第9回 消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会 議事録
日時
2019年3月29日(金)10:00~12:02
場所
消費者行政新未来創造オフィス消費者庁会議室
中央合同庁舎4号館7-1会議室<TV会議>
出席者
- 【委員】
- 樋口座長、新川座長代理、木田委員、遠山委員、野々山委員、萩原委員、唯根委員
- 【委員】(TV会議)
- 内田委員、長谷川委員
- 【オブザーバー】
- 池本委員長代理、大森委員
- 【消費者庁】
- 高田政策立案総括審議官、日下部課長、内藤課長
- 【消費者庁新未来創造オフィス】
- 金子参事官
- 【徳島県】
- 犬伏消費生活室長、勝間課長
- 【国民生活センター】
- 宗林理事、丸山理事、松島調査役
- 【事務局】
- 二之宮事務局長、坂田参事官
議事次第
- 開会
- 消費者行政新未来創造オフィスの消費者行政への寄与に関するヒアリング
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:11KB)
- 【資料1-1】 プロジェクト実施についての成果と課題(消費者庁提出資料)(PDF形式:67KB)
- 【資料1-2】 プロジェクト推進のメカニズム例(消費者庁提出資料)(PDF形式:68KB)
- 【資料2-1】 プロジェクト実施についての成果と課題(国民生活センター提出資料)(PDF形式:43KB)
- 【資料2-2】 研修受講者アンケート(国民生活センター提出資料)(PDF形式:755KB)
- 【資料2-3】 受講者定員充足率(国民生活センター提出資料)(PDF形式:192KB)
※ 【資料2-3】については、2019年4月5日(専門調査会終了後)、提出者より一部修正が行われました。 - 【資料2-4】 29,30年度徳島県内実施研修実績(国民生活センター提出資料)(PDF形式:71KB)
- 【資料2-5】 29年度徳島オフィス商品テストまとめ(国民生活センター提出資料)(PDF形式:114KB)
- 【資料3】 消費者行政新未来創造オフィスの消費者行政への寄与について(徳島県提出資料)(PDF形式:408KB)
≪1.開会≫
○坂田参事官 皆様、おはようございます。
本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会」第9回会合を開催いたします。
本日は所用によりまして、野口委員が御欠席との御連絡をいただいております。
配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載しております。不足がございましたら事務局までお声がけをお願いいたします。
それでは、樋口座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。
≪2.消費者行政新未来創造オフィスの消費者行政への寄与に関するヒアリング≫
○樋口座長 本日もよろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入らせていただきます。本日は「消費者行政新未来創造オフィスの消費者行政への寄与に関するヒアリング」を行いたいと思います。
御説明をいただくために、消費者庁より東京からは高田政策立案総括審議官、日下部総務課長、内藤消費者政策課長、徳島からは金子参事官、また、国民生活センターより東京からは宗林理事、丸山理事、徳島から松島調査役、徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課より勝間課長、犬伏消費生活創造室長にお越しいただいております。お忙しいところ御出席いただきありがとうございます。
消費者庁、国民生活センター、徳島県の順で御説明いただき、まとめて質疑応答を行いたいと思います。
それではまず、消費者庁より御説明をお願いいたします。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 それでは、消費者庁からの説明は私、金子が説明をさせていただきます。
お手元に2種類の資料を用意しております。まず、資料1-1という「プロジェクトの成果と課題」と書いてある資料から御説明をしたいと思います。
今回の資料、特に前回の議論の中でもう少し詳細にということでいただいた宿題を中心にまとめたものでございますが、前回、縦長の線表の中で、徳島の実証フィールドを使った取組というのは、2020年以降の設置が不明である以上、お示ししにくいと申し上げたところ、それにかかわらずやるべきことについては教えてほしいという宿題をいただいたということで、そういう観点から作ったものでございます。ですので、成果のところは前回の議論と重複するところがありますので、今後取り組むべき課題を中心に御説明したいと思います。
今後取り組むべき課題の中で、イタリック体で下線がついてあるところが、どちらかというと実証フィールドを使って行った方が効率的にできるかなと我々の方で思っているものという整理でございます。個々に説明いたしますけれども、プロジェクトの性格であるとか進捗に応じて段階が違うので、どちらかというと全国展開のフェーズに移っているものもあれば、引き続き、これまで行ってきた中で新たな課題が出てきたりして、更に実証フィールドを使ってもう少し調査をしたいようなものが含まれているということでございます。
実証フィールドを使ったプロジェクトから入りますけれども、若年者向けの消費者教育については、県内全ての高校で我々の教材を使った授業が進んでおりますので、この成果を用いて、全国でどのように使っていただくかというところに重きが移りつつあります。したがって、徳島の事例とかそういったものを、実践報告会等を使って他県でも展開していただけるようにといったところに、今後の課題があろうかと思っています。
次の見守りネットワークにつきましては、実は一昨日、県内全ての自治体での協議会設置を終えました。したがって、今までは作るに当たっての苦労であるとか、どういった形でそれを乗り越えていったかという事例を中心に取材させていただいていたのですが、今後はどちらかというとつくった協議会を有効に機能させて、具体的な被害の防止であるとかそういったものに活用できたとか、あるいはこういうことで活性化できたというような事例を収集するという、次の段階に移っていくのだろうと思っています。
エシカルにつきましては、県内で地域版プラットフォームを作っていただいておりますので、それを活用した啓発事例を引き続き収集させていただく、そういったことが今後も続いていきます。
食品ロスに関して言えば、実証事業の中で、我々から削減の取組方法を提供すると削減効果が出るのか、モニター家庭の方の御協力で検証できましたので、今回の実証結果をもとに作成した啓発資材を使って全国でも啓発を行っていくということ。加えて、もう一つ調査をしたいことというのが今継続して進んでおりまして、課題の一番下のところでございますけれども、食品の保管と食品ロスに着目した調査を引き続き行っているところであります。
子どもの事故防止については、我々のリーフレットであるとか、県がつくられた資料もそうなのですけれども、乳幼児健診で啓発に使うということをモデル的に行ってきたわけなのですが、あわせて県内の子どもを持つ親御さんの意識をアンケート調査で経年変化が見られるような形で複数回データを取らせていただいております。そういったせっかく集まったデータがありますので、それを使った分析を今後していくということが課題として残っております。
栄養成分表示に関して言えば、これも消費者教育でございますので、教材を使った検証を徳島で行っているわけなのですけれども、これも次第に全国にそれを展開する方に移ってまいります。
消費者志向に関して言えば、これは県内に推進組織を作っていただいて、県内の事業者さんにこの取組を呼び掛けるということを行っておりますけれども、更に県内においても拡大の余地がございますので引き続き行うということ。それと近隣県への展開といったことが今後の課題として残ります。
裏面に移っていただきますけれども、公益通報の窓口について言えば、市町村の窓口は既に整備されておりますので、徳島の事例をもとにした全国展開のフェーズに移っている。事業者向けについては、県内でも普及啓発に取り組んでいくことが残っておりますし、県内も含めた引き続きの啓発活動が続いていくということでございます。
食品のリスクコミュニケーションについては、健康食品を新たなテーマとして選択して教材を作ったりとか手法を新たに試してみる、そういった実証実験を行っておりますけれども、引き続き改良を加えたい点がありますので、そういった実証が県内で続いていく。その成果を踏まえた、他県で展開するときに使えるマニュアルの作成というのが今後も続いていくということでございます。
シェアリングエコノミーに関して言えば、これは今年度から行ったものなので、また1年目ということではあるのですけれども、ただ、今年度末、来月に少しかかってしまうと思いますが、これまでの成果を踏まえて、プラットフォームを介して民泊等のいわゆるCtoC取引を利用される場合の注意点といった啓発教材がまとまる予定でございます。ですので、それを使った啓発活動が今後行われていくということと、これも今週立ち上げたばかりなのですけれども、若者が活用しやすい消費者相談、SNS等を使った相談ができるのではないかということを研究しようとしているのですが、これが立ち上がったばかりということで、これを引き続き、続けていくということが、この徳島で行われていきます。
ここまでがモデルプロジェクト系のもので、以下、基礎研究に移りますけれども、行動経済学を利用した研究については、健康と生活に関する調査ということで、モニターの方々に協力いただいてデータを継続的にとらせていただいておりますので、これを用いた分析を引き続き、こちらで続けていくことになります。
障がい者の調査につきましては、今年度、これも来月早々にはできると思っているのですけれども、実際に障がい者の方がどういうトラブルに遭われているかという事例集がまとまる予定でございます。ですので、この事例集を使って、また、今まで御協力いただいていた方も含めて障がい者の支援団体の方々などを中心に活用いただけるように、具体的な啓発に移っていこうと考えています。そのための講義の手引きとかを作っていくというのがございます。
若者心理については、調査としてはほぼ終了しておりますので、これは成果物であるチェックシートを用いた啓発活動というのが今後行われていきます。過疎地の調査についても今年度から行っているものなのですが、今年は県内の過疎地域等の居住者の方々に御協力いただいてアンケート調査を行い、その成果を今月もう発表したわけなのですが、この調査を次年度以降も引き続き行っていくということになります。
これが成果と課題ということになるわけなのですが、これをまとめて言うとどういうことになるかというと、プロジェクトによってまちまちでは少々まとまりが悪いということで、かなり大胆にまとめるとこういうことかということで作ったのが、次のページの「成果と課題」という紙でございます。これを見ていただきますと、モデルプロジェクトについては全国展開につながるものであるとか、そういう成果が出ているということが言えます。そのときにキーとなったのが、徳島県に御協力いただいて実証実験を円滑にできたことであるとか、そういった協力のもとに効果測定を行ったり、全国展開に資するような事例を集めることができたというのが成果としてあります。
基礎研究についても、例えば障がい者の例を先ほど申し上げましたけれども、今まで十分に行っていなかったことを新たに行いましたので、特に専門家の方々にも新しい切り口というか、新しい成果がまとまったのではないかと評価いただけるようなものがまとまったかと思っております。これについても地域の方々を中心にデータの収集であるとか色々御協力いただいたというのが円滑に進んできたポイントということもありますし、加えて言いますと、大学の先生等、外部の協力者の方々が研究の分析をされるだけでなく、分析の手法であるとか我々職員に研修を開いていただいたりしましたので、そういう意味で我々職員の能力向上にも貢献したということがあろうかと思います。
国民生活センターについては後ほど御説明があるかと思うのですけれども、そのときに補足していただければと思いますが、研修については徳島独自の講座が行えたこと、商品テストについては、県内モニターの協力のもと、そういうサンプルと言いますか、円滑にまとめたというのが成果としてございます。
地方創生について申し上げると、後ろに参考資料として大まかな試算をさせていただいておりますけれども、我々の滞在費であるとか、我々が発注した事業費であるとか、そういった直接的なものに限定してあらあらの試算をしたものでございます。波及効果等も考えたのですけれども、例えば今でも我々のオフィスに毎月のように視察に訪れていただいたりするので、そこの波及効果はあるのです。ただ、これが4年目、5年目とずっと続いていくのかというのは定かではない。そういう不確かな点もあるので、確実な点のところを中心にまとめたというものでございますが、これを見ていただいても一定の成果はあると言えるかと思っております。
課題として申し上げるとすると、先ほど、個々のプロジェクトについても申し上げましたけれども、更に内容を深めるものが存在しているということ。国民生活センターのプロジェクトについて言えば、研修によっては十分な参加者が集まらないであるとか、商品テストについては多くの作業を県外で行っているといった課題があること。あと2つについては、前回お話ししたことの繰り返しになるわけですけれども、テレビ会議で行うにしても、接続先が限られたりとか、真意を伝えにくいといった課題があるので、全てが行えるわけではないということ。交通アクセスについては、引き続き制約になっていますというのが課題としてあろうかと思います。それが1点でございます。
残りの時間でもう一つの資料、資料1-2について御説明をと思っております。
これは、前回宿題としていただいた中に、キーパーソンになった人は誰なのかということと、どういうプロセスで働きかけていったのかということを宿題としていただいておりました。基本的に、先ほど申し上げたとおり県の方、我々のカウンターパートである消費者行政部局の方に協力いただいて、一緒になって関係者に働きかけていったということなので、構造としては同じなのですけれども、3例ほど作らせていただいたということでございます。
まず、若年者の消費者教育については、特に公立高校について行っていただくときに核となるのは教育委員会ということになりますので、教育委員会への働きかけを我々と県の消費者行政部局とで協力して行っていった。そこから教育委員会も含めて、国と県が共同で各高校に授業実施の依頼をしていくという形の流れで進んでいったということでございます。私立高校や国立高校もありますけれども、同じように国と県が共同して働きかけをしているということでございます。
次のページ、見守りのネットワークに関するものでございますけれども、これも県の消費者行政部局の方に協力をいただいて、まずお願いしたことは、個々の市町村の方々が構成員の方に個別に説明するのも必要なのですけれども、その上位団体である県の業界団体であるとか県の関係部局の方々を含んだ県の協議会をまず作ってみたらどうだろうということでお願いをしたということでございます。
構成団体の輪の中に県の消費者行政部局は入っていないように見えますけれども、事務局は消費者行政部局なので、当然この輪の中に入っております。その構成員は赤枠の部分になるわけでございますけれども、そういった方々がそれぞれの傘下団体であるとか、そういったところに情報提供であるとか働きかけを行うとともに、県内の市町村の消費者行政部局が、例えば県内でどういったところに声を掛けたらよいかという情報提供を求められることがあるわけなのですが、そういったときにも県の協議会のメンバーを活用して紹介する。そういったことを支援として行ってきたということです。加えて、これも我々と県の消費者行政部局が共同して各市町村を回らせていただいて、働きかけを行ったり、必要な説明とかそういう支援もさせていただいたというのがこれまでの流れになります。
次の例、公益通報について申し上げると、これも公共団体、市町村の窓口と事業者についてそれぞれ違うわけでございますけれども、まず、自治体の窓口に関して言うと、これも我々と県の消費者行政部局とが連携をして、各自治体に働きかけをしていったわけでございます。特に県からも、市町村の幹部と書いてございますが、具体的には副市長とか副首長の方にお願いしたと聞いていますが、そういうトップのレベルでも直接お願いをしていただいています。
丁寧な支援をしたということでございますけれども、例えば近隣自治体の取組例であるとか、あとは県の作られている内部規定を市町村向けに作り変えたひな型を用意していただいて、これをやってほしいのだという形で働きかけていった。そういうことで市町村の窓口については早くできたということがございます。
一方、事業者については、やはり商工部局が核となるわけなので、一緒になって商工部局に働きかけをして、商工部局も含めた3者で連携をして、現在、事業者団体であるとかそういったところへの働きかけをしているということです。
これが全体のフローということなのですが、もう一つ、プロジェクトによって進んでいるものと遅れているものがある要因についても前回少し議論になっていたわけなのですが、このフロー図を見ていただくと分かるように、行政部局内部の働きかけによって進むような、例えば公立高校の消費者教育であるとか、あるいは市町村の公益通報の窓口というのは比較的早く進むわけなのですが、見守りネットワークのように行政の外の方々を多数巻き込むようなものは当然調整に時間がかかるということで、そういう事業の性格によって進捗が早いものがあったり、そうでないものがあったりしているのではないかと思っております。
私からの説明は以上でございます。
○樋口座長 ありがとうございます。
次に、国民生活センターより御説明をお願いいたします。
○国民生活センター丸山理事 丸山です。
私のほうからは、研修の部分についてお話をさせていただきます。よろしいでしょうか。
○樋口座長 お願いいたします。
○国民生活センター丸山理事 資料2-1の「プロジェクトの成果と課題」という形で書かれているものを御覧ください。上のほうに研修事業が書かれております。
真ん中が成果ですけれども、関西、中国・四国地域の受講対象者に対する参加機会の拡充ということが当たるかと思っております。それから、徳島県で熱心な取組が見られる消費者教育、それから地域の見守り、倫理的消費にちなんだ研修の実施を行ったということですとか、あるいは地元の大学におけるフィールドワークを取り入れた「徳島オリジナル研修」の実施をさせていただいたということで成果を考えております。
右側、課題でございますけれども、「徳島オリジナル研修」を含めまして、徳島で実施させていただきました研修1回当たりの受講者数、それから、相模原ですとか徳島以外の地方で実施しております研修1回当たりの受講者数を比べますと、やはり徳島実施の研修は受講者数がかなり少ない結果となっております。このため、引き続き研修内容の充実を図るとともに、徳島県等の御協力を得ながら交通アクセスの確保、具体的には無料送迎タクシーの継続的配車等、それから研修の募集時期・方法についての工夫が課題になると考えております。
なお、徳島での研修事業の実施に当たりましては、我々職員を常駐させて運営を行っております。相模原事務所、それから地方で行う研修事業、マンパワーの面も含めて影響が大きいということを課題として考えてございます。
そこで、せっかくの機会でございますので、私ども、参加していただいた受講者の方や自治体へのアンケートを行っておりますので、そちらのほうを御紹介させていただければと思います。具体的には資料2-2、こちらは相模原も含んだ3カ所の参加者、受講者の方へのアンケートでございます。
まず、真ん中辺りの(1)徳島県で実施する研修への期待と具体的なテーマ・内容ということでございますけれども、こちらについては下に説明文を書いてございますが、徳島県で実施する研修に「期待する」「やや期待する」は2割に満たなかった。「あまり期待しない」「期待しない」が約5割ということでございます。
それから、期待する具体的なテーマ・内容では、徳島らしさを生かした研修等への期待がある一方で、相模原と同じ内容での研修を希望するという声もございます。
それから(2)希望する研修会場ということでございます。下のほうに書いてございますけれども、研修会場としては、全体の6割が相模原を希望しています。徳島県内の会場は約1割、相模原・徳島以外は約3割ということでございました。
続きまして、次の横向きの資料で「徳島県にて実施の研修に関する自治体アンケートのまとめ」ということで用意してございます。こちらは都道府県、市町村を含む自治体のほうへのアンケートということで行ったものです。具体的には、28年度の徳島での試行についてのデータと、それから29年度についてのデータということになってございます。
まず、2ページ、徳島における研修への派遣ということですけれども、9割が「派遣しなかった」、28、29年度についてもそのような程度になってございます。
それから、4ページについては派遣しなかった理由ということで上に書いてございます。こちらについては「移動の負担が重い」ですとか、「費用の負担が重い」ということで順に回答が多うございます。
下のほうの黄色の網かけ部分については、今回のメーンのターゲットとなっている15府県の回答を抽出して整理したものでございます。こちらの自治体のほうの関係での回答は、「移動の負担が重い」、それから「費用の負担が重い」という回答が多いことですが、上と比べますと、その比率は低くなっているというグラフでございます。
5ページ目を御覧いただけますでしょうか。これは研修の内容について聞いたものでございます。こちらについて「評価する」「評価しない」「判断しかねる」ということで、それぞれ27%、3%、70%という形です。下のほうの黄色の部分で15府県の抽出では、「評価する」ということで上と比較しますと、その割合が高くなるということで、「判断しかねる」が低くなっているというグラフでございます。
6ページ目を御覧いただけますでしょうか。研修の重点ということでございます。これについては左側でございますけれども、相模原と同じ内容、それから徳島独自、ということが同じ割合ですが、右の黄色のほうの15府県では、相模原と同じ内容、ということの割合が高くなっているということでございます。
7ページでございますけれども、仮に今後、国民生活センターが教育研修事業の拠点を徳島県に移転した場合ということでお尋ねをしたところ、上のほうでございますけれども、相模原のほうに比べて、費用ですとか体力といったものの負担について、「重くなる」「やや重くなる」と回答いただいた自治体が7割を超えているということになってございます。
下のほうの15府県では、その割合が低くなるということで、他方、「やや軽くなる」「軽くなる」が高くなってございます。
8ページ目でございます。こちらは徳島の特色を生かした研修講座への期待ということですけれども、上のほう「どちらともいえない」が5割程度で最も割合が高いということです。下のほうの15府県では、「期待する」「やや期待する」が上に比べるとやや高くなっているということですが、「どちらともいえない」が半分程度ということでは、同じような感じかなというところでございます。
9ページ、研修回数ですけれども、こちらについては「参加できない」の割合が4割程度ということで最も高く、「増加する」の割合が数%という形でございます。
他方、15府県のほうですけれども、この場合には上のほうよりも「増加する」「変わらない」の割合が高くなっているということで、「減少する」は低くなっているということでございます。
10ページ目は自由回答の記述で、移転した場合のメリット・デメリットということでの自由意見なのですけれども、一部地域においては交通費が安くなるということでメリットを指摘される意見もございました。ただ、他方、総じてデメリットに関する意見が目立ったという感じがございます。
これがアンケートの結果ということでございます。
それから、受講者数ということでデータを御用意してございます。具体的には資料2-3を御覧いただければと思います。これは表面が平成29年度、30年度についての相模原、徳島での各都道府県からの参加者数のグラフで、都道府県別で1講座当たりの受講者数をまとめてございます。裏面が27年度、28年度ということでございます。
まず、29、30年度ということで相模原を見ていただきますと、全国から満遍なく受講者があるということで、1講座当たりの受講者数は60人程度ということでございます。
他方、徳島県内では、関西、四国・中国圏の方からの受講が集約されている。徳島県が一番多いということで、1講座当たりの受講者数は、29年度については36人、30年度については27人ということです。
参考なのですけれども、裏面のほうの28年度、相模原と徳島ということで見ていただきますと、こちらは29、30年度と同じ傾向になってございます。一部、委員のほうから、徳島のほうの研修が始まると、15府県からの参加者がそちらにシフトするのではないかということで御指摘がございましたけれども、そのような傾向は余り見られないということでございます。
次のページ、定員充足率という形で書かれている資料を御用意してございます。まず上の段、相模原の定員充足率を見ていただきますと、裏面に27年度からの推移が出てございますが、27年度から相模原の施設の活用を再開したわけですけれども、そのときは70%台前半ということですが、直近の30年度には9割となってございます。他方、徳島のほうの定員充足率は、28年度のスタートのときには40%、直近では50%程度ということでございます。それから、地方のほうでは27年度以降、80%台をキープということでございます。
最後、受講者数の関係のところでは、資料2-4、前のほうについては個別のコースについての実績を記してございますが、御覧になっていただきたいのは最後のページのところで集約した形の資料です。まず、左のほうの棒グラフの推移でございますけれども、関西、中国・四国のほう、徳島を除く14県からの受講者数ということで、28年度から3年間実施をしていますけれども、こちらはほぼ横ばいということになってございます。それから、徳島県内の受講者数は、特殊要因が下のほうに書いてございますけれども、29年度が270人という形で増加してございますが、平成30年度には半減に近い140名程度となってございます。
右のほう、1講座当たりの平均受講者数でございますが、特にこちらの研修事業、相談員向けの研修に特化して、スポットを当てて人数を見ていただきますと、相模原については大体60名を超える水準を維持しているということですが、徳島のほうについては、29年度は2コースあったということもあってかなり増えましたけれども、30年度は相模原と比較すると半分程度になっているということでございます。
以上が研修実績についての説明です。
○国民生活センター宗林理事 続きまして、商品テストについて御説明したいと思います。
まず、資料2-1に戻っていただきまして、これが成果と課題でございます。それから、資料2-5がテストの参考資料でございますので、これを横に置いて見ていただければと思います。
まず、資料2-1でございますが、国民生活センターの商品テスト。最初の年は、徳島県は南海トラフ地域ということや、熊本地震で給湯機の「貯湯タンク」が非常に倒れたということもございまして、徳島県を実証フィールドとした「地震による転倒の防止策-電気給湯設備の貯湯タンクと家具・家電について-」というテーマで実施をいたしました。
成果としては3つ挙げてございます。まず1点目でございますが、徳島県や徳島県消費者協会等の協力のもと、実証フィールドの調査を100世帯の方に協力いただきまして、実施することができました。
2点目でございます。設置状況を100世帯で観察しまして、設置の仕方、その実態が分かりましたので、その実態を踏まえて条件を設定して、例えば何もボルトは置いていないとか、ボルトが細かったとか、ボルトがどのぐらい奥まで入っていたとかいろいろな状況があるわけですけれども、それで条件設定しまして、地震の震度を上げていったときに転倒が起きるのか、あるいはここまでなら大丈夫、というようなことをテストいたしました。これは県外で実施しております。その結果を全国の消費者へ転倒防止策というタイトルで記者発表して、ホームページを通じて情報提供しております。ですから、一応、全国の方にお伝えできるような形で周知をしたということでございます。
3点目でございます。国土交通省の告示というのがその設置についてはございまして、平成25年に改定されましたけれども、実は100世帯のうち63世帯でこの告示には適合しないものがございました。ただ、平成25年前に設置のものがございますので、既存不適格のものを除きますと、9世帯がそれに該当しました。国民生活センターのほうから国土交通省に要望をいたしまして、特定行政庁より告示に沿うように一部改善指導が実施されたということで、改善が図れたということが成果だと思ってございます。
そして、右の課題のほうに目を移していただきまして、ここでも3点挙げております。まず1点目でございますが、地震による転倒防止策におきましては、徳島オフィスでは実証フィールド調査がほとんど中心でございまして、テスト等は徳島県外で実施したために、徳島オフィス外で行う業務がかなり多く発生したということでございます。
2点目でございます。実証フィールドの必要な商品テストのテーマ自体が限られているということ。それから、徳島県のみを実証フィールドとして活用するということでございますが、後で御説明しますけれども、住宅の密集度とかそういったものが徳島県としての特徴でございます。全国展開できるテーマを継続的に選定することも難しいですし、徳島県のみでフィールド調査を実施することについては、代表性の観点から限界があるのではないかということが課題の2点目でございます。
3点目でございます。相模原における商品テスト業務は後で御紹介しますけれども、いろいろなテスト、いろいろな業務をやっておりまして、複数の人間が複数のものを並行的に受け持って実施しておりますので、それから比較しますと、徳島のオフィスの職員は、常駐しますとなかなか並行的にいろいろな業務はできないということで、効率的ではないということを3点目として挙げてございます。
それでは、資料2-5のほうに目を移してください。
まず1ページ目ですけれども、地図がございますが、貯湯タンクがあり、協力していただいたところの100世帯が赤いドットになってございます。もちろん、徳島市内がかなり集中しておりますので、密集していて効率的にテストできたところもあるのですが、やはり東部のところ、それから住宅が余りないところも結構ございまして、このようなところでもテストをいたしました。徳島オフィスの人間だけなく相模原のほうからの助っ人がかなり行って、出張した形でこの実証フィールドは実施しております。全体で日程調整を含めまして3カ月ぐらいこれにかかっているというのが1点目でございます。
2点目、1枚おめくりただきまして、この全体像でございますが、1、2、3、4、5、6と並べてございますが、この2番目が実証フィールドの調査ということで、徳島オフィスで行いました。これが先ほどお話しした結果につながっているということでございます。
それから、アンケート調査ですとか、例えば振動台による転倒試験のプレテストとかいうことがありますけれども、プレテストに関しましては、やはりどの地震波を使うかによって転倒の仕方が違うのではないかということで、益城、阪神大震災、東日本大震災というようなことの地震波のテストをプレテストといたしまして、それで条件設定をしたということでありますが、これも県外でございます。
肝心な4番の振動試験でございますが、条件設定はフィールド調査の結果から持ってきていますので、役に立ってございますが、これは高額であること、全国からの入札であるというようなこともありまして、実際のテストは県外で実施をすることになりました。
6番目、貯湯タンクの設備不備による改善指導ということで、先ほど告示に合わなかったものは指導をされたということでお話をさせていただきましたけれども、100世帯中63世帯が不適合と言いますか、合わないものがあったわけですが、告示の前のものは既存不適格という扱いでございまして、それ以降に設置されたものについて9世帯が対象となりました。ただ、告示の場合には、最後のパラグラフを見ていただきたいのですが、「人が危害を受けるおそれがない場合は除き」というただし書きがついてございまして、徳島県の場合は隣家が非常に離れていたり、人口が密集していないということで、このただし書きで除外されるものが結構ございまして、実際に指導されたものは3世帯ということになりました。
そういうことから考えますと、首都圏であるとか密集地帯でやった場合には、また違う結果になるのではないかということから、全国の代表性というには問題があるというお話を先ほどさせていただきました。
最後のページでございます。これは商品テスト部のテスト実績でございますが、実はこれだけのテストをテストアラビア数字1として全国の消費生活センターからテストの依頼を受けておりまして、そこから商品群として問題のあるものを記者発表するテストアラビア数字2。それから、危害情報だけを取りまとめるというようなことで、いろいろな専門的技術相談に乗っているということで、このようなテストを1人の人間が並行的に複数持って実際に動いているというのが相模原の現状でございます。
徳島のほうではそういうことはできませんので、そういう意味では、効率的にいろいろなテストを並行的にできないということが、先ほどコメントしたバックデータでございます。
私からは以上でございます。
○樋口座長 ありがとうございました。
次に、徳島県より御説明をお願いいたします。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 失礼いたします。徳島県消費者くらし生活課長の勝間でございます。私からは、消費者行政新未来創造オフィスと連携いたしました徳島県での取組がどのように我が国の消費者行政に貢献したのかということにつきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
資料3を御覧いただければと思います。まず表紙ですけれども、左側に消費者庁の「イヤヤン」、右側に本県のキャラクターであります「すだちくん」を配置させていただいております。この2つが互いにカウンターパートとなって、うまく機能し、大きな成果を生み出しているのだというふうに我々としては考えております。
裏面を御覧いただければと思います。本日は、お時間に限りもありますので、この1枚で簡潔に説明をさせていただきたいと思います。
大きな流れといたしましては、左側に整理しております。まず、消費者行政につきまして、しっかりと徳島で実践を行うのだと。それを踏まえまして、面的な広がりを持たせ、そのために横展開を行うのだと。具体的には、やはり府県間の広域連携をしっかりと行っていく。これらの成果を踏まえまして、国におかれまして制度化、施策化をしていただいて、全国展開を図っていく。そういう大きな3つの流れがあるのかなという形で整理をさせていただいております。
まず中ほどに徳島県と書かせていただいております。一昨年の7月に設置されました消費者庁のほうの消費者行政新未来創造オフィスと十分に連携をいたしながら、徳島県だからこそ提供できる環境というものがあろうかと思います。それを十分に活用していただきまして、各種の新未来創造プロジェクトを実証フィールドとして本県を提供させていただいたところでございます。
下段の緑色の部分には、若年者の消費者教育を初め8つのプロジェクトの写真を掲載しておりますけれども、先ほど消費者庁のほうからも御説明があったところでございますが、プロジェクトの総数は実際には10を大きく上回っているという状況でございます。個々のプロジェクトの内容につきましては、県内に広く浸透した成果が次々と生まれているところでございます。
簡潔に申し上げていきますと、若年者の消費者教育については、全ての高校で「社会への扉」を活用した授業も実施しております。今年度には中学生向けの教材を各種団体と連携して作成いたしました。
見守りネットワークにつきましては、県がネットワークを設置したわけですけれども、先ほど説明もございましたが、今週水曜日27日に県内24市町村全てにおきまして、ネットワークの設置というものが完了したところでございます。
さらに、消費者志向経営につきましては、消費者志向自主宣言を行っている企業、全国で見ますと2月末現在で100社ですけれども、このうち徳島県では28社を数えるという形になっております。なお、2月15日、徳島県に設置しております消費者志向経営推進組織がACAPの消費者志向活動表彰を受賞させていただいているところでございます。
さらに、エシカル消費、これも徳島県、消費者庁様と連携をしながら一生懸命進めております。関係者のネットワークを進めるため、昨年は全国にお声がけをしたエシカル自治体サミットも実施をいたしました。それから、各種の高校生によりますエシカルフェス、こういったものも開催をし、いわゆる全国を巻き込んだ取組というものを進めているところでございます。なお、来年度におきましては、消費者庁様とも連携をさせていただきまして、全国の高校生が集うエシカル甲子園といった名称で開催し、更なる普及展開を図ってまいりたいと思っているところでございます。
また、公益通報の整備につきましては、全ての市町村で、県も含めましてですけれども、窓口の整備は完了しているところでございます。ただ、実際に対応するためのノウハウをしっかりと蓄積するために、eラーニングのシステム、更には市町村の担当者を集めた実践的な研修、そういったものも開始をしているところでございます。また、企業、団体での窓口の整備というものも鋭意進めているところでございます。
食品ロスでございます。昨年度調査研究を行っておりますので、それに基づいた啓発とともに、今年10月、国とともに、食品ロス削減の全国大会というものも開催をする予定にしているところでございます。
それから、子どもの事故防止につきましては、これはヒヤリハットマンと我々は名称をつけていますけれども、啓発用の絵本を作成いたしまして、その結果を踏まえた県内自治体への啓発もしっかりと取り組んでいるところでございます。
それから、リスクコミュニケーションにつきましては、本県の消費者大学校大学院におきまして、リスクコミュニケーター、リスクコミュニケーションの担い手ということですけれども、その養成講座を開講いたしました。その卒業生には、県だけではなく、実は消費者庁とも連名によって修了証を交付し、それぞれの持ち場でのリスクコミュニケーションの展開をしっかりと図っていただくような体制も整えているところでございます。
また、写真には掲載しておりませんけれども、先ほど国民生活センターからもお話がございました。教育研修事業につきましては、研修参加者の利便性向上を図るために、県、それから地元の鳴門市とも連携によりまして、空港、JR等々の主要交通拠点、宿泊先から会場への無料送迎車を運行するなど、参加者の利便性向上をしっかりと図っておりますし、研修内容についても提案をさせていただいております。その中には、定員をオーバーし、実質的にお断りをしているような人気講座も登場しております。
各自治体で話を聞いてみますと、例えば相談員とか行政担当職員、研修をしっかり受けて消費者行政に取組を図りたい。その際に、やはり近くにあるというのは魅力的だというようなことも言っていただいておるところでございます。地方の受講者のニーズに対応できるような形で展開すれば、更に徳島での研修も充実していくのではないかと考えているところでございます。受講された方、徳島に来てそれが分かったと言っていただける、嬉しい声も聞かせていただいているところでございます。
また、商品テストにつきまして、昨年度の貯湯タンクの転倒防止とか、健康食品の調査につきましては、県内の消費者団体、消費者協会を初めとしまして、多くの県民の方々のモニターでの協力というものもさせていただいているところでございます。確かに徳島での地域の特性というものはございますけれども、テーマに即した形で我々としては御協力できる部分もかなり大きいのではないかと思っているところでございます。
また、今日は機材の都合で御紹介ができませんでしたけれども、これらの取組については分かりやすい動画にしております。Youtubeというのがありまして、その中に「徳島県チャンネル」というものを設けております。その中で今のような取組について、全てではないのですけれども、抜粋したものを公開しております。機会がありましたら御覧いただければなと思っているところでございます。
このように様々な成果が出ているわけなのですけれども、これらは徳島ならではの実証フィールドの成果として、消費者庁のほうに、あるいは国民生活センターのほうに提供をさせていただいているということでございます。
単に成果が出たということではなくて、そのプロジェクトを開始するときから実際に消費者の方、市民の方、市町村の方、関係団体の方、それを具体的にどのように巻き込んでいったのか。それをプロジェクトの実施にどのようにつなげていったのかという現場を実際に我々は見ていただいております。それはある面、我々にすればいい部分もありますけれども、もっと、こういう部分もあるのですという、そうでない部分も実際に現場で見ていただき、体験をしていただいたところでございます。そういう意味では、実際の現場で実際にプロジェクトを推進するために必要となる、ある意味で全ての情報を隠すことなく提供させていただいたところでございます。そういう意味で、消費者との距離が近い場所で、消費者目線や現場主義に基づいた足腰の強い政策創造につなげていただければという思いを持っているところでございます。
もちろん、今のは実証フィールドというところで徳島県の中の話なのですけれども、それを県内にしっかりと浸透させることは当然なのですが、それを更に面的に広げていくということで、徳島県としてできることということで、これは消費者庁様とも協力をしながら、徳島県が持っている地方のネットワークもしっかりと活用し、四国、中国、関西へ足を延ばしているところでございます。四国では、四国知事会のもと4県で順次にフォーラムを開催しております。中国地方では、中国・四国サミットで消費者行政、消費者教育の推進宣言を行っておりまして、本県との共同事業みたいなものも実施しております。関西では、我々は関西広域連合の一員でございますので、フォーラムの開催プロジェクトに関する研修、そういったものもどんどん進めております。また、全国でも、東京での、徳島での取組を紹介するフォーラムも開催いたしましたし、全国知事会で我々の今までの取組からの発信という意味で、若年者の消費者教育をやはり地方の側も推進していくべきではないかという緊急提言を本県から提案させていただき、採択をしていただいているところでございます。
ただ、やはりこれらの広域展開を全国展開へとつなげるためには、地方の持っているネットワークを活用するだけではなくて、国におかれまして、制度化、施策化を図っていただければと思っているところでございます。その際には、先ほど申し上げましたとおり、徳島を実証フィールドとした取組について、全ての情報を消費者行政新未来創造オフィスに提供させていただいております。その成果が、例えば昨日公表されております見守りネットワークの事例集とかそういった形で公開もされておりますので、それらを踏まえまして、例えば若年者の消費者教育がそうであったように、関係省庁とも連携をしていただく中で全国展開を図っていただければなと思っているところでございます。
最後に、資料の右上のほうに、今年9月5日、6日にG20の消費者政策国際会合というものがここ徳島で開催をされることが決まっているところでございます。この国際会合につきましては、消費者庁と徳島県の共催ということで開催されますので、本県としても今、本当に一生懸命準備を進めているところでございます。これは徳島の実証フィールドで生まれた成果が広域展開から全国展開につながり、更に世界へ通じる道が開かれたと思っており、非常に感謝をしているところでございます。
今後とも、徳島だから提供できる環境を実証フィールドと提供いたしますとともに、それを活用していただき、消費者庁や国民生活センターとともに消費者に即した、現場に即した制度設計等々を行って、都道府県をまたがる広域展開を図り、全国展開、更に世界へと広がる取組を進めていきたいとの思いを非常に強くしているところでございます。
以上、簡単ではございますけれども、徳島県からの説明を終わります。どうかよろしくお願いいたします。
○樋口座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの消費者庁、国民生活センター、徳島県の御説明に御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。
大森委員、お願いします。
○大森委員 御説明ありがとうございました。
消費者志向経営宣言している会社は全国100社のうち28社が徳島にあるというのはすばらしい成果だと感心しております。やはりこの成果を生かして、消費者と企業が結びついた取組というのが非常に期待されるところだと思うのですけれども、例えば食品ロスに関しても、家庭での調査というのは既に全国的にもいろいろ実施されておりまして、消費者が、加工食品であれば賞味期限が切れたからといってすぐ健康に問題がないということを重々承知してくれば、今、問題となっている商慣習で3分の1ルールがあって、まだ十分食べられるものが捨てられるという事態があるのです。その辺を企業と結びついた商慣習のルールの改定に踏み込むとか、例えば子どもの事故防止に関しても、消費者の意向を酌んで、企業と結びついて安全な製品の開発とか、もう一歩、それぞれのプロジェクトが単独で進んでいるのではなく、コラボし合って推進できるようなところが課題として入っているとうれしいのですけれども、そういうのが見られなかったので、私個人としてはちょっと残念に思うのですが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 では、徳島県から説明をさせていただきます。
企業との結びつきという中で、我々としては、消費者志向経営というのが入り口としては非常に有効だったのかなと思っておるところでございます。企業にいろいろお願いする中で、消費者志向経営、例えば自主宣言だけでお願いに行くというのではなくて、今おっしゃったエシカル消費の話でありますとか公益通報の話、それから食品ロスでありますとか、あるいはリスクコミュニケーション、そういった話も一緒に持っていくわけなのですね。その中で企業と話をする中で、やはり基本になるのはどれかというと、消費者の目線に立った経営をするということで、まずは消費者志向自主宣言をしていただく。ここで我々としては消費者の側を向いた経営をしますよと。その中で、では、エシカル消費についても行っていただけませんかという話になると、エシカル消費の自主宣言をやりましょうというような話で言っていただいております。また、公益通報についても、窓口の整備をどうにか頑張ってみようかというような企業も出てきております。
おっしゃるように、例えば食品ロスの話も、これは結構県民の間でも、こんなに物を捨てていいのかなという声も上がってきています。これはエシカル消費につながる部分もあるのですけれども、そういったものを削減するような取組を行っていただけるスーパーとか経営者も出てきております。そのような形で、まず消費者志向経営を入り口として、それぞれのプロジェクトにもお願いをしていくといういいきっかけになったのかなと我々は思っておりまして、今おっしゃったような形で、それぞれのプロジェクト単体で実施するのではなくて、これを横でつなぎながら広げていくという取組は今も行っているところでございます。
よろしくお願いいたします。
○樋口座長 ありがとうございます。
他にいかがでしょうか。唯根委員、お願いします。
○唯根委員 ありがとうございます。
徳島県さんと国民生活センターにお尋ねしたいのですが、いろいろなプロジェクトの中に消費者団体さんが大分協力をしてくださっていると伺っていますけれども、県内の消費者協会さんは特に徳島県は随分頑張ってくださっているのですけれども、消費者協会以外の小さい地区や地域の消費者団体は、どのぐらいの規模とか幾つぐらいの団体さんが有って、協力されているか、もし分かれば是非教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 それではまず、徳島県のほうから、消費者協会のことなのですけれども、県の消費者協会というのがあるのですが、実はそれは県内の全ての市町村に地区の消費者協会というのが全部あるのです。今、数は明確ではないのですけれども、24市町村あるので、それら全てに1つずつ消費者協会というのがございます。いろいろな施策を展開する中で、そういった地区の消費者協会の皆様にもお声がけをさせていただいているところでございます。例えば、地区の消費者協会が自分たちでイベントを開く、地区の消費者が集まった会議を開くというときに、我々が行って啓発をさせていただくとか、あるいはこういったプロジェクトの説明をさせていただいて、協力をお願いするような機会は何度も持たせていだいているところでございまして、いろいろな協力もさせていただいている。
それ以外にも、それぞれ地区の地域づくりとかまちづくりの団体がありますので、そういったリーダーの方々にも御協力をいただいているところでございます。特にそれは見守りネットワークの観点でいきますと、例えばシルバーの応援している方、あるいは民生委員さんとかケアマネさん、要するに地域の中でのキーマンになられているような方が所属されている団体が幾つかあります。もっといえば、社会福祉協議会とかもありますので、そういったところとも連携をさせていただきながら、例えば見守りネットワークみたいなもの、地区での消費者の啓発みたいなものを進めていくということもやらせていただいているところであります。
○唯根委員 民生委員さんとか社会福祉協議会さんとかは別の団体なので、消費者団体さんが特に協力とか、非常に助かったとか、そのようなプロジェクトとか目立つようなものはあったでしょうか。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 その中であったのが、例えば、見守りネットワークはいわゆる一般的な消費者啓発ですね。一生懸命地区を回っていただいたという部分もあります。それから、エシカル消費ですね。やはりエシカル消費の取組というのは、正直言いますと最初のころ、エシカル消費って何だろうというような部分がありまして、それを一生懸命、例えば勉強会か何かを開いた部分を、それぞれの地区でまた勉強会をやっていただいて、これを広げていただくような活動もやっていただいたところもあります。
それから、食品ロスの話もテーマとして取り上げて、それを実際に削減につなげていくにはどうしたらいいのだろうということを、例えばそれぞれの地区で考えた検討会みたいなものも消費者団体としてやっていただいたような活動も行っていただいておりますので、これは非常にありがたかったなと思っております。
○唯根委員 それは全国展開に向けて役立つというか、ポイントになりますでしょうか。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 私どもとすれば、まず、地域でこのような活動が、例えば行政と消費者団体とがこういう関係性を持って、見守りネットワークの広がりとか、エシカル消費の広がりということを今、成果として広げていきつつあるということをお示しすることができるのだと思うのです。他の県さんで言いますと、非常に熱心な団体さん、あるいは非常に熱心な自治体があるのですけれども、これがうまくつながっていく部分も必要なのかなと。そういった部分について我々とすればうまく行政と、例えば県と市町村と団体がうまく結びついて展開していく姿をお見せできるのではないかと思っていると頃であります。
○唯根委員 ありがとうございます。
○樋口座長 野々山委員、お願いします。
○野々山委員 消費者庁と国民生活センターにお伺いしたいのですが、私どもは平成28年9月1日のまち・ひと・しごと創生本部決定の中で、消費者行政の進化の観点からこのプロジェクトに対して評価をするという作業をしているわけです。「等」もついているのですけれども、その消費者行政の進化というのは何かといいますと、徳島県の消費者行政、それから各地方自治体の消費者行政、そして最終的には国の消費者行政、これらの消費者行政の進化にこのプロジェクトがどう関わっていったかということを判断していくことになるかと思います。成果というのはそういう観点で見るべきものだと私は思っております。
その中で、今日、消費者庁から御報告があったものの中に、成果と課題があります。これについて、徳島県で成果が上がったことが挙げられており、この点は私は非常に大きな成果が上がっていると思っております。ただ、他の地方自治体、それから全国展開については、まだ十分ではないというか、若年者の消費者教育については一定の成果が上がっているなということは見受けられますが、他のプロジェクトはまだ全国展開が十分ではないと考えています。それはこの課題の中に一言も触れていないですね。それがなぜなのかということが私の質問の第1点です。
それから、平成28年9月1日のまち・ひと・しごと創生本部決定のこの取組については決定から3年をめどに検証・見直しをするということでありますから、もう3年を迎えるわけであります。そういう中で、全国展開という成果、それから他の地方自治体に対する成果も、目に見える形で私どものほうに成果としては十分映っていない。国の消費者行政の深化に関わる成果についても十分映っていない。先ほどの若年者の消費者教育を除いてそういうことになっているわけですが、それはなぜそうなったのか、どう考えているのかということについて、消費者庁としてどうお考えなのかをお聞きしたいというのがもう1点です。
もう一つ、国民生活センターにつきましては、これも成果と課題と書いてありますが、消費者行政の進化という観点からすると、研修事業につきましては、全体として参加人数が総数として減っていると、こういう形で見ることになるのでしょうかというのが質問の1点です。
あと、国民生活センターの商品テストは、実証フィールドとして、モニターとしては非常に優れた活動をしているなと私は思いますが、実際のテストそのものは県外で行わなくてはいけなくなっています。それから、常駐をしていることでの課題があるという指摘なのですが、それが国民生活センター全体の商品テストの全部の成果の中にはどういう影響を及ぼしているのかということについてお伺いしたいと思います。
国民生活センターについても、以上2点です。
○樋口座長 では、まず、消費者庁のほうから。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 消費者庁については私から御説明をしたいと思います。
確かにおっしゃるとおり、全国展開はまだまだだと、真摯に受けとめなければいけない点だと思っておりますが、それについては、まず成果の中で全国展開につながるようなデータというか事例を収集させていただいたと述べさせていただいていますけれども、これまでの成果を基に全国展開を進めやすくなるような、そういう材料が集まったという認識の下に、課題のところでは、これからやる話なので触れていなかったということでございます。
今、若年者の消費者教育のことだけではないかと言われたのですが、実は他の分野でも幾つか我々が集めた事例が他県で役立っているケースというのがありまして、見守りネットワークとかも事例集、定期的にアップデートをしておりますけれども、他県で役に立ったと聞くこともございます。これは研究系のプロジェクトで申し上げても、例えば若者の調査でありますけれども、チェックシートを使った啓発を、例えば政府広報のチャンネルを使ったりして今やっておりますので、そういう形でできているものはあるわけでございます。ですので、確かにこれからまだやらなければいけない課題だというのはおっしゃるとおりなのですけれども、全国レベルでの消費者行政の進化につながるような成果というのが今までの約2年間の取組の中で出てきたというように認識しているということでございます。
○野々山委員 なぜ、まだこれからの課題になってしまっているのかということは、時間の問題ですか。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 時間の問題と思っております。要は、例えば食品ロスとか幾つかのプロジェクトの中では、まず全国展開をする前に徳島でモデル的にやってみて効果を検証しようとしていたものがありました。効果の検証をやり終えたというのが、この2年間の課題になっていたわけでありますけれども、それが終わったところでできた成果物、教材等をもとに全国に展開していくことになるので、若干そういうタイムラグが出てくるということだと思います。
○野々山委員 これからその成果が表れるのだということですね。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 これから行っていくのだと。
○野々山委員 時間の問題ということですね。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 はい。
○野々山委員 テーマ選定とか、あるいは体制とか予算、そういうことは特に影響していないと考えているわけですか。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 個々に十分な検証をしていないかもしれないのですけれども、やはりこれはプロジェクトの性格によるものだと私は思っています。
○樋口座長 国民生活センターのほうはいかがですか。
○国民生活センター丸山理事 国民生活センターの丸山です。
お手元に配付しております資料に、資料2-3という形で受講者数の関係の資料があるかと思います。2ページ目の裏面、具体的には3ページ目ですが、定員充足率の推移のところで開催場所別の受講者数の推移について記載されてございます。確かに29年度、30年度で相模原のところだけを見ていただきますと、受講者数については減少があるのですけれども、これは開催の本数が減少しているということがあって、要するに本数の減という形で参加人数が影響を受けている部分や、それから、交付金の制度が変わったということもありますので、徳島のほうで開催をすることによって何か受講者数の減少がそれに起因するというような因果関係については、特にこちらのほうはないということで考えております。
○国民生活センター宗林理事 続きまして、テスト部について宗林からお話をしたいと思います。
今、野々山委員から、全国に影響しているかということでございますが、これまで国民生活センターの商品テスト部は、実証フィールドの項目を入れたテストを余りしてきませんでした。まち・ひと・しごと創生本部の中で先駆的なテストは実証フィールドを使ってということがございましたので、項目として実証フィールドを入れてテストを試みました。、そういう実証フィールドが必要なテーマがあったときに、また、それを徳島で実施するのが適切だというときに徳島の実証フィールドを活用させていただくのは非常に有効だと思っておりますが、先ほど全国の代表性という意味では限界があるというお話をさせていただきましたので、必ずしも徳島だけでいいのか、あるいは他の自治体でも実証フィールドを加えてと、実証フィールド一つをとってもそのような関係で課題の一つかと考えております。
全国に影響しているかということでは、実証フィールドを使ったテストという意味での記者発表、全国での周知を行っていますので、その単体のものについてはそれなりの、今までやってこなかった結果が出せ、周知ができているのではないかと思ってございます。
以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
東京の皆様にやや聞き取りにくいという状況のようですので、発言の方は、中央にマイクがありますので、マイクに向かって御発言をいただくようによろしくお願いいたします。
それでは、質疑を続けたいと思いますが、他にいかがでしょうか。萩原委員、お願いします。
○萩原委員 萩原です。御説明ありがとうございました。
若年者向け消費者教育の取組というのは、今後更にもっともっと充実させていく必要があると思うのですが、この取組は大変すばらしいと思います。
その上で、今後取り組むべき課題として、一つには、今回、高校生向けということをかなり充実させたと思います。消費者庁でも「社会への扉」を作成したことは、全国展開していく意味で非常に大きかったと思います。文部科学省でも消費者教育を進めているところでありますが、昨年、専門学校を対象とした消費者教育の実態調査を行っておりますので、そこも非常に重要なポイントになってくるだろうと思います。それから、徳島県でも中学生向けの教材作成ということを行っておられますので、中学生向け、あるいは小学生向け、これも非常に重要になってくるかと思います。この辺の展開を今後どうされていくのかということをお聞きしたい点です。
それから、中学生向けの教材を開発するときに、高校生とか大学生がそこのプロセスに関わることをも大事だと思うのです。教材の啓発の対象者だけではなく、教材を作っていく担い手としてプロセスに参画することによって、より一層消費者としてのエンパワメントというか、そこにつながってくるようなことも考えられるので、是非そういう若者も一緒になって作っていく。そこに企業との関わりであるとか、生産者との関わりであるとか、そういった意識を深めていく。それも消費者教育の進化、あるいは消費者行政の進化というところにもつながっていくのではないかと思いますので、是非その点も考えていただければなと思います。
1点、質問に関しては、中学生、小学生向けのところをお伺いしたいと思います。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 では、まずは徳島のほうから、徳島の取組でございますけれども、中学生向けの教材の作成ですが、昨年度、検討委員会を設けまして、検討会のトップには鳴門教育大学の先生にお願いをいたしまして、取りまとめをさせていただいております。消費者庁様のほうにもオブザーバーになっていただいたり、全相協の方にも意見をいただいたりしながら作成したところなのですけれども、非常に大きかったのは、学習指導要領が改正をされて、当面、学習指導要領に準拠した教材も現状においてはないという状況でございますので、まずそれをしっかりと穴埋めしていこうと。
私のほうから委員の皆様にお願いしたのは、現場で使ってもらえる教材をしっかりと作っていこうというようなお話をさせていただきました。検討する中で、やはり実際に使っていただくということで、昨年も秋に案の段階なのですけれども、その教材を使って実際に中学校で授業をしていただいております。それを踏まえた形で最終成案という形で取りまとめができまして、こんな感じの教材なのですけれども、ようやく3月にできたところでございます。
これについては、今度は中学生になりますので、県の教育委員会だけではなくて市町村レベルの協力もいただかなければいけないと思っておりますので、県の教育委員会と連携し、今度は市町村の消費者行政担当部局もそうですけれども、市町村の教育委員会、そういったところに対しても働きかけを行って、実際に授業で使っていただけるような流れをしっかりと作り出していきたいと思っております。
もう一つ、今回作るに当たって高校生の参画というのはないのですけれども、先ほど言いました座長が鳴門教育大学の先生ということで、大学生の方々にも、実際に今度自分が先生になる立場の人たちに見ていただいて、御意見もお伺いしたりするような形での意見の取り込みというのはさせていただいているところでございます。
それと、小学生向けの教材につきましても、実は来年度の予算でしっかりと作っていこうというようなことで予算を確保しているところでございまして、今、実際の小学校の先生方はどういうニーズがあるのかということで正に調査を始めたところでございまして、来年度にはそれを成果として出していきたいなと思っているところであります。
以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。遠山委員、お願いいたします。
○遠山委員 委員の遠山です。よろしくお願いします。
消費者庁のほうにお願いしたいのですけれども、見守りネットワークのことなのですが、こちらの今後取り組むべき課題という資料1-1の中では、今後、協議会が有効に機能しているかの検証、活性化方策の検討、事例収集ということを書いておりまして、今後、具体的に機能していくか。とりあえずは作ったけれども、これから見ていくということになっていますが、全国展開ということになりますと、既存のネットワークがありまして、それが逆に言うと足を引っ張っているのではないかという感じがしております。
今、全国展開がなかなか伸び悩んでいるかなと感じるのですけれども、この辺りの原因は、先ほどおっしゃっていた構成員がそれぞれ外にいるということが原因なのか、他に何か思い当たるものはないかという辺りをお願いします。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 それにつきましては、私から御説明をしたいと思います。
我々の成果物は、実は昨日公表したのですけれども、今年度の上半期に徳島県内で作られた見守りネットワークの事例集を発表させていただいています。この中では、要は既存のネットワークということでおっしゃったわけなのですが、具体的には地域包括支援センターとか、そういう福祉部局が既にネットワークなり何らかの活動をされている自治体の事例がちょうどそのとき集まったわけでございます。その中で消費者行政部局の切り口をそういった人たちにどう入れてもらうかというので苦労された自治体の実際の声を拾っていたわけなのですけれども、そういう既存の活動が特にうまくいっているのであれば、我々が加わることでどういう付加価値やメリットがあるかということも問われるでしょうし、加えてそれが理解されたとしても、今までやっている活動に上乗せで何か追加の負担がかかるということであると、それはそれで重いと言われることもある。
そういった声が実際にあって、それに対してそういう誤解をどう解いていったかという事例を集めましたので、そういったことも今後の全国展開で役立てていければと思っております。
○遠山委員 今、どこの県で、幾つ協議会が立ち上げられているかというマップがあったと思うのです。今日は入っていませんけれども、あれでブランクのところは何もないというふうに、ぱっと見て思うのですが、実はそうではなくて既存のネットワークがたくさんあるのだと思うのです。
今、先を急ぐ余り、どうしても既存のものができたからそうしないといけないというような重圧がそれぞれの県にもありまして、県でコーディネートをしている担当者などは、とにかく今のではいけないと、きちんと法にのっとったものを作らないといけないという先入観で動いているのですけれども、そのために既存のネットワークの状況を十分に把握しないまま、さあ、作ろう、作ろうというふうに呼びかけているケースが多いと思うのです。まずは既にネットワークがあったら、そのキーマンは誰か、どこにあるか、どこの部局かということから始めて、それを把握してからそこに働きかけるなり、あるいは県のどこを動かしたら一緒に回ってもらえるかというようなことをもっと調査してから動かさないと、逆に抵抗勢力になってしまうようなことにもなりかねないと思うのです。
今、既存のネットワークをもっと尊重して、それでいて、それを法的に十分なものにするにはどうしたらよいかということを複数の者で考えないといけないと感じています。にもかかわらず、一方的に「法制化されたものでないと駄目」というニュアンスで言われると、なかなか地域で広げていくのは難しいかなと、実際の相談窓口にいて思うので、その辺りの配慮をもう少し今後深めていただければ、もっと広がっていくのではないかと思います。
以上です。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 ありがとうございます。
正におっしゃるとおりでありまして、やはり既存のネットワークがあるのにそれを全然生かさないというようなやり方をしようと思っているわけではなくて、実際に今回の事例の中でも、既存のネットワークをそのまま生かして、それを消費者安全法上の協議会だと位置付けたケースであるとか、事務局を消費者行政部局ではなくて福祉部局が担うことになったケースであるとか、そういうのが幾つかあるわけです。そういうのが参考になってうまく連携が進んでいくといいかなと、我々としても思っています。
○樋口座長 ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。
○池本委員長代理 東京からよろしいでしょうか。
○樋口座長 よろしくお願いします。
○池本委員長代理 池本でございます。
消費者庁にお伺いしたいことと国民生活センターにお伺いしたいことがあるのですが、消費者庁についての質問をまず申し上げます。
資料1-1で「プロジェクトの成果と課題」ということで整理されているのですが、右側の「今後取り組むべき課題」のところの全国展開というのがやはり見えない、あるいは各項目の中では全国展開というのをそもそも掲げていないところもあって、非常に気がかりだというところがあります。
具体的なところで特に危惧しているのは、見守りネットワークの構築という課題です。この課題は消費者庁自身の政策目標で、人口5万人以上の全市町に協議会を設置するという政策目標を掲げてあるはずですが、先般聞いたところでも540くらいの自治体のうち九十幾つか、2割に届いていないとお伺いしています。その意味では、これは喫緊の課題として全国展開を全力でやっていく必要があるのではないかと思うわけです。
徳島において全市町村に協議会が作られた、あるいは事例集として取りまとめられたということは本当に評価できることなのですが、問題は、それをどうやって全国へ展開するかというところが見えないわけです。しかも、この課題の中には、協議会が有効に機能しているかどうかの検証とか、言わばその次の調査を更にするということが書いてあるのですが、もちろんそれはそれで大事なことかもしれませんが、ここまでの成果をどうやって全国展開にするのか。その関係でもう一つ申し上げますと、北海道では平成27年から28年に消費者被害防止ネットワークというものを展開してきて、現在、65自治体にあると聞いています。しかも、平成27年、28年にその活動状況の実態調査とか、活動強化事業ということを北海道で取り組んで、実態調査の報告書が出ています。平成29年2月に出ていて、それを拝見したのですが、非常に詳細な分析をされている。もう2年前にそういう報告書が出ているのですが、そういうものを使った全国展開という消費者庁本庁での動きというのがどうも見えないのです。それが非常に気がかりなところです。
それに加えて今回、徳島でも全市町に設置ができた、あるいは事例集を取りまとめられたということを使って、今後どういう形で展開していくのか。むしろ徳島の事例集だけではない、北海道の事例とか、あるいは全市町を取り込んだ兵庫県の例とか、あるいは福岡県も半分ぐらいまでできていると聞いていますし、そういった各地のものを含めて都道府県に向けて強力に働きかけることが必要ではないかと思うのです。
その意味では、全国展開に向けて徳島オフィスに現在の人数をそのまま割いていくのか、実証フィールドでの課題がある程度一段落したのであれば、本庁に人を戻して全国展開に向けて力を注ぐという段階に来ている課題が幾つかあるのではないか。資料1-1で見ますと、斜字でアンダーラインが引いてあるのが実証フィールドを活用し得る課題と書いてあります。逆に言うと、それ以外のところは徳島でのそこに常駐しての課題よりは、全国展開のほうが重点ではないかと思うわけですが、一つには、お伺いしたのは、見守りネットワークの構築についての全国展開とはどういうものを素材にして何をするのかということをお伺いしたいのと、それ以外の課題についても下線がないところは全国展開に向けてどういう体制でやっていくのかというところをお伺いしたいと思います。
国民生活センターのことは後でもう一度お伺いしたいと思います。
○樋口座長 よろしくお願いします。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 まず、私から答えられる範囲で答えて、必要に応じて東京で補っていただければと思うのですけれども、見守りネットワークの全国での展開が喫緊の課題というのはおっしゃるとおりでございます。ですので、現在、我々の幹部が手分けして全都道府県、東京で回るようにしていただいていまして、その中で副知事レベルの方であるとか、必要によっては知事に直接大臣から言っていただいているケースもあるわけなのですが、そういった中で、必ず見守りネットワークの話は触れていただくようにしています。そのときに、それで実際の各県の担当者の方が、では、どのように作ったらよいのかと思ったときに参考にできるような事例というのを、この徳島で集めてきたと思っております。
加えて、我々の次の活動として有効に機能しているかとか、活性化方策について調べたいという点を挙げていることについても御指摘あったのですけれども、これも実際にそういう効果があるということが具体的に示されれば、それがてこになるのではないかと。そういう観点からそのようにしているわけでございます。
もう一つ、具体的に実証フィールドでやるべきものがないとされているプロジェクトがあるけれども、それをどうするのかということですが、実際の全国展開の段階になると、東京が主体になってやられるものもあるとは思いますので、それはうまく東京と連携しながら今後考えていくのかなと思っています。
そのときに、ここにいる人を戻すとかそういう話があり得るかどうかなのですが、そもそもこれはオフィスを立ち上げるとき、ここについては職員の定員というのは、オフィスを作るためということで新規で認めていただいた者であるとか、他省庁から振りかえていただいた者とか、そういう者が主体でございますので、少なくとも東京の人員を割いてこちらに持ってきたとかそういう話ではないはずなので、御指摘の点が、徳島で実証的な実験をするために東京の業務がおろそかになっているのではないかという御懸念なのであれば、それは違うのではないかと思っております。
私からはとりあえず以上でございます。
○樋口座長 ありがとうございます。
○消費者庁高田政策立案総括審議官 補足をします。東京から高田でございます。
今、金子参事官からも少し触れましたけれども、この1月から3月にかけまして、宮腰大臣のイニシアチブで地方消費者行政強化のためのキャラバン隊というのをやりまして、全国、47都道府県全部回りまして、知事又は副知事等と、こちらは大臣、副大臣、政務官、審議官クラスで、私も何カ所か行きましたけれども、そのときには必ずこの見守りネットワークの話は、都道府県庁のハイレベルの人にお願いをしているところでございます。
○池本委員長代理 池本ですが、よろしいでしょうか。
今、御説明いただいたところで、最後にも御説明があった、大臣を初め、幹部クラスで各地を回って、独自予算の増加とか地方消費者行政全体を強化する働きかけをされているという、これはお伺いしていますし、評価しているところです。
ただ、安全確保地域協議会、見守りネットワークのことで言うと、徳島の取組はそういう実績、あるいは北海道とか他の幾つかの実績を掲げて、中央の職員が47都道府県に1日でも2日でも、向こうの職員と一緒になって議論して、どう進めるかというふうにして、少し支えていくくらいのことがあってもおかしくないのではないか。これが徳島に割かれているからできていないということではないと先ほどおっしゃったのですけれども、徳島でこういう取組をしているので、しばらく様子見というふうに本庁のほうでなっていないかということを危惧しているわけです。
その意味では、徳島でやっていることで出た成果を直ちに全国展開の素材として使っていくというふうにしないと、3年間だからまだ全部終わるまで待ちますということであっては困る。これは見守りネットワークの課題だけではない、他の課題についても全て言えることだと思います。この辺りは意見です。
次に、国民生活センターについての御質問、あるいは国センだけではなく、むしろ庁のほうにお伺いする必要があるのかもしれませんが、先ほどの御報告で、研修への参加率が、相模原が9割、徳島では5割、他の地方開催では8割というふうに顕著な違いが出ているということで、これも今後の課題のところに一応記述はしてあるのですが、アクセスの問題、これはなかなか一朝一夕に変わることではないし、研修内容の充実といっても、たしか「徳島オリジナル研修」というのでは、前の年度に比べて希望がそれほどなかったので減らしたとお聞きした記憶があるのです。その辺りをお伺いしたいのと、次の4月以降の年度では、オリジナル研修というのは具体的に何か予定されているのかどうかということをお伺いできればと思います。
それとともに、地元の希望としての全国共通の課題、相談の現場からすれば新しい課題、動きのある課題をまず学びたいというのも理解できるところなのですが、そうやっていくと講師の手配とかいろいろなところで、徳島からやるよりは、むしろ相模原本部からやったほうが効率的だということになるのではないか。その辺りが御報告いただいたところでも、職員を徳島に常駐させて運営するというのは、相模原や地方研修での影響が大きいということは書いてあります。この問題は国民生活センターに聞くよりは、消費者庁にお伺いすることかもしれませんが、今の状況からすると、国民生活センターは14コマを徳島で実施となっていますが、現実の充足率などからすると、そのコマ数を当然維持するという前提で考える必要があるのか、実情に合わせて若干減らして、むしろ地方開催をもう少し増やすとかを考える余地があるのではないか。あるいは人的な体制も、常駐を所与の数字として維持する必要が現時点であるのか、そこも含めた見直しが必要ではないか。この辺りは消費者庁にお伺いしたいと思います。
以上です。
○樋口座長 お願いします。
○国民生活センター丸山理事 国民生活センターの丸山です。
御用意させていただいた資料2-4を御覧いただければと思います。こちらは29年度の徳島の14コース、それから裏面は30年度の徳島のほうの全コースですけれども、今まで徳島オリジナルというものについて、29年度は消費者教育推進のための研修の6回のうちの下から2つ目の「徳島オリジナル消費者教育講座」、これがオリジナルの講座という形で位置付けてございます。
それから、裏面の30年度の徳島オリジナルというものについては、同じく消費者教育推進のための研修の4回のところのラストの「若者における消費者トラブル防止のための啓発講座」、これがオリジナルということで位置付けてございます。
したがいまして、オリジナル研修については減じたということではなく、具体的には29年度と30年度を比較していただきますと、例えば消費者教育推進のための研修について6回から4回、それからサポーターについては3回から2回ということで減少しております。徳島のほうについては消費者教育とか見守りサポーターについて非常に熱心にやっていただいているということで、ここの部分については当初、29年度は講座数も増やして、こういったものについての取組の御紹介の機会をということで考えておったのですけれども、30年度はその部分について少し減じて、むしろ相談員の研修を充実させていったということがございます。
それから、14コースを維持するかどうかということにつきましては、なかなか答えにくい面がありますけれども、当然、31年度につきましては、同じく14コースでこちらのほうについて運営していくことを考えておりますので、そこの部分について、我々としては全力で運営していくと考えているところです。
○消費者庁高田政策立案総括審議官 後半につきまして、高田から御説明いたします。
今、おっしゃられたのは先生の御意見だと思いますけれども、そういう御意見を踏まえまして、調査会でまず報告書を取りまとめていただきました上で、それを受けて、消費者庁と国民生活センターでどういう対応が可能かというのを検討いたしまして、夏までに結論、検証、見直しの結果を出したいと思っております。
○樋口座長 ありがとうございます。
他にいかがでしょうか。お願いいたします。
○長谷川委員 委員の長谷川です。よろしくお願いします。
2つありまして、一つは消費者庁に、もう一つは徳島県にです。まず消費者庁に対して。先ほど来、全国展開の話が出ていますが、消費者庁においてそういった取組を強化すべきだという話はあると思うのですけれども、全国展開するに当たって、それを受けとめる地方公共団体のほうのニーズ、意欲についてお伺いします。プロジェクトによっても違うのかもしれないですけれども、あるいはそもそも御存じないということもあるかもしれませんが、他の都道府県ないし地方公共団体から、こういったことを知りたいですとか、そういったお問合せはどれぐらいあるものなのでしょうかというのが一つでございます。
2点目は、徳島県にお伺いしたいのですが、この調査会の検討の観点は必ずしも地方創生ではないとは理解しているのですけれども、今回、消費者庁のほうから直接的な地方創生の効果という資料を定量的に示していただいているかと思います。これに関し、徳島県から見て、地方創生の観点から今回の取組をどのように評価しておられるのかということについて、定性的にでも結構ですし、できれば定量的に、そういった検討あるいは検証をされているのであれば教えていただければと思います。
○樋口座長 では、まず消費者庁、お願いいたします。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 ひとまず私から、答えられる範囲で答えたいと思います。
他県からどの程度引きがあるかどうかということについては、少なくとも徳島オフィスで他県のお問合せに対応するということになると、四国とか近隣の県のケースが多いわけなのですけれども、実際に見守りの活動であるとか、そういうもので「どのようにしたら」という問合せはいただくことがございます。
また、エシカルの取組でも、例えば徳島県と一緒に協力して行った事業であるのですけれども、広島県で一つエシカルのフェア、イベントをやりましたが、そういった形で他県でもやってみたいという関心を示されて、我々なり徳島県さんと一緒になって協力をしたりということはあるので、そういった意味での引きというのはあるのだろうと思っています。
○徳島県危機管理部消費者くらし安全局消費者くらし政策課勝間課長 徳島県でございます。
まず、地方公共団体の受けとめ、意欲という観点で御質問いただいているところでございますが、御説明もさせていただきましたけれども、地方の側で、例えば徳島県だけではなくて四国とか中国とか関西とか、いろいろなネットワークといいますか、会議とかを持っています。その中で、例えば見守りネットワークを進めるには具体的にどうしたらいいのだろうかみたいな意見交換とかをさせてほしい。特に、先ほど遠山委員からもお話がありましたけれども、具体的に自分たちがボトルネックになっているような箇所については共有して、一緒に進めていきたいというような気持ちもあります。逆に、我々としても、広域的にそういうことをやっていただいたら面的な広がりができますので、非常にありがたいなという形で思っているところでございます。
地方創生につきまして、これはそもそも論になってしまうのですけれども、我々とすれば東京一極集中の是正の中で新しい人の流れを徳島に生み出すのだというような観点で進めているところでございます。一般的にまち・ひと・しごとの好循環を生み出すのだということでございますけれども、「ひと」という観点からしても、例えば全県的な消費生活センターの設置みたいな形で相談員のネットワーク、更には先ほど唯根委員からありましたけれども、消費者団体の活性化。特に消費者行政というのは女性の力が非常に強いものでございます。地域の女性の方々が非常に生き生きとして活躍をしていただける場というのが、かなり多く増えたのではないかと思っているところでございます。
それから「しごと」の観点ですけれども、私どものほうから説明しましたエシカル消費という観点から、例えばエシカル消費に即した商品の開発みたいなことを高校生と一緒になってやっていくとかいうようなことを企業のほうから御提案を受ける。もちろん県内の企業もそうですけれども、県外の企業からそういった提案を受けるようなことも実際に出てきているところでございます。そういった新たな動きが出てきているところでございます。
「まち」という観点からすれば、やはり消費者行政をこういう形で推進するということは、安全で安心な徳島県。特に今、我々とすれば、消費者被害をできる限りゼロに近づけていきたいという思いもありますので、そういった安全で安心なまちづくりにしっかりとつながっていくものだというふうに思っているところでございます。
こういった観点は、我々の徳島だけの思いというのではなくて、徳島の外から徳島の姿というのが恐らくここ二、三年で大きく変わってきたのではないかという実感を得ております。いろいろなところで、徳島県さんはこういう魅力もあるのだと、逆に徳島の良さというものを教えてくれる機会も非常に多くなったというふうに我々としては感謝をしているところであります。
そういう意味で、すみません、定量的な部分ではないのですけれども、定性的な部分では非常に大きな変化が、やはり消費者庁が来ていただいて、いろいろな動きをする中で生まれてきたのではないかな。こういった動きを、正にこの循環をとめないような形で我々としては展開をしていきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○長谷川委員 ありがとうございました。
○樋口座長 他にいかがでしょうか。
○内田委員 内田ですが、よろしいでしょうか。
○樋口座長 お願いいたします。
○内田委員 感想中心になると思うのですが、今回、消費者庁のほうからメカニズムの資料を整理していただいてありがとうございました。公立高校の協力を得ようと思えば徳島県の教育委員会、それから公立高校校長会を経由するとか、あるいは事業者の協力を得るには商工労働部局を経由してなどメカニズムが明らかになりました。今回は消費者庁が司令塔を徳島に置かれて、徳島が実証フィールドを提供された。つまり、司令塔と実証フィールドを近づけたら何が起きるかという実験だったように私は思うのですけれども、近づいたことで、いろいろなメカニズムが動かしやすくなった結果大きな結果につながったと感じました。全国展開のときにも有力なヒントになると思います。
国民生活センターのほうからは、研修とテストの実施状況の御紹介がありました。実施されたアンケートによれば全国の回答者の答えと15府県の回答者の答えがかなりくっきりと違うわけです。今回の取組を評価する際には消費者庁から示された、司令塔と実証フィールドの距離に加えて、研修については参加者の活動地域と実証フィールドの距離という視点があるのだなと思いました。
相模原が参加しやすいという答えが圧倒的に多いのですが、一方で、近ければ参加が増えるという答えがある。あるいは地域独自の内容での研修への期待がある。これにどう答えていくのかというところは考えなければいけないのかなと思いました。
質問があるのですけれども、徳島にあると研修参会者が「減少する」という答えが、近いはずの15府県にもあり、28年度から29年度にその答えが増えているのはなぜなのでしょうか。
商品テストについては実証フィールドが近くなった結果、消費の実態を詳細に把握できて、テストが効率的にできたし、そのテスト結果のフィードバックも非常に有効にできたということで、全体としてプラスの評価だったと思うのですが、反面、地域特性が結果に反映してしまうということ、それからテスト機能が徳島にないものがあるということでした。これはどの程度重大な支障になりそうですか。
○国民生活センター宗林理事 それでは、テストについて宗林のほうから先にお答えをさせていただきます。
実証フィールドとして徳島県は地域特性がある。それがバリアになるのではないかというような御質問でしたけれども、そればかりではないのですが、徳島県だけで実証フィールドを済ませていくと、やはり全国展開あるいは全国の代表性、他のところでもそのデータをそのまま活用していただくということには限界があるので、徳島県だけではなくて、そのテーマに適したところでの実証フィールドが必要になってくる場合があるだろうということです。ですから、徳島に適した実証フィールドであれば徳島もいいけれども、それだけでは少し難しい面があるだろうという意味での私の話でございました。
それから、テストが離れているというお話ですけれども、テストとフィールドは近いほうがいいか、離れたほうがいいか。あるいはフィールドだけは全国の代表となるように何カ所かでできたりとか、それは一定の固まりとして今後できるものですので、それに徳島が入っても、それから、例えば相模原が本拠地ですけれども、相模原のデータもあり、3都市目があって、それを実証フィールドとしてまとめることも非常に有意義だと思っています。
ただ、やはりテスト部でございますので、いろいろな器具を使った調査、測定したり実験をしたり、いろいろなテスト機器が相当必要です。テストなしというのはテスト部の業務ではなく調査業務になってしまいます。そういうことから考えますと、テストをやる担当者とフィールドをやる担当者が全然別というのもなかなか難しい。行ったり来たりとか、相模原の人間はいろいろなことを並行的にやっていて、その中で自分のモチベーションや知識も向上させながらいろいろなことをやっていくという生活をしておりますので、実証フィールドだけで1人を割いて徳島でそれだけやると、やはりテストとの関連は若干希薄になりますので、マイナス面もあるかということでございます。必ずしもそれが悪いということばかりではないのですが、そういう面があるだろうと思ってございます。
○国民生活センター丸山理事 国民生活センターの丸山です。
内田委員から研修事業について御質問がありました。具体的には、私のほうでお配りしております資料マル2-3の自治体向けアンケートの9ページ目「研修への参加回数」、下の黄色の網かけの15府県からの回答のところで、28年度から29年度にかけまして「減少する」という割合が増えている、ここのところの要因ということだと思います。
なかなかこれだ、というふうなことは言いにくいので、正直なところ、分からないというのが答えだと思います。可能性といたしましては、もちろん研修の中身のコースの変化によって、これは自分のところのニーズと合わないという形で減少することも考えられると思います。そこのところについては様々な要因が考えられますので、一概には言えないかなと考えております。
○内田委員 ありがとうございます。
○樋口座長 他にいかがでしょうか。野々山委員、お願いします。
○野々山委員 確認なのですが、資料1-1の「今後取り組むべき課題」の中で普通の字、ゴシックで書いてあるのと下線つき斜字で書いてあるのがありますが、その区別についてです。ゴシックで書いてあるものは、これまでの徳島の実証フィールドで行った成果を題材にして取り組む課題だということで、斜字のところは、この実証フィールドが次年度以降継続していった場合にこういう活動を更にやっていきたい、こういう実証実験をやっていきたいということの理解でよろしいでしょうか。それとも今年度やっていくという趣旨なのですか。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 今年度やるものも一部含まれていますけれども、もう少し長い目で見て、数年かかるものも含んで課題は整理したつもりでございます。
○樋口座長 他にいかがでしょうか。お願いいたします。
○新川座長代理 新川です。
大きな成果を出していただいていると思いますが、幾つか気になる点があります。それは、これまでの成果をどう評価するのか、それから、今後の取組課題をどう設定していくのかという点にかかわってであります。そのポイントの一つは、これまで各委員からもありましたけれども、現在やっておられることの中身からどういう示唆をちゃんと引き出してきたかという点。もう一つは、それをこのプロジェクトの基本的な命題であります全国にどのように広げていけるのかという、この点についての言ってみれば糸口のようなものがなかなか見つかっていないというのが、今のところの印象としてはあります。
個別には、そこについて一定方向づけがされているものもあるのですが、もう一方では気になるところもたくさんあるというのが現状だと思います。若干例示的に申し上げますと、例えば「社会への扉」ということについて言えば、本件での非常に優れた実践的な運用を通じて、このテキストそのものに対する様々な問題点、使いにくさ、あるいは実際に応用するときの工夫等が随分指摘をされていましたが、そういうものが今後どのように生かされていくのか。そして、それが全国展開にどのように生かされていくのか。ここがポイントだと思っていたのですが、そういう議論がないというのはちょっと気になったというのが1点目でありました。
2つ目は、見守りネットの話が随分いろいろ出ました。私も、やはり見守りネットのようなものが実際に機能するかどうかという、ここは御指摘のとおり重要かと思っておりますが、同時に、この見守りネットのようなものをここまで苦労して作られた御苦労のところの工夫とか、あるいはそこでの大事な、ここが鍵ですよねといったようなところ。そういうところをもっとクリアに出していかないと、この仕組みそのものを全国展開することにもつながらないし、今回の新しい試みを実証的にやってみようということの意味もないのではないかと思っております。
倫理的消費の問題もあるのですが、やめておきます。
それから、食品ロスにつきましては、確かにモニタリングをするだけで高い教育効果、啓発効果があるということでしたが、それではそれを更にどう進めていくのか、次の一歩、次の一手をどうするのかというのは恐らくこれからの啓発手法としては重要ですし、単に計測、測定をせよということだけでは恐らく次のステップには進めないのではないかと思っております。そういうところを発見するのも今回のプロジェクトの意味があったのではないかと思っていたのですが、いかがでしょうかということであります。
子どもの事故防止については、啓発についての有効性、その効果の測定ということがやはりこれからの大きなテーマになってくると思います。確かに啓発活動そのものは進んできているのですが、正に現地でやるべきは、それがどのように定着をしていっているのかというところを確認する作業が必要ですし、そのことでこの啓発の事業そのものの意味が見えてくるし、全国的にやる価値も出てくるということになるのではないかと思っております。時間になってしまいましたので、もうやめましょうか。
そのようなことを、全部の項目についてもう一度きちんとチェックをしていただきたいですし、それを踏まえた上での資料1-1のまとめのところ、消費者庁としてどうされるのか、そして、どういう課題をこれまでのところで確認し、今後に向けて、特にこの新行政プロジェクトの持っております趣旨をどう生かしていくのかというのを、消費者庁あるいは国民生活センターとしてお考えいただきたいと思っております。
以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
何か御発言はございますか。よろしいですか。
○消費者庁新未来創造オフィス金子参事官 それは次回の宿題というようなイメージでございましょうか。
○新川座長代理 それで結構です。
○樋口座長 他にいかがでしょうか。よろしいですか。東京のほうもよろしいですか。
それでは、ありがとうございました。消費者行政新未来創造オフィスと徳島県の連携、役割分担に関する話につきましては、この辺りにさせていただきたいと思います。
御説明者の皆様におかれましては、お忙しいところヒアリングに応じていただき、誠にありがとうございました。
≪3.閉会≫
最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。
○坂田参事官 本日も長時間にわたりまして御議論いただき、誠にありがとうございました。
次回の日程につきましては、追って御連絡という形にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○樋口座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
(以上)