第48回 食品表示部会 議事録

日時

2018年11月27日(火)12:59~15:36

場所

中央合同庁舎4号館2階共用220会議室(東京都千代田区霞が関3-1-1)

出席者

【委員】
受田部会長、樋口部会長代理、安達委員、池戸委員、今村委員、澤木委員、下浦委員、菅委員、宗林委員、戸部委員、夏目委員、松永委員、宮崎委員、渡邊委員
【消費者庁】
橋本審議官、赤崎食品表示企画課長
【説明者】
凸版印刷株式会社 松本販促部長
【事務局】
二之宮事務局長、福島審議官、坂田参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 「食品表示の全体像」について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○坂田参事官 皆さんおそろいのようでございますので、時間が早いのですが、始めたいと思います。

本日は皆様お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから、第48回「消費者委員会食品表示部会」を開催いたします。

本日は、岸委員、松嵜委員が所用により御欠席でございますが、過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

本日お配りしております資料は、議事次第に記載しておりますとおり資料1及び資料2、参考資料は1から3までとなっております。

不足の資料がございましたら、事務局へお申しつけいただければと思います。

本日も多くの傍聴の方がお越しになられておりますので、御発言の際にはお手元のマイクを持ってお話しいただきますよう、よろしくお願いいたします。

それでは、受田部会長、以後の進行をお願いいたします。

○受田部会長 皆さんこんにちは。本日もお忙しい中、お集まりをいただきまして誠にありがとうございます。また、毎回多くの傍聴の皆様にお越しいただきまして、心より御礼を申し上げます。

≪2.「食品表示の全体像」について≫

○受田部会長 本日も全体像に関する議論を継続してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

前回は、見やすさの観点からユニバーサルデザインについてお話を伺いました。本日もこれから議論を進めるに当たって参考とさせていただきたく、その貴重な情報の1つとして御専門の方にお話を伺ってまいりたいと思います。

今回は、これまでの御意見の中にもございました二次元バーコードやICタグの活用といった技術面に関してのお話を伺いたく、今日お越しいただいておりますけれども、専門家として凸版印刷株式会社販促部長の松本様にお越しいただいております。お忙しい中、本当にありがとうございます。

まず松本様から40分ほどでプレゼンテーションを行っていただきまして、もう既に前に出ておりますけれども、「表示内容増加に対応した包材と関連技術」というタイトルでお話をいただき、その後、御質問、御協議を経て、さらに全体像の議論へと展開してまいりたいと思います。

それでは、松本様、よろしくお願いいたします。

○松本販促部長 御紹介に預かりました松本でございます。こんな大勢の方がいらっしゃるとは知りませんでしたが、よろしくお願いいたします。

投影資料は、お手元の資料とほぼ同じ内容になっていますので、見にくい方はお手元の資料も御覧になっていただければと思います。

本日は「表示内容の増加に対応した包材と関連技術」について40分ほどいただいてお話させていただきます。

凸版印刷という会社を知らない方や何をやっているかわからない方がいらっしゃるかと思いますので、本日最初に当社の紹介をお話させていただきます。それから、ユニバーサルデザインについての取組でしたり、ICタグと言われるRFIDについての取組、コードの活用、最後はデータベースについてお話をさせていただきたいと思います。

凸版印刷は、売上高は2018年3月時点で約1兆4千億円、利益は約500億円、従業員は海外含めて約5万人という会社です。

事業分野は、「情報コミュニケーション分野」、もともと商業印刷や雑誌、書籍などを扱っている、売上の約60%を占めるメインの事業です。私が属しているのは、「生活・産業分野」のなかの「パッケージ関連」です。また、建装材も実は印刷物であり、生活・産業分野に含まれています。他に、印刷を応用した技術を用いた「エレクトロニクス分野」もあり、液晶の画面やICの基盤などもつくっている会社です。

表示に関して、3つの分野の中から抜粋してお話をします。例えばマーケティングソリューションという、もともとの商業印刷の分野もしくは個人情報を扱って情報を加工するというところがユニバーサルデザインやデータベースの構築につながっていったりします。

一方、包装材料の部分で言うと、資料には「表面加工もしくは情報加工」と書いてありますが、個別コードを印刷したり、もちろん包装材料そのものをつくったりというところを、なるべく得意先の要望に応じて関連づけてソリューションを提供しています。

包装材料について少しお話します。資料に「表面加工」とあります。包装材料の一番大事な役割というのはJISにもありますとおり、情報を伝えることと併せてまずは中身を保護することです。その面では、当社は透明蒸着バリアフィルムの世界トップシェアを誇り、食品業界では内容物のライフサイクルを延ばしてフードロスを削減するという役割で使われています。

よって、まずは「中身を保護する」ことが必要不可欠だ、ということを忘れてはいけません。

ちなみに我々は自社で開発した透明蒸着バリアフィルムのことを「GL FILM」と呼んでおり、海外ではアメリカに工場があり、世界中に供給をしております。

また、容器の成型、構造提案、機能付与も対応しています。機能付与の例としては、スーパーマーケットなどでよく販売されている商品で、電子レンジに袋のまま入れて蒸気で蒸らして調理ができてしまうものがあります。また容器の成型に留まらず、紙製の缶「カートカン」の場合は容器の製造はもちろんのこと、中身の充填まで当社で請け負っています。医薬向けだと遺伝の解析チップのようなものも請け負っています。「印刷」というイメージから随分離れますが、印刷技術をもとにさまざまなことに取り組んでいます。

次にセキュリティ関連を扱う「セキュア関連事業」です。皆様がお持ちの銀行のカードも当社でつくっています。また、預金通帳や宝くじをつくっており、要はお金に替わる印刷物を扱っています。これらをつくる際に活用する、偽造を防止するための印刷技術をどんどん応用するとともに、商品のデータも管理していかなければいけません。そこで当社ではRFIDを先んじて取り扱うようになりました。

もう一つ、マーケティングソリューションに関する取組として、当社内にある模擬店舗「ショップサイエンスラボ」を活用したものがあります。お客さまにラボに入っていただき、装着者の視線を追いかける「アイカメラ」をつけていただきます。視線の動きを追いかけ、「この棚にこの色合いだったら目を引くね」というような消費者分析やユニバーサルデザイン診断をとおして商品開発を行っております。また、電子チラシのサイト「Shufoo!」を運用もしています。「Shufoo!」は電子チラシアプリで、約1000万人の月間アクティブユーザーがいます。もともとチラシは紙の媒体に印刷をしておりましたが、そういった紙媒体のものと電子媒体の両方から消費者に対して訴求をしており、サイト運営やアライアンスによってさまざまなサービスを提供しております。

また包材の話に戻りますが、以前に比べ、食品包材の文字の表示面積が大きくなっています。食品表示法により商品に関する記載内容が増えたため、30年ほど前と比べて包材にデザインを施せる範囲が小さくなってきているという点がこの会の一つのテーマであると考えます。2015年に栄養成分の表示、2017年に原産地の表示が義務化され、今後は遺伝子組換えの表示も約5年以内を目途に義務化される見通しです。現在は、遺伝子組換えをした食材が5%以下のものは遺伝子組換え食品ではないとされていますが、それも今後見直そうという動きがあり、さらに表示範囲が必要になってきます。

義務化される表示内容が増えるたびに改版をする必要があり、各食品・菓子メーカーが版の変更をしなければならないので、作業が増えてしまいます。また、それに伴って字がどんどん小さくなるということが、我々から見て問題であると考えます。

これは消費者庁のページから引用したものですが、一例として消費者庁のホームページを見ても、だんだん文字が増えていっているのがわかります。

投影しているものは当社のサンプルです。食品表示法によりアレルギー情報などは当然必要ですが、例えば原産地で特別なものを使用していたり、リサイクル素材を使用していたり、放射性物質の測定情報なども含め、ありとあらゆるマークが入っています。また、県単位でもマークを使用していることもあります。義務としての表示・マークと、商品として訴求したい部分のバランスというのは非常に重要なことです。それに関してもこの会議で検討していくべきことなのだろうと思います。

包材のつくり方として取り組んでいることを簡単に御説明していきます。

紙の容器では、例えば数百の構造パターンを当社でデータベース化していて、限られた人しか見られないようにしています。今度はどのような構造で進行していくかを得意先と相談し、同業界で別の得意先には同じ構造を提案しないように管理しています。

デザインに関しては、ポスターから始まり約100年以上デザインをやらせていただいていますが、ときにはユニバーサルデザインのコンサルティング会社を加えて、お客さまの御相談に乗ることもあります。

そのユニバーサルデザインの話をします。手元の資料にも載っていますが、この会の主旨で言いますと、形状面での消費者に対する親切さや、チャイルドロックの付与などということではありません。本来は私どもの診断では、投影資料にある7つのユニバーサルデザイン要素をある程度数値化して客観性のある数字に替え、「ここを直したらいかがでしょう」という提案を行っています。

この会のテーマで言うと、とにかく文字やデザインの見やすさへの配慮がポイントだと考えます。現在の包材に記載されている文字やレイアウトの課題はどこなのか知りたいとの要望がある場合は、診断することが可能です。

手元の資料にはないですが、診断結果は投影しているような帳票でアウトプットします。このように診断をするのだなというだいたいのイメージをしていただければ結構です。

次の投影ページも資料にはありませんが、消費者の視点から使いやすい形状かどうかもなるべく数値化していきます。消費者の判別能力で言うと、私も若干そうですが、年とともに目が悪くなっていく方、白内障の方、色弱の方から見て、現在の包材の色のコントラストにより文字が適切に見えているだろうかということも、内容物によっては診断したりします。障害者やシルバー層が「見えるかどうか」というところは気にしなければいけない点だと思います。御要望としては、現状の包材の分析と改善の方向性を相談したうえで、形状面とデザイン面それぞれを評価して、「こう直したらいかがでしょう」「いえいえ、こうしましょう」という議論を繰り返して改善をしていくという手法になります。

今の部分は、どちらかというとマーケティングに近い話ですが、包材関連で言うと、実は当社は充填機もつくっています。1,000台近くの充填ラインをさまざまな会社に入れています。

一番多いのは「バッグインボックス」です。一例として、醤油などの液体10リットルを袋の中に入れ、その外側を段ボールでパッケージした業務用の容器があります。我々は自社で製造したものを「TL-PAK」と呼んでいます。

また、この「EP-PAK」というものは酒などを入れる紙パックです。30年ほど前までは酒は瓶に入って販売されていましたが、当社が先んじて紙化を進めると同時に、その充填システムも開発し、各酒造メーカーに充填ラインを入れています。これらの延長線上に食品や菓子のパウチや紙の箱の包装ラインも御要望に応じてつくるということをやっています。

包材の充填や構造の面で、本日のテーマに関係がある見本を回覧します。

包材の表示面積を物理的に増やそうという動きに関する当社の取組としては、メーカー側で商品の価値などを訴求したいけれども、表示する場所がないという課題に対し、「ブックレットラベル」や「2重ラベル」などを紹介しています。これが直接食品表示法に対応できるかどうかは微妙ですが、御参考までに。

「台紙付きシュリンクパッケージ」と呼んでいる二次包材では、日焼け止めクリームなどの容器の一次包材を薄いフィルムに包み、壁掛け什器などにつり下げられて売られていますが、例えば台紙を見開きの仕様にすると、表示可能面積が倍になるため、各社に御採用いただいています。

「ブックレットラベル」では、レシピや外国語表示などの追加記載を提案しています。実例としては、酒造メーカーのキャンペーンで、「ブックレットラベル」の表紙には絵柄を印刷し、ブックの中には応募の方法を記載したり、応募はがきとして使えたりする仕様になっています。表示面積は理論上、通常仕様のものと比較して8倍になりますので一つの手法だと思います。

「2重シール」は瓶容器でよく採用されています。手元の見本は、ポイントが当たるキャンペーンで、シールの内側に購買証明となる記号が入っています。商品を購入してシールをはがすと出てくる記号が購買証明とウエブ誘導の機能を果たしています。

私どもは、ラベルやシールを貼りつける機械もつくっており、レンタルを含め対応しています。

雑談に近くなりますが、「ミウラ折」という地図もつくっています。これは包材からはいよいよ離れてくるのですが、実は地図にAR機能がついていて、文京区と協力して制作したコンテンツが入っています。時間のある方はやっていただくと、それぞれの地名の案内画面が出てきます。コードを読み込んでウエブに誘導し、情報や翻訳まで含めて情報提供する場合にARは最適で、動画も含めた情報量を仕込むことができます。

RFIDは、金券分野から発展したものです。紙幣、パスポート、銀行のカードなどは、厳重な管理がされた工場でつくっています。この分野からホログラム技術、RFID技術が出てきています。

RFIDは、例えば鉄道系のカード、SuicaやICOCAなどさまざまあります。ゲートがあって、電波帯が2つ、近い距離と遠い距離とあり、ある認識記号をある程度の容量まで読み込むことができるという仕組みです。ICがあってアンテナがあるという構成が基本です。表示や食品履歴の管理という点では、情報の一元管理に活用したらどうだろうと考えます。

同様の仕組みを一番身近で見るのは図書館の本の貸し出しや在庫管理です。また、SPAの業態をとるアパレルメーカーは、タグで棚卸しから販売まで一貫して全部やってしまっています。

タグ自体の単価は、当社では1億枚で5円と見込んでいます。1000億枚つくっても単価1円になるとは現状では言えません。

当社の採用事例から見ても、RFIDは基本的には物を管理するための用途や、ある程度ロットの大きいものに使うというほうが向いています。 もう一つはソースタギングということで、そこに入れる情報を入れてあげる動作が個品ではなかなかもって難しいです。

今回のテーマで言うと、包材にタグを付与するということなのですが、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の実証実験でも、包材にどのように、誰がタグを貼りつけるのか。そのデータをどう管理するのかというところがネックになってきます。

当社の採用事例では、例えば1個5万円や10万円かかる反物6,000本の棚卸しに60人がかりで3日かかっていたものを、2人、2時間程度で終わるように改善することができました。そういったタグの使い方は圧倒的な費用対効果が期待できます。また、建築機械のパレットの例を紹介すると、パレットを中国やインドに輸出した際に行方不明になってしまうケースがあります。パレットだけで5万円から10万円するものが世界のどこにあるのかちゃんと把握して回収したいというニーズを受けた使い方も多いです。貼付の対象が小さいもので類似した事例が図書館の本の管理かと思います。

ソースタギングとタグの貼りつけをどうするかというのが、タグを包材に付与する際の非常に大きな課題になってくると思います。

タグの構造は、基本的にはICチップとアンテナです。コスト面では、バーコードやQRコードにはかないませんが、メリットは、リユースが可能、集合体の管理が可能、省力化、効率化、正確です。「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」に向けては当社も精いっぱい協力し取り組んでいきますが、リアルな部分で言うとコスト面、データ管理面で課題はあります。

ただし、今回のテーマで言うと個品一つ一つにコードを付与する必要はありません。一種類の商品、例えば「○○天然水」がどの工場で生産されたかまでを、タグを通して把握できていれば、データベース側でロット毎に生産情報を追いかけることができ、個品にコードが無くても問題ありません。食品表示法に完全に見合うかどうかは別にして、私どもとしては、クラウドにあるプラットフォームをつくって情報管理を一元化でき、別に生産の情報をとるのはICタグに限らないという紹介をすることで幾つか御採用いただいているデータベースを持っています。

このことから、RFIDそのものではなくデータベースが必要だということが言えます。現在、世の中でよく目にするのはユニークQRコードもしくはQRコードです。日本の場合は、従来から基本的にはPOSがインフラとしてきちんと管理をされている国の一つだと思います。POSだけですとある商品の生産場所の変更履歴管理が難しいということに加え、原材料に関して考えると、ある時期は山形産を使っているけれども、次の月からはスペイン産を使っているというようなケースもあるかもしれません。そのような場合、追加のコードの分け方が必要にはなってきますが、先ほど申し上げたようなデータベース側で生産の履歴・原料の履歴を結びつけることができれば、ARだろうが、ユニークQRコードだろうが、普通のQRだろうがバーコードだろうが、そこと紐づけて管理することが可能だと考えます。

当社には、QRコードを一個一個の商品に打てる機械が7、8台あります。商品の外箱の裏に打てば、キャンペーンの購買証明になります。ユニークQRコードにおいても、先ほど言った原産地や賞味期限などの情報付与にも使うことができます。

ただし、1つネックがあり、軟包装にはまだ対応していません。市場では、材質が軟包装の包材が多いのですが、一個一個可変印刷ができるインクジェットのインキが吸い込まれないと乾かずにぼやけてしまう、もしくはとれてしまうということがあります。あるヨーグルト商品の裏には個別番号を打っていますけれども、バーコードと同様に個別コードとして読み込めるような印刷技術が課題となります。

食品表示のために付与するコードであれば、キャンペーンコードと違って隠れていなくても問題ありません。今の需要ですと、私どものところに来る要望としては、「キャンペーンで購買証明が必要なので店先で読まれないようにしたい」という要望になるため、裏に隠したりしますが、それは必要ないというところがキャンペーンコードの表示方法と比較して違うところです。

クラウドのID認証が後のデータベースの話につながるので少しお話をします。

お客さまが必要としている情報をクラウドに結びつけ、テンプレートに載せてカスタマイズし運用するというのが、私どもがID-NEXと呼んでいるプラットフォームです。

この資料でいうと商品情報の提供が目的になります。投影資料の例では、コマーシャル向けなのでこのような書き方になっていますが、保証書に当たるようなところ、法令遵守に当たるところも対応可能です。

情報を拾うときに、お客さまに「アプリ」という形で親和性があるのもQRコードです。どのお客さまでも基本的に使えるということで考えると、現時点だとQRコードに寄らざるを得ないような状況です。資料ではRFIDという言葉はなく、ラベルを貼りつけ、それを読み込んでもらっています。その後、資料では真贋判定の例になっていますが、他にも履歴を確認することができます。

お配りするレポートもひな形ができているので、「どの項目をどのようにやるか」ということをお客さまと相談すれば、このテンプレートをベースに情報を載せていただき、お使いいただけます。こういったものを新たにつくっていくとシステム開発費に5000万円から1億円かかってしまいます。情報量によって差がありますけれども、数百万円からカスタマイズ可能なものとして扱っています。

投影資料の絵を出しますが、ユニークQRコード・RFID・その他のコードとデータベースがあり、紙容器では印刷されたユニークQR、軟包装ではシールのユニークQRからコードを読み込んで、原産地・食品メーカー・流通の履歴情報を全部紐づけておき、小売のところで顧客情報も紐づければ、コードをフックに産地から消費者まで履歴を読み込むことができます。HACCP的に対応しているような履歴管理ができあがると考えます。

これは将来技術の可能性と思って聞いてください。情報をとる方法で、コード同様に、画像認証技術というものがあります。今だと赤羽駅でJR東日本が無人店舗の実験を行っています。2017年11月の大宮駅に続く2回目の実験です。また、「Amazon go」という店舗は、今はシカゴ・シアトル・サンフランシスコ3エリアに7店舗あります。お客さまや店頭商品・動作を何百ものカメラで認識し、お客さまが手にとって買い物袋に入れたら「買った」とみなし、決済まで終わらせてしまうというシステムを導入した店舗です。赤羽の店舗は、最後にゲートを通して、お支払いはSuicaで行うという形をとっています。

当社が有する技術の一つとして、バーコードの印刷の特徴点を100パターンほどだして個別識別する技術があります。バーコードの番号が同じ場合は同じ商品を指しているということが、私が入社以来、ずっと習ってきたことでしたが、同じ番号のバーコードが1億個あった場合、印刷の特徴点から見ると1億個すべて違うという認識ができるのです。指紋と一緒です。人間の指紋は遠目にはみんな一緒に見えますけれども、よく見たらすべて違います。バーコードも実は同じように見えて、よく見たら違うのです。

この技術をバーコードに対して使えるメリットを言うと、ユニークQRコードを印刷する必要もなく、RFIDを添付する必要もないということです。もちろんデータベースでデータを管理することは必要になります。

ただし、実用化には最初に全てのバーコードの画像を読み込んで保存しておかなければいけません。そうなると、かなりの特徴点をとる必要があるので、莫大な情報量になってしまいます。「実際のラインの生産スピードに対応できるかどうか」というところで今、数社と実験に取り組んでいる状況です。

「電子透かし」というものもそれと似ています。番号が直接印刷物の中に隠されているのですが、「画像認証の技術を使い、固有のIDをとる」ということも今後出てくる可能性があります。ただ、バーコードを読み込むためには、判読装置や読み込みアプリが必要になってきます。履歴を追いかけるという点では、読み込みの仕方にも工夫が必要だと思います。

もう一つ、当社のマーケティング事業の中で、「BPO」があります。省庁、自治体も含めて、さまざまなBPO業務を受けています。1,200以上の団体から受注実績があり、業務設計の専門家も100人ほどいます。BPO業務において何が必要かと言いますと、「データ管理」「データベース構築と運用」「個人情報の管理」です。当社では、多くのBPO業務を厳密な管理の下で行っています。

データベースを構築するところは履歴管理につながります。実は、食品や日雑品の卸売りのデータベースも当社でつくっています。

今回の御依頼を受けて、食品表示を電子媒体で管理するというように法律が変わるのであれば、データベース化することが必要だと考えます。データベースの運用に関しては、当社は豊富な経験があるので、喜んで受けることができます。アウトプットもさまざまな形で出すことができます。

先ほど投影資料で御説明したように、製造の履歴から原料の履歴、流通の履歴を、お客さまや消費者の方も含めて見られるようにするというアウトプットも経験があります。

食品表示に関する「法律」として、クローズドの世界でデータベースをつくることができるのか、または、今あるバーコードも活用して各社がお持ちのデータを活かしながら食品表示データベースを構築するのか、検討事項はあります。コスト面では後者が現実的なのだろうとも思います。既存のデータでカバーできない部分をどうするのか、どの部分の情報までを包材に残してどの部分の情報を電子媒体に飛ばすのかという定義づけや区分に、消費者を含めた「皆さんの納得」が必要なのだろうと思います。おそらくこのままいきますと包材上の情報量がパンクしそうなくらいに文字情報が増えてきているので、データベースについても書かせていただきました。

最後に、包材やIDをとる仕組みにはそれぞれ問題があります。データベース運用にも課題があります。

1つ「これ」だと決めてしまうというのも手ですが、現実的には少しずつ幾つかのものを組み合わせて解決していくのも手かと思います。

まず、物理的に情報の記載表面積を増やすことは、折り込みタイプのラベルやシールなどを付与し、裏面を使ったり見開きを使ったりすることでも可能ということ。

それから、食品表示法の中で包材への記載とウエブでの参照部分をどう分けるかということ。IDを付与する際は製品単位で良く、商品一個一個へのIDの付与はほとんど必要がないということ。

そうすると、どこまでを識別の単位にするのかということも議論になってくると思いますが、原産地や必要不可欠な情報は包材に記載し、その他の情報はウエブで見てもらうことが考えられます。これを一方的ではなく、国の仕組みとして食品メーカーや菓子メーカーなどのコストも含めて納得が得られる形で進むと良いと考えます。

今のところEUやアメリカ、中国でも、そのようにウエブにリンクして食品衛生法のようなことを言っているところはないようですので、これが実現すれば国際的にも進んだ取組になります。

データベースの紐づけに関しては、ユニークQRコードの付与を推奨しますが、商品一個一個の個別コードでなくても良いのです。あとは、既存のPOSマークも使いつつデータベースを構築するということ。やはり、ユニークQRコード以外だと新たな読み込みアプリ、読み込みソフトを全員に配信する必要があります。

データベースの構築に関して言うと、流通も卸も現在それぞれに持っており、ドラッグストアも各社別々に持っています。それらの既存のデータベースに入っている商品情報と本当は共有して構築したほうが、各社の負担は少ないのだろうとは思います。

以上で私の講話を終わります。ありがとうございました。

○受田部会長 どうもありがとうございました。

ICタグの可能性も織り込んでいただき、最後のほうは具体的な御提案までいただいたと思います。かなり多くの示唆に富む情報を御提供いただきました。

ここで委員の皆様から御質問や意見交換をお願いしたいと思います。御質問がおありの方は、では渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 今、情報をデータベースにして、そこを読みに行くという御提案があったのですけれども、その前に例えば二次元バーコード自体に原材料の情報を載せるとか、ICタグ自体に載せていくという情報量の問題なのですが、直接載せることはできないものなのかということと、あとICタグというのは二次元バーコードよりもかなり情報量がありそうな気がするのですけれども、例えば今、売られている商品に一個一個つけてしまって、それが使い回しもしないでそのまま捨てられていくようなことが本当に可能なのかというあたりも教えていただければと思います。

○松本販促部長 ICタグに載せられる情報量も実は少ないです。48桁、96桁とかとか、せいぜいそのぐらいになります。食品表示法が求める部分はとてもではないけれども、全部載りません。ICタグを仮に選ぶとすると、一個一個捨ててしまうのは少しもったいないと思います。ただ、使い回しをするという手段がなかなか難しいなと思います。ダース売りのような12個で売るとかいうものばかりであればいいのですが、決してそういうわけにはいかないと思いますので、個体全てにICタグを付けるのは、前述のとおりは無理があると思います。

○渡邊委員 あと二次元バーコードは。

○松本販促部長 二次元バーコードも20桁とか18桁で、それはほぼ文字数と思っていただいて結構です。

○受田部会長 ということは、二次元バーコードそのものに情報を載せるということは難しい。データベースを介してという理解でよろしいですね。

○松本販促部長 はい、間違いなくそうです。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、池戸委員お願いします。

○池戸委員 素人質問で恐縮なのですけれども、今の御説明は表示の代替としていろいろな御提案をしていただいたと思うのですが、多分、今のお話の中ではトレーサビリティーみたいなことも頭に置いてのお話なので、そういう観点から見たときにQRコード以外にもJANとかいろいろな媒体がありますね。いつも問題なのは、もうそれぞれ普及していますから、それをばらばらというのではなくて、1つにできればというのがあると思うのです。その辺の問題と、一元管理のお話をされたのですけれども、例えばクローズドでフードチェーンの特定のところをたどってくる場合は、特にアレルゲンとか原産地というのは非常に有効だと思うのですけれども、不特定でどこかの市場に入って、次誰が買うかわからないというときに、どこが管理するかという問題が出てくるのではないかという観点がありまして、その辺、経験ある立場で御示唆があれば教えていただきたい。

もう一点、観点が違うのですが、先ほど画像認識の話がございました。あれと関連するのは文字の認識ですか。表示において文字で書いてあるのですが、例えばいろいろな面で文字だとわかりにくいものをほかの画像例えばグラフとか、また監視のときなんかも一々やるよりは、一括して読み取れると非常に便利な感じもするのですけれども、その辺の今の技術はどのぐらいあるか教えていただけるとありがたいです。

○松本販促部長 トレーサビリティでも現在のJANコードがある程度と使える点は、日本の良い点でもあると思います。ただ、それぞれステークホルダーによって考え方が違っているので、データベースごとに捉えているものが違います。卸であれば重さと荷姿と入り数みたいなものが入っていて、流通だとまた別な情報で値段とかキャンペーンとのつながりとかが入っていて、それを統一しようという動きは製販配連合でもありますが、現状は別々の会社が一緒になるには難しいくらいに乱立しているので、食品衛生法という人の命を守るところについては、消費者庁なのか農林水産省なのかわかりませんが、省庁の皆さんが、「ここは当省がデータベースをつくるのでリンクをとりませんか」くらいのことはやらないと進まない気がします。放っておくと、日本のデータはバラバラなままだと思います。全体主義的体制であればもっと一元化されると思います。トレーサビリティや一元管理の優先順位や運用方法の統一には、関係者の合意が必要と考えます。システムとかデータベースは日本の場合、または先進国の場合、いまあるものを変えていくという動作がどうしても必要になりますので、そこは、食品表示電子化でも覚悟してかからなければいけない一番のハードルだと思います。

クローズドではなくてオープンになった場合も、権威のあるところが各参加者に納得をいただいた上で、「こういうデータベースをつくろうよ」という形で流用させてもらうということができれば一番いいのかなと思います。

また、画像認証による一括読取では、例えば先ほどのJR東日本の実験店舗でも、自分が買ったときでも間違えがありましたし、シアトルで買ったときもたくさんの店員さんがついて、間違いに備えている。中国なんかだと千店舗もありますけれども、「間違って買われたものはある程度仕方がない」「多少のロスはしようがない」というやり方でやっている面があり、必ず読めるような状態には今はまだなっていないと私は思います。

○池戸委員 最初の御質問をしたのは、B to Bの場合はそれぞれのいろいろな媒体を使ってもいいのですけれども、消費者までとなると、そこは共通のものでないとなかなか難しいのかなというので御質問をさせていただいた次第です。

○松本販促部長 そうすると今だと、リアルの現場で言えばQRコードでないと普通の消費者は読めないので、勝手なことを言いますけれども、弊社にもサービスがありますが、普通にある現在のJANコードが読めるようなアプリを配信すれば、一応、製品ごとの区分はつくかなという気もしますけれども、それだけではくくりが大き過ぎるという点は残ってしまいます。

○受田部会長 それでは、今村委員、お願いします。

○今村委員 すばらしいプレゼンありがとうございます。

2つあって、1つはICチップの耐久性というか脆弱性についてなのですけれども、どれぐらい書きかえしやすいものであったり、破損しやすいものなのかということ。特に食品の場合はマイナス40℃からプラス80℃ぐらいまであると思うのですが、それに耐え得るものなのかということが1つ。

もう一つは、表示の印刷のやり直しにどれぐらいの時間がかかるのか。今、制度がどんどん変わっていっているのですけれども、1つの制度を印刷し直すまでには結構な時間がかかるということで、今この議論も進んでいるのですが、1つ制度を変えようとすると今の印刷会社さんの数とキャパシティで考えると、一斉に変わるということがどれぐらいの期間で印刷会社さんたちは完成させることができるキャパがあるのか。2つ教えていただければと思います。

○松本販促部長 マイナス40℃から80℃と言われると、ICチップで耐えられるものはほぼないです。耐えられるものをつくれなくはないと思いますが、1個1,000円とか2,000円とか、もっとするかもしれません。要はICに覆いをかぶせて耐久性を増さなければいけない。普通に今、コンビニの実験なんかで貼られている、将来1円を目指しているタグだと、もう既に初回の段階で稼働しないものが多分数%はあるのだと思います。2、3回使ったら誤動作が出るものがかなりある“むき出し”のものです。その点でもICタグは推奨しにくいというところがあります。

また、改版、識別表示が変わるたびにどれぐらいかかるかですが、公式的にではなく自身の感覚で言うと、1日にできるのは当社の包材部門でも100とかそんなものではないかなと思います。例えば当社だけで300を受けたとすると、手続きや指示だけで物理的に3日かかります。しかしながら実際は、コンピューター化が進んだとはいえ、人手をかけて版式、記載内容を動かしてレイアウトするため、1点あたりにかかる時間は安全を見て3週間ほどください、という話になってきます。そうすると5万点とか10万点変えますよと言われると、当社や大日本印刷といった大手の印刷会社がみんなかかっても数年ください、ということにどうしてもなってしまいます。

ただ、今は制度が変わらなくても食品、お菓子のリニューアルみたいなことで年に1回、半年に1回、デザインや内容物が変わる事もあるので、多くのメーカーさんはそれが変わるのを見越して、ある“固まり”ごとに記載内容の変更もやるようにされているように思います。

これ以上たくさん来るとできませんよという話は、我々も実際に包材が間に合わなくて生産ラインがとまってしまっては困るので、印刷会社も正直に言うようにしています。

○受田部会長 ありがとうございます。

ほかいかがでしょうか。戸部委員、お願いします。

○戸部委員 まとめのところに書いていただいているように、包材への記載と今、御説明をいただいたデータベースへの掲載というようなことの2つの項目を分けるというところは、とても必要だと思っています。

そんな中で、これまでのアンケートで消費者にどういった項目を知りたいかと聞くと、いろいろな項目が出てきて、それで実際の包材に掲載する情報がとても今増えてきている状態だと思います。商品選択というところでは包材に直接文字で書いてある必要があると思うのですが、そうでない部分も実際はあるのかなと思っていて、例えば偽装だとか保証に関する情報というのは、消費者は知りたいのだけれども、知るすべとして今まで表示ということだったと思うので、そういったような項目については、データベースへの詳細な記録を共有できると信頼につながるのかなと思っております。

そんな中で私が興味を持ったのが、ショップサイエンスラボです。今まで取り組んでこられたということなのですが、今までの実践の中で、消費者が商品選択の場面でどのようなところを見ているかというのを、例えば商品の種類だとか、あるいは購買する消費者の年齢層だとか、そういったようなところでどういう分析がこれまでできていて、例えば実際のアンケート調査との整合性がどうなのかとか、そういう分析はされているのでしょうか。

○松本販促部長 ショップサイエンスラボは、基本的には商品開発の際に色使いやデザインを決める、ということが多いのですけれども、結論から言うと可能かと思います。メーカーは、消費者が求めている表示の内容が何かというよりは、売れるためにどういう視点を追っているか、何がアイキャッチとしてよかったか、ということを検証します。また、何人ものモニターの方と契約をしており、アンケートも独自に質問を組み立て、ショップサイエンスラボと組み合わせることは可能ですので、御相談いただければ対応することは可能でございます。かなり綿密な設計を相談して始める内容ですので、もし本当にあれば御相談いただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

ほかいかがでしょうか。渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 一番最初に回していただいた、ラベルにページがあってのりタイプがあって、広がっていく媒体というか、紙なのですけれども、これを例えば今、商品のここにラベルを巻いているものとか、商品のパッケージとか、そういうものに応用して、例えば売っているものを誰かが見たら広げたままになってしまうなという気もするのですが、その辺は置いておいて、実際に商品として広げるようなものをパッケージに使う可能性は、どのくらいあるものなのでしょうか。

○松本販促部長 コストと機能のバランスだと思います。例えば、六角形の箱ですが、巻物のように表示面積が倍ある包材だと当然紙代が倍になりますし、印刷費も多少高くなります。軟包装にしろ、紙器にしろ、半分くらいが紙代です。仮に表示面積を倍にしたときに、現状のコストが5円だとすると10円になります。RFIDは今でも5円以上するのでコスト的に無理、そうするとユニークQRコードは刷るだけですから番号管理も含めてわかりませんが仮に2円としましょう。ユニークQRコードの2円と包材代値上がり分を比べてどちらがいいですか、ということになるかもしれません。ただし、包材に全部記載ができれば、データベースは必要ないわけです。そうするとその費用はかからないということにはなりますので、全体のコスト、表示したい内容、内容物保護性、中身を壊してしまったらいけないところも含めてのバランスだと思います。幾つかの包材の種類によって使い分けることも考えていくほうが現実的な気がいたします。

○受田部会長 ありがとうございます。

宗林委員、お願いします。

○宗林委員 こういうふうに何枚もめくれるものもいいのですけれども、普通のパッケージですと一遍に全部のものが視覚に入ってくるのですが、最初に広告とかそういったPRするところが出てきて、最後に法定表示が出てくる順番が大変気になったのです。QRコードからとれば全部一遍に見える。いわゆる広告と、こういうふうにしてつくっていますという事実関係の情報提供と、法律的な表示というものをどういう考え方がいいのか。一遍に見えるのが原則だと思ったのですが、さっき見せていただいたものは結構順番が奥までめくらないとないという感じがありました。これは事業者のリクエストということでしょうか。

○松本販促部長 見本でお見せした「ブックレットシール」の記載の順番ですか?

○宗林委員 そうです。

○松本販促部長 見本はあくまで当社がメーカーに示すサンプルなので、順番は勝手に作っているだけです。数年前に作ったサンプルなので、翻訳需要は当時多くはなく、外国語の食品表示は順番的に後ろのほうでいいだろう。先ほどの例でもありましたけれども、お客さまへのキャンペーンの要望のほうが圧倒的に多いので最初のほう、としました。食品表示法の部分は、現在は各社ともクリアされているわけですから、特に気にされておりません。流通などのウエブにリンクして見られる情報の中には、こんな本格製法でやっていますとか、こんなこだわりの材料を使っていますというのが前に出ている企業もたくさんあります。これはあくまで当社がつくった見本ということで、御理解いただければと思います。

○宗林委員 途中に注意表示もあったのですけれども、それも結構めくって、こういうところに注意してくださいというのが後ろでしたね。

○松本販促部長 これは凸版のサンプルでございますので、順番は余り気になさらないでいただければと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

松永委員、お願いします。

○松永委員 最後のところの基盤になるデータベースがあれば、共通化できたら随分メリットがあるのではないかというお話で、全くそのとおりだと思いますし、それがあってスムーズにいくと、多分消費者も自分に合った情報を正確なところからとれるというような、生産から消費のところまでつながった形になるので、そのプラットフォームがあるのとないのでは全く違う。それはおっしゃるとおりなのですけれども、その一方で事業者にお聞きすると、やはり隠したい情報がある。本質的な安全性のところで隠したいというようなことではないのだけれども、配合量とか細かいところで、やはりこれは企業秘密で隠したいところがあって、そういう情報は提供できないということで、今、食品のメーカーが要求しても、なかなかその情報を出してくれないというようなこともあるのです。その基盤になるデータベースをつくるところで、オープンにして共通に使える情報と、各企業でクローズドにしておきたい情報と、どういうふうに整理して、どう運用できるのかなというのが私は素人なのでイメージできなくて、そのあたりは対応可能なのでしょうか。

○松本販促部長 実際は確かに難しいと思います。途中でも申し上げたのですけれども、決めごととして「法律ですからここまでは開示しなさい」というのが多分一番正しいやり方だと思います。配合量まで出せというものは限られていると思うので、そこももちろんメーカーさんとも当然ある程度の御相談は必要だと思いますけれども、法律で押すというのが一番正しいのかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございました。

菅委員、お願いします。

○菅委員 今のお話を前提とすると、買うときの消費者側の手間としては、何らかのバーコード的なものをスマートフォンなどで仮に読み込んだとして、読み込んでそこからデータベースのあるところまでインターネット上で見に行くという手間がかかることになるのですね。URLに飛んでそこに見に行く。ですから機器をかざした瞬間にいきなり情報が飛び込んでくるというのではなくて、それはアプリの問題かもしれませんけれども、ひと手間かかるのは避けられない状態なのかなという点を確認したいと思います。また、インターネット上で見に行った先の情報がどの程度見やすいかという問題が別にあると思うので、そこが結局非常に小さい字であったり、細かい情報をさらに開いて読まないと見られないということになってしまうと問題だと思うのですが、見に行った先のデザインについても何か凸版さんのほうで事業者からの相談に乗られたりとか、工夫されたりしているようなことはありますでしょうか。

○松本販促部長 読取の手間としては今でも、どのアプリもそうですけれども、ほぼスマートフォンをかざしただけで画面がスムーズに遷移していき、全部最終のところまで行き着くというほうが増えてきているので、多分アプリで行けるのだろうと思います。私も100%詳しいわけではありませんが。

見に行った先のページを誰が持っているかという話になって、各メーカーのところに飛ぶと今言われたような心配があるので、表示画面のテンプレートを示して、基本書式に沿っていただきというやり方、また、データベースの運用を国で行い、いつも決まったものを見せる、という事だと思います。どちらが現実的か、また、お金の話もあると思うのです一定の“しばり”が必要かと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

いろいろ活発な議論になっているような気もいたしますけれども、私も個人としてはICタグに関して、例えばこの部会で中長期の全体像、グランドデザインを描いているという関係で、例えば7年後を目途にあるべき姿というのを考えていく際には、このICタグというのが有望なツールになるのかなとこれまで思っていました。

ただ、今お話をお聞きすると、コストの問題とデータ自体の書き込みを含めたかなり障壁があるというか、解決しないといけない部分あるいは脆弱性の問題とか、安定性の問題についても、かなりハードルは高いなという印象を持ちました。恐らく多くの委員の皆様がそういう印象を持ったのではないかと思うのですけれども、1つ確認を申し上げたいのは、そういう意味で例えば7年後、そのICタグが食品表示やデータコミュニケーションのツールになっている世界というのはなかなか難しい、想像しにくいということでよろしいですか。

○松本販促部長 貼付と値段、安全性のところです。一個一個の消費者に回るものではおそらく難しいと考えます。そうは言っても先ほども申し上げたように例えば画像認証にも間違いはあります。それでいくと、あるゲートを通るような流通の過程においてのある生産ロット、箱単位であるとか、ここで一番有効なのは、RFIDだと私は思います。単位や用途でのいろいろなコードの組み合わせだと思います。

○受田部会長 したがって、B to Cとして見たとき、一般消費者が使うツールとして見たときには、まだ解決すべき点が多い。ただ、トレーサビリティ的に見たときには有効性、有用性は当然あるという理解です。

そう考えると、最後2枚で具体的な御提案をいただいて、先ほど菅委員の御質問にもございましたように、二次元バーコード等を通じた食品表示データベースというのが設定をされて、そして、このデータベースの表示方法自体、フォーマット変換と書いてありますが、このフォーマット自体が食品表示法上で一定のフォーマットになり、そして、そこに盛り込まれている消費者の知りたい情報が明確に各事業者さんにおいて差がなく、一律の要件を満たしている。要はこれが表示として成立をしているという世界が一つ考えられる妥当なイメージかなと認識をしました。

ここに関しては、実行可能性という点で食品表示部会においても数々いろいろな視点から議論をしておりますけれども、例えば大手メーカーのみならず、中小あるいは零細企業の皆様も、これを実装できるかどうかという点がポイントになってまいります。こういう形であれば中小零細の事業者さんにとっても余りコスト的に負担をかけずに、こういうことを実行できるかどうかというのが一つ気になる点なのですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○松本販促部長 現状、このパッケージに記載されている内容は多分、中小の印刷会社もやっているという前提に立つならば、包材記載情報のこのデータをそのままPDFにしてデータベースに上げてあげるということでかなりの部分はカバーできると個人的には思います。これから法律が変わっていく中で追加の項目が必要だった場合に、ここに上げる費用をどうするかというのは多少出てくるかもしれませんが、新しい項目に対して小規模のメーカー側が細かいところまで対応することが大変かもしれないという気もしますので、運用で解決できないかなと思います。 また、データベースに階層分けをしておいて、最初は最低限の情報、次に一個一個の企業情報に行くような、もう一つコードか何かで識別ができれば、好きなように宣伝なり、調理法なり、こだわりなり、そこを御覧ください、という形が可能となり、食品表示部分が複雑ではなくて済むのでと聞いていて思いました。

○受田部会長 ありがとうございます。

データベースとして、そこをどういうふうにメンテナンスしていくか。これはクラウドを利用するとかなり安価にいける時代になっていますし、あとはアップデートする頻度が高いものに関しては、それを容器に直接表示をしておくことによって、ここの更新頻度を下げていくということも、実行可能性を上げる上では有効かもしれないですね。

もう予定の時間を超えてしまいましたので、松本様にプレゼンテーション、貴重な情報をいただいて、さらに踏み込んで意見交換をさせていただきましたけれども、松本様には大変お忙しい中、御出席を賜り貴重な情報をいただきまして本当にありがとうございました。

ここからまたいただいたさまざまな情報をもとに、議論を重ねてまいりたいと思います。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

(松本販促部長退室)

○受田部会長 それでは、先ほど御提供いただいた内容も参考にさせていただいて、これからの議論に入ってまいりたいと思います。

実際に議論に入ります前に、前回の部会においても少しお話をさせていただきましたインターネットによる情報提供や表示に関しても議論をしております、今、参考にすべき情報であると考えております、食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会における結論までのプロセス等について、消費者庁より簡単に御説明をいただきたいと思います。ネットによる情報提供のあり方に関して、参考にすべき議論の内容などが当時多々あったのではないかと拝察をしております。ぜひ皆様と情報提供させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

恐れ入りますが、消費者庁から10分程度で御説明をいただければ幸いでございます。

○消費者庁赤﨑食品表示企画課長 消費者庁でございます。

それでは、お手元の参考資料1に沿って、食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会報告のポイント等につきまして、簡潔に御説明させていただきます。

参考資料1の一番最後のページを御覧になっていただければと思います。ここに懇談会報告書の概要がついております。これで簡潔に御説明させていただきます。

まず、この懇談会ですが、右上に記載されておりますとおり、平成27年10月から10回開催して、平成28年12月にこの報告書を取りまとめております。委員は全部で17名で、その中には本日ここにおられます澤木委員や、岸委員もメンバーとして入っております。

この背景については、右上に出ております。消費者基本計画が平成27年3月に閣議決定されておりますが、資料中でアンダーラインを引いているとおり、インターネット販売等における食品表示について実態を踏まえた検討を行うとなっておりまして、その意味では食品表示法ができたときの積み残しの課題の一つということになります。インターネット販売のほかにも原料原産地表示、遺伝子組換え表示のあり方が書いてありますが、そういう並びの一つということになります。

では、何故インターネット販売を特出しして検討したのかとなりますが、これは上の「懇談会設置の背景」の左側に出ております。1つ目の○で食品表示法の目的は、消費者がインターネット等を通じて食品を購入する場合にも尊重されるべき。といった理念的なことが書かれております。その次の2点目が具体的な背景になります。インターネット等を利用して食品を購入する場合、実は食品は消費者の手元にはありません。遠隔地にあって、消費者は購入時にインターネットの画面情報を通じて実際に買うという特徴がございます。

通常、インターネットにより販売される食品については、食品表示法やその前身のJAS法等に基づいて、文字による表示が通常行われています。そこは原則としてそれが前提となっていますが、ただ、買うときに手にとっていろいろな表示情報を見ることができない。画面上では必ずしも義務表示情報がわかるわけではないということが実は背景にありまして、その中で消費者に対して適切な情報提供をどのように担保するのか。そういう問題意識でこの懇談会を立ち上げたという経緯がございます。

その下の○になりますけれども、インターネット販売は昨今その利用が急増しております。その意味では今後こういう販売方法は従前にも増して増えてくるだろう。その中で情報提供のあり方を考えるという内容でございました。

この懇談会の提言は全部で3つございます。1つ目が①の「情報提供の在り方」になります。これは消費者としてはできるだけ多くの情報を得て、確認をしながら買いたいという思いがありますが、一方で事業者側は、消費者のニーズに合わせたウエブサイトづくりが必要になる。パソコンで見れば画面も大きいですが、スマホで見る場合、画面のスペースも限られます。また通常、画面が複数の階層構造になっていますから、最初に開いた画面に全部の情報は入っていません。スクロールしながら画面情報を見ていきますので、そういうウエブサイトづくりとの兼ね合いもありますし、その下にありますように情報提供に当たっては様々な課題もあります。例えば期限表示などは個々の商品ごとに異なりますが、個々に異なるものをどうやってウエブサイトに表示するのかというネット販売特有の課題もあります。それをどうやって折り合いをつけるかということになりますが、その点、矢印の下にありますように、事業者はできるだけ義務表示事項と同等の情報の内容を消費者に提供していく。ただ、これは「目標としつつ」ということで義務づけではなく、段階的に情報提供の取組を推進・拡大していく。ステップ・バイ・ステップで任意で取り組んでいくという整理となっております。

その際のポイントとしては3つございますけれども、まず対応できることからやっていく。2つ目は、消費者に分かりやすい方法で情報を提供する。3つ目は、事業者間の情報伝達の円滑化です。いろいろな情報がフードチェーンでつながっていて、卸、小売、消費者に流れていくときに、途中で情報が寸断されてしまうと必要な情報提供といっても、小売の側はできない。できるだけ情報伝達の円滑化を図る。こういう点に着目した内容が報告書に書かれておりまして、基本的にはできるものからステップ・バイ・ステップで取組の推進・拡大を図っていくというのが大きな柱の一つになっています。

2つ目が、その右の提言②になります。事業者の自主的な取組ということで、実はインターネット販売と言ってもいろいろな形態があります。ネットスーパーのように実際に店舗を構えている小売業者がネットでも販売する場合もありますし、一方で通販専用の小売業者もいます。また、メーカーがお取り寄せという形で売る場合もあります。いろいろな形態がありますので、その意味では②にありますように、業態や業界ごとにそれぞれの実情に応じてガイドライン等を策定して、自主的にこの取組を進めていこうということになっています。

3つ目が、消費者への普及啓発になります。これは行政、消費者団体、事業者団体などが様々な情報提供を消費者に行っていく。結局、インターネット販売の情報提供と言いましても、最終的には消費者のためのものなので、実際に消費者から見た望ましい情報提供を実現するために、業態、業界ごとに事情は様々ですけれども、まずは報告書の意義を消費者に正しく御理解いただいて、できるだけ消費者がより賢い買い物ができるようにという観点からの普及啓発を、関係者が総力を挙げてやっていくことになっています。

以上、3つがこの懇談会報告の大きな柱となっております。

なお、「その他」のところにありますように、カタログ販売やテレビ等を介した通信販売においても、実際に現物が手元にないにもかかわらず、消費者は選択をせざるを得ないという同じような事情がございましたので、そういうところにも横展開しながら同じような考え方のもと、取組を進めていくことになっております。

以上、述べました点は、より詳しくは参考資料1の報告書の中に書いておりますので、時間の関係もあり省略をさせていただきます。

消費者庁からは以上になります。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明も参考にしつつ、これから議論に入ってまいりたいと思います。

まず資料2でございますが、A3の縦書き、前回と同じ資料名の食品表示の全体像に係る課題から解決策までの整理についてでございますけれども、前回の部会の場でいただいた御指摘や御意見を反映し、一部修正を加えました。今回、追加・修正をした箇所については、斜体にして記入をしてもらっています。

また、この中で前回の議論でも種々御指摘のありました資料における表現についても、一部修正をしております。そのうち前回は色弱と書かれていた部分、そこについて今回は色覚特性のある方といたしました。この場はこのあたりについての定義を議論する場ではございませんので、今後、少なくとも資料等においては、この表現で統一をさせていただきたいと思っております。御了承のほどよろしくお願いいたします。

それから、資料2に関して少し補足をさせていただきますと、後ほど御説明をいたしますが、一番上にございます原因のところ、「情報過多(表示事項が多すぎる上、消費者に提示される情報が多すぎる)」。この点についてはさらに精査が必要であるという意見をいただいております。

後ほど参考資料2に基づいて、消費者意向調査の報告書の中から一部データを御紹介申し上げたいと思っておりますけれども、一方でこの情報過多というのは先ほども凸版印刷の松本様の御講演にもございましたように、情報量に対して表示スペースが小さ過ぎるんだという見方も当然原因としてあるわけです。その原因の課題の欄の空欄がずっとございますけれども、「分かりにくい」のすぐ上の部分に、情報量に対して表示スペースが小さくなり過ぎているというところで、括弧書きで記入をさせていただきました。これは直接委員の皆様からそういう声が聞こえたわけではございませんけれども、今、もろもろの情報過多という課題につながっている一番大きな原因の一つではないかということで記入をさせていただき、その横に表示スペースを増やすという対応もあり得るということで、括弧書きで記入をさせていただきました。その表示スペースを増やす具体が、先ほどのプレゼンテーションの中にも種々提案があったということになるかと思います。

そういった点が1つ補足で説明の必要な部分でございまして、あと、一番下、今後検討を要する事項という欄外がございまして、「3.その他」に3つ○がございます。その真ん中に「検討にあたって時間軸を導入すべき」という加筆をしております。これは前回、委員から御指摘がございました点でございますが、今の時点ではまだこのマトリックスの中に時間軸を書き込むというところまで至っておりません。もう少し皆様の御意見を賜った上で、最終的にはロードマップ的な形で表現できれば、この時間軸を導入すべきという御要望といいますか、御意見にお答えができるのではないかと私どもは考えております。そういう意味で時間軸は常に考えつつ、最後はロードマップ的な可視化をやっていきたいというのが、こちらの考え方であることを御紹介を申し上げておきたいと思います。

あと、括弧書き、ほかの部分も少しございますけれども、基本的には先ほど申し上げたような内容が盛り込まれているということを説明させていただいて、あと参考資料2と参考資料3を別に用意をさせていただきました。これについても少しだけ私のほうから補足をさせていただきたいと思います。

まず参考資料2でございます。これは先ほども触れました備考の欄にあります「平成28年度食品表示に関する消費者意向調査報告書」(消費者庁平成29年2月)に発表されたQ95をもとに、消費者委員会事務局にて作成をしたものでございます。グラフの単位はパーセントということで、質問は「『食品表示』をより分かりやすく、活用しやすいものにするためにどのようなことが必要だと思いますか」という設問に、N数は1万を超えておりますけれども、「情報量を絞り、文字を大きくする」36.2%、「小さい文字でも多くの情報を載せる」12.0%に続いて、「表示事項をばらばらに複数の面に分けて表示し、文字を大きくする」18.4%、「今の表示のままでよい」30.6%という形で意見が出ておりますが、このブルーとグリーンの部分が文字を大きくしてほしいという要望と、特にブルーに関しては情報量を絞るという前提がありまして、この辺の意見の分布を情報量が多過ぎるというふうに表現をしたというところでございます。

なお、この中で非常に特徴的なのは男性、女性ともに年齢が上がれば上がるほど、ブルーの「情報量を絞り、文字を大きくする」の回答が増えていっていることがおわかりいただけると思います。そういう意味で消費者、属性に対応するということの重要性が、このデータに反映されているというところが1点でございます。

それから、この後、議論をしていただく中心にもなるかと思いますけれども、表示の順位づけといいますか、優先順位づけといいますか、重みづけの点に関して意見を賜りたいと思っております。その際に参考資料、表裏1ページ、2ページございますが、これまで表示事項の分類やその考え方について消費者庁の検討会であったり、この食品表示部会であったり、さまざまな検討の場で報告書の中にその考え方が提示をされております。一番上が前々回、池戸委員から御説明をいただいた一元化検討会の報告書、平成24年8月9日付でございますけれども、アンダーラインを付した部分に優先順位の考え方がございます。

さらに2ポツで、食品表示部会第4回加工食品の表示に関する調査会で表示レイアウト及び文字の大きさ、さらには容器包装の面積が50平方センチメートル以下の場合の義務表示の内容について、これは前回の部会でも話題にさせていただきましたけれども、その内容に関してここに抽出をさせていただきました。

3ポツが、先ほど赤崎課長から御説明をいただいた食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会なのですけれども、この報告書の中の8ページから9ページに、用途に応じてどういう表示項目を重視しているかという客観的なデータがございまして、それを抽出してここにリスト化しております。

さらには4ポツに39回の食品表示部会、ここにおいて出された内容として一元化検討会の報告書がさらに引用され、昨年7月の食品表示部会における原料原産地表示の議論におけるさまざまな意見が、そこに5ポツとして盛り込まれております。まずこういう点を後ほど委員の皆様から御意見を賜りつつ、これまでの議論を繰り返さないようにどういった意見が出て、どこまでが報告書の中に盛り込まれているかということをしっかりと意識しつつ、御意見を賜ってまいりたいと思っているところでございます。

それで大体1時間ぐらい残り議論の時間を確保できております。今日はこのマトリックス修正版を議論の発端にしていただいて、課題や対応や具体的手段、いわゆる解決策、さらにそこにおいて留意しないといけない点についても御意見をいただきたいと思うのですけれども、そろそろ先ほどの松本様の最後の御提案にもございました、ああいった考え方、一つイメージの例だと思います。そういうときに表示項目としての優先順位づけということを具体的に我々として議論をしていき、一つ成案まで導いていければいいなと思っているところでございますので、そういった具体的な提案も含め、あるいはこれまでの議論の中で支持するような内容等も、委員の皆様から御意見を賜りたいと思っている次第です。

いかがでしょうか。ここからまた委員の皆様から自由に御発言をいただきたいと思います。渡邊委員、お願いいたします。

○渡邊委員 優先順位づけの話なのですけれども、1つ忘れてはいけないのは、アレルギー表示というのは、アレルギー表示に書いてあるのが全てのアレルギーを網羅しているわけではなくて、要するにアレルギーの症状が出るのが非常に多いものを載せているのです。実際は原材料表示の中にアレルギーとして必要なものも絶対にありますので、人によってはこのアレルギー表示のところにないものでも、原材料を見て自分のアレルギーを考える人もいるので、そういう意味では原材料名というのが、あるいは添加物もひょっとしたらそうかもしれないのですけれども、全く安全性と関係ないかというと、そうでもないかなというところを注意しなければいけないかなと。

あと、購入時に必要な情報ということだけではなくて、実際に原材料名とかそういうものは、その人が食べるときに、例えば冷蔵庫に入っていて別の人が食べるかもしれないので、食べるときに見て食べるという場合もあるので、先ほど言ったいわゆるデータベースになったときに、お店で見られるだけではなくて、当然、食べるときにも見られなければいけないというのも考えなければいけないかなと思います。

以上です。

○受田部会長 ありがとうございます。

優先順位を考える上で、これまでは安全の確保と選択の機会の確保、自主的・合理的選択の機会の確保と2つに分け、ともすれば安全性の確保の部分を優先的にという議論も合っておりますし、その前提のもとでこれまで、この部会以前のいろいろな検討もなされているというのは、参考資料3のとおりでございます。

一方で今、渡邊委員から御意見がありましたように、また、以前の部会でも複数の委員から御発言があったように、自主的かつ合理的な選択の機会の確保という部分にも、当然消費者サイドから見れば安全性とかかわっている先ほどのような特定原材料の話あるいはそれ以外のアレルゲンの情報も入っているのだという点は忘れてはいけないということ。それとパッケージが仮になくなったり、食する直前の情報というところの管理に関して、食品表示部会がどこまで責任を負うかというのはなかなか難しいお話かもしれませんが。

○渡邊委員 管理というか、先ほどみたいに例えばデータベースで見るといったときに、お店でしか見られないという状況だとまずいので、家でも、あるいは誰かが食べるときにも、そこになくても見られるときには同じように見られないとだめかなと。だから考えていくとお店で見られればいいやというふうに考えると、例えばお店のところにデータがあればいいやとかになるけれども、ひょっとしたら家でも見られなければいけないので、そういうことも考えなければいけないと思います。

○受田部会長 そういうことですよね。棚だけではないということですね。そのことが先ほどインターネットにおける食品販売においても同じことが言われて、参考資料3の中には贈答用という、eコマースの利用というユーザーの方への質問なんかも盛り込まれているのです。これも同じような状況で、いろいろな食品に関してのシチュエーションを考えなければいけない。消費者あるいは口に入る直前まで、さまざまなシチュエーションを考えておかなければいけないという点についてはよくわかりました。ありがとうございます。

徐々にこうやって優先順位という意味では、特定原材料等を表示しておかなければいけないというような話であったり、消費期限または賞味期限、これも優先順位が高いだろうとか、保存方法といったものも優先順位は高いだろうということが前提にある中で、今のような渡邉委員からさらに考慮すべき内容があるという意見が出たということでございます。

これに関連して、あるいはそれ以外でも構いません。今村委員、お願いします。

○今村委員 安全を優先に考えるということは賛成なのですけれども、今までの表示部会の議論を見ていると製造所、製造者の氏名が品質情報に入っているのが私はとても気になります。これは消費者にとっては余り関係ないのかもしれませんが、食中毒事件が起こったときにはどの工場でつくったか、誰が責任者かというのは非常に重要で、それを確認するまでに3から4時間かかっていると被害者が増えるということがあって、これは監視情報としては非常に重要な情報なのです。

ですから安全情報という意味では、私はこういうものはとても優先順位が高くて、固有記号のような形で行政だけわかるという形でもいいと思うのですが、少なくともどこにコンタクトをとればその食べ物をとめることができるかということがわかる情報を現物に載せているということが、私はとても重要だと思っています。実際にメーカーと製品名だけだと、どこに、誰に連絡をしてとめていいのかわかるまですごく時間がかかって、候補物が20とか最初はあるので、それを全部確認しているだけで物すごく時間を食うのです。ですからこれは非常に重要な情報だと思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。

今村委員からは、以前の部会においても緊急対応というところでの表示の持っている重要性については触れていただいておりました。恐らく今の御意見、しっかり留意しないといけないということはもちろんなのですけれども、一方で我々が考えなければいけない課題の部分で見にくいとか、あるいはわかりくいとか、一般消費者が認知をするプロセスと、そうではなくてある特定の方に対して、ある状況の中でしっかりと認識ができるような容器における表示というのは、これは多分、目的が違うという見方もできると思うのです。ですから、ここら辺はしっかりとすみ分けながら考えていかないといけないなと思います。

ですから今の御意見は前回の御意見も含めて、このマトリックスの中には盛り込んでいるとは認識しているところです。

さらにいかがでしょうか。菅委員、お願いします。

○菅委員 「表示事項の優先順位づけ」についての議論がどうしても避けられないような形で進んではいるのですけれども、テーマ設定自体にも方向性にも、根本的な懸念があるということで、私自身は慎重論を述べてきているところなのですが、優劣のようなものを考えようとする理由やその必要性が十分共有されていないと、どういう項目についてどういう議論をすべきかということがはっきりしないまま進んでいきそうな気がするのです。

結局、本体表示に残すか、残さないかといったような大くくりな議論を本当に今からしようとするのか、そういう大くくりなレベルで全ての表示項目を全体として議論するのはかなり難しいことのような気もしているのです。もちろん「グランドデザイン」というテーマを立てて議論するわけなので、できるだけまとまった形のものを考えるべきだと思うのですけれども、表示の一つ一つは今の形になるまでに多くの議論の蓄積や、諸外国における、コーデックスなども含めた例があって、そのうちの1個を修正するだけでも物すごい議論が必要なわけです。この場で簡単に全体的な「軽い重い」だけを決める議論をしてしまって、その議論する先が、例えば「義務から外す」といったようなことまで考えているということなのか、インターネットに振るか振らないかといった話をしているのか、どこの議論をしようとしているのかが、優劣関係という言葉からは必ずしも皆さんイメージし切れていないのではないかと思います。

そういう形で総論的に「優劣」を言うのがいいのか、あるいは「伝え方の工夫の問題」というように捉えて、重要性が重いから軽いからといった観点ではなくて、こういう表示事項についてはどういうふうにすべきかといったようなことを各論的に積み上げていったほうがよいのではないか、なかなか「全部」を仕分けるというのが難しいところもあるのではないか。皆さん毎回議論で同じような項目についてお話をし合っているのだと思うのですけれども、優劣という言葉でどこへ議論を持って行こうとしているのかが、私自身もまだ意外とよくわかっていないところがあります。

本体に書くのか書かないのかという二者択一だけではなくて、本当は、本体にも書いているし、インターネット上にもあるというのが望ましいのかもしれませんし、買い物をする際に、本体表示も見る一方でスマートフォンも持ちながらそちらでも別の情報を見て選ぶというのは余りイメージが湧かないので、全部をどちらかで見られたほうがいいという考え方もあるかもしれないと思いますし、ロードマップを考えるといった場合も、一遍に交換的にこの表示項目はごっそり本体からどちらかに移るというようなことは、多分なかなか提案しづらいような気もするのです。

そうすると、参考資料2でも、確かに読み方によっては、「文字を大きくする」という回答が2種類あることにはなりますが、逆に、「情報量を絞る」青色以外の各回答は、情報量としては、今までで良いか、あるいは今までよりももっと充実させてほしいという意見でもあるわけですので、本体から外すという可能性について、そもそもどこまで議論すべきなのかなという感じがまだしています。方向性についてうまく提案できていなくて恐縮なのですけれども、将来的に本体に残すか残さないかの議論をしているのかどうか、そのあたりはどうなのでしょうか。

○受田部会長 本質的なところで、非常に全体の部会の議論の差配の仕方がまずいということなのかもしれないのですけれども、まず今の菅委員の御意見、御質問に関しては、しっかりここで議論をすべきだと思っていて、前回のユニバーサルデザインの話も皆様にとって非常に印象深い内容だったかと拝察しております。また、ICタグのようなものが将来的に使えるのではないかという期待といいますか、可能性も含めて今日もプレゼンをお願いいたしました。

要は我々情報としていろいろなものをまず集めておかないといけないという前提で今日に至っており、そろそろ全体像に関してまさに今、菅委員から触れていただいたように、今、一括表示をされている内容をすみ分けるといいますか、優劣というよりも優先順位から容器に残すものとウエブ上で、データベース上に表示をするものとに分けるという考え方、それも一つのオプションとしてあると思います。

もう一つは、今、言われたように、一括表示されている内容の中で優先順位といいますか、よりわかりやすく商品そのものに対しての見やすさを高めていって、そして表示はしている一方で、特定の方あるいは特定の状況の中で注視をしないといけない表示については、今も可能だと思うのですけれども、その一括表示から別の枠に持っていったり、あるいは一括表示の中でフォントサイズを5.5とか8という縛りから解放していくこともあり得ると思うのですけれども、一括表示の情報量としては変えずに、見やすさとか訴求の仕方を変えていくというのも一つの方法だと思っています。その際には、それをよりわかりやすくするために、補完的にデータベースというのが先ほどの二次元バーコードをもとに、しっかりとそれぞれの製品やロットにおいて完備されている。それを付随することも可能だと思いますし、もっと言えばそのデータベースが完備されれば、インターネットによる食品の販売という部分でも必要とされている、求められている情報が、それを見れば実際に取得できることになりますので、これまでのさまざまなeコマースにおいて求められている課題も、一気に解決できる可能性もあるということかもしれません。

さらに言うと、ユニバーサルデザイン的にフォントのデザインであるとか盛り込む情報量を工夫していけば、今のままでも相当見やすい表現が可能であるという話もいただいておりますので、直近でやれることと、少しずつ時間をかけていって、例えば全体像の7年後ぐらいにあるべき姿として、今、私が一例を申し上げましたけれども、それを目指していくということにして、データベース上のフォーマットをしっかり表示としてそろえていくことを考えていくことも、議論すべき内容ではないかと思います。

これまで原料原産地の表示に関しては、情報量が多過ぎるので優先順位をつけて、優先順位的にトップに来ないものについては、思い切ってインターネットで表示すればいいのではないか。すなわち一括表示から外すような提案もありましたけれども、その前段階としては、先ほど申し上げたような1つのマイルストーン的なものを考えつつ、7年後はそこまでにしておくという結論も多分この部会ではとれるのではないかと思っています。ですから、伺いたいのは思い切って今の一括表示の優先順位において食品表示法を変えていくということも含めて、容器縛りの内容を変えていく。

あと、コーデックスの話をどうするかというのは非常に大きな検討事項ではございますけれども、あるべき姿としてはそこまで思い切ってやっていこうというふうにするのか、先ほど言ったような案でまずはやっていこうとするのか、それぞれ委員のお考えがあると思いますので、御意見を賜りたいと思います。菅委員、そういうところでいかがですか。

○菅委員 個々の表示項目ごとに、もっとこういうようなことをしたほうがいいのではないかというような議論をするほうがいいのですかね。大きく「安全と選択」とだけ分けるといったやり方ではなくて、より各論的なこととして、先ほどのアレルゲン表示や原材料表示など、一つ一つの項目で皆がそれぞれに思ったことを議論していくような形になるのですかね。今の御説明自体はひとまず承りました。

○受田部会長 宗林委員、お願いします。

○宗林委員 今の座長の説明を聞きながら自分の考えを、今の時点の話をしたいと思います。

前回、お休みさせていただいたので、ユニバーサルデザインのすばらしいところは議事録だけしか読ませていただいていないのですが、そのように見やすくする努力は並行的にしていくべきだと思います。それが1つ。

あとはパッケージの表示をどれだけ残すか、あるいは全部そのままで見やすくするという努力をするのかということですけれども、私はやはり情報量が圧倒的に多いという絶対的なものがあります。私も例えば買う人に見せなくてはいけない情報、それから、帰ってきてからゆっくり取りに行く情報というような感じの差もあります。そのような前提を置きながら、私自身は例えば本当に一部のものですけれども、後からゆっくり取りに行く情報を何年間かの猶予期間を置いてデータベースを構築して、取りに行く情報を一部そちらに移してつくるというやり方がいいのではないかと思っています。

ただ、パッケージの中にある表示というのは、先ほど原材料のお話も出ましたけれども、私も熱量と添加物、糖分か添加物かどうかというのは必ずセットで見たりしますので、原材料も欲しい情報かと私自身は思いますので、どこまでを残すかというのは一概には言えないと思いますが、全体像としては準備を整えた上で、欲しい人は取りに行く情報というのを別に移すデータベースという形で準備を進めたらいいのではないかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

ということは、今の時点では残すもの、残さないものという仕分けをするのではなくて、まずは残さなければいけないものを徐々にデータベースへ移していくという意味ですか。

○宗林委員 いいえ、私自身はどこまで残したいのかというのと、皆さんの御意見は違うでしょうから、ここで議論して、ある程度の判断をしたらいいと思います。ただ、では移すというものについては、先ほどのお話もありましたけれども、準備が必要そうですし、そこは猶予期間を十分とって皆さんが合意できたところの移すべきものを移していく。ただ、見やすさということの工夫は並行的に進めていく。

○受田部会長 なるほど、ありがとうございます。

データベースが二者択一的に容器かデータベースかという考え方はもちろんあると思うのですけれども、データベースはより包括的にといいますか、容器に表示されているものプラス消費者にとって自主的・合理的選択の機会の確保、さらには消費する際により深く知りたい情報をそこにアップしているという位置づけも可能かと思います。

○宗林委員 そのほうがいいと思います。より多くの情報がテンプレートのところでデータベースでは見られる。その一部だけ買うときにどうしても皆さんの議論の中でも、これはパッケージだよねというのはパッケージに残すという形。

○受田部会長 ありがとうございます。

さらに御意見をいただきたいと思います。夏目委員、お願いします。

○夏目委員 今でも消費者の求める情報というのは本当にさまざまだと思うのです。今、表示されている安全性に関する情報、それから、自主的かつ合理的な選択の機会の確保に関する情報、そのどちらをとっても求める情報はみんなそれぞれ違うという情報の中で、やはり二者に分けましょうというのは無理な話だと思います。

前回のユニバーサルデザインの話を聞いて、すごくそうなのかというふうに思うところもたくさんあったのですけれども、それはウエブに行っても同じ話であって、ウエブだからユニバーサルデザインの視点が欠けていてはいけませんし、それはそれだと思うのですけれども、とにかくこれまでも議論してきたように情報はかなり増えている。これからますます増えていく可能性もある。容器縛りといいますか、容器包装の表示スペースが増えるということは余り考えられない。多少の今日のお話の中に工夫はできるかもしれませんけれども、飛躍的な表示の拡大を容器包装の上に求めることは難しいという状況の中で考えましたときに、その表示スペースを増やすというときに、大くくりでウエブというのも表示スペースを増やすという考え方があってもいいのではないかと思います。

それは今日の凸版印刷さんの話でもありましたように、クラウドベースの中でポータルサイトをつくって基本情報はきちんとそこに移しながら、なおかつそこに事業者さんが入れたい情報はどんどん増やしていけばいいわけであって、つまり今ある表示の容器包装の内容を減らすのではなくて、そこのところはさらに増やすみたいな感覚でもっていかざるを得ない状況になっている。それが例えば5年後なのか10年後なのか私も今、判断できませんけれども、少なくともそこには今よりも課題解決の可能性は見えているのではないか。このように私は感じたところです。

もう一つは、最初にアレルギーの話が出てきておりましたけれども、安全性の情報というときに、とり方が委員それぞれにとっても違うし、もしかしたら安全性の情報と選択の情報というのももう少し考え直してみると、もしかすると選択の情報の中に安全性のものを組み込むこともできるかもしれない。そうすれば分けなくてもいいというふうに実は皆さんの話を伺って感じました。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございます。

ウエブが表示スペースを増やす一つの手段として成立をし、同時に容器における表示とともに見やすさというものも追求しながら、一つのフォーマットというのは形成していかなければいけないということです。

それから、容器の情報というのは確かに今いろいろな御意見をいただき、残す残さないという考え方はなかなか難しいし、もっと求めている情報というのは増えていくこと、これも当然考えられるわけですし、そういう意味で最終的にウエブの活用の部分について、フォーマットも含めてしっかり考えていかないといけない。さらには安全性の確保という一概に分類してしまう嫌いはありますけれども、それはそうではないというところは今、夏目委員からも御意見として賜りました。ありがとうございます。

さらに安達委員、お願いします。

○安達委員 1つ確認をさせていただきたいのですけれども、現状、表示しなければいけない項目がいっぱいあるので、表示面積を増やすという意味でもウエブを活用するというところは、私も大いに賛成するところなのですけれども、ウエブへの情報の移行ということを考えたときに、例えば本体の表示面積に余裕があるような製品で本体表示だけで十分対応ができるような製品に関しても、ウエブに情報をどんどん移行するということで進めるのがよいのかどうか。その辺を我々部会の場ではどういうふうに考えていけばいいのか、皆様の御意見をお聞かせいただきたいのですが。

○受田部会長 ありがとうございます。極めて重要な確認事項だと思います。スペースが限られているという前提で話が行っている。特に包装の形態が徐々に小さくなっているというのがどうしても頭に先入観としてあるので、そこを問題として今のような議論になっていますけれども、一方で余裕があるものはないのかと。実際にここに関してはまず伺っておかないといけないのは、表示面積に関して縛りといいますか、食品表示法上の規定があるのかないのか。ここがポイントかと思います。

まず赤崎課長、今の御質問に関してなのですけれども、食品表示法上、スペースの規定に関してどういう状況になっているのか、簡単に御紹介いただけませんでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 食品表示法上のスペースの問題ですので、表示可能面積が何かということでよろしいのでしょうか。

表示可能面積につきましては、文字どおり表示が可能な面積ということです。逆に言うと何が表示可能面積に該当しないのかとなると、例えばキャンディーの包みのひねりの部分とか、包装を重ねてしまう場合の重なり部分というのは、今の考え方だと表示可能面積には入りません。基本的にはQ&Aレベルで定めがあるのはその程度だと思っております。あとは個別具体のケースに即して必要があれば相談をお受けして、判断しているというのが今の実態になります。

○受田部会長 実際に例えば150平方センチメートル以下の場合に、一括表示に関するフォントサイズの要件であるとか、あるいはその中に一括表示できない場合に、外づけに表示の箇所を明記しておけば、そこに移せるものとか、そういう規定が一つございますね。あとは50平方センチメートルの表示面積以下の場合にというような、これが唯一、表示可能面積あるいは表示面積に関しての法律上の規定という理解でよろしいでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 表示可能面積に着目したルールというのは実は2つございます。1つが150平方センチメートルと、もう一つが30平方センチメートルになります。

150平方センチメートルという数字につきましては、実は表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下の場合は、原則の8ポイントに対して5.5ポイントでもいいということが定められております。30平方センチメートルにつきましては、主として品質事項になりますけれども、例えば原材料とか遺伝子組換え表示等については、表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下であれば省略できるとされています。今のところ数的な基準につきましては、今述べました150平方センチメートルと30平方センチメートルの2つがあります。

○受田部会長 ありがとうございます。

今の30平方センチメートル、参考資料3の2ポツの⑤は50平方センチメートルですよね。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今、受田部会長がおっしゃった参考資料についての御指摘でございますが、そこに50と書いておりますのは、実は当時、消費者庁が提案した提案内容でございます。今、30平方センチメートル以下であれば表示省略はできるけれども、そのボーダーを50平方センチメートルまで上げてはどうか。そのかわり150平方センチメートル以下であれば5.5ポイントの文字の大きさになっていましたが、それを6.5ポイントに引き上げる。したがって、表示省略可能面積のボーダーを上げるバーターで5.5ポイントの文字を大きくする。当時これをセットで御提案しましたが、結局それは成案には至らず、引き続き今申しました30平方センチメートル、5.5ポイントというルールが残っているということでございます。

○受田部会長 実際に安達委員からの御質問のように、この面積が低い場合というか、面積が小さい場合には、こういう特例措置が認められているということはあるのですけれども、一方で表示可能面積がまだ残っている、余裕があるにもかかわらずというものが実際にあるのかないのかというのが気になるところでもありまして、質問としてはそのあたりがどうなっているかということですね。

○安達委員 そうですね。表示の面積に余裕があるのであれば、例えばですけれども、インターネットへ情報移行はしなくてもよいということにもしなるのであれば、例えばですけれども、今、本体表示になっている情報の一部はネットに移行していて、皆さんスマホをかざして見るという製品と、そうではなくて本体だけに全部書かれているという製品が同じように店頭に並ぶというような状況になるのが果たしてよいのかどうか。消費者が混乱することもあるのかもしれないなと思いまして、その辺をどういうふうに、インターネットへの情報移行をどれぐらいのレベル、義務として考えるのか、それとも推奨として考えるのかというのをどういうふうに理解しておけばいいのかというのを考えたほうがいいのではないかと思いまして。

○受田部会長 現実的な話としてということですね。渡邉委員、お願いします。先ほどの質問に対しても。

○渡邊委員 以前からも言っているのですけれども、7年後ぐらいのところをイメージしたときでも、インターネット表示、この部分は義務ですよというのは実際的には無理だと思うのです。だからやはり今までの表示をしているものというのは、それで売っているわけだから、それはそれでよしとしてもらわなければ困るわけで、さらに例えばやること、今はもう絶対にインターネットの表示というのが許されていないのです。だから法律的にインターネットでも表示してよいよ、あるいはいろいろ話を聞いていて思ったのですけれども、それぞれの業者さんのインターネットに書くのか、あるいは先ほど凸版さんの話がありましたけれども、国で1つのデータベースを持って、そこに入れていくのかというのもあると思うのです。

今度は国で1つもしするとすると、本当にそんなことが国はできるのかとか、タイミング的に結構表示事項というのはころころ変わるので、その変わる部分について本当に国は追いつくのかとか、いろいろな問題が出てくると思うのです。そういう中で、どの辺までできるのかというのも考えていかなければいけないし、先ほど安達委員が言われたように、確かにあるものはここに全部あるけれども、載っていないものはどういう表示をするのか。例えば一部省略しているものについて、これこれについてはインターネットで記載とかいう表示があるものについては、例えばスマホで見られるようにするのかとか、具体的にやろうとすると結構いろいろな問題が出てくるかもしれないと思います。

ただ、いずれにしてもインターネット表示を必ずどんな業者さんでもこの部分はインターネットに書きなさいねというのは、これは7年後でも無理だと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。補足をしていただきました。

実際に実行可能性という面で、渡邊委員から難しいという意見も具体的にいただいたわけですけれども、我々考えないといけないのは、先ほどから消費者の求めている情報というのは、増えることはあっても減ることはないというのは一般的見方だと思います。原料原産地表示のときに義務化を議論して、情報量がさらに増えていくので、それが表示の見にくさというか、認識のしにくさというところにつながっていくので、これを乗り越えないと、新しい義務表示というのはなかなか受け入れがたいという意見が多く聞かれたというのは、もう皆様御存じのとおりです。

次回以降、今度は遺伝子組換えの話があったり、また、食品添加物の話が出てきたり、さらに食品の情報として消費者が知りたい情報、さらには事業者サイドからも差別化を図るという意味で提示をしたい情報が出てきたときに、今のまま表示スペースがネックになって、どちらにとっても提供したいものが出せないという状況は、あるべき姿ではない。それが今回の全体像を議論している出発点だと思います。

したがって、もちろん技術的に実行可能性に困難さがあるということは想定をしつつ、例えば7年後にあるべき姿として、こういうイメージが一つあり得るのではないかというところを共有できると、そこからバックキャスティングしていってマイルストーンをという考え方も導入できますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員 今でも、例えば今お手元にあるこの商品、南アルプスの天然水でも二次元バーコードが載っていて、実際は企業のほうはさらにそれ以上の情報を載せるときに、例えばこんな手段を使っているのです。これは直接これを見るとその画面に飛ぶわけではないですけれども、一応URLが載っていて、そのURLからさらに必要な情報がいろいろとれるように、これはいろいろな企業さんがそのようなやり方を使っているわけなのです。

例えば優先順位を考えるときに、今、義務表示にしているものでも、ひょっとしたらこういう形で飛ばせるものもあるのかもしれないし、いろいろな考え方があると思うのですけれども、これは本当に人によって違いますが、義務表示から落とせるものもあるのではないかと私は思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。

戸部委員、お願いします。

○戸部委員 スペースと、どういう情報を載せていくかというところは、確かにどこかで線引きをしないといけないのかなと思いますが、例えば表示可能な面積がとても大きい製品で、そこにたくさん情報が載っていても、逆に大事な情報を見落としてしまいそうな気もしますので、書けるだけ書いてくださいというふうには私は言えないなと思っております。あとはやはり表示内容、ある程度はどれが重要とか優先順位という表現がいいのかどうかわかりませんが、ある程度の区分けはできるかもしれないけれども、個別対応が必要なものとか、もっと詳しくとか、あるいは興味がある部分が違っていたりとかいうところがあるので、表示ということで考えると、どこに何を書くかということになるかと思いますが、情報というふうに考えると、どこにアクセスしたらわかるかという情報も大事かなと思っております。消費者対応窓口だとか、こういった情報についてさらに聞きたい場合はどうしたらよいかという、いわゆる2ウェイの情報のやりとりも残しておく必要があるかなと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、菅委員、お願いします。

○菅委員 やはりこの問題を考えるときには、面積との関係というのはどうしても考えなければいけないことだなとずっと思ってはいるのですけれども、今の御議論をお聞きしていても、「主従」関係ではないですが、本体に十分書けるならば、それはそちらが「主」にこれからもなっていくというのが、実行可能性の意味も含めて、ベースとして考えられる方向なのではないかと感じています。ウエブでも書けるようにするということはあっても、本体に本当にわかりやすく、見やすく、十分に書けるなら、それを選択することが販売する事業者にとってもメリットがあるし、そのほうが買ってもらいやすい。それは現実として将来も変わらないと思うので、必ず義務的にウエブに見に行かなければいけないという建付というのは、少なくとも近い将来では全くイメージできないと思いますし、買い物するのが大変になるだけですから、現に困っていない食品についてはこのままでもいいのではないかというぐらいの感じで議論をしていったほうがよいのではないかと思いました。

○受田部会長 ありがとうございます。

さらに池戸委員、澤木委員の順番で。

○池戸委員 この議論がどうしてかという話なのですが、今、表示の義務項目がなぜあるというのは、これまで必要だからということで異議のない話なのです。表示を通じて情報が消費者に的確に理解され利用されていれば、こういう議論をする必要はないのですけれども、ずっと議論をしているのは、アンケートを見ても参考資料2でも特に高齢の方は6割以上の方は見にくい、わかりにくい、そこをどうするか。これから高齢化がさらに進む、一方で、表示可能面積そのものが国勢調査のたしか結果ですと、ひとり世帯と2人世帯合わせて六十数%、3分の2を占める。販売される食品がますます小さく、大きくなることは余りないとなると、そういう方向性に対してどうかという視点があるのではないかと思うのです。結果的には消費者が理解して、十分活用していただくというのが制度だと思います。

そうすると、先ほどから議論が出ているのですけれども、現状で工夫できること、例えば先ほどからおっしゃった表示可能面積にかなり余裕があるものもあるわけなので、それをどうするかとか、一括表示から外してほかのスペースで書けるのであれば、そのようなことも検討する余地があるのではないかということとか、前回プレゼンしていただいた、必ずしも文字の大きさだけではなくて工夫によってはわかりやすいという、そういった現状でできるようなところをまずここで知恵を出してやる。

将来的なことも考えたときに、それではそれ以外にウエブとかほかの媒体、例えば先ほど渡邊委員が言われたように7年間では無理だという話で、仮に中小企業が多い業界なので、そこが努力して全部普及したとしても、消費者そのものがそれを利用できるかどうかということも考えなければいけないと思うのです。消費者が利用できて初めての他の媒体ということがあるので、そういうことも工夫したときに、私も果たしてどういうことからやっていったらいいかなと、自分自身で疑問を持っているのですけれども、ただし、安全性に関したものについては、これは摂取する際の安全性なので消費者にやっていただかなければいけないことを書いているのです。

ということは、やはり先ほど省略できる30平方センチメートル以下のところで残っているのは、別途制度上表示可能面積が非常に大きいものと差がついているわけです。ですが、小さくても口に入ることには違いないので、最低限、小面積でも省略が認められない表示事項だけは載せるという考えもあります。すなわち、それらの表示事項は現状ではそれなりの根拠があるはずなので。しかし、ほかの表示事項についてアンケートをとると、今までもそうなのですけれども、その時々によってアンケートの順位が変わってきますし、一元化検討会の報告書にも書いていますが、人によって関心内容自体が違うので、そういうのも前提として全て100点満点ではないのですが、先ほどの電子場媒体以外の媒体、たとえぱ消費者によってはちょっと抵抗があるかもしれないけれども、相談窓口の電話番号を書いたり、そういったことで、ほかの媒体の利用も可能にするとかも考えるのがいいのかなと感じています。

○受田部会長 ありがとうございます。

それでは、澤木委員、お願いします。

○澤木委員 消費者としては、一括表示はすごくぱっと見てわかりやすいという意味で、とてもよくできていると思うのです。確かに字が小さくて見にくいというのはありますが、前回のユニバーサルデザイン等で工夫をしていただけるように、なるべく一括表示でお店に行って、その場で買うときに見られるというのが一番消費者にとっては良いと思います。確かに情報は多くなってきているし、原料原産地表示では「○○または○○または○○」等、本当に多くなってきているのは事実で、遺伝子組換えも今後増えてくるのは確かなので、ウエブを活用するというのは今後考えなければいけないことだと思います。

検討会に出たときに、ウエブ上では広告と食品表示が混ざっていてこれは広告なのか、表示なのかわかりにくいという意見が出ました。私も実際にウエブで検索をしますと、なかなか原材料が出てこなかったりとか、そういうこともありますので、もしウエブを使ってもいい。当然、一括表示で容器包装はありますけれども、ウエブも利用するということであれば、一括表示以上のより詳しい情報を少なくとも載せていただきたいと思います。

○受田部会長 ありがとうございます。

今、澤木委員、池戸委員、菅委員、戸部委員から御意見をいただきました。

4名の委員の皆様の御意見として、まず1つ共通しているのは、現状の中で工夫できることがあるのではないかというお話がまず1点です。この点に関しては、例えばユニバーサルデザインでより視認性がよくなるというようなお話、あるいは空間的な情報量というか、文字に関する部分が20%以下であるかどうかという閾値まで客観的にお示しいただけるというような話があり、こういう現状での工夫がまず1つできるのだろうということ。さらには戸部委員から2ウェイとお話、御発言いただきましたけれども、AかBということではなくて、AまたはBあるいはCという手段を通じて、知りたい情報がそのいろいろなシチュエーションの中でしっかりと消費者がアクセスできるようにする。あるいは理解できるようにする。そういうことも当然求められるし、そのときにウエブの活用というのは極めて有効である。

ただ、前々回でしたでしょうか。たしか私の記憶では宗林委員がおっしゃったような気がするのですけれども、やはり先ほど澤木委員がおっしゃったようにウエブ上の表示というのが広告の中にかなり混在してるというか、埋没していると言ったら言い過ぎでしようか。そういう表示として知りたい情報が広告の一部のように見えてしまったり、あるいはレイヤーのかなり先のほうにあって認識しづらいという問題がございましたので、もし今日の話からさらに展開していくとすると、消費者への情報提供の一つのツールとしてウエブというものをしっかり明確に位置づけ、例えばそれを食品表示法上の表示として一定のフォーマットを定義して、そして、それをできるだけアクセスしやすいような環境に整えていくことも、一つの食品表示のあり方を考える上では導入すべきではないかという意見があったのではないかと思います。

実際に菅委員から面積の話で、さらに工夫をしていくところで池戸委員からは、社会情勢の変化から見れば、個食というか1つの包装単位がより小さくなる趨勢にあるということもにらみつつ、表示可能面積の限界はありつつも、もっと表示ができるような商品もあるかもしれない。そういうものは一定、先ほどの消費者の方のわかりやすさの基準で、今できる改善も図っていただくよう働きかけをしていくというようなことが御意見として出てきたように思います。

そろそろ時間が予定をしていた3時半に近づいてまいりましたので、今日いただいた意見、かなり本質的な意見が出たと思います。特に私が印象的だったのは、容器縛りで残すものと残さないものを整理しましょうという意見にはならなかった。今ある情報は一括表示としての価値を持っているものであり、これに対するさらに補完的な情報提供の場としてのウエブという活用が、多くの委員の皆様からは出てきたと受けとめております。

あとはユニバーサルデザインのお話が多くの委員から聞かれておりますので、また今後消費者庁の皆様と現状の本当にわかりにくいのか、あるいはどうしたらわかりやすくなるのかというのを具体的にお示ししていくようなことも、この部会の任期は来年8月まででしょうか。それまでの間に何らかの方向性が示せればいいなとも思っているのですけれども、そういう点も含めてさらに継続で審議をしてまいりたいと思います。

というところでまだ御発言いただいていない委員もいらっしゃるのですけれども、松永委員、お願いします。

○松永委員 今、委員長のまとめを聞いてそうなのかと思ったのですが、容器縛りで残すもの、残さないものという議論にはならなかったということなのですが、私はやはりそこの議論に踏み込むべきだと思っています。現状、限界がある。ユニバーサルデザインも実は多くの企業で取り組んでおられていて、最大限の努力をして、でももう限界に来ているという声を私自身はよく聞いているわけです。なおかつ、さらに高齢化が進んだときに、もっと厳しくなる。

もう一つ、最近聞いておもしろいなと思ったのは、実はお客様相談室への問い合わせというところで、質問は一括表示みたいなところは実はほとんどなくて、使い方とか食べ方みたいなところの質問がお客様相談室へ寄せられるのはほとんどだと。そうすると企業はどうするかというと、パッケージに使い方、食べ方をわかりやすく載せる。そうするとイラスト化ということになって、それがかなり大きくとってしまうという状況がある。それがお客様の要望するものなのだというふうに多くの企業は受けとめているというのです。

ここで一括表示の話をしていますけれども、実は企業にとっては伝えたいことがたくさんある中で、一括表示のより目立たせなければいけない安全性に関するものをどう瞬時に消費者に伝えるようにするかというようなことを検討しなければいけないというのが、ここのミッションだと思っていますので、そこからしても私はやはりここで一定の容器縛りからどう踏み越えて、具体的にこれを残さないというところを一定の議論をしておかないと、将来また次、同じことをしなければならなくなると思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。最後にそういう御意見が出てきたということだと思います。

○宗林委員 私もどちらかというとそういう意見を最初に述べさせていただきました。もちろん安達先生がおっしゃったように、十分スペースがあるものとか、そういうもので何かを必ず外さなければいけないということはありませんが、容器で表示が見にくくなったような場合は、インターネットのほうでネットで包括的に記載するということです。先ほどの調理の仕方も含めて補完的なものもここから外さざるを得ない。外したことで大事な表示が見やすくなるものを容器縛りに載せて、外すことができるものをほかの表示を一緒にして、ネットとかそういったところで見ることができるというような感じにしておかないと、先ほど御質問したのですが、凸版の方にも調理の仕方とか注意表示とか義務表示は一番最後になっていたので、そういったことも含めて、私もそのように思っています。

○受田部会長 ありがとうございます。そういう意味では今の松永委員、宗林委員の意見もあるということを最後に御発言いただきましたので、今後、その考え方も含めて幾つかのパターン化をした上で、議論のポイントを絞って、この後は少し間が議論としてはあくのですけれども、また成案に導いていけるように時間をとらせていただきたいと思います。

そういう意味で先ほど私が小括をした一括表示に関しては、それが前提というところについては、ここで残すもの、容器縛りで残すもの、残さないものがあってもいいのではないかという考え方は、しっかりと今日最後にいただいた点をマトリックスの中に残して、そして次回に反映をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

済みません、ちょっと時間が押してしまいましたけれども、今日いただいた意見に関しては、次回また整理をして委員の皆様に少し見える化をし、相談をさせていだきたいと思います。

今日の議論はここまでにさせていただきたいと思うのですけれども、次回は以前、今後のスケジュールとして御説明をしておりましたとおり、遺伝子組換え表示制度についての審議に入る予定です。したがって、全体像の議論については一旦、中断をさせていただいて、遺伝子組換え表示制度の審議が終了いたしましてから再開をさせていただきたいと考えております。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。

≪3.閉会≫

○受田部会長 それでは、本日の議事は以上となりますが、連絡事項がございましたらお願いいたします。

○坂田参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございました。

次回は12月19日水曜日、14時からを予定しております。

ただいま部会長よりお話がありましたところですけれども、次回、御議論いただく内容は遺伝子組換え表示制度となります。予定どおり諮問案に関するパブリックコメントの取りまとめが終了する見込みと消費者庁より伺っております。その御報告も含めた内容を予定しております。

その他、詳細は追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○受田部会長 ありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。皆様お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました。

(以上)