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河上消費者委員会委員長 記者会見

2015年2月19日
消費者委員会

日時

2015年2月19日(木)19:00~19:26

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) お待たせしました。ただいまから、河上消費者委員会委員長の記者会見を始めさせていただきます。

よろしくお願いします。

(河上委員長) どうも、遅くまで御苦労さまです。

平成27年2月18日に、消費者庁は、消費者委員会が平成26年8月5日付答申書において特保として表示許可することが適切ではないとしたノンアルコール飲料2品目について、特保として認可いたしました。

これは、消費者委員会の答申とは異なる結果となったものであります。これについて、委員長としての考え方を述べたいと思います。皆様のお手元に、一応、発言の内容について書いたものをお配りしておりますので、それを参考にしながら聞いていただければと思います。

消費者委員会としては、同答申書において、特保制度、ひいては健康増進法の趣旨及び要件に照らして、マル1ノンアルコール飲料が特保になることで、健康によいイメージに引かれて未成年者の飲用が懸念されること、マル2ノンアルコール飲料が未成年者のアルコールへの入り口となることを懸念したところであります。

消費者庁は認可の条件として、酒類に関する事業者団体、酒類に関する連絡協議会のノンアルコール飲料に関する取組に準拠して取り組むことを求め、遵守されない場合には、許可の取り消しもあり得るという説明をされております。

これは、委員会の答申の趣旨を尊重した配慮がされたものと理解はしております。

一方、厚生労働省の調査研究によりますと、ノンアルコール飲料が30%近い中高生に飲まれているという結果が出ておりまして、酒類に関する事業者団体のノンアルコール飲料に関する取組のみに依拠して未成年者への配慮が担保され得るかという点については、なお懸念があるところでございます。

国民の健康増進に寄与する食品であることを示す特保のマークが付された新たなノンアルコール飲料が市場に流通することになるからには、それが20歳以上の成人向けであることをわかりやすく目立つ形で明確にするなど、未成年者に飲用されることがないようにするための販売・広告上の工夫がしっかりとなされることが期待されるところであります。

なお、ノンアルコール飲料に係る特保の諮問・答申に限らず、特保に関する消費者委員会での審議一般にかかわることでありますけれども、一昨日、2月17日の規制改革会議第30回健康・医療ワーキング・グループにおいて、消費者庁から、特定保健用食品の許可の要件の中で「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」。これは認可の要件の一つに挙がっているものですが、この点については、消費者委員会への諮問の対象ではないという説明がございました。この点は少なくとも、私の認識とは大きく異なるものであります。

一昨日、つまり2月17日に初めて伺った話でありまして、まずは特保の諮問の範囲について、いま一度、消費者委員会、特に新開発食品調査部会及び評価調査会の委員に対し、消費者庁からしっかりとした説明を求める必要があると考えているところです。

差し当たり、私から申し上げることは以上です。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答のセッションに移らせていただきます。マイクに向かって質問事項を御発言いただくようにお願いします。

御質問はございますか。

(問) 委員長の今の発言の後段部分にも関連するのですが、今回、消費者庁は許可した理由として、消費者委員会が不許可とした理由として、要するに未成年の飲酒につながるのではないかという部分については、今、後段でおっしゃったような部分のように、要するに条件を超えた部分で判断されているのだという旨の説明をされています。この点について、どうお考えでしょうか。お聞かせください。

(答) 先ほども申しましたけれども、諮問の内容については、少なくとも私自身の認識では、そこには全ての要件、今、外されていると言われたような要件に関しても諮問の内容に含まれている。そこに言う有効性や安全性といった問題の中には、広く将来の国民の食生活の改善とか、健康の維持・増進といった目標ないし観点が当然含まれているという理解でおりました。ですから、そこの部分について、果たして消費者庁からの諮問の内容から本当に外されているということなのかどうか。その辺は確認をしないといけないと思います。

諮問文の文章は、特に限定をしていないものでありますから、通常の解釈としては、法の趣旨や食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与することが期待できることが大前提として含まれていると考えられます。もちろん、解釈としては両方あり得るかもしれませんけれども、私どもは消費者委員会として余計なことをしたとは思っておりません。

(事務局) ほかによろしいでしょうか。どうぞ。

(問) 先ほど言われました、通達の中の8項目の一番上の部分、要するに「健康の維持・増進に寄与する」という部分について、長官は、客観的な安全性と効果については認められているのだけれども、プラスアルファの部分を消費者委員会が言ってきたという論調でずっときていて、その部分自体に私はとても疑問を感じていたのです。

消費者委員会としては、要するに「健康の維持・増進に寄与する」という部分について有効性がないという判断で、認めないというふうに本当は答申をしたはずなのですね。それで今回、その客観的な部分というものの解釈が、消費者庁と消費者委員会の見解が違ったのではないかと私は受けとめていたのですが、そうではなくて、そこの部分自体が答申内容から外れているというふうに消費者庁は捉えているということなのですか。

(答) 恐らくそういう説明であろうと思われます。少なくとも規制改革会議での説明を伺いますと、最初の「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」というのが外されていて、その後の医学的・栄養学的に、この安全性とか機能性が明らかにされているかどうかということだけを聞いているのだという趣旨であったと思います。

ただ、私としては、許可の要件が8項目ありますけれども、それぞれ全てについて消費者委員会に、果たして安全性と機能性の問題として、可としてよいかということが聞かれているという理解でおりましたし、恐らく多くの委員の方もそうではないかと思います。

(問) ブリーフィングで消費者庁から出された資料をずっと読んでいっても、皆さんそう受けとめたと思うのです。あの8項目について諮問をしている。その1行に対する見解が違っている。

でも、消費者委員会としては「健康の維持・増進に寄与する」というところに有効性がないと判断して、認めない、許可しないというふうに答申をしたという受けとめでいいのでしょうか。

(答) そういう理解で結構です。何のために消費者委員会に諮問があるのかということを考えていただきたい。それはやはり大前提として、将来の国民とか消費者全体に対して、食生活の改善、そして健康の維持・増進に寄与するかどうかについて判断をするということがあるから、消費者委員会の判断というものが期待されたのではないかと私は思います。

(問) 実は私も、この厚生労働省の調査を拝見していて、これは実は驚いたのですが、この30日の間に1日以上でも飲酒をした人の数を数えてみますと、高校生の女子ですと、飲酒をしているだけで46.8%になるのです。それで、ノンアルコール飲料は35.8%の高校生の女子が飲んでいるのです。

それで、消費者庁は確認した。要するに、売っていないのだということを確認したと言っているのですが、高校生の女子の中の、お酒を売ってもらったかどうかを聞いている質問があるのですけれども、9割は買っていないと言ったのですが、あとの残りの人で、時々売ってもらえなかったことがあると答えた人は1.8%で、いつでも売ってもらえたと言っている人は2.7%で、いつでも売ってもらっている人のほうが多いのです。

それで、消費者庁の言っている確認したというのは、やはりどこまで確認されているかがわからず、私も実は街角で一般消費者の方に取材をしたのです。そうしましたら、特保になったら飲んでいいのではないか。絶対、特保は体にいいのだから、お母さん、飲んでいいよね。だって、アルコールは入っていないのでしょうと子どもが言ったときに、親としてどう言うのか。そういう意見で、本当に普通の街角の女性に聞いたのですけれども、それに対して消費者委員会はこの程度の発言でいいのかなと実は思っていて、今も自主基準でこういうことをやっているけれども、現実的には守られていないという調査がここにあるのではないのでしょうか。

(答) そこから先、消費者庁としては、ちゃんと販売や広告などのあり方について、きちんと監視をしていくのだとおっしゃっていまして、それでうまくいくかどうかということについては大変な懸念を持っているというところは私自身も今の御指摘のとおりであります。家の中で実際に子どもたちがノンアルコールの麦ジュースを飲んで乾杯をしているときに、それをだめだというふうにとめるのはなかなか難しいだろうと私も思います。

それは、ただ特保であるかどうかということとどのくらい関係があるかについては分からない面もありそうですね。しかし、国が特保という形で、これは健康増進やそういうものにいいのですよというふうにお墨つきを与えるのにふさわしい食品かどうかを消費者委員会としては考えて不適当であるとの結論を出したということでありまして、その点については消費者庁とは見解が異なったということになるのだろうと思います。

最終的に、特保としての認可をするかどうかという許認可権は消費者庁が持っているわけでありますから、消費者庁としてはそういう判断をされたということについて、現時点では、こういう形で遺憾であるという形の意見を表明する以上のことはなかなかできないわけです。

(事務局) 次はよろしいでしょうか。どうぞ。

(問) 昨日、私は帰りにノンアルコールビールを買ってみたのですが、確かに清涼飲料水であるにもかかわらず年齢の確認をするという売り方はしているのですけれども、そこまでしなければいけないものになぜ特保をつけるのかというのは非常に不思議な気持ちがするのです。

この規制改革会議で言った、これは消費者委員会の諮問の対象ではないということ自体に非常に私は驚いているのです。これこそ、食品の安全に関しては食品安全委員会が専門調査会で審議をしているわけですから、その後で消費者委員会にわざわざ諮問する意味は何なのかということが今回、一番問われているのかなと思うのです。

それはやはり消費者の視点であり、長い目で見た、消費者にとって、これは特保、例えばこういうものがいいのかどうかということを消費者目線できちんと見るところが消費者委員会ではないかと思っていたのですが、これが諮問の内容でないとしますと、では、何を求めているのかということが非常に不思議な気がします。

ここから質問ですけれども、委員会としては、今回の消費者庁の認可に対して再度、何か意見を出すとか、そういうことは考えていらっしゃるのですか。

(答) 今回の認可についてですか。

(問) はい。納得されていないような感じがするのです。

(答) やはり納得していない感じがしましたか。

(問) はい。

(答) といいますか、ここから先、もっと一般的な話になってきてしまうのですけれども、消費者委員会に対して、先ほど出た要件の中の一番基本的な部分、健康の維持・増進という部分については聞いていない、むしろ科学的なエビデンスの部分について、機能や安全性があるかどうかを客観的に検討してもらうというのが諮問の趣旨であるというふうにもしおっしゃるとすれば、委員会としては諮問に対して答えるという立場ですから、差し当たり、それ以上のことは調査会としてはなかなかできないのかも知れません。

しかし私どもの考えでは、特保制度において、やはり目的とされている部分は消費者委員会の専門調査会としてしっかりと検討していただきたいという気持ちでございます。ですから、場合によっては専門調査会等の任務規定を書きかえてでも、その部分についてきちんと考えてもらい、必要に応じて親委員会が今度は建議をするなり意見を述べるという仕掛けになっていくことになる可能性もあります。

ただ、現在の段階で消費者庁がこの諮問をどういう形で考えていたのかということについては、若干、意見がぶれているといいますか、はっきりしない部分があるのです。ですから、そのことについて、まずはきちんと伺ってみて、諮問の趣旨といったものとか範囲について、きちんと説明を求めるところから始めたいと考えております。

(事務局) どうぞ。

(問) たびたびですみません。

その発言部分が私たち、実は入手できないのです。規制改革会議のワーキング・グループは、私たちは入ることができず、まだ議事録が出ていないのです。どのような発言をされたというふうに報告があるのか。その発言をその会議の中でどなたかが聞かれたのか。どのような発言を誰がしているかを教えてください。

(答) 事務局のほうで何か情報がありますか。

(答・事務局) まだ議事録が出ていないので、議事録が出てから御覧いただいたほうがよろしいかと思います。

(問) ただ、そういうことに基づいて委員長が発言されているので、教えていただきたいと思ったのです。

(答) 規制改革会議のほうにうちの事務局から若干名が出て話を聞いていることは事実であります。私自身は事務局のメモに基づいて話を聞きました。ただ、もし報道されるのであれば、正確を期するためには、規制改革会議の議事録が出たものを前提にしていただく必要があるかと思います。

(事務局) 質問はよろしいですか。

(問) 何度もすみません。

それでは、今後同じようなノンアルコール飲料の特保の諮問があった場合ですけれども、どう対応されていく予定でしょうか。

(答) それは諮問の具体的な中身をはっきりさせた上で、それに対応する形で答申を出すことにはなるかと思います。しかし、それとあわせて専門調査会でいろいろ御検討いただいたことで、必要があれば親委員会から発言することもあるでしょうし、あるいは専門調査会からそれを付言していただく形をとることもあるかと思います。そこから先は消費者庁において、私どもの意見を踏まえて、認可するかどうかということを責任を持って判断していただくことになるのだろうと思います。

(事務局) どうぞ。

(問) 1点だけ。

同様にもめた案件として、確か、これは消費者委員会としては適切としたと思うのですけれども、以前、特保コーラ、結構前の話になりますが、これは委員長がまだいらっしゃっていないかわからないのですが、そのときはかなり議論が、議事録とかを拝見すると、いろいろ意見はありつつ、結果は適切だったか、是とした。それで、今回も基本的には体への影響から似たようなものかなと思うのですけれども、消費者委員会の判断を分けたのはどこだったのでしょうか。

(答) 前に、このノンアルコール飲料に関して話したときに、コーラとの違いはどこにあるのですかという同じ質問を受けまして、ぎりぎりのところだったものを、今回は一線を超えたのだという言い方をしました。つまり、これはやはりアルコール飲料に限りなく近いわけですね。ですから、一般のジュースや飲料水とは性格が違うので、むしろそういうアルコールの入り口になりかねないようなものを特保として国が推奨するのはいかがなものか。これは一線を超えてしまったのではないですかという説明をしました。

しかし、その辺の違いは非常に微妙なところで、おみそとか醤油など、いろいろ議論がありました。ですから、いろいろなものについて限界線上のものはあるのですけれども、本当にそれをとれば人々の食生活が改善されて、そして、体にとってもいいものかどうかという判断は、かなり人によって違ってくる可能性はあると思います。

(事務局) では、どうぞ。

(問) 仮になのですが「食生活の改善が図られ、健康の維持・増進に寄与する事が期待できるものであること」というものが諮問の内容であったとして、それに対して答えた。それで『毎日新聞』に阿南前長官のコメントが載っていまして、訴訟で負けると思った。要するに、企業から訴えられたら、これで許可しなかったら訴訟で負けると思ったという発言があるのですが、それはこの条文に照らしてそういうことを言っているのではないかと私は受けとめていたのですが、法律の専門家である委員長から見て、その答申内容は、これは訴えられたら負けるような内容なのですか。

(答) これは、阿南長官の記者会見でも触れられていると思いますけれども、公正とか公平ということを気にされているわけです。これまでのいろいろな許可してきたものと比べたときに、今回のノンアルコール飲料が果たしてだめだということに整合性がとれているか。それとも、客観的なエビデンスから見て、それはパスしているのであれば、公平という観点から言えば、その部分についてはやはり認めざるを得ないのではないか。そういう気持ちが消費者庁にはあったのだろうと思います。

(答・事務局) すみません。今のは阿南長官ですか。板東長官ですか。

(答) 板東長官です。

それで、阿南長官が負けると思ったというのは私は知りませんでしたけれども、負けるか、勝つかは裁判所に行ってみないとわからない。むしろ健康増進法の、法の精神に照らして、それを拒否したこと、あるいは認めたことが正しいかどうかについて司法の場で堂々と議論しても構わないと思うのです。ですから、その意味では、どちらに転ぶにしても、司法の判断というものは別個にあり得ると思います。

(問) やはり消費者委員会の存在価値が、今、問われていると思っていまして、もしそういうものでここも外すのであれば、もう諮問する必要はない。諮問する必要があるのかということにもなってくる問題ではないのかと思うのです。

(答) それはまた考えていかないといけない問題であると思います。消費者庁の存在価値にも関わります。今後、消費者庁での諮問内容の範囲についての御説明も聞きながら、本来、特保制度において消費者委員会が果たすべき役割から考えて、本当にどこまでのことをやるべきなのか考えていこうと思います。特保制度とか機能性表示食品とか、いろいろなものが出てきました。今回の問題を機に、特保制度の中で消費者委員会が果たすべき役割を、委員会としてもう一度きちんと深掘りしてみようと考えております。

(事務局) 次の質問はよろしいですか。

特になければこれで終わりにしますが、よろしいでしょうか。

(河上委員長) よろしいですか。

どうも、遅くまで御苦労さまでした。

(以上)

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