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電気通信事業者の販売勧誘方法の改善に関する提言

2012年12月11日
消費者委員会

1.問題の実態

 携帯電話、スマートフォン、インターネット、ケーブルテレビ等の電気通信を利用して提供されるサービス(以下「電気通信サービス」という。)は、ここ数年消費者の日常生活に深く関わっており、なくてはならないものとなった。一方、電気通信サービスの契約件数を事業者が激しく競い合うことによって、過熱した販売勧誘活動が見受けられる。販売奨励金制度(インセンティブ)が代理店や営業担当者の過度の実績追及をあおっているという指摘もある。
 国民生活センターに寄せられた最近4年間の関連する相談は別紙のとおりであり、件数も多く、個々の事案も深刻で悪質なものが少なくない。今後、消費者が契約内容を十分理解したうえで合理的利用料金により安心して電気通信サービスを使えるようにするためには、事業者や事業者団体の自助努力が緊急に求められる。また、それにとどまらず、これを指導監督する立場の総務省や消費者政策の司令塔たるべき消費者庁の積極的対応が求められるところである。
 販売勧誘方法の問題は以下のとおりである。
 第1に、契約締結時の問題である。
 重要事実を告げない、誤解をもたらしやすい説明をする、契約をとりつける目的を隠して勧誘する、高齢者に到底使いこなせない不必要な契約をさせる等の問題行動が認められる。そもそも、消費者、特に高齢者には理解しにくいこの種のサービス契約を電話による対話のみで契約成立とする扱いも指摘されており問題がある。また、突然の電話や個別訪問による勧誘行為を契機として、消費者が十分に契約内容を理解しないまま契約に至っているため、後にトラブルになることが少なくない。
 第2に、契約後の対応の問題である。
 事業者の契約機器の不具合・利用不能状態に対する対処や意図していた内容と違う契約であったときの対応が不十分である、契約取消や解除を容易に認めない、解約の際に事前に十分な説明がされていなかった高額な違約金を請求する等の問題行動が認められる。携帯電話やスマートフォン等については、通話・通信サービスに関する契約と機器に関する割賦販売契約とがセットで締結されることも多く、契約内容が複雑・多様化しており、解約時の費用負担等についても十分な理解が得られているとは言い難い。例えば2年契約で自動更新されるサービスにおいて、2年経過後、事業者が定めた期間(例えば1か月間)内に更新拒絶の意思表示をしない場合、その後も違約金が発生する料金体系があるが、当該違約金等が生じる期間について消費者の認識が必ずしも十分でないとする声が多い。

2.とられるべき対策

 総務省は、平成23年12月に「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」による「電気通信サービス利用者の利益の確保・向上に関する提言」を公表した。これを受けて社団法人電気通信事業者協会を始めとする通信4団体によって構成される電気通信サービス向上推進協議会は、本年4月16日「勧誘・契約解除に関する自主基準の策定など、電気通信サービスの向上に向けた取り組みについて」と称する文書を公表し、その中で新たに勧誘及び契約解除を盛りこんだ「電気通信事業者の営業活動に関する自主基準(以下「自主基準」という。)」を策定・公表してその徹底を図るとした。
 しかし、前述したような消費者問題の多くは、中小代理店等によって惹起されており、また、大手事業者間相互のシェア競争も激しい実情にかんがみると、自主基準による改善がどこまで徹底され、効果を発揮するかについては、今後注視していく必要がある。
 しかも、上記自主基準では、第8条で申込みの撤回を「受け付けるものとする」としており、同条第2項でインターネット接続サービス等の回線敷設工事前に契約の解除を含む申込みの撤回等の申出を受けた場合は、料金の支払いを求めないものとしているが、前述のように電話による口頭でのやりとりのみで、契約そのものやそれがどの時点で成立したかについて消費者が認識できていない場合もあり、また、回線敷設工事までの期間も地域や時期等によってまちまちであることから、これによって十分に消費者に再検討の機会が確保されているといえるかは疑問がある。
 さらに、前述したように携帯電話やスマートフォン等においては、契約内容が複雑・多様化している。2年契約かつ自動更新の契約形態における違約金の問題については、事前に契約段階で十分に説明を尽くすとともに、更新月の到来に先立っては、多様な手段により契約者への再確認を行うことが望ましいことはもちろんのこと、依然として自動更新されることについて消費者の理解が十分浸透されない状況が続く場合には、消費者保護の観点からも長期間にわたって契約関係を継続させるこのような契約形態の妥当性についても、再検討されるべきであると考える。
 そもそも、電気通信事業者の役務提供契約については特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)により、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)の適用除外とされているが、それは、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)による消費者保護の施策が十分に実施されているという前提があって適用除外とされたものである。しかし、前述した実情や自主基準の問題を踏まえると、総務省と消費者庁は次の対策を早急に講ずる必要がある。

 総務省は、代理店を含む電気通信事業者による自主基準等の遵守の徹底を図るとともに、前述のクーリング・オフや自動更新の問題についても改善を促すこと。また、その改善状況の検証を行い、平成25年3月末時点での状況について、データを含む詳細がとりまとまり次第、速やかに当委員会へ報告すること。
 同検証において、相談件数が明確な減少傾向になる等の一定の改善が見られない場合には、総務省及び消費者庁は協議を行ったうえで、以下の(1)又は(2)いずれかにより、消費者が契約内容を十分理解して利用できる環境の実現を図るための法的措置を講じることを含め、必要な措置を検討し確実に実施すること。

(1)電気通信事業法及び電気通信事業法施行令(昭和60年政令第75号)等を改正し、訪問販売、電話勧誘販売、通信販売において特定商取引法と同レベルの消費者保護規定を導入するとともに、店舗販売の場面においても契約者の年齢や知識を踏まえた説明を行うべきこと等の消費者保護に配慮した規定を設けることを含め、必要な措置を検討し確実に実施する。

(2)電気通信事業者の役務提供契約について、特定商取引法の適用除外を廃止するとともに、店舗販売においても(1)同様の消費者保護に配慮した規定を設けるべく電気通信事業法等を改正することを含め、必要な措置を検討し確実に実施する。

以上



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