第34回 食品表示部会 議事録

日時

2014年10月31日(金)10:03~14:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、石川委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、春日委員、栗山委員、河野委員、迫委員、立石委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、山本課長補佐、石丸課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)
  3. 「遺伝子組換え食品に関する品質表示基準」の一部改正に係る審議について(消食表第165号諮問書)
  4. 「乳等表示基準府令」の一部改正に係る審議について(消食表第166号諮問書)
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第34回会合を開催します。

本日は、澁谷委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入る前に、配布資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料ですが、議事次第の配布資料一覧のとおりです。なお、追加配布資料を一部つけております。本日、立石委員、鬼武委員、栗山委員から意見書を頂戴しております。委員提出の資料についても議論に御活用いただくようお願いいたします。

不足の資料がありましたら、事務局へお申し付けください。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますよう、お願いいたします。

それでは、阿久澤部会長に議事進行をお願いいたします。

≪2.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)≫

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

本日は、消費者庁から岡田審議官と竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても、後日公開することとします。

それでは、本日の議題に入ります。

まず、本日の議事の進め方について確認させていただきます。本日は議題が3つあります。

1つ目は、9月19日に諮問を受け、9月24日、10月3日及び15日の部会で議論を行った食品表示基準案についてです。本日は、その他の議題に関する議論を行った後、答申書に関する議決を行います。

2つ目は、7月23日に諮問を受け、7月25日に一旦審議した「『遺伝子組換え食品に関する品質表示基準』の一部改正について」のパブリックコメント後の審議、3つ目は、同じく7月23日に諮問を受け、7月25日に審議した「『乳等表示基準府令』の一部改正について」のパブリックコメント後の審議になります。

本日の会議は、前回と同様ですが、3時間を予定しておりますので、時間配分としては、1つ目の議題に2時間程度、2つ目、3つ目の議題で1時間程度を考えております。毎回、予定時間を過ぎてしまっておりまして、その都度反省はするのですけれども、また御批判もいただいておりますので、きょうは私自身も反省を込めて、できるだけ時間内に終わるよう努力してまいりたいと思いますので、皆様におかれましても、ぜひ御協力のほど、お願いしたいと思います。

では、1つ目の議題に入ります。まず、9月19日諮問の食品表示基準案についてです。

10月15日の部会で消費者庁の追加・補足説明を受け、資料3「調査会報告書記載事項と基準案との対象一覧からの抜粋」の項目に沿った議論、及びそれらの項目に対する各委員の意見確認は終了しています。前回、欠席された委員も含めて、各委員の意見状況は参考資料2のとおりです。その状況を受けて、資料1-1の答申案、資料1-2の報告書案を作成しております。よろしいでしょうか、御確認できていますでしょうか。

立石委員と鬼武委員から、この答申案に対する意見書が出ていますが、それらも含め、この答申案に関し議論いただく前に、前々回の部会で栗山委員と立石委員から追加提案があり、前回も時間が足りず、議論できずに残している、その他の審議項目について、まず議論したいと思います。答申案については、修正箇所が全て確定したところで、まとめて確認していきたいと思います。

なお、本日は、数名の委員が御都合で11時ごろから12時にかけて、順次退席される予定であるとお聞きしております。その他の審議項目に関する議論を1時間程度で行い、答申案の内容に関する議論をその後1時間程度で行うということで、できるだけ多くの委員がそろっておられる間に答申に関する議論を行えればと考えております。御協力のほど、重ねてですが、よろしくお願いいたします。

10月3日の部会で、栗山委員と立石委員から資料3以外の項目について提案がありました。

栗山委員からは、参考資料4の報告事項と食品表示基準案との対照一覧の8ページにあります、食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品表示に関する検討課題のうち、委員個別意見欄にある「表示を奨励している特定原材料に準ずるものの根拠規定」と「酒類へのアレルゲン表示」についての2点です。

立石委員からの御提案は、参考資料4の1ページ、栄養表示の対象成分に関する検討課題のうち、「トランス脂肪酸の表示について」と、2ページになります、裏側です。栄養強調表示に関する検討課題のうち、「脂質の『含まない旨』の表示について」。それと6ページ、加工食品の横断的事項の表示に関する検討課題のうち、「複合原材料の表示について」と「原材料名の記載方法について」の4点になります。

これから、以上6項目について、議題として議論すべきかについて御意見をいただきます。その前に、本日の議論で議題とすべきとした場合のことについて確認しておきたいと思います。

現在、諮問された基準案が適切かどうかを議論している中で、基準案を修正すべきとする追加の提案がされている状況です。この後、これらの項目を議題とするか否かの確認を行いますが、半数以上の委員が賛同して、提案内容について議題にすることとなった場合、今回の提案は、基準案の該当部分に修正を加えるべきということが提案の趣旨ですので、諮問案を何らかの形で修正するという方針も含めて決定されたと考えさせていただきます。

議題として取り上げることと、基準案を修正することを分けて議論したほうが丁寧だと思いますけれども、今回、御提案いただいている件は単なる問題提起ではなく、基準案を修正すべきという趣旨の提案ですので、議題として取り上げるかどうかを御判断いただく際には、提案に沿って基準案を修正すべきか否かを判断基準としていただきたいと思います。議題で取り上げる場合は、提案に沿って基準案を修正する必要がある場合のみ議題とするという認識で議論をお願いします。

また、この議論の中で、今回は基準案の修正について取り上げるところまではいかなくても、その項目について将来的には検討する必要があると思われる場合は、その旨の御意見として頂戴したいと思います。ということでよろしいでしょうか。はい。御了承いただいたということですので、議論に入ります。

提案内容について、改めて委員から説明をお願いします。先ほど申し上げたように、6項目を1時間強で議論したいと思いますので、説明は簡潔にお願いします。また、基準案を修正すべきという提案ですので、どう修正すべきなのか、理由を含めてはっきりとお話いただきたいと思います。これについて、時間の目安ですけれども、質疑を含めて1項目七、八分ということでやっていきたいと思っております。

まず、栗山委員のほうから、「表示を奨励している特定原材料に準ずるものの根拠規定」に関することをお願いいたします。

○栗山委員 まず、アレルギー表示については、直接命にかかわるという点から御検討いただいておりますことに感謝申し上げます。

アレルギー表示は通知ではなく、基準に入れるべきという提案です。通知にする理由として、3年に一度の特定原材料の見直しなど、柔軟に対応するためという御説明をいただいた記憶がございます。この会議の場だったのか、その前の場だったのか、ちょっと定かではないのですが、ということがあったと思います。それで、平成13年当時、表示制度が始まってから、何度かの追加がアレルギー表示にはなされてきましたが、現在の原材料でほぼ九十数%をカバーしていると伺っています。通知により柔軟な対応をするよりは、基準の中に入れて確実な対応としていただきたいと思います。以上の理由で、アレルギー表示は通知でなく、基準に入れていただきたいという御提案です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

それでは、ただいまの提案に対し、意見、質問がある委員がいらっしゃいましたらお願いいたします。どうぞ。

○鬼武委員 これは栗山委員に聞くのが適当かどうかわかりませんけれども、議論を促進するためには、現行の通知と、それを基準に落としたときの違いについて、法律的な解釈と、それについて消費者庁か消費者委員会のほうから、まず説明いただけますか。もう少し中身を御説明いただかないと、この点について、我々はどう判断していいか、手持ち資料もないので判断できないので、その点をまずお尋ねしたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 では、消費者庁のほうから御発言いただきます。

○岩城課長補佐 まず、アレルギー表示についてですけれども、現在、推奨表示につきましては通知で行っているということでございますけれども、通知で行っている場合には推奨表示ということで、それについては間違ってもペナルティーが課されない状況になっております。一方、基準の中で推奨表示とした場合には、もし表示等にミスがあった場合にはペナルティーが課されるという違いがあると思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○鬼武委員 それは、ラベル表示された場合の執行のときの問題でしょうけれども、そもそも通知で出すということと、基準に落とすときの例えばアレルゲンの確認の仕方とか、そういう違いはないのですか。要するに、科学的検証ができるとか、そういう違いがあって通知にするとか、もしくは基準というものであれば、従前に説明があったと思いますけれども、かなり重篤性があるとか、幾つかの要件を持っていて、推奨は違うという2区分されていると思いましたけれども。その辺は、ただ単にペナルティーの問題だけではないと私は認識しているのですが、いかがですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○岩城課長補佐 特定原材料、表示が義務化されているものにつきましては、特に発症数とか重篤度から勘案して表示の必要性が高いということで表示義務といたしまして、基準に入れているということでございます。

一方、推奨表示ですけれども、発症例や重篤な症状を呈するものの数が継続して相当数見られるのですけれども、特定原材料に比べると少ないものということと、あとは特定原材料とするか否かについては、今後、引き続き調査を行うことが必要というものでございますので、こちらの表示につきましては任意表示ということで通知に落としているところでございます。

○阿久澤部会長 はい。

○宇理須委員 今、ペナルティーがかかってくるとおっしゃったと思うのですけれども、義務表示のときにもペナルティーがありますね。それと同じ重さといいましょうか、内容のペナルティーがかかるようになるのか、もし推奨が基準になった場合にペナルティーはあるのだけれども、義務のときのペナルティーとは違うのですか、その辺の差があるのですか。

○岩城課長補佐 基準にした場合には、表示に間違いがあれば、当然、義務表示と同じような行政指導がかかるということでございます。

○宇理須委員 実質的に罰金幾らとか、義務の場合はいろいろ書いてあったと思うのですけれども、そういう内容も一緒ですか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 表示したことと実際の食品に対して違いがあるということにつきましては、同じでありますので、したがいまして、義務表示として規定しても、推奨表示として規定しても、その表示に誤りがあれば、行政庁としては同じ対応をするのが基本になるということでございます。

○宇理須委員 基準にした場合はそうなるということですね。

○竹田食品表示企画課長 推奨として、こういうアレルゲンについて表示するときは、こういうふうに表示してくださいと基準に多分書くことになりますので、それにのっとって表示した結果、間違いがあったということであれば、義務表示であれ、推奨であれ、行政庁としては基本的には同じ対応をとるということでございます。

○阿久澤部会長 どうぞ、安達委員。

○安達委員 先ほど鬼武委員のほうから、科学的な検証ができるのかというお話がありましたので、私、研究所で業務としてアレルゲンの検査法を担当しておりますので、ちょっと現状を御説明いたしますと、特定原材料の場合は、各地方自治体で検査をする対象になりますので、定量検査法と確認検査法の2段階できちんと検査できる体制が整っています。ただ、特定原材料に準ずるものの場合は、検査法がまだ確立されていないものも多く、定量検査法に関しましては確立されているものが1種類のみという状況になっておりますので、科学的な検証を特定原材料に準ずるもの全種類について行うということは、現在できない状況になっておりますので、ちょっとお知らせをさせていただきます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

そのほかございませんか。どうぞ。

○宮地委員 先ほど調査が必要だからということもおっしゃいましたけれども、どれぐらい調査というのは進んでいるでしょうか。今、安達委員がおっしゃった検査法の話が調査でしょうか、それ以外の調査というのはあるのでしょうか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○岩城課長補佐 調査というのは、アレルゲンの特定原材料を指定するかどうかということで、3年ごとに全国実態調査を行っております。このデータといたしましては、食物を摂取して一定の期間内に症状が発症して病院にかかった症例が3年に一度、報告として取りまとめまして、それに基づいて特定原材料にするか、特定原材料に準ずるものか、検討しているということでございます。

○宮地委員 当初の5つのアレルゲンから7つのアレルゲンに進んだわけですが、7つのアレルゲン以降、変化というのは何かあったのですか。

○岩城課長補佐 先ほど申しましたとおり、特定原材料と表示義務にするものにつきましては、発症数とか重篤度から勘案して義務表示にする必要があるということで、推奨表示から義務表示に変わったということになっております。

○阿久澤部会長 ほか、ございますか。板倉委員。

○板倉委員 具体的にカニとかエビは7品目の中に加わりましたけれども、それ以外に今後、特定原材料ということに加わる候補として、かなり可能性が高いものにはどういうものがあるのでしょうか。

○阿久澤部会長 はい。

○岩城課長補佐 実態調査の結果で、現在、推奨表示の中にあるものが、これで発症数とか重篤度が高まれば、それらが義務表示になる可能性はあると思います。

○阿久澤部会長 迫委員。

○迫委員 特定原材料は発症数・重篤度によって決定していくということで、推奨表示のものにつきましては、それをどう扱うかという問題だと思っています。そういう中で、現在、推奨表示について検査方法等が確立されていないものがほとんどであるというお話もいただいたところであります。

その一方で、先ほど御説明ありましたけれども、推奨表示が通知によるものであれば、例えば間違えた表示であっても何らペナルティーはないということであります。これは、命にかかわる問題ですので、何らかのアクションがあってしかるべきだろうと思うところであります。そうは言っても、検出方法等が確立していないということであれば、それは具体的な方法論としては非常に難しいところがあるだろう。その両面があると思っています。

そこで、推奨表示とされているものの中で検出方法等が確立された段階で、きちんと基準の中に推奨表示という形で乗せていくという今後の方向性というものは見えてきているのではないかと思いました。実際、ペナルティーをかけるという形での基準になったときには、どうしても検出方法が明確にならなければ不可能だと、統一されなければ不可能だと思いますので、その辺を今後の一つの条件として早く確立していただいた上で、確立されたものから順次、推奨表示の中の一部を基準の中に上げていくという方向性が望ましいのではないかと思いました。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○石川委員 義務化、任意表示、推奨表示も基準に入った場合については、表示された場合は義務として違反すると罰則があるということになりますので、状況は変わりますと。その場合に、基準に当たって、違反かどうかの判断の検査が十分ではないという現実があるという点が確認されたわけですけれども、もともと推奨表示で通知のレベルなので、基準確立はいいじゃないかということで、かえっておくれる。義務化をすれば、そっちに向けて動き出すと。モリデブンも検査法が確立されて栄養表示基準の中に入ってくるという議論がたしかあったと思いますけれども、基準がないから通知のままであるという発想だと前に進まないだろうと思います。

だから、栄養表示基準の義務化を5年もかけてやるという話がありましたけれども、そういう時間的スパンをかけながらでも義務化に向けた動きをする必要があると思います。そういう方向性で議論を進めていかないといけないと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

どうぞ。

○鬼武委員 アレルギー表示については、当初は厚生労働省の管轄でやってきて、それで消費者庁に移って、具体的に議論になって昨年のカシューナッツとゴマが追加になった。そのときは、調査研究に基づいて出てきたとして、新たに2品目が加わったと理解しています。

そういう点からいくと、今、石川委員は義務にしたほうがということでしたが、一方で推奨というのは事業者が大体どういう取り組みをしていて、それが世の中にある程度定着することによって、義務というか、ラベル表示ができるという考え方もあるわけですけれども、推奨表示と義務表示について、消費者庁自体はどういうふうに見識をお持ちというか、推奨表示がどのぐらいされているのか、そういうことについて少しお答えできますか。

○阿久澤部会長 消費者庁、どうぞ。

○岩城課長補佐 推奨表示がどのぐらい表示されているかということは、具体的なデータはわかりませんけれども、事業者さんの話とすれば、推奨であっても事業者にとっては義務表示と同等であるので、推奨表示と通知で指定されていれば、事業者にとっては表示しなければいけないという意見がありますので、かなり高い確率で表示されていると考えられます。

○阿久澤部会長 いかがでしょうか。

それでは、1つずつ基準案の修正を前提にして議題とするかどうかということを伺ったほうがよろしいですか、それとも6項目、とりあえず提案いただいて質疑応答する。それから、皆さんに聞いていくという形をとりたいと思いますが、それでよろしいですか。はい。では、まずはとにかく御提案いただくという形にしたいと思います。

続いて、もう一点、「酒類へのアレルゲン表示」について、お願いします。

○栗山委員 提案としては、酒類もアレルゲン表示の義務の中に入れるべきです。現在、酒類についてはアレルゲン表示の義務から除外されています。理由は、パブコメの意見に対する考え方の回答によれば、お酒を飲むことにより顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応が、特定原材料の抗原性によるものか、アルコールの作用によるものかを判断することは極めて困難であり、またその知見が得られていないため、表示免除としていますとなっていますが、資料をごらんいただければと思います。

2枚ありまして、1枚目は英語の論文になっています。それから、2枚目はインターネットから引いた事例となっています。アルコールを飲んで、アルコールの原材料あるいは添加物による症状と思われる方々が多数存在することは、ごめんなさい、「インターネットの相談事例から」というほうですが、本来であればお医者さんの聞き取りとか患者さんを公募したいところであるのですが、時間の関係もあり、インターネット上の検索をさせていただきました。

アルコールアレルギーというものは現実には存在しないので、これで検索をかけるのは適正かどうかということもありましたが、世の中にはアルコールアレルギーということでお酒を飲んだときの症状が表現されている現実がありますので、そのキーワードで検索させていただきました。その中の、アルコールによるアレルギー、要するに動悸だったり、赤くなったりということ以外に、これが特定原材料であるかどうかというのは別にして、アルコール以外の原材料あるいは添加物によって起こされている症状と思われるもの、言ってみれば、素人の私がそう思ったものをピックアップしただけのものですので、これが資料として適切かどうかは、また専門の先生方の御意見をいただきたいなと思います。

そういう方々が多数いる。そして、アルコールアレルギーというもので検索したときに、GoogleでもYahooでも170万を超えるものがヒットしているという現実がありますので、問題提起をさせていただきました。

あと、赤くなっているものや動悸がアレルギーのせいかどうかわからないということに関して、英語の論文をつけさせていただきました。それを判断するのはそう簡単なことではないようでありますが、確認の方法はありますという論文だと思います。ことしの9月、ヨーロッパのアレルギーの学会誌に載ったもので、かなりインパクトファクターの高い雑誌と伺っております。

これが除外されることになった平成13年当時、厚生労働省では、ビールでも、割とどのお酒でも単純な、それぞれに付随した原材料が使われている現状があったと思いますが、最近では御存じのように、ビール類の中にも発泡酒や第3のビール、またカクテルとかリキュールというものが缶に入って販売されている現状があります。それを飲んで、こういう症状があった。動悸だけではなくて、例えば目が腫れるとか、じんましんが出るという症状が出ているものがありますので、除外とせず、粛々とアレルゲン表示をしていただきたいなと考えて御提案させていただいております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、御意見、御質問、ございましたらお願いいたします。どうぞ。

○宇理須委員 アルコールの表示に関して、私の知識ではアレルゲンの表示はしなくてもいいとなっていると聞いているのですけれども、それがそのとおりかどうかをお聞きしたいことと。

もしもそうであれば、私はいろいろ聞いてはいるのですけれども、表示しなくてもいいよとなった経緯を説明していただけると議論が進みやすいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁、お願いいたします。

○岩城課長補佐 酒類のアレルギー表示につきましては、現在、義務づけられておりません。その理由といたしましては、先ほど栗山委員からもお話がありましたように、お酒を飲むことにより顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応が特定原材料の抗原性によるものか、アルコールの作用によるものかの判断が極めて困難であるということ。また、その科学的な知見が得られていないということで、現在、表示の免除としております。しかしながら、今後、そのような科学的知見が得られた場合には、表示を検討してまいりたいということを考えております。

○宇理須委員 もう一ついいですか。EUでは、こういったものは表示の対象になっていると聞いたのですけれども、その点はいかがですか。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○岩城課長補佐 ちょっと確認させていただきたいので、時間をいただきたいと思います。

○阿久澤部会長 宇理須委員。

○宇理須委員 安達先生にちょっと聞きたいのですけれども、アルコールで、特にリキュールなどで、卵とかクリームとかヨーグルトとかオレンジが入っているようなものがありますね。ああいうもののアレルゲンの測定、検知はできますか。されたことはありますか。

○安達委員 先ほど申し上げましたように、特定原材料であればできるかと思いますけれども、特定原材料に準ずるものの場合は、そもそも検査法が確立されていないものが多いですので、品目によっては、例えばPCR法で遺伝子を検出するという方法もありますし、定量検査法が確立されているものは、すみません、さっき間違えたのですけれども、2種類あります。そういうものであれば検出することは可能だと思いますが、全ての品目を押さえられるかというと、ちょっとそこは難しいかなと思います。

○宇理須委員 そういう検出できるキットがあるかどうかという話もありますけれども、もう一つ、アルコールに溶けているから検出しにくいとか、壊れているといった意味で、キットはあるけれども、検出できる、できないという、班研究のときにいろいろ測定しましたね。その中にアルコールも入っていたのでしょうか。

○安達委員 アルコール類については、入っていたものもあります。酒類だから、特に検出がしにくいということは恐らくないと思います。それよりも、加工食品全般に、例えば高圧・高温で処理したものは検出しにくいということのほうが、検出としては重要なファタクーだと思いますので、酒類だから、特に検出がしづらいということは恐らくないのではないかと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○立石委員 この問題、そもそも表示は何のためにあるかというところからいくと、患者の方が知りたい情報として、お酒だってアレルゲン表示をしてもらいたいという要望があるわけですね。今、消費者庁の答えは、特定原材料の抗原性によるものか、アルコールの作用によるものかの判断が極めて困難であるという。そうではないのです。これは予防的な考えとして、安全性と選択という観点から、その表示がされていたらリスクが軽減できる。そういった考えからいくと、私は当然のごとく、これは消費者の知る権利として、消費者側からの要望として、症状の判断ができないという答えでは、表示は何のためにあるのかという観点からすれば、随分ずれた議論をしているなと思うのです。当然のごとく、アルコールだって表示すべきです。

そういう患者さんの強い要望があるのであれば、消費者の知る権利として、そういう要望があるのであれば、応えていくというのが本来、消費者行政の正しい方向ではないですか。

○阿久澤部会長 ほかにございますか。板倉委員。

○板倉委員 事業者団体のほうでお出しになっていらっしゃる低アルコールリキュールの原材料表示に関する自主基準の中でも、アレルギー物質について、ちょっと古い内容になっていますけれども、厚生労働省の定めるところで行うものとするという条項もあります。やれると思っていらっしゃるから、こういう条項が入っているのかなという感じがいたしますので、あえて例外的に特定原材料の検出が不可能だというわけではないものについて、わざわざ例外規定として残しておく必要があるのかどうかを、私は疑問に感じております。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

どうぞ、迫委員。

○迫委員 宇理須先生に質問したいのですが、アルコールによる作用と抗原性による作用と。アレルギーかアルコールによる反応か、これを医学的に判断できないというのが一つの論拠になっていたかと思うのですが、その辺については医学的にどうなのかということを教えていただければと思います。

○宇理須委員 症状は確かに難しいところがあるかもしれませんけれども、それが原因かもしれないと思ったときには、それによって成分の皮膚テストをやったり、成分の負荷試験までやるかどうかは別ですけれども、検査法はあると思います。

○迫委員 判断はできる。

○宇理須委員 判断はできると思います。

○阿久澤部会長 安達委員、お願いいたします。

○安達委員 栗山委員が提出してくださった、この論文は、今、宇理須先生がおっしゃったように、患者さんの血清が酒類中の原材料のタンパク質に反応するかどうかということを見ているようで、あと、皮膚検査の結果も載っている論文で、これは科学的な根拠というか、証拠の一つとして価値があるものではないかと思います。私としては、今すぐ基準案に反映するのはちょっと難しいかもしれませんが、このアレルゲン表示の制度が発足してから、もう12年ほどたっていますので、こういう科学的な根拠になり得る情報がこれまでにどれぐらい出ているのかというのを調査することがまず重要なのではないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほか、よろしいでしょうか。どうぞ。先ほどの件ですね。

○岩城課長補佐 先ほどの宇理須委員からの質問で、諸外国の酒類のアレルゲン表示の状況ですけれども、私どもが把握しているデータではありますけれども、少なくともEUとかカナダ、オーストラリア等では表示しているということは確認しております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○栗山委員 EU、カナダ、オーストラリアに日本から輸出するものについても表示はしていらっしゃるということですね。

○阿久澤部会長 お願いします。

○岩城課長補佐 当然、輸出国の表示ルールに従って表示しなければいけませんので、表示することになっていると思います。

○栗山委員 ありがとうございました。

○阿久澤部会長 それでは、この件に関しましては、このぐらいにいたしまして、次に「トランス脂肪酸の表示について」ということですが、最初の2点はたしか時間の関係で十分に議論されていないということもありましたので、私もちょっと長目の質疑をとったのですが、次の4点についてはかなり議論もされてきておりますし、トランス脂肪酸については委員会のワーキンググループのほうに引き取らせていただいて、現在、検討中という内容でもありますので、その辺も加味して簡潔な御提案をぜひお願いしたいと思います。

○立石委員 この件は何度も申し上げましたけれども、今回、表示基準の策定に当たって、推奨にも入れなかったという理由の根拠として、消費者の必要性、事業者の実行可能性、国際整合性の3点が勘案されたとのことですけれども。

まず最初の消費者の必要性ということに関しては、前にも申し述べましたけれども、昨年4月15日に日本動脈硬化学会、これは日本小児科学会とか日本高血圧学会とか、6学会と連名で内閣総理大臣に表示の必要性については強く主張されているのです。我が国でトランス脂肪酸の表示をするべきだということを強く主張されている。これは、コーデックスのガイドラインでは、摂取量の水準が、公衆衛生上懸念となっている国はトランス脂肪酸の表示を考慮するべきとなっているわけです。

それから、事業者の実行可能性ということについては、今、栗山委員がおっしゃったとおり、我が国から海外に輸出されている食品の多くは、トランス脂肪酸の表示が入っているのです。そういうことを考えたときに、実行可能性ということでもって、これは推奨というよりも任意ですから、本当は義務にするべきだと思いますけれども、まず第1ステップとして推奨にすべきだと私は言っているのです。あれだけ海外でほとんどの食品メーカーがトランス脂肪酸の表示をしているにもかかわらず、実行可能性ということを言っていることは考えられないのです。

それから、国際整合性の点も、多くの国でほぼ義務化になっていて、免除されている不思議な国と日本が言われています。海外から来るものについては、我が国には全く表示義務がない。海外に輸出するものについては表示義務があるのは、非常にバランスが悪い。このことは、前にお話しましたけれども、あるお菓子の表示を見ても、海外で売られているものの中には、トランス脂肪酸3gが、1パッケージに入っているものが売られているわけです。これは1日当たりの摂取量のエネルギー比1%、約2gと言われていますが、それを大きく超えているわけです。

これを1箱食べたら、WHOが言っている勧告基準を超えるといったことを踏まえれば、子どもたちの健康のため。我国も海外と同じようなレベルにて、台湾とかシンガポールとか香港とか、日本人と似たような体形のところでも多くは表示されているわけですから、ぜひこの件は検討してもらいたいと思います。

この件で私が感じたことは、この議論をさせてもらえないことが非常に問題だと思っています。議論させていただけないという雰囲気。踏んではいけない虎の尾だったのかなと思うぐらい、私は世の中から非常に強いバッシングを受けました。こういうことが、この国が本当に消費者のほうを向いているのかどうか。事業者寄りの姿勢が非常に問われている、一つの大きな事例だと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、御意見、御質問、ございましたら。どうぞ。

○鬼武委員 トランス脂肪酸は、消費者庁と消費者委員会ができたときに、当初、府省連絡会議等でやって、その後、消費者庁によりトランス脂肪酸の事業者向けのガイドラインもホームページ等で公表されておりますが、それについて、消費者庁として現段階において、ガイドラインの執行状況とか、それに対してのコメントがあればいただければと思います。

○阿久澤部会長 それでは、消費者庁、お願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 今、鬼武委員がおっしゃったように、先般、消費者庁からトランス脂肪酸の表示の指針は確かに出しております。その指針に基づいて、事業者の方におかれましては、それにのっとって情報開示してくださいということを申し上げております。ただ、現時点で、その指針に従って世の中に流通している食品の具体的に何%がトランス脂肪酸の表示をつけているかについては、正直なところ、今、追えておりません。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○宇理須委員 このトランス脂肪酸の諸外国での表示は、今、どうなっているのでしょうか。

○阿久澤部会長 これも調査会等に一覧表で出ていますので。

○宇理須委員 なっていると理解しているのですけれどもね。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 先ほど立石委員からは十分な議論がされていないというお話がありましたけれども、この件についてはかなりの議論をさせていただいたと私は思っております。今回、推奨表示には、どうしても飽和脂肪酸を入れてほしい。これは、トランス脂肪酸に対する国民の関心は確かに高いものがあるのですが、トレードオフの関係で、そちらに関心が高い余りに飽和脂肪酸が非常に高くなっていくという社会的な状況が起こっている。

もう一点は、飽和脂肪酸の多量摂取による害というものは、もう既に食事摂取基準等の中でもきちんと書かれている。いわゆる科学的根拠が明確になってきているということも踏まえて、推奨のところに飽和脂肪酸が明確に入ってきたと思っています。ですから、これについて再度議論する必要はないと私は思っております。

○阿久澤部会長 ほか、よろしいでしょうか。はい。

○立石委員 今のことに反論するわけではありませんが。トランス脂肪酸とコレステロールと飽和脂肪酸は、ほとんどの国は3つとも表示されているのです。ですから、トレードオフということでトランス脂肪酸を表示しないということの理由には全くならない。トランス脂肪酸がこれだけ体に悪いということが立証されて、アメリカでは禁止に向けて動いていることについて全く議論もさせてもらえない。私は議論もさせていただけなかった事実があるわけです。このことは蒸し返したくないけれども、議事録にも残っているわけです。そのことは国会でも取り上げられたわけです。森大臣に対して質問があったわけです。よく確認していただきたい。3月の消費者問題特別委員会でのことです。

そこをまた言われるのだったら、私はそういうことを言います。この問題は、きちんと多くの方に知っていただいた上で議論するべきだし、このままでいくと、悲しむべきことは、子どもたちの健康、知らず知らずのうちに大量のトランス脂肪酸が入っているお菓子を食べ続けることになるわけです。そのことが表示もされていない。実際、日本でトランス脂肪酸が記載されているガイドライン表示を見たことがないわけです。枠内に書くというガイドラインのルールが出たわけですけれども、1度だけ見たのは、ディズニーランドの中で売っているピザだけです。それ以外、私は見たことはありません。見たことありますか、皆さん。

○阿久澤部会長 よろしいですか。一言ということでしたので。

はい。

○板倉委員 残念ながらトランス脂肪酸のワーキンググループの会議に一度も参加したことがないので、今、どうなっていて、その結論がどういう形でこの場に反映されるのかも、よくわかっていないものですから、それについて御説明いただければありがたいです。

○阿久澤部会長 現時点で、1回だけ公開でのワーキンググループの会議を持ちました。

○立石委員 2回です。

○阿久澤部会長 2回ですね。今後、3回目をこの後、計画中ということですが、その辺について、事務局のほうからお話していただいて宜しいでしょうか。

○大貫参事官 消費者委員会事務局のほうから御説明いたします。トランス脂肪酸に関するワーキンググループでの議論でございますけれども、1回目に立石委員、ほか2名の皆様から問題意識について御発言いただいた会を開いております。2回目については、東大の佐々木先生のほうから、日本人がどのぐらいトランス脂肪酸を摂取しているのか。また、このときにあわせて、塩分等、ほかのリスク要因との関係についての御発表をいただいたという状況でございます。

○阿久澤部会長 では、この件につきまして、よろしいでしょうか。どうぞ。

○春日委員 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸がトレードオフの関係になるということをちょっと説明してください。

○阿久澤部会長 迫委員。

○迫委員 トランス脂肪酸を減らすために飽和脂肪酸に、作業上、加工する段階で置きかえていくという操作がされていくということでございます。

○阿久澤部会長 鬼武委員のほうからもお願いいたします。

○鬼武委員 ちょっと具体的な話をしますと、例えばポーションタイプに入ったミルク、コーヒーに入れる商品があります。私どもの商品も、トータルの脂質は例えば10%入っていて、その中で分析すると、今まではトランス脂肪酸がかなりの量を占めていました。例えば6から7%くらい含まれていました。それを、同じような油の総脂質に置きかえるとすると、それは技術的には飽和脂肪酸にかわるものしかないので、トータルの脂質は変わらなくて、トランス脂肪酸の減った分、飽和脂肪酸が増える形になっています。ほかに添加剤とか乳化剤などの使用によって技術的に可能なこともあるのですけれども、一番テクニカルに、安価に早く置きかえられるとなると、トランス脂肪酸の減った分だけ飽和脂肪酸が増えるわけです。そのため迫委員の発言にあったようなリスクのトレードオフの関係にあります。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○石川委員 そういった技術的なことを教えていただいてありがたかったのですけれども、ということは、両方出したほうが、飽和脂肪酸、多いね。やめましょうかじゃなくて、トランス脂肪酸を減らしたのですねという形になれば、意味があるとなるかと思います。情報の量があるほうが、商品をよりよく理解できると思ったのです。確かに必要性というのは非常にわかるのですけれども、今回、基準の中に入れるということで、再度議論するには時間が足らないかなと思っていまして、課題として入れる前提でもっと議論を進めるのがいいのかなと、立石さんには悪いのですけれども、思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。よろしいですね。

では、次に移らせていただきます。次に、「脂質の『含まない旨』の表示について」、お願いいたします。

○立石委員 これはノンオイルドレッシングのことで、いわゆるコーデックス基準に準じて脂質が0.5g以下をゼロ表示とするという中で、含まないという表示を決めたわけですから、例外を残すということは消費者から見て非常に混乱を招くわけで、特定の事業者を大事にしたいという消費者庁からの返答はありましたけれども、私、そういうことでいいのかなと思います。本来は一律であるべきだし、何のための一元化であったのかということを考えたときに、こういった例外を残すことをやめるのが本来の一元化の趣旨であって、事業者優先から国民一人ひとりの立場に変えていくことが重要ですという消費者基本計画の趣旨に基づいて、従来の縦割り行政の中で生まれてきた業界との癒着、そういった関係を断ち切っていく。

本当に消費者目線で消費者行政を仕切り直すのだという決意でもってやっていくことに向けて、こういう例外措置を残すことは、私は全く理解できません。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

では、御意見、御質問、お願いいたします。

それでは、ないようですので、次の「複合原材料の表示について」、立石委員、お願いいたします。6ページ。

○立石委員 これは、この前出てきたパブリックコメントの中の意見として取り上げたものです。いわゆるロンダリングの話です。要は、複合原材料ということで分割して書けることについて、調製品とか、そういったものが見えない形になるということです。いろいろな形で調製品が入ってきて、それは明らかに関税で優遇されているものが表示の中で出てこない。米粉調製品という形で海外からどんどん入ってきています。複合原材料だとそのことがわかるわけです。複合原材料として表示された場合は、そういった事実が見えるのですけれども、そういったことが見えてこない。

であれば、こういうことはきちんと歯止めをかける。あの分割して表示できる条件2つだけでは歯止めをかけられないのです。事業者の判断に委ねるとなったときに、そういった表示のされないものが出てくるということで、ここについて懸念されて、パブリックコメントでそういった意見が出ていることについて、明確に消費者庁として判断していただきたい。調製品についてはきちんと書きなさいとか、ルールを決めて明らかにさせるといったことが必要じゃないかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御提案に御意見、御質問、ございましたらお願いします。どうぞ。

○板倉委員 余り現状を知らないのですけれども、確か調製品になったときに非常に値段が安く輸入されてきていて、それが表示ではどうかがわからないわけです。そういうものも複合原材料として、調製品という名前をつけて表示するというルールで通していただければ、今の議論とそんなにずれているわけではないと思うので、通知か何かに入れた上でQ&Aで出していただければ済む話ではないかと思ったのですけれども。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

ほか、ございますか。

それでは、次に移らせていただきます。「原材料名の記載方法について」、これも立石委員、お願いいたします。

○立石委員 これも、まさに今回の一つの原則に基づいてやっていくという中で、説明できない例外ルールという形で残っているものです。糖類のまとめ書きができるという特別な幾つかの業界・品目だけ許す。本来は、果糖ブドウ糖液糖とか異性化液糖という形で書かなきゃいけないところを糖類という形で書ける。

それから、栄養強化の目的についても、ビタミンCについて、幾つかの商品で違う。本来、ビタミンCというのは、栄養強化で使った場合については記載しなくていいものと、記載すべきものと両方ある。どうもおかしい。22品目は記載するとなっているわけですね。そういった問題。

それから、食用植物油脂、名称と原材料。これだけが例外的にずっと残っているのです。原材料が食用大豆油、名称も食用大豆油。こういう、ほかの品目とは明らかに異なる表示を認めているということ。こういうことは、横断的なルールを決めていく中で、従来の縦割りの中で起こってきた、先ほどから何回も言っている、事業者からの強い要請に基づいて、こういったことが残っていることについて、今回、きちんと整理しましょうよということを何度も申し上げたにもかかわらず、これが整理できない理由は何ですかということですね。相変わらず明解な答えがないわけです。残っている、残す理由が。

世の中に対して説得できる理由があるのかなというときに、そういうものが示されない中で、なし崩しにこういうことを決めていくことについて、私、非常に憤慨しているわけでありまして、何度もこのことは意見書を出しましたけれども、明確な答えがなされないということで、もう一度俎上に乗せていただきたいということです。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御提案に御意見、御質問、ございましたらお願いいたします。

それでは、ないようですので、以上6項目の御提案に対して、御意見等をいただいて質疑してきたわけですけれども、ここでそれぞれ1つずつお伺いしていきたいと思います。伺う内容というのは、議題として取り上げるべきかということです。それを確認させていただきたいと思います。

栗山委員の御提案の「表示を奨励している特定原材料に準ずるものの根拠規定」。はい。

○鬼武委員 確認したいのですけれども、審議した結果、半数以上の賛成があれば、それを今後議題に乗せて、また議論を引き続きやっていくということでしょうか。それとも、修正案が今日で確定なのですか、その辺の趣旨・意味をお尋ねしたい。

○阿久澤部会長 その他の項目は、前回、前々回にお諮りしたそれぞれの項目とは扱いが異なります。前回、前々回の項目は調査会報告に挙がってきたものと諮問内容との対応ということですが、これはその他という分類として丁寧に事務局のほうでつくっていただいたわけですけれども、その中から議題として取り上げて欲しいとする項目として、今般挙がってきたということで、これらの項目を取り上げるか否か、すなわち、前回と同様の形で基準案の修正点を答申に盛り込むか否かを伺いたいということです。

どうぞ。

○迫委員 私は、きょうは、今まで議論した内容に基づいてどう答申するかについて、まず議論するのだろうと思っておりました。そこの部分を確定させない限り、そこから先、一歩も進めないだろうと思います。それから、今、その他という項目でおっしゃられましたけれども、これをすぐ基準案に盛り込んでいくとなると、再度、全ての議論をやり直さなきゃいけないことになっていくかと思っています。

そういう中で、今後の方向性を確認していくということが重要なことであって、即、基準案に反映するという修正案という形にするとすれば、その提案をまた新たにしてもらわなきゃいけない。一体、いつまでこれが続いていくのか。実際、施行に間に合うのかという問題になってくるかと思いますので、今後の大きな課題、重要課題として取り扱っていくか否かというところでの取りまとめが一番望ましいのではないかと思いました。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。私としては、そのほうが丁寧かなということで、このようにきょう、やらせていただいたわけですけれども、今、迫委員から御提案がありましたが、今後これを重要課題として扱っていくか否かの取りまとめをしてはとのこと。はい。

○栗山委員 私としましては、基準案に入れるべき時期、6月のパブコメに出す前の時期にこれを発言させていただいているのです。特に酒類については発言させていただいているのですが、そこで議事が進まないまま、とまってしまっている。パブコメが返ってきた審議のあたりで、私の発言が取り上げるべき議題から落ちていたのです。消費者庁さんが御説明いただいたときも、それを落としたまま進めようとなさったので、私は既にパブコメ案の中でそれを発言しているので、これをテーマとして落とさないでやってほしいというお願いをして、それで消費者委員会さんが議事録を確認いただいて、ここに戻していただいた。

実はその他であることには不満があるので、本来、事前に検討してもらうべきものが落ちていたということで、そういう位置づけでお考えいただきたいなと思っております。

○阿久澤部会長 私は、そのお考えを酌んで、今回、もし多くの方がそれを取り上げるということであれば、基準案に対し修正意見を答申につけるということになりますので、その可否をきょう伺ったということです。

はい。

○立石委員 迫委員の言われたことはもっともだと思います。だけれども、栗山委員と同様ですけれども、私も何度も調査会とかで問題提起したにもかかわらず、一向に議論もされない中で、なし崩しに基準案に入っていくということは、後々問題になると思います。だから、きちんと整理した上でやるべきだし、方向性をきちんと持つべきですね。ですから、今回、答申という形についても問題が非常にあると思います。その答申のあり方を、どういう答申の仕方をするかというのが、まだ骨格が見えないのです。

だから、そことの関係性も含めて、こういった積み残し課題、異種混合とか加工と製造の定義とか、まだ残っていることが山ほどあるわけです。そんなものを積み残したまま、今回、この食品表示基準が走り出していいのかという問題も含めて、ここは消費者委員会としてチェック機能を果たすべきだと思います。消費者庁がなぜこういった議論を踏まえて、何も修正も提案も回答もできないという実態の中で、このまま基準案が走ったときに不幸なことが起こる。消費者の権利が全く尊重されない事態になってしまうことについて、我々消費者委員会食品表示部会がチェックするとか、そういった答申のあり方みたいなものをここで再度組み直すべきじゃないですか。

そこがないと、私、納得できない中で、気づいてみたら、問題提起しても、何もそのまま変わらないでいるということになると、これは非常におかしいことですから。

○阿久澤部会長 答申につきましては、また後ほど。事務局。

○大貫参事官 事務局から1つ御提案させていただきます。迫委員の御意見で申し上げますと、本日、答申の中に盛り込まないということを全ての議題について一括して決めてしまうことになります。一方、部会長のほうから御提案がありましたのは、一つずつの項目について、今回の答申案に盛り込むべきかどうかという御意見を確認するということでございます。

一つの方法だと思うのですけれども、この6つの項目について三択という形で、1つは今回の答申案に盛り込む。2つ目の選択肢が、今後の長期的な課題として検討し、今回の答申案には盛り込まない。3つ目の選択肢としては、今後の長期的な課題としても検討する必要はない、その三択で、この6つの項目、それぞれについて御意見を聞くという方法はいかがかと存じます。

○阿久澤部会長 事務局のほうから今のような御提案がありましたが、いかがですか。どうぞ、宮地委員。

○宮地委員 私も事務局の提案に賛成です。

○阿久澤部会長 池戸委員。

○池戸委員 答申案に盛り込むという意味ですけれども、今、諮問されているのは府令の基準案。あそこの中に何らかの形で入れる?

○阿久澤部会長 修正。

○池戸委員 修正ということですね。わかりました。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 答申案に入れる話と、答申案に入れなくても今後の検討課題とする話というのは、次元の違う話になってしまって、三択になじむのか否か。2段階でしかないのかな。答申案に入れる、入れないで、入れないと否決されたとしても、継続で重要課題として入れるか否かという点での、また二者択一という形で2段階になるのではないかと思います。

○阿久澤部会長 栗山委員。

○栗山委員 私も石川委員の意見に賛成です。

○阿久澤部会長 ほかの委員の方、いかがでしょう。どうぞ。

○迫委員 まさに私が申し上げたのが、入れるか入れないかという問題。そして、それを長期的課題とするか否か、そこの問題ですので、賛成いたします。

○阿久澤部会長 個別でやらないと、それは。

○迫委員 はい。どちらでも。個別で構いません。

○阿久澤部会長 では、いかがでしょう、事務局の御提案か、あるいは石川委員の御提案。はい。

○池原委員 その長期的な課題というのは、具体的にはどんな取りまとめになるのでしょうか。議事録に残すという形はもちろんありますが、それ以外に具体的に何かあるのでしょうか。

○阿久澤部会長 私は、その辺については全く想定していなかったのですが、事務局としてはどうお考えですか。

○黒木事務局長 この会議では、もちろん議事録で残していただいて、長期的にするということになったものを引き続き、例えば消費者委員会本会議にこういう御提案があったということを御報告して、どういう形で検討していくのかということを考えていただくことになろうかと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○迫委員 ちょっと言葉にこだわるようですが、特にアレルゲンの問題につきましては、継続的な課題という形での置きかえをしていただければ、よりありがたいと思っております。長期、時間をかけてということよりも、継続して審議していきながら、必要なものについてレベルを上げていくという方向性の中で検討していければと思っております。

○阿久澤部会長 それでは、今までの御意見から、これら6点について、個別に、基準案の修正に盛り込むか盛り込まないかを伺って、その後、迫委員の言葉ですが、継続課題としてやっていくか、いかないかという形で伺うことでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。

まず最初に、栗山委員御提案の「表示を推奨している特定原材料に準ずるものの根拠規定」についてですが、今、申し上げたとおり、基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員の方、挙手をお願いしたいと思います。立石委員、栗山委員、板倉委員、石川委員です。

それでは、継続課題とするかどうかを伺いたいと思います。継続課題とする方、挙手をお願いします。全員ということになります。では、このような形で以下。

○黒木事務局長 今のですと、最初にお聞きいただいた、表示基準案を修正する前提で議題とするかというものについては、少数の方の御賛成でしたので、それはしない。ただし、継続的な課題として取り組んでいくべき課題であるということで決議いただいたということでよろしいですね。

○阿久澤部会長 はい、そういうことです。

それでは、2番目の「酒類へのアレルゲン表示」についてですが、この項目について、今と同じように基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員をまずお伺いしたいと思います。立石委員、栗山委員、宇理須委員、板倉委員、石川委員。ありがとうございました。

それでは、この件について、継続課題として取り扱っていくほうがいいという方、挙手をお願いします。全員ということです。

続いて、「トランス脂肪酸の表示について」ということですが、これについて基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員、挙手をお願いしたい。立石委員、春日委員、石川委員です。

では、これについて継続課題として取り扱っていくという方は、宮地委員、立石委員、栗山委員、春日委員・・・・(宮地委員、立石委員、栗山委員、春日委員、夏目部会長代理、阿久澤部会長、鬼武委員、宇理須委員、板倉委員、石川委員、池戸委員、安達委員、挙手)。

○宇理須委員 二択のときに否決されたかどうか、はっきりしたほうがいいと思います。三択じゃないので。

○阿久澤部会長 二択のときに挙手されていましたか。ということで、全員じゃないですね。

○迫委員 私、議論終了していると思っていますので、手を挙げていません。

○阿久澤部会長 はい。池原委員は挙げていないですね。

○池原委員 挙げていないです。

○阿久澤部会長 それでは、「脂質の『含まない旨』の表示について」、基準案の修正を前提として議題とすることに賛成する方。立石委員、1名ということになります。

では、これについて継続課題として議論していったほうがいいという方、挙手を。立石委員、石川委員、板倉委員、栗山委員になります。

それでは、「複合原材料の表示について」、基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される方、挙手をお願いします。立石委員。

この件について、継続して審議していったほうがいいという方。

○宇理須委員 2段階で、否決されたかどうかをはっきりしてから次にいかないと。

○黒木事務局長 今の段階までのものを一応、御確認させていただきますが、1点目につきましては、修正案として取り上げることは否決になりまして、ただし、継続的にということについては、皆さんが賛成でございますので、継続的な課題として検討していくべきということです。

2点目、3点目も同じです。

「脂質の『含まない旨』の表示について」は、修正案として盛り込むというものも少数でいらっしゃいましたし、継続的な課題として取り上げるべきかという2段階目の御質問に対しても少数がお手をお挙げになったということですので、これは継続的な課題として取り上げるべきというものにもならなかったということかと思います。

次、「複合」のところかと思います。

○阿久澤部会長 今の続きは、「複合原材料の表示について」継続的に審議するかどうかということでお伺いしますが。賛成という方はいらっしゃいますか。

○黒木事務局長 すみません、私の方の確認が漏れてしまい申しわけございませんが、「複合原材料の表示について」の修正を前提にというところから、もう一度御確認いただけますでしょうか。

○阿久澤部会長 「複合原材料の表示について」、基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される方を伺って。立石委員ということで。この提案は議題としないということですね。

議題としないけれども、継続して検討していくべきだという方はどうでしょうか。ということで、立石委員と板倉委員と石川委員ということになります。

最後、「原材料名の記載方法について」ですが、基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員の方、挙手をお願いいたします。立石委員。

○立石委員 これは3つあるのですけれども、どうするのですか。栄養とビタミンCの問題と糖類の問題と。

○阿久澤部会長 立石委員が御提案した内容ということになります。

○立石委員 これは3つ一緒になっているから、別々にやるのですか。これはオーケーだけれども、これはだめよと言うのかどうか。糖類のまとめ書きの問題と、栄養強化目的の添加物、ビタミンCの問題と、植物油脂の問題というのは、別々の問題ですからね。

○阿久澤部会長 御提案の内容は3つということですね。そうしたら、3つまとめての御提案。

○立石委員 これ、まとめられただけであって、提案というのは個別にやったのです。個別にやった上で、何の返答もいただけなかったということです。検討というか、十分な回答というか。

○阿久澤部会長 立石委員の御提案の内容に対してということで、その内容に関する基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される方。

○石川委員 3つで、私としてももう少し調べさせてもらってから議題に入れたいという項目と、直ちに判断できる項目とあるのです。ですから、3つ分けていただいたほうがいい。

○阿久澤部会長 そうすると、ここで3つそれぞれ聞いたほうがいいという御意見。

○石川委員 はい。

○阿久澤部会長 そのような御提案の趣旨だったということです。そうすると。

○大貫参事官 糖類のまとめ書きが1点目です。

○阿久澤部会長 糖類。2点目が。

○大貫参事官 ビタミンC。

○阿久澤部会長 3点目。

○大貫参事官 食用油脂。

○阿久澤部会長 それでは、順次伺っていきたいと思います。糖類を基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される方、挙手をお願いします。立石委員です。ということは、この点は議題としないということにいたします。

議題にしないけれども、継続的に検討していくべきだという方、立石委員、石川委員、板倉委員、栗山委員。

続きまして、ビタミンCについて、同様に基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員。立石委員、栗山委員、石川委員ということで。

これは、提案は議題としないけれども、継続的に審議すべきだという方。石川委員、板倉委員、栗山委員、立石委員。

それでは、食用油脂についてですが、基準案の修正を前提として議題とすることに賛同される委員の方。立石委員、板倉委員ということでございます。ということで、この提案は議題としないことにいたします。

しかし、継続的に検討していくべきだという方。石川委員、板倉委員、立石委員、栗山委員ということになります。

以上ですが、その他の項目に関する確認は以上ということになります。結果、議題として取り上げることとなった項目はないということで、その確認の内容を事務局のほうから御報告をお願いできますか。

○大貫参事官 ただいまの議決の結果について御確認させていただきます。

まず、本日の確認で取り上げられた事項、項目はございませんでしたので、修正意見を答申案に付すという部分はございませんでした。

一方、継続的な課題として審議すべき事項として3点が議決されております。1点目「表示を奨励している特定原材料に準ずるものの根拠規定」、2点目「酒類へのアレルゲン表示」、3点目「トランス脂肪酸の表示について」、以上でございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。ただいまの報告に何か御意見ございますか。よろしいですか。どうもありがとうございました。

では、答申案について議論を行います。まず、立石委員、鬼武委員のお二方から答申案について意見書が出ていますので、御意見を伺います。先ほども申し上げたように、今、数名退席されておりますが、12時ごろまでに退席される委員がいらっしゃいますので、できるだけ委員がそろっているところで議論したいと思います。意見は簡潔にお願いしたいと思います。

では、立石委員のほうから。

○立石委員 ペーパーにまとめていますけれども、前回に答申書案で示された中では、多くの修正内容を伴ったものがあって、その後、消費者庁のほうから意見と説明が出て、それで再度修正されたという形ですけれども、こういうものは、あの時点で、事務局、部会長がつくったかどうかわからないのですが。前回の答申書案に対してどうなのかという進め方が本来だと思うのです。もう一回、もとに戻ってしまって、一からどうする、賛成、不賛成をとって、結局何もない形ですね。

骨抜きという言い方は失礼かもしれないけれども、ほとんど何もないような状態で答申する。あれだけ膨大な時間をかけて議論して、私もいろいろな意見書を出させてもらって、そういったことが全く何も反映されない中でやるということは問題だと思います。私は、この部会の役割は何なのでしょうかと書いています。独立した第三者機関として監視機能を持っているのです。消費者庁行政が基本計画とか、昨年成立した食品表示法に基づいてやっているのかどうかというところとか、今回のパブリックコメントで多くの消費者から意見が出たにもかかわらず、事業者の意見だけを一方的に聞いて、それを修正案として審議しただけという形のあり方が本当に適切かどうかというのが私は問われていると思います。

こういうことで進めていいのかという中で、幾つか疑問点として出しています。

小規模事業者については、前回意見書を出しましたが、例えば免除規定でいくと、輸入事業者までこれは及ぶのです。輸入事業者に対しては、一切表示しなくていいということについては答えていただきたいのです。5人以下の輸入事業者というのは、恐らくこれからもつくられることがあるでしょうし、今もあります。そうすると、輸入品に対してはこの免除規定が適用される。要は、国内規定と海外規定が違うところがWTOで問題になるわけですから、そういったことについて消費者庁はどう考えるのか。それが1点目。

2つ目は、栄養強調表示で、今回「低減」ということで、しょうゆと味噌は特例ですよということになったのだけれども、しょうゆについては、基準案で「減塩」という中で9g以下でないとだめという規定が残っているのです。これは、この理解でいいのか。9gというのは、基準で見ると、減っている割合がほとんど25%以上です。そうすると、特例の20%など、何もやる必要がないのではないかという感じに思ってしまうのだけれども、そういった問題と整合性はどうなっているのか。

それから、製造所固有記号です。これは、石川委員が出された意見書に対して明確に答えを出しますということで、第32回食品表示部会の中で竹田課長が用意しますということを明言しているのです。それで何もやっていないのです。石川委員の質問に対して、答えを用意しますとまで議事録に書かれて、一切これについて書かれていない。それから、既にこの問題は、今週開かれた衆議院の消費者問題特別委員会で、有村大臣に対して民主党の大西健介議員が質問しているのです。製造所固有記号は全廃すべきじゃないかとまで仰っているわけです。附帯決議をした国権の最高機関でそういった議論になっている中で、こういうところでやる議論じゃなくなっているのです。そこをよく理解していただきたいと思います。

それと、この問題については、ちょっと紹介させてもらうと、先週の23日、産経新聞の大阪版で「食品表示はだれのものか、記号をめぐる争い」という記事も出ているのです。土産物業界の実態とか。実際に大阪で買った土産物はほとんど大阪でつくられていないことといった事実をもって、最後のところは、「消費者か、事業者か、固有記号は『食品表示はだれのものか』という根本的な問いをはらむ」といった内容です。この問題は論点なのです。だから、ここでこれだけ議論しても、多分決着つかないから、ぜひ衆議院の消費者問題特別委員会だとか参議院の委員会とか附帯決議をしたところで、実際にこの問題について議論を闘わせてもらうというレベルに来ていると私は思っています。

少なくとも、石川委員のこの質問に対しては、明確に文書で回答していただきたいと思います。

それから、4点目の経過措置期間です。これは、前回示された答申書案では、「新しい制度による食品表示のメリットを、1日も早く多くの国民が享受できるような経過措置期間を、主管官庁である消費者庁が決定されることを望む」とありました。このことを、あの消費者庁からの説明を聞いて納得して、皆さん、それでもって5年の経過措置の延長というのを認めてしまうということなのですか。私は、事業者の立場からみても非常におかしいということを申し上げているわけです。では、缶詰業界だけは特別なのであれば、特定の業界だけ例外措置をとればいいとしても、5年に経過措置を延長するということは消費者の権利を揺るがしているわけです。

このことを容認する、この消費者委員会の決議決定プロセスを含めて非常に問題があると思います。存在価値が問われると思います。なぜかというと、前にも申し上げましたけれども、平成7年に製造年月日が廃止されたとき、それから品質保持期限の表示が無くなったとき、大きな改正が2回あるのです。そのときも全部2年です。皆さん、事業者は、2年でやり遂げているわけです。そのときに何か大きな問題があったという、説明があれば私も理解できるのだけれども、2年でやり遂げているものを、あれはほぼ全面改正です。全面改正が2回ありながら、やり遂げている。それから、東京都の原産地表示の条例の改正については9カ月しかなかった。

これを5年に延ばすということに皆さん、それで合意したわけでしょう。私はどうしても理解できない。ここは強く申し上げたい。消費者委員会として、食品表示部会を含めて、存在価値が問われますよということを申し上げたい。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、鬼武委員、お願いいたします。

○鬼武委員 参考資料7-1と7-2であります。

私は、前回、第33回の食品表示部会で答申案を見せていただきました。そのときに1つだけ申し上げましたのは、3つの専門調査会でやってきて、その後部会で中間報告、最終答申、それからパブリックコメントの意見を受けてということで、時間的にもかなりとって、それに加えて国民にいろいろな意見を聞いて、その結果を受けて、また審議したという中身であります。その結果からすると、前回申し上げたことは、1つは、概要でも変更になる項目なり、答申書になるには、その経過がわかる必要があるということが一番重要だと考えています。

そういう点からすると、今回の答申書の1-1と2を見てみますと、簡単にナトリウムについての修正方針案ということで答申案が出ていますが、今後、これを義務表示の中で変えていくということをステークホルダーの方に浸透させるためには、どういう経過でこういうふうに最終的に決まったのかという、そこが重要だと思っていますので、答申書に書くということだったら、もう無理かもしれませんけれども、少なくとも私の7-2で書いているように、審議の経過があります。その経過に沿って、審議会の委員としての意見も出されたから、そういう形で、経過については議事録ではわかりませんので、最終的にどういう判断をした、その結果を示すべきであります。例えばナトリウムについては、当初は私ども消費者委員会としては、食塩相当量で表示すべきだということでは合意していました。それが消費者に一番わかりやすいということでありました。ナトリウムと書く場合はどうかという議論については、当初は食塩を添加していないものについての議論からスタートしたわけですけれども、パブリックコメントの後の消費者庁の説明のときには、現行のナトリウムと食塩相当量を併記してある、現状に沿ったものが一番多いという説明を受けで、従前の説明と内容は異なっていました。

その後、また修正案が出たということで、前回のときにどういう形で、どこの部分で決着したか。先ほど立石委員もおっしゃっていましたけれども、どの部分に対して賛成、反対かというのもよくわからなかったというのが事実です。ですから、まず事実を確認してもらうのが必要でしょうし、そのステップも必要でしょうから、そういう経過について十分に書いていただきたいというのが1点目でございます。

あと、それに付してですが、今回もその他の事項ということで、栗山委員と立石委員から新たな課題として出されました。それについては賛否も問いましたし、今後の進め方も問いましたけれども、今回の件について、パブリックコメントでも今後の検討としていくために重要な素材であるとか、この部会の中で出されたものについては、継続するものについて、課題について優先順位と、その中身についてきちんと議論していく必要があると考えます。時間は限られていて、表示法案が来年6月までに決定しないと、という中ではあるのですけれども、丁寧にやる必要があると思っています。それが2点目です。

それから、3点目は、それからすると、先ほどもその他の課題で時間がなかったので、時間的には我々委員として賛否ということで賛同、不賛同ということと、保留なり、今までもいろいろと採択を迫られましたけれども、私は本来の会議のあり方として、そういうものは普通ではないだろう、やはりコンセンサス、最終的には、部会長の決断なりも含めてあり、第1次及び第2次の消費者委員会の食品表示部会はそういう運営をされていましたので、ぜひそういうところも改善をお願いしたい。賛否をとるというのは結果として数によるものかもしれませんけれども、委員としてお互いに決していい思いをするものではなく、ぜひそういう点を理解していただければと思っている次第でございます。

あと2点ぐらいですけれども、質問が個別でありますが、それは採決の後でもし時間があれば、その件について発言させていただきたいと思います。時間をいただきありがとうございました。以上です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。今、お二方から御意見を伺いまして、その内容は答申書案や審議の進め方に対する御意見と、また諮問案に対する質問が含まれておりました。

まず、答申書案や審議の進め方に関する意見に対し、私のほうから申し上げたいと思います。鬼武委員の意見書にあった2つ目のポツ、答申書には、諮問案の変更に至った経緯について記述すべきではないかという点ですが、経緯を詳細に記録するために作成している議事録が、鬼武委員のほうからは議事録では判断できないという、御意見の中にその趣旨がございましたが、外部の方も、委員会本会議の委員も既に見ておられますし、答申書に経緯を記述しなくても、議事録を確認いただければ詳細に議事の内容を知ることができますので、答申書にはつけておりません。

それと、3つ目のポツ、答申書は部会としてコンセンサスを得たものでなくてはならないという点についてですが、私もそのとおりだと思っております。ただし、参考資料2については、先ほども申し上げたように、答申書の原案を作成するために各委員の意見状況を確認し、まとめたものにすぎません。ですから、そこに出席できなかった委員の御意見も載せています。答申書本体と参考資料2は別物でして、本日の答申書案をそれぞれの分野に詳しい皆さんがそれぞれの角度で見て、変更すべきという点があるのであれば、その後、答申書案に関する議論の中で、御自分の意見を論点や変更案も含めて、改めて明確にお話いただければと思っております。

その意見によって答申案を変更することに賛同を集めることができるならば、答申書案の内容を変更していくことになるかと思います。

また、意見書には、実態把握など再調査を実施した上で、改めて検討を行うという対応もあるのではないかという意見が書かれています。状況としては、来年6月の法施行を見据えて、消費者庁にはQ&Aあるいは通知などを丁寧に作成してもらう必要がありますので、時間的なことを余り言いたくはないのですが、これ以上、消費者委員会での議論が長引くことは避けたいと思っております。この基準だけではなくて、それらの内容もきっちりとしていかないと、間違いなく消費者への影響が出てしまうことになろうかと思います。このため、調査の上、再検討という選択肢は、現段階においてはないと考えております。

よろしいでしょうか。先ほどの議事録の扱いですね。鬼武委員は、議事録については判断できないのではないかということなのですが、私のほうから、議事録を確認いただければ、それでいいのではないかと申しましたが、事務局として、議事録のこういったところへの扱いについては。

○黒木事務局長 先ほど鬼武委員からも、答申書に盛り込むというのは、この時点では難しいかもしれないけれども、議事録だけではなかなか議論の経緯が追えないのでという御指摘だったと思いますので、できましたら答申とは別に、この間の議事の流れをわかりやすくまとめた資料というものを、次回以降、事務局の方でつくらせていただいて、皆様に御確認いただければと思います。いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○石川委員 食品安全委員会の健康影響評価書など、毎回90ページとか、場合によっては170ページとか、すごい量の書類が答申として出てきているのに比べると、二、三枚程度ということで、ちょっとどうなのかなというのは、鬼武委員がおっしゃっているとおりだと思います。

それについては、答申結果を端的に示すのは、それで趣旨として出すとしても、その経緯とか理由とか、そういったものをまとめた書類等も多分つくれるはずだと思うし、そうしないとこれまでの蓄積というものがぱっと見わからない。これだけやりましたけれども、議論百出の中で、このような結果しか出なかったというのは、それを見ればわかる。議事録を全部読み込むというのは非常に大変な話で、極めて難しい話なので、消費者委員会としての答申のあり方について全部網羅していないのですけれども、もうちょっと記述したほうがいいのではないかと思います。ほかの資料というよりも、答申書という形で入れたほうがいいと思います。

○阿久澤部会長 石川委員のおっしゃること、鬼武委員のおっしゃることもわかりますが、委員会の答申のあり方にのっとっての、多分この答申案だと思うのですけれども、今の石川委員の答申書案のあり方に関連して、もし何かコメントいただければ。委員会のほうからということです。

○黒木事務局長 答申というものは、諮問されたものについてどういう答えを返すのか、修正すべき点がどこであるのかということを端的に書いていただかないと、答申の機能としていかがなものかと思います。おっしゃっていただいた、議論の経緯がどういう流れでその答申に至ったのかというものは、もちろんまとめることは可能だと思いますので、それをこの部会の資料として、次回以降、お示しすることは可能かと思います。それが答申の中に盛り込まれていなくても、それで目的としては達せられるのではないかと期待しております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 私も時間の関係で退席するので、すみません、ちょっと御意見だけ。

今の関連で、今までこれだけ時間をかけてやってきた経緯がございます。それで、この新しい基準については、むしろ関心のある人だけがわかるというのではなくて、消費者の方あるいは企業の方に積極的にこちらから知ってもらうことが重要だと思うのです。ですから、答申案に書かなくても、実質、それが伝わるよう積極的な努力をぜひしていただきたい。それで、多分これは説明会とか、これからまた消費者庁さんがやられると思いますので、そのときには基準の中身だけじゃなくて、経緯も含めて理解していただくような取り組みをぜひお願いしたいと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員。

○立石委員 まさにおっしゃるとおりだと思います。結局、先ほども申しましたけれども、今回はパブコメ案に対しての修正案だけ、こういう形で答申書を出すということ自体、我々がやってきた議論は何なのだということが問われると思います。ですから、答申書として事務方が、170ページとは言わないけれども、少なくともこれだけの議論を積み上げてきた中での論点をきちんと書く。それは、例えばこういう意見があったということも踏まえて、全貌が、議論の経過とかがある程度見える形にして答申書案をつくる。

もちろん、明らかに問題があることについては答申書案に盛り込むわけですけれども、そこまでなかなか至らないものが幾らでもあるわけですね。議論の中でこういう意見があったということ。これは事業者側に立てば、全部そういうことは許してもらえないのだろうけれども、本来は少数意見として消費者側の意見を尊重すべきだということになったときには、そういったこともきちんと書き込んでいくとか、そういうことがないと、この答申は意味がないと思います。

ですから、答申書をつくって、膨大とは言わないけれども、せめて50ページぐらいは最低つくって、答申書案を議論する場を二、三回設けて、その上でやるというのが本来のこういった審議会のあり方だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○阿久澤部会長 答申のあり方、審議会のあり方ということで、立石委員のほうから御意見を伺いました。

はい。

○迫委員 答申書の案に関してですが、「別添の諮問案のとおりとする」と答申書に記載されているのですが、当初、委員会に諮られた案と、再度説明を受けて、詳細な部分で手直しをした案というものがあろうかと思います。大きな文言の変更とかではなくて、附帯意見みたいな形かもしれませんけれども、それがあったから賛成に至ったということもあろうかと思っております。そういうところがこの答申案では全く見えなくなってしまっている。だから、結局、最初出されたものとどこが変わっていって、どうなっていったのか。それから、今後継続的にどういうところを議論していくのかというところが見える形、これが誠実な答申案でしょうし、そこがきちんと伝わっていくべきものだろうと思っております。

そういう意味で、「別添の諮問案のとおりとすることが適当である」というところでは、解釈の仕方等でかなり疑義が生じていた部分がございますので、そこは何か、経緯でもいいですし、いろいろな形で記載していただければありがたいと思います。

○阿久澤部会長 河野委員。

○河野委員 中途退席で申しわけございません。

私自身も、今回、答申案を拝見して、これまで私たちが1年かけてさまざま審議をした結果、最後の答申はこの2枚なのかなと、非常にいろいろな思いを感じたところでございます。今、ほかの委員の方々からもいろいろ建設的な御意見をいただきました。ぜひ、これを、今のような御意見を取り上げていただいて、当然のことながら、審議の流れについて、それから私が不在だったときに今後の検討課題も幾つか取り上げられたようですから、そのことに関しても、しっかりと私たちの部会のミッションとして今後やっていくのだということがわかるような形で明らかにしていただきたいと思います。

それから、ここまで来てしまいましたが、今後、食品表示部会ではまだまだいろいろ審議することがあると思います。ちょっと本筋からは外れますけれども、今回、審議に私、1年間かかわってきまして、3点だけ申し上げたいことがございます。

1点目は、審議に際して、実情を確認し、当然のことながら理論だけでは物事だけは進みません。実効性を担保するために関係者の方からもっと具体的な実情をお聞きしたかった。ヒアリングをすべきだったと思っております。意見の主張だけでは、適切な判断ができなかった。決定のための情報が、現状の法律や府省令、それから指針等であって、これから先の施策を検討するには、その担保となる根拠が十分に示されなかった。そこが私は残念だと思っております。

それから、2つ目は、判断の助けとなる国民からのパブリックコメント、4,000件以上寄せられました。このことは、事業者にとっても、消費者にとっても、それから行政関係者にとっても、とても関心の高い、重要なことだったと思っております。ただ、4,000件の意見・要望をまとめて所見を記すのは大変な作業だったと思いますけれども、パブリックコメントの扱いというのはもう少し丁寧にしていただきたかったなと思っております。

私自身も判断がつきかねるところは、広く国民の方のより多くの方の意見を参考にと思っておりましたけれども、パブリックコメントがまとめられた後からは、その簡略化された形で修正案が出され、しかもその修正案に対して、それを裏づける納得いくデータとか根拠が不足していたと思います。

こういう事実があるから、こういう判断をしましょう。それをしっかりと担保していただきたかった。こう言っているとか、こういう例もあるとか、これはこうあるべき的な話ではなくて、事実をもとに審議を組み立てるべきだと思いますし、今後は、そういうふうな形でやっていただきたいと思っております。

それから、3点目、今回は答申案には基準案どおりということになりましたけれども、前回、製造所者固有記号の修正案に私が反対したのは、まだ審議が尽くされていないと感じたからでございます。業務用食品を外すという修正点への反対というわけではございませんでした。私の決議のときの判断能力の欠如によったところもあると思いますけれども、製造所固有記号の問題は、食品表示法の附則では、場を改めてしっかり検討するということになっておりました。

昨年、農薬混入事件が起こって、その際に課題が浮き彫りになったことで、急遽、議題として取り上げられたと思いますけれども、食品テロの際のリコール対策としては、私自身は全く不十分だと思っております。食品のリコール対策とフードディフェンスの問題は、表示の場だけの検討ではなく、場を変えて抜本的に行っていただきたいと思っております。ここに選ばれた委員としては、責任ある言動と責任ある決断をしなければいけないと思っておりますので、ぜひ今後、事実に基づいて判断できるように、しっかりとした提案をしていただきたいと思っております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員。

○栗山委員 迫委員、続いて河野委員のおっしゃっていただいたことに全く同感です。これで終わってしまうのだという違和感というか、不全感というか、私も持っていました。うまく表現できませんでしたが、河野委員のおっしゃっていただいたことに一言一句賛成いたします。同じ気持ちでおります。これからの委員としての本来果たすべき役割を果たすためには、足りないことがたくさんあったという思いがございます。一言つけ加えさせてください。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

皆さんに答申案に関する御意見、御指摘を伺ってきましたが、先ほどの鬼武委員の質問が1つあったかと思います。それと、その質問内容が今回、答申案につけているナトリウムのところの関連です。1番目。それで、この件については、先ほど迫委員のほうからもこの辺を明確にされたほうがという話もありましたので、これについて消費者庁のほうから御回答というか、御説明をお願いできればと思うのですが。

○塩澤食品表示調査官 すみません、鬼武委員からナトリウムについて御指摘があったという認識を持っていないのですが。

○鬼武委員 3ページ目の生鮮のポップのところで、最初のところではずっと、そういう強調したものであれば、ポップ等でも表示するという形だったと思うのですけれども、答申書の中身で変わっていたのがあったので、この点について経緯と中身を説明をお願いします。

○阿久澤部会長 すみません。

○塩澤食品表示調査官 それでは、その点について御説明をさせていただきます。

御指摘の点は、一般用生鮮食品の表示の件だと思います。この一般用生鮮食品の表示につきましては、JAS法を見てみますと、容器包装にかわる表示媒体としてポップが認められてきたところでございますけれども、JAS法でも、例えばポイント数などといったものについては、容器包装に係る表示ルール、これはポップには課されないという規定になっております。そもそもポップは容器包装とは異なる特性を持っている表示媒体でございますので、ポップ表示の規定を考えるに当たっては、実態を十分に踏まえた検討が必要であると思います。

当初、私どもとしては、容器包装もポップも同じ規定としたいと栄養表示について思っていたところでございますけれども、必要な検討を十分行えていない中、ポップの規定を拙速に設けることは適当ではないと思いまして、ポップへの栄養表示については、現行どおり基準の適用対象外とするのが適当との考えから、今回、修正させていただいたところでございます。ただし、ポップへの栄養表示を行う場合も、それは食品表示基準に準拠した表示とするのが望ましいというのは当然でございますので、その点についてはガイドライン等でお示しすることにしたいと考えてございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○立石委員 私の質問を2つ答えてもらえませんか。免除規定の輸入業者の対象除外と、しょうゆの減塩の基準とか。

○阿久澤部会長 そうですね。

○塩澤食品表示調査官 それでは、私から2点、回答させていただきます。

まず、1つ目の御指摘が栄養成分表示の義務化に係る小規模事業者の考え方ということで、特に御指摘は輸入事業者の免除についてだと思いますので、その点について御説明させていただきたいと思います。私どもとしては、まずはこれは輸入業者であるなしに関係なく、今度の栄養表示の考え方としては、原則全ての事業者に表示を行っていただきたいというのが大原則でございます。ただ、いろいろな事情があると思いますので、このような事業者については免除していきましょうといった考え方でございます。

この小規模事業者の考え方ということで、今、輸入事業者のことが挙がっておりますけれども、私どもで輸入事業者の規模といいますか、売り上げというものを直接的に得られるデータはなかなかございませんでした。ただし、経済産業省が出しております工業統計というデータ、それから財務省が出している貿易月報というデータを複合して計算してみますと、お酒を除く加工食品に占める輸入品の割合というのは5%弱ぐらいではないかと、我々としては値を得ております。

ただ、この5%弱という値は、当然、省略規定に該当しないような、つまり小規模事業者ではない大規模とか中規模といった方々の売上高も入ってくると思いますので、実際問題、小規模事業者に該当するような輸入品というのは本当にわずかなものではないかと考えております。したがって、もちろんゼロでないと思いますけれども、消費者の知る権利が大幅に侵されるという実態までには至らないのではないかと考えてございます。以上が1点目に対しての回答でございます。

引き続き、2点目について御回答させていただきます。2点目については、栄養強調表示、これは低減された旨の表示で、減塩という文字がしょうゆの場合の適用が今後どうなるのかといった御質問だったと思います。立石委員のペーパーにございますとおり、結論から申し上げますと、今後もしょうゆについては、「減塩」という、この2文字が記載できる基準としては、御指摘のとおり100g中の食塩量が9g以下という規定を守っていただくということでございます。

ただ、低減された旨の表示というのは、必ずしも「減塩」という2文字に限るものではございません。例えば「低塩」とか「塩分カット」とか、いろいろな表現があろうかと思います。ですから、しょうゆについて「減塩」という2文字を書く場合については、御指摘のとおりのルールが引き続き適用ということでございますけれども、この「減塩」という2文字以外の表現方法であれば、9g以下という規定はかかってこないと御理解いただければと思います。

○立石委員 最初のところがよくわからなかった。規模云々という話だったけれども、規模は今回の免除規定の中に入っているのですか。5人以下で100億円だろうが、輸入業者であれば、やろうと思えばできるわけです。そういうことに対して規制がかからないと私は見ているのだけれども、そこはいかがですか。

○塩澤食品表示調査官 あいにく事業者規模別というデータはございません。ただ、おっしゃったようなケースはゼロではないかもしれませんけれども、可能性としては極めて低いのではないかと考えます。我々、持っているデータとしては、先ほど申し上げたとおり、輸入加工食品の割合は5%弱で、そのうち、小規模事業者の占める割合はそれほどでもないのではないかと考えております。繰り返しでございますけれども、消費者の知る権利が大幅に侵害されることはないだろうと推測しております。

○立石委員 可能性の話なのです。だから、実態ベースとして、私も8月に行った香港で輸入業者さんと何人もお話したけれども、小さい規模でやっておられて、何でもかんでも日本からいろいろな商品を持ってこられる。食品メーカーさんは知らないような形で並行輸入品として入ってきている。そういう方は、5人以下の小さい規模でやっておられるところが多いと聞いたのです。そういった5人以下に対して抜け穴をつくってしまうと、日本で日本語表示をしなくていいということになると、海外のものをそのまま持ってきて、海外の表示のままで売られることについて、これは何ら規制がかからないのです。そういうことに対して容認してしまうということです。

だから、これは抜け穴です。抜け穴ということは、その可能性を利用して、またそのことを使う人が出てくることについて、どう考えるのですかと言っているのです。抜け穴というのは、これはわかりませんよ。あなたの言うとおり、皆さん、善良な事業者ばかりであると私は思わない。そういった抜け穴を利用して大量に持ち込んで、日本の表示をしないということがあり得るのであれば、このことによって、そういった抜け穴をつくってしまう。

本来は、小規模だからと免除されるものではないのです。等しく知る権利として提供される情報を、こういった小さい規模についてはある程度免除していますよといえば、拡大解釈したおかげで、1,000万円という消費税課税業者のところで切ってしまえばこんなことは起こらないにもかかわらず、今回みたいな切り方をすると、そういう可能性がありますよということを申し上げているのです。それについて、あなたは完全にないと言い切れますか。100%、ゼロだと言い切れますか。

○塩澤食品表示調査官 先ほどから、言い切れるとは一つも申し上げておりません。ただ、立石委員の御指摘のポイントは、消費者の知る権利が侵されるのではないかということだと思います。それについては、先ほどから申し上げているとおり、今、私どもが持ち合わせている数字、これはあくまで推測でしかございませんけれども、これを踏まえますと、それほど大幅に侵されるといった懸念はないのではないかと考えられるということは、繰り返し申し上げました。

○阿久澤部会長 はい。

○迫委員 小規模事業者の規模をどこでラインを引くかにつきましては、法施行後に見直しの期間を設定した上で、きちんと調査して見直しをするという意見として、提案していただいていますので、そういう中にきちんと盛り込んでいただくことが必要じゃないかと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○鬼武委員 今のことに関連する意見ですけれども、前回の部会で1つ報告させていただきましたけれども、今後、日本に入ってくる加工食品等については、新しい日本の食品基準に沿った形で、栄養表示も原則は輸入品も対象ですから、そのことがきちんとWTO通報の中身が割と簡略化していたので、海外から来る食品輸入事業者なり大使館を通じて、EUなりアメリカなり、大きな国からの輸入があるでしょうから、そういうところときちんとコンタクトをとって、WTO通報した後から表示基準が変わる面もあるでしょうから、そういうものについて積極的に情報を提供していって、日本のルールに合ったものを守らせるということが重要ではないかと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

板倉委員。

○板倉委員 鬼武委員が資料をまとめてくださったので、私も流れが大分すっきりしたのですけれども、例えば2ページ目に書いてあるように、業務用の食品に対しての賛否はとられたのですけれども、原則として同一製品を2つ以上の製造所で製造している場合についての使用可については、賛否がとられている印象がないままに来ているのです。にもかかわらず、これを全部済みということで承認するということでいいのですか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○大貫参事官 事務局から確認させていただきます。

本日、鬼武委員から御提出いただいた参考資料7-2の2ページ目に、「業務用食品を対象とするかどうかについての賛否が取られた。原則として同一製品を二以上の製造所で製造している場合に使用可について、賛否を確認していない」という青のコメントで書かれた部分がございます。その部分について、板倉委員も御発言なさったのかと思います。

これについての考え方でございますが、第33回の委員の意見のところを見ていただきますと、これは板倉委員の御発言だったと思いますが、「原則として、2以上の工場で製造する商品のみに利用可能」とする提案についてということで、33回のときにこの議論はまずなされているという事実がございます。また、決議をとるときに、阿久澤部会長のほうから、このもともとの消費者庁の基準案について賛成いただけるかどうかということで意見の確認をしていただいておりますので、事務局としては、この鬼武委員より提出された賛否を確認していないのではないかというのは、何らかの誤解に基づくものではないかと考えてございます。

○阿久澤部会長 よろしいですか。

立石委員。

○立石委員 この件ですけれども、海外とのいろいろな基準の違いというのは、我々が輸出しようとするときにものすごく感じるわけです。例えばヨーロッパなどは、レトルトパウチ食品でさえ輸入を認めていない。加工品であれば、プロセス管理していないとだめですよといった厳しい規制が課されていて、輸出できない。輸出するとわかるのです。我が国はいかに甘いか。海外の国は、それぞれの国民の健康、衛生を守るために、安全性を守るためにいろいろな規制を設けてやってきていることがあるにもかかわらず、日本はその部分で非常に片手落ちになっている。先ほどの栄養表示についても、まさに私が言っているのはそこなのです。

海外で表示されている同じ情報が来ないということと、海外の業者にそういうことについての抜け穴を与えてしまうということが一番問題なのです。国際整合性とか言いつつ、そういった極めてバランスの悪い、今のわが国の表示なり品質管理についての制度の違いが出ていて、このことは一般の国民に余り知られていないのです。そのことを私は申し上げたい。

もう少しガードを固くするところは固くして、WTOの問題というのは、圧倒的に日本のほうが甘いわけだから、海外はものすごく厳しいわけです。だから、そういったところでは何ら問題ないと思っています。通報しようが、もっと厳しくしたって。あれだけ厳しい国があるにもかかわらず、なぜ日本はこれだけ甘いのかというのを私はものすごく感じるわけなので、先ほどの問題については看過できない課題として申し上げたわけです。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

はい。

○鬼武委員 先ほど、参考資料7-2の私の資料のことで御訂正いただきました。それで、私は全てが時間的に限られていますので、認識が正しくないところはあったと思いますから、その点は正確に事務局のほうで修正していただきました。今後のところで、私は先ほどから何度も言っていますように、経過が、そういう面からすると、議事録とか、それから会議が延びたりして、最終の確認のところまでがきちんとできていなかった点がこういう認識や決定の誤りにつながっていると思いますので、その点も含めて改善をお願いしたいと思っています。それは附帯意見としてです。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員と鬼武委員の意見、皆さんの御意見、御質問等を伺っていて、一部、答申書案の内容についても御議論いただいているわけですけれども、実際のところ、資料1-1の答申書案の内容、既にこれについても御議論いただいております。これについてですが、この原案について、先ほども幾つか御意見をいただいております。これだけではなくて、変更に至った経緯とかについての報告なりをきちんとつけるべきだという内容の御意見があったかと思います。そういった御意見、また、そのほかに、この答申書について、この1-1でいいのではないかという御意見、もしあればですが、いかがでしょうか。1-1の答申書について、さらに御意見があればいただきたいと思います。どうぞ。

○立石委員 前回の答申書案と今回の答申書案にものすごいギャップが出ているのです。そのギャップは何なのかということです。どなたがつくられたのかわかりませんけれども、前回、消費者庁の説明を聞いただけで、意見も言われないで反対に回られる方を見ると、最初からこの話は出来レースだったのではないか。一旦、厳し目の答申書案を出して、少し消費者庁に説明の機会を与えて、それでこの答申書案を骨抜きにするといったシナリオがあった上で、こういうことをやっているのではないかと見られるのではないか。そうは言っていませんよ。世の中から見られるのではないか。そういうことを懸念するような進め方なのです。

だから、前回の答申書案をつくった段階で、私はそれなりに消費者委員会としての役割を果たしている中身だったかなと。それがここまで骨抜きになるということについては、どうしても理解できないです。それは、部会長、どういうプロセスがあったか、教えていただけませんか。

○阿久澤部会長 プロセスは、皆さんがよく御承知のことだと思います。前回でこの答申案を出さなければならないということをもって、あのような仮の原案をつくらせていただきました。反対あるいは修正の可能性を含めて、あのような答申案をつくらせていただきました。

そこで議論したところ、意見分布が変わったという事実も皆さん、よく御存じでしょうし、またそこに出席されない方については、その後、意見を伺いに行って、全委員の意見分布によって、今回、資料1-1という結果になったということですので、うがった見方をされる方もいるかもしれませんが、資料1-1に至った経緯は真面目なやり方ではないかと思っています。私は皆さんの意見をできるだけ反映させた形で、この委員会の答申案の形にできればということでやってきたことですので、特に立石委員の言っているように、前回の答申案は布石として、置いたのではないか。そのような余裕は、私にはありませんので。

○立石委員 であれば、前回の答申書案はほぼ説明がないのです。こういう事情というのをもう少し明確にするべきです。それから、それに対して消費者庁から長い説明があって、それで意見を今回の説明については、どこをどういうふうに理解して変えたのか。そこが大事だと思います。そういったところが全然示されないで、いきなりぽっと変わるというのは、どうも私は理解できない。私は、前回の消費者庁の説明では全く理解できなかったのです。あの説明で、どこで、どう変えられたというところが、それぞれの意見の表明が欲しいのです。

原案、もともと答申書案があって、それを変える以上は、しかるべき理由で、ここは大いに理解した。だから、こうですよというところがあって、初めて答申書案は動かせると私は理解するのです。そうでなかったら、当初から出来レースだったのかなと、私は世間からそういうふうに見られてもしようがないかなと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ、事務局。

○黒木事務局長 当初の案といいますのは、前回、座長からお出しいただいた答申案でございますが、あれは考えをまだ留保しておられた方がたくさんいらっしゃる中で、その方々がもし全て反対された場合であれば、このようになるかなということで案を出していただいたということかと思います。留保の方々も、あるいは不賛成から賛成になられた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、それについては、前回、消費者庁から御説明を受けられて、皆さん、いろいろ御質問なり御意見なりを言われた上で、さらにもう一度(御意見を)確認していただいたということかと思いますので、何も言わずに意見を変えたというのは、各委員の方々にとっては、そういうことでないのではないかと理解しております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。答申書案について何か御意見、ございますか。

そのほか。はい。

○石川委員 この1点のみ修正ということについては、議論の割にはこんなものだったのかなという認識と結論の乖離が激しいので、非常に違和感はあるのです。それぞれに意見を出して、多数であったり、少数であったりする中で、最終的に集約すると、このような結論になる。組織体なら、そういう結論になるのはやむを得ないのかなと認識しているのですが、その場合に、内容そのものについて、賛成、反対かという聞かれ方をすると、反対と言いたくなってしまうところがあります。ただ、反対すると対案を出さないといけない。対案について、これが審議できるのかと、非常に時間的に切迫している。結局は、採択の方法としては、答申するかしないかという判断しかないのかな。

内容について、この案でどうですかと言われた場合に、反対ですと反対してしまうと、答申しない結論になる。だから、採択の仕方を工夫しないと、おかしなことになるのではないか。反対ですよと、全員、個別の意見の中で反対すると、答申案はないことになります。答申しないという結論があるのか否かという話になってしまうと、どうしようもない。これまでの経緯でこのようになってしまったということについて、これ以上、案を修正することができるのかどうかという点を最後確認して、できないのであれば、する、しないという採択しかないのではないですか。

○阿久澤部会長 石川委員の御意見、河野委員も言われていました、今までの議論の内容がこれだけなのかという形ですね。それと、実際の内容として、鬼武委員あるいは迫委員からも、きちんとその経緯を記すべきだろうという御意見がありました。

そのことを踏まえて、答申書案としては、私からの提案ですが、皆さんの御意見を聞いた上で答申書案をお認めいただく場合、条件として、今までの経緯・経過を報告書でここに付すという形をとらせていただければと思いますがいかがでしょうか。その報告書の内容についてですが、立石委員は不信感をお持ちでしょうから、私に一任ということではなくて、次回の委員会で皆さんに御確認いただくということで、まず答申書案はこれで、それに報告書を別途付す。言葉が適当かどうかわかりませんが、経過の内容を付すという形ではいかがでしょうか。はい。

○鬼武委員 全体的な枠組みが少し見えない中で、ちょっと質問がありますけれども、今、食品表示基準案について、来年6月を目指すということで、今回、答申案として、パブリックコメントを受けて食品表示基準案について、一通りの大枠の中で出されます。前回、第33回のときに、食品表示法案の基準案で残された栄養素等表示基準と機能性のものについては、パブリックコメント中ですから、その基準案についての議論は12月でしょうか、わかりませんが、パブリックコメントが終わった後になるのでしょうけれども、その他に食品表示基準案の中に入れ込んで、今後、審議しない項目とか、基準等は何かあるのですか。

要するに、全体像が見えないので、私どもは今回、食品表示基準であれば、前回の33回のものを私は余りイメージしていなかったのです。新たな機能性食品の表示の検討会があったので、その報告書を受けて、こちらに入ってくるかということしか認識していなかったので、全体の枠組みの中でまだ課題がありますか。そこを確認させていただきたいと思います。

○竹田食品表示企画課長 現時点で食品表示基準に盛り込まれるものは、委員御指摘のとおり、この本体、それからちょっとおくれて作業しています栄養と、それから昨年の規制改革でやることになった機能性表示と、この3つでございます。そのほかに、現在想定しているものはございません。

○鬼武委員 わかりました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○立石委員 私は、この答申書案、全く不満です。これで答申すること自体は、私は反対というのがあれば反対したいというぐらいの気持ちです。現実的に言って、そういった今の状況からいくと、そのことも果たして意味があることかどうかわかりません。建設的な言い方をすれば、報告書でお茶を濁すと言うと失礼ですが、そういったことしかないのかなと思います。

ただ、今回、私が感じたのは、まだまだ積み残し課題がいっぱいあることが1つ残っているのと。それと、そもそもこの食品表示基準を一元化するときに残っていた課題がありますね。添加物の問題とか遺伝子組換え表示とか加工食品の原料原産地表示とか。こういった問題を速やかにやるということについて、答申書に入れ込んでいただきたいと思います。ずっと先延ばしする体質が染み込んでいる消費者庁の体質に対して、消費者委員会はきちんと物を申す、監視機能を発揮するということで、そういったことを消費者委員会として言っていただきたいなと、私は提言したいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それと、私が今、御提案させていただいた内容で不都合はないかどうかということを事務局にお伺いしたいのですが。

○黒木事務局長 私の理解で恐縮ですが、答えさせていただきますけれども、答申の内容というのは、諮問されている内容がございまして、9月19日付で別添の食品表示基準ということで、ただし栄養機能食品に係る規定等の別表を除くことになっております。まず諮問が来ている部分についての答申案というものが資料1-1でお示しいただいているものかと思います。

皆さんがきょうも御審議ありまして、継続的にぜひ検討していくべきもの、あるいはそれ以外にもこういうものをやるべきであるということがこの間の御議論で出てきているものにつきましては、議論の経過がわかるような報告書としてまとめてはどうかということを座長から御指摘いただいたと思いますので、それはつくらせていただくことは可能かと思いますが、それを答申書に盛り込むというと、諮問に対する答えとは若干違うものがあると思います。

新しい提案とか、委員会として、こういうことをするべきということでございますので、それはそれでまとめる報告書の中に盛り込んでいただいて、そういう(報告書を作成する)ことを条件にということになるのかもしれませんけれども、座長、お示しのこの答申案について賛成いただけるのか、反対になられるのかという決議をおとりいただいてはいかがかと考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○立石委員 そういうことであれば、私がちょっと申し上げたいのは、先ほど私の意見として申し上げた製造所固有記号問題を答申書の案として容認することは絶対できないと思います。もしそういうことであれば、私は徹底的に反対したい。それと、経過措置の問題、この2つは譲れないと思います。5年にするということ。これを消費者委員会で本当に決めていいのかということを、もう一回、皆さん、胸に手を当てて考えていただきたい。

固有記号問題は、先ほど申したように、国権の最高機関の衆議院でもう議論になっているわけです。このことを附帯決議した議員が全廃だと主張している人がいるわけでしょう。そうすると、もうこれは少なくとも我々の世界ではないのではないですか。もう国会の中で決めていただく。この固有記号問題については、ここでやるような議論ではなく、そういうふうに認識して、これをここで認めてしまえば決定になってしまう。有村大臣の答えは、専門家のこの会議でやっていますからという答えですから、ここで決めたことが決定ですかとなってしまう。そんなことには、私はならないと思います。

これだけの意見を出して、それで押し切って業務用食品を外すといったふざけた中身を含めて決められたことについて、容認などできるわけがないわけです。ですから、答申書については、そういったことをきちんと織り込んでもらわないと、これは私は大反対します。賛成など、全然できません。

○阿久澤部会長 ほか、よろしいでしょうか。

そうしましたら、この辺で議決させていただいてよろしいでしょうか。私からの提案、そして事務局からの補足の説明がございましたが、この答申書案の原案のままでよろしいか。しかし、そこには先ほど私が言いましたような条件がつくという形で、この原案をお認めいただけると。はい。

○石川委員 運営の話として、今、最終的に修正できる時間があるのか否かという話をして、それがない場合は答申をするかしないかという選択しかないとなるだろうと思いますと言いましたけれども、少なくともこれまでさんざん議論した部分で、再度、立石委員から2点、修正提案をされましたので、その修正提案について審議して結論を出して、その結果、確定した答申案をもとに採決をとるという段取りが要るのではないかと思います。固有記号と経過措置。最後の最後にもう一度確認するべきだという話だと思います。結論が変わらない可能性も高いとは思いますけれどもね。

○立石委員 何度も申し上げますけれども、32回のときに石川委員の質問書に対しての回答を文書でもらっていないのです。「御指摘でございましたら、対応したいと思います」と竹田課長がきちんと言っているわけです。議事録の35ページに載っています。このことを履行されていない中で、固有記号問題を今のままでなし崩しに決めてしまうということは、私はこれは絶対に容認できるものではありません。

○竹田食品表示企画課長 ただいまの点でございますけれども、会議の冒頭に大貫参事官からもございましたけれども、基本的には委員の皆様が御提出される資料というのは、委員会の審議を充実させるものだと思っております。我々としては、諮問ということで案を既に御提示させていただいておりますので、各委員の意見の表明に対して、逐一、私が物を申し上げるというのは筋が違っているだろうと。

今、御指摘があったことですけれども、そういうことで前々回の会議のときには、私から特に何も申し上げなかったのですが、それに対して部会長から、「次回、追加で補足説明はしていただけるでしょうか」というお尋ねがございまして、「御指摘でございましたら、対応したいと思います」とお答えしました。それで、前回の会議の場では、ノンペーパーでしたけれども、私としてやりとりがあったと記憶しております。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 だって、「立石委員からも、石川委員からの意見に対しての御回答もぜひという御意見がございましたが」ということで、その部分で抜け落ちていますね。ということは、石川委員からの意見、私からの意見というのは、私からは文書でということを申し上げているわけだから、それについては「御指摘でございましたら、対応したいと思います」。こういうことは、後ろの部分だけ読めば何とかそういうふうに見えるけれども、文脈で読んだときに、明らかにそのことは対応していないということが明確じゃないですか。

○竹田食品表示企画課長 それは、委員が紙で出てくると思い込んだだけでございまして、私は紙で出すという御回答はしていないと思います。

○阿久澤部会長 ほか、御意見はないですか。

それで、今、石川委員のほうから、立石委員が言われた固有記号の修正を加えたらどうかという御意見がありましたが、それに対して修正した答申書案にしたほうがいい、すべき、あるいはそれは入れなくてもいいということでよろしいですか。もう一個ありましたね。固有記号と。

○大貫参事官 経過措置。

○夏目部会長代理 まず最初に答申するかしないかという決議をいただいて、答申するとなったときに、その修正案を盛り込むかどうかという御提案があるわけですから。

○阿久澤部会長 まずは、先ほど答申すべきではないかと石川委員のほうからもあったわけですが、もしそうでない場合は、答申するかしないかということをまずは聞くということ。

○石川委員 それは順番が反対で、最初に決まってしまったら、それを答申するかしないか、決めて、答申しないという選択肢もある。

○黒木事務局長 答申案について賛成の方が多いときに、それを後から答申しませんか、どうしますかという決議のとり方はないのではないかと思いますので、この部会で答申案について決議されるのかどうかということをまず御確認するべきという御指摘だったと思いますので、まずその点をしていただいて、すべきでないとなれば、そこまでのことでございます。

するべきであるということであれば、座長の案に対して、先ほど立石委員から2点対案が出ておりますので、それぞれの点について修正として盛り込むべきかどうかということを皆さんにお諮りいただいて、盛り込むべきであるとなれば、例えば製造所固有記号であれば、恐らく全廃すべきという修正案であったと思いますので、そういう意見を盛り込んだものになると思いますけれども、それら対案について盛り込まないという御決議でありましたら、もともとの案が残るわけでございますので、もともとの座長案について御決議をいただくことになろうかと思います。

○立石委員 全廃という話は、言っていますけれども、現実的にそんなことをここで盛り込むことができるのですか。だって、そんなことできないでしょう。

○黒木事務局長 修正案の御提案をされたということでしたので、そういう趣旨かと思いましたが、間違いがあれば、もう一度、立石委員の修正案を。

○立石委員 全廃という意見があった中で、明確な答えがない中で、このままいくと消費者庁案が生きるわけでしょう。固有記号どころか、業務用食品を除くということが入ってしまうということなのです。だから、これは鬼武委員が言っているように、論理のすりかえが途中になされているわけです。製造所固有記号問題で幾つかの課題がある中で、いつの間にか、こういう業務用食品になっている。こういったプロセスがありながら、最終的に答申書の中にそのことがまるで書かれていない中で、容認してしまうことについては問題があるわけですよ。

だから、書き方なのです。全廃するということをこの委員構成の中で決められるわけがない。反対する委員がいっぱいいる中で、そんなことができれば一番理想的だけれども、そんなことはできるわけがない中で、どこまで答申書に盛り込むのか、ある程度案が示されない限り、これはイエス、ノーと委員の中で言えないのではないですか。幾つかの答申書案が、A案、B案、C案じゃないですけれども、そういう形がない中でこんなことは決め切れないのではないですか。

○阿久澤部会長 迫委員。

○迫委員 いずれにしましても、まず答申するのかしないのかは決めざるを得ないということだと思っております。蒸し返しといったら大変失礼な言い方かもしれませんけれども、既に議論したことを繰り返し議論するということは、同じ結論につながるだけでございますので、ぜひ審議を進めていただきたいと存じます。

○阿久澤部会長 事務局。

○黒木事務局長 ちょっと確認でございますけれども、この部会で、この諮問について答申されないということに、もしなりましたら、消費者委員会としては部会の議決を委員会の議決とすることができるとなっているところでございますので、部会では議決されないということであれば、本会議にお諮りすることになろうかと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○迫委員 そういう形になりますと、今まで重ねてきた議論の成果というものが反映されない可能性もあるということでございますか。

○黒木事務局長 もちろん議論の状況と、それからどうして答申案について議決されないという御判断に至ったのかということについては、本会議の委員の方々に御報告申し上げる。その上で(本会議で)御判断されることかと考えております。まだ、議決されないとなると決まったわけではございませんので、余りそのことについて言うのは失礼かと存じます。

○阿久澤部会長 では、この場で答申書を答申するかしないかについて、まず意見を伺いたいと思います。答申するということに賛成の方は挙手をお願いいたします。立石委員と板倉委員以外は答申するということ。

次に、先ほどの私のほうから提案した内容を踏まえて、この答申書案に賛成いただけるかということを伺いたいと思います。はい。

○迫委員 確認でございますけれども、経緯、ここに至った要件とか、追加説明を受けた要件、それから継続の部分も報告書の中に盛り込まれるという前提のもとでよろしいですね。

○阿久澤部会長 その条件ということで、それについては次回の部会で皆さんに御確認いただく。

○池原委員 それは、答申書の付属文書になるということですか。

○阿久澤部会長 タイムラグはあると思いますが、この辺、事務局のほうからお願いしたい。

○黒木事務局長 (皆様で)御検討いただければと思いますが、答申書は答申書でございまして、部会の経緯というものについては、それは部会の報告書ということですので、必ずしも付属文書ということではないと思います。

○池原委員 別物ということですね。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 結局、法的な位置づけは、この答申書というのは、基準案を認めるという形となってしまいますね。幾らつっついたところで。そういう中で、きょう示された、皆さんがおっしゃったところで、これでいいという、たった2ページの答申書が公的な最終的な判断となります。あと、付属資料として添付されるにしても、表向きはそうなってしまうのです。本当にそれでいいのですかということを私は問いたいのです。何度も言っているけれども、こんな答申書でもって、あの基準案をオーケーですよということを消費者委員会が認めることになるわけです。それを私は何度も申し上げているのだけれども、付属資料という位置づけは何なのということを含めて。

要は、基準案に対して、この答申書の書き方も含めて、きょうのこの会議で答申しますということで、オーケーですよということを言っている中身は、この中で本当に合意形成できているのですか、できないのではないですかと申し上げている。

○阿久澤部会長 それで、先ほど事務局のほうからも御説明があったとおりですが、答申する。そして、先ほど石川委員のほうからも、固有記号あるいは経過措置を修正意見を加えるという答申案もあるということですね。はい。

○黒木事務局長 私が誤解をしていたようで、固有記号については、立石委員から具体的な修正案というものを出されているわけではなく、その点についてたくさんの意見があるので、この時点で答申してもよいのかどうかという疑問の御提案かと思いました。それに対して、先ほどこの部会で答申案について議決されるのかどうかということについて、皆さんはされるという結論に至られたのかと理解しております。

○阿久澤部会長 ということですが。ほか。

○立石委員 もう一回整理したほうがいいと思います。わかりにくい形なのです。石川委員が言われたように、私が申し上げたとおり、固有記号問題というのは外れているのですよと申し上げた。附帯決議をしたところでも議論を始めているわけだから、そうすると、ここで改めて国会でというのもあると思います。製造所固有記号問題は国会で。私はそれを申し上げたいですね。ここで幾らやっても一緒だから、私がもし申し上げるとすれば、これは国権の最高機関でやってください。固有記号問題、附帯決議をしたところでもう一度議論していただいて、最終的に決着してもらうとしてもらったほうがいいのではないかということです。1つは。

それから、経過措置については、これは先ほど言った点で、ここで決まってしまえば答申で5年ということを容認してしまうわけでしょう。それが最終的な判断になってしまってよろしいのですかということを、私はどうしても納得できないので何度も申し上げている。5年ということを、実態として私はお話したのです。事業者としてやっている中で、過去の経験から言ってもそれは余りにもひどい。事業者に寄り過ぎている。特別、缶詰だけ例外にすればいいのではないですかということを言っているのですが、それをぜひ検討する方向でお願いできないですか。そうしないと、答申案にそのことが盛り込まれたら、その時点でその辺が決まってしまうわけだから。

○阿久澤部会長 立石委員は、それを基準案から外したほうがいいと。

○夏目部会長代理 すみません、立石委員が今、述べられた御意見では、経過措置をこういうふうに、例えばもとの案に戻してほしいとか、具体的な御提案をなさらないと、経過措置ゼロなのか、5年なのかという議論になりかかってしまっているので、そこはもう少し御説明いただきたいと思います。

○立石委員 何度も申し上げたとおり、経過措置はもともとの加工食品2年、添加物1年。それから、生鮮食品については、一部例外的な卵の問題とか胚芽精米といった、現行の加工食品と同じ栄養表示をやっているものについては、同じだけの経過措置を設けてもらいたい。あとは、即でも構わないと思います。そういった提案を前回でしたか、出しているのです。私はそういうふうに提案したつもりです。ですから、5年ということは必要ない。

それから、あえて申し上げれば、そういった特別な、特殊な缶詰とかの業界については特例措置を認めることでいいのではないかと思います。だから、そのもともとの案のとおりで、一部生鮮品だけど加工食品的な、これまでの既存のものについては、加工食品と同じ期間を認める。それから、生鮮食品については即でいい。それから、例外的措置を一部設ける。これが私が提案した案です。

○阿久澤部会長 はい。

○迫委員 前回、確かに提案いただいているかと思います。それについて議論をして決議されていますので、そこは既に議論が終了している部分だと思っております。今回、この答申書の答申部分に対してイエスかノーかというところ、それから修正案であれば、きちんと決議した部分について報告する。それから、先ほど報告書にいろいろ追加していただく項目の中で、幾つかの案で拮抗していないものについては不要と思いますけれども、拮抗していたものについては、そういう意見があったということを特記していただくことも可能じゃないかと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。条件としてつける報告書案の内容について、御意見があれば。

○立石委員 拮抗しているじゃないですか。特にこの経過措置については、ものすごく拮抗している。反対6名といいましたか、かなりの人数の方の反対がいたと思うけれども、そういった中で多数決で押し切るのかということです。多数決で押し切るだけの材料を皆さんは持っているのですかということです。これは、責任が持てないですね。

○阿久澤部会長 そうすると、固有記号と経過措置についての修正意見をこの答申案に付すべきかということに対して聞いたほうがいいということですか。

○黒木事務局長 製造所固有記号については、具体的な対案をお出しいただいていないと思いますので、立石委員の御趣旨というのは、そこが議論できていないので、そもそもその部分について答申をすべきではないのではないかという御提案だったと思います。全体については答申することになったわけですから、もし対案として含ませていただくとすれば、立石委員のおっしゃるその部分の対案というのは、「食品表示基準について以下の部分を除く」というところに、もう一つ、製造所固有記号に関する部分を除いて、この案とするという対案の御提案かと思います。皆さんでその対案について、まず賛否をとっていただくことになろうと思います。

経過措置の部分については、先ほど具体的な対案の御提案がございましたので、まずその(立石委員の)対案について皆さんで賛否をとっていただいて、賛成となれば、その修正が入るということでございますし、反対が多いということであれば、もともとの座長の案が残りますので、それについて賛否をとっていただくことになろうかと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

今、事務局長からの御説明ですけれども、それでは経過措置について対案がありました。この対案を修正としてつけるかどうかについて、まずお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。立石委員が述べられた対案を修正意見としてつけるということに賛成の方、挙手をお願いしたい。立石委員、栗山委員、板倉委員、石川委員ということでございます。ということは、それはつけず、基準案どおりという形で進めることにさせていただきます。

○立石委員 帰った人、いっぱいいますよ。

○黒木事務局長 議決は出席されている方でしていただきますので、今いらっしゃる方で。経過措置のところについては、対案が入れられなかったということでございます。製造所固有記号の点については、「製造所固有記号の部分を除き」とすべきではないかという御対案をいただいておると理解しておりますので、その点についても御確認いただきたい。

○阿久澤部会長 答申案に製造所固有記号については除くという対案に対して、賛成の方は挙手を。立石委員、石川委員、栗山委員、板倉委員。

○石川委員 諮問から外してペンディングにする。

○阿久澤部会長 はい。ということで、これについては外さないということにさせていただきます。

ということで、最初、私が提案させていただいた答申書案、条件つきですが、先ほど迫委員からもその内容についての御意見をいただきましたが、その案で賛成いただける方、挙手をお願いしたいと思います。宮地委員、迫委員、河野委員、栗山委員、夏目委員、私、鬼武委員、池原委員、安達委員ということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、条件つきということですが、原案のままという形にさせていただきます。

次の案件、どうしましょうか。時間ではあるのですが。

○大貫参事官 部会長、遺伝子組換えの件だけは、本日やる必要があると伺っておりますので、ぜひお願いいたします。

○阿久澤部会長 それでは、申しわけございません。また時間が過ぎてしまっているのですが、もう一点、「『遺伝子組換え食品に関する品質表示基準』」の一部改正について」、御議論をお願いしたいと思います。資料の説明を消費者庁のほうからお願いしたいと思います。

○船田課長補佐 きょう、議題があと2つ残っております。消費者庁としましては、できれば2つセットということを希望しているところです。私のほうから遺伝子組換えの御説明を申し上げまして、その上で、時間で判断していただければ、消費者庁としてはありがたいということでございます。結構時間も押しておりますので、そこのところを委員会のほうでどう御判断されるかというところでございます。

○黒木事務局長 時間も押しておりますので、まず御説明いただきまして、皆さん御用があって、そもそも定足数が欠けることになりましたら御説明だけいただくということで時間切れということもあろうかと思います。

≪3.「遺伝子組換え食品に関する品質表示基準」の一部改正に係る審議について(消食表第165号諮問書)≫

○船田課長補佐 失礼いたしました。改めて、食品表示企画課の船田でございます。皆様、お疲れさまでございます。私の方から、2つ目の議題としまして、「『遺伝子組換え食品に関する品質表示基準』の一部改正について」、御説明申し上げます。

資料といたしましては、資料4-1、4-2、4-3、4-4になります。

7月25日に諮問している案件になります。3カ月ほど経過していますので、最初に簡単な経緯だけ御説明しようと考えております。

第30回、7月25日ですけれども、今回のステアリドン酸産生大豆につきまして、現行の品質表示基準を改正しまして、新たに表示基準の別表に追加することを部会で御提案させていただいているところでございます。前回、部会の中でおおむね了解を得まして、パブリックコメントとWTOの通報という手続に移らせていただいているところでございます。

資料の番号が前後しますけれども、4-3をごらんください。前回の繰り返しの説明になってしまうのですけれども、2ページを見ていただいて、今回、ステアリドン酸産生大豆MON87769系統、これは遺伝子組換え農産物に該当しますけれども、これが開発されて、当該農産物につきまして食品安全委員会の安全性評価がなされました。6月24日に評価書が食品安全委員会から出まして、それを受けまして、7月24日でございますけれども、ステアリドン酸産生大豆について厚生労働省の認可リストに上がっているという経緯でございます。

厚生労働省のリストに上がりますと、この大豆が流通する形になります。前回の資料ですので、ちょっと古い部分があるのですけれども、ステアリドン酸が認可されたということで、大豆が15ではなくて16になって、トウモロコシが198種類、今、国内で流通可能となっているということでございます。

このステアリドン酸産生大豆ですけれども、遺伝子組換えによって代謝系を変えまして、特定の栄養成分、ステアリドン酸を新たに産生させるというものとなっております。新たな性質をつくり出す大豆なので、遺伝子組換え食品の品質表示基準というものがございますが、そこの第2条で、遺伝子組換えに関する表示が必要なものとして、特定遺伝子組換え農産物というものを定めている。今回、そのステアリドン酸産生大豆が特定遺伝子組換え農産物というものに該当するという考えのもとに、改正が必要ですということを前回御提案したということでございます。

資料、戻りますけれども、4-1をごらんいただけますでしょうか。そこにパブリックコメントとWTO通報の結果ということが書いてあります。パブリックコメントにつきましては、平成26年8月15日から9月13日までやっております。受付件数については、6件ありました。もう一つ、WTO通報でございますけれども、こちらのほうは8月18日から10月16日までやっております。受付件数として1件あります。この1件ですけれども、オーストラリアのほうからです。オーストラリアも遺伝子組換え表示基準がありまして、それと同様なものですかという御質問という形をいただいているところでございます。

経緯については、省略させていただきます。

めくっていただきまして、別紙というものをつけてございます。これがパブリックコメントの結果でございます。分類しますと3つほどになります。6件の分類なので、詳細な分類とは言えません。

まず、1つ目ですが、遺伝子組換えの表示を変更する場合は、猶予期間に御配慮いただきたいという御意見をいただいております。回答と書いてありますが、これが消費者庁としての考え方になります。今回、このステアリドン酸産生大豆については経過措置は設けないという、こちらの考え方でございます。要は、現在、ステアリドン酸産生大豆については流通の実態がないということで、それを利用する製品がないとすれば、表示の切りかえ等の作業が生じないという理由でございます。

なお、過去、高オレイン酸と高リシンという基準を定めたときの例からしますと、高オレイン酸のときは経過措置として3カ月、高リシンのときは経過措置なしということになっています。今回も、そういったことも踏まえまして、経過措置については設けないということを考えております。

パブリックコメントに戻りまして、2つ目ですが、これは今回の基準の改正というよりは、遺伝子組換え食品の表示の制度の安全性の部分ということで御意見をいただいております。消費者庁の考え方が書いてありますけれども、こちらも前回、私のほうから御説明したように、遺伝子組換え食品の表示の基準というものは、あくまで安全性が確認されたものが国内で流通するという考えのもとに、それを前提としてつくられている基準になります。ただ、今回のように、ステアリドン酸産生大豆のような特殊な形質を持つものについては、消費者への情報提供として必要ではないかということを考えて、今回、改正を行っているというものでございます。

パブリックコメントの3つ目でございます。内容は、私たちは輸入の多くの遺伝子組換えされた、とうもろこし、大豆などから云々と書いてあります。これも前回お話しているところと考えておりますけれども、遺伝子組換え食品表示基準の大枠といいましょうか、どういったものに表示をさせるかということの根本論ということで御意見いただいております。ここについては、今後の課題と捉えているところでございます。今回は、あくまでステアリドン酸産生大豆が流通するという観点から、制度上、必要であるということで改正を行わせていただいているというものでございます。

以上、6件ほどの御意見をいただいておりますが、いずれも今回の改正に反対するという御意見ではございませんので、こちらとしましては、諮問した案を変えずに御提案したいというところでございます。

簡単に言いますと、資料4-2に新旧表をつけてございます。表示基準の別表3に「ステアリドン酸産生」という用語が形質のところに1つ入るということでございます。

これで、この部会で了解いただければ、この後、手続としましては、現行のルールの改正という手続になって、公布・施行という手続に移らせていただくことになります。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ただいまの説明について御意見、ございましたらお願いいたします。立石委員。

○立石委員 この問題は前にも申し上げましたけれども、制度的な手続として必要だということであれば、それはやむを得ないところだと思うのですけれども、高リシンにしても、高オレイン酸にしても、全く流通していないわけです。このステアリドン酸についても流通することは考えられないと聞いています。IPハンドリングされて持ってこられるものについて、もし使用された場合は表示義務が発生することになるのです。不分別のものが全く今、関係なしにいろいろなものが入って来ているわけです。それと、例えば油の場合について、原材料にステアリドン酸大豆を使った場合は、いわゆるプラスの情報だとして表示義務が発生するわけです。

ところが、害虫抵抗性とか雑草耐性といった形質を持った遺伝子組換え大豆を使ったときは表示されないという片手落ちの、いわゆるプラスの情報だけは消費者に対して提供される。ところが、そういった害虫抵抗性とか雑草耐性といったものについての遺伝子組換えされた大豆を原料に使ったものは表示されないということは、極めて問題があるのではないかということを申し上げたのです。

ですから、遺伝子組換え表示についての議論も早急にするべきです。特定の品目、特定の業界だけ、そういった免除があるということを消費者の方は全く知らない。だから、このことについてのパブリックコメントはたった6通です。そのうち、最後の不安というのを見ると、1件だけ猶予してもらいたいというのは事業者側の意見でしょうけれども、あとの意見は多分消費者の意見でしょうけれども、そういう遺伝子組換えに対して不安な意見が出ているわけでしょう。

これでもし多数決をとれば、こうなってしまうわけです。皆さんが大好きな多数決をとれば、ここでこっち側のほうの意見で決まってしまうわけです。だから、そういうことでいえば、このことについてパブリックコメントをやったというのはいいのだけれども、原理原則として遺伝子組換え食品をどうするのということを早く議論に持っていっていただきたいと強く要望いたします。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

板倉委員。

○板倉委員 質問ですけれども、WTO通報で受付件数1件となっているのですけれども、この内容はどういったものだったのでしょうか。

○阿久澤部会長 消費者庁からお願いいたします。

○船田課長補佐 正確に申しますと、10月15日にオーストラリアからWTOに対してコメントが提出されたということでございます。コメントの概要は、まずステアリドン酸産生大豆に関する表示基準を作成することについては、支持しますという内容がありまして、オーストラリアにおいても、ステアリドン酸産生大豆を使用した食品を販売する際には、遺伝子組換えに関する表示は必要であるということが書いてあります。

その上で、遺伝子組換えに関する表示基準の改正案につきまして、2点ほど御質問がございますということで、まず1つ目ですけれども、今回の改正は、ステアリドン酸産生大豆の表示に関するもののみの改正というものかと、2つ目は具体的にどのような表示をするのかという御質問でございました。こちらからコメントを返すわけですけれども、それについてはコメントを作成中でございまして、それは外務省を通じてお答えするということでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

よろしいでしょうか。はい。

○夏目部会長代理 今、板倉委員の御質問がございました。最初にWTO通報によって1件ございました。オーストラリアから同様の内容かとの確認内容でしたと御説明がありましたね。それだけだと、ここでコメントされた内容がわからないから質問されたわけで、最初から船田さんが、今、説明されたようなことを述べられれば時間のむだがなかったかなと。ぜひ、次回からはきちんと丁寧な御説明をしていただいて、これからコメントに対する回答を返すわけですから、こういうコメントに対して、こういう回答をしましたと御報告をいただければと思います。

要望でございます。

○船田課長補佐 どうも失礼いたしました。次回から気をつけます。きょうは時間がないことから、私も説明を省いてしまったところがあって申しわけございません。

○阿久澤部会長 ほかございませんね。それでは、本件に対する答申をどうするかですが、答申案に賛成できるか、御意見を伺うわけですが、今、伺って、答申書、参考資料9。この答申案を了承ということでよろしいでしょうかということをお伺いしたいと思います。

○黒木事務局長 諮問案を了承かどうかということです。諮問についてということでございます。

○阿久澤部会長 そうです。諮問案です。諮問書が参考資料9ですね。内容は裏に書かれて、御説明いただいた内容ということ。この内容について、今も御説明いただいた内容を了承いただけるかどうかということをお伺いしたいと思います。よろしいでしょうか。はい。では、了承いただいたということにさせていただきます。

次もいきますか。すみません、もうちょっと御辛抱いただきたいと思います。

≪4.「乳等表示基準府令」の一部改正に係る審議について(消食表第166号諮問書)≫

○岩城課長補佐 引き続きまして、私のほうから「『乳等表示基準府令』の一部改正」ということで御説明させていただきます。

説明の前に資料の訂正があります。まず、今回、使用します資料につきましては、資料5-1、資料5-2、資料5-3ということになっております。

今回、訂正があります資料につきましては、資料5-3になります。この資料につきましては、前回の7月25日の部会で使用しました資料になります。資料の8ページ目の「3.低温で発酵した発酵乳及び乳酸菌飲料の表示についてマル2」というところになります。そのページの下の表の右にあります「乳等を主要原料とする食品」にも乳酸菌飲料の区分がありますので、低温で発酵する乳酸菌を用いた乳等を主原料とする乳酸菌飲料につきましても、製造された場合には「低温発酵」という表示の対象となります。そもそも、こちらにつきましては、本来対象としておかなければいけなかったところ、忘れておりましたので、今回、表示の対象ということで訂正させていただいております。

ただ、この変更に伴いまして、そのページの中段にあります表示基準につきましては、特に変更はありませんので、そのことを申し添えておきたいと思います。

では、資料に戻りまして、資料5-1になります。GM同様、パブリックコメント、WTO通報いたしまして、その募集結果になります。

2枚目に別紙ということで、募集の結果の一覧表を載せております。乳等表示基準府令につきまして、意見といたしましては計7件、来ておりまして、2件は今回の基準案とは関係ないということで、5件ほどここに掲載させていただいております。

1つ目の御意見といたしましては、容器包装に入れられた後、加熱殺菌したチーズというのは、どれくらいの温度で殺菌されたものかわからない。リステリアの殺菌に効果がないくらいの殺菌をされているものであれば意味がないが、何度で何分以上、加熱殺菌したものという条件を満たしたものについて表示すべきという御意見でございます。

当方としての考え方になりますけれども、加熱殺菌につきましては、リステリア菌が死滅するのに十分な殺菌強度の加熱が求められるということ。また、加熱殺菌の温度等につきましては、事業者ごとに加熱殺菌方法、温度とか時間が異なることや、製品の大きさの違いによる熱伝導につきましても異なりますので、事業者の責任において、科学的・合理的な根拠に基づいて加熱殺菌の温度を設定する必要があるということ。また、表示につきましては、厚生労働省が別途策定しております、本件に係る規格基準が適用されるか否かを行政が判断するために、必要な表示と考えておりますという回答をしたいと考えております。

2つ目ですけれども、具体例、Q&Aを示していただきたいということですけれども、これにつきましては、施行の際には、施行通知及びQ&Aで発出する予定としております。

3つ目ですけれども、こちらにつきましても、表示について、先ほどの1番目と同様の質問ですけれども、当方といたしましては、必要な表示であるということとしております。

4つ目ですけれども、リステリア菌の規格基準が法的に設定されていても、市場流通の保管温度が二段構えになるということで、現実的には非常に無理があると考えられているということ。すなわち、10℃以下の保管温度で陰性でなければならないという自主基準を設定して対処する考えである。したがって、リステリア菌関連で加熱等の表示の義務づけは不要である。また、容器包装の表面は、一般消費者に対する情報提供の場であることは熟知しているが、法令の改正によるものでなく、通知によるお願い程度でよいではないかという御意見をいただいております。

当方の回答といたしましては、先ほどと同様な回答になりますけれども、行政にとって必要な表示ということと、あとは、飲食の際に加熱を要するものにつきましては、消費者の注意喚起ということで必要な表示と考えております。

最後の5つ目ですけれども、低温発酵の件ですけれども、発酵温度摂氏25℃前後ではなくて、「低温発酵」という表示を認めてほしいということの要望でありまして、私どもの回答としては、表示方法については、通知等で示す予定としております。

パブリックコメントにお寄せいただきました、これらの意見につきましては、私どもがお示ししています表示基準の見直しに必要となるような意見がございませんので、提案させていただいております表示基準で進めていきたいと思います。

また、前回、ナチュラルチーズの表示基準の議論の中で、幾つか御指摘がありました内容について補足ということで説明させていただきたいと思います。資料につきましては、参考資料5にあります「乳及び乳製品のリステリアの汚染防止について」という通知の抜粋になります。

前回の議論の中で、今回の規格基準において、飲食に供する際に加熱を要するナチュラルチーズにおきましては、ナチュラルチーズの規格基準がまず適用されないということと。また、加熱温度も明確に示されていないということから、加熱が不十分だった場合には食中毒の発生につながり、安全性に問題が生じるのではないかという御指摘があったところです。これにつきましては、厚生労働省の「乳及び乳製品のリステリアの汚染防止について」という、こちらの通知の中で加熱温度の検証が行われております。

加熱温度の検証につきましては、市販のシュレッドチーズをリステリア菌で汚染させまして、チーズを加熱溶解した際のリステリアの死滅温度の検証を行っております。通知によりますと、通常使用時のチーズを溶解する加熱条件は220℃から250℃で、5分間加熱すればチーズが溶解するとされております。これを踏まえまして、検証試験では、それより1分短い250℃、4分間の加熱で、ピザの台になりますクラストまたはトーストの上にチーズを乗せて加熱温度の検証を行っておりまして、250℃、4分の加熱でチーズの汚染菌数、10/g、100万個ですけれども、汚染されていても、完全にリステリアが死滅することが確認されているという検証データになります。

ちなみに、このときの温度が一番低いチーズとクラスト、またはチーズとトーストの接点の部分になりますけれども、こちらの温度は81℃であったということになっております。この結果を踏まえまして、チーズが溶ける通常の加熱でリステリアを死滅することが可能であるという検証結果から、チーズを供する際に加熱を要するナチュラルチーズにつきましては、当該通知でリステリアの対象外としておりまして、今まで取り扱われてきております。今回、この現状を維持するために、リステリアにかかわる規格基準の対象外とするもので、過去、このような検証に基づくものであることを申し添えさせていただきたいと思います。

次に、保存温度についても御指摘があった件ですけれども、資料5-4になります。この資料は第30回の部会の資料で、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会の資料の抜粋になります。

保存温度につきましては、資料の裏面の(3)保存基準に関する記載になりますけれども、コーデックスのガイドラインでは、食品の製造・輸送等に当たり6℃を超えない温度管理が重要としておりますという記載があります。その一方で、リステリアの増殖を抑える方法につきましては、温度管理だけではなくて、pH、水分活性、食品添加物の使用等、食品の特性に合わせたさまざまな方法によってもリステリアの増殖の管理ができるものとされております。また、pH、水分活性、食品添加物等で食品事業者が科学的な根拠に基づき、保存温度を設定していれば、必ずしも6℃以下でなくてもよいとされております。

しかしながら、pH等でリステリアの増殖を抑えられない食品等につきましては、6℃以下の保存を管理目標とすることとされておりまして、これにつきましては厚生労働省から通知で食品事業者を指導することとされておりますので、保存温度が10℃以下であっても、食品事業者が科学的な根拠に基づき、保存温度を設定していれば、前回御指摘いただきましたようなリステリアの発症リスクに変化が生じるものではないと考えております。

次に、ナチュラルチーズを家庭で冷蔵保存する際のリステリアの増殖についての御指摘もあったと思いますけれども、リステリアの成分規格の適用は販売時とされております。また、リステリアは低温でも増殖することが確認されておりますので、販売後の家庭での保存も考慮し、リステリアが低温で増殖が起きる食品につきましては、賞味期限内等の保存可能な期間内においても、リステリアが100cfu/g、100個以下であることを食品事業者は科学的な根拠により示す必要があることとしております。

これにつきましても、厚生労働省が通知で食品事業者を指導することとしておりますので、家庭での冷蔵保存の影響も考慮されておりますので、前回御指摘がありましたリステリアの発症リスクに変化が生じるものではないと考えております。

さらには、製造環境対策の一環ということでございますけれども、これにつきましては、一般衛生管理の管理運営基準等の徹底の指導。特に、感受性集団、妊婦とか高齢者の方等に対しましては、調理済みの食品をそのまま食するような、食品全体に対するリステリアに関する注意喚起等を厚生労働省で現在も行っておりまして、今後も行っていくこととしております。

これら全ての対策を総合的に実施することで、厚生労働省が今回、策定いたしましたナチュラルチーズのリステリアの規格基準で、ナチュラルチーズのリステリアの発症リスクは低いレベルに抑えられることが可能であるとの考えから、今回、規格基準が設定されているものだと考えられます。

以上のことを踏まえ、資料5-2の新旧対照表の朱色で私どもが示している表示基準案について、先ほどのパブリックコメントの意見等も踏まえまして、見直し等の必要がないと判断いたしておりますので、諮問させていただいた表示基準案で今後、手続を進めたいと考えております。

以上でございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明について、何か御意見、ございますでしょうか。立石委員。

○立石委員 前のときも申し上げましたけれども、今回、パブリックコメントの中にも4番に出ていますね。市場流通の保管温度が二段構え。現実的には非常に無理があると事業者の方が告白しているわけです。現行の我が国の流通の中でチルド温度帯は10℃以下ということになると、6℃ということと。それから、今、2℃、3℃が望ましいということから、現実がかけ離れているわけです。そういう実態がありながら、これまではリステリア菌が検出されたら外国から来るものを全部ストップできたわけです。

それを今回は100個までということでいくと、明らかにリステリア菌で今、年間80人ぐらい発症しているわけだし、高齢者とか幼い子どもたちはリスクが高い。こういった商品について、事業者を含めて、よく理解されているかなという点があって、わざわざ海外からの要求、特にヨーロッパはものすごく厳しく、我々が輸出するときに何もさせてもらえない中で、向こうからの要求だけ聞いて日本の安全基準を下げる。流通段階で担保できないということを告白しているわけじゃないですか。これも変な話で、事業者の方はおかしなことを言っているのだけれども、加熱表示は要らないとまで言っている。

これは、国内の事業者としてきちんとやっていくということなのでしょうけれども、海外に対しては無防備になってしまうということを私は申し上げたいわけです。今はゼロ個でしょう。それを100個まで認める。加熱という表示をしたらいいですよということまで緩和するのです。緩和措置なのです。聞いていると、何かよくわかりませんが、要は外圧からの緩和措置です。このことは、そこを見誤るかどうかです。

私は先ほどから何度も申し上げていますけれども、一方では、私どもが我が国から輸出しようとすると、強烈に輸出に対して規制がかかる。ものすごく規制がかかる。日本はゆるゆるです。海外からの外圧に対して、はい、オーケーということで、さっきの遺伝子組換えの話もそうです。だから、そういうところのバランスがものすごく悪い。だから、私、反対します。わざわざ国民の健康に対して危害発生の可能性が高まることについて、認めることは決して得ではないですから。今までどおりでいいのです。ゼロにして、100個という緩和措置とか表示によってとか、することなくやればいいわけですよ。

そこはいかがですか。流通についての担保がとれていないということを、事業者が明確に告白しているわけでしょう。この間、ずっと菌は増えるわけです。冷蔵庫へ行っても、また増える。そういったものをリスクとして、岩城さんはこの事業者の告白に対して、どう考えているのですか。

○岩城課長補佐 4番の流通温度につきましては、同様の質問が厚生労働省にも行っておりまして、厚生労働省によりますと、事業者によってゼロリスクで管理できる、要するに、うちは衛生管理が徹底しているので、陰性でも管理できるというところについては、10℃以下という温度帯でも認めるような方向で検討しているという回答があります。

あと、輸入のナチュラルチーズにつきまして、今まで陰性基準だったのが100個以下ということになって、リスクが高まるのではないかということですけれども、御存じのとおり、輸入のナチュラルチーズにつきましては、過去の違反事例を勘案しまして、輸入するごとに命令検査ということでリステリアの検査をやっております。過去のリステリア陽性になったナチュラルチーズにつきましても、1件だけ400個台の違反がありましたけれども、その後のほとんどは10個以下というデータもありまして、そんなにリスクは高くないのではないかということ。

あと、ナチュラルチーズにつきましては、原料乳を殺菌、要するに、未殺菌乳を使わなければ、リスクはかなり低いと報告書の中にもありまして、現在、輸入ナチュラルチーズにつきましては、通知ですけれども、未殺菌乳を使ったナチュラルチーズは輸入しないようにということで指導もされておりますので、リスクはそんなに高くないのではないかと考えております。

○立石委員 答えとして、私、理解できなかったのだけれども、結局、陰性であれば10℃以下でも、もちろん陰性だからゼロだからいいわけだけれども、10個とか4個とか、今、排除できているものが入ってくる。そうすると、日本の物流の中ではそういったものが確実に輸入品は増殖するわけです。増殖することを事業者が告白している。我々も乳業会社を持っていますからわかるわけだけれども、現実は無理だと言っているわけです。そういう中で10℃でいくと、確実に増えていくことを容認してしまうわけですよ。4個でも5個でも入っていれば、陰性と違って、1個でも2個、条件さえ整えば、菌というのは爆発的に増殖していくという性質を持っているわけじゃないですか。

そういうことでいくと、あえてリスクが高まる方向になるということに対して、今の岩城さんの答えは全く答えになっていませんよ。ゼロじゃないものが4個5個入ってくる。そして、日本の流通の中で増え続ける。それについて、どう考えますか。

○岩城課長補佐 冷蔵のリスクにつきましては、先ほどもお話しまして繰り返しになりますけれども、事業者に対しては、販売時の規格基準が100個以下ということですけれども、保管期間内でも100個以下となるように科学点検に基づいて設定しなさいということを通知で指導していくことになっておりますので、それを実施されればそんなにリスクは高くないのではないかと考えております。

○立石委員 物流上で増えるものについては、どう考えているのですか。物流上で増えるということも確実に言えるわけじゃないですか。要は、陰性でないものが入ってくるということは、4個5個でも増え続けることについては、どう見るのですかということを言っている。それは、誰が責任を取るのですかということです。

○岩城課長補佐 ですから、保存期間中、要するに流通時の温度と賞味期限を勘案して、最終的な賞味期限が切れる段階でも100個以下となるように管理するように通知で指導することになっておりますので、その点のリスクは大丈夫だと考えております。

○阿久澤部会長 ほか、ございますか。どうぞ。

○石川委員 今、立石さんのお話で明らかになっている部分があるのですが、食品の安全に関する内容の規制ですね。規格基準を変更する、あるいは添加物、遺伝子組換え食品をプラスする。それに対して表示というのはワンセットですね。ふやした以上、表示しないといけないとなるのですが、安全にかかわる内容規制と表示に関する規制が厚生労働省と消費者庁、あるいは消費者委員会と薬事・食品衛生審議会という形で分断されてしまっていて、そこの意思疎通が十分ではないと。

それで、立石さんがおっしゃっているのは、薬・食審のほうでの議論で、温度管理によって非常に問題が出てくるような規格基準の変更があった場合に、これは問題ではないのかという御指摘ですが、実はこの御指摘は、安全の内容規制に関するものなので、この表示部会で果たして審議できるのかという疑問があるということで、それを議論しないとなると、安全性は宙になるという問題があって、これはどうするかというと、結局、安全内容規制について十分でないものが表示でカバーできるのかという点を、ここで議論しないといけないという話になります。

その場合に、警告表示として、いろいろな表示をさせるという話の中で、今、ちょっと思いついた話としては、消費者に渡ってからの保存方法等の表示義務はありますが、物流関係に対しての義務については、表示義務も情報提供義務もないという点について、実はそこに穴があるのだろう。ここで直ちに話ができるかどうかわかりませんけれども、議論するとしたら、消費者のための表示義務以外ですけれども、流通の人のための表示も、実は安全規制を緩和していくのであれば必要になってくるのではないか。そういう問題提起がこの論点には含まれているのではないか。安全にかかわる問題としては非常に大きな問題なので、議論しないといけないと思います。

その点で、表示義務だけで十分ですかという点を議論しないといけないのですが、私などは文系なので、安全性に対して認識を十分持ち得ない以上、判断しづらいところがあります。そこをもうちょっと勉強させていただいて、教えていただいて、この表示だけでいいのですか。さっきの処理を要するという表示だけでいいのかという点を議論しないといけないと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。

それで、まだ多分御意見もあるかと思いまして、時間も考えると、これについては継続の形にさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。継続というか、次回。ごめんなさい。もう一度、次回の部会で改めてやらせていただくことにさせていただきたいと思います。すみません、きょうのところはこれまでです。

それで、先ほど諮問案を了承していただいたのですが、事務局から答申案と報告書案を委員あるいは傍聴席の方に資料を配布していただくのを忘れたのですが、先ほどの件についての答申案及び報告書案を事務局から配布していただくということでよろしいのですね。これは、先ほど了承いただいた内容なのですが、「案」をとったということです。組換えの話です。私のほうから指示するのを忘れておりました。

本日の議題、全て終わることはできなかったのですが、以上にしたいと思います。

それで、10月3日に開催した部会の議事録についてですが、消費者庁の発言の一部が委員への説明なしに修正されていた件について説明したいとのことですので、消費者庁、お願いしたいと思います。

○石丸課長補佐 時間が超過している中で申しわけございません。食品表示企画課の石丸と申します。今、部会長からお話があった件について御説明させていただきます。

10月3日の第32回食品表示部会の中で、「L-フェニルアラニン化合物を含む旨」の表示についてやりとりがございました。その中で、食品添加物、アドバンテームを使用する食品について、このL-フェニルアラニン化合物を含む旨の表示の対象になるのかといった部分について、消費者庁から御説明を差し上げた部分がございました。その中で、厚生労働省の調査会において表示が必要ないということで、表示の対象外としているという旨の発言が私どものほうからありましたけれども、これは事実が間違ってございまして、正しくは、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果などを踏まえて、消費者庁として表示が不要という判断をしているといった部分が正しい内容でございます。

議事録の確認の際に、この今、申し上げた内容で修正の上、消費者庁から消費者委員会事務局のほうに修正案を出して、現在、ウエブサイトのほうに今、申し上げた内容で掲載されているというところでございます。

委員の皆様を初めとして、御説明なしに修正したという部分について、御迷惑をおかけしたことを、お詫びをさせていただきます。

以上でございます。

○阿久澤部会長 議事録につきましては、会議終了後、消費者委員会事務局から発言者に対して内容を確認と、それと口頭でのやりとりなので、発言の意図を明らかにするために、必要な範囲での補足を依頼しています。各委員もその依頼の中で、議事録を読む方が理解しやすいよう補足を入れたりされているわけですが、発言内容を追加したり、発言要旨が変わってしまうような修正を入れることはありません。今回のような修正を行う場合には、改めて会議の場で発言内容の修正のための説明をするのは当然のことです。今後、このようなことが起きないよう、よろしくお願いしたいと思います。

○大貫参事官 消費者委員会の事務局から、10月3日の議事録の修正の方法について提案させていただきます。

現在、ホームページで公表している議事録の当該部分につきまして、もとの間違った発言になるのですけれども、それに戻すこととさせていただいて、その上で、先ほど御説明のあった、これは間違いであるという趣旨について、その下に注記のような形で間違いであることがわかるように記述するという形に改めるという御提案をさせていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 これはかなり大きい問題だと思います。事実でない、決定するところが違っていることについて、消費者庁の答えが間違いだったにもかかわらず、それを黙って修正したということですね。そんな修正ができるなら、私、修正したいことは幾らでもあります。私の発言は極めて問題発言が多いと言われていますから、そんなことが許されるのかというところが正直、今までもそんなことをやってきたのでしょうか。これは、今回、どなたがやったかわかりませんけれども、そういうことは特別その人個人の問題としてあったのか、もしくは組織上、これまでも消費者庁は、我々、自分の議事録についてはチェックするけれども、人の議事録はなかなかチェックできませんから、そこまで見ていない。

そういうことが今まで慣行として、前も「『異議なし』の声あり」というのも慣行としてやっていましたということで、ここで1回問題になったことがあるじゃないですか。だから、慣行としてそういうことをやっていることはあったのかどうかを聞きたいと思います。消費者庁は慣行として今まで。そういうことは一度もないと、今回だけのことですかということを確認させてもらいたい。

○石丸課長補佐 基本的に発言の内容の修正といいますか、例えば言いぶりとして繰り返しになっているとか、内容の変更を伴わないような修正については、わかりやすいものにするという観点から直している部分はございますけれども、今回のような事実関係の修正というものについては、行っておりません。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 このことは、修正した時点で、我々もそうだけれども、修正したものは消費者委員会に送るわけですね。消費者委員会がチェックするということが、そこで関門としてあるわけですね。この修正に対して適切かどうかという、そこが今回は働いたのですか。

○大貫参事官 事務局より御説明させていただきます。この該当となりました議事録につきまして、食品表示基準の非常に重要な審議の内容であるということで、議論に活用いただくために極めて短い期間で作業させていただいた。その中で、今回、事務局としてお詫びさせていただきますけれども、チェックが漏れたという点がございましたので、今後、そのようなことの再発がないように事務局としても対応をとってまいりたいと思っております。

○立石委員 もう一つ。本来であれば、そういう重要な変更については、消費者庁が変更することについては、これはちょっと間違った発言だったので修正させてもらいたいという旨を消費者委員会に、膨大な議事録をチェックするというのは、我々も含めて大変だと思う。恐らく、それをやれと言ったら難しい。でも、本来であれば、そういうときに消費者庁は消費者委員会に対して、こういうことで、ここについてはうその発言をしてしまったので修正したいという旨をもってやるというのが普通、私は当たり前だと思うのだけれども、そこはいかがですか。

○阿久澤部会長 では。

○石丸課長補佐 おっしゃるとおり、内容の変更を伴うものであれば、きちんと事務局のほうにその旨を伝えて修正のお願いをするということが基本であったと思います。ただ、先ほど事務局のほうからお話もありましたけれども、今回の議事録の確認というのは短時間であったという事情もあって、今回のような対応になってしまった。その点については、繰り返しになりますけれども、お詫びをさせていただきます。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 こそっとやったということでしょう。それは、担当者が個人の判断でやったのか、もしくは竹田課長の承認の上でやったのか、どちらですか。課長はこのことは御存じだったのですか。

○竹田食品表示企画課長 今回の議事録の修正は、データについて消費者委員会の事務局から御提供いただいて、それをこちらで見て、先ほどのような修正をしたということでございます。したがいまして、この件につきましては、我々、食品表示企画課が消費者委員会事務局に修正をお願いしたということでございますので、責任は全て私にございます。私もきちんとチェックできなかったことで、こういうふうな御迷惑をかけたということで、改めてお詫びいたします。

○立石委員 知っていたのですか。

○竹田食品表示企画課長 詳しい記憶は、そこまで詳しくは残ってございません。したがいまして、一言一句について、このような修正をしたということについては、はっきりした記憶が残っているわけではございませんけれども、いずれにせよ、我々の課として消費者委員会事務局に訂正をお願いいたしましたので、その点についての責任は私にございます。

○阿久澤部会長 それでは、この件に関しては、これで。

それで、先ほど参事官のほうから修正方法についての御提案がありましたが、参事官がお話になられた修正方法でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。賛成いただけましたので、事務局は議事録を修正してください。

これで終わりということですが、最後に一言ですが、すみません、戻ってしまって申しわけないのですが、先ほど時間の関係で先を急いでいたため、確認することを忘れていました。答申との関連です。部会の議論の中で、Q&Aの扱いとか通知に関して、さまざまな質問があった際に、消費者庁からは補足説明がされ、この委員会としても、その説明内容が実行されるということを前提に諮問案に賛成された委員も多いと思います。ということで、今後、Q&Aや通知を作成していくことになろうかと思いますが、当部会で消費者庁が説明なさった内容から外れることがないように、ぜひお願いいたします。このことについて確認させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 その点は、ここでの議論を踏まえまして、きちんとここで御議論いただいて合意が得られた方向で、我々も細則を詰めてまいりますので、そこのところはこれから具体的な作業になりますけれども、やらせていただきたいと思っております。

○阿久澤部会長 よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事は以上です。

最後に、次回の日程について事務局から説明をお願いいたします。

○大貫参事官 本日も長時間にわたり御審議いただきまして、まことにありがとうございました。

次回の日程及び議題につきましては、おって御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○阿久澤部会長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。お忙しいところを長時間、どうもありがとうございました。

≪5.閉会≫

(以上)