第7回 特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会 議事録

日時

2016年3月3日(木)17:00から19:28

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
寺本座長、梅垣座長代理、迫委員、野々山委員、原委員、矢吹委員、唯根委員、吉田委員
【オブザーバー】
消費者委員会 阿久澤委員、国民生活センター 宗林理事
【消費者庁】
三上食品表示対策室長、赤崎食品表示企画課長
【消費者委員会】
黒木事務局長、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会の取りまとめについて
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻となりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」第7回を開催いたします。

本日は、所用により、清水委員と中村委員が御欠席です。野々山委員は追っていらっしゃるということです。計8名の方が御出席の予定となっております。

また、オブザーバーといたしまして、独立行政法人国民生活センター宗林理事、消費者委員会阿久澤委員が御出席です。

また、消費者庁より、表示対策課食品表示対策室の三上室長、食品表示企画課の赤崎課長にも御出席をいただいております。

では、まず、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第下部に配付資料一覧がございます。

配付資料につきましては、資料につきましては資料1、参考資料につきましては1から3となっております。不足がございましたら、事務局までお申しつけください。

では、以降の議事進行につきまして、寺本座長、よろしくお願いします。

≪2.特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会の取りまとめについて≫

○寺本座長 それでは、議事に入りたいと思います。

本日は「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」の取りまとめということについて議論を行いたいと思います。これまで6回にわたり、非常に熱心な御討議をいただきまして、ありがとうございました。それに基づきまして、特定保健用食品等の表示・広告に関する事項、及び特定保健用食品の制度・運用に関する事項というものを議論させていただきました。これらの議論に基づきまして、事務局にまとめていただいた報告書(案)が先ほど御紹介があった資料1でございます。本日は、この報告書(案)をたたき台として議論を進めたいと思います。

なお、本日は消費者庁の表示対策課食品表示対策室の三上室長、食品表示企画課の赤崎課長にも御出席をいただいております。議論の途中で報告書の内容に関連しまして確認が必要な事項がございましたら、適宜、質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、報告書(案)の内容について、消費者委員会事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○事務局 資料1、報告書(案)について御説明させていただきます。

まず、目次をごらんいただきたいのですけれども、報告書の構成といたしましては、第1として「健康食品の位置付けと審議の経緯」、第2として「検討内容」と分けて記述しております。第1は定義ですとか立ち上げの経緯について、第2は議論から取りまとめた現状確認や求められる取り組みについて記述しております。

では、具体的な内容について御説明いたします。

1ページでございます。

(1)といたしまして「保健機能食品」に関する説明をしておりまして、ずっと続いておりまして、3ページ中ほどで(2)として「いわゆる健康食品」の定義を記述しております。

(3)は「食品と医薬品・医薬部外品・再生医療等製品の区別」について記述いたしました。この中の再生医療等製品につきましては、今のところ、ヒトが経口摂取する類いのものはないようでございますけれども、薬機法の改正に合わせまして食品衛生法が改正されておりまして、その中の食品の範囲で再生医療等製品について除外と明記されていましたので、法律に合わせて整理しております。

6ページの「2.審議経緯」でございます。

「(1)問題意識」につきましては、消費者委員会の食品ワーキング・グループのまとめた論点整理に沿って記述いたしております。

7ページの「(2)審議状況」につきましては、これまでの会議の開催状況ですとか検討内容についてまとめておりまして、最終版には本日の会議についても追加させていただきます。

9ページ「第2 検討内容」でございます。

まず、表示・広告につきまして「(1)現状の確認」をまとめております。

ここから先の構成について先に申し上げますと、四角で囲んだ部分について専門調査会で御議論いただいた検討テーマ、○をつけた部分でございます。専門調査会で確認をいただいた現状を矢印で状況として記載しております。また、その下に前回の専門調査会で一部御報告をいたしました、当事務局が集計・分析した意識調査から、各検討テーマに合う内容のものを裏づけデータの一例として記載しております。現在、この報告書では裏づけデータとして意識調査の結果しか掲載しておりませんけれども、本日の御議論で、ほかのこういったデータも記載すべきという御意見をいただければ、適宜修文を行っていきたいと思っております。

では、内容について御説明いたします。

(ア)といたしまして特保の現状確認でございます。消費者は制度を理解した上で特保を適切に利用しているかという点の確認としましては矢印の部分でございますが、制度を理解していない人も多く、また、適切に利用していない人が非常に多いというまとめにしております。

議論の裏づけの一例として記載しております調査結果として3つグラフをつけておりまして、図2-1が、1日の摂取目安量では効果が期待できる使用方法を確認しているかという点でございますが、製品にそれらの表示が記載されていることを知らなかったという方が22.3%おいでになりました。

10ページの図2-2は効果が期待できると思う利用方法でございますが、同じ製品を数週間、毎日摂取すれば効果が期待できると回答した人は34.5%でした。

図2-3は、それに対して実際の利用方法でございますが、同じ製品を同じように数週間、毎日利用するといった方は16.1%。いろいろな製品を気が向いたときのみ利用する方が29.9%おいでになるなど、効果が期待できない方法で利用している消費者が多いという状況でございます。専門調査会では特保制度を理解していない人も多いのではないかといった御意見が出されておりましたけれども、それを裏づける一例となっております。

11ページ、現状確認として、許可表示の一部だけ切り出した「言い切り型」のキャッチコピーや広告が消費者に実際に確認されている効果より高い効果が得られるという期待を抱かせているというまとめを入れております。

また、その下に、作用機序に関する表現だけを切り出してキャッチコピーなどに使用することの弊害についてまとめを矢印の部分で入れさせていただいております。

意識調査の結果としては、12ページのグラフの図2-4で「言い切り型」のキャッチコピーの受けとめについてグラフにしております。この質問ですけれども、現在、自動販売機などで購入前に許可表示を確認できない状況で販売されている製品がかなりあるということから、言い切り型のキャッチコピーだけを見た場合に、消費者はその表示をどう受けとめるのかということを言い切り型でない表現と比較する形で確認したものでございます。この設問につきましては、特保がどういった製品群かということを理解していれば、言い切り型であろうがなかろうが、その表現の違いで効果に差があるといった誤解というのは生じないとも思うのですけれども、特保というものを理解していなければ、日本語の表現の違いから誤解が生じるという可能性があるため、特保の理解度を確認するという視点も含めて調査がされております。

結果といたしましては、言い切り型の表示は日本語の表現どおり、より高い効果が期待できるということをアピールしていると捉える消費者が多いことがわかりました。消費者が特保を正確に理解していないという一つのデータだとは思います。

表2-1でございますが、その言い切り型表示に対する意識と購入時に何を見ているかという点のクロス集計です。許可表示を見ていない、確認していないという人が5,712人と非常に多くなっておりまして、一方、キャッチコピーや広告を購入時に参考にするという人は3,110人と半数近くに上っているという状況でした。

13ページの図2-5は、キャッチコピーから期待できる効果をどう連想するのかということの確認ですけれども、回答の選択肢は3種類に分けられまして、グラフが赤くなっている部分というのは、このようなキャッチコピーがされている製品群で許可表示が認められている効果。青は、効果ではなくて作用機序を示したものです。黒は、効果に関する選択肢ではありますけれども、特保では現在のところ表示を認められた製品はないというものでございます。

結果として、特保で期待できる効果として認められていない体重が減るですとかふえないという効果を選んだ方もおいでになりました。また、作用機序の説明を効果の説明と捉えている方も多いことがわかりました。

前ページにある言い切り型のキャッチコピーの受けとめですとか、許可表示を購入時に見ていないという方が非常に多いという状況を勘案いたしますと、特保製品でどのような効果が期待できるかということに関する知識を持っていない人が多いのではないかと考えております。

14ページ、特保の目的が「健康増進・食生活改善」という本来の目的から乖離してきたのではないかといった検討テーマに対する現状確認でございます。矢印の部分の2パラグラフ目でございますが、特保の制度を消費者が理解していないだけでなく、製品の広告制作に携わる人々や製品の流通・販売にかかわる人々も余り制度の本来の趣旨を理解していないために起きているのではないか。特保制度の目的である「健康増進・食生活改善」という点をもう一度認識し直す必要があるというまとめといたしております。

意識調査からは、15から17ページに5つの調査結果をつけております。

15ページの図2-6に関しましては、特保を選んで利用した理由でございますけれども、何となく健康によさそうだからという回答が最も多い状況でした。

表2-2は特保を選択した理由と回答者の健康状況のクロス集計でございますけれども、前回、迫委員から確認するようにという御指摘を受けておりました治療や食事療法のかわりになりそうだと回答した方の健康状態につきましては、表の中ほどにございますが、540人の4割強の方が、病気ではないけれども、健康面で不安があるという状況。持病があるという方は3割弱という状況でございました。

図2-7でございます。特保が食生活を見直すきっかけになったかというものですけれども、以前から食事のバランスを大事に考えているという方が特保利用者では最も多いという結果になりました。

表2-3でございますけれども、実際の食事のとり方と食生活の意識に関するクロス集計です。

17ページの図2-8、今、申し上げた16ページにある表2-3の食生活の実態に関する選択肢同士、同じものをクロス集計したもので、「全体」というのが調査対象者全体、7,500人に対するパーセンテージ。「基本的には3食、食事を摂る」は、この選択肢を選んだ5,014人に対するパーセンテージ。「基本的には3食、食事を摂らない」という方、1,050人に対するパーセンテージとなっております。

17ページの図2-8で「基本的には3食、食事を摂る」という方は、調査対象7,500人の7割弱いらっしゃるのですが、図2-8の上から2つ目、毎食ともバランスのいい食事をとっている、もしくは心がけている方、32.2%、その下の心がけてはいるが、そうでないこともかなりあると回答した方が31.1%おいでになるという状況でした。このことから、現在、特保を利用している消費者というのは、バランスのよい食事の大切さは理解している方が多い。また、3食食べている人も多いのですけれども、毎食ともバランスがよい食事をとっていると考えている人は余り多くないことがわかるという結果でございました。

(イ)の「いわゆる健康食品」に関する現状確認でございます。依然として正しい理解をした上で利用していない人も多いというまとめになっております。

確認の一例としては、第2回の専門調査会に提出いたしました参考資料に記載しておりましたけれども、消費者庁が過去に実施をした調査結果を一例として記載しております。

次の四角ですけれども、健康食品の表示・広告に関する消費者の期待度は過大なのではないかということですが、他者にとって真実性が担保されない個人の体験談や暗示的な内容の広告も多く、結果として、依然、消費者は過度の期待を抱いているとまとめております。

現状確認の一例としては、吉田委員より御説明のあったJAROの審議状況について記載させていただきました。

(ウ)でございますが、特保と「いわゆる健康食品」に共通する事項の確認でございます。

期待感と実際の格差の是正方法についてでございますけれども、消費者教育のより一層の強化ですとか表示・広告に対する法規制や自主規制の強化を検討すべきというまとめにしております。

次の四角でございますが、違法な表示・広告に対する執行機関の対応状況ということでございます。ここの現状確認に関して、また、その下の啓発、相談、監視の部分に関しては、以前に消費者庁より御説明をいただいた内容に沿ってまとめております。

20ページにまいりまして、ここからは表示・広告に求められる対策についてまとめております。

(ア)といたしまして、行政の取り組みについてまとめました。

マル1は「健康増進法に関する見直し」として、野々山委員から御意見が出されました健康増進法への不実証広告規制の導入について記載をしております。今までの御議論で特保の表示・広告や制度の見直しを行うのであれば、あわせて「いわゆる健康食品」の取り締まりを今以上に強化しないと特保の表示許可を受けようとする製品が減ってしまう可能性があって、結果として「いわゆる健康食品」が減らないのではないかという御懸念が会議の中で示されております。その対策として「いわゆる健康食品」の取り締まり強化という点を対策の両輪として行っていく必要があるという御意見が出ておりましたので、健康増進法への不実証広告規制の導入がその両輪の一端を担うという趣旨でまとめております。

21ページの上から4行目ですけれども、ことしの4月に健康増進法による誇大広告の禁止に係る勧告、命令権限が地方自治体に移譲されることになっておりますので、それを受けまして必要となる対策についてそこから記述しております。

マル2でございます。指導要領に関する見直しについてまとめております。特保の表示・広告でも、その内容によっては消費者の誤認を招いているということから、指導要領を見直して、21ページの下から5行目からでございますが、許可を受けた際に確認されている効果を超える効果を類推させる表示・広告を一切禁止することや、適切な利用方法を利用者が適切に認識できるような表示・広告とすべきことを明示すべきと記載しております。

適切な利用方法を認識できる一例としては、梅垣座長代理から御意見のございました、企業が製品でアピールしたいことを製品表示や広告に記載する場合には、必ず国の健康政策、栄養政策として国民に常に認識をしてほしい事項と並列して表示なければいけないといった一定のルールを設けることというのを例示として記載しております。

22ページの5行目の「また」という部分につきましては、矢吹委員から御意見のありましたQ&Aですとかガイドラインの充実について記載しております。

マル3でございますが、その他の対策といたしまして、健康増進法による取り締まりに当たって監視機能の強化をすべきという内容をまとめております。

続きまして「(イ)事業者・事業者団体による取組」についてです。

マル1として自主基準についてまとめております。先ほど法規制ですとか次長通知の見直しについて御説明いたしましたけれども、自主基準による改善という方向もあるため、その項をまとめました。矢吹委員より、日本健康・栄養協会の自主基準について御説明をいただきましたので、その内容を記載しております。また、それに対して、自主基準の強化も必要という意見が出されておりましたので、自主基準の遵守に関する対策の一つの方向性として公正競争規約について触れさせていただいております。

マル2は「適切な利用対象者・使用方法の表示・広告への明示」についてでございます。もともと特保を利用する必要の乏しい消費者が製品の効果を誤認して商品を利用しないことが望まれるというまとめにしております。この部分は矢吹委員や原委員などから、製品の販売に当たって、製品を適切に利用できる摂取対象者や使用者などを今よりも具体的にわかりやすく表示するといった方策に関する御意見がございましたので、その内容に合わせて、ただし書きとして、わかりやすい表現は誤解を生む可能性があるため、消費者の誤認を生まない形で表示を行うための例えば行政への相談ですとか、消費者団体を交えて一定のルールづくりを行うといったことが必要という内容を記載しております。

(ウ)でございますけれども、「消費者等への周知」についてです。23ページの一番下の行になりますけれども、周知方法や教育対象について見直しを行って、さらにきめ細かい対応を行う必要があるというまとめにしております。

24ページが具体的な意見でございます。マル1が食育・消費者教育を通じた子供向けの取り組みについてでございます。子供のうちから正しい知識を持つことができる教育体制の確立について記述しております。

マル2が「テレビを通じた高齢者向けの取組」。BSですとかCS、現在、すごい健康食品とかの広告が打たれておりますので、そういったテレビを利用した政府広報を行うなど、高齢者が日常生活の中で目にとめやすい形での周知活動を早急に行うべきという内容になっております。

マル3が「製造企業・流通・広告の各業界関係者への啓発」ということです。第6回の専門調査会でヒアリングをさせていただきました中島信也氏ですとか吉田委員の御発言を反映した内容となっております。

25ページからは特保の制度・運用について、記載しております。ここからは検討テーマごとに現状の確認と求められる取り組みを続けて記載しております。

1番目は「健康食品全般における特保制度の位置付け」についてです。

現状確認としては(ア)の部分でございますが、保健機能食品と呼ばれる機能性をうたうことができる食品群全体について、期待できる効果やその効果を得ることにはどのような方法が有効かと思われる基本的知識を持っている人が依然として少ないと思われるということを記述しております。また、平成27年4月に制度ができました機能性表示食品と特保制度の差が「条件付き特保」の存在によって曖昧になっているという意見を入れております。

その下の利用方法の基本的知識を持っている人が少ないという部分を裏づける一例として、意識調査の結果を記述しております。26ページの表2-4でございますけれども、効果の実感度別の運動頻度と特保の利用方法のクロス集計をつくってみました。一番上が実感できなかったグループ、真ん中が効果を実感できた方々、下が製品によってできたりできなかったというグループです。縦が運動頻度なのですが、そこの週に1度以上で、横の利用実態が同じ製品を数週間、毎日利用している。そのクロスのところを効果が実感できなかったグループと実感できたグループで比較いたしますと、効果を実感できたグループは28.7%と高くなっております。効果ができなかったグループについては、週1度以上運動していても継続して同じ製品を利用しない人は効果が実感できなかったと回答する割合が高くなっておりますので、特保を継続利用する人としない人で実感に差があることがわかります。

27ページの「(イ)求められる取組」でございますけれども、健康食品全般における特保制度の位置づけとしては、特保は有効性・安全性が担保されない「いわゆる健康食品」との違いを明確にすることで、今以上に存在価値を高める必要がある。そのためには、国民に対して制度の内容や特保の有効な利用方法の周知をより一層行い、かつ、事業者がより的確な表示・広告を行うことによって、摂取者に特保をどのように利用すべきかをもっと認識してもらうことが喫緊の課題であるというように記載しております。

また、マル2として、迫委員から御意見のありました「条件付き特保の見直し」について記述いたしました。

「(2)再審査制・更新制」についてでございます。

現状確認は、消費者庁から以前に行われていただいたヒアリングの内容を記載しております。これに対する求められる取り組みは29ページから記載しておりまして、30ページになりますけれども、上から2パラグラフ目の部分、現在の再審査制が有効に機能しているかの確認を行うために、新たな科学的根拠の報告が1件もない現状が上記のような事実と整合性を有しているかの検証を早急に行うべきであるというまとめとしております。

また、消費者委員会としては、平成23年の提言で、この知見の収集の意見を出したものの、それに対する対応はなされていないことから、30ページの中ほどでございますが、提言と同じ意見を再度記述しております。

「マル2 更新制に代わる取組としての収去調査と再審査要件等の見直し」という項目です。消費者庁からのヒアリングや矢吹委員、原委員の御意見から、更新制については、一旦廃止した更新制を復活させることは、現状においては、事業者・行政双方の極端な負担増加につながると考えられるというまとめをいたしました。しかしながら、議論の中では、更新制がないことの影響についてたくさんの意見が出されておりましたので、その内容について記述をしております。2パラグラフの部分でございますが、はしょって申し上げますと、試験水準が制度開始当時と現在を比較しますと格段に上がっているということを書いております。

30ページの下から3行目ですけれども、許可後に試験水準の大幅な変更があった場合、水準の変更前に許可を受けた製品の有効性・安全性を再評価し、新しい基準でも問題がないかをチェックすることは、科学の考えからしても、また、消費者、企業にとっても重要なことであるという意見をまとめさせていただきました。

その状況への対応として31ページの2行目でございますけれども、国民が適切な商品選択を行う上での障害となりかねず、また、製品間の公平な競争を阻害しかねないため、更新制を復活しないまでも、何らかの方法で、許可から年数の経過した製品の有効性・安全性について確認を行う必要がある。そのための手法としては、行政みずからが当該製品を収集し、現在の試験水準でのヒト試験を実施することで、有効性・安全性を確認する方法が考えられる。また、更新制の代替として、再審査の要件に試験水準の大幅な変更が含まれることを明らかにし、その点も踏まえて再審査の必要の有無を検討すべきであるとしております。

「(3)検証データの質」についてでございます。現状確認では、現時点では機能性表示食品の科学的根拠のレベルのほうが特保の科学的根拠のレベルより高いとは言えない。またUMIN登録の義務づけにつきましては、倫理指針の見直しにより、事実上特保においても義務づけられているという確認がされております。

これに対する取り組みでございますが、32ページの2パラグラフの2行目でございます。UMIN登録について指導要領にUMIN登録が必要だということを明記し、実際に登録しているか確実に確認する体制をとるべきというまとめを入れております。

「(4)試験方法・審査等の明確化」についてです。専門調査会での議論では、許可要件も含めてどのような水準を満たせば許可されるのかの明確化が不足しているという意見が出されております。

これに対する取り組みでございますが、指導要領の改定として、先ほどのUMIN登録に関する明示も含め、審査に必要な検証データの水準を実際の状況に即して明確化すべきであるとしております。また、その下ですけれども、本年1月15日の消費者委員会の合同会議で議題とされました本年12月の指導要領の改定内容について、合同会議の場で消費者委員会の各会議体の多くの委員が求めた内容を改めて記述しております。

「(5)規格基準型の適用範囲の拡大」についてでございます。33ページ、3行目ですが、規格基準型の適用範囲の拡大は可能であるとまとめました。ただし、その後の文章で「保健の用途ごとに100件以上、初めての許可から6年以上」という適用条件はスクリーニング条件にすぎないということも記載しておりまして、問題点としては、消費者庁においてスクリーニング後に行う規格基準型の適否検討が行われていないという点を記述しております。

これに対して求められる取り組みにつきまして、(イ)の部分でございますが、1行目の後ろから、規格基準型の範囲を拡大することは必要と考える。しかしながら、規格基準型は専門家が有効性・安全性を確認しない分類であるため、行政の事務的審査だけで有効性・安全性が担保できるかという点を十分に見きわめ、問題のないものについてのみ拡大を行うことが重要とまとめさせていただきました。

その上で、2パラグラフ目でございますけれども、専門調査会で出された懸念点をまとめる形で、規格基準型の拡大検討は有効性・安全性を確実に担保するために専門家の意見を聞きつつ実施すべきである。また、基礎条件をクリアしたものを実際に規格基準化できるか否かを定期的に検討する仕組みや体制も早急に確立すべきとしております。

その下のなお書きの部分につきましては、先ほど30ページのところで御説明した更新制にかわる取り組みに関する項目で、許可からかなりの年数がたった製品に関しては、何らかの方法で現在の水準で見た場合にも有効性・安全性に問題がないか確認すべきとしていることを受けまして、この規格基準型やさらには再許可の際にも、同様な確認を確実に行うルールづくりが必要ということを記述しております。

最後の項目になりますけれども、「(6)製品情報の情報開示」についてでございます。

情報確認は34ページでございますが、梅垣座長代理の御説明と迫委員、唯根委員の意見をまとめております。

それに対して求められる取り組み、(イ)の部分でございますが「マル1 特保の製品情報公開の義務化等」を記載しております。あわせて、掲載すべき情報の形式や基準を国が明確化し、企業が混乱しないようにする必要があるとまとめております。開示主体を誰にすべきかという点につきましては、専門調査会では、掲載する情報の適切性を保つためには、専門家が関与するほうがよいという御意見でしたので、2パラグラフ目の34ページの下から4行目ですけれども、専門家によって情報提供事業を行ったほうが適切であるため、現在の国立健康・栄養研究所のデータベースの充実を図るとし、国は、当該データベースの運営に係る費用を負担するため、必要な対策を講じるべきであるという記述としております。

35ページ目のマル2とマル3につきましては、この栄養研で現在運用されているデータベースの充実の方向性について記述をしておりまして、内容は専門調査会で出された御意見をまとめたものとなっております。マル2はデータベースに追加すべき情報について、マル3はデータベースの検索機能の追加について記述しております。

マル4につきましては、情報公開のこの御議論の中で、消費者向けの情報として関与成分等に関する基本的知識を提供すべきという御意見があったので、ここに一旦記述させていただきました。ただ、内容といたしましては、先ほど御説明した食育ですとか消費者教育として実施したほうがよい内容にも思えますので、消費者教育の項に移動させるかも含めて本日御意見をいただければと思います。

最後ですけれども、マル5、迫委員より御意見のございました過剰摂取を防ぐための方策として、各関与成分の摂取上限値設定に関する検討について記述しております。

報告書の御説明は以上でございますけれども、前回の専門調査会で年代別の集計を確認したいという御意見を頂戴しておりました。その確認したいという御意見があった調査項目のみでございますけれども、本日、参考資料1として提出しております。現在の報告者の裏づけデータにほとんど年代別データは使用しておりませんので、別途提出をさせていただいております。御議論の際、御参照いただければと思います。

説明は以上でございます。

○寺本座長 どうもありがとうございました。

かなり全般にわたる説明でしたので長くなっておりますけれども、これを全部というわけにいかないので、目次に沿った形で順に御審議いただきたいと思います。

まず、1ページから8ページまでの「第1 健康食品の位置付けと審議の経緯」についてですが、これについて何か御意見ございましたらお願いしたいと思います。いかがでございますか。

どうぞ。

○迫委員 いろいろ取りまとめ、お疲れさまでございました。ありがとうございました。

個別に入る前に全体的な問題についてお話をさせていただきたいと思っております。

まず1点目で、これは全体の取りまとめの方向性について要旨としてまとめるという提案でございます。さらっと読んだときに、特保の制度にはものすごく問題があって改善しなければいけないことがいっぱいあるのだというような感じに受けとめられてしまうような書きぶりかなと思いました。この辺は特保といわゆる健康食品の問題がまじり合っているところもあるかと思うのですけれども、この専門調査会では全体の議論の中で、特保は国の審査を受けて安全性を確認された制度であって、残された課題について、例えば消費者が利用しやすい、そのために必要な情報はどうあるべきか、制度のあり方も含めて検討したと思います。ですから、全体をとりまとめた要旨というものをきちんと出していただければと思います。

3点あるのですが、2点目が用語の定義についてでございます。それぞれの用語の解説のページはあるのですが、この本文の中で使っている用語が混在していると思います。特に「健康食品」と「健康食品全般」という言葉が入り乱れておりまして、この辺はその意味がイコールなのか違うのかというところがよくわからないので、この報告書の中での定義をきちっと出すべきではないかということです。

もう一つが、14ページをごらんいただきたいのですが、私としては見過ごせない言葉でございまして、枠の中に「カロリーオーバー」という言葉が入ってございます。御存じのようにカロリーというのはメートルとかグラムとかと同じ単位を示すものでございますので、こういう公文書にカロリーオーバーという言葉は絶対使っていただきたくない。エネルギーの過剰であるとかエネルギーがオーバーであるとかという言葉をきちっと正しく使っていただきたい。

略語もいろいろまじって入っているものですから、そういう略語とか用語の問題、あと体裁の問題なのですが、消費者委員会のワーキングで示された論点に対して議論をしたのですが、それがいろいろなところに点在しているので、冒頭の経緯のところに論点としてまとめていただいて、それぞれについてはもうそれに触れるのではなくて、現状という形で示していただくほうがわかりやすいのではないかと思いました。

とりあえず全体について、以上でございます。

○寺本座長 どうもありがとうございました。

私も本来この議論というのは、あくまでも特保というものが正しく使ってほしいということが前提に行われている会議でございますので、そういった理由で行われた専門調査会であるということは実際最初のところで触れておくべきだろうと思うのです。その上で、特保の今、抱えている問題が何であって、それを解決するためにどうしたらいいのかというようなところに話を持っていく。これはもともとそういう議論をしてきたように思うのですけれども、そのことをどこかで最初にふれておいたほうがいいかなという気はいたします。

今、御指摘のあった点以外でも結構でございますので、最初の1から8ページまでのところで何かございますか。

どうぞ。

○野々山委員 3ページのところの記述の仕方で、これは機能性表示食品に関する説明がされていますが、そこに安全性の評価と機能性の評価というものが記載されて、それがこういう基準で評価されているのだということが記載されています。しかし、私の理解では、機能性表示食品というのは国がこういう基準について一定の評価をしているわけではなくて、あくまでも自主基準として行われているわけで、この評価という言葉は主体が書いていないことによって、わかっている方はわかっていると思いますけれども、そうでない方だと国が評価をしているかのように読めます。そこで、誤解を避けるために、あくまでも国の評価ではないということを何らかの形で記述していただきたい。それが1点であります。

もう一つですが、これは変えろということではなくて意見としてお聞きいただきたいと思うところです。機能性表示食品の説明の中で、2ページや6ページに、機能性表示食品の目的が記載されています。例えば2ページの下から4行目で、機能性表示食品の目的は、消費者の商品の正しい情報を得て選択できるよう新たに導入した制度であるとあります。この表現はいろいろなところで使われているフレーズで、消費者庁発行のパンフレットでも書いてあるということは承知しているところでありますけれども、やはりこれは先ほど申し上げたように、事業者の方がその責任で情報を届けているものでありまして、正しいか正しくないかは事業者の方の責任においてその評価の中で決めていることでありますので、これは消費者にとって「商品の正しい情報」というよりも「事業者の方が提供された情報」に基づいて選択できるというのが本来ではないのかなと思っております。これは意見であり、特に表現を変えろということではありません。これがこれまでも使われていることは理解しております。

○寺本座長 心というか、内容的にはそういうことになるので、あくまでも事業者がこういう評価をして、それを届け出て、届け出を認めているというだけですので、国がそれを正しい情報だというようにして評価しているわけではないということです。

ほかはよろしいですか。

どうぞ。

○迫委員 3から4カ所、細かいところで恐縮です。

まず1ページのところでございます。保健機能食品の1行目、国の制度に基づき健康食品表示、これは違うのではないかと思われます。修正されていますか。ごめんなさい、失礼しました。私、手元のほうを見ていました。

では、ほかのところも同様かもしれませんが、6ページの下から3つ目のパラグラフです。企業の自己認証で健康強調表示を行うことができるようになった。機能性表示食品制度はそうではなくて、企業の届け出により機能表示をできるようになった。健康強調表示となりますと疾病リスク軽減表示も含まれますので、ここは書き過ぎではないかと思っております。届け出により、機能表示を行うことができるようになったと直すべきではないかと思います。

次のページ、申しわけない、これもたわいもないことなのですが、一番上の消費者委員会では「特保等の在り方に関する専門調査会」を設置し、検討を行った。ここは「特保等」になっていて、下はきちっと「特定保健用食品等」のと。会議の名称でございますので、きちっと書くべきではないかと思いました。

以上です。

○寺本座長 これは文言として、企業の自己認証で健康強調表示を行うことができるようになったという文言はもともとどうでしたか。

○事務局 どこから持ってきたというものではないので、「機能表示」というように変えさせていただきます。

○寺本座長 それならいいですね。

どうぞ。

○迫委員 今の関連で、基準があって、それを自己認証でやっていけるのは栄養機能食品であって、機能性表示食品はあくまでも届け出という形になりますので、そこもあわせてお願いいたします。

○寺本座長 そこのところはよろしいですね。届け出、要するに事業者がそれを検討して、それを届けるということですね。

○事務局 所管をする消費者庁に確認をして、正しく直します。

○寺本座長 わかりました。では、それを御検討いただいておくということでよろしいですか。

ほかはいかがでございましょうか。

それでは、膨大でありますので、その次に移ってよろしゅうございますか。

続きまして「第2 検討内容」についてであります。かなりのページ数がありますので、まずは9から19ページまでの表示・広告について、現状の確認について、まず御意見を伺いたいと思いますが、これはいかがでございましょうか。

どうぞ。

○矢吹委員 一部、21ページも入るかもしれませんが、この報告書のアンケート結果等全般につきまして、まず前回も少しコメントしたのですが、質問等が回答を誘導するようなものもあったりして、その評価について一面的で断定的な表現の内容もあるために、少し見直しを行ってはどうかと思います。

まず幾つか例を挙げますが、9ページの1の特保の枠内の記述の中で、消費者は制度を理解した上で特保を適切に利用しているか。制度を理解していない人も多く、また適切に利用していない人が非常に多いと書いてあるのですが、このアンケートでは使用方法に従っているという回答が3割以上、31%あるということで、多いですが非常にというのは強調し過ぎかなと思います。

10ページの3から10行目のところですが、ここで特保は12週程度の摂取期間を設けたヒトの試験で効果の検証を行っており、ある程度継続してということで、どのような利用方法で効果が期待できると認識しているかを聞いたところ、同じ製品を数週間にわたり毎日摂取すれば効果が期待できると認識している人は全体の3割。特保をどのような方法で摂取すれば効果が期待できるかの理解が進んでおらず云々という記述があるのですが、これは一面的な解釈で正確性に欠けるのではないかと思います。

理由としましては、皆さんご存知のように特保の許可の保健の用途には1回で、すなわち単回で摂取して効果が確認された食後の血中中性脂肪、食後の血糖値という保健の用途の製品が250品目ぐらいあります。そのほかに、また摂取期間が、通知にも出ていますけれども、2週間以上という期間で評価されるおなかの調子の保健の用途の品目も400品目以上あるという状況になっています。その他、歯などについても12週間の評価を行っていない例もかなり多いというような状況の中で、効果の評価に12週間が必要な品目というのは、ざっと計算すると300から400品目ぐらいと思われます。ですから、そういう意味で特保は連続して3カ月間必ずとる必要もないし、ある意味では先ほど言った特に単回の摂取で効果があるものについては、適宜とってももちろん効果がありますし、違う製品を同じ用途の中で使うということでも効果が出るので、そういう意味では、この認識というのは少しおかしいのではないかと思います。

19ページから外れますが、それに関連するところで21ページの6から11行目のところに、先ほどの記述に関連しまして、特保は「いわゆる健康食品」と異なり云々で、同一の製品を継続的に毎日摂取し、初めて効果が「期待できる」製品群である。医薬品のような強い効果が摂取者にあらわれることや、一度利用しただけで一定の効果が得られることを証明している製品はないと書いてあるのですが、先ほど言いましたように、単回投与で確認をして許可しているものが現実にありますので、これについては削除するなり何なりということが必要かと思います。

あと同じ21ページのアンケートの関連で言いますと、マル2の2から3行目のところに、高い効果が期待できるといった誤認を消費者にさせていることが明らかとなったというようにかなり断定的な表現が使われているのですが、今回のアンケートの結果でここまで断定できるデータはないのではないかというように私は感じたものですから、その表現を懸念される、もしくは可能性があるというようにしたほうがいいのではないかと思います。

以上です。

○寺本座長 わかりました。これは先ほどお話にございましたように、こういったデータがあるということで一つの例として挙げられている。そこからそれだけ断定的なことを言っていいのかというようなことだろうと思いますが、この点に関していかがでしょうか。

梅垣委員、どうぞ。

○梅垣座長代理 私も同じように感じました。毎日ずっと利用しなければいけないと思われると誤解かなと思うのです。すでにこの専門調査会でも私はお話をしましたが、特保は生活習慣の改善に使うものであって、毎日使わなくても生活習慣の改善につながればいいわけです。そのデータはこの専門調査会でお話ししています。私の所属する研究所で実施したデータもお示したことがあると思うのです。ここで毎日とらなければいけない、表示に書いてあるとおりに使わなければいけないというように報告書に書いてしまうと、逆に問題になってくるような気がします。

というのは、特保を3カ月とってどれだけの効果があるかというと、統計的に有意差はあるけれども、実質的にものすごく効果があがるわけではないのです。実質的に効果が出てくるというのは、生活習慣を改善するという取り組みによってです。そこにつながるような報告書の表現にしないと、特保は毎日3カ月間ずっととらなければいけないというように誤認される可能性がある。まずそこのところは注意したほうがいいと思います。データはデータでいいのですけれども、その解釈のところが重要だと思います。

26ページのところですが、これも特保をとっていて実感している人は継続利用しているというのは、実はよい効果があるから継続しているのか、継続利用しているから実感しているのか、どちらかというのははっきりしないのです。基本的に特保の制度というのは生活習慣の改善に使うということを前提にして考えたほうが、出された報告書の誤解は招かないのではないかなと思いました。

○寺本座長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

○迫委員 冒頭で申し上げましたように、全体が特保はいけないものだというような印象になるというのは、まさに矢吹委員が説明された、断定的にいけないという表現がされていることによってそういう印象をもたらしているのではないかというように思いました。言えないことは言えないというようにきちっと書くべきだと思います。

以上です。

○寺本座長 ほかはよろしいですか。

宗林理事、どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 幾つかのグラフをピックアップして記載がされているので、あわせるとそういうイメージになるのだと思うのですが、一方、例えば表示はあまり見られていない。それは特保が問題であるということよりも、もっと特保をよくうまく使っていくためにどうしていこうかという観点で取りまとめをしていけば良いのではないかと思います。摂取方法等見られていないとか、いろいろな使い方があったよということを表に出していくということをすれば、まだまだうまく利用する余地があるのではないか、では対応はどうしていこうというような流れの書き方に数字の使い方を変えればよろしいのではないかというように思います。

○寺本座長 恐らく使い方をしっかりと理解して使っていない実態があるということに近いのだと思うのです。こういう状況で効果があると示されたのであってというようなところがよく理解されていないために、実際の適当に使っている方もいらっしゃるということだと思うのです。ですから、その辺のところを少し整理していただいたほうがよろしいかと思います。

ほかはいかがですか。

先生、どうぞ。

○梅垣座長代理 全体的な印象です。例えば表示に関しては、特保とそれ以外とどう違うのかというところで、特保は表示に関してはそれなりに、運用できているというのが実はこの専門調査会でも認識されているわけですね。だから、そういう面では特保はいいのだというのをきっちり書いて、それは「いわゆる健康食品」とは違うということも書く必要がある。

それは表示の問題です。もう一つは、使い方の問題で、消費者側の要因として、しっかり表示を見ていないこと。だから、もっと表示を見るようにしましょうという流れ、全体的な枠組みにすると、もう少し理解がしやすいです。特保はだめだというような印象を受けてしまうのは良くない。表示がちゃんとなされていても読んでいない人もいる、ではどう対応するべきかという結論にしていったほうがわかりやすいのかなと思いました。全体的にはそういう方向で検討してはどうかと思いました。

○寺本座長 わかりました。

野々山委員、どうぞ。

○野々山委員 「いわゆる健康食品」に非常に大きな問題があることはそのとおりであると思いますけれども、特保にも広告やコマーシャルなど、いろいろなところの表示では問題点もあるわけで、これも指摘されていることですので、そこはきちんと指摘する必要があると思っています。

○寺本座長 恐らくかなり問題点が違うのだろうと思うのです。「いわゆる健康食品」という問題の捉え方と、特保に求めていることに対しての問題点とがあって、あくまでも特保というのは機能とか、そういったものをきちっと科学的検証でやっているということに対して、国民がそれだけの信頼を寄せてやっているので、その信頼を裏切らないようにするということがものすごく重要なので、そういうような方向に持っていくということはすごく重要なのかなと思うのです。

ですから、使い方とか実際の量であるとか、そういったものをある程度知った上で、それをどう使うかというのは消費者の問題にも多少なってくるとは思うのですけれども、そういったようなことが表示の上できちっとしておけばいいのかなという気もしております。

いかがでしょうか。

どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 特保の表示・広告に関しては言い切り型とかキャッチフレーズの使い方とかという問題はあるので、問題の質は「いわゆる健康食品」とは全然違うところにはあるのですけれども、特保も全体像を消費者が読み取れて、それをきちんと理解するような表示・広告をどういうようにするのかという問題も残されているので、そこを明らかに一応書いた上で対応をどうしていくのかということだと思います。ただ、問題の本質的なところは「いわゆる健康食品」とは全く違うということだと思います。

○寺本座長 わかりました。

○矢吹委員 後でまた少し提案をさせていただこうと思っていたのですが、そういう意味では、先ほどの27ページのあたりに表示・広告の適正化と特保の正しい利用推進という項目がありますけれども、そういう中で、そういうキャッチコピーも含めて許可表示のあり方について、本当にどういうものがいいのかというのを事業者も入ったような形で、検討会なり何なりを開いて検討していったらどうかというのを提案しようかとは思っております。

○寺本座長 もう一つ先の段階のことですね。わかりました。

どうぞ。

○梅垣座長代理 いわゆる健康食品との違いというのは、要するに許可表示で、特保の枠の中に書いてある表示、枠の外に書いてある表示、それを分けていかないといけないです。問題になっているのは、要するに枠の外に飛び出しているキャッチコピーとかキャッチフレーズ、あとは宣伝広告のところ、そこが問題であって、本来の枠の中に書いてあるのはしっかり許可審査で見ているわけです。そこを区別しないと、全部一緒にしていくと特保は変なものだとなります。確かにキャッチコピーとか広告のところはかなり問題になるのもあるというように私も思います。ただ、本来の表示のところは問題がないというように私は認識しているので、そこをきっちり区分けすれば、いわゆる健康食品との違いが明確に出てくると思います。

○寺本座長 どうぞ。

○矢吹委員 おっしゃるところはもちろんそのとおりなのですけれども、ある意味では、特保の場合には、この前も出ていましたように、血圧が気になるとか、体脂肪が気になると、一般の人が気になる人というのはどういう話なのかというように思われる曖昧さというのはあるかなと思うのです。ですから、そういう意味で一般の人に伝わって、しかも科学的にある程度正しい表現としてはどうなのかというのは検討したらどうかとは考えます。

○寺本座長 でも、許可表示は許可表示なのですね。ですから、そこを逸脱されては話にならないので、我々も検討しているときにいつも思うのですが、許可表示というものを認めているのであって、それ以外のことを認めて特保としているわけではないので、そこはきっちりとしておかないと、逆に言うと、特保もまた非常におかしなところに行ってしまうので。

国がある程度、検討して認めているというのはあくまでもあの中に書かれているものだけなわけですね。もちろん、作用機序とかそういったこともちゃんと考慮した上で決めているのですけれども、でも、許可表示でそうなっているわけですから、そこをかなり逸脱してはまずいと思います。

○矢吹委員 私が言いたいのは、逸脱するというよりは、許可表示の文言が少しわかりにくいところもあるので、この前、事例、数字自身がいいかどうかという議論もありますけれども、わかりやすい表現を考えていくことも検討していったらどうかというように考えているということです。

○寺本座長 それは表示の問題というよりは教育の問題とか、そういうことをおっしゃっているのですね。表示というのはあくまでも表示なので、余りそこで認められたもの以外のところというのを書くと最初からもう一回議論させてもらわなければいけない。

○矢吹委員 もちろん、決まったものについては、そういう形が当然だと思います。

○寺本座長 唯根委員、どうぞ。

○唯根委員 今の許可表示のところなのですが、消費者側は書かれていることを知らなかったとか、確認したこともないというところを合わせると、やはり半分の人がちゃんとまだ見ていないというところは、梅垣委員がおっしゃる前提がまだ消費者に見られていない、まして先ほど事務局から御紹介いただいたように、自販機などは許可表示の部分も見られないわけですから、そこもきちっと言っていただいた上での理解があるかというところはきちんと言っていただきたいなと思います。

○寺本座長 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 私も梅垣委員と同じでございまして、要は例えば14ページのところなども○が3つある中の3番目の「健康増進・食生活改善」という特保の本来の目的。この表示や広告でもっとわかりやすく表現すべきではないかというところで、確かにわかりやすく表現することはとても大事なことだと思うのですけれども、他方、意識調査で表示の許可を確認していない人が多いということですから、一生懸命いろいろなことを書いても消費者に読んでもらわないと全く意味がないわけで、ここは広告表示の問題というよりは、消費者の方に表示許可をしっかり読んでもらおうという教育をしなければいけないのかな。そこが一番最初なのかなというようにここのところは思いました。

○寺本座長 これは教育の問題と表示自身もそれに沿った形で動いていないと、幾ら教育しても表示がずっとそうなっているとまたそこにどんどん流れていってしまうので、そこはもう一ステップあるのだろうと思うのです。

いかがでございましょうか。今のところは19ページまでですね。

どうぞ。

○迫委員 19ページの相談というところですが、健康食品、これは消費者庁さんの説明の中にあった言葉かもしれないのですが、現場で相談を受けていた立場としては、常に受け付けているというわけではなくて、健康食品の広告等に関しては、相談があったときは受け付けているというやわらかい形にしていただいたほうがありがたいかなというように思いました。

○寺本座長 わかりました。

どうぞ。

○野々山委員 意見ではなくて質問なのですが、16ページの※2ですけれども、「基本的には、朝、昼、晩、毎日3食摂っている」と回答した者のうち「朝食を摂るようにしている」と回答しなかった2,484人を「朝食を摂るようにしている」として集計というのがよく判りません。「朝食をとるようにしている」を回答しなかったという人はとっていないと集計するならわかるのですけれども、逆に「朝食を摂るようにしている」と回答しなかった人を「朝食を摂るようにしている」と集計しているというのは日本語としてよくわからないのですが、どういう趣旨なのか。

○寺本座長 これはどういう意味ですか。

どうぞ。

○事務局 一番上の「基本的には、朝、昼、晩、毎日3食摂っている」に丸をつけた方のうちで、一旦3食とっていると回答しているのですけれども、その下は何も印をつけていない方がおいでになりまして、3食とっているということは朝食をとるようにしているということだろうと推定をして、そこに補足データを入れました。上で書いたからいいだろうということで印をつけなかった方がおいでなのではないかというように推測しました。

○寺本座長 一応3食とっているのだから当然だろうということですね。

それでは、今度は20ページから25ページの表示・広告に求められる取り組みについてということでお話を伺いたいと思います。いかがでございましょうか。

どうぞ。

○矢吹委員 23ページのところに自主基準の強化という中で、その状況を改善するために公正競争規約を設けるという表現がありますけれども、基本的には公正競争規約については、ここの場の議論では出ていなかったと思います。適正自主基準に抵触した広告のフォローという話が出ていましたので、そのフォロー体制を充実させる等の取り組みが特保を製造する業者等で行われることが望ましいとか、そういうような表現にしたほうがいいのかなと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○事務局 事務局といたしまして、ここに公正競争規約という言葉を入れたのは、野々山委員から日健栄協さんの自主基準について御説明があった後に、それでも今まだ遵守されていない状況があるので、もっと自主基準について強化すべきではないですかという御意見が出ておりました。それを行政上の何か手続に当てはまるとすればこういうことなのかなということですので、ここについて違うということであれば削除させていただきますが、御議論いただければと思います。

○寺本座長 このあたり、いかがですか。

野々山委員、どうぞ。

○野々山委員 事務局の方がおっしゃった趣旨で結構かと思っております。

○寺本座長 ほかにこの件に関してよろしいですか。自主基準というのはかなり重要な部分なのですけれども、なかなかそれだけでうまくいかない部分もあるのではないかというのが大きな議論の一つになっておりますので、それがもう少しきちっと働くような形があれば理想的なわけでありますので、そこをうまくいく工夫というのは必要だろうと思います。

どうぞ。

○迫委員 20ページから順番に文言についてで申しわけないのですが、20ページ以降、例えば健康増進法に関する見直しというところで「取り締まり」という言葉が使われているのですが、行政の中で健康増進法も食品衛生法、薬事法等も含めて「監視指導」という言葉をおおむね使っておりますので、「取り締まり」という言葉に関しては非常に違和感を覚えたというところで御検討いただきたいと思います。

21ページの健康増進法第31条の「著しい」の具体例を示すというところ、「更に、地方自治体による取り締まりにおいて」というパラグラフのところですが、実際には具体例は既に示されていますので、それの充実を求めるという程度の書きぶりのほうがいいのではないかと思われます。

22ページ、自主基準の強化というところの2行目からですが、「健康食品全般を自主基準の対象とすることは不可能である。」、これは本当に不可能なのか。さまざまな関係団体があるわけですので、その中で「いわゆる健康食品」についても自主基準があってしかるべきだろうし、不可能とここで言い切ってしまって本当にいいのかどうかというところが疑問に感じました。

24ページになります。「マル1 食育・消費者教育を通じた青少年向けの取組」というところの中で、4から5行目「特保をはじめとする保健機能食品の違いや使い方に関する留意事項、また、健康食品全般の正しい取り方」となっているのですが、前段に保健機能食品の留意事項を触れておりますので、後段の「また」以降は「いわゆる健康食品の利用や過剰摂取に関するリスクについて」というように修文していただければ両者が並列で並ぶのではないかと思われます。

マル2ですが、高齢者の教育の問題ではテレビだけが問題ではなくて、雑誌や新聞等の問題もあるかと思いますので、テレビ等を通じたという「等」を入れていただいたらどうか。

下のほうになりますが、2つ目のブロック、テレビで頻繁に放映される健康食品に関するという、ここにテレビや雑誌、新聞等というように並列で並べていただくなり、一番最後のところで周知活動について触れてらっしゃるのですが、ここでは上の青少年向けの内容と同じように特保を初めとする保健機能食品の違いやという、そこの文章をそのまま高齢者に対してもそういう基本的な教育、その前に賢い食の選択のそこからかもしれませんけれども、その辺を全部再度入れるべきではないかと思いました。

以上です。

○寺本座長 どうもありがとうございました。

ただいまいただいた御意見ですが、事務局、今の話はいかがですか。

○事務局 御指示いただければ修文いたします。

○寺本座長 そのほか20から25ページまでに関して、実はここはなかなか難しい部分もあるのですけれども、どうぞ。

○野々山委員 先ほども御指摘がありましたけれども、21ページの上から2つ目のパラグラフ「更に」のところで「著しい」ということの具体例を示す、それをもっと充実させるということですが、私は個人的にはこれでは不十分で、健康増進法31条の「著しく」という要件を外すべきではないかというように思っているので、これは以前も意見も述べさせてもらいましたし、御検討いただければと思います。

広告規制に関しては、確かに景表法では「著しく」という文言が入っていますけれども、薬機法では66条も68条も「著しく」という文言は入っていないわけでありまして、特に薬機法は明示的であろうと暗示的であろうと問わずという文言も入っているわけであります。そういう形で誇大広告を禁止しているわけでありまして、健康食品のうち、カプセル状のものなどそういう形状のものはかつて薬品と考えたものが、切り出されてきているという経緯もありますし、国民の健康に関するものということからしますと、「著しく」との要件を削除して、事実と異なるもの、誤認させるような表示・広告については禁止するという形でよいのではないかと考えております。

景表法はあらゆる商品を対象としているわけでありますけれども、健康増進法は健康に関するものに項目も限定されているわけでありまして、これら限定された項目を見ても「著しく」との要件を入れる必要性が本当にあるのかという思いがあります。意見としては健康増進法31条の「著しく」の要件を削除するとの記載を入れるという、より積極的な方向性を持ってもいいのではないかと考えております。

○寺本座長 すみません、聞き間違えたのかもしれないですが、著しい具体例を示すなどという「著しい」をとるべきだということですか。

○野々山委員 健康増進法31条の「著しく」をとるとの意見です。

○寺本座長 これは、でも健康増進法の文言ですね。

○野々山委員 そうです。法改正をしていくべきだという意見です。

○寺本座長 どうぞ。

○消費者委員会阿久澤委員 私もそのように思います。この「著しく」があるので曖昧かつ判断に困るというように思います。

○寺本座長 ただ、ここで議論するのは、そこまで踏み込むというのはなかなか難しいので、そういう御意見として、それが1つの要因になっているということで理解させていただいていいですか。

どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 ここの消費者教育とか啓発活動というのはもちろんいいことですが、どうやったら実効性が担保できるのかということがありまして、例えばテレビコマーシャルなどでもというような言葉や製造者の自主基準という言葉がありますが、その他宣伝の媒体であるとか、そういったところを含めて何らか最後、消費者へ届く情報になるところまでの間に、製造者については自主基準が書いてあります。そして、その流通とか広告を出すところについても何らか少し書き込めるか、あるいは事業者ないしは行政の指導他、具体的でないと結局書いてもこれをどうやって実行していくのかなというところが弱い感じが致します。さまざまな方面で頑張ろうと思っている人も多いかと思いますが、統一的にもう少し大きな動きになるといいなと思うので、製造者、そして流通とか広告を出すネットであるとか、あるいはテレビの番組であるとか、そういったところに対しての働きかけというのが何か書き込めるといいなと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○事務局 確認なのですが、24ページのマル3で啓発という形では入れさせていただいておりますけれども、これを規制という意味でおっしゃられているのかを確認させてください。

○国民生活センター宗林理事 これで一般論としてはいいのですが、これを誰がといいますか、行政も働きかけるのか、あるいは事業者が自分のところのものを出すときにやっていくのか。多少事業者及び行政はとか、そういうような誰がどういうようにしてこれをやっていくのか、啓発をしていくのかというところがないときっとこのまま文章だけになるかなと思うので、少し主語が入ると明確になるかなと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○事務局 このマル1、マル2、マル3に関しましては、(5)の消費者等の周知というところの具体例として挙げておりまして、ここで国はさまざまな方向でということを入れておりましたので、国に求める内容ということで書いたつもりでおりました。それぞれについてマル1、マル2で国は、国はと書いたほうがわかりやすいということであれば修文させていただきます。

○寺本座長 私もこれはあくまでも国というか省庁、消費者庁なり何なりに対する建議という形で出すので、結局基本的には書いている、べきであるとか必要であるというように訴えている対象者はそうだということになるので、そこにしてほしいという形になると思うのです。

○国民生活センター宗林理事 わかりました。

○寺本座長 私も非常に難しい問題だと思っているのです。マル1の食育とかそういったものはすごく重要だと思っていて、もし、これを本気でやるとなると文科まで話が行くわけです。それができるかどうかとかそういった問題もあるので、あくまでもこれは我々の議論として、こういったことがあるべきであるという形に話を持っていって、ある程度そこはもんでいただくということになるかと私も思っております。この辺は消費者庁のほうではいかがですか。こういうものを受けられたとして、どういう対応になりますでしょうか。

○消費者庁三上食品表示対策室長 食品表示対策室の三上でございます。

本日はお招きいただきまして、ありがとうございました。こうした周知活動というのは私ども監視の立場で言えば、監視と事業者の皆さん方への法律の周知、それと消費者の皆さん方、そういったものが両輪で3つが輪になってやるものだろうとは思っております。しかしながら、私ども食品表示対策室は監視が主たる目的の部署でございますので、監視の分野でできる範囲というものは非常に限定的にならざるを得ないところがあります。

しかしながら、そういう面ではありますけれども、この前、御紹介させていただいたように、ああいうパンフレットをつくりまして、それを周知するということは続けておりますし、事業者の皆さん方にもそういったことを適正表示していただくということをいろいろな立場で出させていただいておるところでございます。しかしながら、それだけではここに書かれているものは全てできるかどうかというのはちょっと難しいという感じはいたしまして、どのような形で実効性あるものとしていくかということになるのかと思っております。

加えて申し上げれば、梅垣先生のところでもこういった健康食品に関して周知活動をやられておりますし、東京都でも同じような形でやっておられるのだろうと思いますし、そういったところをやっておるというのは事実でございまして、今よりさらにということになりますと、どういった取組があるのかというのは具体的に御議論いただいたほうがいいのかなという感じがいたしました。

ここに例えばCSとかBSとかと書かれておるわけなのですが、なかなかこういった枠というのも結構それはそれなりに言うはやすく行うはがたしというようなところがありまして、私ども、特保の適正利用ということで政府広報を結構試みてはいるのですが、なかなか枠的には厳しいという現状もあるのも事実でございます。

○寺本座長 確かにこれは難しい問題で、この議論というのは啓発とか教育というものがあるべきであると言っても、実際に実効を持たせるにはどうしたらいいのかというのはなかなか頭の痛い問題だと思うのですが、でも、私は基本的にこういったところのいろいろな委員会などで、こういったことを言っていくことによって、国自体の考え方というのも変わっていかなければいけないのだろうと思うのです。そうしないと国民の健康が本当に守られないという事態が起こりかねないので、そのところは御理解していただいて、言い続けるしかないのかなというところがあります。よろしくお願いします。

吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 今のその話に関連してなのですけれども、このところのいわゆる事業者の広告を打つ側の人の啓発ということでこのお話をさせていただいたのは、もちろん消費者の方にも広告表示の読み方というのを勉強していただくのも確かにそれは必要だと思うのですが、現実問題、なかなかそれは非常に難しいというところがありまして、私たちのほうに入ってくる「いわゆる健康食品」などの苦情でも、実態は先月もお話しさせていただきましたが、いわゆるネットで事業を始める人たちはパソコン1台で事業を始められるところからスタートしているので、薬機法も景表法も健増法の理解もないという人たちが広告表示を行って指摘をされて初めてびっくりするという広告主も多数いらっしゃる現実があるので、そういったところは我々のような業界団体もしくは行政の方たちがこういった啓発活動を地道にやっていくしかないのかなと認識しておりまして、現実には東京都さんなどが景品表示法のコンプライアンス研修みたいなものをやれば定員がオーバーするぐらい集まることもあるわけですから、当然キャパの問題とかいろいろ費用とか、皆さんの業務の問題もあるとは思うのですけれども、事業者にとって需要があるならば継続的にやっていくべきことなのかなと感じております。

○野々山委員 違う話でもよろしいですか。

○寺本座長 どうぞ。

○野々山委員 今の啓発にも関連するのですけれども、22ページのマル3というところで監視機能を行政だけではなくて民間でもやっていく。その手段として行政手続法があるということです。それから食品表示法でも申出制度ということがあるわけでありますけれども、これは消費者だけではなくて医師の方とか栄養士の方とか、そういう方が活用するということがありますので、この存在、専門家に対してもう少し啓発していく必要があるのではないか。

もう一つは、いろいろな消費者問題の苦情が消費者ホットライン、「188」に寄せられるシステムになっていますので、消費者はこういう健康食品に関するものについての苦情もこのホットラインに出せると思うのです。健康食品に関する苦情や情報もここに出せるのだということをあわせて啓発をしていけば、監視機能にもつながっていくということで、24ページのマル4でそれを入れていただくといいかなと考えております。

もう一つ、少しくどいようですが、21ページの先ほどの「著しい」ですが、健康増進法の改正だからこの専門調査会で意見を出せないということでは全くないと思います。むしろそういう意見を言うことこそがこの専門調査会の役割だと私は思いますので、例えばこの末尾に検討の必要があるということで、またこの健康増進法第31条の「著しく」の要件の要否についてもさらに今後検討する必要があるとか、検討するという意見があったとか、そのようなことでも書いていただきたいと私は思っております。

○寺本座長 このマル1で健康増進法に関する見直しという表現がございますので、健康増進法自体に対してもある程度物を申すというような表現になっているわけですから、そういうようなことも入れていただいてもよろしいかな。非常に切り込んだ形で言っているのは、マル1の健康増進法に関する見直しのパラグラフの2番目、不実証広告規制です。これに関しても恐らく今の健増法ではこういったものがなかなかしにくいような状態だと思うので、それを導入すべきであるというような形で踏み込んでいるわけでございますので、この辺に関しては、消費者庁はどうでしょうか。

○消費者庁三上食品表示対策室長 本日、資料を後ろにつけさせていただいておりますので、健康増進法と景品表示法の法体系の違いについて、御説明させていただきたいと思っております。あと、これに関して過去に検討された経緯等もあるということがわかりましたものですから、それについてあわせて御説明させていただきたいと思います。

まず、健康増進法でございます。参考資料2をごらんいただきたいと思います。

本報告書には書かれておりませんが、景品表示法の第4条の第1項の不当表示の関係と健康増進法の31条の第1項に関する誇大広告の取締りについては、これまで御説明させていただきましたように、私ども食品表示対策室というものを表示対策課の中に設けまして、25年7月以降、一体的な運用をしているところでございます。もともと健康増進法は、こちらにおられます食品表示企画課が所掌しておりました。他方、景品表示法のほうは表示対策課のほうで所掌していたということでございますが、消費者委員会からの建議も踏まえて、両法を使えるような組織ということで食品表示対策室をつくったというのが過去の経緯でございます。そういった室をつくったということは、一体的な法の運用をするというようなところでスタートしてございます。

実際的な法文の内容を読んでいただきたいのでございますが、景品表示法の不当表示と健康増進法の誇大表示につきましては、今ほどお話がありましたように、著しく事実と相違する表示または著しく人を誤認させるような表示であるとか、景品表示法のほうでは著しく優良であると示し、また事実と相違しということで、著しいという考え方がほぼ同じような法文になっておるというようなところでございます。

しかしながら、両法に違反する事実が認められた場合、行政庁の裁量が大きいという観点がございまして、それは次のページの措置規定というところをごらんいただきたいと思うのでございますが、措置規定のところで第4条1項の規定に違反する行為が認められた場合には景品表示法では措置ができることになっております。他方、健康増進法につきましては、国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認められるときは勧告できるということになっておりまして、こちらのほうではそういう2つの条文の違いがございます。したがいまして、行政庁の裁量が多いほうが不当表示を排除できるということではなかろうかと考えているところでございます。

したがいまして、不当表示が生じている場合には、景品表示法の規定に基づいて不当表示を排除するということがまずもって一般的対応の仕方があり、しかしながら、国民の健康、保持増進効果に対する正確な情報の伝達に影響を与えるおそれがあるというときには、健康増進法で勧告という形で行政指導ということになります。こちらの条文は第2項のところに、その勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し命ずることができるとなっておりますので、こちらの第1項のほうは行政指導、他方、景品表示法のほうは次に掲げる事項を命ずることができるというように、こちらのほうは行政処分になっております。そういうような違いがある中で、両法に照らしまして最も適切な対応をとっておるということでございます。

続いて、もう一つの資料を見ていただきたいのでございますが、参考資料3でございます。

これは3月1日に勧告を行ったものでございまして、消費者委員会のほうから本日の資料に入れてはどうかという御提案もあったもので、入れさせていただいたものでございます。

これは「トマト酢生活トマト酢飲料」という特定保健用食品が先ほど申しました国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与えるおそれがあると認められたということで勧告を行ったという事案でございます。したがいまして、このように私どもとすれば、勧告をやっておるということでございまして、実際の法運用の中で景品表示法と一体的に運用しながら、なおかつ今ほどのメルクマールに当たるものについては健康増進法を適用するというような体制をとっておりますので、現時点で法執行上支障が出ているというようなことではないと理解しているところでございます。

続いて、あともう一つ、不実証広告規制の話でございますが、不実証広告規制というのは景品表示法に入れられたわけなのですが、この景品表示法に入れられる前の状況でございます。都道府県には先ほどお話しましたような指示という行政指導の権限がございました。他方、国には命令という行政処分の権限がございました。それで不実証広告規制を入れる際に国に権限を与えることは適当であるが、都道府県に行政指導である指示というものに権限を与えるのは適当ではなかろうということで、命令のところに不実証広告規制が入ったとなっておるところでございます。

というようなことでございますので、健康増進法には行政指導という特色があるものでございますので、これに不実証広告規制を入れるというのは法令の中で非常に難しいのではなかろうかなというように考えておるところでございます。

以上でございます。

○寺本座長 実際には幾つかの問題点があって、実際にNews Releaseにもあるようなことが起こっているわけで、こういったものがこれから起こらないようにするということもこれから重要であって、それが起こらないようにするための方法として、この専門調査会として、こういった提言をしていくということになりますけれども、これはよろしいですか。

野々山委員、どうぞ。

○野々山委員 私は、当然不実証広告制度の実現は報告書に入れるべきだと考えております。第2回の専門調査会のときに、従前の景品表示法と健康増進法でのそれぞれの各規定、誇大広告表示の禁止の規定の運用状況について消費者庁にお聞きしたときには、景表法では不実証広告制度の規定があり、これを活用した規制の事実、処分の事実が幾つかあるけれども、健康増進法ではほとんどないということが述べられていました。今回健康増進法による勧告がありましたが、報道では特保とかそういう健康食品で初めてだとお聞きしています。その理由はどうしてかというと、第2回の議事録にありますように、表示対策室の方が、「私が今、所管しております法律には、先ほど御説明させていただいたように、健康増進法以外に景品表示法という法律もございます。景品表示法には不実証広告規制という表示についての根拠を確認するというやり方がございます。このやり方を使いますと非常に調査がスムーズに行くような特色がございますので、それぞれの法律の特色を生かしながら効果的な監視をやっているのが実態かと思っていますということです。」と。いうお話がありまして、不実証広告規制がないということが健康増進法の誇大広告の禁止の規制を行えない、実際起こってこなかった1つの大きな原因であるというように考えられるわけであります。健康増進法の誇大表示の禁止というのは健康食品というか国民の健康に関して特にこれは規定されたものでありまして、これもきちんと運用されるべきだと思っております。それについて不実証広告規制があるのであればより効果的になるということが1点であります。

一般的に言えば、行政指導のほうが行政処分より多く出されるべきで、健康食品の不当・誇大表示については行政処分の方が多く、行政指導がより少ないというのはおかしいと思われます。しかも、その行政指導そのものがほとんどないという実態はいびつだと思っております。行政指導には不実証広告規制が入れられない、命令など行政処分でないと入れられないということがなぜなのかはよくわかりませんが、もしそうであるならば、健康増進法を一定の命令ができるような形に法改正していけばそれは済むことではないかと思います。ただ、健康増進法を見ても効果としては32条のほうで、勧告に違反すれば勧告に係る措置を命ずることができるということで命令もできるわけでありまして、その措置はいわゆる直罰的ではなく、ワンクッションありますが、行政諸部規定もあるわけですから、不実証広告規制もできてしかるべきではないかというように思われます。また、直罰的な命令をできるような法改正をしていけばいい。健康食品の適正な表示・広告の実現のためには、むしろ両方法規できちんと対応できるような、そういうものにしていくべきだと思っております。

何よりも「いわゆる健康食品」というものをいかに駆逐していくかということが大事です。これがなにより重要な課題であると私は思っておりますので、健康増進法への不実証広告規制の導入はその一つの重要なツールではないかと考えております。

○寺本座長 三上室長、どうぞ。

○消費者庁三上食品表示対策室長 御指摘ありがとうございました。

不実証広告規制はみなし規定というものになっておるところでございます。根拠資料を出すよう私どもから命じます。その結果、その根拠資料が根拠たらないという資料が出された場合であるとか、資料が出されなかった場合であるとか、そのいずれの場合でも根拠たらないという状況になったときには、優良誤認とみなすという規定になっておるところでございます。したがいまして、ここのところでは強い権限を有しておるということになっておりまして、行政指導でもってそういった権限を有していいのかといったことが論点としてあったということだろうと考えております。他方、行政処分であります命令につきましては、そういったところがしっかり対応しながらやっていかなければいけないというようなところで、命令には不実証広告規制として入れているというような整理になっておると理解しておるところでございます。

他方、行政指導と行政処分の差でございますが、法に掲げます行政指導というのは、速やかに行うことができるというのが1つの特色になっております。他方、行政処分というのは一定の期間が経過してもそこは必要なこと、必要な手順を踏む必要があるというようなところでございまして、健康増進法で目的にいたしております国民の健康保持増進及び国民の正確な情報の伝達に重大な影響を与えるといった場合に、そうしたスピーディーさということがまずもって求められるということが必要なのではなかろうかと考えております。

○寺本座長 どうぞ。

○野々山委員 スピーディーさということで定められたこの勧告が実際にはほとんど機能してこなかった。今回できましたけれどもね。これはよかったと思いますけれども、今後もしかるべくスピーディーに対応していくためには、不実証広告の制度があったほうがよりスピーディーになるのではないかと私は思います。

もう一つは、行政指導をスムーズに行うために実証してくださいと、あなたが表示しているものの内容について実証してくださいということがなぜできないか、私はまだよくわかりません。強烈な権限で措置をするから不実証広告規制ができますよということなのですか。行政指導の一つの手段として不実証広告制度を導入することは別に矛盾はしないように思います。

○寺本座長 どうぞ。

○唯根委員 私も今の野々山先生の意見に合せての感想ですが、参考資料の勧告ですけれども、これがスピーディーにやられたというような印象を私は持てないのです。なぜかというと、この表示期間は9月から11月で今は3月ですから、簡単に言えば最初に広告を見て購入して飲んでしまった消費者の方々がたくさんいて、その方たちがもう既に忘れたころにこの勧告があって、果たして本当にスピーディーなのか。それも特保の製品ですから、これがもっと本当に「いわゆる健康食品」でスピーディーな行政指導と言えるのでしょうかという素朴な疑問を持ってしまったのです。

○寺本座長 恐らくこの辺は、スピーディーにそういうことをするかしないかの問題とは少し違うと思うのです。それは自主規制というものを考えていったときに、そういうものを自主規制がきちっとできるかできないかという仕組みにしていくということは必要なので、きっとそれが一番早いと思うのです。ですから、その辺のところを考えると、その論点で話が行くとあれですが、健康増進法の中にこれが入っていないというものに対して、導入していったほうがうまくいくのではないかというのはここの意見であるということで、一応ここのところの議論をしていても、恐らく実際の法的な問題とか仕組みの問題になってくるので、そこのところはここら辺にしておきたいと思います。一応我々が思っているところはそういうところにあるということで御理解いただければ。

どうぞ。

○消費者庁三上食品表示対策室長 報告書の22ページのところに、申出制度の導入をすべきであるというようなことが書かれておるわけでございますが、まず御理解いただきたいところですが、健康食品につきましては、私どもで景品表示法や健康増進法を用いて指導監督をしているというもののほかに、特商法でもって健康食品を餌にしてというようなものについても取り締まりを行っているというようなところでございまして、そういったことについては特商法の立場で十分な今までも取り締まりをやっているということを周知しているところでございます。

他方、申出制度でございますが、申出制度の結果のアウトプットの話でございます。普通に行政に情報提供いただく場合、申出制度を使って行政に情報提供いただく場合の運用には全く差がない状況でございます。したがいまして、こうした制度そのものについて入れなければいけないかというと、なかなかそういった状況でもなかろうかなとも考えているところでございます。

○寺本座長 これは実効的活用ということで、そういうようなものをできるだけ皆さんに知っていただいて実効の方向へ持っていくということでよろしいのかなという感じがしております。

どうぞ。

○消費者庁三上食品表示対策室長 もう一つ、申出制度が入っておりますJAS法が入っておったのでございますが、今、食品表示法という法律なのでございますが、こちらの法律の入れられた趣旨ですが、消費者の選択に資するために申出制度を入れておくということが必要ではなかろうかということで入ったと聞いております。他方、健康増進法の場合は、国民の健康の保持増進ということを行政がみずから行わなければいけないという立場のところでございまして、そういった違いからも御理解いただければと考えているところでございます。

○寺本座長 この辺はよろしいですか。

それでは、時間が大分迫ってきておりますので、25ページから「2.特保の制度・運用について」ということで6項目あるわけです。一応半分に分けたいと思っているので、時間が大分押しておりますので、少しスピーディーに進めたいと思います。

25から32ページ「(1)健康食品全般における特保制度の位置付け」「(2)再審査制・更新制」「(3)検証データの質」の3つの項目について御意見を伺いたいと思います。

いかがでございましょうか。どうぞ。

○原委員 25ページと27ページの「条件付き特保」についての記述がございますが、「条件付き特保」というのは確かに今の特保制度の中で許可件数が極めて少なく、すごく存在が曖昧というのが事実です。25ページの記述を見ますと、機能性表示食品ができたことによって、「条件付き特保」の存在が曖昧になっているというのは、事実関係が違うような印象を私は持ちました。むしろ機能性表示食品が出てきたことによって特保の存在が曖昧になっているというのが事実なのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○寺本座長 これは文章の問題でしょうか。

○原委員 そうです。

○寺本座長 機能性表示食品と特保との関係が何となく曖昧になっている一つの理由として条件つきとかというようなものがあるので、曖昧になっている部分が出てきてしまったということなのだろうと思うのです。この辺のところは書きぶりを少し考えていただいたほうがいいかもしれません。

ほかはよろしゅうございますか。これはなかなか大きな問題で、再審査制・更新制の問題も含まれておりますので、いかがでございましょうか。

どうぞ。

○矢吹委員 比較的細かい話かもしれませんけれども、29ページの下から7行目から3行目にかけて、大豆イソフラボンの例が記載されているのですけれども、ここではこの表現だと、表示許可を得た特保がある中で、日本では有効性があると発表された更年期障害の軽減効果について、アメリカでは有効性がないと云々と、まるで特保のものがアメリカでは否定されたような記述がされています。実際には当然全然保健の機能が違うものなので、骨の健康ですので。ですから、このままの表現だとミスリードを生む事例ではないかなというように思いますので、削除するか、内容を正確に書くか、そういうことをしていただければと思います。

あともう一つ言いますと、29ページの下から3行目のコレステロールの吸収を抑える関与成分を含む特保、これも細かい話なのですが、ここで言うと以前のアンケートのところでは、効果とメカニズムという形でかなり分けて、誘導尋問的に効果として両方がまざっているようなところもあったのですけれども、ここではコレステロールの吸収を抑えるというのはあくまでもメカニズムと捉えれば、本来、効果を書くという意味で、コレステロールを低下させるという表現のほうが適切なのかなというように考えるのです。

○寺本座長 特保からすると、低下させるというよりはメカニズムとしては吸収を抑えるということですね。

○矢吹委員 そうです。ここは効果を書くということではないでしょうか。今までどちらかというと保健の用途の特保というのは、効果を書いた特保なり関与成分というような流れでいろいろ記載されていたかと思うのです。ここで急に関与成分の説明でメカニズムが書かれていることは不自然かと思います。

○寺本座長 これは恐らく関与成分であるがゆえにそういった記載になっていて、そのもの自身、要するに特保という製品のもの自身であれば、こういう書きぶりにはならないのではないかと思うのです。要するに科学的事実がこの間にいろいろと変わっているということの実証、こういったことがありますよということを言っているわけですね。よろしいですか。

○矢吹委員 はい。

○寺本座長 どうぞ。

○事務局 ここを記述しましたのは、この議論をされたときに科学的根拠というのは、この20年間で届け出をされていないのだからないのではないですかという御議論がございましたので、そうではないですよね、特保の効果に関することではないですけれども、こうやって科学的根拠の一部として呼ばれるものの積み重ねは研究として進んでいますよねということを示したくて例を書いております。ですので、要らないということであれば削除致します。

○寺本座長 どうぞ。

○迫委員 今のところも含めてですが、今、特保、それから機能性表示食品の大豆イソフラボンは骨に対する機能を言っているもので研究の例示が違うということと、もう一つはコレステロールの関係で食事摂取基準2015において摂取基準の設定が行われなかったという、これは研究が進んだからというように書かれていますが、食事摂取基準には「コレステロールの摂取量が低目に抑えられると好ましいと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的な根拠が得られなかった。」と記述されています。それはコレステロールの摂取による疾病のリスクというのは卵を中心にした研究であって、卵を過剰にとったときにどうか。そこの研究では整合性が見られなかったということ。

あともう一つは、総コレステロールが高いと死亡率が上がるかという研究ですが、これは飽和脂肪酸の影響が全く考慮されていないということで妥当な研究とは言えないのではないかということで目標値が設定されなかったようです。ここの書きぶりだと、新しい研究があって目標値の設定ができなかったというように受け取れるものですから、この両者の例示そのものが適切ではないというように思われます。削除したほうがいいのではないかと思います。

○寺本座長 確かに少し誤解を生む内容になるかなということで、基本的にここはあくまでも今までの議論の一つの補強として出ている部分だけですので、削除することは問題ないのかなと思います。

ほかはよろしいですか。

○梅垣座長代理 31ページまででいいですか。

○寺本座長 今は32ページまでです。

どうぞ。

○梅垣座長代理 31ページの「(3)検証データの質」の前の部分ですけれども、上から5行目、そのための手法として、行政みずからが当該製品を収集しというところですが、これは現実的には多分できないと思います。というのは、行政が買い取ってきて試験をしても、実験の対象者が変われば結果は変わるわけです。もしいい効果が出たら行政に証明してもらったというように使われる可能性もあると思います。この部分は書かないほうがいいと思います。

ただ、前段の有効性・安全性について確認を行う必要がある、ここまではいいと思います。その後は行政がやるとすると、ではその資金はどこから提供して、誰がやるかとなっていきます。現実的に特保のヒト試験をやると1,000万以上かかりますので、それをここに書いてしまうと実際にはできないと思います。削除したほうがいいと思います。

○事務局 この文章に関しては、寺本座長と梅垣座長代理から、収去調査についてなぜやらないのだという御意見が随分この専門調査会で出たもので、それを当てはめるとすると、食品分析だけをしてはここのかわりにはならないので、ではそういうことを求められているかと推測をして書いておりますので、そうではないということであれば削除させていただきます。

○寺本座長 どうぞ。

○梅垣座長代理 収去試験は、国がもう一回ヒトの試験をするというのはできないので、保健の用途に関与する成分がしっかり製品に含まれているかどうか、表示どおり入っているか、それが一番行政としてはチェックしやすい試験なのです。それを昔からやっていたわけです。今の問題は、収去試験が実は最近は行われていないということです。収去試験が実施されればチェック機能が入ってきます。そういう意味で、私は収去試験が必要だと言ったのです。

○寺本座長 今の議論ですか。

○迫委員 今の関係です。

○寺本座長 では、どうぞ。

○迫委員 ここのところは事業者が本来行うべきものが行政みずからというのは問題である。もう一点は、30ページの項目のところなのですが、マル2で更新制にかわる取り組みとしての収去検査という標題があります。これは収去検査の位置づけが全く違うことになりますので「更新制に代わる取組としての」という、そこの文字列は削除していただきたいと思います。

○寺本座長 事務局、どうぞ。

○事務局 今、梅垣座長代理から話のあった収去調査の件ですが、安全性の確認というのは品質管理というものでできるのだと思うのですが、そうすると特保の再審査制との絡みがよくわからないのですが、ここについて再審査制、確認をするということはちゃんと機能しているということを確認しますとすべきということは書くということで理解したのですが、そこでとどめてよろしいということでしょうか。要するに更新制のかわりについての御議論を書くことは今のところはないということで。

○寺本座長 どうぞ。

○梅垣座長代理 それは現状の科学的なレベルで検討が必要だったら、それは事業者がやるべきであって、国がやるべきではありません。研究費があれば、国がやってもいいのですけれども、それは基本的には事業者がやってほしい。事業者が必要だと思われれば事業者がやるべきだし、行政が収去試験をして客観的にこれは問題だというのだったら、行政側からもう一回試験をするか合理的な説明ができる資料を提出してくださいと、企業に求めるレベルで私はいいと思います。

○寺本座長 宗林理事、どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 確かにヒト試験は無理だと思います。現実的ではないと思うのですが、いわゆる非常に古くに承認をとったものについて、今現在、先ほど梅垣先生もおっしゃっていたように、機能性成分が一定量入っているかどうか、そして現状に合わせてそれに妥当性があるのかを確認する古いものをそのままずっと放置しておくということをどこかで何か担保したい、担保するべきだと思うのです。今の最新の特保と同じように消費者は同じものだと思って特保として飲んでいくわけなので、それは品質のチェック品質という言葉でよろしいですか。何かしらのチェックを事業者がきちんとすべきとか、何らか文字で残しておいたほうがいいなと思っております。

○寺本座長 恐らく関与成分がきちっと含まれているかどうかというチェックは必要になるのではないかなというのが、まさに先生がおっしゃっていたとおりなのです。

今、宗林理事がおっしゃったように、もう20年たっているようなものに対して、全くそのままでいいか。そのときとは全然試験方法も変わっていてというような状況の中で、また同じものがあるというのはどうかというような問題から更新制とか再審査制というのが出てきたのだと思います。これを国がやるというような議論は今まで余りしていなくて、どちらかといえばそれは事業者の責任ということだと思うのです。そういう制度をつくるとすると、かなり事業者の負担は大きくなるし、これから時間の問題とかいろいろな問題が出てくるので、非常に微妙な問題だなと思っています。ただ、恐らく国民の目線からすれば、そういった担保されたものだということを考えるとすると、どこかで再審査ないしは更新というのが必要なのではないかというように私は思っているのです。

ですから、どういうように書くかというのは、基本的に言うと事業者の責任においてそういったことをやるということは必要なのではないかなという気がするのです。この辺、どうですか。

どうぞ。

○原委員 今おっしゃられたことはごもっともだと思いますが、ここの文言の中で、表示許可の審査の中で求められる試験水準が格段に上がっているという断定的表現が少しひっかかっています。許可のいろいろな表示に絡んだメカニズムによっては上がっているかもしれないし、全然変わらないのもあるでしょう。事業者として当然そういう試験水準、科学の進歩に基づいてかなりナーバスになっています。断定的に書かれるとなかなかつらいものがありますし、誤解を招きますし、これはケース・バイ・ケースだというように私は思います。

○寺本座長 どうぞ。

○矢吹委員 ただ古いだけで効果に疑義があるということではもちろんないと思うのです。しかもヒトの試験というのは先ほどから出ていますように費用が非常にかかるもので、そういう意味では事業者にとってもしやれとなると負担になります。ただ、非常に疑義が生まれた段階では何か検討する必要はあるのだろうと思うのですけれども、制度的に、では何年前のものはどうだということは問題だと思います。

○寺本座長 宗林理事、どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 ですから、私はヒト試験を再度やれというよりも、品質とか機能性に対して消費者の一定の信頼性を担保するような努力、過去から今も同じ成分がきちっと入っているかどうかずっと検証のないままに来ているというようなものが混在しないように、特保として消費者に一定の信頼度を裏切らないような品質管理であったり機能性成分の担保、信頼性の確保というようなことを事業者の方はしていただきたいというところだろうと思うのです。

○寺本座長 恐らく確かにヒト試験をもう一回やるとなったら大変なことになるので、よほど疑義が生じた場合というのはおっしゃるとおりなので、そういった皆さんがおかしいと思うようなことが起こった場合にはそういうことが出てくるし、そういうときに申し出とかそういったこともいろいろあると思うのですけれども、そういったものをやるというのは1つの方法だと思います。

ただ、問題になるのは、いわゆる開始当初のときの試験のやり方と現実にもう大分異なっている部分もあるので、そういったものに関しては一部、そういったことを証明しなければならないことも出てくるのではないかということで、私は何らかの形であり得るというようなことを考えていく必要はあるのではないかなと思っておりますが、どうですか。

○矢吹委員 事業者側としては、どのぐらいのような資料を用意する必要があるのかにもよると思います。これは事業者もそうですし、恐らく行政にも状況によっては負担になってくると思います。その方法によってかなり変わっていくので、一律どうとは言えないとは思います。

○寺本座長 どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 その中には、やはり例えば好ましいコレステロール数値とか血圧の数値であるというものもこの長い歴史の中で少しずつ変化しているものもあるのだろうと思うのです。ですから、事業者の方は、当然それはおわかりだと思いますので、そこは自己点検していただいて、n数の問題もそうですけれども、全体像としていろいろな健常者の範囲がぐっと変わっていたりとか、その時々で科学が変わってきたようなものについて、自分のところで持っている特保がおありになった場合には、やはりそこは少し注目をして見直していただくというようなことの側面と、先ほど言った品質管理とか機能性成分の一定の担保、信頼性の担保という、その2側面をここでは事業者の方は気にしていただきながら、消費者の信頼を裏切らないようにという意味だろうと思います。

○寺本座長 恐らくこれはやらなければいけないというのをここで決めることはなかなか難しいと思うのですけれども、あったほうがいい姿であるし、国民のためにはそれのほうがいいのだということで、そういった方法論、要するに今、宗林理事がおっしゃったように、ある程度方法論をこれから確立していくということは今後必要になってくるのではないかと思うので、例えば同じようにヒト試験をやるのではなくて、何らかの代替方法を用いてもう一回見るとか、そういったようなことが必要なのではないかなという気がいたします。

○矢吹委員 実際に特保商品を持っている企業というのは、恐らくそういう情報も含めてどうなのだろうということはウオッチしていると思うのです。そういう中で先ほどのような疑義が生まれてくれば、企業として本当にどうするのかということを真面目に捉えていく企業がもうほとんどだと私は個人的には思っております。

○寺本座長 どうぞ。

○梅垣座長代理 科学的にヒト試験をしても、それは限定的な条件です。対象者が変われば結果も変わります。ですから、本当はその特保が世の中に役立っているかどうかというデータを企業側に出してもらうというのが一番現実的です。国民の健康の保持増進に、本当にこの製品は役立っていますよ、というデータが出てきたら、私はそれで十分だと思うのです。それが本当の特保の役割だと思います。それだったら企業の負担にもならないし、多分現実的な方法だと思うのです。これは1つの案ですけれども、それは企業に考えていただくべきことだと思います。

○寺本座長 私もそのようなことを考えていて、できればそういった逆に言うと大規模なnの数字で扱えば何らかの形でいいものはいいし、悪いものは悪いというのが出てくると思うので、そういったような方法論をこれから開発していく必要がある。そういう時代にも入ってきているので、少し大規模な数字を扱うような方法を考えられたらどうかなという気がいたします。これはまた別のところで少し考えていけばいいのかなと思います。よろしいでしょうか。

一応、この専門調査会としては、できれば再審査とかそういったようなこと、収去、そういった問題についてもこれからしていく方向でお願いしたいということですが、よろしいでしょうか。

それでは、次に、33ページから。

どうぞ。

○矢吹委員 すみません、32ページで、これは意見なのですけれども、今まで必ずしも論議の中では出てこなかったのですが、32ページの試験方法・審査等の明確化で、基準、ステップをもっと明確にする必要があるということの中で、1つ例えば消費者委員会の審査結果を明文化して公表したらどうでしょうかという提案です。というのは、食品安全委員会ですと評価書というような形でその審査結果がまとまったものが出ているのですが、調査会等ではそういう形ではなかなか出ていませんので、どこまでが審査されてどういう評価だったのかということがわからないのが現状だと思います。ですから、そういう形で評価書があれば、その内容が事業者にももちろんわかりますし、消費者にもわかるということになるかと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○事務局 この1月から申請者に関しては、委員のお名前だけを伏せた議事録を全て開示しておりますので、内容については、それで逐次御確認をいただけるようになっております。他社さんがその内容を確認できるのは、伏せ字についてもかなり今回少なくしておりまして、内容について、まずわかる内容を開示しておりますので、現段階において事務局としてはそれで対応しているつもりでございます。

○寺本座長 確かに審議経過というのは知ること、恐らく次の段階で申請する際に非常に役に立つことなので、そのところはできればそういうようにしていただきたいと思います。

どうぞ。

○原委員 今の試験方法とか審査基準についてですが、第3回の専門調査会において、事業者の意見として、さまざまな生の声を資料として出しています。時間がないので具体的なことは省略しますが、やはり審査の透明化についてもいろいろな意見が出ていますので、そこら辺もぜひこの報告書の中に幾つか取り込んでほしいというのが私の希望です。

○寺本座長 どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 同じような意見なのですが、そこの透明化、公表していく材料の在り方なのですが、以前の調査会の中でもお話しさせていただきましたが、いろいろな出し方があると思うのです。もし栄養研のホームページ中で出していくということであれば、絶対値のグラフが載っていて比較的わかりやすいなと思ったのですが、ゼロからスタートしてどのぐらいの差がありますみたいなフルスケールを適当に調整して、視覚的にすごく差があるように見せたものとかがあるので、いろいろなものを一定の尺度で消費者が見比べられるようにしていただきたいというようなことと、最初の段階がどのぐらいの人がどういうようになったのかということがきちんとわかるように。そういったところも広告に載せるときに誤認をしてしまうのにもなりますので、またこれを公開していく、透明度を上げる、そして広告、正しく理解をするという意味では、そういったところにも非常に注意をして、よくわかりやすく絶対値でファクトをきちんと載せていただきたいと思います。

○寺本座長 これはいいと認めたデータだけですね。今、大体審査方法、試験方法も変わりましたね。昔に比べるときちっと生データで動くという形になっていますので、それを明確化していく、透明化していくということなのではないかなと思います。

すみません、次のところに行きたいと思います。32ページから35ページ、「(4)試験方法・審査等の明確化」「(5)規格基準型の適用範囲の拡大」「(6)製品情報の情報開示」ということについてのお話でございますけれども、いかがでございましょうか。

どうぞ。

○迫委員 33ページからの「(6)製品情報の情報開示」という枠の中でございますけれども、34ページのところに、私が出した資料の中身だと思うのですが、ポツがございます。関与成分同士の相互作用情報、被害情報、製品ごとの過剰摂取の試験という文字列があるのですが、これは製品情報として求めたいわけではなくて、客観的な情報として求めたい部分でございますので、この「(6)製品情報の情報開示」という枠の中ではなくて、もう一つ新たに、客観的な情報提供というような枠組みをつくっていただいて、そちらに関連する部分を全部移していただければありがたい。個別の製品情報ではないと思います。

あとその関係で35ページの「マル2一般消費者向けの判りやすい解説」というところの中の2行目の後半「医療関係者や栄養士がより一層利用できるように」という部分でございます。これに関しては、一般消費者向けの解説ではないので、これも別のところに移したほうがいいのかというところと、その中に製品中の原材料を含めてチェックを行う。これは幾ら何でも問題ではないかとは思っております。

あと先にマル5のほうに行ってしまいますけれども、関与成分の摂取上限値に関する研究。これは国が行うというよりも関与成分の問題もそうなのですけれども、研究レベルで進めていっていただくというのが当面のぞましいのではないかと思われます。

最後にマル4のところですけれども、まさに一般的な食品に含まれる関与成分の基本的な知識の提供というところは消費者教育の部分でございますが、最後の行、「通常の食品ではどのようなものからとることができるのか」、というところですが、全ての関与成分を通常の食品から摂取できるわけではないので、「あるいはできないのかと」いう言葉を入れていただくこと。

その前の行、「当該関与成分」の前に「適切な食生活が営めるように」というような基本的な知識となれば、まず適切な食生活が営める。そういう中で例えば減塩を進めることによって血圧の管理はかなり進むのだとか、そういう具体的な中身を入れていただく必要があると思います。

以上です。

○寺本座長 どうもありがとうございました。

宗林理事、どうぞ。

○国民生活センター宗林理事 一番最後の摂取上限量に関する検討ですけれども、多分CoQ10のときだったと思いますが、食安委のほうから医薬品と同じ成分が入っているものはそれを超えないようにとか、厚生労働省のほうからも、医薬品成分と同じもの、について摂取目安量で調整をするようにというようなことが出されていたと思います。それは現行でも生きているのだろうと思うのですが、厚生労働省から今、消費者庁に移った関係でどういうようになっているのかわかりませんけれども、もしあるのであれば、それは少し確認していただいて、明記していただいたほうがいいように思います。

というのは、ここの中は特保ですけれども、機能性表示成分のほうは、食原材料の表示があって、一方機能性成分を表記することになり、そこに量も書くようになりますが、そうすることで食原料に含まれる専ら医薬品成分も機能性成分として登場してしまうというようなことも今、起きていますので、今回は機能性表示成分、機能性食品ではないのですが、そこのところを触れていただけるとありがたいです。

○寺本座長 赤崎課長、どうぞ。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 すみません、消費者庁の食品表示企画課長でございます。

先ほど35ページの「マル5各関与成分の摂取上限値に関する検討」のところで幾つか御意見をいただいております。この点でございますが、実際に各関与成分の上限量を設定するためには、特保に限らずだと思います。健康食品全般に含まれる関与成分と同じ成分について、総合的に安全性を評価するということになると思っておりますので、これは今の消費者庁でここまでやり切れるかというと難しい。それは先ほど御意見のありましたように研究を始める研究機関はいろいろあります。そういう中で事業者も含めてやることになのか。あとほかにもかかわる省庁もございます。そことどういう形でやるのか。役割分担といいますか、切り分けがはっきりしないと、全て消費者庁でできるかというと、正直、荷が重いというのが実情でございます。

○寺本座長 どうぞ。

○矢吹委員 先ほど説明のあった同じところなのですけれども、35ページの上のマル2のところで、医薬品との相互作用について、分析について、企業側の一層の努力というように書かれているのですが、この内容が非常に曖昧なのと、医薬品との相互作用、医薬品でも関連する医薬品との相互作用は懸念されるものについては見ていると思うのですが、評価も大変ですし。すべてみているわけではありません。そういう事情がありますし、また特保の場合には、強く懸念される場合には審査の過程の中で医薬品との相互作用の検討をしていると思いますので、そういう意味では、よほど事情が変わればまた別なのでしょうけれども、何でもデータをとるというのは企業負担も大変ですし、現実的ではないのかなと思います。ですから、ここを削除していただければと思います。

それともう一つ、34ページのところで特保の製品情報公開の義務化に関連して、企業が混乱しないような救済すべき情報の形式や基準ということが書かれていますので、少し事業者の立場からその内容を盛り込んでいただければと思います。基本的には掲載情報のフォーマットがきちんとしている。国立栄養研のフォーマットが基本的とは考えられるのですけれども、そういうフォーマットをしっかりすることです。また現在、事業者が一番困惑しているのは、通常特保と規格基準と再許可とあるのですが、それぞれの開示内容という形ではなくて一括した形で開示を求めているわけです。そうすると、規格基準や再許可というのは有効性・安全性でデータがないものがありますので、一体何を載せればいいのかということがあります。そのため、例えば再許可であれば、どの製品の再許可品であり、親特保のデータを例えば添付することとか、規格基準であれば当然有効性や長期安全性はありませんので、その部分については共通のデータを例えば採用するとか、そういうような決めごとをしていただかないと、どうしても企業間でばらつきがいろいろ出てくるかなと思います。

あと開示すべき有効性・安全性情報のレベルとして、例えば試験はどういう種類のものを載せるのかとか、文献名は載せるのか載せないのかとか、細かいですが、要約のレベルとしては大体どの程度のものなのかとか、そういうものを明らかにしていただきたい。また開示しなくてよい情報を明確化していただきたい。特に品質とかノウハウとか、そのようなものかと思います。

最後に、基本的には掲載すべき情報というのは開発と審査過程で得られた科学的知見と必要に応じて通常の販売過程で得られた情報ということだと思います。先ほど出ていたような医薬品等の相互作用や許可後のほかの関与成分との相互作用だとか、そういうものが要求されると非常に試験負担もふえますので、いわゆる開発過程の基本的なデータが対象となることかなと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○梅垣座長代理 今のことに若干関連するのですけれども、特保で健康被害は恐らく今までないと思うのです。それは食品の形態をしているからというのが大きな要因と思います。特保で有害事象という健康被害情報を集めなさいというのは多分あったと思うのです。それが実は出てきていない。被害がないのか、出てきてないのか、そこは判断ができない。有害事象の情報をしっかり集めるようにすれば薬との飲み合わせとか、こういう人がとったら健康被害というか、体調を崩す可能性があるという情報が出てくれば、それは注意喚起に利用できる可能性がある。けれども、販売前にそれを検討するというのはまず無理です。例えば1万人に1人とか、そういう有害事例が、結構食品ではあるのです。そういうことを考えると、製品及び関与成分に関する被害情報の収集体制をしっかりする、とかにしておいたほうが現実的だと思います。

○矢吹委員 それに関連しますと、企業側でももちろんお客様相談室の情報も含めて、何か問題がある情報はある程度解析しておりますので、そういう中で異常なのか、通常の範囲なのかという評価はしております。ですから、現状出ていないのは、先生がおっしゃられたように現実に特保は非常に安全性が高いので、著しいものはないという形で報告がないのかなとは思っているのですけれども、そういう意味で販売の過程で得られた情報については、そういう情報開示の対象となることは対応可能かと思います。

○寺本座長 どうぞ。

○梅垣座長代理 実際に特保の企業の方から相談されたのですが、どのレベルを報告するかというのが決まっていない、だから企業も出しようがない。どのレベルだったら報告しましょうというのを明確化しないと、企業も出せないし、出さないとわからないですね。健康被害が起こっていないのか、それとも起きていて報告しないのか、そこの判断ができません。報告するレベルを明確化すればいいのではないかと思います。

ほとんどの有害事象は下痢とか腹痛とか、普通の食品でも出るような事例だと思うのですけれども、報告するレベルをきっちりすれば企業も出しやすくなるし、そういう情報を消費者の人も利用しやすくなると思います。

○寺本座長 少なくともこういった事例、こういう報告があったとかというようなことが明示される、皆さんに公開されることは重要だということですね。今おっしゃったように本当にないのか、それともそうではなくて大したことがないだけなのかという問題もわからないというところがあるので、そういったことをきちっと表示して明確化していく、透明化していくということは重要なのではないかなというような気がいたします。これの少し書きぶりは、確かに相互作用はお薬でも実際にはかなり大変な作業なのです。ですから、それを全部記載するというのはなかなか難しいかなと思います。

いかがでしょうか。ほかに何かございますか。

それでは、大分意見もしていただきまして、かなり皆様から御意見を伺いましたので、これについて今後、事務局のほうでもこの辺の議論も見ていただいて、なかなか難しい議論をしているのだと私も思います。そういうことからしますと、これはもう一度皆さんでお集まりいただいて、今、出てきた問題を考えながら、次の議論を1回させていただいてまとめたいというように思いますので、修正案について議論させていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

ただ、時期的にもこの3月中ということになりますので皆さんお忙しいところになるかと思いますけれども、そして、また修正箇所に関しては、きょうも大分議論が出ましたので、皆様からまた御意見を事前に伺うというような作業をしてもらったほうがよろしいのではないかなと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、事務局のほうから何かございますでしょうか。

○丸山参事官 本日も長時間にわたりまして御審議をありがとうございました。

次回の日程につきましては、改めて御連絡を差し上げます。

以上です。

○寺本座長 それでは、本日は大分遅くなりまして申しわけございません。これにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

≪3.閉会≫

(以上)