「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」中間取りまとめ(座長試案)についての意見

2011年12月2日
消費者委員会

 独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)の在り方の見直しについては、本年10月に「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」(以下「検証会議」という。)が設置され、これまで6回の議論を重ね、今般、第6回検証会議(平成23年11月30日)において「「国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議」中間取りまとめ(座長試案)」(以下「中間取りまとめ(座長試案)」という。)が示されたところである。

 当委員会は、検証会議が、10月に試行を開始して以降、熱心な議論を重ねたことを評価するものであるが、一方、上記の中間取りまとめ(座長試案)の内容について、留意すべき点があるため、下記の通り意見を述べる。

 なお、国民生活センターの在り方については、当委員会としては、これまで、「消費者行政体制の一層の強化について-『国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース』中間整理についての意見-」(平成23年6月10日)において、国民生活センターの消費者庁への一元化には、懸念される点が少なからずあり、これらについて更に慎重に検討を深める必要がある旨を述べ、また、「『国民生活センターの在り方の見直し』に関する検討についての意見」(平成23年7月15日)において、本件については、有識者等による「検討会」を設置し、消費者行政体制を更に強化していく上でどのような体制整備が必要か、など、幅広い視点からの検討に取り組むべきである旨の意見を述べてきたところであるが、本件の検討にあたっては、本意見のほか、これらの意見の趣旨も踏まえて検討されることを強く希望するものである。



 中間取りまとめ(座長試案)では、国民生活センターの基本的な在り方に関する選択肢として、新たな法人制度への移行、国への移行、いわゆる「政府から独立した法人」の3つの選択肢を掲げた上で、結論としては、国へ移行することが適当とされている。

 当委員会としては、国民生活センターの組織面の位置付けについて、何れの選択肢が適切か、あるいは、他の選択肢がないのか等、さらに検討を深める余地があると考えるが、どのような組織形態をとることになるにせよ、国民生活センターの機能が十分に発揮されるという観点を重視すべきであり、以下の点に特に留意して、これを制度的に担保する方策を検討することが必要である。

  1.  消費者庁、消費者委員会及び国民生活センターという現行の3つの機関がいわば三極を形成して各々の役割を遂行し、互いに良い意味で緊張関係を維持しつつ、適切な連携を図ることが重要であること

  2.  消費者の立場に立って、柔軟かつ機動的な業務運営を行う国民生活センターの特性が損なわれないようにすること

  3.  国民生活センターの各機能の相互補完性・一体性が確保されるようにすること

  4.  国民生活センターと地方の消費者行政の現場との密接な結び付きが弱まらないようにすること

    以上