全体に比べて、まだ普及率が少ないんじゃないかなというのは、我々もそのように思いますけれども、これをどう広げていくかということに関しては、まず、基本的には認証制度を周知していくということで、勿論、ホームページもございますけれども、こういうガイドブックを機構がつくって、サロンを始め、消費者の方々に渡して、なるべくこれが安心できる事業者なんですよということを、ちょっと地道ではありますけれども、いろんな機会をとらえて、シンポジウムですとか、美容関係のイベント、そういうところで周知を図り始めております。
それから、この認証を取りたいんだけれどもというところで、まだ入ってきていないサロンの事業者がいるんですが、そういう事業者の方々は、光脱毛をやっている事業者が多くて、光脱毛は、御承知のとおり、よく事故といいますか、被害のクレームが多い分野ではあるんですね。ですから、この認証は、光脱毛をやっている、レーザー脱毛をやっている事業所は、基本的には入れないということで、今、スタートしておりますので、ただ、光脱毛の中でも、美容ライト脱毛という言い方を業界ではし始めていますけれども、より弱い光源を使うということと、訓練を受けた人だけが操作をできるようにするということで、何とか消費者からの需要に応えつつ、安全な事業ができないだろうかということを考えている状況にございますので、もし、それが本当に認証の対象にしてもいいものであれば、そういう方向に行くと、また、そういう広がりが出ていくように思います。
ですから、どうしてもできるだけいいかげんなことをやる事業者を排除しつつも、真剣に正しくやろうとしている事業者をどう入れていったらいいのかということを悩みながら機構の方も運用しているような実態だと承知しております。
ですから、早急に増やすことを目的に気を緩めてしまうと、その認証自体の意味がなくなってしまいますと、そうかといって、真面目にやっている事業者の人が入ってこられないのもおかしいというところで、この辺は、3年経って普及率3%でございますけれども、これは、日々我々も事業者の方々と一緒に悩みながら議論を重ねている状況でございます。それが実態でございます。
3番目でございますけれども、トラブルの情報収集のところですけれども、経済産業省にも消費者相談室というのがございまして、そこの窓口を通じて入ってきたものに関しては、私どもが業界団体と話をしたりということもありますけれども、消費者庁に報告をさせていただきながら連携をしていく。
それから、国民生活センターですとか、自治体の消費者センター、こういうところに入ってきた情報もお互いに共有できるという連携を取っております。
それから、業界団体自身でも、先ほどの日本エステティック振興協議会の中に、2006年からですけれども、エステティック消費者相談センターというのを設けて、苦情を聞いているという状況です。
それから、結構、協議会に参加をしていない事業者に対するクレームみたいなものが来たりしているときも、できる限り対応しているという状況を聞いております。
倒産時の顧客の保護ですけれども、基本的には、行政としてなかなかダイレクトにできるものはないんですけれども、一例を申し上げますと、昨年度にラ・パルレという会社が倒産したんですが、その場合は、事業者の例えば協議会ですとか、こういう場で、何とかそこのお客さんを、勿論若干の不利益はあるんですけれども、ほかの店舗で、ほかの会社がうまくサービスを継続できるようなことをやろうということを話し合いまして、お客さん自体は、ラ・パルレのサービスではないんだけれども、違う事業者、この団体に加盟している事業者のサービスをなるべく希望どおり受けられるようにするということをやっておりますので、そういう形が、少なくとも業界団体に入っている事業者の間では、そういう形で、倒産ですとか、そういうことは、別に事業者自身もあってほしくないと思うことなんですけれども、いろんな経済的な理由によってそうなる場合であっても、その業界の消費者からの期待というのにちゃんと応えられるように、みんなで協力をするという慈愛が少しずつ育ってきているように思います。
以上です。

○経済産業省中内サービス産業室長 サービス産業室の中内でございます。私の方からは、9-4の結婚相手紹介サービスの件につきまして説明したいと思います。
資料は、資料4の次ページからでございます。まず、資料には書いていないんですけれども、日本標準産業分類におきましては、結婚相手紹介サービスというのは、生活関連サービスの中でございまして、この細分類として、結婚相談業という形で分類されております。特定商取引法や割賦販売法につきましては、結婚を希望する者への異性の紹介というふうに定義をされております。
市場規模につきましては、こちらの資料に書いてありますとおり、約400から500億円程度、会員は、約38万人と推計されております。
事業所数につきましては、大体3,000から3,500社程度ではないかと考えております。
この認証制度策定までの経済産業省の取組み状況といたしましては、この2.に書いてございますとおりでございます。平成18年の5月に調査研究報告書をとりまとめて、これは、信頼性や質の確保の観点から認証制度の導入などを提言いたしました報告書でございます。これをとりまとめて公表をしております。
平成20年7月にガイドライン、こちらの方は国でとりまとめまして、公表しております。
直近の状況としましては、平成22年2月に結婚相手紹介サービス業の実態把握を単発での調査を行い、公表しているところでございます。
最初に言いました、市場規模や会員数については、この平成22年2月の実態把握した中での推計ということでございます。
認証機関につきましては、ガイドラインに準拠した認証基準というものを作成いたしまして、申請事業者に対して認定を付与するかどうか、この審査をいたします。ガイドラインの実際の中身につきましては、次ページの認証制度に関するガイドラインの中で示しているところでございます。
トラブルにつきましては、公的機関では、勿論、国民生活センター、地方自治体の消費者センター、これらからの適宜情報提供というものに加えまして、経済産業省の中に消費者相談室というのも設けております。業界団体におきまして、相談室というものを設けるなどをして、随時相談を受け付けているというところでございます。
実際に、PIO-NETによれば、平成21年度、3,200件程度の苦情相談件数でございましたが、平成22年度、若干減少しまして、3,100程度に減少しているところでございますが、今後も引き続き、PIO-NETや業界団体ということを通じまして、トラブル状況の収集に努めるとともに、認証事業者の増加に向けた取組みを続けて、トラブルの軽減に努めるということを働きかけていきたいと考えております。
具体的に認証事業者数というのは、現在、業界主導で行っていただいておりまして、計326事業所ございます。この認証制度につきましては、エステも同様なんですけれども、周知を進めて、そして、今後の動きを注視していきたいと考えております。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。それでは、御質問、御意見のある方、発言をお願いいたします。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 どうも御説明ありがとうございました。まず、厚労省と経産省でどういう業務分担をなさっているのかというところを、まず、伺いたいんです。例えば美容脱毛について、厚生労働省は永久脱毛あるいは毛根部分に施術を加える、施術を医師でないものが行うことはだめだと、こういう通達があると聞いております。
他方、経産省では、エステにおける美容レーザー脱毛、一定期間の除毛、縮毛効果のための施術についての基準策定が必要だという見解を出されているようでして、必ずしも脱毛や毛根部分に施術を加えるようなことをしてはいけないんだという見解ではなさそうに思うわけですが、これは、例えば美白や染み抜きというと、医者しかやってはいけないんではないかと思えるかなり特殊な機材を用いた施術がなされているようにも思います。
ただ、消費者からすると、いちいちお医者さんにかからなくて、安く、手軽にエステで脱毛あるいは美白ができるなら、染み抜きができるなら、そっちの方がいいやというニーズもあるとは思うんですが、そこら辺のすみ分けは非常に難しいところだと思うんですが、どういうふうになさっているのかというのが1つです。
それと、これは消費者庁とも絡むんですが、やはりエステ業界の大きな問題は、いわゆる業界の加入率が低くて、どうしても悪貨は良貨を駆逐するじゃないですが、オーバートークをして消費者を引き付ける、そういう業者がもうかっているような感じがあって、このオーバートークの規制というのが、どの程度できるのか。そうなると、いわゆる景品表示法を生かした、行き過ぎの宣伝についてはチェックしていくシステムが必要じゃないかと思うんですが、そこら辺は、厚生労働省あるいは経済省の方で、景表法の活用について、どういうふうに現実になさっているのか、その2点、お聞かせいただければと思います。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 先ほどの脱毛の件ですけれども、厚生労働省は勿論医療的な立場から見ておられますので、我々は、それをまず中心において検討させていただくと。厚労省と経産省の若干の立場の違いということであるとすると、厚労省は、例えば基本的に医療との接点についてこうあるべきだということを出していただいて、勿論、我々もそれを浸透させることを前提に、かつ業界がなるべくそれを守りながらちゃんとした事業活動ができるようなことを業界と一緒になって議論をすると。
ただ、当然、御承知のとおり、あるサービスを求める消費者の方々もおられて、勿論、それをどう厚労省が出しておられる見解を守りながら、うまくそのニーズに応えていくかということに関しては、先ほどの非常に弱い光源を使ったようなものとか、そういうのはある意味では医療行為として言わなくてもいいんじゃないだろうかということをみんなで議論しながら、それは慎重に議論しているんですけれども、うまく折り合いの接点を探していくということですね。どうしてもグレーゾーンみたいのが出てきますので、それについて消費者にも納得できてもらって、事業者の側もきちんとそれを事業者として責任を持ってやっていくような部分を探っていくということを、我々が一緒に議論していくと、それで必要に応じて厚労省とも議論をさせていただくということでございます。
ですから、厚労省はルールを医療側から見てきちんと定めていただくということと、我々が現実に、そのルールをうまく守れるようにやるお手伝いをしているというのが、今の実情でございます。

○山口委員長代理 一部重なるところもあるということなんですね。視点は違うけれども。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 勿論そうです。それは、共有させていただきながらやっています。役割が違うということです。同じ目標は安全にということだと思いますけれども。
あと、もう一点ですが、景表法の件については、具体的に我々も今、議論しておりませんというのが実情でございます。

○山口委員長代理 業界に一番近いところにおられると思うんですが、オーバートークといいますか、あおり過ぎの宣伝について、消費者庁と連携とか、その体制は、まだできていないということですか。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 まだできておりませんというか、オーバートークの問題は、そういう事業者に関しては、結構、長く事業をやらずに、気が付いたらいなくなっているとか、そこはなかなか難しいところがあります。事業者側から何かをしようとするとね。
それで、先ほどの訪問販売ではないですけれども、基本的に消費者が来てほしくないというマインドを持っているかどうかというのは、また、この業界では消費者の側の意識の問題もあって、消費者の側からは、どちらかというと、門をたたく部分があるんですけれども、むしろ消費者の側にどういう事業者が安全かということをもっと徹底して先ほどの認証ワークではありませんけれども、こういうものがないと、こういう状況になる可能性があるということをもっともっと啓発していくことが、すごく大事なんではないかということを、実際に実務をやっている中で強く感じます。
そこに関しては、そういう意味だと、この認証マークをもっと育てて、こういうマークを浸透させていくということがすごく大事ではないかと思います。どうしてもオーバートークをしている事業者をぱっと捕まえて、それを何うまくやっていくというのは、なかなかモグラたたきみたいになってくるところがあるので、むしろ、サービスを受ける側が賢くなる道具を用意していくというのが、1つ有効な手段ではないかと、この何年か議論していく中で感じております。

○河上委員長 ほかによろしいですか。
先ほど話がございましたけれども、医療と理容というのが非常に近いところで問題になりますので、お互いが譲り合ってしまって、間に問題が落ち込んでしまうというようなことがないようにしなければなりません。できましたら、むしろ重なった形で問題を扱っていただきたいということと、理容にしても医療にしてもサービスなので、内容が非常にあいまいであるにもかかわらず人間の体に直接関係してまいります。ですから、説明の問題とか表示とか広告の規制の正しい在り方とか、それから技術面での資格のようなものとか、あるいは認証制度を含めて、安心できる事業者というのを育てるというところで、更にご検討いただければありがたいと思います。結婚紹介業に関しても同じ問題があるかと思います。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 認証サービスなんかも、広告のオーバートークの規制の在り方が一応基準には入っていますので、そういうことをきちんとやっていく事業者であるということを見せながら、それをどう宣伝するかというのは、非常に課題であります。

○河上委員長 そうですね。小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 認証は、いずれにしても、経産省が音頭をとった研究会の後、NPO法人の日本エステティック機構というのができて、そこが行う認証ということですね。これは、更新とかはあるのですか。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 あります。

○小幡委員 3年くらい。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 はい、3年です。

○小幡委員 3年で一応見て、そこに広告なども含めて審査するということですね。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 はい。

○小幡委員 もう一点、厚労省の方にですが、エステティックというものの定義は、非常に難しくて、多分自分でエステティックだといったところが、皆ここの定義の中に入るのだろうと思うのですけれども、当然、医療行為に当たることはできないとか、そのほか、ほかの法律もありますね、そこに関わるようなことをやっているエステティックサロンもあるわけですね。ダブっている。

○厚生労働省生活衛生課担当者 そうですね。全くないとまでは言い切れないところはあるのかと思います。ちょっとそこら辺の詳しい実態を十分把握しているわけではございませんが。

○小幡委員 美容師であれば、当然そちらの法律がございますね。そういう美容エステのような感じのものもありますね。

○厚生労働省生活衛生課担当者 そうですね。

○小幡委員 それは、ここのエステティック業の中に入っているのですか。

○厚生労働省生活衛生課担当者 そうですね。先ほどのエステティック業は、すごく広い概念でございますので、場合によっては、美容院において、いわゆるカットに付随して行うような行為も場合によっては入ってくるものもあるんではないかなと思われます。

○小幡委員 いずれにしても、それ以外のところは、およそエステティックということで、今のところ何も法の枠には入っていないし、今、お示しいただいた衛生基準というのも、これは財団法人が出している基準ですね。

○厚生労働省生活衛生課担当者 そうですね。国が定めたというわけではございません。

○小幡委員 ただしこの認証を受けるときには、こういう衛生基準も一応満たすということが認証の要件になっているわけですね。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 公的なルールがある場合は、それを満たすというのが大前提です。

○小幡委員 そうすると、一応、認証を普及させていけば、ある程度の基準は普及していくということになるという理解でよろしいですか。

○経済産業省藤本ヘルスケア産業課長 おっしゃるとおりでございます。

○山口委員長代理 厚労省でおわかりだったら、御紹介いただければと思うんですが、関連の業法が、医師法と理容師法と美容師法と、それから按摩法の4つなんですね。もうそろそろこの4つでは古いと思うんですね。例えば整体とかカイロプラティックなんか、今、物すごく多いです。そこは法の完全に枠外で、明日からだれでも始められる業界ですね。そろそろこの4つで、この辺のもやもやとした業界を整理するということについて、見直しの議論は、あるのか、ないのかだけ、すみません、最後に。

○厚生労働省生活衛生課担当者 おっしゃることは、勿論もっともだと思うんですが、今のところ、具体的な見直しの動きというのがないかと思います。

○河上委員長 省庁にまたがる問題としてまだまだ議論したいこともあるのですけれども、後の問題もありますので、ここでとりあえず、終わらせていただきます。
厚生労働省、経済産業省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、どうもありがとうございました。
続きまして、事故情報の収集、原因究明に関して、4番、13-2番、13-2-2番でございます。
初めに、事故情報の収集、原因究明に関連する4番、13-2番、13-2-2番の施策についてですけれども、本日は、関係省庁として消費者庁においでいただいております。初めにまとめて御説明いただきまして、その後、まとめて質疑を行いたいと思います。説明の方からお願いいたします。

○消費者庁金児消費者安全課企画官 消費者庁消費者安全課の金児と申します。私の方から施策番号4番について御説明させていただきます。
資料は、資料5-2から始めさせていただきます。資料5-2は、ここで消費者安全法に基づく国会報告を作成したときの資料なんですけれども、ここに事故についての消費者庁の通知についての流れが出ておりますので、これを使わせていただきます。
この左側の方で消費者事故等に関する情報の集約、分析とありますけれども、まず、この左下の黄色のところ、事業者からマル4として重大製品事故の報告と、これは消費生活用製品安全法に基づきまして、重大製品事故の報告が消費者庁に出されるということになってございます。
ここでは、581件となっておりますけれども、これは昨年度の下半期の数字でございます。
その右側に、関係省庁・地方公共団体からマル1として重大事故等の通知というのが、これは消費者安全法に基づきまして消費者庁に出されていきます。これは、左側の製品事故の、製品だけではなくて、サービスとか食品についての事故なども含まれると、少しカバレッジが広いものでございます。
その右側にマル2として消費者事故等の通知というものがございますけれども、マル1との違いというのは、マル1は重大事故等についての通知でございますけれども、これは消費者安全法でございますけれども、マル2については、重大事故以外の比較的軽い事故についての通知というものが消費者庁に寄せられます。
重大事故というのは、もう御案内の方は多いと思いますけれども、例えば被害者が死亡したとか、治療期間が30日以上といった被害の大きいものを重大事故等としております。
マル3のPIO-NET、これは消セン、国セン法から来る相談情報、この中で生命・身体に係る情報がPIO-NETに入力されるという形で、私どもが承知するというものでございます。
こういった形で消費者庁は、事故の情報を収集しているわけでございますけれども、これについても検証するというものが、この施策番号4の中の1つでございます。
こういった事故につきまして、公表を行っているわけでございますけれども、右側の、情報を受けての消費者庁等の措置の中のマル2のところの消費者への情報提供の中に、最初の○として、消費者安全法にて通知された重大事故等の公表。これは、原則週1回行っております。
その下が、消費生活用製品安全法にて報告された重大製品事故の公表、これは原則週2回行っております。
こういった公表についての在り方についても検討するということになっているところでございます。
これまでどのようなことをやってきたかということでございますけれども、昨年度につきましては、地方自治体の方々と意見交換をさせていただきまして、例えば通知をする際に消費者事故かどうか、なかなか判断がし難いものがあるというようなお話をいただきまして、そういったものについては、幅広に参考情報として早めに消費者庁に情報をいただくということを昨年度の途中から始めさせていただきました。
あと、海外の同様の制度につきましても調査をさせていただきました。あと、公表要領につきましては、恐縮ですけれども、資料5-3にございますけれども、5-3は「生命・身体被害に係る消費者事故等の公表に関する基本要領」というものですけれども、これは、平成22年6月25日に改訂いたしました。
改訂の内容は、この基本要領の3ページ目の一番下のパラグラフで「また、一定の類型の製品等に共通する安全性に関する情報についても」というところで、こういったものについても迅速に公表を行っていくと。例えば製品の誤使用などについても、そういった注意喚起情報も公表するというようなことを新たに付け加えてございます。
この資料の1ページ目の一番下のところで、定期公表の内容について、下から3行目の右側ですけれども、因果関係括弧と書いてありますけれども、因果関係があると強く疑われる場合には、詳細に内容を公表すると。詳細な内容というのは、事業者名とか、製品の機種、型式でございますけれども、製品起因がどうか疑われる場合には、そういったものを公表するというふうにしておりますけれども、この要領に書いてございませんけれども、それをちょっと踏み越えて、製品起因かどうかわからない場合でもリコール製品については、こういった機種、型式を出すという運用を昨年の途中から始めているところでございます。
今年度以降、どういった検討を行うかということでございますけれども、これはまだ検討中でございます。検討するだけでなくて、実際、すぐにできるものについては、すぐに実施していきたいと考えてございます。それは、来年度以降も同様に考えてございます。
あと、御質問の中で、医療機関ネットワークについて御質問をいただいております。これにつきましては、資料5-4をごらんいただければと思います。
この医療機関ネットワーク事業というのは、昨年の12月から始めたもので、13の医療機関から事故情報を集めてございます。御質問の中では、増加への取組みという御質問をいただいておりますけれども、実は、かなり多くの情報が収集されておりまして、この9月末までに5,000件近くの情報が寄せられておりまして、今のところ、この13の機関を更に拡大するということは検討してございません。
あと、分析結果でございますけれども、1ページ目をごらんいただければと思いますけれども、1.の事故情報の活用の考え方の2つ目の●に書いてございますが、弱者、多発性、重症度合いの3つの観点で傾向を分析してございます。
1枚目の下の方の3.の(1)に12歳以下の子どもについての事故情報の傾向を分析してございます。
家の中では階段から転落、テーブルにぶつかるなどの事故が多く発生、屋外では自転車での転倒・転落が多いといったようなことを記載させていただいております。
もう一枚めくっていただきまして、2ページ目の(2)のところでございますけれども、こちらでは高齢者の事故情報の分析を行なっております。こちらでも階段から転落、つまづいて床で転倒、それから、もちでの窒息や床での転倒の事故は重症度が高いと、はしごなど道具を使用中の事故が見受けられるといった分析を行ってございます。
このほか、医療機関ネットワーク事業においては、追跡調査というものも行っておりまして、これは、別添の2に医療機関ネットワークで実施した追跡調査の概要についてというペーパーを付けさせていただいております。この中で、4件の事故について詳細な情報、これは被害者の方から実際に聞き取って、こういった資料をつくらせていただいているところでございます。はしごと、刈払機、草刈機、それから加湿器の2件、計4件について事故情報をまとめているところでございます。
もう一つ、御質問といたしまして、自転車の幼児2人乗せの転倒事故ですね。これについて御質問いただいております。自転車の事故については、消費者庁もこれまでいろいろ注意喚起は行っているんですけれども、こういった子どもを自転車に乗せたときの転倒事故というのは、法律に基づく通知の中ではほとんどございません。
それで、先ほどもちょっと触れましたけれども、医療機関ネットワークの医療機関から出てくる情報の中では、結構、自転車の事故はございまして、これについて、資料5-5といたしまして、これは国民生活センターさんの方でまとめられております。国民生活センターと私どもが一緒にこの医療機関ネットワーク事業を行っております。
1ページ目の最初のところを見ますと、2011年7月末までに62件の事故があったということが書かれておりますし、後ろの方では消費者向けの注意喚起事項が記載されてございます。
とりあえず、私からの説明は、以上です。

○消費者庁坂田消費者安全課長 消費者庁の消費者安全課長をしております、坂田でございます。どうぞ、よろしくお願いします。
それでは、施策番号の13-2、13-2-2について、資料6をお開きいただきたいと思います。
A3横長でありますが、消費者事故等の調査体制の整備という資料でございます。経緯が前に書いてございますが、背景の中の2つ目のポツでありますけれども、消費者庁は平成21年の9月に立ち上がりまして、同時に消費者安全法という法律が施行されております。この法律によりまして、消費者事故情報の一元的な集約の仕組みが整備されたということでありますけれども、原因究明ですとか、再発防止のための事故調査を行う仕組みは、現状では、まだまだ不十分だということでございます。
消費者庁設立の法案審議におきましても、附帯決議の中では、消費者事故等についても独立した調査機関の在り方について法制化を含めた検討を行うとされております。
こういったことを踏まえまして、消費者庁の方では、昨年の8月から今年の5月にかけまして、事故調査機関の在り方に関する検討会という有識者の会合を開きまして、事故調査機関の在り方について検討を重ねてまいりました。
その結論を踏まえまして、今般、消費者基本計画の見直しが平成23年7月8日に閣議決定されたということでございます。
こうしたことを受けまして、来年の通常国会に事故調査体制を整備するために法案を提出する準備を進めるとともに、来年度の概算要求で必要な機構定員、予算要求を行ったところでございます。
下の図の方をごらんいただきたいと思いますけれども、現在、構想しております事故調査体制の概要について、これから御説明したいと思いますが、まず、独立、公正な判断ができますように、消費者庁に消費者安全調査会、これは有識者の会議体、いわゆる8条機関、審議会ということになりますけれども、それを設置するということでございます。
ここで、消費者事故の調査を実際に行うということでございます。そうした事故調査、原因究明などを踏まえて、消費者庁に対しては勧告、それから関係省庁に対しては意見具申の形で政策提言をしていきたいということでございます。
その調査会を支える事務局体制としては、消費者庁の消費者安全課の下に事故調査室という室を置きまして、実質的に事務局機能を担うという形にさせていただければということでございます。
図の右側の方に目的、権限、それから組織、調査対象等を書いてございます。目的が事故の原因究明、再発拡大防止のための提言ということでございます。
権限ということでございますけれども、事故調査に必要な権限を法律で付与するということでございます。
それから、調査会の組織ということで、本委員は、非常勤委員7名、独立して職権を行使できるようにいたします。
調査対象の方でございますけれども、製品、食品、施設、役務等、生命・身体分野の消費者事故等に網羅的に対応できるようにするということでありまして、これを少し模式的に図式化したのが2ページ目の部分でございます。消費者安全調査会の調査対象ということで、黄色の部分というのは、行政処分の前提として違反行為等を確認するということで、既存の機関の方でさまざまな調査が行われているということでございます。
新しい事故調査機関は、その部分について二重の調査をするというのは、行政効率上、非常に無駄ということになりますので、その点については、必要に応じて評価をする形で関与させていただきたいということでございます。
それ以外の緑色の部分が自ら調査をする範囲ということになります。特に赤枠で囲んだものが典型的な事案ということになろうかと思います。
唯一例外がございますのは、運輸事故の分野でございまして、運輸の分野には、運輸安全委員会、これは独立性、公正性の高い3条機関であること。更には所掌事務に事故調査を明記しているということがございますので、この分野については、運輸安全委員会に委ねたいと思っております。
1枚目にお戻りいただきまして、こういった幅広い専門分野をカバーするということでありますので、専門性を確保するのが非常に重要だということでございます。
私ども考えておりますのは、図の下の方に書いてございます。1つは、有識者バンクということでありますけれども、製品ですとか、食品、施設、役務等の各分野の専門家に、この事故調査機関に専門委員として参画していただきまして、実際の事故調査に参画をしていただこうということでございます。それが、1つございます。
もう一つは、連携機関ネットワークということで、左側に書いてございますけれども、大学ですとか、民間団体の研究機関等で、特別の施設や設備をお持ちだという場合に、それをお借りをするということもあるかと思いますし、分析等の一部を依頼するということも今後考えられるわけですけれども、そういった機関と日ごろから連携協力関係を築いておきまして、いざというときには、そういった機関にお願いをするような体制も整えていきたいと思っております。
もう一つは、被害者との関係でございます。先ほどの検討会でも事故調査には被害者の視点が非常に重要だということを御指摘いただいております。そういった観点から、まず、被害者の方が申立て、こういった事故調査をしてほしいという申立てをした際に、それをきっちりと事故調査機関で受けとめて、その事故の調査の必要性を判断して、必要だということになりましたら、次のステップ、事故調査のステップに移っていくという仕組みを1つつくっていきたいと思っております。
もう一つは、事故調査が、今、どういう局面にあるのかということを節目、節目で被害者の方に情報提供する、説明するというようなことで、事故調査機関の信頼というのを勝ち取れるようにしていきたいと思っております。
以上が調査機関の概要でございますけれども、御質問いただいた点をお答えしたいと思います。
1つ目は、消費者安全調査会が8条機関として消費者庁の内部に新たに設置されることが予定されているようだが、事故の再発拡大防止と消費者への安全情報の提供について実効性が十分なものとなるよう、どのような検討をしているかという点でございますが、お答えといたしましては、まず、消費者安全調査会は、消費者庁が把握した事故につきまして、専門的、科学的知見に基づいて原因究明を行って、消費者庁に対して必要な措置等を実施するよう勧告を行うとなっております。
他方、消費者庁には、消費者事故情報が一元的に集約され、更に消費者行政の司令塔としての権限も付与されておるわけですけれども、消費者安全調査会は、その集約された情報を更に生かして、消費者庁の司令塔機能をより活性化するため、「情報」から「権限」につなげていくというプロセスにおける理論的な基盤、支柱になるものと考えております。
更に、消費者への安全情報の提供に関してでございますけれども、事故の再発拡大防止の手段の1つというふうに思っております。消費者庁が各種措置の一環として行うことになりますけれども、消費者庁は消費者安全調査会から勧告された場合のみならず、自らの判断で速やかに注意喚起をすることができるということでございます。そういう意味では、消費者安全調査会の調査の終了を待つことなく注意喚起等を行うこともあり得ると考えております。
更に、消費者安全調査会の調査結果あるいは勧告等を踏まえて更に注意喚起をすることも考えられるわけでございまして、こういったときには、専門家による科学的な調査結果が得られることで、これまでより実効的な注意喚起が可能となると考えております。それが問の1つ目でございます。
問の2つ目でありますけれども、消費者安全調査会と消費者委員会との役割分担についてどのように検討しているかということでございますが、お答えといたしましては、まず、消費者委員会は内閣府に設置されておると、更に消費者行政全般の監視機能を果たすために、主として政策ですとか、制度の是非といった観点から調査、審議をして建議をされるものと理解しております。
一方、消費者安全調査会の方は、消費者庁に設置されて、科学的に事故の原因を究明するという観点から、個別の事故について調査し、勧告をするということでございます。
このため、消費者安全調査会の勧告は、あくまでも個別事案の対応に関するものとなります。したがって、両者の役割に重なるところはないと考えておりますけれども、今後、更に消費者委員会を始め、関係各省とも整理を進めていきたいと思ってございます。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。それでは、御質問、御意見のある方は、発言をお願いします。いかがでしょうか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 まず、金児さんの方に3点伺いたいんですが、13の医療機関からの情報を集めて、非常に有効な分析がなされているわけですが、先ほどの別添2に基づく、例えば危害情報ですね、これは、医療情報ネットワークによる成果であるということで、広く公表された事実があるのかどうか。もし、公表されていないとしたら、まさにこういう情報が入ってきたお陰で、添付2の非常にわかりやすい具体事例が出てきていますので、こういう情報が集まると、こういうことが消費者庁としても注意喚起できますと、加湿器による熱傷事故が起こっていますと、こんな事例ですということで公表したら、情報を提供する側にも励みになると思うんですが、どうなのか。
それから、13医療機関を拡大するつもりはないというお話のようなんですが、マンパワーの関係で、もっと医療機関が、情報提供源が増えると大変かもしれないんだけれども、できるだけ広く情報を集めるという観点から言うと、できるだけこの13の医療機関を拡大していく方向が望ましいと思うんですが、そこら辺はどういうふうにお考えなのか。
3番目に、実は、消費者委員会で高齢者施設の有料老人ホームの問題について調査したときにわかったことなんですが、高齢者施設で、お年寄りが事故に遭った場合には、自治体に報告する義務があるんですね。この自治体に報告されている高齢者の事故情報が、消費者庁にどうも集中される体制になっていないようなんです。前回も何回か指摘したと思うんですが、その高齢者施設における事故情報を自治体に集めて、これは法律上そうなっているんです。それを消費者庁に集める体制ができているのかどうか、一応、3点です。
それから、坂田課長には、これは本当に悩ましいところでして、これで機能するのかなと、ないよりはましなのかという気持ちと、しかし、これで果たして本当に公平中立かつ消費者の信頼を勝ち取れる事故消費者安全調査会が実現できるんだろうかという不安とがない交ぜになってしまうんですけれども、少なくとも消費者安全課の下に、この事故調査室の事務局があって、そこが差配しながらというか、事務局的に動きながら非常勤の、消費者委員会も非常勤ですが、それだけに事務局の重大性を非常に痛感しているわけですが、非常勤の調査会の委員会が本当に独立して公平中立に機能できるんだろうか。
例えば消費者庁が、ちょっと言葉は悪いですけれども、注意喚起を怠っていた、あるいはやるべきことをやっていなかったがゆえに起こったような消費者事故について、公正中立にこの事故調査会が勧告なり報告なりできるんだろうか。事務局の意向を抜きに、公平性、独立性をどう担保するのかというのは、非常に不安に思うんです。そこについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

○河上委員長 金児企画官、どうぞ。

○消費者庁金児消費者安全課企画官 御質問ありがとうございます。まず、資料5-4、別添2も含めて、すみません、説明いたしませんでしたけれども、9月16日付で公表させていただいたものでございます。
それから、13の医療機関を拡大するかどうかという件でございますけれども、先ほど御説明したとおり、5,000近く集まっていて、それが十分かどうかという部分があるかもしれませんけれども、特に子ども関係は、国立生育医療研究センターからたくさんの情報をいただいておりまして、かなり分析するに足りるだけのものが集まっているのではないかと考えております。
あと、お年寄り関係もこれからためていけば、相当数集まるというふうに考えているところでございます。
あと、当然、これを集めるのに費用もかかっているわけでございますので、そういった費用対効果というものも考えていく必要があるのではないかと考えているところでございます。
あと、高齢者施設からの事故情報の収集ですけれども、厚労省に来たものは、うちの方に、消費者安全法に基づいて来ていると思いますけれども、そういったことは、消費者安全専門調査会とかでも御指摘いただいたところでございますので、まさに、これからの検証の中でやっていくものだと思っております。

○消費者庁坂田消費者安全課長 事故調査機関の関係でありますけれども、御質問の点、1つは、安全の確保の措置に関しては、消費者庁は隙間の部分に関係しておりますけれども、それ以外の大部分は各省庁にあるということでございますので、したがって、各省の権限の発動を促すということで、対応すべきもの、課題が多いというのが1つあろうかと思います。
もう一つ、実態論として、消費者庁に情報が集約される、一元化されるということで、それに基づいて消費者庁はさまざまな動きをするわけでありますけれども、そういったラインの近くにあることによって、まさしく熱が伝わるといいましょうか、事故調査機関も日々アイドリング状態で、いざ事案が起きたときに速やかに立ち上げられるように、雰囲気を知っていただくというのは非常に重要なことではないかと思っております。
そういった点を踏まえて、この8条機関は、審議会でありますので、委員の先生方は独立してその職権を行使するということになろうかと思いますので、独立・公正な判断をしていただけると思っております。
以上でございます。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 運輸安全委員会という運輸系の事故調査委員会がございますね。ここは常勤の委員で、非常に独立していて、当然事務局も独立したところになっていますね。今、山口委員長代理がおっしゃったことですが、体制として、やはり事故調査が専門的に独立してなされるというところが、一番消費者にとっても信頼を担保するためには必要ではないかというところから懸念があるということでございます。

○河上委員長 御回答等はよろしいですか。

○小幡委員 はい。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 御説明ありがとうございました。今、坂田課長が御説明いただいたところで、どうして消費者庁の中に消費者安全委員会を設けたのかという御説明があったと思うんですけれども、外から見たときに、やはり公正性、科学的知見に基づいてという意味で、やはり疑念といいますか、果たして実効性がある機関ができるのかというのは、消費者としては大変危惧を持っているのが実際だと思っております。
そして、なぜこれが、例えば内閣府ではなく、消費者委員会の中の調査会ではなく、どうして消費者庁にあえてというのは、先ほどの御説明では、少し足りなかったような気がいたしますので、そこのところをもう一度御説明いただきたいのと、それから、実際に、仮にこの形でやっていくとしましたときに、調査対象は、先ほどの図のところでいきますと、それぞれの分野は、既に調査をする機関があるわけで、そこのところには入らないと、重なるので、そうではなくて、緑で図示された部分についてやるんだという御説明でしたので、そうしますと、この調査会がやるのは、隙間事案だけというふうに受け取れるのですけれども、その辺についても、そういう理解でよろしいのでしょうか、お願いいたします。

○消費者庁坂田消費者安全課長 まず、1点目でございますけれども、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、まず、一旦事故が起きました場合には、当然、消費者庁は本課も当然動くわけでありますし、更には消費者安全調査会は事故調査の方を担当されるということで、その両方が車の両輪というわけではないんですけれども、連携しながら進めていくことが、さまざまな事故調査ないしは措置を進めていくには必要ではないかなというふうには思っております。そこが独立して別の機関ということになりますと、人的リソースも分散されるということで、いざ力を出そうというときには、十分力が出せなくなるのではないかなということを、私ども実務的には危惧しているということでございます。
もう一つ、調査対象の御指摘でありますけれども、黄色の部分で、何が調査か、評価かと、どういう場合に調査で、どういう場合で評価かというのは、なかなか区別がし難いわけでありますけれども、各省がそれぞれやっている調査が二重にならないように、私ども重ならないようにするということであって、その調査を踏まえて、更にその結果を踏まえて、我々別の視点から必要な調査をするということも当然あると思っておりますし、更には、不十分な体制の調査であれば、我々としては、事故の再発の防止の観点から見過ごせないという場合には、それは当然のことながら、我々も事故調査をするということがあり得ると思っております。
したがって、二重にやるというのは、無駄だと思いますし、行政効率上よろしくないわけですけれども、そういったところが、全く放っておかれるということではなくて、再発防止、拡大防止につながるような事故調査がなされているかどうかという判断で対応していくということになろうかと思います。

○河上委員長 大分時間が押してしまいました。この辺で、質疑を終えたいと思います。どうもありがとうございました。消費者庁さんに対しては、やはり消費者問題に対して、各省庁に対して横ぐしを刺して司令塔として事故調査に積極的に取り組んでいただくという期待を委員の皆さん持っていらっしゃって、その意味では、補充的にのみ動くのではないかとか、中立・公平性をきちんと担保できるのだろうか、とかいろんなことを考えてしまうところがあったということかもしれません。
より一般的な事故の再発拡大を防止するために、場合によっては消費者委員会もこの調査の結果に対して、あるいは原因の究明された結果や対応策に対しては、やはり一定の言うべきことは言わせていただかなければいけないだろうなと考えているところでございます。
まだ、これから法案を策定されていくということでございますので、今後の進捗状況を見守りたいと思います。
本日は、どうも御苦労様でございました。
続きまして、もうお疲れかと思いますが、余り時間もございませんので、進めさせていただきますが、住宅に関連する54、149番の施策についてですけれども、本日は、関係省庁として国土交通省においでいただいております。初めにまとめて御説明をいただきまして、そのまま、またまとめて質疑を行いたいと思います。
それでは、説明をお願いいたします。

○国土交通省井﨑賃貸住宅対策官 国土交通省住宅局住宅総合整備課の井﨑と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料7に沿いまして、施策番号の54番の現在の実施状況について御説明いたします。
内容といたしましては、民間賃貸住宅の契約の適正化、また、トラブルの未然防止ということを目的として、国土交通省の方で策定をしております、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン、また、賃貸住宅標準契約書の2つについて、昨今のさまざまな情勢を踏まえて見直しを行うというものでございます。
お手元の資料7-1にございますように、工程表におきましては、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについては、昨年度、平成22年度中、また、賃貸住宅標準契約書については、今年度、平成23年度中に改訂を行う予定としておりました。
見直しの背景でございますが、資料7-2をごらんいただきたいと思いますが、民間賃貸住宅に関するトラブル、相談というのは、非常に多いということ、また、その中でも特に敷金、保証金に関するものの割合が高いといった現実がございますので、こういったことをできるだけなくしていきたいということで、見直しを進めておるところでございます。
初めに、原状回復ガイドラインについて御説明をいたします。お手元の資料7-3をごらんいただきたいと思います。
この原状回復ガイドラインにつきましては、今年度の8月に公表しております。先ほどの工程表では昨年度中の公表ということで取組みを進めてまいりましたが、震災等の影響もありまして、4か月ほど遅れて公表しております。
原状回復ガイドライン、こちらにつきましては、当初は平成10年に策定しておりますが、先ほどのデータでもございましたように、残念ながら、その後も、依然としてかなりの件数のトラブルが発生しているということでございます。
その原因としては、さまざまなものが考えられると思いますが、特に原状回復の問題というのが、一般的に借りた後の退去時の問題ということでとらえられておりまして、当初の賃貸借の契約の締結時に貸す方、借りる方の双方が原状回復についての条件について、十分に認識を共有していないというところが、1つトラブルの大きな要因になっているのではないかというふうに考えております。
このため、今回の改訂におきましては、資料7-3の2.の改訂の概要というところをごらんいただきたいと思いますが、(1)のマル1のところにございますように、契約締結時に原状回復の条件について双方が確認できるように、新たに契約締結時の契約書に添付する原状回復の条件というものについて新しく様式を追加しております。
また、その下のマル2のところにございますように、契約段階だけではなくて、退去時の費用精算時の透明化を図るということで、精算明細書のひな形についても新しく様式として追加しております。
そのほか、今回のガイドラインの見直しでは、同じ資料の裏面にございますように、(3)のところでございますが、昨今のよくある質問についてのQ&Aの追加ですとか、裁判事例の追加についても行っております。
なお、事前にいただいております御質問の中で、このガイドラインの周知についての質問をいただいておりました。このガイドラインを策定しました今年の8月の改訂時に記者発表、それから国土交通省のホームページで掲載をするということは、当然のことといたしまして、その後、周知についてさまざまな取組みを行っております。
具体的に申し上げますと、1つは、大家の方々、それから不動産業者の方々が集まるセミナー、これはすべての都道府県で開催されておりますが、このセミナーにおいて、このガイドラインについて周知を行ったり、それから行政書士会、司法書士会と連携をした賃貸住宅を巡るトラブルに関する相談会や講演会というものを開催しておりますが、そういった際に周知を行ったりということで、さまざまな機会を通じて、家を貸す方、借りる方、双方への周知に努めているところでございます。
同じく事前にいただいた御質問の中で、東京都が独自の取組みをしているようだが、それとの関係について御質問をいただいております。
こちらにつきましては、今回のガイドラインの見直しに当たって、有識者の方からなる検討委員会を設置して検討をいただいておりますが、その際に、東京都の担当職員の方にも入っていただいておりまして、連携をしながら取組みを進めているという状況でございます。
以上が、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについての御説明でございます。
次に、賃貸住宅標準契約書の見直しについての現在の検討状況でございます。お手元の資料7-4をごらんいただきたいと思います。
7-4の資料の下の方にございますように、この賃貸住宅標準契約書につきましては、現在、まさに見直しの検討を進めておるところでございまして、弁護士の方や消費者相談員の方、また、関係団体の実務経験者等で構成されます検討委員会を設置しております。
9月に第1回目を開催いたしまして、ちょうど、今日、午前中に2回目の委員会を開催して、検討を進めていただいているところでございます。
今後、あと、2、3回の検討委員会を経て、成案がまとまり次第、公表をしていきたいと考えております。
具体的な検討内容、同じく資料7-4の真ん中ほどにございますが、先ほど申し上げました原状回復ガイドラインの検討結果を標準契約書に反映させるということと併せまして、暴力団の排除条項についての追加、また、この資料には記載がございませんが、更新料についても検討していきたいと考えております。
更新料につきましては、事前にいただいた御質問の中で、更新料の表示が消費者にわかりにくいという相談があるけれども、その実態について教えてほしいという御質問をいただいておりました。
こちらにつきましては、以前の私ども関係機関の調査では、例えば神奈川県では9割、千葉県では8割と、関東圏では、この更新料を徴収しているところが多いという一方で、大阪や兵庫では全く徴収していないといったように、かなり地域による偏在が大きくなっているという実態がございます。
この更新料につきましては、わかりにくいという指摘も踏まえまして、国土交通省の取組みではございませんが、関係団体の方の自主的な取組みとして、賃料に更新料ですとか、敷引金、礼金を含んだ1か月あたりの、言わば実質賃料をめやす賃料という形で表示するような取組みを始めておられまして、こういった取組みの効果についても、私どもの方としても注視をしていきたいということで考えております。
今回、検討委員会の方で、この更新料について検討しておりますが、先ほども申し上げましたように、地域によってかなりばらつきがあるということで、逆に標準契約書の方に盛り込むことが果たしていいのかどうかということも含めて、現在、議論をしていただいているところでございます。
最後に、事前にいただいた御質問の中で、今回の震災に関連して、消費者と大家の方で賃料を巡るトラブルがあるんではないかといったことについて、国土交通省で把握している問題があれば、披露していただきたいということをいただいておりました。
ただ、今回の震災時のトラブルについて、現時点できちんとした形で調査を行ったということは、まだございません。ただ、当方で把握している相談事例として、例えば地震によって家具が転倒したんだけれども、そのことでフローリングが傷ついてしまったときに、その修繕費用の負担方法ですとか、震災により建物が損壊した場合で、賃貸人が修繕を行ってくれなかったと、こういったときに、契約どおりに住宅を使えないので、賃料の減額請求はできないのかと、こういった質問、相談が寄せられているというようなことはございます。
この震災時の危険負担の問題につきましても、先ほど申し上げました標準契約書の検討委員会で議論するということになっておりますので、この委員会での議論も踏まえて検討していきたいということで考えおります。
施策番号54番についての説明は、以上でございます。

○国土交通省橋本住宅生産課長 国土交通省の住宅生産課長の橋本でございます。よろしくお願いいたします。
施策番号、149番の省エネについて御説明申し上げます。まず、資料8をごらんいただきたいと思いますが、省エネの施策につきましては、大まかに言って規制と誘導、2種類ございまして、特に規制につきましては、資料8の4ページをごらんいただきたいんですが、現在、省エネ法で一定規模以上の建築物を新築または大規模改修する場合には、省エネの措置について届出をして、この内容が著しく不十分な場合には、勧告等の一定の規制は行っておるところでございます。ただ、これはあくまで著しく不十分な場合にのみ指示あるいは勧告が行われるものでございまして、すべて、現在の例えば省エネ基準に適合しなければ建築できないという規制には、現在はなっておりません。
それから、支援については、8ページの下の方に支援策を小さく書いてございますが、一番わかりやすい最近の事例では、住宅エコポイントの制度がございます。住宅エコポイントにつきましては、新築、省エネ基準を満たしたもの、あるいは木造以外は、トップランナー基準といって、現行の省エネ基準より、更に1割エネルギー消費量を削減するものについて、30万ポイント付与するものでございますが、このエコポイント制度をやりましたお陰で、従前の省エネ基準適合率が1、2割だったのが、昨年の例で見ますと、5、6割まで上がっております。1戸当たり30万円にしては、効果は上がったと思っておりますが、これ以上、更に省エネ基準適合率を上げるには、やはり支援だけではもう限界だろうと思っておりまして、規制を発動する必要があろうと思っております。
それで、8ページの上の方でございますが、現在、経済産業省、環境省と一緒に赤字で書いておりますが、低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議というのを設置して、2020年までにすべての新築、建築物に省エネを義務化するための工程表というのを、現在、作成中でございます。本来ならば、今年の6月ぐらいまでにまとめるということでございまして、ちょっと震災の影響で遅れておりますが、年内には方針をまとめて、最終的には2020年には省エネ基準を満たさない建築物は建築確認が下りないという状況まで持ち込みたいと思っております。
ただし、現在でも、大手のゼネコンとか、大手ハウスメーカーは、既に100%省エネ基準を満たした住宅を供給しておりますが、大工、工務店さんは、やはり1割に足りておりません。日本全国大手ハウスメーカーが供給しているわけではなくて、大手ハウスメーカーは都市部しか対象にしませんので、そうすると、地方部の大工、工務店さんが引き続き、伝統的な在来木造の家を建てているところでも、ちゃんと省エネ基準を満たした住宅ができるためには、やはり大工、工務店に対する技能講習とか、技術取得に対して、積極的に政策的な支援を行う必要があると思っておりまして、この住まいと住まい方推進会議の中で、今後、例えば5年間程度集中的に、そういう技能取得をしていただいた上で、規制を導入するということで、今後、方針を立てたいと思っております。
以上が、まず、基本的な考え方と、それからいただいた質問の1番目のお答えでございます。消費者の方が住宅の省エネ制度についてどのように知ることができるのかと、大まかに言いたいと思います。
1つは、資料8の9ページの住宅性能表示制度でございます。これは、御承知かと思いますが、第三者機関が住宅の性能評価をして、住宅性能評価書という形で消費者にお渡しをするというものでございます。
現在、新築住宅の約20%強、24%くらいがこの性能表示を受けていただいておりまして、この性能表示の中には、当然省エネ性能についても全く何もしていない等級1から、現行の省エネ基準を満たしている等級4まで、それぞれのランクを付けて消費者の方にごらんをいただくことは可能でございます。
それから、もう一つ、資料8の10ページ目でございます。住宅省エネラベルという制度がございます。
これは、省エネ法の中で、家電製品とかの省エネ制度のラベリングと同じでございまして、自己認証も認めておりますし、第三者認証もございますが、住宅事業建築主の、いわゆる分譲住宅を供給する人が、しかも年間に150戸以上供給する人が、トップランナー基準という、現行の省エネ基準より、更に1割エネルギー消費量を満たした住宅である場合に、この表示ができるという規定を置いているところでございます。
普及状況ということで御質問いただいておりますが、大体対象になる住宅の15%程度、昨年22年度の実績でいうと、6,000戸程度が、このラベリングを使っております。
ラベリングは、先ほど申し上げましたように、自己認証と第三者認証と両方可能でございますが、ほとんどが第三者認証にいっております。建築物登録調査機関という大臣が登録を受け付ける機関が行っております。
ただ、不正が起こる余地はないのかという御質問をいただいております。これは、当然登録をされている機関は、虚偽の評価をしたりすれば、罰則が課されるわけでございます。その範囲内で適正に業務を行っておるとは思っております。そういうことと、現在までにそういう問題が起きたということは承知しておりません。
ただ、任意の制度でございますので、消費者の方がすべからく住宅の省エネ制度をお知りいただく状況になっていないというのは事実でございます。
もう一つ、今回の震災で、特に省エネ性能というのは、高く言われるようになりました。現在の日本の省エネ基準は、例えば住宅でいうと、天井のグラスウールは100ミリとか壁は150ミリとか、いわゆる仕様規定で決めております。
これと、太陽光発電で3キロワットというのを差し引きすることは不可能でございます。ところが、EUなんかを見ますと、標準的な備え方をした場合に、そのおうちで使うエネルギー消費量は、例えば何キロワットだという表示をすることを義務づけている例もございまして、我が国においても、一次エネルギー消費量換算の表示に切り替えていって、そうしますと、再生可能エネルギーの利用と差し引きが簡単にできるようになるということで、恐らく省エネ基準の義務化の前に、まず、省エネ基準自体を一次エネルギー消費量換算にして、その表示も標準化をする、義務づけをするか、任意にするかは、ちょっと法制上の検討の余地があると思います。そういう形で持ち込んだ上で、消費者の方にわかりやすく表示できる仕組みを整えて義務化にいきたいと思っております。
早ければ、来年の通常国会には、省エネ法の改正について出せるかどうか、現在、検討中でございます。詳細について、ちょっとまだ決まっておりませんが、また、消費者委員会の御指導もいただきながら、適正に取り組めるように進んでいきたいと思っております。
以上でございます。

○国土交通省今村企画専門官 補足的にでございますけれども、建築指導課の今村と申します。
住宅の製品・設備の設置を巡る問題発生の状況はどうかという御質問でございますが、住宅の省エネの製品・設備の設置につきましては、偽装問題とか、そういったような悪質な事例という意味では承知しておりません。
関連としましては、3月に東日本大震災が起こりましたけれども、その際に、夜間電力を利用した電気温水器とか、ヒートポンプ給湯器、いわゆるエコキュートのような住宅に設置されます給湯器の貯湯タンクですね、それが倒れたりするという相談が国民生活センターの方に100件近く寄せられまして、同センターの方から7月21日付で報道発表がなされているところでございます。
転倒した原因としまして、ちゃんとアンカーボルト等で固定しなければいけないところ、それがされていなかったとか、またはアンカーボルトはありましたけれども、その径や埋め込み深さが不足していたと、そういったような事例が見受けられました。
そういったことを受けまして、9月7日付で、国土交通省から都道府県に対しまして、電気給湯器等の転倒防止について通知を出しまして、その中で転倒防止の考え方について周知を行ったところでございます。
また、この件につきましては、マンション関係団体とか、電気給湯器等のメーカー団体にも周知を行っているところでございます。
関連しまして、Q6としまして、耐震関係のことについても同様の問題が発生していないかという御質問でございますが、例えば耐震関係としましては、免震装置とか、制震装置とか、そういったことが考えられるかと思いますけれども、特に問題が発生しているという話は伺っておりません。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。かなり時間が押しておりますが、15分ぐらいの延長は可能ですか。すみませんが、それでは、短い時間ですけれども、御質問がありましたら、お願いいたします。
小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 省エネの話で、東日本大震災があってから、やはり太陽光、屋根をパネルにすると、消費者の方が、既存住宅でもそういう選択をされる方も多くて、その場合は、費用と効果の関係が一体どうなのかというのは、なかなか悩ましいというか、よくわからないというような状況だと思うのですね。
そういうこともあってお聞きしたのですが、少なくとも、今の省エネは、おっしゃったように、必ずしも太陽光の差し引きがやられていないということであれば、是非、それを進めていただきたいと思います。
この省エネラベルですが、今の省エネラベルは、そういう太陽光とか、電力消費そのものではないということでしたけれども、建築主が自らの自己評価、これは建売住宅などを建てる方が自己評価する、そういうことですか。

○国土交通省橋本住宅生産課長 さようでございます。

○小幡委員 この図で同じ省エネラベルのマークなので、消費者にとっては、多分第三者評価の方がより信頼性が大きいように思われるのですが、何か似たような感じに見えるという問題点はありませんか。

○国土交通省橋本住宅生産課長 大変わかりにくいんですが、実は、この省エネラベルを張れる基準というのは、トップランナー基準と言っておりまして、実は、このトップランナー基準というのは、一次エネルギー消費量換算でやって、なおかつ太陽光なんかを差し引き、非常にそういう意味では、最も理想に近い形でやっていて、やろうと思うと、専門の調査機関か、大手ハウスメーカーでないと、現在のところできないんです。そういう意味では、余りごまかしが効かないというか、大手しかできないようなものなんですが、なおかつ、先ほど申し上げましたとおり、ほとんど第三者機関で評価をして、今のところはラベルは張られているので、そういう意味では、自己評価でも第三者評価でも、実は余り変わりはないような気がするんです。
もう一つは、省エネ法の86条は、住宅建築物だけではなくて、家電なんかも全部ラベル入りの制度を設けていて、家電なんかは、例えばJIS基準は設けるけれども、実際の認証は、自己認証でやられているという例もあったりして、その横並びがあって、どうも自己認証というのを設けて、立法の経緯で設けたんだと、私どもは理解をしております。

○河上委員長 よろしいですか。いろいろお聞きしたいところは、まだあるのですけれども、大分時間が来ていますので、今日はここで、また改めてもし必要であれば、お願いしたいと思います。
国土交通省さんにおかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。
続きまして、最後になりますが、旅行業に関連する59番の施策についてでございます。本日は、関係省庁として観光庁においでいただいております。
それでは、説明をお願いいたします。

○観光庁鶴田観光産業課長 観光庁の観光産業課長をしております鶴田と申します。よろしくお願いします。
施策番号の59番、最後の項目でございます。資料9をごらんいただければと思います。
私どもが所管しています旅行業法は、その旅行業につきまして、左側にございますような取引条件の説明義務ですとか、書面の交付といったような行為規制をかけるとともに、併せて広告の表示事項の適正化等を行っておりますが、それから、今回の議題と直接ではないかもしれませんけれども、一番左下にございますように、旅行業者が倒産した場合に備えまして、旅行業の営業をする際の登録の要件として、営業保証金の供託、または業界の互助制度的な代替措置として、弁済業務保証金の供託といった、一定のお金をあらかじめ供託しておいて、倒産した場合でも利用者、お客様になるべくスムーズに返金がなされるようにといったようなことを義務づけて、これをしないと、旅行業を営めないという規制をしてございます。
これらの義務の遵守状況につきましては、立入検査などを行いまして、パンフレットの記載ですとか、取引条件の説明や書面の交付状況などを確認して、消費者保護が図られているかというのを点検してございます。
御指摘いただきました、インターネットによる旅行取引の増大への対応につきましては、主に右上にございますように、旅行業者に対する要請等を通じて適正化を図っておりまして、具体的には、平成19年になりますけれども、インターネット取引を利用する旅行業務に関する取扱いについての通達をいたしまして、それと並行して業界団体におけるガイドラインの策定に協力してきてございます。
消費者からの苦情につきましては、旅行業法で旅行業協会が苦情処理業務も実施するというのが法定されておりまして、ここにおきまして適切に対応されていると考えております。
特に、JATA、日本旅行業協会におきましては、消費者相談室を設置しまして、旅行会社と交渉する上でのアドバイスを行ったり、それから紛争解決のあっせんを行ったりといったようなことを行っております。
更に、右下でございますが、これは業界としての取組みということでございますが、パンフレットの作成などを通じて、旅行取引を行う際の注意すべきポイントというのを普及啓発に努めてございます。
それから、事前にお寄せいただきました御質問について、個々にお答えしたいと思います。
まず、第1点目として、インターネットによる旅行契約を巡る具体的問題の発生状況と対応についてということでございますが、まず、インターネット取引に関しましては、契約の相手方が利用者から見ると、相手方が、そもそも旅行業者なのかどうかと、登録を受けている業者かというのが不明であるということですとか、それから旅行業者ですと、取引条件の書面の交付というようなことが義務づけられていますが、そういうのが未確認のままで契約の手続が進んでいってしまうということですとか、契約がいつの段階で成立したのかが不明だといったような、いわゆる営業所に行って、窓口で取引をする場合とは、異なった相談というのが寄せられているというふうに理解しております。
これらについては、旅行業者に対しまして、営業所と同様、ウェブサイト上で旅行業者であることを示すということ、また、取引条件の説明については、そのサイト上で条件の書面が画面に表れて、それを了承するという、アイコンをクリックするというような、そういう手順を、その手続の中に入れるようにといったことですとか、それから、旅行業者側で内容を誤って入力するというようなことを防止するために、入力内容の確認のページが1回表れるようにするといったことを、先ほど申し上げました通達の中で盛り込んでおります。
これも今となっては当たり前に大分なってきている感はありますけれども、当時インターネット取引が盛んになり始めたころは、なかなかそれが未確立でそれを巡るトラブルが多々あったということで、それを具体的な手順を課して、それを実際にウェブサイトに盛り込んでいただくというようなことをやってございます。
2点目といたしまして、外国から日本に来られた旅行客、それから日本から海外に出かけられている旅行客についてのトラブルの発生状況と対応についてということですが、まず、日本人旅行者が海外でということでございますと、トラブルの内容としましては、実際に宿泊するホテルが契約時に希望していたものと違うといったようなサービス内容の相違という苦情が多いと聞いてございます。
これは、旅行業に関する規制の一環としまして、約款、旅行業に限ったことではございませんけれども、約款を提示して契約するというのを義務づけてありますが、実際、旅行業者も中小規模のところが多うございますので、それの代替措置としまして、標準約款を行政側で用意して、それを実際の取引で使う場合には、個々の認可を受けなくていいよという制度にしてございますが、その標準約款の中で、一定の旅程保証も盛り込んでおりまして、ホテルが異なった場合は、旅行代金の何パーセントとか、また、イベントのキャンセルがあったりした場合には、何パーセントというような変更保証金が支払われるという仕組みにしてございまして、これで対応が行われると考えてございます。
一方、外国人旅行者が日本でということですけれども、これは非常に原則的なことを申し上げますと、それぞれの国の自国民保護ということになってしまうのかもしれませんけれども、一方で、我々はインバウンドを促進するというのを重点的に進めてございますので、観光案内所、いわゆるツーリストインフォメーションを設けて対応してございます。
これは、事案の性質によってですけれども、そこで苦情の対応に当たる場合もありますし、または警察に相談するように助言するような場合も、内容によってはあると聞いております。
一方、旅行業という目から見ますと、日本の旅行業者が外国人が日本に来るような商品を大量に売って、そういう形で外国のお客様が入ってくるということであれば、旅行業者を通じていろいろ支援もできるんですけれども、実際、まだ、営業力という面で、日本の旅行業者は、日本人を外国に連れていったり、国内旅行をしてもらったりというところがメインで、これは各国の旅行業者それぞれそうでございますけれども、外国の方に日本に来ていただくというための市場開拓というのは、業界全体として、今後の課題かなと考えてございます。
3点目としまして、長期滞在者に関してでございますが、これは、留学等あっせん事業者につきましては、海外の大学、学校との仲介業務を行う事業者ですとか、それと併せて旅行業の登録をして、旅行業務として留学サービスを実施するという事業者もございますし、さまざまな形態がございます。
平成20年になりますけれども、留学のあっせん事業者で、ゲートウェイ21というのが倒産して、申し込みをした多数の方が留学できないと、お金が返ってこないという事態が発生いたしました。
この場合は、たまたまといいますか、旅行業者でもあったものですから、航空券の手配ですとか、そういういわゆる旅行業として対象にしている旅行契約の部分につきましては、先ほど冒頭申し上げた営業保証金でもって弁済を受けるというのが可能になってございます。ただ、学校に対する入学金や授業料といったところは、旅行業法で保護する範囲の対象外にはなってございます。
この件を契機といたしまして、消費者庁さんを中心に関係省庁が連携して、留学のあっせん事業者の問題に対応するという動きになって、現在に至っていると理解してございます。
我々も旅行業ということで、関与できることがございましたら、積極的に適切に対応していきたいと思っております。
逆に、先ほどと似たような構図ですが、外国の方が日本で長期滞在されるというのも、送り出し側の国の方での取引の一環として来られるというのが大半ですので、実態が必ずしも把握できていない部分でございます。
4点目で、高速ツアーバスの問題ですけれども、これは、御指摘いただいていますように、消費者側から見ると、いわゆる高速バスですね、乗り合いのバスと実質的に同じようなサービスでございますので、これは旅行商品だと、要するにパッケージツアーなんだという認識は持ちにくいと。
その結果、いわゆる高速バスですと、キャンセル料というのは、ほとんどかからないわけですけれども、パックツアーということになると、例えば1週間前から3割キャンセル料が発生するとか、当日だと半分とか、そういうことで、そこに大きな差があるというのが事前に気づきにくいという問題ですとか、それから停留所の設置義務が、ツアーバスの場合はないものですから、利用者の利便とか安全性の確保という意味で不十分だという問題が指摘されてございます。
国土交通省では、このバス事業の在り方検討会を開催しまして、6月に中間報告をまとめたところでございますが、ここにおきましても、安全性や適切な乗降場所の確保等の課題を解消するため、いわゆる新たな高速乗り合いバス規制というのを導入して、これを着実にそちらの方に移行していけるようにという、そういった検討を進めろということが示されてございますので、これは、自動車局が中心に進める検討になろうかと思いますが、それにしっかりと協力していきたいと考えてございます。
5点目としまして、添乗員の労働条件に、言わばしわ寄せをして、安売りの商品が増えて、安いのはいいんだけれども、そういう添乗員の労働条件が過酷になっているんじゃないかという問題ですけれども、これもなかなか悩ましいのが、一方で民間の自由な取引を阻害しないようにという大きな命題がある中で、その中でも旅行業につきましては、いろいろ特有の消費者保護を図るための規制というのを法律で設けていただいていますので、その範囲内でどういうことができるかということでございますが、その両方の要請の調和の中で、何ができるかということかと思っております。
我々としては、旅行業の目的の観点から対応できるような事案というのがあるようでしたら、適切に対応していきたいと考えてございます。
6点目といたしまして、余納金のこげつきへの対応としてでございますが、これも御指摘いただいています弁済業務保証金、これは旅行業協会に、この制度に乗りますと、通常の供託をして営業保証金ということでありますと、自分が倒産したときに備えて供託するだけですけれども、この弁済業務保証金といいますのは、業界団体としての互助制度としまして、1人当たり、1旅行業者当たりの供託金は下げる代わりに、一旦倒産なんかが発生した場合に、この同じ制度に乗っている同業者同士が連帯して一定の額までは債務を負うという形で、個々の旅行業者への負担を少なく、つまり参入をしやすくする一方で、消費者保護の水準は下げないというような仕組みになってございます。
それから、ボンド保証金、それは更に、先ほどの業務は法定もされておりますが、その更に上乗せとして、業界独自で取り組んでいるものにつきましても、この協会が作成していますパンフレットやホームページ、それから観光庁においてもホームページにおいて情報提供を行ってございます。こういったことで、消費者に適切に周知されているものと理解しております。
最後に7点目ですが、海外で日本の旅行者が事故に遭った場合の訴訟遂行などについての支援でございます。これは、オーストリアのケーブルカー火災、御指摘をいただいておりますが、これも非常に煎じ詰めてしまうと、旅行者と事故を起こした民間事業者の間の民事上の問題ということになってしまう部分もございますけれども、我々としましては、先ほど申し上げた標準約款の中に、特別補償制度というのを設けておりまして、これは海外でお亡くなりになったり、または後遺症が残るような障害を受けた場合には、一定額が給付されると、ケーブルカー会社との間で賠償がなされるか、なされないかにかかわらず、なされた場合であっても一定額は給付されるというものも用意してございます。
それから、海外旅行保険の加入促進というのも業界を通じて進めていって、引き続き、消費者の保護を図っていきたいと考えてございます。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。それでは、御質問、御意見のある方は、御発言をお願いします。
1つだけ、私の方からうかがいますけれども、御承知のように、EUで域内の統合が行われて、観光客が国と国の間をどんどん自由に行き来するようになって、その結果として、各国での救済のレベルがばらばらにならないようにということで、結局、法の統一まで話が進んでいったというのは、有名な話ですが、現在、日本ではアジアからの観光客は随分増えていますし、日本からアジアにでかけていくという人も増えています。
そのときに、お互いの経済力といいますか、物価ですとかがうんと違っていて、それぞれが救済の内容や消費者の権利のアンバランスになってくる可能性が出てくると、どうしても域内でのある程度のハーモナイゼーションといいますか、調整作業というのは必要になるんではないかという気がいたします。そういうことに関して、観光庁の中では何か議論はなさっているんでしょうか。

○観光庁鶴田観光産業課長 今、委員長もおっしゃいましたように、EUですと、もともとの共通の素地があるというか、その度合いが高い事情があるかと思います。もともとのそういう土壌と、かつ、基準なり規制のハーモナイゼーションについて、より大きなうねりの中の一環として非常に検討されやすいという事情があって、これは本当にある意味、うらやましい環境とも言えるわけですけれども、そういった中で、それと同じ熟度までの検討というのは、なされていないというのが実態ではあります。目下の取組みとしては、できる既存の手法をできる限り拡大して、インバウンドは急速に市場が拡大しており、アウトバウンドは拡大というか、高いところで安定していますので、十分な保護がなされるようにというのが、目先の話としてはあると思いますが、将来的に、これは近隣諸国との経済状況の格差とか、そういうものもまた見ながら、重要な視点として、しっかり心にとめておきたいと思っております。

○山口委員長代理 今、委員長が言ったことと関係するんですけれども、特に中国、韓国、日本、更には台湾やシンガポール等から日本に来る人も増えていますし、日本から行く人も増えていますね。そうなると、各国の観光庁的な役所の横の連携ですね、業者間は嫌でも連携せざるを得ない部分はあると思うんですが、いわゆる納得できる旅行をしていただくための、安心して海外旅行、特に今、お話ししたような東アジア諸国の市民の皆さんが安心して旅行できるような、そういうシステムづくりの意識的な努力というのは、必要だと思うんですが、そこら辺が、特に近隣、3か国、4か国だけでも、どういう動きになっているのか。
もう一つ、実はホテルなどは、ほとんど海外から宿泊できる人が、海外の在住者がインターネットのネットワークがあって、そこでどこのホテルが幾らだとか、いろんな情報を仕入れて、ネットワークで大体予約しているというのが実情だと私は把握しているんですが、そこら辺のホテルの予約システムですね、これも完全に、だからインターナショナルですよ、そこら辺の、これは法律規制どうのこうのではなくて、顧客サービスに尽きると思うんですが、そこら辺、どう確実にダブルブッキングや、あるいはうその表示がないように、諸外国のそこら辺の担当局と連携しながら、安心したホテル予約、ホテル利用ができるようなシステムができるのか、これは、先ほど新幹線の問題も何もお答えにならなかったですが、新幹線の予約なんかも非常にし勝手が悪いということも含めて、そこら辺の努力を意識的にするのが観光庁の仕事じゃないかと思うんですが、是非、そこら辺、今どうなのかと簡単にお答えいただくと同時に、どう努力するかのところもお願いしたいんですが。

○観光庁鶴田観光産業課長 ありがとうございます。まず、政府間の協力ということで言いますと、日本の観光政策の特色として、インバウンドだけではなくて、アウトバウンドも進めるというのがございます。インバウンドは、皆さんどこの国も、ほかの国からお客さんにいっぱい来てもらって、経済の活性化に寄与ということで進めているわけですけれども、日本は同時に交流人口の拡大ということで、送り出す側も進めていこうということで、これは政府間で話をするときに、非常に、まだ間口の話かもしれませんが、入って行きやすい、食い込んで行きやすいという特色はございます。だから、そういった特色も生かして、あと、近隣諸国との間では、いろんなチャンネルも、一部確立し始めているものもございますので、そういった中で、御指摘のあったような視点というのも、しっかりと検討していけたらいいんでないかと、今、認識を新たにしてございます。
その際、御指摘のあった顧客サービスの一環としてというのは、まさに御指摘のとおりですので、これまでの取組み、まだまだ不十分で、これは力強く激励をいただいたというふうに理解して、前向きに考えていきたいと思います。

○河上委員長 消費者トラブルが発生した場合に備えて、海外の観光官庁とも十分に連携しながら作業を進めていっていただけたらありがたいと思います。
観光庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきましてありがとうございました。

○観光庁鶴田観光産業課長 ありがとうございました。

≪4.閉会≫

○河上委員長 予定より大分時間をオーバーしてしまいましたけれども、本日の審議は、これですべて終了いたしました。
事務局の方から、今後の予定等についての説明をお願いいたします。

○原事務局長 長時間にわたりお疲れ様でございました。次回の委員会につきましては、10月27日木曜日の14時からを予定しております。議題としては、引き続き消費者基本計画の検証・評価・監視にかかる関係省庁ヒアリングを予定しておりまして、地方消費者行政、それからIT情報通信に関連する施策をヒアリングしたいと思っております。
事務局からは、以上です。

○河上委員長 それでは、本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)