第26回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2017年2月2日(木)10:00から11:55

場所

消費者委員会会議室

出席者

【委員】
古城座長、古賀委員、陶山委員、松村委員、矢野委員、山内委員
【消費者委員会担当委員】
蟹瀬委員、長田委員
【説明者】
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事 ・副会長・環境委員長 大石 美奈子
独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課長 小林 真寿美
独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課長補佐 福井 晶喜
【事務局】
消費者委員会 黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官
消費者庁 福岡審議官、澤井消費者調査課長

議事次第

  1. 開会
  2. 電力小売自由化及び都市ガス小売自由化の現状に関わる消費者団体ヒアリング
    説明者 大石 美奈子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事・副会長・環境委員長
  3. 電力小売自由化に伴う消費者トラブルについてのヒアリング
    説明者 小林 真寿美 独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課長
    福井 晶喜 独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課長補佐
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○丸山参事官 それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきます。

本日は、皆様、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第26回公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、所用によりまして、井手座長代理、白山委員が御欠席との御連絡をいただいております。山内委員は追っていらっしゃると思います。

まず、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お手元の議事次第下部のほうに配付資料一覧を記載してございます。

もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。

なお、本日の会議につきましては、公開で行います。

議事録についても、後日、公開することといたします。

それでは、古城座長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.電力小売自由化及び都市ガス小売自由化の現状に関わる消費者団体ヒアリング≫

○古城座長 早速、議事に入らせていただきます。

最初の議題は「電力小売自由化及び都市ガス小売自由化の現状に関わる消費者団体ヒアリング」です。

本日は、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の大石美奈子副会長にお越しいただいております。

それでは、御説明をお願いいたします。25分程度でお願いいたします。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 皆様、おはようございます。ただいま御紹介にあずかりました大石と申します。

私は、まず、ガスのシステム改革の委員を仰せつかっておりました。その後、電力自由化、電力・ガスの小委員会のほうにも入らせていただいておりましたので、その中で感じたことをまとめて発表させていただきたいと思います。同じ委員会の松村先生、山内先生もいらっしゃいますので、いつもと同じことの繰り返しになるかと思いますけれども、御了承いただければと思います。よろしくお願いいたします。

最初に、都市ガスの自由化に関しまして、ガスのシステム改革小委員会で私がこれまで主張してきたことをパワーポイントでまとめさせていただいております。

資料1をお開きいただきまして、最初のページですけれども、大きく主張してきたこととして2つあります。1点目ですが、都市ガス自由化は、これは都市ガス同士の競争が起きて初めてあり得るものであるということです。そもそも都市ガスの自由化の前提として、代替エネルギーとしてLPとかオール電化に変換可能であるという考え方が基本にあります。ですので、万が一都市ガスが競争相手として入ってこなくても、別に消費者にとっての不利益はない、という前提でこのガスのシステム改革が進められたのですけれども、費用や可能性の面で、そこは消費者の実態とは違うというところを委員会の中では申しておりました。

これについては本当に多くの消費者団体からも反対意見を出していただいて、委員会の中でも提出をしたのですけれども、最終的にはそれが通らずに、ほかの代替燃料への切替えが可能であるということが前提になってしまいました。

あと、代替可能であるというLPガスですけれども、これは既に自由化されているもので、いろいろな消費者問題が起き、相談も寄せられています。のまま都市ガスを自由化してしまえば、事業者の中には地方で都市ガスとLPガス両方を扱っている事業者もいるので、今までLPで許されていたことがそのまま都市ガスでも行われるのではないかという心配があって、まずはLPガスのほうも何とかしていただきたいということを申し上げました。

これらの会議の議題は、あくまでも都市ガスのシステム改革でしたので、この場でLPガスの話をするのはおかしいということも言われながら、結果的にはそれでもエネ庁さんのほうでLPガスの取引適正化の指針というのを最終的に作っていただけることになったので、これについては大変大きな改善であったと思っております。

そのほか、大きなことではないですけれども、託送料金の審査について、ここで一番気になったのがヤードスティック方式の査定です。これについては、ほかの先生方も含めて皆さん結構厳しい意見があったのですけれども、何せ都市ガスは200社あり電力とは違うということで、最終的にはヤードスティック方式で行われましたけれども、現状を見ますと別にそんなに急ぐものでもないので、これからでもいいので、順次個別に査定すべきではないかなと思っております。

それから、二重導管です。これについては、既に導管を持っている既存の都市ガスの事業者さんと、大口のところで既に自由化して参入している電力の方との言い分が真っ向から違っておりました。都市ガスの導管事業者の方に言わせると、結局、二重導管で新しい電力会社などの導管が入ってくることによって、スイッチせずに残された消費者の負担が増えてしまうので、料金が上がりますよとおっしゃいます。電力の方たちは、逆にそういう競争が起きることによって値段というのは下がるので、二重導管はなるべく規制からは外したほうがいいのですよとおっしゃられて、私はどちらの言い分が本当に正しいのか、実際にはその場では分かりませんでした。これは本当にやってみなければ分からないのかなというのが私の感想です。

その次のページ、これは電力・ガス取引監視等委員会の制度設計のところで、都市ガスの自由化に対して意見を出してくださいと言われまして、今日のような場だったわけですけれども、そこで出した意見です。

同じような内容になりますけれども、現状、実際に恐れていたことが起こっているわけですが、都市ガスが入って競争が起こらないと、都市ガスを自由化した意味がないわけで、今の状況は大手の電力さんと一部LPさんが電力さんと手を挙げてということは聞いておりますけれども、ほとんど地方のほうの都市ガスでは競争が起こりそうもないということで、このまま競争が起こらないまま規制料金が外れてしまえば、やはりそこではいろいろな問題が起こるのではないかなというのが一番心配です。

それから、スイッチングについてですけれども、電力の場合もいろいろ準備をしてスイッチングに取りかかりましたけれども、現実には東電ですとか、今の中部電力ですとか、いろいろな不備も起こっております。なので、特に都市ガスの場合には、大手の都市ガスさんというのはシステムもしっかりしていて準備も万端だと思うのですけれども、競争が起こっていないので何とも言えませんけれども、地方の都市ガスさんというのは本当に手作業で進めているわけで、逆に手作業でしか進められていないというところには外からまた入りにくいという、それが参入障壁にもなりかねないと思いますので、そういう意味では地方でもしっかりスイッチングの準備をしておく必要があるのではないかなと思います。

3番目のところですけれども、これはLPでよく行われている無償配管というものです。都市ガスの場合には、今までは規制されていたので、LPのようなことは起きていなかったのですけれども、今度、小売のほうが自由化されたけれども、導管の料金については1者ということになります。そうしますと、導管の料金、例えば新設の場合の敷地内の敷設の料金が本当に適当なものなのかどうかというのを誰がどこで見るのかというところが自由化した後には問題になるのではないかなと思います。そういう意味では、ここは公共料金の委員会ですので、ある意味独占になってしまう可能性が大きくなりつつありますので、ここをきちんと透明性を確保して見ていくということが、今後の都市ガスの自由化ではすごく重要ではないかなと思っております。

主に私が述べてきたことは今までお話ししたことに集約されるのですけれども、あとは一つ一つ少し具体的にお話をさせていただければと思います。

「都市ガス自由化でのそもそもの問題点」ということで、消費者は都市ガスの自由化を望んできたかというところがそもそもあります。電力というのは、電源が多種で環境性能が違っていますので、電気を選びたいという消費者の声があったわけですけれども、都市ガスの場合、やはり消費者にとって一番気になるのは、価格と安全と安定供給ということで、消費者のほうが望んで都市ガスを自由化してほしいということではなかったはずだと思います。

逆に、LPガスでいろいろ問題が起こっている中では、規制料金であった都市ガスというのは公平で信頼できる、という認識が多くの消費者にはあります。よって、そういう意味では消費者は都市ガスが自由化した後も、これが個別自由契約になるという認識は少ないのではないかということを心配しております。今後、本当に安全かつ安定的な供給を大前提として、都市ガスが入って事業者同士の競争が起これば、多分そこでガスの価格が下がるなりして、都市ガスも自由化したのだなということで、消費者の個別契約の意識が高まると思うのですけれども、このまま競争が起こらないまま自由化した場合に、消費者が気がつかないまま自由化して、気がついたら値段が上がっているということが起こりかねないというのがとても問題だと思っております。

それから、安全で言いますと、ガスの場合にはガスの機器保安ということで、小売事業者が敷地内に立ち入ります。これが点検商法のように、点検と称してほかの商品も一緒に売りつけるということが起こりかねない。そういう意味で、小売事業者が今余り入ってこない状態ではありますけれども、もし入ってくる場合には、小売の事業者にその辺の責任をしっかり自覚してもらう必要があると思います。

一方、震災など緊急時には導管事業者が駆けつけるということに決まっているわけで、そういう意味では、日頃の点検のときに入ってくる実際の事業者と、緊急時に駆けつけてくれる導管の事業者と、その連携が日頃からちゃんと取れていないと、いざといったときに混乱が起きるのではないか。ガスの場合には、先ほどもお話ししましたけれども、消費者が一番気になるのは安全のところなので、そこのところを日頃から小売の事業者と導管の事業者がちゃんと連携しておくということはすごく重要なことではないかと思っております。

それから、2番目のところですけれども、先ほどの他燃料への転換が難しい、という話です。都市部、新興住宅地などで、これから新しく家を建てたり、建て替えをするというところでは、オール電化にしましょうとか、LPガスに変えようか、などの話は確かにあると思うのですけれども、実際に、私はマンションに住んでおりますけれども、そういう集合住宅とか賃貸となってきますと、ガス管や機器を取り替えるというのは、これは当然費用も伴いますし、オール電化などもっと一般の家庭では起きにくいと思います。その中で都市ガスの自由化というのは他燃料との転換が基本にあるのでというのは、消費者の実情を踏まえないまま進められたという意味で、今でもこれは問題があるのではないかと思っております。

実際、1月時点での家庭用の都市ガスの参入表明は本当に限られているわけで、このままでは4月の自由化の時点では、関東、関西、中部の一部の都市部では起こる競争が、地方では多分起こらないのではないかなということを大変気にしております。

東京ではほとんどコマーシャルも見ないので、東京では都市ガスの自由化について都心でありながら消費者は知らないという話をしましたが、関西と中部では、テレビのコマーシャルなんかもがんがんやっていて、料金の値下げ合戦のような形になっていると聞きました。去年の電力自由化のときと同じようなテレビコマーシャルを東京では全く見ませんし、ましてや地方ではそういう意識は全くないので、そういう一部を除いた地域では、本当に消費者が知らない間に自由化になっていた、ということにならないための施策が必要なのではないかと思っております。

次のページも同じ内容です。そのためにぜひやっていただきたい、これは広報というか、必ず地方の都市ガス事業者は書面を交わさなければいけないということが決まっているということは聞いてはいるのですけれども、本当に地方の都市ガス事業者も含めて書面の交付をしたどうか、誰がそれを確かめるのかというのは、なかなか調べられないというのが実情ではないかと思っております。

私どもNACSも地方に支部とか分科会がありますので、できれば4月以降に実際にどういう状況であったかというのを聞いてみたいと思っておりますけれども、やはりこれは経産省を始め、役所のほうでさらに周知徹底していただいて、消費者が知らない間にということがないようにしていただければと思います。

一部インターネットで周知しているからということで、インターネットを御覧になる方はそれでもいいのですけれども、ほとんどの消費者はチラシとか料金表というものでないとなかなか見ることがないと思います。なので、一番いいのは、例えば料金のお知らせのときに、4月からは変わりますということが赤字できちんと書かれれば、消費者も認識をするのではないかなと思うのですけれども、そこら辺のところがまだまだ政策的には不足しているかなと思っています。

次に、システム改革の報告書の中の料金規制廃止後の事後監視についての部分です。書かれた内容が青字で書いてあるところですけれども、「標準家庭における1か月のガス使用量を前提とした小売料金に係る事後監視3年間に、合理的でない小売料金の値上げを行ったと判断される場合は、さらに3年後も継続する」ということが書かれました。ただし、「合理的でない小売料金値上げ」とか、「小売料金の不当な値上げによる使用者の利益の保護に支障」というものが具体的に一体何なのかということについては、この中には何も記載がありません。

実際にLPの場合には、現実問題として基本料金2倍、従量料金が15%増えたということがあって、裁判になったこともあるのですけれども、これを不当な値上げとして市場監視はできなかったという事実があるわけです。一体どれだけの料金が上がれば、それを不当とみなすのか、合理的でないとみなすのかというところについての詰めがないということで、ただ、書いてあるだけになってしまうのではないかなというところを大変心配しております。

次のページですけれども、「さらに3年目以降は事後監視をせずに、小売料金水準の確認等の一般的な市場監視となり、小売料金の不当な値上げによりガスの使用者の利益の保護に支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められる場合には、業務改善命令を発動することが可能」と書いてあるのですけれども、これからもし新しい事業者さんが入ってきて競争が進んでいくと、ガス、電気、通信、器具などのいろいろなセット販売が行われるようになって、ガス自体の価格がますます不透明になって、ガスの料金が本当に上がっているのかどうかというところはなかなか確認できない状態になるのではないかと思っています。

ましてや、既に大口の事業者とか、これから新規に入ってくる新築の事業者にはなるべく安い料金で都市ガスを提供しようとすると、今度はそのしわ寄せが残りの既存の消費者のほうに回ってくるということも考えられるわけです。そういう意味で、特に電力・ガス取引監視等委員会では、原料価格を除くガス自体の固定料金などの定期的な調査をぜひ行って、公表していただく必要があるのではないかと思っております。

それから、資料を拝見いたしましたら参考資料1に小売全面自由化に関する消費者向けのQ&Aを今回付けていただいておりますので、それを御覧いただけると分かるかなと思うのですけれども、今、実際に出されております取引監視等委員会のガスの自由化に関するQ&Aが、消費者目線ではないものが多いのではないかというところが一つ気になっております。

まず、先ほどから申しておりますように、自由料金メニュー、LPなどの切替えができるからガスの自由化は新規参入者が少なくも大丈夫ですよというのは、これは消費者の実態にはそぐわないと思っております。実際にはそういうことができない消費者が多いのに、それができるから大丈夫ですよというのはちょっと納得がいかない回答だと思います。

その次のページですが、小売料金の規制の経過措置がないとガス料金が上がってしまうのではないかということに対しても、経過措置の対象から外すけれども、消費者利益を保護するべく、ちゃんと事後監視をしますと書いてあるのですけれども、どこの事業者が自由化して、どこの事業者は規制が残るかということについてきちんと書いてなかったので、それが必要ではないかなと思ったのですが、説明会の資料の中にはちゃんとこの12事業者のお名前が入っておりまして、それ以外のところは自由化するのでということが周知してありました。さらにきちんとした事後監視は何かということも、ぜひQ&Aの中には加えていただければいいのではないかと思います。

まとめになりますけれども、都市ガスの自由化を求めたのは誰かという話ですけれども、消費者は都市ガスの自由化を求めて都市ガスを自由化したというわけではなくて、もともとは交渉力のある大規模や中規模の需要家部門では既に自由化されていて、そこで大手ガス会社と電力会社で激しい競争が起きて、料金の値下げも起きていた。その中で、小口部門も自由化されると、いろいろな事業者、電力会社、石油会社、LP会社が参入して、電気もガスも通信もいろいろなものが一度に運営できる総合エネルギー会社というのが可能になるという期待もあって自由化されたのではないかなと思っております。

しかし、現状として都市ガスの新規参入がない地域では、費用負担がなければほかの代替燃料には変換できないわけですし、もしそれによってそのまま不当な値上げがあったとすれば、誰のための自由化かということになりかねないと思います。

もう一つ気になっていますのが、今回、都市ガスについては経過措置料金というのを外すことが原則だったわけですけれども、電気の場合には2020年までは規制料金を残すというのがあったので、逆に言うと、消費者は安心してほかの電力を選べたということがあるのですけれども、この都市ガスの経過措置料金の外し方というのが、結局、2020年の電力会社の規制料金解除の方法の前例となってしまうのではないかということで、今回の都市ガスの自由化というのが本当に4月以降どうなるかというのは、消費者にとってもすごく注目すべきだなと思っております。

都市ガスの自由化については以上になります。

その後、参考(1)、参考(2)と2つつけましたのは、参考(1)が電力システム改革貫徹のための小委員会のワーキングにかかわっておりましたので、そちらのほうで消費者として見えた問題点について書いてあります。

端的に言えば、ここで一番問題になったのは、託送料金を使って費用を回収しようとしているというところが何よりも一番気になりました。託送料金というのはやはり託送のためだけに使われるものであって、廃炉の費用であるとか、発電の事業者が集めるべき料金をなぜ託送で集められるのかというのが、原子力発電の場合にはいろいろ特殊な会計があるようで、なかなか納得がいかないところもあったのですけれども、託送というのは本当に最後に残る消費者にとっては大きなとりでになるわけで、そこに今、何でもかんでも賦課することによって、しかもこれは国会を経ずに経済産業省の中だけで決められるというところが一番心配です。知らない間にどんどん青天井になるのではないかなということを大変心配しているわけで、終始一貫そのことについては申し上げましたし、多分パブコメでもいろいろなところからたくさん意見は出ていると思うのですけれども、それをどこまで組み込んでくださるか、くださらないかというのは大変気になっております。

参考資料(2)は、先ほどもお話ししましたけれども、「液化石油ガスLPの保安の確保および取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改訂する省令案」およびガイドライン(案)等の策定に対する消費者から見た課題ということで、これも消団連の勉強会のときにつけさせていただいた資料を添付しております。

都市ガスのシステム改革自由化のときに大変気にしていたLPについて、こういう新しく省令案を作っていただいたということは大変ありがたいなと思っているのですけれども、実はLPガスについては、14条書面を交付しなければいけないというのは、その以前からあったわけです。ですので、事業者側の中には、ちゃんとそれを守って書面を交付していたと聞いておりますが、書いてある内容は保安責任などが主であり、料金のことについては別紙で、ということで、料金についての取り決めを14条書面できちんと交わしていなかったことが今までのいろいろなトラブルの原因になっていると思います。ですので、今回きちんと省令、役所のガイドラインを策定していただきましたけれども、それをきちんと事業者さんが行わなければ、結局同じことになってしまうと思います。多分自分たちの自主ガイドラインと違って役所が作ったガイドラインということで、多分守ってくださると思いますけれども、やはり事後の監視はとても必要です。

それから、昨日耳にして心配していることについて。4月からこのLPガスのガイドラインの施行を行うという話だったので、ちょうど都市ガスも自由化する同じ時期でよかったなと思っていたのですけれども、事業者さんのほうの準備が十分に整わないので、もしかしたら4月ではなく、3か月か半年ぐらい後にずれ込むかもしれないというのを聞きました。行うのであれば、都市ガスの自由化と同時にやっていただいたほうが、消費者としてはすごく安心できるなと思ったのですけれども、そこがずれてしまうかもしれないというところが今のところ気になっております。

以上です。ありがとうございます。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。発言をなさる方は、目の前の名札を立ててください。

陶山委員、お願いいたします。

○陶山委員 どうもありがとうございました。非常に整理されて、この間のガスのシステム改革の内容についても御紹介いただきまして、本当にありがとうございました。

同じ消費者の目線ということで問題意識は共通するところは多いかなと思います。地方での自由化後の今後の競争について、競争が起こらないのではないかということ、そこをどう事後点検していくのか、個別のガスの価格が適正かどうかをどう見ていくのかという御指摘ですけれども、私もそう思っております。

状況として、私は北九州から参っておりますが、九州で言いますと、今、西部ガスと九州電力がパチパチと火花を散らしている感じで、価格値下げの情報が出ておりまして、それがニュースに上がってくるという状況もあります。

ただ、おっしゃるようにセット販売になっていったときに、非常に見えにくい状況はあるだろうと思いまして、これはどうすればいいのだろうかなと同じように悩んでおります。

今後、今、大石さんがおっしゃったように、規制価格を外す、外さないというところも重要になってくると思いますので、この調査会でもぜひ議論を深めたいと思っております。ありがとうございました。

○古城座長 ほかはいかがでしょうか。

矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 御意見をどうもありがとうございました。問題点がたくさん挙げられていまして、かつその問題点に対する細かなところまで指摘がされていますので、この専門調査会でもその辺を注視しながら、今後の対応とか報告書のところに入れ込んでいく必要があるのではないかなと思います。

大きい点では、本当に競争が起きるのだろうかというところで、今回の都市ガスの自由化が代替燃料というか、他燃料への転換ができるということが前提になっているということが何カ所かにおいて書かれていますし、ガスの自由化のQ&Aでも、最終的に大石さんのほうでは消費者目線がないのではないかと述べられていますが、私も消費者目線といいますか、生活者感覚というのがどれだけあるのだろうかと。

電力の自由化の場合に、実際に電力をチェンジした場合、事業者をチェンジした場合に、新たな費用が生じたかどうか、その辺をもう一回精査する必要があると思いますし、ガスの自由化に関しては、今後、この場に事業者からのヒアリングがあれば、ぜひ実際にチェンジする、特に都市ガス同士ではなくて、都市ガスからLPとか、都市ガスからオール電化とか、また逆のこともあると思いますけれども、そういった場合に実際に費用が生じるのかどうか、そのあたりを事業者からぜひ出していただきたいと思います。

チェンジする一番大きなメリットは、やはり価格が安くなるということで、価格の低下分と、恐らく実際に費用はかかると思いますけれども、その費用が総じて得になるのかどうか、そういったことをしっかり見ていかないと本当の公平な競争と言えるかどうかというところは見ていきたいと思っております。

それから、LPガスの問題点もあって、今回省令案が新たに登場するということで、先ほど実施時期が延びるのではないかということで私も懸念はしておりますけれども、LPガスの問題点に関しては、実は電力の比較サイトのホームページを最近のぞいたら、一つの比較サイトでは既にガスの自由化に対しても選べるような提案をしています。

そのときに、LPガスについてはここの比較サイトを通してLPガスの業者の選択をしていく時に、直接しないほうがいいですというような警告を述べています。ということは、やはり安心できるLPガスの事業者と契約したほうがいいでしょうということで、3つぐらい紹介されるようですけれども、そういった不透明な部分がLPガスにはまだまだあるということでも、省令案がしっかり実施されることが非常に重要かなと思います。それから、省令案にまだまだ欠けている部分、そういったこともここの専門調査会では見ていかなければいけないと思っています。ありがとうございました。

○古城座長 大石さん、どうぞ。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございます。

今のLPガスの比較サイトですけれども、私もインターネットで幾つか見つけましたが、要するに本当に公平なサイトではなくて、どこか一定の事業者とつながっていて、あなたの地域はどこですか、あなたの今の値段は幾らですかと聞かれ数値を入れると、それは高いですね、じゃあこちらの事業者が安いので紹介しますと、一定の事業者のところに引っ張るようなサイトが結構いろいろあるのです。なので、比較サイトと言いながら、本当に公平なところが行っているかどうか確かめる必要があります。逆に言うと、LPの場合には標準料金自体が今まではっきり出されていないので比較はできないはずなのに、比較サイトがあるというのは、それはただ単に自分のところに顧客を呼び込むためだけの「比較サイトのようなもの」がたくさんありますので、消費者がひっかからないようにしていかなければいけないのではないかと思っています。

都市ガスのほうは、そういう意味では電力の比較サイトを扱っていらっしゃる方が、これから都市ガスのほうにも少しずつ入っていくというお話は聞いておりますので、消費者もそういうものを利用するようになるのではないかと思っております。電力の場合も同じですが、本当に比較サイトが公平なものなのかどうかというのを誰がどこで見るのかというのがそもそも根本的な問題としてあります。そこを解決できて広がってくると、割と消費者も利用しやすくなるのかなと思っております。

○古城座長 比較サイトでは問題があるのですか。公平な比較サイトというのはなかなかないと思うのですけれども、安い業者はうちが安いからうちに来てくださいというのは、自分の私益に基づくのですけれども、結果的にはいいことをやっているわけですよね。安い業者が宣伝して、安いほうに引っ張ってくれないと分からないから。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 私が見たLPのサイトは、とにかくどんな料金を入れても、一定の事業者を紹介して、そこにしか飛ばないようになっているようでした。消費者が打ち込んだ金額よりも、安い金額を提示するわけで、そうすると、安くなったと思うので、ここの事業者は安いからここに変えましょうと考える。ただ客を引っ張るためだけですので、厳密には比較ではない、誘導サイトみたいなものが結構いろいろ出ているというのが問題だなと思います。

○古城座長 松村委員、何か関連して。

○松村委員 今の点だけ。競争というのは全くもっともだと思う。例えば家電量販店に行って、冷蔵庫を買いたいと言って、いろいろ聞いて、店員が勧めてくれる。店員は公平に見て、その顧客に一番あった、しかも安いのを勧めてくれたのではなく、特定のメーカーの回し者で、どう考えてもその顧客に適していないのだけれども、一番販売奨励金が大きいから勧めている。それが顧客に分かっていればいい。そのメーカーの特約店に行って買っていると分かっていればもちろん問題ないのだけれども、公平に勧めてくれていると思っていたのに実はそうではなかった。そういう事態を大石さんは問題視されているのだろうと思います。

したがって、安いところが顧客を呼び込むために自ら営業して、うちはこんなに安いのだから来てくださいとサイトで勧誘することを非難しているわけでは決していないし、あるいは量販店の人も、インセンティブをこんなにもらっているのでこれを勧めますということを顧客が分かっていれば、問題はほとんどないと思います。

さらに、仮にそういうことが分かっていなかったとしても、その量販店にいつも行って、いつもろくでもない物を売りつけられて、よくよく見たらほかにもっと幾らでも安くていい物、自分に合う物があったのに、ろくでもない物ばかり勧める量販店には行かなくなる。これも競争メカニズムだと思う。しかし家電に比べると、ガスを切り替える、電気を切り替える回数ははるかに少ないと思うので、競争の結果だんだん分かってくるというのだけでは遅過ぎるという御懸念を持っておられるのではないか。そういう問題意識で多分大石さんが言われたのではないかと思いました。余計のことでした。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございます。そうです。

○古城座長 関連ですか。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 個々の消費者がどれだけ正確な情報を手にして、判断して、選択できるかということは非常に重要だと思うのです。電力のときも、比較サイトについての一定の評価みたいなものをどこかやったほうがいいのではないかという議論をここの委員会でもしたのですが、さらに難しいいろいろなファクターが入ってきているのだろうなと思っており、いかに適正な判断のための正確な情報を届けられるかというのを考えていく必要があるかなと思います。ありがとうございました。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。

ガスの改革が始まったときに、それを求めたのは誰、またはどこで、消費者にどういうメリットがあるのかということが最初からずっと議論になっていたと思うのですが、大石さんが今日御説明いただいた資料に、番号がないのですが、最後のページの都市ガスの自由化を求めたのは誰かというところに関連して御質問させていただきます。現状ですと、最初に大石さんの資料の中で都市ガス同士の競争が望ましいということを書いていらっしゃるのですけれども、その都市ガス同士の競争というのは非常に難しいのかなと私も思っています。大手ガス会社と電力会社の激しい競争で料金の値下げが起きるというのは、消費者として非常にメリットがあるのですけれども、その環境整備ができるかどうかということがこれからの課題だと感じています。

それから、電力が自由化されて、ガスも自由化されると、総合エネルギーのようなエネルギー供給のステークホルダーができて、消費者にとってメリットが出るということも、これからの期待の話であって、今、大石さんが懸念されていることがやはり消費者としての懸念の一つ大きな点だと思うのです。御説明資料に「オール電化やLPガスの費用負担ができない多くの世帯で、合理的な説明がないままLPガスのような不当な値上げがあれば」とあるのですけれども、LPガスのような不当の値上げというのは、現都市ガスの利用者にとって自由化により不当な値上げがあるということを懸念されていらっしゃるということなのでしょうか。

この関連で経過措置とその解除のこともよく言われているところですが、今回、確か経過措置は12の都市ガス会社にだけ適用されるということになっていたと思うのですが、これは都市ガス事業者の中では7割ぐらいの業者だと思うのですが、残りの3割の事業者に経過措置が適用されないことによってどのようなデメリットがあると感じていらっしゃるのかということ。よく少量のガスの利用者に負担がしわ寄せされるのではないかということも言われるのですが、そういう少量使用者のところに、これから経過措置が外れた後の話にも関連するのですが、都市ガス料金についても、基本料金と従量料金の体系に、電気のような3段階料金メニューのようなものを残す、そういう公的な規制がかかるということについてのメリットについてはどのようにお考えでしょうか。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございます。

最初の総合エネルギー会社の運営が可能になるのでという期待というのは、別に私自身が期待しているわけではなくて、国とか事業者自体が期待しているのではないかと。これが実際に消費者のメリットになるかどうかは、申し訳ありませんが私には分かりません。

あと、今おっしゃられた規制料金が残るか残らないかの話ですけれども、私が委員会の中でずっと発言していたのは、規制料金というのは別に残したとしても、その中で自由料金というものを別途作ることができるので、規制料金があるから値段が下げられないということはないのではないか。規制料金を上げるためにはいろいろと査定が必要ですけれども、消費者は規制料金ではなく安い自由料金を選ぶことも可能なわけですから、本当に競争が起きて値段が下がるということが分かった時点で経過措置は外すべきであって、競争が起きるかどうかも分からない4月の時点で規制料金を外す必要はないのではないかと主張してきました。

ですけれども、原則、最初から都市ガスの場合にはほかの代替燃料との関連があるので、これはもう外すことに決まっているのだと。外すことによって競争が起きて値段が下がるので、そのほうが消費者にとってはメリットがあるでしょうというのが委員会の中での先生方の多くの御意見だったのです。競争が起きてから初めて外すのでいいのではないかなということをずっと言っていたのですが、実際にはそういうふうに決まらなかったということです。

規制料金を残すことで消費者にとって何かデメリットがあるかというと、私は余りデメリットがあるとは思っていなくて、規制料金があっても、自由料金メニューを作ることはできます。今の大手電力などはそうですけれども、東京電力さんにしても他電力さんにしても、規制料金は残しながら自由料金でいろいろなメニューを出してきて、そこで消費者は選べているという現実があるわけですので、選ぶ自由が規制料金だと全くないかというと、そういうことはないと思います。

それよりも私が気になったのは、競争が起こらない地方の都市ガス事業者です。そういうところでは、自由料金を作るというのは考えられません。ほかに競争があるから自由料金を作って料金をちょっと下げて、もしくはサービスをよくして、自分のところから抜けないでいてもらおうというインセンティブが働くわけで、地方で事業者が入ってこなければ、そもそも規制料金が残ったとしても自由料金というのは生まれないでしょうし、値段が下がること自体は余り考えられません。その上、規制が外れてしまったら、あとは自由に上がるしかないのではないかということがあって、今回の都市ガスの自由化において、最初から競争の存在を確認しないまま、都市ガス同士の競争がないまま、規制料金が外れるということに対しては大きな問題があるなと思ったという次第です。

お答えになっていますか。聞かれたことと違うかもしれないです。

○古城座長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 ありがとうございました。

お聞きしていて、非常に勉強になったのですけれども、私が消費者として一番気になるのは、電気料金の自由化のときは、どちらかというと、気持ちの中で「電気は安全だ」というのがあり、新規事業者もたくさん参入してきた。なので、割と反対する人もなくて、自由化をどうしていくかという方向に行ったかなと思うのです。

ところが、ガスはガス爆発という発想がどうしても消費者の頭の中にはある。特に地方の場合はLPガスが非常に多く、LPガスの場合はその地域に根差したところで、遠いところから運んでくるということが余りなくて、1回契約すると、その業者をずっと使い続けて、ガス料金がどのぐらい上がっているのか下がっているのか、消費者は余りわからないというのが現実で、そこが都市ガスになったらという現実は余り今あり得ないなという感じが特にしているのです。

そうすると、LPガスから都市ガスへ転向したらという前提などもいろいろ書いてあるのだけれども、現実的にそういうスイッチングはあるのか。非常に乖離しているというか、都市部ではそうかもしれず、書かれたとおりだと思うのですが、その辺の解釈というか、例えばLPガス世帯と都市ガス世帯の割合とか、そういうのがもしお分かりになっていらしたら、今、都市ガス自由化からお話は入っていますけれども、いろいろなところに影響してきて、都市ガスの自由化になって、都市ガスに参入する事業者は非常に少ないと書いてあるのですけれども、やはり電気より少ないだろうと私はすごく思っているのです。電気のほうが割と簡単に参入しやすい世界だったかなと思うのですけれども、電力のほうも今、切替えに非常に苦労しているところがたくさんあるのですけれども、ガスはもっと苦労するだろうなと思うので、その辺の割合などをもし御存じでしたら、選択肢のない地方の人たちはどうしたらいいのかという問題もあるので、その辺のもし何か私見みたいなものがありましたら、お話を聞かせていただきたいのです。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございます。

詳しい数字的なものは今ちょっと持ち合わせていないのですけれども、現状として都市ガスというのは実は若干増えています。逆に一番減っているのがLPなので、競争という意味では都市ガスのほうがちょっと優位なのかなと。

ただ、都市ガスもLPもそうなのですけれども、なかなか増えない理由の一つとして、やはり消費者が気にする保安ですね。保安をどれだけきちんとやる、手間暇をかけてやるというインセンティブが事業者にあるかということで、LPさんなんかは既に今やっているので、LPの事業者さんが都市ガスに入っていって保安をやることについてはそんなに抵抗はないと思いますけれども、電気と違って通信ですとかいろいろなところがもし都市ガスに参入しようとしたときには、保安を小売事業者として責任を持たなければいけないというところが、かなりのハードルになるのだろうなというのが一つ。

あとは、電力がなぜ都市ガスに入ってきているかというと、自分たちも発電のために使う都市ガスを持っているわけです。それを売っていけばいいということで、もともと売れるものがあるから入っていけるわけですけれども、電力以外の事業者さんは、都市ガスを売ろうとすると、どこかから買ってこなければいけない。だから、今の都市ガス事業者さんか電力さんから買わなければいけないということですが、どれだけ売ってくれるかとか、売ってもらったものをどこにためておくかとか、そういうことを考えると、現状としては、確かに都市ガスの事業者さんが増えるという実情にはないのかなという気はします。

そういう意味で、もし本当に都市ガスの自由化を起こしていかなければいけないというのであれば、新しい事業者さんが地方に入ってくるときに、事業者さんが都市ガスを売れるような状況を逆に整備していかないと、今のままではなかなか都市ガスの自由化というのは起こらないだろうなと思っていますし、そういう懸念があったので、そんな簡単に規制を外していいのかという議論がもともとあったのですけれども、その懸念が現状として実際に起きつつあるということではないかなと私は思っております。

○蟹瀬委員 もう一点、保安の話が入っていたのでそういうことだと思うのですが、保安点検、最初のほうのページに点検商法と書いてあります。ガス料金は下がったけれども、別途点検代がかかる。そうすると、点検した分だけは実際は料金が上がっているよということですね。でも、やはり私たちは安全のためにお金を払いますので、事業者から「ガス料金は下がっています、でも点検代がかかりますが、ガスは事故がちょっと怖いでしょう、だから点検に行くよ」と言われると消費者は払わざるを得ません。電気だと、なぜ点検でお金をとるのかと思いますけれども、ガスは何となく心理的に点検してもらわなければいけないと思ってしまうので、そういった心理につけ込んだ点検商法みたいなものに対する規制とか監視、そういうものはもう今考えられているという感じなのですか。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 逆にそこのところの値段については、まだどこでも決まっていないのだと思うのです。なので、逆にいろいろな問題が起こるのではないかなということを危惧しているという感じです。

○山内委員 被告席なので余り発言したくないのですけれども、点検については基本的に今のやり方ではガスの料金に含まれるわけですよね。それにコストがかかるわけですから、そのコストをどう負担しようかということで、例えば今、導管事業者さんが点検するとしますと、そのときに新規事業者さんがそのお願いをする。点検を委託して自分の商品を売る。そういうときにコストが既存の事業者さんと新規事業者さんで余り変わらないようにしようという規制になっているので、新規事業者では高くなるということはないと思います。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございました。

○古城座長 ほかにいかがでしょうか。

古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 私が言うのも何なのですが、LPガスと都市ガスの割合ですけれども、都市ガスが53%で、これが2,900万世帯くらいらしいですね。都市ガス会社が大体200社あるらしいのです。LPガスのほうは44%で2,400万世帯、ところがプロパンガス業者というのは非常にたくさんあって、2万社ぐらいが全国であるらしいのですね。そのほかに簡易ガスといってプロパンをまとめたようなものがありまして、その割合が3%で140万世帯あるということですね。だから、都市ガスの自由化で消費者にとって一番心配なのは、地方で競争が起きないことによって、経過措置料金もないところで不当に値上げをされないかというところを見ていかなければいけないということだと思うのです。むしろ地方のほうでは、今までの消費者相談の中ではLPガスに対する苦情というのが非常に多かったものですから、そういった意味で書面をしっかり交付したかとか、料金を説明したかとか、そういうことも含めて都市ガスの自由化の中で、新しいところではなくて、昔から問題となっている点をどういうふうに整理し消費者保護をしていくかという観点が必要ではないかと思います。

それから、電力会社がガス事業に来るときに一番ターゲットにしているのが、前回のヒアリングの御説明では、やはりガスを併用していて、しかも省エネの機械が導入されていない部門だということだったので、そこのところの競争が適正にされるかどうかというのはきちんと見ていかなければいけないのではないかと思います。

○古城座長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 本当に分かりやすく御説明いただいたと思います。私どもの団体は、地方で生活している会員さんが多いのですね。LPガスの話ですけれども、LPガスの料金の話を聞きますと、隣の家と料金が違うのは当たり前とみんな思っているわけです。そういう消費者に、今回の自由化を含めて、頭を少し入れ替えて、LPガスの料金についても、今度ガイドラインができて、標準価格みたいなものがきちんと示されるのだとか、ちゃんと請求書には内訳が書かれるべきなのだということを、受ける側の意識を本当に大きく変えないといけないのだなというのをとても痛感しています。交渉すれば安くなることもあるのよ、みたいな感じでみんな思っているわけですから、確かにそれはそれでいいのですけれども、実はそれが高止まりになっているかもしれない。安くなっているつもりでいても、実は隣よりは大分高いかもしれないということがありますので、そこはもう全体に意識変えを我々もしていかなければいけないのですけれども、このタイミングできちんと国というか、みんなでそれはやっていかなければいけない仕事だなと思います。

○古城座長 大石さん、どうぞ。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 今のお話の補足なのですけれども、LPガスの場合には2万社いらっしゃるので、事業者さんによってはお父さんとお母さんと3人ぐらいでやっているような事業者さんも結構多くて、そこにきちんとした標準料金表を作ってください、というのはなかなか厳しい面も実情としてあるらしいのです。ただ、その代わりに各県にはLPガスの協会さんがそれぞれありますので、そういう小さくてなかなかホームページも作れないようなところに関しては、県のLP協会さんが主導するような形で標準料金メニューを提示するとか、そういうふうにしていくといいのではないかなと提案させていただきました。

確かに、自由料金なので、標準料金よりも高いところもあって、安いところもあってということは当たり前と言えば当たり前なのですけれども、いろいろなところで話を聞くと、結局、安い人のしわ寄せが高い人のところに行っている。要するに、料金を上げますよと言って、嫌だと言われると、離したくないので、安いままでいいですよと。料金を上げますよと通知して何も言ってこないと、この人は上げても大丈夫だなということで上げるということで、どんどんそうやって料金の差が広がっていくという話を聞いていますので、今度、標準料金をきちんと出すこと自体も、そもそもLPは標準料金が作れるかどうかというくらいの世界だったと聞いていますけれども、それを明らかにして、消費者自身も自分が払っている料金というものに関心を持っていくということが重要だと思っています。

以上です。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

最後に大石さんから何か、こういうことをやってほしいとか、御要望はございますか。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 都市ガスのときもそうでしたか、特に電気の貫徹委員会のときに、消費者にとっての託送料金の重要さについてもっと後押しをしていただきたかったですね。消費者委員は私1人でしたので、一生懸命申し上げたつもりではいるのですけれども、消費者庁や消費者委員会のほうからも、この部分については問題だと考えている、重視しているのだということを言っていただけますとありがたいです。まだパブコメが終わったばかりで、今整理中で山内先生は大変だとは思うのですけれども、後押ししていただけるとありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、議論は以上といたします。大石副会長におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

○公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 ありがとうございました。

(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石代表理事 退席)

(独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課 小林課長、福井課長補佐 着席)

≪3.電力小売自由化に伴う消費者トラブルについてのヒアリング≫

○古城座長 続いての議題は、「電力小売自由化に伴う消費者トラブルについてのヒアリング」です。

本日は、昨年に引き続き、独立行政法人国民生活センターより、相談情報部相談第2課の小林真寿美課長、福井晶喜課長補佐にお越しいただいております。

それでは、説明をお願いいたします。15分程度でお願いいたします。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 御紹介、どうもありがとうございます。まずは、日頃より当センターの業務に御理解、御支援をいただきまして誠にありがとうございます。また、本日もこのような貴重な機会をいただきまして、感謝申し上げます。

それでは、昨年の3月にもこちらで、電力全面自由化が始まる直前のトラブルについて御報告をさせていただきましたので、今回は特に4月以降の自由化に関するトラブルについて御報告をさせていただきたいと思います。

ただいま御議論がありましたガスの全面自由化に関するトラブルについては、まだ、消費生活センターには余り寄せられておりませんが、現在寄せられております電力の自由化に関するトラブルを分析することで、共通するトラブルもみられるかもしれないという視点で、注視をしているところでございます。

また、最後、資料の後半では、国民生活センターの取組についても御紹介をさせていただきます。

それでは、資料をおめくりいただけますでしょうか。

まず、相談件数でございます。こちらは、3月までと自由化が開始された4月以降の件数の推移を月別に見たものでございます。3月以前は1,008件、4月以降、200件から月々徐々に減ってきておりまして、合計しますと12月末までで939件という相談が寄せられております。本日は、こちらの件数について相談概要を御紹介させていただきます。

3ページ目でございます。まずは、どのような方々からの相談か、契約当事者をまとめたものでございます。3月以前と4月以降を比べますと、大きな変化はございません。どちらも男性が半数以上を占め、女性が4割前後ということでございます。

4枚目でございます。同じく契約当事者の年代を分析したものでございます。こちらも3月以前と4月以降とでは大きな変化はございません。引き続き、60代、70代、80代という高齢の方々からの相談が多くを占めています。

5枚目でございます。契約当事者の地域を見たものでございます。こちらも3月以前と4月以降の傾向に大きな変化はございません。関東が最も多く、そのほか、都市圏がある地域に多いということが特徴でございます。

6枚目でございます。どのような販売購入形態においてトラブルが寄せられたのかということを分析したものでございます。こちらも3月以前と4月以降で比較していますが、大きな変化はなく、引き続き電話勧誘、訪問販売に関するトラブルが多く寄せられています。

7枚目でございます。こちらは、やっと少し特徴に変化が見られますが、契約・申込の有無、実際、契約が進んでいるかどうかということを見たものでございます。自由化は4月以降から実施されたということもありますので、当然と言えば当然なのですが、4月以降、実際に契約をした方からのトラブルが相談として多く寄せられていることが分かります。

8枚目でございます。この後、具体的な事例を御紹介させていただきたいと思いますが、まずはどのような相談内容の特徴の変化があるのかということを示したものでございます。3月以前と4月以降、これも分けて分析をしております。上位4位、電話勧誘、信用性、家庭訪販、説明不足などについては、3月以前、4月以降、余り変わりなく上位に入っていますが、4月以降少し変化をしている部分としては、解約に関するトラブル、また契約書面に関するトラブル、あとは価格・料金に関するトラブルというものが、実際契約を進められた方からの相談が多いということもありまして、増加しているということが特徴でございます。

それでは、9枚目以降のシートで具体的な相談事例を御紹介させていただきます。いろいろな相談がございますので、少し整理をさせていただければと思います。今回、大きく3つの相談の類型に整理して御紹介いたします。

1つ目、こちらは余り多くはありませんが、制度(電力小売自由化)自体に関する相談でございます。

2点目が多く寄せられている相談でございますが、電力小売自由化に関する具体的な相談です。例えば、勧誘に関するもの、契約内容に関するもの、解約に関するもの、料金の請求遅延などを含めましたそのほかの相談等を2つ目の類型として整理しております。

最後、3つ目としまして、3月に御報告をさせていただいた際にも御紹介しましたが、4月以降も、電力小売自由化に便乗した勧誘等に関するトラブルが、少量ではございますが、引き続き寄せられておりますので、こちらも御紹介をさせていただきたいと思っております。

10枚目以降は、具体的な事例でございます。

まず1つ目、制度自体に関する相談でどういうものがあるかということでございます。例えば、「電力自由化の目的や趣旨がどういうものなのかを知りたい」というものや、「どういった事業者を選んだらよいのか、どのような手続が必要なのかが分からない」、「契約先を変更する際の注意点は何だろうか」というような相談のほか、「各事業者はどのようなサービスを提供しているのか分からない」、「情報をどう調べたらいいのか分からない」、また「その情報がどこにあるのかが分からなくて困っている」などの相談が入っています。

11枚目のシートでございます。こちらは契約そのものの具体的な内容に関する相談でございます。1つ目としまして、勧誘に関する相談でございます。様々な形がございますが、例えば「断っても何度も電話がかかってくるので迷惑、不安だ」というもの。また、「大手電力会社を名乗る者から電話があり、確認すると、そのような電話はしていないというような不審なやりとりがあった」というもの。また、「大手の電力会社を名乗る者から電話があり、その際、年齢や電気使用量を尋ねられて不審に思った」というもの。さらに、「スマートメーターを取り替えないかというふうに勧誘をされたが、販売目的が分からず不審だ」というもの。最後、「契約先変更に伴い、機械の導入でスイッチング手数料がかかると言われたが、そのような手数料がかからないことが後々分かってきた」というもの等でございます。

12枚目でございます。こちらは契約内容に関する相談でございます。例えば、「安くなると言われて契約変更をしたが、どう安くなったのかが実感できない」というもの。また、「書面に不備があったので契約になっていないので、新たな申込になるという説明を受けた」というもの。また、「契約先を変更したのに、いまだに元の契約先のままである」というもの。更には、「キャンセルをしたにもかかわらず、事業者の手違いで契約先を切り替えられ、料金の請求を受けた」というもの。最後、「説明もなく下請業者がメーターの取替工事に来て、不審だと思った」というものでございます。

ただいま、御紹介をいたしましたように、消費者側も事業者側もまだまだ不慣れな中で契約を進めている過程で、様々なトラブルが起こり、相談として寄せられている状況でございます。

13枚目でございます。4月以降は契約をされた方からの相談が多くございます。そういった意味では、解約に関する相談も複数寄せられています。1つ目、「電気の契約をした後、すぐに申し込みを取り消したいと連絡をしたところ承諾をされた。しかし、ホームページのマイページも消えていないし、取り消しが本当にできているのかが不安だ」というものでございます。2つ目、「こちらも電力を購入しようとして契約先を変更したが、実際には今までの二、三倍の料金になってしまったので解約をしようとしたら、解約料1万5,000円が必要だと言われて驚いた」というもの。また、「事前の説明に納得できず解約を申し出たら、解約料がかかると言われ、そういった説明は受けていない」というトラブルになっているもの。さらに、「契約先を変更したいと思い、申し出たところ、2年が契約期間であるので、解約をすると高額な違約金がかかってしまうことが事後的に分かってきた」というものが寄せられています。

14枚目でございます。そのほかの相談といたしまして、2点持って参りました。1つ目です。「電気の契約先をガス会社に変更したところ、以降、電気代の請求がない。問い合わせると、今、請求ができない状態だと言われ、後で一括請求されては困る」という、トラブルでございます。2点目、「住んでいるマンションの住民総会の決議で、マンションで利用する電気について契約先が変更になることに決まった。15年解約できないなど納得できない部分があるので、変更したくない」といった相談なども寄せられています。

最後、電力小売自由化に便乗した勧誘等に関する相談も引き続き寄せられておりますので、3点御紹介させていただければと思います。15枚目でございます。まず、1点目、「電力会社を名乗る者から、電力小売自由化の関係で費用負担なしで太陽光発電システムを設置できると電話で勧誘された。しかし後に、その事業者は電力会社でないと分かった」というものでございます。2点目としまして、給湯器を購入しないかという勧誘につながったもの。3点目としまして、こちらはもう完全に勧誘トークで使っているだけだと思われますが、「電力会社を名乗る者から、10万円で太陽光パネルのオーナーになれば、年利回り7.5%を保証するという勧誘をされた」というものなども見られます。

以上、現在寄せられておりますトラブルの概要と事例でございますが、こういったものを踏まえまして、国民生活センターでは継続的に様々な取組を行っています。16枚目以降で少し御紹介させていただければと思います。

まず、関係機関との連携としまして、こちらは既に本会議でも御報告をさせていただいておりますが、昨年2月に経済産業省電力取引監視等委員会(現 電力・ガス取引監視等委員会)と連携した消費者トラブル防止施策の強化を行うという趣旨の協定書を結び、継続的に取り組んでおります。

また、同様の趣旨で、昨年12月、ガスの小売全面自由化に関する取組に関しましても、同委員会と協定を結んでいるところでございます。

17枚目でございます。そういった協定も踏まえまして、様々な形で消費者に向けて情報を随時発信しているところでございます。具体的には、報道発表という形で、電力の自由化が始まるということ、また電力自由化をめぐるトラブルがどういうふうになっているのかを速報という形で全7回、さらには昨年の12月には、ガスの小売全面自由化に関しても、開始前ではありますが、事前の心構え等を呼びかけているところでございます。これらは、同委員会と連名という形で公表しています。加えまして、当センターでは、メールマガジンを作成する等、様々な形を用いて注意を呼びかけているところでございますが、今後も様々なトラブルの相談受付状況を見まして、取組を進めてまいりたいと考えております。

簡単ではございますが、報告とさせていただきます。

○古城座長 ありがとうございました。

それでは、御質問や御意見のある方は御発言をお願いいたします。

陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございました。

電力自由化、4月を境に前後の相談件数が挙げられているわけですけれども、これらの相談案件の中で、連携協定を持たれている監視等委員会が解決に向けて動いた案件がどの程度あって、あるいは監視等委員会が持たれているガイドラインの見直し等が行われたようなものがあれば教えていただきたいということ。ちょっとお聞きするところが違うとは思いますが、もし分かればです。

それから、これら約2,000件の相談に対して、アドバイスなり、何らか解決に向けて動かれたと思うのですが、相談された側がこれは解決したと了解された、あるいは生活センターなりの対応で満足されたという数字を把握しておられましたら教えていただきたいと思います。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 御質問、ありがとうございます。

まず1点目、委員会との連携状況でございます。具体的に委員会の方がどのような指導をされ、具体的な行政処分をどのようにされているのかというところは、公表されている範囲でしか私どもも把握しておりませんが、常に相談事例等に関して、共有をするようにしておりまして、それに基づき、啓発をはじめとする様々な取組につなげていただいていると感じております。

また、寄せられた相談に関しての解決についてですが、まず、電力自由化に関するトラブルの多くは、相手と交渉ができないとか、相手がどこにいるか分からないというようなことはありませんので、必要に応じてきちっと交渉なり、いろいろな話し合いができているものが多いという印象があります。

その中で、消費者の誤解であったり、事業者側の説明不足があったりなどの状況を見まして、それぞれ解決に向けての話し合いを行うこととなりますが、おおよそ解決に向けての話し合いを進められているものが多いというふうには感じております。具体的な数値は持っておりませんが、一定の解決に向けた話し合いができている類いのトラブルだと認識しております。

○古城座長 ほかはいかがでしょうか。

矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 御説明、どうもありがとうございました。

最初の件数のところでお聞きしたいのですが、これは具体的に電力自由化に関係する件数ですか、国民生活センターで統計をとっていらっしゃる全体の相談件数の中で、この合計の12月まで1,947件ということですけれども、それはどのぐらいの位置にあるのか。今日分からなかったら、また別途でもいいのですけれども、そういったものを改めて全体の中で占める相談の位置を知りたいなと思っております。

それとあわせて、先ほど陶山委員からも質問が出ていましたけれども、相談された方への解決の方法では、情報提供やアドバイスのほかにあっせんのところまで、そういった区分けで整理もされていますよね。そういったことが電力の自由化に伴う相談についてはどういう対応結果になったのかというのも、恐らく年度末に2016年度の統計がもうすぐですか、整理されている最中だと思うのですけれども、そういったものが資料として出てくるとありがたいと思っております。

それから、先にこちらの専門調査会のほうで取りまとめた注視すべき論点の中でも、地方の経済局と地方の消費者センター、そことの連携強化も必要だということは述べたわけですけれども、その辺のことで、それがうまくいっているとか、より強化されているということがあれば、お聞かせ願いたいと思っております。

それから、今、監視等委員会等の連携で協定が結ばれていることで、様々相談事例が寄せられて、具体的な対応は、先ほど陶山委員からも質問がありましたけれども、公表されている範囲で実際には対応をつかんでいるということでしたけれども、もう少しお話し合いをされていると思いますので、例えばこういった事例に対しては、確かにこの事例が現実に対応に結びついたよと共有することでより仕事へのモチベーションも上がると思いますので、その辺の具体的なお話はどの程度されているのでしょうかということをお聞きしたい。

最後に、今回の電力自由化の様々な相談内容から、4月からガスの自由化に対してもほぼ予測できることというか、国民生活センターとしてもこういったことはちゃんとやっていきたいなということがあれば、ちょっとお聞かせ願いたいなと思います。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 まず1点目、全体の中で占める割合についてですが、現在、毎年度、年間90万件前後の相談が全国の消費者生活センターに寄せられておりまして、2015年度ですと約92.6万件の相談が入っておりますので、2016年度も同水準の相談件数が寄せられることを予想しております。以上を踏まえますと、そんなに大きな割合を占めているトラブルではないということは言えるかと思います。

なお、2016年度の統計については、3月までの相談件数を来年度に入りまして統計をとって分析をしていく予定にしておりますので、またその後に御報告等をさせていただければと思います。

2点目の本件に関する地方のセンターとの連携ということでございますが、この点は、私どもも常に意識をしているものでして、と言いますのは、やはり新しい仕組みにおける契約になりますので、まずは仕組みですとか、また事業者の動向などは常に各地のセンターとも共有できるよう情報収集をし、そういったものを随時共有しているところでございます。

また、個別事案に関しましても、当センターでは普段より、経由相談窓口という各地の消費生活センターから相談を受け付ける窓口がありますので、その窓口においてもこの自由化に関するトラブルが寄せられた場合や、各地のセンターで解決が難しいと思われた場合には、私どもも一緒に検討させていただき、力を合わせて救済につなげるということもしております。今後も、そういった様々な形で引き続き連携を強めていきたいと考えております。

3点目、委員会等との連携に関しましては、先ほども少し御紹介をさせていただきましたが、私どもが受けた相談事例、また先方が受けた相談事例等については、情報交換をしております。

また、私どもの悩みとしては、関連する法律のルールや電力小売自由化の仕組みについて、不慣れな部分があります。そういう意味では、事案に絡めましてこういったところはどういうふうに整理をされているのか等ということを日々教えていただいているということもございます。

さらには、地方のセンターとの連携の部分ともかかわりがありますが、私ども教育研修部において、各地のセンター相談員や職員の方々にお集まりいただく研修を実施しております。その中でも、委員会の事務局担当者の方に講師としてお越しいただき、仕組みや寄せられるトラブルを踏まえた対応策等について講義いただいているところでございます。

最後、ガス全面自由化に関してですが、私ども既に協定も12月に委員会とも交わしておりますので、まずは、今後、どういったトラブルが寄せられるのかということを注視しているところでございます。

なお、今寄せられているトラブルとしましては、まだ具体的なものではなく、例えば「ガスの自由化に伴いアンケートに答えてほしいという連絡が入り不審である」などのトラブルにとどまっているところがございますので、今後具体的に様々な商材とのセットで契約されるような方のトラブルなども入ってくる可能性もございます。今後、広い視野で注視をしてまいりたいと考えております。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 国民生活センター相談情報部の福井と申します。幾つか補足をさせていただきます。

お配りしている資料の最後に「国民生活センターの取り組み」として情報発信ということで、電力・ガス取引監視等委員会様との連名で公表を何回かさせていただいておりまして、その公表に当たっては事務局の方とお話し合いをしまして、今起こっている電力自由化の問題点をお互い共有して、そのことを消費者へのアドバイスで入れていこうということで、幾つかトピック的に公表をしております。

もう一つは、4月からどういうことがあるかというところですけれども、そこも委員会事務局とお話をしておりまして、最後に(参考2)でつけさせていただいているのが「ガスの小売全面自由化が始まります!」という、まだトラブルは寄せられていないのですけれども、こういうことが起こりそうだなというのを事務局の方とお話をしていて、内容としては、電力と同様に便乗商法とか、大手の電力会社をかたった個人情報の取得など似たようなことがあるのではないか、また、注意項目として、解約したときの手数料はどうなるのだとか、そういうところを確認しましょうというようなアドバイスをしております。

以上でございます。

○古城座長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 ありがとうございました。

相談の御紹介の中に、1つだけ通信とのセット販売の解約に関する相談のところで御紹介いただいているのですけれども、現在、モバイルと固定の光回線、そして電力というところまでのセット販売は結構いろいろなところでされていると思いますけれども、この解約に関するところで、解約料が別々に発生するとか、そういうセット販売にかかわるような固有の相談がないのかどうか。そして、またこの後、これにまたガスが加わるということになったときに、どうお考えかを教えていただければと思います。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 セット販売についての相談というのは寄せられているのですけれども、件数は非常に少ないです。今回、事例を出させていただいたのと、ほかにも何件かあるのですけれども、もうほとんどないという状況です。当初は、もっと相談が寄せられるかなと思っていたのですけれども、予想と反して少ないです。

相談内容を見ても、今回の事例のように、片方の電力だけの解約料はかかるという事例はあるのですけれども、それに連動して通信の解約料というトラブルはまだ見られていないです。

○長田委員 今回は、電力のこれがかかわれば、全部ここに相談は件数として入っているということなのですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 はい。

○長田委員 ありがとうございます。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明どうもありがとうございました。

解約に関する相談について御質問させていただきたいのですが、13ページの下の3つの○は、いずれも解約に関するトラブルだと思うのですけれども、解約金をとること自体は禁止されていないので、それぞれの会社によって解約金を設定していたり、設定していなかったり、期間の縛りをかけたり、様々だと思うのですけれども、このような解約料についてのある程度のガイドラインのようなものは必要ではないかということをお考えかどうかということと、具体的に赤字で親切に書いていただいているのですけれども、解約料というのは例えば事務手数料的に、もちろん必要な部分もあると思うのですけれども、そういったものを除いても、違約金まで含むことについてはある程度の縛りというか、規制が必要ではないかと思うのですが、そういったことは現段階ではまだ考えられていらっしゃらないということでよろしいのかという確認です。

それから、こういった一般的には消費者契約法とか、特商法とか、いろいろな消費者保護関連法により規制により現場の相談員さんがトラブルの解決をしていらっしゃると思うのですけれども、ここに挙げられたような事例については、具体的にはどのような対応がなされたかということが分かれば、分かる範囲で教えてください。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 御質問、ありがとうございます。

こちらの事例を御紹介した趣旨としましては、消費者はもともと電力に関する契約で解約料を今までとられた経験がないというところから、自由化がスタートした後、消費者に解約料に関する認識がほとんどないということが一つの特徴としてありました。それに加えて、事業者からの説明が不足していた可能性のある事例もみられます。そういった場合、消費者に認識がないままに解約を申し出たときに、初めて解約料について認識をし、トラブルとなっています。問題意識としては、契約の内容の一つの大きな要素である解約料についても、事業者と消費者できちっと認識をした上で契約をしていただきたいということが今の問題意識でございます。

相談が寄せられた場合には、どのような説明を受けて、どういう書面で、どういう契約をしたのかということを消費者に詳しく聴き取りをし、消費者はなぜ認識ができなかったのか、または事業者側の説明は十分だったのか等を、問題整理をする中で解決を目指すということをしている状況でございます。

○古城座長 よろしいですか。

○古賀委員 はい。

○古城座長 今の点にちょっと関連するのですけれども、相談を受けられた後の解決についてです。相談をして、消費者の人に説明をして終わる場合もあるし、事業者の人に仲介して、そこで解決できる場合もあるのでしょうけれども、トラブルで法律違反だという場合にはどういうふうに取り扱っているのでしょうか。電力・ガス取引監視等委員会に報告されるということですか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 当センターでは、具体的に、これは完全に法律違反であるというような事案は見ておりませんので、実際はしておりませんが、もしそういったものがございましたら、私どもだけでは対応がし切れない部分がございますので、委員会とも共有して取組につなげていきたいと考えております。

○古城座長 そうすると、委員会と相談センターの関係というのは、委員会のアドバイスを受けつつ相談センターが相談のスキルを高めて、適切な相談に応じるというのが今の姿なのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 ありがとうございます。

その通りです。電力自由化の仕組みとか法律に関しては、やはり委員会から助言を受けるということが多くなります。そういった情報も活かしながら、契約トラブルでもございますので、相談員の経験を生かした聞き取りや問題整理をしているという状況でございます。

○古城座長 相談をきっかけに、監視等委員会に問題事例を報告するというケースは余り多くないということですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 何点かはありまして、特に大手の電力会社をかたった勧誘というのが幾つか見られたので、そういう点は直接報告をして、こういう事例がありますというのはお話をしているのですけれども、かたっている事業者というのが何者かというのが結局分からないので、実際にそこで指導ということは難しかったのか、そこまでは把握はしていないのですけれども、そういう事例を監視等委員会に上げるということはしております。

○古城座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 消費者被害という観点が一つあると思うのですけれども、実際に救済されるべき被害に至った事例はあるのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 御質問ありがとうございます。

その視点としては、電力の契約の中でということでしょうか。

○矢野委員 そうです。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 消費者側が被害を受けているのか、その被害を救済できるかどうかは、一つ一つ細かく内容を見ていかなければいけないとは思います。例えば、金銭的負担を伴うトラブルの1つに、解約料の問題があります。そこは先ほどお話をしましたように、契約前の説明はどうだったのか、契約書面にはどう記載されているのか等、問題を整理し、解決を目指しているというところでございます。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 今日いただいた数字は、直接各地の消費生活センターなりで集計されたものと理解してよろしいですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 そうです。全国の消費生活センターと国民生活センターの全国の窓口に寄せられたものを集計したものでございます。

○陶山委員 ということは、監視等委員会へ直接相談があったとか、質問があったということについては、この中には入っていないわけですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 そうです。

○陶山委員 事務局のほうにお願いなのですが、監視等委員会のほうでもいろいろ質問なり、相談を受けられていると思いますので、その数値なり内容について、今日のように御紹介いただけると非常にうれしく思いますので、よろしくお願いいたします。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 同じような話になってしまって恐縮なのですが、いろいろな被害事例を集約されて監視等委員会に報告されて、監視等委員会がその事例の中で問題のあるものについて対応されるという仕組みはよく分かるのですが、例えば解約の手数料について言うと、一定のプライスキャップというのではないですけれども、上限を加えたりするようなことを行えば、例えば現場の相談員の方の対応も非常にやりやすくなると思うし、例えば解約違約金として、6,000円とか1万円、3年しばりで1万5,000円という、現実にそういう会社があるみたいなのですけれども、そういうところの被害については、ある程度のガイドラインというか、期間を縛る場合は幾らとか、普通の更新であれば幾らというようなものを出すことが必要ではないかと考えるのですが、その点はいかがでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 きちんと議論ができている部分ではないのですけれども、もちろん不当に高額な違約金や解約料を求めるようなものが多くなった場合には、やはりそういったルールも必要になってくるのではないかと考えております。

現在、料金に納得できないというものに関しては、具体的にどのような費用がかかっているのかということも確認をしながら交渉を進めているという状況ではございます。

○古城座長 どうぞ、山内委員。

○山内委員 単純な質問なのですが、14ページのその他で、これは東京電力のシステムの関係で料金請求がなかったというのがありましたが、これは多分ガス会社だと思いますが、ガス会社に相談したら、できない状態だと言われて、それでセンターのほうに来たということですね。こういう事例は結構ありますかという質問と、これはどういうふうに答えられるのかなというのが2つ目の質問です。

それから、下のやつはもうちょっと深刻ですけれども、こういう一括契約になってしまって、選択できないことは不安だという、こういう事例はありますかというのが質問です。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 マル4のその他の相談というのは、ほかの勧誘の相談などに比べると非常に少ないです。全体の1割以下、もっともっと少ないぐらいです。

1つ目の御質問ですけれども、アドバイスをどうしているかというところですが、個々の事業者のほうで、消費者の方が申し出ると分けて請求するとか、そういうお答えをいただいているので、そういう情報をお知らせして、直接交渉をされてはというお話をさせていただいています。その後で、特に問題になったというので戻ってくるケースはないです。

○山内委員 その下はどうですか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 下のほうも、相談としてはやはり少なくて、大体このようにマンションのほうでは変えると言っているのですけれども、自分はやりたくないという相談は少し寄せられています。

○山内委員 分かりました。ありがとうございます。

○古城座長 ほかにいかがでしょうか。

蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 ありがとうございました。

相談件数と相談内容について確認をしたいのですが、相談件数に対して毎月の相談件数が激減していますよね。その激減する相談の中で、定量的には平均的な相談内容はこうですよというのが8ページに分析として書いてありますね。この減る中において、例えば50件もこの割合なのか、あるいは最初はすごく電話相談が多かったのだけれども、今はそうではなくて、解約をどうしたらいいのかという相談のほうが多いのか。定性的に見たときに、相談内容の変化というのはどういうふうに起こっていて、それに対して重大性が高まっているのか、結構問題が大きくなっているのか、そうではないのか、その辺のところがもしお分かりになりましたら教えていただけますか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課福井課長補佐 まず、2ページの月別に出しているところですけれども、2016年の1月、2月、3月というのは事業者の勧誘が激しかったことで、勧誘があったけれども、そもそも電力自由化って何だとか、勧誘がしつこいとか、そういう相談が多く寄せられていました。2016年度に入ってから4月以降というのは、そういう勧誘が少なくなったのかなと思っているのですけれども、具体的に9ページの相談事例のところに1、2、3と、今説明させていただいている部分ですが、1の制度自体に関する相談が1割に満たないぐらい、3の便乗した勧誘というのも1割に満たないぐらいで、残りの8割とか9割近くが電力自由化に関する具体的な相談の内容となってまいります。

そのうちの2.の中でもマル1の勧誘に関する相談がそのうちのさらに4割ぐらいで、マル2とマル3の契約・解約が4割ぐらいで、実際、勧誘とか契約と重なる部分はあるのですけれども、ざくっと分けると、マル1で4割、マル2とマル3で4割、残りの数パーセントがそのほかの相談と、大きく分けるとそういう状況です。定性的に見ると、そういうふうな変化がございます。

問題が大きくなっているのかというところは難しいかなと思うのですけれども、前は契約していない方が多かったのですけれども、今回は契約をしてしまったという方が多くなっていますので、そこでどうやって自分の起こった問題を解決するかということになってくると、やはり消費者の方には負担は増えてくるのではないかと思っています。

○蟹瀬委員 なぜお聞きしたかといいますと、さっき古賀委員がおっしゃっていたように、解約金に関する、ある意味での規制をかけなければいけないのではないかという話の中で、今こういう問題が非常に大きく起こってきているということが事実としてあれば、それを逆にきちんと取り上げることによって、ただ電話で勧誘されちゃったという、お電話だけだと解決できるかもしれないのですけれども、実際に契約をしてしまって、解約金が非常に高くて困っているという問題は、現実的には被害がもっと大きくなっているわけですよね。大きい小さいと言ってはいけないのですけれども、その定量の中を定性で見ていくことによって、もしそういうことがこれからも起こりそうだとか、今後ガスでも起こりそうだとか、いろいろなことが予見できるかなということがあるので、よろしかったらその辺を詳しく見ていただけるとうれしいなと思っています。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 そういった視点も今後注視してまいりたいと思います。

○古城座長 今日の御報告を伺っていますと、去年の4月以降、実際に販売がなされてから、自由化以前に懸念された事態が非常に大きく起きているという感じではないですね。減ってきているのですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 そうです。

○古城座長 もう一つ、さっき質問がありましたけれども、相談というのは相談センターに行くのと別に、監視等委員会に直接行くのもございますよね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 そうだと思います。

○古城座長 その割合は大ざっぱに分かりますか。半々ぐらいだとか。両方見ないと分からないことになりますか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 全体のトラブルの中でどのぐらいの割合で寄せられているのかというのは、詳細は分かりませんが…。

○古城座長 細かい数字ではなくて、大ざっぱで結構です。相談センターの今日の報告が、全体像にかなり近いのでしょうか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 少し前のデータではございますが、連名で公表している資料の中に記録がございます。昨年の10月末の時点で委員会に寄せられている相談件数が1,066件、その当時、国民生活センターの全国の消費生活センターに寄せられているものが1,654件でございました。

○古城座長 半々より相談センターのほうが多いということですね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 はい。このデータからみますと、少し多いということでございます。

○古城座長 それから、解約金の話というのも監視等委員会に知らせているわけですよね。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 解約金に関するものに限らず、寄せられている事例は随時、共有をしています。

○古城座長 監視等委員会が解約金の額とか、ああいうものについてはもう事実は把握していると。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 トラブル事例としては把握されているかとは思いますが、個々の事業者がどういう解約金でというところまで全て把握しているかどうかは、私どもとしては確認をしておりません。

○古城座長 もう一つ、相談に来られた方の案件がちゃんと処理されているかどうかというのも一つの関心なのですけれども、それは先ほどのお話だと、余り深刻なのがないと。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 はい。そのように認識しています。

○古城座長 例えば、電力小売事業者について監視等委員会はいろいろ規制権限を持っているのですけれども、太陽光パネルを設置、販売する業者などに対しては直接の規制権限を持っていなくて、むしろ訪問販売とか、あっちのほうで規制することになるから、監視等委員会に流すよりもしかるべきところ、訪販法なんかを取り扱っている部署に持っていったほうが対応できると思うのです。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 確かに便乗型のトラブルについては、随時、内容によって関係機関に共有をしていく必要があると考えております。

○古城座長 あとはいかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 解約金の話なのですけれども、モバイルの世界でも2年縛りとかの解約金が妥当なのかどうかというのはずっと議論が続いていると思います。特に、モバイルの場合もそうですけれども、転勤とか、国外に出るというやむを得ない事情のときの解約金についてはとらない方向というのが、別に法律で規制されているわけではないですけれども、そういう一定の整理はされてきていると思います。

電力の場合も、契約はしていたけれども、思いがけず転居ということも十分あり得るわけで、そういう中での解約金の考え方というのは、ぜひこの場で整理をして示すべきではないかと私は思います。

○古城座長 松村委員。

○松村委員 一応念のためですが、今の点は実にもっともなことなので、その点の問題が多く起これば、こちらから何か言うべきだと思います。電気にしても、ガスにしても、転居するというのはごまかしようがないというか、供給先自体が変わるわけですから、確かにもっともだと思います。

一方で、例えば期間とか金額とかで上限を定めるというルールについては、実は委員会でも議論はされた、私も強硬に主張したのですが、これ以上はだめというのは、安易に低い数字を言えないわけです。ある意味で強制的に、それ以上のだめということを言うわけですから。強行法規的なルールをむやみに厳しくできません。

そうすると、高い数字、長い期間をガイドラインで明示すると、そこに張りついてしまうのではないかという懸念もある。この結果むしろ消費者の不利益になるかもしれない。電気の常識からして、むちゃくちゃ高い違約金とか、長い期間とか、さっきの高圧一括受電は特殊なケースだと思いますが、とんでもないようなものを要求することはほぼありそうにないので、様子を見て本当に大きな弊害があるなら、もっと強くガイドラインに書く、ということで一旦整理された。書き込んでいないのは、怠けているわけではなく、判断してそうなったのです。

ただ、実際にこんな高額な違約金を要求されて、これはどう考えても常識に反するじゃないかとか、こんな長期の拘束期間で常識に反するじゃないか、携帯とかの常識から見てもかけ離れたものが事実として多く出てくれば、当然議論されることになると思います。

そういう意味で、今回のような事例の交換がされて、事例の情報が蓄積されるのはとても有意義だと思います。この委員会でもずっと見ていって、本当にゆゆしき問題だということになったら、ちゃんと物申さなければいけないと思いました。

以上です。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 松村委員、どうもありがとうございました。

今の点については多分スイッチングしている人の間に解約金の問題が生じてくると思うのですが、スイッチング自体の割合が非常に低いですよね。現状3から4%ぐらいだと思うのですけれども、そういった中で4割強の問題が出ているということは、解約金については私としてはかなり目立ったトラブルではないかと思いますので、3年間の縛りで1万5,000円というところはかなり目立つなと思います。いろいろなところがあって、例えば東京ガスの場合は解約金なしとか、そのほかのところも1,000円ぐらいのところとか、いろいろなところがあると思うのですが、やはり上限というか、ある程度の縛りというものは必要ではないかなと思います。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。

ほかにございませんでしょうか。

最後に、センターのほうから何か御発言はございますか。

○独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第2課小林課長 本日はどうもありがとうございます。新しいこういった仕組みについてのトラブルについては、私どももいろいろな情報を収集して取り組んでいくことが重要だと思っております。引き続き皆様からも御指導等をいただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

○古城座長 ありがとうございました。


≪4.閉会≫

○古城座長 それでは、議論は以上といたします。小林課長、福井課長補佐におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

事務局より連絡事項はございますか。

○丸山参事官 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうございました。

次回の会合につきましては、確定次第、御連絡をさせていただきます。

○古城座長 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 前回欠席して、その後の委員打ち合わせでどのようなことがなされたか存じていないのですが、昨年出しました注視すべき論点を作り上げるときに様々ヒアリングを行ったのですが、今回、今のところ学識の方に御説明をいただき、今日は消費者団体、国センということでしたけれども、今後、経産省、事業者、それから比較サイトについてもぜひヒアリングの対象にしていただきたいという要望をいたしますので、御検討ください。

○丸山参事官 検討して、こちらのほうをセッティングさせていただきたいと思います。

○古城座長 事務局から連絡事項はもうこれでおしまいですか。

○丸山参事官 はい。

○古城座長 それでは、熱心な御議論をありがとうございました。

本日は、これにて閉会とさせていただきます。

(以上)