消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会 議事録

日時

2015年2月10日(火)13:00~16:01

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、齋藤委員、橋本委員、唯根委員
【説明者】
消費者関連専門家会議
佐分 正弘 理事長
長谷川 公彦 専務理事
全国消費者行政ウォッチねっと
拝師 徳彦 事務局長
全国消費者団体連絡会
河野 康子 代表理事
山根 香織 代表理事
全国消費生活相談員協会
吉川 萬里子 理事長
阿部 一恵 理事
日本経済団体連合会
斎藤仁 政治社会本部長
日本産業協会
高尾 孝信 専務理事
川口 真理 総務課長
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
大石 美奈子 理事・環境委員長
日本ヒーブ協議会
上田稚子 代表理事
宮木 由貴子 副代表理事
日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会
野々山 宏 委員長
中村 雅人 副委員長
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

  • ※消費者庁消費者政策『消費者基本計画等』別ウインドウで開きますへのリンクとなります。新しいウィンドウで開きます。
    【参考資料1】 消費者基本計画(素案)
    【参考資料2】 消費者基本計画工程表(素案)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきます。

本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会」を開催いたします。

また、本日は、所用によりまして、阿久澤委員、岩田委員、高橋委員、夏目委員及び山本委員が御欠席となっております。

まず初めに、配布資料の確認につきまして、事務局からお願いたします。

○大貫参事官 議事次第の裏側を見ていただきますと、配布資料一覧がございます。資料1から資料8が各団体の提出資料、参考資料1が消費者基本計画の素案、参考資料2が工程表になっております。もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いいたします。

≪2.消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体との意見交換について≫

○河上委員長 それでは、議事に入らせていただきます。

消費者委員会では、今後の運営・改善等の参考にするために、消費者団体ほか関係諸団体から御意見を伺うとともに、委員との間で意見交換会をことしも開催していきたいと考えております。

「さん」でお呼びして失礼ですけれども、本日は敬称を略させていただきます。まず、消費者関連専門家会議から佐分さん、長谷川さん。

それから、全国消費者行政ウォッチねっとから拝師さん。

さらに、全国消費者団体連絡会から河野さん、山根さん。

全国消費生活相談員協会から吉川さん、阿部さん。

日本経済団体連合会から斎藤さん。

日本産業協会から高尾さん、川口さん。

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会から大石さん。

日本ヒーブ協議会から上田さん、宮木さん。

日本弁護士連合会から野々山さん、中村さんにおいでいただいております。

皆様方におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

たくさんの方々から御意見を頂戴するということで、ちょっとタイトなスケジュールで申しわけございませんが、まず皆様から新たな消費者基本計画案への御意見、御要望についてを中心に各10分程度お伺いして、その後、委員との間で意見交換をさせていただきたいと考えております。

初めに、日本経済団体連合会より御説明をお願いいたします。日本経済団体連合会におかれましては、所用により14時までに退席されると伺っておりますので、ちょっと変則的ではありますが、御説明の後、委員との意見交換を10分程度行わせていただきますので、その点、御了承いただきたいと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 経団連の斎藤でございます。御無理申し上げまして順番を変えていただきまして、感謝申し上げます。

初めに、資料1に我々の今、関心を持っている点を少しまとめてみました。現在は、パブコメに対する意見の募集中ということで、具体的な組織としての文言までは固まっておりませんけれども、どういうところに関心を持っているかということを中心に御説明させていただきます。

今回の新たな消費者基本計画でございますが、現行の計画に比べてはるかにわかりやすくなったのではないかというのが全体の評価でございます。

今の計画というのは、どちらかというと、消費者庁、消費者委員会設置法の中に、当時、宿題とされた事項が幾つかあって、何年以内にこういうことをやりましょうという附則あるいは附帯決議がなされていたものを、順を追って計画にして落とし込んだという色彩が非常に強く、消費者行政全般として何を目指すのかとか、あるいはそのときにどういうことに配慮すべきかといった視点が必ずしも十分ではなかったと考えております。

この点、今回の計画は、目指すべき姿あるいは現行の社会情勢の変化、さらに考慮すべき点を書いた上で、安全、取引、消費者教育等の課題ごとにまとめてあります。また、工程表をつくって、どこまでKPIと言えるかは別でございますけれども、政策の達成状況等を測るインジケーターを用いられている点については、非常に良くなったのではないかというのが全般的な意見でございます。

その中で、若干気になる点がございます。

まず、(1)で、第3章の2、本文9ページでございますけれども、消費者政策を推進する上で考慮すべき視点ということで、府省庁等横断的な施策の一体的推進と行政・消費者・事業者の連携との記載があります。行政・消費者・事業者の連携ということを書いていただいたことは非常にありがたく思っておるのですが、よく読んでみますと、行政と事業者、行政と消費者、事業者と消費者と3つ書いてあり、その下の例もそのような関係を前提としています。

消費者団体のほうでも、普段から、消費者教育等について、行政・事業者と一緒になって取り組んでいくと考えていると思います。三者一体と言うのでしょうか、行政・消費者・事業者が一体となって共通の目標に向かって取り組むという視点が、連携において大事であるというところをぜひ強調していただきたいというのが大きなところでございます。

また、行政と事業者、行政と消費者の関係が、法案を周知するとか、こう言っては失礼ですけれども、上意下達というか、行政がやっていることを伝えて一緒にやりなさいという視点で書かれているように読めます。むしろ行政の行う政策の中に事業者あるいは消費者の意見なり声を反映して、より良くしていくという双方向のコミュニケーションが、連携の本来あるべき姿ではないかと考えますので、その辺の工夫をぜひ書いていただきたいというのが、考慮すべき点の中で気になった点でございます。

続きまして、(2)に移りまして、個別の法律の話に入りますけれども、4章の2、15ページでございます。景表法については、いろいろな経緯があり、法律も通りまして、これから課徴金の制度の施行という段階に入ったところでありまして、我々事業者としても、景表法が厳格に運用され、執行されるということについては反対するつもりはございません。ただ、その審議の過程でも申し上げてまいりましたが、景表法というのは、具体的なガイドラインがないと、何が違反なのかがよくわからないという特徴があります。故意ではなく、知らないうちに景表法違反となるような事例があっては、事業者としてもやり切れない思いが強いと考えております。

食品のメニューについては、かなり細かいガイドラインが出ていますけれども、景表法というのは一般的な表示の問題でございますので、具体的なガイドラインを早急に整理して、それを周知し、事業者がちゃんとコンプライアンスを果たせるようにした上で厳格な執行をしていただくというのが順番ではないかと思っております。したがいまして、KPIの中には、確かにガイドラインを含む景表法に係る制度の周知の状況と書いてありますが、ぜひ本文の中にもガイドラインをちゃんと整備するという文言を入れていただきたいというのが第2点でございます。

(3)以下はそれぞれ関連いたしますが、適正な取引の実現の中で、商品・サービス横断的な法令の厳正な執行、見直しという18ページ以下の話でございます。この中で、消費者委員会とも関係しますけれども、消費者契約法並びに特商法の改正の件が触れられております。工程表の29ページを見ますと、ここだけ矢印が重なった、いつというのがよくわからないような線になっています。

聞くところによると、消費者委員会の専門委員会等で、今の消費者委員会の任期中に何らかの結論を出すような検討が行われているということですけれども、消費者契約法あるいは特商法というのは非常に重要で、関心の高い法律でございますし、事業者のみならず消費者にとっても非常に関心のある法律だと思っております。今、まさに民法の大改正が行われ、それを法案にかけるというさなかに、民法の特則の法律について民法改正の結果を待たずに、あと数カ月で結論を出すということが仮に行われるとしたら、こういう言い方をしては失礼ですけれども、かなり拙速ではないかと思われます。

したがって、特商法あるいは消費者契約法の見直しに当たっては、十分な時間をもって、関係者から十分に意見を酌み取って、それが実際に法律を施行したときに実効が上がるような形をぜひ整えていただきたいということでございます。仮に消費者委員会の任期がこの8月末で切れても、それはそれで手当ての仕方はあるのではないかと思います。

例えば今の消費者委員会だと、本委員会が変わると専門調査会も全部一旦チャラにしてという体制ですけれども、それを全部再任するとか、組織として継続するとか、こういう重要な見直しが委員会の任期をまたいで行われるような形になっておりますので、ぜひいい前例をつくっていただきたいと思います。これは基本計画の見直しというよりは、消費者委員会の先生方にお願いしたいということで申し上げました。

それから、(4)の現行法令の周知徹底ということで、何か被害があると法律を改正しなきゃいけないということが行われている嫌いがございますけれども、法改正ではなく、むしろ今の法律を周知徹底することによって、改善できる点もあると思います。法律の改正のみならず、現行法が何で周知されないのかという点も含めて、まずそこから始めて、それで足りないときは見直すという順番をプロセスの中に明らかにしていただいたほうがいいのではないかと思っております。

それから、(5)ですが、19ページの頭に、このほか、民法、商法等の基本法制の見直しにおいても消費者の利益の擁護・増進を図る観点を含めて見直しの検討を行うと書いてございます。まさに民法は百十年ぶりでの大改正が今、ようやくまとまりつつあるという中で、今後5年間の消費者基本計画の期間中にそれをまた見直すのかと、これだけ読みますと読みかねないので、あえて新たな基本計画の中で民法とか商法の見直しに触れる必要はないのではないかというのが5番目でございます。

それから、(6)に移りまして、その下にKPIをいろいろ書いておりますけれども、例えば19ページの特商法、消費者契約法等に関する消費者トラブル・消費相談の件数・内容というKPIがございますが、これらの数字が増えたほうがいいのか、減ったほうがいいのかというのは随分違うのですね。

施策がどの程度できているかというのがKPIですので、例えば消費者相談員を充実します、あるいは相談時間を長くします、あるいは消費者相談の電話番号が今度3桁になるそうですけれども、そういった改善を行うという中で、KPIとして消費者相談の件数と書けば、それがちゃんと使われているかは分かるのですが、ただ特商法の相談件数がふえるから事故が多くなっているのか、あるいは減ったからいいのか。この項目で消費者トラブル・消費生活相談の件数をKPIと言われると全然わからないのです。

ですので、KPIということで、それを全部載せるというのが果たして適当かというところは、今、特商法を例にとりましたけれども、ほかにも散見されます。相談件数というところは、むしろそういう窓口の充実といった施策の一環としてのKPIということで位置づけるのがいいのではないかと思っております。

最後に、商品・サービスの特性に応じた取引ルールの整備についてということで、19ページにございますけれども、特性に応じた取引ルールの整備が必要だということはわかります。またそれぞれ、さまざまな業法によって担保されているということで、例えばということで、電気通信サービス、有料放送サービス云々と書いてございます。

これも、特性に応じた取引の整備ということで、今、業法がどういう状況にあるのか、あるいはそのはざまがあるのか、そのときにどういう対応が必要なのかというのを十分慎重に検討した上で、新たな法整備が必要かというのを考えなければいけないのではないかということであり、どんどん法律をつくってしまうということではないのではないかと思います。

また、消費者安全法という法律はすき間事案をカバーするという趣旨でできた法律ですので、そういった法律をどう活用するか。さらに、また、二重行政を避けるためにも、そういった取引のルール整備に当たっては慎重な検討が必要ではないか。今、気がついた点はこんなところです。

済みません、長くなりました。以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 ありがとうございました。

基本計画が5年計画で新しくなるのですが、基本法が改正されまして白書も出すようになっておりまして、平成25年版から白書が出て、何を実施してきたというので非常にわかりやすくなったと思います。26年版の消費者白書を見ますと、消費者被害とかトラブルに関する商品・サービスの支出総額を、GDP比との関係では1.2%で約6兆円と推計しています。イギリスの場合、単純比較はできないという断り書きですけれども、GDP比で0.2%であるということが挙げられております。

そうすると、イギリス並みだと6分の1ですから1兆円。5兆円分が健全な消費に回るという関係になると思うのですけれども、その辺の全体的なトラブルをどういうぐあいに見ておられますか。経済界にとっても、5兆円分が健全な消費に回るというのは、健全にやっているところにしてみると大いにいいことではないかと思うのですけれども、その全体的な兼ね合いですね。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 詳しいデータを分析したわけではありませんが、基本的な考え方として、よく悪徳事業者と善良な事業者と言いますが、悪徳事業者というのを我々は事業者とは思っておりません。そういう方を市場から排除していくことが健全な事業者と消費者の関係をつくることだと思っておりまして、先生おっしゃられたような、それだけのお金がロスされていることをなくすためにも、そこはしっかりと取り締まって排除することが重要だと思っております。

私が申し上げましたKPIというのは、どっちに行ったらいいかというのは、それを見ただけではわからないので、それを白書に書かれているような形でちゃんと分析して、こういう施策をとった、あるいはこういう要因があるからふえているとか減っているというのをちゃんと示さないと、ただ数字が上がればいい、下がればいいという議論に陥りがちになるのではないかと思います。

KPIとは、キー・パフォーマンス・インジケーターであり、インジケーターさえ見ればパフォーマンスがわかるというのがKPIです。示された数字について、単なる参考指標として件数を見るという見方をされるならわかるでしょうけれども、KPIと言ってしまいますとひとり歩きするというのが非常に危惧するところでございますので、そういった趣旨で申し上げました。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。では、レディーファーストでお願いします。

○橋本委員 御意見、ありがとうございます。

一番最初に出てきたところで、行政・消費者・事業者の連携について、双方向的な意見の取り込みとか、そういうことも非常に大事なことだなと私も思います。その中で、この章の中では、消費者庁の消費者行政の司令塔、エンジン役としての役割を果たしとなっているのですけれども、それについて、今後、この消費者庁に司令塔、エンジン役として、どのような役割というものを担ってほしいと思っていらっしゃるのか、または今までのあり方について、何か御意見がありましたらお聞かせいただけますでしょうか。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 経団連のほうで、これまで基本的な考え方をお示ししているところでございますけれども、消費者行政の目的というのは、もちろん消費者の権利の擁護というのは非常に重要ですが、それと同時に産業の発展とのバランス、両立するような施策を考えるというのが非常に重要な視点になってくると思います。消費者庁が司令塔になるということは、双方のバランスをうまくとって行政を進めるという調整役というのが結構大きいのではないかと思っております。

別に、今、三百数十人の体制を1,000人、2,000人にする、あるいは地方に消費者庁の出先をつくればよくなるということではなく、むしろ消費者と産業の両立というマインドを各省庁に植えつけていただいて、例えば産業中心とか金融中心の官庁にもバランスのとれた施策を取るよう、消費者庁から司令するというのが、司令塔としての役割だと思っております。産業の振興と消費者利益の擁護というのは両立し得るものでありますし、そうしなければ健全な国民生活の発展はないというのが我々の立場でございます。

○河上委員長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 1つは意見で、2つ質問します。

まず意見のほうです。先ほどの法令の見直しのプロセスについてというお話は、委員、専門委員会委員と検討テーマが全部連動し、2年たったら全部、御破算に願いましてはということでは、長いテーマが進まないのではないかという考え方だろうと思います。私もそう思うところがあります。2年、3年かけて企画し、それからフォローしていくようなテーマがこれではなくなると思っているところです。どうしたらいいのかという代案は持ち合わせていません。参議院のように半分ずつ交代するとか、いろいろやり方があるかもしれません。その辺も全部引っくるめて考えなければならないと私は思っています。

それから、2つ質問があります。

1つは、目標数値を示すというところです。数字がふえても必ずしもいいとは限らないということは確かにあると思います。私の知る範囲では、企業内のコンプライアンスの徹底をしようということで内部通報制度を徹底する。徹底すればするほど報告件数がふえてきます。従来把握できてなかったものを把握できるからいいのだと前向きに捉える向きもあるのですが、その辺をどのように考えているかということが1つ。

それから、もう一つはこの中にあらわれていないのですけれども、私は去年、基本計画をつくるときに消費者庁の方にこの場で質問したのです。消費者基本法第7条第2項に消費者の努力義務的な書き方なのですけれども、環境に配慮し、それから、知的財産に配慮するという規定があります。環境については、特に前回はたくさん書いていました。今回は前回よりも減ったと思うのですけれども、それでもかなり書いている。ところが、知的財産に関しては、検索しても見つからないのです。前回はありませんでした。

では、それでいいのかということですが、模倣品被害がたくさん出ていることははっきりしている。消費者庁でも越境トラブルに関して支援体制をつくっているのですが、その中の半分に迫るのが模倣品被害です。ところが、内閣府の一般へのアンケート調査を見ると、国民の半分ぐらいが模倣品でもしかたないと思っている。質問の細かい内容はちょっと忘れましたけれども、値段が安ければそれでいいじゃないかというトーンの回答が半分近くある。国民の間にそういうトーンがある以上は、私は、模倣品はなくならないと思う。むしろ、受け入れているのです。そういうマーケットがあると、必ず外国からも入ってきます。

これを本当に排除しようとすると、権利者が権利を振りかざして排除するだけではだめで、みんなでそういうマーケットを育てているのだから、何とかきれいにしていこうという機運になるのが一番いい。車の両輪のような形で事業者と消費者がペアになって進めていけば、長期間かけるとクリーンなマーケットになっていくのではないか。それがまた産業の発展に貢献するようになり、真っ当にやっている事業者の努力が報われることになると思っているのですけれども、今回の案の中に見出せなくて残念なのです。これについてはどのようにお考えかという、2つの質問をいたします。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 初めの御意見について、我々もこの消費者委員会が審議会機能を持っているわけでございますので、それを継続的に果たすというのも非常に重要だと思っております。ぜひ先生方のほうでいいアイデアなりいい結論を出していただければというのが、先生の御意見に対する答えでございます。

それから、消費者教育、環境教育等で、今回、この前の名古屋のESDの会合を踏まえて、消費者市民の中にESDが大事だ、エシカルコンサンプションが大事だというのを書き込んでいただいていることについては、非常に評価しております。消費者教育については、かねてより消費者団体とも連携いたしまして、消費者庁、文科省と一緒になりまして消費者教育フェスタとか地方消費者フォーラム等の場でさまざまな形で取り組みを進めているところでございます。

知財の問題も、にせものでもいいから、ブランド品らしいものが欲しいという人がいると、おっしゃるとおり、知財を保護するという文化そのものが失われてしまうということもございます。まさにそうした問題は、消費者教育の現場で事業者・消費者が一体となって取り組むべき課題であると考えております。我々、パブリックコメント等をまだ出しておりませんが、今、いただいた意見も踏まえて関係者からも意見を聞き、意見提出をしたいと思っております。

どうもありがとうございました。

○河上委員長 大体予定していた時間になっておりますけれども、1つこちらから申し上げると、消契法、特商法の見直しの問題ですけれども、専門調査会でもちろん審議していきますが、何が何でもここで決め打ちをしてというつもりでは全くございませんので、そこは慎重に審議していくつもりであります。

それから、消費者委員会の任期が途中で切れることにはなるわけですが、次期の消費者委員会の活動をあらかじめ拘束するようなことは、我々としてもやりたくないという気持ちはございます。ただ、重要な案件についてはしっかりと引き継ぎをやって、そしてフォローアップしていただくことにもなりますので、そこの継続性というのはできるだけ維持できるように、組織的にも努めたいと思います。

どうもありがとうございました。

斎藤部長におかれましては、本日はお忙しい中を参加いただきまして、ありがとうございました。議事の途中でも、お時間を見計らって御退席いただいて結構でございます。

では、引き続きまして、消費者関連専門家会議から説明をお願いいたします。なお、説明は10分程度でお願いいたします。

○消費者関連専門家会議佐分理事長 ACAPの佐分でございます。ACAPは公益法人になって3年目で、現在、公益的活動に力を入れながら進めております。特に今回の基本計画の中にもあります企業の消費者志向経営、それと消費者教育推進の支援といったところに力を入れて活動しています。

今回の基本計画につきましては大筋賛成でございますけれども、一部、意見として述べたいところもありますので、専務理事の長谷川より説明させてもらいます。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 それでは、説明いたします。

現在、ACAPの中でパブコメの検討中でございまして、まだ途中という状況ですが、かなり明らかになった部分もありますので、それを中心に報告させていただきたいと思います。

総論としまして、当会の基本的な見方としまして、この5年間の消費者行政については、推進役としての消費者庁、さらには監視役としての消費者委員会という両機能の役割がかなり発揮されて着実に進んできているという評価をしております。

次期の計画においてこれまでの取り組みを継承しつつ、消費社会の変化は激しいですから、そういう変化をきちんとキャッチアップして、当初の目標であります安全・安心、健全な消費社会に近づけることを目指して、各主体が連携し、協力していくべきと考えております。そういう視点で本計画を拝見しました。幾つか意見を述べさせていただきます。

1点目は、景品表示法の普及啓発、運用の点です。課徴金という言葉が出ておりますが、この課徴金の検討については、当初の案よりはかなり事業者の実情を考慮した内容になったと思います。これは、経団連はじめいろいろな方面からの意見具申を反映された結果と思います。ただ、このような法が発令・施行されるにおいては、十分な理解、そしてフォローがありませんと、特に課徴金という制裁的なイメージの強い、象徴的な言葉のみが意識されがちですので、誠実で善良な事業者が過度に萎縮したり、あるいは事業が停滞することも考えられます。そのようなことにならないように広報活動をしっかりお願いしたいと思います。

特に、この種の法令の情報が届きにくい中小の事業者の方への配慮をお願いしたい。また、法令というのは事業者から見ますとなかなか理解しにくいものですので、具体的な内容説明とかガイドラインというものを工夫していただき、わかりやすいスタイルでの周知徹底をお願いしたいと思います。

2点目は、食品表示に関する件です。これも食品表示法が成立しましたが、現在、何点か継続協議のところがあります。消費者が正確な商品情報を得て、それによって適切な商品選択ができるということは、極めて大切なことでありますので、事業者としても、しっかりと対応することは必要です。ただ、これを実際に行うに当たりましては、いろいろな角度での検討が必要だと思っています。例えば消費者にとって本当に必要な情報とはどういう情報で、どの範囲までの表示が必要なのかということですとか、あるいはそういう情報をわかりやすく表示に反映するにはどうするべきかということ等、いろいろな観点から考慮がなされるべきと思います。

さらに、これを行うに当たって、事業者のコスト増の問題だけではなく、表示の内容が社会的コストとの関連でどう影響するかということ、難しい問題ではありますけれども、確かにいろいろな局面でコストが発生してくるということを消費社会全体の中でどのように捉えるべきかということも、あわせて論議されるべきと思います。

その意味で、検討会の中には、事業活動・事業内容を理解している方の参加をぜひ求めたい。これは、事業者代表ということよりは、そういう属性の方が参加したことによって企業等への法主旨の周知徹底や、法が施行される場合においても非常に有用な機能を担うということも考えられます。そのあたりを斟酌いただきたいと思います。

また、消費者の方の情報理解力といいますか、表示から内容を読み取る能力も求められると思います。御高齢の方はじめいろいろな方がおられますので、そういう方々に向けた施策を、事業者もやらなければいけませんが、各主体が協力して取り組む必要があると申し上げたいと思います。

3点目は、消費者教育です。消費者教育推進法の施行以降、実施に向けた仕組みという意味では進展してきていると評価しています。ただ、これからが本格的な実行段階という意味では、本丸としての学校における教育を更に踏み込んで検討するべきであると思っております。消費者庁と文科省が連携して、人格形成期における消費者といいますか、児童・生徒の育成について、しっかりした考え方で取り組むことをぜひ進めていただきたいと思います。

また、各地域に推進機構を設置することになっていますけれども、まだ十分にその設置が進んでいないところもあるようですので、フォローをお願いしたいと思います。この教育の推進においてはこれまで随分論議がされており、消費者団体、事業者団体、NPOを含めて、いろいろな主体の資源を持ち寄って効果的な実施をするのが必要とされています。そのためにも、連携のためのコーディネート機能強化の具体的な施策検討も、次の期間中にお願いしたいと思います。

さらに、消費者教育上の大きな意味での概念は明確ですが、実務的といいますか、実際面での教育、例えば商品・サービスの表示をどう読み取ることかとか、安全性についての基本知識なども、教育の中でしっかり培っていただくことが必要であり、非常に有効と思います。

4番目に、先ほどもテーマになりました消費者団体、事業者・事業者団体による自主的な取組の支援というところですが、ここは2点ほど。

1つは、基本計画の中に消費者団体・事業者団体の記述が行われることは評価し歓迎しますが、消費者団体と事業者団体とはミッションも役割も違いますので、基本計画の中では、それぞれの担うべき役割あるいは責任についてもっと明確に打ち出していいのではないかと考えます。

2つめは、消費者志向経営という言葉についてです。この消費者志向経営は、ACAPが会員企業に求めていきたいと取り組んでいるところのものです。ただ、計画中のこの消費者志向経営という言葉の使い方がやや的確ではないと感じておりますので、消費者庁へのパブコメの中で検討を要請したいと思います。この消費者志向という言葉はベーシックな価値概念と考えており、コンプライアンスとか公益通報等の具体的な施策と並列的に論ずるというよりは、その土台となる概念として取り上げていただくことが適切と思っています。

5番目としまして、消費者政策の透明性の確保のところです。いろいろな検討の場において消費者の代表ということで委員が入っていただくことは大切ですし、否定するものではありません。ただ、消費者政策というのは、消費社会を構成する各主体のいろいろな状況がしっかりと論議され反映されなければならないと思います。その意味では、消費者とはどういう属性の代表なのかということを明らかにしつつ、多様なステークホルダーからの参加を検討されるのがよろしいのではないかと思います。

6番目です。各論になりますが、先ほどお話のありましたESD関連で環境の保全に配慮した教育というのがありましたが、別の章では環境保全に配慮した行動として再度表記されています。本計画の中で別章での2カ所にESDが登場していますが、環境教育も消費者教育の重要な一環ということであれば、ESDの取り上げ方、記載についてもう少し整理して調整いただくことが必要ではないかと思います。

7番目は、被害救済、苦情処理及び紛争解決であります。集団的消費者被害の回復のための消費者裁判手続の特例法が成立していまして、消費者の代表となる適格消費者団体及び特定適格消費者団体の役割がうたわれています。これは非常に重要な役割ですので、ぜひ進めていただきたいのですが、事業者としては、これらの団体についてはしっかりした資質を備え、公正・中立性を担保できる社会的信頼の置ける存在であるべきと考えます。認定における検証あるいは認定後の監督指導をしっかり実行していただきたいと思います。

さらに苦情処理については、紛争になってからよりは、企業における対応も含め紛争になる前のコミュニケーションが極めて重要です。その意味で、今、ACAP会員企業でも、国際規格のISO10002に代表される苦情対応マネジメントの取り組みを活用し、対応のレベルアップを図るべく取り組んでいます。消費者と企業の信頼関係を向上させるためのこのような仕組みの普及についてもぜひ支援いただきたいと思います。

8番目は、消費者行政の体制です。何といいましても、現場といいますか、地方の取り組み、あるいは地方への浸透度が極めて重要だと思っておりますし、施策の実効性はその辺で問われるのではと思います。消費者庁におかれては、地方の各主体の内実まで目を配り、ある意味自らリードしていただくぐらいの積極的な姿勢で臨まれて良いのではないかと思います。

消費生活センターの設置、その中で仕事されている消費生活相談員の方の資質向上、処遇改善といった点にも目配りしていただき、ただお金を出して終わりということではなく、勿論、お金は必要ですが、実際に状況の解決にどう結びついているかということをしっかり見極めるまでお願いしたいと思います。

最後に、計画の効果的な実施ということで、工程表の話になります。先ほど経団連からも話がありましたが、計画そのものはかなりコンパクトに整理され、工程表、KPIという概念を導入したことは評価したいと思います。が、基本計画にないものが工程表に載っているとか、あるいは工程表そのものが細分化された工程ではなくて、のべたんで、ずっと5年間でやります的な形になっています。検討時間不足という状況もあるのかもしれませんが、もう少し丁寧に検討いただいて示していただきたいと思います。

計画への印象というのはそのようなところからも見られます。きちんとすることによって、計画に対する消費者庁の意欲が感じられることにもなりますので、安易に済ませることはしないほうがいいのではと感じています。

最後になりますが、環境変化も激しく、いろいろな新しい問題も起こってきています。この基本計画の中でも柔軟に施策を見直し、あるいは細かく進捗管理をしながら適時・適切に実効性を担保することを期待します。

ACAPの意見は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

引き続きまして、全国消費生活相談員協会から説明をお願いいたします。説明は10分程度でお願いいたします。

○全国消費生活相談員協会吉川理事長 公益社団法人全国消費生活相談員協会の吉川と申します。私どもの協会は、消費生活相談の現場の最前線で相談等を担っているということで、現場ということを基本にして見直してみたいと思いましたが、まだ本協会で十分検討していませんので、感想程度になりますが、報告させていただきます。

まず、第3章の消費者政策を推進する上で考慮すべき視点ということで、省庁等横断的な施策の一体的推進と行政・消費者・事業者の連携に関して、電気通信サービスとか旅行業法あるいは美容医療、商品先物・プロ向けファンド等金融商品など、他省庁と共管している消費者にとって重要なサービスに関して、法律改正等について、消費者庁の動きが残念ながら余り見えてこなかった、今後は司令塔としての役割をもう少し明確に発揮していただきたい。

それから、消費者政策を効果的に推進していくために、事業者・事業者団体・消費者・消費者団体との連携は不可欠であり、定期的な意見交換や必要に応じた説明会などを開催する必要がある。さらに、情報収集のために、行政の窓口の充実や、消費者団体・事業者団体の情報収集機能を支援する必要があると考えております。

第4章の2 表示の充実と信頼の確保。食品表示に関する適正な情報提供及び関係法令の厳正な運用に関して、食品表示法が施行されるに当たって、機能性表示食品については心配しているところです。というのは、臨床試験をした上で届け出をする事業者がどれだけいるのだろうか、多くは他の研究を根拠とするのではないか、その研究が果たして科学的根拠のあるものなのかという確認は、消費者はおよそできません。効能効果だけでなく、安全性の担保、事故情報の取り扱いなど、今後、厳格に監視する必要があります。

消費者庁には、事業者や消費者からの問い合わせ対応、説明会、Q&A作成などの支援、また情報収集窓口の充実が求められます。そして、根拠のある機能を超えた表示等について監視体制を強化し、景品表示法とともに厳格な執行が必要であると考えています。

3 適正な取引の実現ということで、商品・サービスに応じた取引の適正化。電気通信サービスに例をとれば、電気通信事業法の改正が進んでいるが、現状の改正にとどまらず、消費者庁は、消費者トラブルについていち早くキャッチして総務省に迅速に情報提供し、速やかな見直しをすることが必要。色々な動きのスピードがとても速いので、早い措置がとられるようにお願いしたい。

商品先物については、不招請勧誘禁止規定の撤廃を消費者庁が容認したかのように受け取られる最近の動きですが、消費者保護の観点から望ましいことではないと考えています。消費者保護は、最近は経済の活性化とのバランスをとるということをよく言われますが、少なくともバランスをとるには消費者の権利の確立への支援ということをまず主題に置いてほしいということです。

特商法においては、新たな消費者被害に対応した速やかな改正が必要であると同時に、従来からある悪質な勧誘方法については、より厳格な規制をかける必要があると考えています。

詐欺等の犯罪の未然防止、取り締まりについて、何より警察との連携が必要である。各自治体では、それぞれ警察との連携を図っていると思うものの、消費生活相談の現場と直接に情報交換したり、双方がそれぞれの仕事について理解することなど十分な連携が図られているとは考えられない。

例えば、消費生活センターの地図を警察に置いているだけというような地方の現状をよく御理解いただくことと、警察に消費者が相談に行っても、実被害がなければ動けないという対応はわからないわけではないのですが、それについて警察として調べてみるという積極的な姿勢を求めたい。そのためには、双方の役割を認識して、効果的に連携を進めることが求められます。消費者庁は、例えばモデルケースやガイドライン等を作成し、各自治体、警察へ提供したらどうでしょうか。

4 消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成ということで、消費者教育の推進ということで、学校教育において消費者教育の実施が強く求められています。学習指導要領に記載するだけではなく、それが実行されるように、各教育委員会、学校に対して、文科省とともに制度やガイドラインを作成することを求めます。

地域連携については、改正消費者安全法でも示されている地域安全確保協議会の設置などとも有機的に結びつけて、地方が安心・安全を確保できるための体制づくりが必要。そして、体制をつくるということだけに精力が注がれて、その後、その機能を継続して維持するということが、これまでのいろいろな制度づくりを見ていると支援がなかなかないということがあります。地方公共団体の支援が不可欠なので、例えば行政職員の量と質の確保が求められると考えています。

それから、消費者市民社会の実現に向けての取り組みは、消費者の意識改革も必要であり、理念だけではなく実態を踏まえた意識改革を促すことが求められると考えています。

5 消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備ということで、消費生活のグローバル化の進展に対応した消費者利益の擁護・増進。越境取引がますます増加し、トラブルも比例して増加することは確実であろうと考えています。消費者からの相談対応窓口のさらなる充実が必要であり、個別の解決・未然防止のために、海外諸国との実効性のある連携を国として行うように求めます。

6 国や地方の消費者行政の体制整備。消費者ホットラインの3桁化に当たって、これまで以上に周知すること。同時に、受け皿である相談窓口のさらなる充実、レベルアップを図る。地方消費者行政の窓口は、消費者庁の報告では窓口がないのは、沖縄県の4市町村のみという報告がなされていますが、その相談窓口には相談員がいないところが半数近くあるということですので、本当の意味での充実を求めたいと思います。

また、土日祝日の相談窓口開設を各自治体へも促すことが必要ではないかと考えています。このためには、消費者団体による相談窓口等の活用も検討してはどうかと考えています。そのための予算配慮、あるいは手厚い支援も必要ではないかと考えています。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

引き続きまして、全国消費者団体連絡会から御説明をお願いいたします。

○全国消費者団体連絡会河野代表理事 ありがとうございます。本日は、このような形で意見を述べさせていただく機会を頂戴いたしましたこと、まず感謝申し上げます。

全国消団連といたしまして、会員組織の中で、この基本計画に対してしっかりとした意見交換がまだできておりませんので、本日、資料として用意いたしましたのは、昨年12月26日に私どもから消費者委員会も含め、関係各方面に出させていただいた意見書でございます。まず、今回の検討プロセスに関して意見を言わせていただきたいと思います。

この意見書の冒頭でも述べましたとおり、消費者政策というのは私たち消費生活に密接にかかわるものであり、その推進計画を改定するに当たっては、特に消費者の意見を幅広く収集し、反映させていく、その過程こそが重要であると考えております。

消費者基本法に基づく消費者基本計画の改定が初めて消費者庁のもとで行われるということで、現在の消費者基本計画の最初のページに書かれているとおり、消費者が主役となる社会の実現に向けて、これまでの施策や行政のあり方を積極的に見直すという意味で、行政のパラダイムシフトの拠点としての消費者庁並びに消費者委員会という行政機関が、初めてみずから手がける改定において、どのようなプロセスがとられるのか、どのようなプロセスを用意してくださって、より多くの消費者の現状と声をすくい取る形で改定を進めていくのか。消費者団体としては、そこに大いに期待していたところです。

ところが、今回の改定プロセスにおいては、国民や消費者団体からの意見聴取は、先月末ですけれども、素案がパブコメに付されるわずか3週間という短い期間に限られています。たまたま私が先週参加した消費者庁主催の地方消費者グループフォーラム近畿ブロック大会では、200人を超える参加者の中で消費者基本計画の改定に向けてのパブコメが今、行われているということを知っていらっしゃる方はほとんどいませんでした。それは一体何のことでしょうという状況でして、こうした現状は非常に残念に思います。

広く国民に対する素案の公表とパブコメ開始が同時であること、消費者のために今後5年間行われる施策の検討がこのような状況であることに非常に驚いているところです。

全国消団連では、会員団体に対して、これまでも速報で情報提供しておりますが、今回もこの件に関してしっかりと情報提供して、みんなで検討して、みんなで意見を出しましょうと一生懸命呼びかけているところです。先週金曜日の夜には、急な企画でしたけれども、今回出された素案について、消費者庁の担当課に来ていただいて学習会も行ったところでございまして意見提出に関して鋭意努力していきたいと思っております。

示された素案全体に関して、まず総論として2点申し上げたい点がございます。

1つは、今まで意見を述べられた方もおっしゃっていましたが、まず過去2回との違いとして、各施策で工程表を示し、そこにKPIという評価尺度の導入を挙げていらっしゃいまして、KPIをもって客観的な検証・評価・監視につなげるという設計だと思いますが、そもそも論として、各施策において、まず明確な達成目標を掲げた上での尺度を示すべきだと思います。先ほど経団連の方もおっしゃっていましたけれども、到達点が不透明なままでの評価尺度をどう評価するのか、甚だ混乱しております。

また、先ほどACAPの長谷川さんもおっしゃっていましたが、工程表において実施スケジュールが示されている施策がほとんどありません。ただ、5年間でやるということになっていまして、具体的に何をするのか、どこまでで、どういう目標値を持っているのかということが幾ら読んでもわからない施策が多過ぎます。

それで、消費者安全確保、例えば地域協議会の設置に関しては、最後のページのほうに書いてありますけれども、どこが働きかけて、どう形をつくっていくのかという具体策が見えないし、連携していくと書いてあるのですけれども、連携先としてこういうところと連携していきましょうという目標設定も書いてありません。このあたりをもう少し精緻に書き込む必要があると思っていまして、工程表のKPIというのは、到達目標の設定とあわせて、改めて精査されるべきだと考えております。

それから、総論として2点目ですけれども、環境変化のファクターとして、高齢化とか高度情報化とかグローバル化等を掲げ、それぞれの考察に基づいて5年間で取り組むべき施策として、大きく6つのカテゴリーに分けて、今回、素案として提示されています。ただ、6つのカテゴリーに分けられてはいるのですけれども、それぞれ現実の消費生活において、私たちの暮らしにおいて、それがどうつながっているのか包括的なイメージが実はわいてきません。

2月6日の学習会で、地方の消費者団体の方からこんな質問がありました。今、高齢化への対応というのはすごく重要な問題で、地方で取り組む場合でも、高齢化というキーワードは、みんながそこに集中して取り組めるわかりやすい主題だ。さらに消費者安全法の改正等からもわかるとおり、国としても喫緊の課題だと思うのだが、どこに何が書いてあるのかわからない。今回、柱とされている6つのカテゴリーのいろいろなところに高齢化に対する対応が分散して記述があり、高齢化というキーワードへの取り組み全体が見えにくいたてつけになっています。私たち消費者にとってわかりやすい形で柱立てを工夫して、少なくとも私たちが読んでわかりやすい骨組みにしていただきたいと思っています。

最後に全体で言いますと、新たな動きを取り込んだ施策というよりは、現計画の焼き直しと感じられるものもかなり見られまして、その辺に関しましては、消団連、各種専門家集団も会員の中に大勢いらっしゃいますので、パブコメ等で具体的に指摘し、意見を出していきたいと思っております。

また、全体として抜け落ちている視点が幾つかあると思っているのですけれども、1つは、今後、検討が加えられると思っている通信とか郵便事業におけるユニバーサルサービスが今後どうなっていくのか。消費生活に非常に密接にかかわる課題に触れていないこと、グローバル企業と国内法の関係性も見えてこない。グローバル対応はしているのですけれども、あくまでも取引の部分であって、今、日本で活動しているグローバル企業と国内法の関係性について整理していただきたいこと、それから現在国連の場で改定作業が進んでおりますが、国連消費者保護ガイドラインの改定について、特にeコマースと金融に関しては新たな視点が書き込まれていますので、ぜひ消費者委員会でそのあたりの御指摘をしていただければと思っております。

最初に申し上げましたとおり、全国消団連では、現在、より多くの消費者団体から意見を集めるべく、会員団体への情報提供と意見集約を行っています。パブコメ終了まで、もう10日しかありません。全国各地で暮らす消費者にとって、消費者が主役となって選択・行動できる社会の実現のための基盤整備を、今回の消費者基本計画改定において、ぜひ実現すべきだと考えておりますし、そういう方向で私たち消費者もしっかり理解して、ともに進んでいければと思っています。

消費者自身が選択することで、世の中の方向性を決める消費者市民社会実現への一里塚として、情報を読み解くための教育と的を射た情報提供のあり方など、今回の改定が実効性のある施策として機能するように、今回示された素案、さらなる検討を加えられ、ブラッシュアップされて、私たちが理解できる形で閣議決定されることを願いたいと思っております。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続きまして、全国消費者行政ウォッチねっとから御説明をお願いいたします。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 ウォッチねっとの拝師です。1枚物の意見メモ、資料5に入れさせていただきました。ウォッチねっとのほうも、まだ詰めた議論ができておりませんで、あくまで個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。

まず1つ目ですけれども、本文の第2章の前提となる経済・社会情勢の分析。消費者を取り巻く環境の変化と課題ということで、経済動向とか人口減少等の事象・状況が書いてありますが、抜けているのではないかというのが格差社会という視点です。

もちろん、貧困ビジネス等、貧困層をターゲットにした商法の問題もありますけれども、それ以上に消費者市民社会ということを考えるときに、フェアトレードとか社会的責任投資ということを幾ら言っても、経済的な余裕がない中で、そういう消費行動がとてもとれない状況を放置したままでは、常に絵に描いた餅になってしまう。実は、消費者教育とも深くかかわる問題だろうと思っています。ですから、格差社会という現状が広がりつつあって、それを放置すると消費者市民社会という目標そのものも非常に難しくなるということについての認識をきちんと持って、そういう記載をすべきだろうと思っています。

それから、2つ目ですけれども、随所にKPIの記載があって、執行関係もかなりいろいろあるのですけれども、「ほとんどが厳正に執行する」。KPIとしては、執行件数とか取り締まりの状況みたいなことしか書いていないのですね。それで、技術的にいろいろ課題はあるかと思うのですが、本来、どのぐらいの執行がされるべきで、そのうちどのぐらいが実践されているかということを定期的にきちんとはかっていく。

それによって、そもそも問題がある件数というのが推計できてくるし、それから悪質商法なり問題があるケースというのは、執行可能性ということだけではないでしょうけれども、例えば法律の使い勝手のよしあしとか、行政の体制がきちんとしている、していないも、こういう執行率をきちんととることでできてくると思うので、ぜひ入れていただきたいと思っています。

例えば特定商取引法について、執行可能性というのを被疑案件をとるのは難しいかもしれませんけれども、都道府県によっては参考になるような数値を担当課が挙げているところもあると聞いていますので、そういう執行率というのをどういうふうにやったら、より効率的にきちんとしたデータがとれるのかという検討も含めて、入れていただければと思っています。

それから、3番目、悪質商法対策として不招請勧誘の禁止という言葉を即、全面導入ということまで書けないにしても、検討の対象にするべきだと思っています。計画の中にも、少なくともいろいろな分野での不招請勧誘の禁止ということを検討する。その上で効果的な措置を導入していくということをきちんと明記するべきだろうと思っています。

それから、4番目ですけれども、特商法の見直しの部分でいろいろ書かれていますけれども、連鎖販売取引、マルチについての記載が完全に抜けています。これは前から気になっていて、現行の消費者基本計画においてもマルチについては対応済みみたいな形になっていて、それ以上、見直しをするという姿勢が全くうかがえないのですが、実際には大手も含めて問題は依然として大きいと思っています。

個別企業の名前が出ているので、資料には入れていないのですけれども、今、どういう状況になっているかというと、昔は必要のない商品をたくさん買いだめして、自分のランクを上げるために要らないものをたくさん買って、それを処理し切れなくてまとめて捨てちゃうみたいな問題も起きていたのですけれども、今は、実はそういう在庫の山積みの問題はないのですけれども、そういう無駄な買い物、過度に無駄な商品を買うことがなくなっているかというと、そうではなくて、探すとホームページ上、すぐ出てくるのですけれども、大手のマルチ企業の商品を下取りするという市場がほぼできていると言っていいと思います。キーワードでその企業名と商品買い取りで、ばあっと出てきます。

要するに、今の大手も含めて、本来必要のないものを大量に買ってランクを上げる。その上で、その商品は要らないので買い取ってもらう、横流しということが結構行われていて、不健全な状況ではないかと思っています。

それから、マルチの場合は、単純に訪問販売等で要らないものを買わされちゃったというだけの問題ではなくて、人間関係そのものが崩れていく。主婦の方もそうだし、社会人なりたての若者なども含めて、大きな精神的な損害、ダメージも受けていくという問題のある類型ですので、ここはきちんと見ていく必要があるだろうと思っています。

それから、5番目、最後ですけれども、公益通報者保護法の関係です。本文の24ページ、(2)の真ん中辺の3段落目の最後のほうですけれども、公益通報者保護制度について、周知・啓発や必要な措置の検討・実施を行うとちらっと書いてあります。そもそもここの位置づけでいいのかということにちょっと疑問がありまして、現行法は内部通報を最優先させるというたてつけになっていて、あくまで企業の自主努力を前提とするということですけれども、いろいろな通報当事者の方の話を聞いていると、今の法律だけでは通報した人をとても守ってくれない、守ってもらえない。

そもそも適用範囲が狭いという問題もありますけれども、仮に適用されても民事ルールしかなくて、結局は裁判で争わなきゃいけないという大変な負担がかかるという、通報者にとって優しくない法律になっていると思います。これをどう考えるか、今、消費者庁のほうでも検討しているところですけれども、少なくとも法改正をきちんとやるのだということを明記すべきだろうと思っています。

それから、KPIの関係が工程表の60ページに出ていますけれども、KPIは公益通報については法の認知度、窓口の整備状況とあります。しかし、一番重要なのは、本当に信頼して企業の問題等について通報できるか、できないかということです。そうすると、実際の通報件数がどのくらいかというのは、民間・行政も含めてデータとしてはとるべきだろうと思います。単に窓口を置くだけじゃなくて、そこが信頼されるようになると飛躍的に通報件数が伸びますので、そういうデータをきちんととるということも、公益通報がきちんと機能しているかということの一つの目安になるかと思うので、そこをぜひ入れていただければと思います。

公益通報について言うと、先ほどから実施期間についての記載が粗過ぎるという話がありますが、60ページの帯を見ると、公益通報に係る実情・実態の更なる把握、課題解決の方策の検討というのが27年度、28年度ということになっています。消費者庁のほうは、今、ヒアリングをやり直したのがそろそろ終わって、それをまとめて、今度、次の検討会に入ると思うのですけれども、それを丸2年やるのかということで、ちょっと長過ぎるのではないか。検討は27年度中に終わりにして、法改正そのものは28年度にやるという目標にしていただければと思っています。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

引き続きまして、日本産業協会から御説明をお願いいたします。

○日本産業協会高尾専務理事 日本産業協会の高尾と申します。今回、初参加でございまして、申し訳ありませんが資料を用意していません。口頭で説明させていただきたいと思います。

日本産業協会は、御存じだと思いますけれども、消費生活アドバイザー資格試験を実施している協会です。今年、資格制度創設35年目を迎えますが、これまでに有資格者を1万4,750名輩出しております。一つの節目になりますので、これからは日本産業協会自体、変わっていこうという思いでございます。今日は、ほとんど個人的な意見でございますが、主にこれから当協会がやろうとしている内容と重なる部分につきまして、お話ししたいと思います。

まず、基本計画の6ページですけれども、消費生活におけるグローバル化の進展というところがあろうかと思います。これからの課題の12行目あたりに内容が記載されていますが「誰がやるのか」がよくわからないという感じがいたします。例えば、消費生活アドバイザーや相談員資格者の活用を検討するのも1案だと思います。誰が国際化をやるのかというあたり、ぜひ具体的に示していただければと思います。

当協会も、国際化に向けてできるところから、ぜひやってみたいなと思っています。消費生活アドバイザー資格制度自体を海外、東南アジアに持っていくわけではないのですけれども、消費者志向の基本的な考え方をどうやって普及させるか、これから考えていきたいと思っております。

それから先ほど来、教育について話が出ていますけれども、消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成の(1)で、23ページあたりから記載されています学校教育についてお話ししたいと思っています。

私は公立高校で民間校長をやった経験もある関係で、昨年秋に香川県のある高等学校で、経済産業省の方にお願いして授業をやっていただきました。クレジットカード契約とリボ払いというテーマで、高校1年生から3年生まで全校生徒751名に対して、体育館で、講義というか、講演をやっていただいたのですが、近々高校を卒業し、社会人となる生徒たちにとっては非常にタイミングの良い授業になったと感じました。大学の受験が目前に迫った3年生にとっては落ち着かない時期でしたが、非常に熱心に聞いていただいて、先生方からも大変好評でした。

今年、もう一回やってほしいという依頼がありますので、同じテーマで、今度は新1年生でやろうと思っています。具体的に実施するためには、各県の教育委員会との密接な関係構築が必要だと思います。教育委員会事務局の高校教育課長あたりとしっかりコンタクトをとってやらないと、なかなか実現できないのかなという感じがいたします。特に、高校生は社会人となる一歩手前で、消費者教育を実施するために非常に大事な時期でもありますので、より一層掘り下げてやっていただきたいと思っています。

学校教育関係に関します工程表の素案のほうですけれども、51ページあるいは56ページあたりに消費者教育の推進について記載されています。それから、マル6で学校における消費者教育の推進について触れており、ここで大学・専門学校等が出てまいります。それから、56ページに、同じくマル6で、大学・専門学校等における消費者教育の推進について記載があります。

ここでは、まだ現状の課題等の分析を行うというレベルですけれども、実は当協会としては、大学・大学院で消費者志向経営か、あるいは消費生活アドバイザー専門コースについての講義を東京から全国に発信したいなと思っています。今、幾つかの大学に声をかけているのですけれども、これは実現の壁がなかなか高いです。例えば寄附講座をやろうとしたら、先生方の人件費等がかかりますし、うまく立ち上がっていないというのが現状です。

ただ、消費者志向経営とは何かということも含めて研究し、これから消費者志向マインドを持った若者たちを育み、将来的には社会で活躍していただくためには、高校生から本当はやるべきだと思いますけれども、大学生あるいは大学院生、さらには社会人大学院生に広く講義できるような体制固めが実現できるような、突っ込んだ中身にしていただけないかなと思っています。

今、都内の大学の通信教育で当協会の消費生活アドバイザーコースをこれから検討いただくところもあるのですけれども、先ほど申し上げた通り、大学、大学院というのはなかなかハードルが高いので、このあたり、情報提供あるいは啓発というレベルにとどめずに、もっと具体的に道筋を示していただければと思っています。

最後に、同じく工程表の59ページ及び61ページの消費者志向経営について申し上げたいと思います。これはACAPさんのほうでも話がありました。我々としても消費者志向経営をより一層個別具体的に、今年はやってみたいなと思っています。これもなかなかハードルが高いのですけれども、ある大学教授と学会の組成について議論をさせていただいています。単に学究的な学会ではなくて、企業人とか消費生活アドバイザー資格者あるいは大学の先生が集まって、産学官連携の実践的な学会組成に向けて、今年、準備会を3回ぐらいやろうかなと思っています。実際立ち上げるには結構時間がかかるし、お金もかかりますので、これも計画を具体化するプロセスでハードルの高さを感じております。

いずれにしても、消費者志向経営というのをどう捉えるのかというのは、ある意味ではそういったところからもう一回考える時期にあるのかなと、今、思っています。私どもとしても、ことし1年、消費者志向経営について考えていきたいと思っています。

それから、工程表ですが、計画を立てようとするのであれば、5年間ひとくくりの計画ではなくて、単年度ベースの計画を策定して具体的に進捗チェックをしていくことが重要だと思います。それから、リーダーシップを発揮するためには、他省庁とどう連携をとるのか、どこまで話が他省庁とできているのか、このあたりのコミュニケーションもしっかりとやっていかないとうまくいかないのかなという感じがいたします。

初めて参加で余りよくわかっていませんが、以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

引き続きまして、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会から御説明をお願いいたします。

○日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石理事・環境委員長 ありがとうございます。お手元にお配りしております紙をもとにお話させていただきたいと思います。もう既に皆様からいろいろと御意見が出ておりまして、重なる部分もありますけれども、NACSも今、パブコメを出すべく、みんなで意見・知恵を一生懸命出し合ってつくっている途中ですけれども、今のところ出されているものについて御説明させていただきたいと思います。

まず、全体的なものに対しての意見ですけれども、これももう皆様からかなり出ておりましたけれども、今回、KPIというものを作成するということで、その目的というか、つくるということ自体は認めるものの、内容的に、例えば何々に向けた取り組みの認知度とか検討状況とか開催状況などと、KPIとして、指標としてなかなか定めにくいものが散見されるということで、このKPIの内容についてはさらなる検討をお願いしたいということです。

具体的に一つずつ触れていきますけれども、まず11ページ、第4章 5年間で取り組むべき施策の内容のうち、1 消費者の安全の確保についてです。製品のリコール情報とか車のリコール情報、それから注意喚起情報については、本来、注意情報が届かなければならないはずの消費者に、まず行き渡っていない状況があります。これをどのように打破するのか、また届けられたリコール情報について、消費者が具体的に行動できるようなインフラの整備というのも、まだ不十分です。

そのような安全確保が抜け落ちている中で、一方、商品の長期使用製品安全点検制度など、販売会社からのトレーサビリティのシステムを構築する中で消費者の積極的安全に対する姿勢を醸成することも必要だと思います。

さらに、これらについては、先ほどのKPIが目標としてなかなかきちんと設定されていない状況ですので、具体的なKPIの設定をお願いしたいと思います。

それから、15ページになります。表示の充実と信頼の確保について。この中で、特に16ページの(1)、美容医療についてですけれども、これは表示を適正化するためのガイドラインが一応ありますけれども、不十分であると思わざるを得ません。バナー広告についても規制対象となっていると思われますが、現状、しっかりと運用できていないことを問題視して、さらなる見直しを考えてほしいと思います。

それから、17ページの(3)食品表示による適正な情報提供及び関係法令の厳正な運用についてですけれども、食品の機能性表示を事業者の自主規制に委ねることになりますが、消費者はその真偽のほどを確かめるすべをなかなか持っていません。規制を緩和することについては基本的には反対でありますが、もしこの流れがそのような方向に進むであろうと考えますと、事後の規制についてはしっかりと行政処分の厳罰化などを盛り込んで臨んでほしいと考えています。監視機能の強化についても、これはKPIのほうにしっかりと書き込んでいただければと思っています。

それから、22ページの4 消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成について。この前文の中で、「消費者の利益の擁護・増進を図るためには、消費者が自主的かつ合理的に選択・行動することができ、また事業者や行政など消費者を取り巻く主体が消費者のことを十分考慮して行動する社会を形成することが必要である」とありますが、実際、その内容を見てみますと、まだ不十分ではないかというのが感想です。

まず、(1)消費者教育の推進について、それから(3)公正自由な競争の促進と公共料金の適正性の確保、この両方に関連している内容ですけれども、持続可能な消費の実践が求められる中で、エネルギー教育についての記載がないことは問題だと考えます。3.11以降、消費者にとってエネルギーも大事なものになってきているわけですけれども、よりよい市場とよりよい社会の実現のために積極的に関与していくことが求められるのであれば、今後、電力やガスが自由化していく中で、消費者がそれらに関心を持ち、持続可能な社会に向けてエネルギーをしっかり選択できるだけの消費者教育の拡充は不可欠ですので、ぜひ取り上げてほしいと思います。

それから、同じく「消費者の選択の機会の確保・拡大を図るため、公正かつ自由な競争を促進するとともに、公共料金の適正性を確保することが必要である。さらに、消費者政策の取組や成果について透明性を確保するとともに、政策の検討において消費者の意見を十分考慮する必要がある」と示してありますが、そのためにも、現在、省エネのことが若干書いてあるのですけれども、これとは別にエネルギー教育として、環境保全、安全・安心、表示、今後ふえるであろう取引のトラブルなどを考えると、きちんと取り上げてほしいと考えます。

それから、26ページの(5)環境の保全に配慮した消費行動と事業活動の推進についての項目ですけれども、「環境の保全に配慮した施策としては、ESDやエシカル消費の普及啓発の取組があるが、それらに加え」として、温室効果ガス削減とか低炭素社会のことなどが書かれています。実は、この「それらに加え」の後のほうが実際のESD、持続可能な開発のための教育であったり、エシカル消費の普及内容になるわけで、これを基本として、さらにESDやエシカル消費を進めていくという言語が逆になるのではないかと思って、提言させていただきます。

それから、同じく(5)環境の保全に配慮した消費行動と事業活動の推進についての中で、最後のところに、「その際、有機農産物を始めとする環境に配慮した農産物に対する理解と関心についても増進を図る」と取り上げてあるのですが、有機農産物をここで取り上げるというのは少し疑問です。有機だけが環境に配慮した農作物ではありませんし、さらに食品ということで例を挙げるのならば、日本人が食する魚・肉にも同じように環境の配慮が必要です。

また、海外からの輸入が多い木材や紙製品についても環境に配慮した選択が消費者市民社会では求められるわけで、もっと広く、環境に配慮した消費に対する理解と関心についても増進を図るとすべきではないかと思います。

それから、26ページの5 消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備について。27ページになりますけれども、ここに民間のADR、PLセンターのことが書いてあります。民間の消費生活相談機関がボランタリーの活動を実施していることについて、単に連携を強化すると書いてあるわけですが、国・地方公共団体で担えない消費者の安全・安心のインフラをしっかりとサポートするための計画が必要ではないかと考えます。

それから、28ページのマイナンバーやパーソナルデータの利活用について。現在、これらについては消費者がなおざりにされたまま進んでいるという状況です。早急に進み過ぎる前にしっかり歯どめをかけて、どのようにすれば適正な運用が図られるのか、検証する必要がありますし、関係法令等に沿う形で個人情報保護をしっかりと貫くことが求められると思います。

それから、最後、29ページになりますけれども、6 国や地方の消費者行政の体制整備について。こちらは、改正消費者安全法を活用した見守りネットワークについて、関係機関への周知だけでは動かないと思われます。先ほどの民間のADR、PLセンターも同じですけれども、予算的にも人材的にも地方の消費者行政は縮小傾向にあると思われます。そこに具体的成果を求めるには、財政支援や具体化に向けたモデル事業などを提案する必要がありますので、ぜひ書き加えていただきたいと思います。

以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

あと、日本ヒーブ協議会、日本弁護士連合会から、それぞれ10分程度ずつ御説明いただく予定でおりますけれども、審議が開始してから1時間半経過しておりますので、ここで10分ほどトイレ休憩を兼ねて休みを入れさせていただきます。その後、お二方から御報告をいただいて、それから意見交換にさせてください。

40分あたりからお集まり願って開始したいと思います。

(休憩)

○河上委員長 それでは、再開したいと思います。

引き続きまして、日本ヒーブ協議会から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○日本ヒーブ協議会上田代表理事 日本ヒーブ協議会の上田と申します。初めに、今回の消費者団体の1つとして意見交換会に参加させていただきまして、ありがとうございます。

ヒーブ協議会は、企業に働く女性の団体であり、企業と生活者のパイプ役としての役目を担い、消費視点と就労視点の2つの視点を生かした活動をしております。活動のスタンスとしては、まず消費視点で企業の視点と同時に、生活者として買い手の視点に立つことができます。同様に就労視点では、働く女性として企業を考える視点と、仕事とプライベートをどうバランスをとるかといった、働く女性と暮らしを考える視点を持っております。

これまで皆さんの御発言で、基本計画の総論・各論につきまして同様の意見もございますが、今回はこの4つの領域から、ヒーブ協議会として、基本計画について実際の活動につなげた場合、どんな活動ができるか意見を述べさせていただきます。

先ほど経団連さんからも御発言があったように、日本ヒーブ協議会でも前回も発表させていただいた、消費者・行政・企業の三者がスクラムを組める三位一体のソーシャル型消費者市民社会を目指すことが理想だと考えております。ですので、9ページの3章の2においても、三位一体、双方向のコミュニケーションをもっと強化していただくような改善を望んでおります。

消費者から見て、対行政・対企業からの消費者力の向上、総合的支援の推進をより強化し、双方向のコミュニケーションの形成を進める活動が重要であり、少しずつコミュニケーションもできつつあります。これに対し今、不足しているのは企業と行政の情報交換であり、もっと活性化することで、よりスムーズな対応や消費者の信頼確保にもつながり、ヒーブ協議会としても情報提供や調査などを通じて、消費者基本計画の推進に連携できると考えております。

ACAPさんの御発言にもありましたように、消費者団体、事業団体の役割は、それぞれ目標もかなり違っております。それらの役割を明確にしていただくことも、企業と行政のコミュニケーションをとるために重要だと考えております。

続きまして、第2章の2の中でも人口の減少や超高齢化社会への突入が課題として挙げられておりましたし、先ほど全国消団連さんも、高齢者のキーワードが分散して活動として見えにくいという御発言がありましたが、ヒーブ協議会としても、そうした時代に合わせた活動で、ヒーブ協議会に対応できることを考えました。

現在、消費者問題でも課題として多方面から挙がっておりますが、多くの企業のお客様対応部門でも高齢者対応を視野に入れて対応を考えて取り組んでおりますし、近年発表されましたPI0-NETのデータ情報を見ましても、高齢者に対する相談件数は目立っております。また、そうした高齢者の対応に対する事例もふえましたが、まだまだ参考事例が少ないですし、高齢者といっても年齢もかなり幅広いために、明確な方針が打ち出せていないと思っております。

こうしたことに対して、行政でも高齢者対応に特化したアドバイスを受けていただける窓口があれば、かなり改善できると思いますが、これらが不足している現状もありますので、ヒーブ協議会でも何を求められているか、実態調査による現状把握と対策を考える必要があると考えております。例えば、11ページの4章の3の最後に機動的な対策と明記されておりますが、現状把握を伴っていないと考えておりますので、現状をまず把握することが大切だと思っております。

これらの課題に対し、ヒーブ協議会と関連深い消費者力支援研究所を初めとする各種専門家を交えて、高齢者対応に関する企業事例の収集・検証を開始したいと考えています。その後、現状分析を行って、その情報を行政とも連携・共有したいと思っております。

例えば、私どもが作成しました消費者の声をもとに改善提案が反映された商品・サービスの事例集「お客様の声を活かした取り組み55事例」がありますが、このような冊子のノウハウを生かして、高齢者対応の事例として現状分析をまとめ、企業内外への情報の拡散を行います。協議会自体はそんなに大きな団体ではありませんが、それぞれの企業の持つ情報がまとまって編集されることによって見えてくる課題があると思います。

また、実際に私どもの会員は企業の窓口で対応をしておりますので、こうしたメンバーが作成するお客様対応マニュアルにおきましても、高齢者対応の実例を含めて改訂・共有化を行い、消費者と企業のコミュニケーションツールとして、今後の消費者教育や消費者の環境改善に役立てたいと思っております。

最後に、消費者基本計画においてヒーブ協議会が目指す方向性ですが、第4章の4で消費者が主役になって選択・行動できる社会の形成と明記されています。それを実現するために何をヒーブが目指すかと考えてみました。例えば、企業内では社会における課題の把握と対策の検討を行い、それをもとに異業種の団体であるヒーブ協議会で同業他社・異業種間での情報共有化を行います。そこで見つけた消費者に対する課題を消費者循環システムとして機能することで、消費者市民社会の構築の支援、ひいては消費者基本計画の推進にもつながると考え、活動を進める所存でございます。

消費者社会をめぐる環境の変化に対しても実効性を高めるために、実際の現状というものが反映されていないと、これから5年間の活動というのはなかなか難しいと思いますので、小さな力ではありますけれども、私どもヒーブ協議会としての立場としては、高齢者対応を中心とした現状把握から進めたいと思って、意見交換で述べさせていただきました。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

引き続きまして、日本弁護士連合会から御説明をお願いいたします。なお、説明は10分程度ということですので、よろしくお願いします。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会野々山委員長 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の委員長の野々山でございます。今から述べる意見は、私個人の意見ということで御承知置きください。日弁連としては、改めて意見書として意見を述べさせていただきます。

現行の消費者基本計画は、消費者庁、消費者委員会がちょうど立ち上がったときにでき上がったもので、この5年間はこれをどう構築してきたかということをずっと検証してきた基本計画だったと思っております。次の基本計画を考える上においては、この消費者行政の5年間をどう考えるかということをきちんと総括して、その上で考えていくというのが本来の筋だろうと考えているところであります。

消費者行政のこの5年間の評価につきましては、報告資料では個人的な見解として書かせていただきました。これ自体は今日は御報告しませんけれども、このような形での検討をした上で、次の消費者基本計画というのは立てられるべきだと本来は考えているところであります。

2ページ目の3に移ります。今回の消費者基本計画の素案、工程表素案に対する意見のうち、重要だと考えられる点につきまして、幾つか指摘をさせていただきたいと思います。

まず、総論のところで、前回の基本計画にも、あるいは今回の消費者基本計画にも指摘されておりますけれども、行政のパラダイム転換というものが消費者行政の新しい視点であるということが書かれているわけでありますけれども、このパラダイム転換というものが実際に実現したのかどうかについての検証というものが十分されていないと考えております。何が問題で、それをどう変えなくてはいけなくて、それがどう変わったのかということにつきまして、きちんと検証したことを具体的に書き込むべきだと考えております。

それから、消費者庁、消費者委員会だけではなくて、改めて全ての省庁が行政のパラダイム転換というものを重要な柱として、今後、消費者行政を行っていくのだということを明確に宣言すべきだと考えております。

2つ目には、この5年間、消費者基本計画がどのような形でこの行政のパラダイム転換の実現に役割を果たしてきたのかということですね。特に、消費者庁が司令塔機能を果たす上において、この消費者基本計画がどのような役割を果たしてきたかについて、きちんと検証して、改めてその意義を考えていく必要があると考えております。

内閣府のスリム化の中で総合的調整機能というものが消費者庁に移ってくるわけでありますけれども、これと消費者基本計画というのをどう考えていくのか。簡単に言えば、むしろ今まで以上に司令塔機能、リーダーシップというものを強めなくちゃいけない。そのことをきちんと消費者基本計画の中でも反映して記載していくべきではないかと考えているところであります。

それから、高齢化・独居化の進行について指摘があります。それはそのとおりであるわけでありますけれども、それにつけ込む悪質商法の増加はどこに原因があるのかについて、明確にしておく必要があると思います。その1つに不招請勧誘というものがあります。これへの適切な対応が重要であるということを指摘する必要があると考えているところであります。

それから、高度情報通信社会の進展への対応ということも指摘されています。ただ、そこでは「的確な対応」とか「消費者政策の実施に活用する」ということが記載してありますけれども、より積極的にこれらの高度情報通信社会における電子商取引等の分野において、公正な取引環境の構築が必要であるということと、被害の防止と救済というものが必要であることを明記しなくてはいけないと考えております。

あとは、これはこの5年間の評価になるわけでありますけれども、消費者庁の司令塔機能、エンジン役が十分でなかったことが、今後これからの5年間にとって非常に重要だということを指摘した上で、この役割の積極的な指摘をすべきだと考えているところであります。

続きまして、第4章の安全の分野であります。この分野では、PI0-NETに取引被害と比べて安全被害が十分情報として入ってきていないことが指摘されるべきだと考えております。情報収集機能について触れられておりますけれども、医療機関、教育機関等からの情報収集の拡充というものが重要でありまして、この必要性を明記すべきだと考えているところであります。さらに、国民生活センター、警察、保健所、学校などを所管する省庁との連携が重要なこともあわせて明記していく必要があると考えております。

それから、リコール制度につきましてもさまざま御指摘があるところでありますが、中小企業の実施に課題があること、さらなる周知策の充実、ヒヤリハット情報の積極的活用などの具体的な対策を示していく必要があると考えております。

次に、消費者安全調査委員会については拡充という方向性が出ているわけでありますけれども、期待された機能を果たしていないということがあるわけでありまして、そのことをきちんと真っ正面から捉えて、一層の充実・強化を強調していく必要があると考えております。

食品安全につきましても指摘があるところでありますが、一たび発生すると重大な結果になることを十分認識した上で、監視体制、被害対応体制を緊張感を持って構築することの指摘が重要であると考えているところであります。

表示につきましては第4章の2であります。これは、表示に対する消費者の信頼がとても大事だということでありますが、さらに正しい選択の前提であり、消費者市民社会実現の基礎であるということをきちんと指摘する必要があると考えております。

さらに、地方自治体と国との連携というものが重要でありまして、これは総務省からの消費者取引の適正化に対する評価というものがあり、その勧告の中でも国と地方自治体における執行部門の連携が重要だということが言われており、その一つだと考えているところであります。

それから、美容医療に関しましては、広告、インターネット表示につきましては、景表法の適用だけではなくて、医療法の広告規制の適用を図ることを方向づけるべきだと考えております。

また、健康食品の機能性表示については、私どもは緩和すべきではないという意見を明確に持っておりますので、この基本計画の内容については異を唱えたいと考えております。

それから、トラブルが多い健康食品の広告につきましては、その適正化が重要な課題であることを明記していく必要があるのではないかと考えております。

第4章の3でありますけれども、高齢化を中心とする取引被害増加への対応が急務であることを特に指摘して、基本的にまとめて記載すべきだと考えているところであります。対策としましては、地域ネットワークづくり。詐欺的な商法の摘発。第三者名義携帯、バーチャルオフィス、実態のない法人登記などの悪質商法のツール規制。そして、被害の原因となっている不招請勧誘への対応で、特にオプトイン規制、don’t callシステム、don’t knockシステムというものの導入を明記していく必要があると考えております。

それから、商品先物取引、リスク商品について記載はありますが、現在、この不招請勧誘の省令による緩和が見られるところでありまして、こういうものに対する措置が本来はなされるべきだと考えているところであります。

美容医療等については、先ほど指摘したとおりであります。

もう一つ、重要な消費者関連法の改正がこれからの5年間で取り組まれるわけでありますけれども、視点・観点程度は書いてありますけれども、これはきちんとまとめて、明確な論点等についても指摘した上で、改正の方向性を明確にすべきだと考えているところであります。各法律についての論点は、そこに記載したとおりであります。

さらに、これは1つにまとめた項目ではないわけでありますけれども、住宅に関する課題というものは私たちの生活の中で非常に重要となってきております。これは、1つ章立てとして考えていく必要があるのではないかと思います。東日本大震災や広島の土砂災害を踏まえまして、建物だけでなく、地盤の問題はこれまで十分目が行き届いていなかった点でありますけれども、そういうものも重要な課題であるということを指摘する必要があると思います。

あと、住宅に関する章立てがないというのは、住宅に関する政策・法制がばらばらになっているところがあります。統一性というものをとって考える必要がありまして、まさに消費者庁がリーダーシップをとっていくということですね。そういう一つの重要な分野ではないかと考えております。

それから、インターネット取引などの情報機器に関する被害の対応につきましては、これもインターネット取引という一つの重要な項目として捉えていく必要があるなと考えております。

それから、第4章の4の消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成につきましては、全省庁の総合的な取り組みということが重要であります。特に地方では、教育委員会と消費者関連部局の連携が必ずしもうまくいっているわけではありませんので、その分野の連携・強化というものは必要になってくると考えております。

多様な立場の講師が必要であるということ等もあわせて指摘させていただきます。その多様な講師を養成し、あるいは受講してもらうには、消費者庁だけではなくて、文科省あるいは厚労省、総務省などの関係省庁の協力・連携が不可欠であると考えております。

それから、消費者団体への支援については、従前から言われているところでありますけれども、消費者庁等設置法附則第5項で適格消費者団体への支援策が記載されていますが、これがほとんど手つかずの状態になっているということで、他の附則の対策に比べると不十分さが非常に際立っております。この適格消費者団体だけではなくて、他の消費者団体も含めた支援策、特にその体制強化のための経済的な支援というものも含めた支援が急務だということでありまして、そのあたりの記載は非常に弱いと考えております。

それから、消費者被害救済の関係では、違法収益剥奪制度の創設が素案の本文から抜け落ちているのですね。違法収益剥奪制度の取り組みについても、基本計画の素案の中にきちんと書き込む必要があると考えております。

最後に、国や地方の消費者行政の体制整備ということでは、これも創設して5年間取り組んできた消費者行政の検証と評価、特に地方消費者行政に対する検証と評価というものをきちんと行っていく必要がある。これも総務省の評価書の中で勧告としてなされているものであります。活性化基金などによる地方消費者行政の支援が行われてきたわけでありますけれども、継続した支援、特に経済的な支援というもの、予算上の支援というものが必要であることを明記していく必要があると考えているところであります。

以上であります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、これから意見交換を行いたいと思います。御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 ありがとうございました。パブコメ期間中ということで、タイトな日程で、かつ意見を取りまとめ中だと思いますけれども、お話を伺っていて、読み方が足らないところがあったなと、大変参考になりました。ありがとうございました。

今回、企画しましたのは、前回、意見交換会をやったときに、基本計画について消費者側の意見を反映させる何かしらの機会を持ってほしいという声が出ておりまして、そうだなと思ったことと。

先ほどプロセスの問題が出ておりましたけれども、私も確かにそうだなというので、2009年の作成プロセス等を時系列的に整理してみたのですけれども、2009年のときは消費者庁が発足したばかりで、基本計画との関係をどういうふうにやるべきかと、そもそものところから議論しましたので、11月の段階でそもそもというので、基本的な考え方についてパブリックコメントを求めて、それに基づいて総論のスケルトンを出して議論してつくり上げて、年が明けてから具体的施策を盛り込んだ2回目のパブコメをやったというプロセスがあるので、参加しやすかったと思うのです。それに比べると、今回はぱっとパブコメが始まってということなので、対応が難しかったかなと思うのと。

あと、従来と構成が大幅に変わっておりますので、従来の施策が今回の新計画に入っているのか、入っていないのかというので、対照するのがなかなか大変で、あちこちひっくり返さないと対応関係がわからないということがあるので、対照表的なものがあると非常にわかりやすかったのかなというのが1つありました。

それと、総論的なところで大きいなと思うのは、2009年のときは消費者庁を立ち上げたところで基本計画がどうあるかというので、司令塔とは何かみたいなところから議論したわけですけれども、今回はちょうど内閣府のスリム化の問題がありまして、総合調整権限が消費者庁のほうに来るという法案をこれから出すところで、そこが大変重要なところだと思っております。素案の本文のほうには入れていただいておるのですけれども、工程表には出てきていませんが、多省庁にわたる消費者問題を取りまとめていくのに、総合調整権限というのは役割として非常に大きいと思うので、ぜひここに注目していただきたい。

今の消費者庁の司令塔機能というのは、省庁横並びの間の調整という位置づけだと思うのですけれども、総合調整権限はもう一段階上の総合調整ですので、それとの関係で先ほど来出ている消費者庁の役割というのがもう一段階違ってくると思いますので、そこも大事なところですので、ぜひ見ていただければなと思っております。

各論的な点については、これから皆様とぜひ意見交換していって考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。委員の方々だけじゃなくて、きょう御出席の皆様のほうからも、さっきはちょっと言い足りなかったけれどもということがありましたら、御発言いただいて結構です。いかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 たくさんお伺いしましたので、3つだけに絞って質問いたします。

1つ目は、ACAPさんの消費者志向経営というキーワードについて御質問いたします。事業者の間では、顧客ニーズに応えるということはずっと昔からやってきているわけですが、消費者志向経営と言った場合に、どこが変わるのかということです。完成品やサービスを直接消費者に提供する企業においては、それは認識しやすいと思うのですが、部品や素材、原材料のメーカーにとって、それがどういう意味を持つのかということです。最近、タカタのエアバッグ問題が大きくニュースなどで取り上げられています。それも踏まえて、それからISO10002との関係について説明していただければ、私も理解が深まると思います。これが1つ目です。

それから、2番目ですが、これはいろいろな団体の方が似たようなことをおっしゃられたのですけれども、最初のほうにおっしゃられた全国消費者団体連絡会の方に伺います。具体的な取り組みテーマにどのような問題が入り込んでいるのかわかりにくいということですが、私の読み方は、消費者庁の目次を見たとき、第2章には消費者を取り巻く環境の変化と課題が7項目挙がっています。それから、第4章には5年間で取り組むべき施策の内容が6項目挙がっています。私はこれを自分の頭の中でマトリックスにしてみたのです。マトリックスで該当するところに丸を全部打っていくと、一番大きくなるのは高齢化のところだという気がしました。先ほどの説明のときにおっしゃられたとおりです。高齢化は絶対数がどんどんふえてくるという話なので、ほかのテーマとはちょっと性格が違う。それに対処し切れなければ、5年後、10年後にどうなるかということも目に見えているという御指摘だと思うのです。それがはっきり表現されていないのではないかということです。

そういう見方で見たときに、高齢化が一番大きなウエートを占めるという理解でいいのか、それとも、そのほかにもこういう問題が同列であるという認識があるのかどうか、この辺を聞かせていただければ、今後のまとめを読むときに、あるいはまとめ方においても役立つと思います。

今、65歳までの人は大体ネットを使うと思います。この層が70歳代になったら、そこにいろいろな被害形態があらわれる。それはまだあらわれていない段階なのですが、5年後には必ずあらわれる。しかもいろいろ新しい手口が出てくる。高齢化、高度情報化がミックスされたような分野は、今までにないような、経験していないような大きな問題が発生し得ると思っているのです。その辺について思いがありましたらお伺いしたい。

それから、これは日弁連さんの最後のページです。国や地方の消費者行政の体制整備という項目があります。私は、これがこれから5年間の新しい計画の成否を決める一番大きなテーマだと思っています。先ほど、創設5年を経た消費者行政に関する検証と評価を行うべきであると指摘し、特に代表的な事例として経済支援のあり方ということを言われましたけれども、金銭面以外の具体的な項目があれば、イメージ形成のためで結構なので、事例を挙げていただければ幸いです。

○河上委員長 それでは、ACAPさんのほうから先ほど消費者志向経営という言葉が出てきて、これに対してきちんと理解してもらう必要があるという御指摘があったところもあるので、その辺を敷衍していただけますか。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 それでは、消費者志向経営について説明致します。ACAPでも明確に定義はこれと正確に表現できるかというとまだまだ検討が必要なところはありますが、要は、消費者を重視して、消費者との信頼関係を大切に考え、消費社会というものをしっかり見据えた企業経営を行うということかと思います。

多少抽象的になりますが、背景を付加させていただきます。一昔前によき企業市民という言葉が使われました。社会の中の責任ある存在として、企業としてどのような考え方、あるいはポジショニングをとるべきかということが随分議論され、企業のCSR活動なども行われました。要は、企業という存在は、社会の中で事業活動を通して、みずからの利益を得るわけですが、それは消費者あるいはその他の関係者に対して商品・サービスを提供することにより活動が成り立っているわけなので、消費社会で活動するプレーヤーとしての当然の責任なり義務を企業は果たしていくべきだという考え方があります。

そういう中での企業経営を考えたとき、どういうスタンスで社会と向き合わなければならないのかということを考えなければなりません。いわゆる企業利益が優先される余り、しかも短期の利益が優先される余り、それ以外のファクターのプライオリティーが下がることでいろいろな問題が起きてしまいます。その意味で、よく企業の方にお話しするのは、消費者あるいはお客様は企業にとって非常に重要な経営資産に他ならないということです。自分たちを向いて支援してくれるお客様が多ければ多いほど経営の状態は安定し発展しますので、そういう視点を戦略して組み込んだ経営をしていくが大切で、それがすなわち消費者志向経営の姿と言えます。

それは企業にとってもハッピーですし、基本的に消費者と企業の信頼関係を深めることにつながって、消費者と企業の関係において非常に望ましい形ができる。そういう構図を見据えて、自分たちの企業活動を考えることが必要という意味合いで、消費者志向経営を考えています。

BtoC、BtoBの先ほどの話ですが、確かに直接お客様と向かい合っている企業においては先ほどの考え方もすんなり理解されますが、素材関係とか部品を供給しているところはどうなのかという点です。ここも広い意味で考えますと、BtoBの企業においても扱っている商品・サービスは、最終的には消費社会に関係し、関連を持っているわけです。今回のエアバッグの件は良い例と思います。であれば、BtoBの企業も自分たちの活動や商品・サービスが社会とどう関わり、どのような影響を持っているのかを考える必要があり、消費社会なり消費者の存在を無視することはできないはずです。

従って、BtoCだから必要、BtoBだから不必要ということはなく、経済活動のつながり、社会の中でのつながりを考えたときに、消費者と企業との関係をしっかり捉えて、消費者のことを考えた活動をしていくことが、あらゆる企業にとって重要であるという考えになると思います。

ISO10002ですが、これは苦情対応のマネジメントシステムです。実は10002の他に10001というのがあり、10003もあります。お客様とのコミュニケーションの中で苦情になったり、お褒めの言葉であったりするわけですが、特に苦情に対応する場合の誠実に迅速に責任を持って対応するための仕組みづくりが10002で実現できます。それを皆さん普及しましょうということです。10001はその前にありまして、これはいわゆる苦情をつくらないいといいますか、苦情になる前の消費者と企業の共通認識みたいなものをつくっていくためのものと言えます。

インフルエンザの予防注射ではありませんが、苦情となる前にお互いに問題の所在がある程度認識できて、解決の方法がある程度予見できておれば、苦情の発信の内容や形態は変わってくるのではないか。したがって、そういう共通認識を広げれば広げるほど、深くすれば深くするほど、消費社会における良い意味での成熟度が増していくのではないかという考えです。

10002は前述の通り、実際に発生した苦情について責任をもってしっかり対応するためのものです。

10003は、誠心誠意対応してもどうしても彼我の意見が分かれてしまって、意味けんか別れになってしまうことも発生する。それはお客様にとっても企業にとっても不幸であるし、最後まで責任を持ったと言えない訳で、そういう物別れを覚悟しなければならない場合であっても、例えば国民生活センターとか民間のADRとかの第3者機関を活用して、最後まで問題解決をあきらめない責任姿勢を具現化しようという考え方です。そのための規格、手順が10003に書かれています。

したがって、10001、10002、10003というつながりで、消費者と企業間のいろいろなコミュニケーション、苦情対応の内容を、より円滑に、円満に、それから消費者のためによりいい形で解決しようという考え方を収めた規格と言えます。この理解のもとにACAPとしてはこれらのシステムを多くの企業に普及させたいと取組んでいます。

戻りますが、消費者志向経営というのは、すっと言える言葉ですが、いろいろな方がいろいろな解釈をすると思いますので、今のような論議をいろいろな角度から深めながら、消費社会の中での、特に企業における一つの価値観として普及していきたいと考えています。

○河上委員長 ありがとうございます。消費者志向経営という概念が、かなり幅広い考え方と、射程を持った概念だということはよくわかりました。日本産業協会さんもこの問題について、先程発言されていましたけれども、何か補足すべきお話がありますか。

○日本産業協会高尾専務理事 今、ACAPさんの説明で重なる部分も多々ございます。

一方で、消費者志向経営を考える場合、消費者は消費者という立場だけではなく、例えば企業に入れば企業人であり、行政に入れば行政の担当官になってきます。ですから、一人一人がまずはそういう認識を持つことも消費者志向経営にとっても大事かなという気がします。

それと、消費者の御意見を、例えば企業の製品・商品開発とかサービス向上に、わかりやすく言うとどうつなげていくか。このあたりが消費者志向経営の一つの大きな柱になるのかなという感じはいたします。消費者と企業が対立するのではなくコミュニケーションをはかり、双方の為になることを考え具体化すること、協創していくことが重要だと思っています。ただ、先ほどACAPの長谷川専務もおっしゃいましたけれども、これからもっと掘り下げて考えていきたいと思っています。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございます。消費者と企業のちょうど中間ぐらいでパイプ役をというのが日本ヒーブ協議会の立ち位置のようですけれども、ヒーブ協議会さんのほうからは、何かこの話に関しては御意見ございますか。

○日本ヒーブ協議会宮木副代表理事 消費者志向経営というところでしょうか。高齢者のほうで意見を求められると思っていましたので、あわせてお答えさせていただいてよろしいでしょうか。

○河上委員長 はい。

○日本ヒーブ協議会宮木副代表理事 最も必要なのが消費者の現状把握だと思っておりまして、それは先ほど上田のほうからもお話しさせていただいたのですけれども、私は本業のほうで調査をよくやるのですが、今、数字で実態把握をするのが難しい状況であると思っています。アンケート等で現状がどうなっているのか、消費者が今、何を考えているのかということがなかなか数字でとりにくい。特に高齢者に対して調査をかけるのは非常に難しいところがございまして、消費者の間でどういうことが考えられていて、どういうものが求められているのかということをなかなか実態として把握できません。

高齢者で特に難しいのは、年齢と状態が一致していないところだと思っておりまして、お年を召しているからこういう状態であるとか、お年が若いからお元気であろうということがわからない。それに性別によっても全然異なりますし、居住形態だったり、お一人で暮らしているのかということも違う。

5ページでは、ライフスタイルが多様化しているということについて女性についてのみ書いてあるのですが、これは全体として言えることだと思っております。今、老若男女問わず、非常にライフスタイルが多様化している。そういう中で単身が増加している。単身者も意図して単身になった方と、意図せざる形で単身になった方といらっしゃる。

その中で消費者の状況を把握していくに当たっては、寄せられている声以外に、お問い合わせとして日常で見えてきたところを拾っていくことが、非常に重要だと思っております。私は直接お客様対応をやっている者ではありませんけれども、ヒーブ協議会のメンバーの意見としては、企業に寄せられる声の多くは苦情やトラブルの報告ではなくて問い合わせとか意見であると聞いています。そういうところに日常のちょっとした不具合とか、お客様のニーズというものが見えてくる。そういうものを拾っていくことによって、大きなトラブルとか問題が未然に防止できる。ACAPさんもおっしゃっていたように、消費者問題になる前に回避できるということが重要だと思っております。

そういったアンケートでの数字のとりにくさ、それから実態がなかなか出てこないという状況から、我々は企業に寄せられるお客様の声から、どうやって消費者のニーズを酌み取っていくかというところが課題だと考えております、そういった部分において、お客様に対応する職務に携わっている者の声とか感覚というものは非常に重要だと考えております。

○河上委員長 消費者志向といっても、お客様の生活によってはいろいろな問題があるので、その情報の集め方、分析の仕方、それぞれ難しいものがあるということはわかります。

既に高齢者の問題が出てしまったので、ついでに野々山委員長のほうから、高齢者に関して、この消費者基本計画で1つ項目を出したほうがいいのではないかという御意見がありましたけれども、その辺はこの基本計画の書きぶりだと、かえってわかりにくいですか。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会野々山委員長 高齢者対策がいろいろなところに飛んでいるということがあります。先ほども出ていますけれども、高齢者の問題が恐らくこれからの5年間、最も重要な課題になるだろうと思います。高齢化も進んでくるでしょうし、これまでのPI0-NETの被害状況の統計などを見ましても被害が増えていくことは間違いないわけでありまして、それを抜本的に5年間かけてきちんと考えていくという上においては、一つの項目にして総合的に考えていくというのが必要ではないかと思います。私は、個人的には、そこでは不招請勧誘の問題が1つの大きなポイントになるだろうと思っています。

○河上委員長 先ほど齋藤委員からの質問で2つ目に、具体的にテーマがどうもはっきりしないのだけれども、それは消団連さんから言われたことなので、そこも含めて、今回の基本計画、どうも目標がはっきりしていない部分が多いのではないかという御批判について、もうちょっと具体的にお願いできますか。

○全国消費者団体連絡会河野代表理事 まず、齋藤委員から御質問いただいたことに関して。今、日弁連の野々山委員長がおっしゃったこととほぼ同じような視点でおります。まずは、消費者を取り巻く環境の変化というところに7つ書かれているうちの優先事項とすると、2番と4番と5番、つまり人口減少、高齢化、それから高度情報通信社会の進展、消費生活のグローバル化という3つの環境変化というのは、非常に物すごいスピードで進んでいく。5年というそもそものスパンが適切なのかどうかということも含めて、これが非常に大きな変化の視点になろうと。

その中でも、ここで恐らく異論はないと思いますが、高齢化に対する対処というのは、やはり安全法の改正にも書かれているように喫緊の課題で、まずそこから手をつけていかないとだめだろうという認識があります。

それで、5年間で取り組むべき施策の内容ということで6つのカテゴリーに分けられているところを拝見すると、いわゆる高齢化は書いてあるのですけれども、いろいろなところに少しずつ書いてあって、結局、私たちが特に地方などに行ったときに、ここは消費者問題で重要だねと、地方の消費者団体も、今後、消費者安全確保地域協議会等で、自分たちの大きなわかりやすい目標として活動を進めるのに、どこに、どんなことがまとめて書かれているのだろう、どういったことに注意すればいいのだろうということで、今回のたてつけ自体で環境変化を、消費者基本計画を提案されている私たち消費者が認識できるようなたてつけになっていないということを申し上げたかったのです。

それで、この6つは、うがった見方をすると、消費者庁さんでそれぞれ施策を担当する課がありますが、消費者の安全の確保、表示の充実と信頼の確保、適正な取引の実現と行政担当の課毎に割振っているのではないかとも見えます。つまり、消費者庁さんが施策に取り組みやすいように、自分のところでやりやすいように施策を分けているとすると、高齢者問題というのが確かにいろいろなところに書かれているのだけれども、結局、消費者側として重要な課題であるにもかかわらず、どこでどんなふうにやられるのかということが見えてこない。そのことをまず解消していただきたいと思います。

高齢化、高度情報化の進展、グローバル化の部分が、別にどれか1つが単独で問題が起こるということではなくて、複合的にかかわってくる問題だと思うのです。高齢者にとってのインターネットの問題とか、本当にさまざまだと思います。若年層も同じような問題を抱えている。ですから、配慮すべき対象者といえば、高齢者と未成年の部分。私たち消費者団体側から見ると、施策の縦割りといいましょうか、担当課で分けられるよりは、もっと身近なテーマで分けていただくというか、柱立て、章立ての見せ方を変えていただくほうが、消費者基本計画により親和感を感じるというところで、先ほどの意見を申し上げたところです。

○河上委員長 よろしいですか。安全のことを中村さんが言いたいそうな顔をしていらっしゃるから、もしよかったら。どうですか、この消費者基本計画の安全面に関する書きぶりについては。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会中村副委員長 私は、消費者問題のうちの半分ぐらいは安全だと思うのですけれども、いつも取引分野が圧倒的に多くて、例えば消費者被害で扱われるときにもそうなっているのですけれども、本当は安全ということが非常に重要なのです。この国の安全とか安心とか、言葉では政府でもいろいろ言っているのですが、ちっとも具体的じゃないのですね。守られなきゃいけない人というのは、高齢者とか障害者とか子どもを中心にした消費者全体なので、そこに対してどう手当てするかというところが、実は余り抽象的に言っても役に立たないのです。個別に高齢者の場合はこういうところという施策がないといけない。

でも、そういうことも全然書かれていない、スカスカな基本計画だなと、印象としては非常にスカスカな感じを受けております。その辺は、本当はもうちょっと細かく詰めなきゃいけないのですが。

もう一つ、これから消費者委員会でこの基本計画に対して、またいろいろ意見をおっしゃるのだろうけれども、今日こうやっていろいろな分野の人の話を聞いていただくのも大変結構なことですが、消費者委員会としては、10人の委員だけでは賄い切れないいろいろな分野がいっぱいあると思うので、そういうところは専門調査会をもっとつくってフル回転して、そういう各分野の専門家の意見の中から出てくる独自の消費者委員会としての見解や意見をどんどん出していただきたいと思っています。

さらに言うと、この基本計画の中で向こう5年間、消費者行政の中で、この消費者委員会をどうしようというのかがちっとも見えない。消費者委員会のことは、9ページと29ページにほんの一、二行、当たり前のことが書いてあるのですけれども、具体的にどうするのか。例えば専門的観点から積極的に調査審議や建議等を行うと書いてあるのですが、そのためにどういうことをするのかというのが見えない。

逆に、今、消費者行政全体の中で消費者委員会の位置づけが、昨年の暮れのどたばたのように、下手したら消されようという背景というのはいまだに残っていると思っているのです。何とか首の皮一枚でつながっているかもしれませんけれども、そういう中で、予算や人員も余り思わしく増えない中で、向こう5年間、この消費者委員会というものをどういうふうに持っていこうとするのか。そこは、検証もきちんとされていないのです。

国民生活センターは、幸か不幸か、2年ほどかけて在り方検討会がさんざんたたいたので、機能とか位置づけがかなり明確になってきたという副作用はあったと思うのですけれども、消費者委員会についてはたたかれるというか、あり方を検討された場所がどこにもないので、これは5年間やってきて、さあ、この先、また5年から10年に向けて消費者委員会がどうあるべきなのかというところは、しっかりと議論する場も必要だと思います。それは、ここで消費者委員の皆さんにやってくださいというのもなかなか大変だろうから、消費者行政全体の中でどこかできちんと位置づける。そういうことがこの消費者基本計画の中にあってもいいのではないかと思います。

○河上委員長 ありがとうございます。少々「やぶ蛇」でした。消費者委員会も頑張らねばなりません。

先ほど、もう一つ、地方の体制整備ということで、金銭面以外で何かという3番目の質問があったのですけれども、何か具体例がありましたら、お願いします。

○日本弁護士連合会消費者問題対策委員会野々山委員長 私は、幾つかあると思っております。

まず1つは、情報の提供ですね。特に安全の関係では、地方自治体の中では安全に関する調査とか検査をする機能がほとんどなくなってきているということがありますので、それを国であったり、国民生活センターであったり、そういうところできちんと把握して、あるいは検査して、それをフィードバックしていくというものがあります。

2つ目は、人の養成だと思います。地方消費者行政は、人を確保するのにお金はもちろん要りますけれども、その確保した人を養成していくということですね。専門的な知識をさらに強化していくということが必要かと思います。これについては、研修とかが必要となってきまして、ここでも国民生活センターの役割は非常に重要だと考えております。

3つ目は、権限だと思います。権限を付与していくということであります。相談だけではなくて、執行と処分等をしていく上において、地方の力を強くしていくことについては権限を付与していくことが必要かと思います。このたび景表法の関係では権限が付与されておりますけれども、そういう権限を地方消費者行政にも付与していくという形の支援ができると思います。

4つ目は、省庁横断的な形で、国のほうで地方消費者行政がやりやすい形の調整をきちんとする。例を挙げれば消費者教育があります。消費者教育の関係でさまざまな取り組みをするのに教育委員会との関係があるわけでありますけれども、そこを文科省との間できちんとした調整をリーダーシップをとって行って、各自治体でやりやすいようにしていくということ。それから、研修等でも、介護関係の人たちと研修することになると、それは厚労省とかとの関係も出てくるわけでありまして、そういうところの調整をきちんと国のほうでしておくということが考えられるかと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。唯根委員。

○唯根委員 全国消費者行政ウォッチねっとさんから格差社会の御提案をいただいたのですが、それについてもう少し詳しく伺わせていただきたいと思います。

あと、きょう、消費者団体の中でも相談員の資格制度についてかかわっていらっしゃる全国消費生活相談員協会さん、NACSさん、日本産業協会さんにお尋ねしたいのですが、相談員制度について、一番最後のページ、地方における体制整備のところで取り上げられて、先ほど意見の中にも少しあったのですが、そこについてもう少し何か御意見があれば伺わせていただければと思います。

○河上委員長 最初に、「格差社会」の件で拝師さんからお願いします。

○全国消費者行政ウォッチねっと拝師事務局長 格差社会の問題は、現状認識として格差社会というものが生じていて、そもそもその現状の中で起きている問題がどうかという視点と、それを解消する視点というのを入れてほしい、大きく2つです。現状で言うと、所得とか資産がトップのほうが物すごくて、一部の方々だけが巨額の資産を保有して、経済的に貧しい方が物すごくふえているという現状がある。

それが例えば先ほど言った消費者市民社会の問題もそうだし、消費者教育の視点でも、教育もいろいろなところで問題が起きていて、例えば奨学金の問題で、大学に行くにしても奨学金という名前で物すごい借金を抱えないと教育を受けられない。そのまま社会人になって、それを引きずっていく。それを放っておくと、今、下のほうの所得にいる人は、ますますそれが固定化していくということをどう考えるのかという問題であったり。

あと、多重債務の問題というのはかなり下火になっているように見えますけれども、貸金業法などが一応規制されて、お金の借り入れはできないのだけれども、そのかわり生活保護以下の生活をずっと強いられることがあって、その中で幾ら消費者教育だけをやっても、それがなかなか現実のものとして受け入れられない。環境に優しい商品を選択しましょうと言っても、ほとんど選択の余地がなくて、安く手に入るものだけを選ぶしかない。

それだと、いろいろな形で幾ら消費者市民教育、環境教育みたいなことを言っても余り意味がなくて、ただ安くて身近なファストフード的なものしかとれない。食育とか、いろいろな形で言っている割には、実際の選択肢というのがない方々が非常にふえていることについて正面から向き合わないと、本当に机上の空論みたいな話になってしまうことが一番問題だと思っています。

○河上委員長 格差が生み出す消費者問題というのは、意識はされていても、なかなか具体的には今まで考えられてこなかったところです。確かに多重債務問題のようなものはあるのですけれども、もっと一般的に消費者問題の中でこれが出てくるということは当然考えられるわけですね。この問題については、何か御発言されたい方、いらっしゃいますか。よろしいですか。

そうしましたら、もう一点の消費者相談員の制度に関してですけれども、相談員協会の方が一番いいのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○全国消費生活相談員協会吉川理事長 今パブコメ中ですが、非常に難しい問題がたくさんあります。

まず、相談員の新しい資格制度の周知と運用ということですけれども、この制度が検討されたのが質と量の確保。つまり、地方での相談員の資格を持った人が少ない。都市部には偏ってあるけれども、地方では少ないということで、質と量の確保という大変難しい問題を二兎を追ったもので、この制度そのものが、私も検討委員で検討したにもかかわらず、何とも言えない制度が中途半端なものにでき上がってしまっているというのが非常に残念です。

将来的に地位の向上を図られるということが必要であって、そのために新しい制度ができるということなのです。つまり、現状ではこれまでボランティア精神に頼ってきた。これからその域をどれぐらい脱することができるのか。質を求めればなかなか量がふえない。試験制度の周知運用ということが書かれていますが、実際にはどれぐらい質と量が確保できるかというのが今後の一番の課題だと思っています。

それには、野々山先生の先ほどの地方の消費者行政を充実ということはずっと言われてきています。つまり消費者行政は予算が削減され続け、消費生活センターにはテスト機関といったものもほとんどなくなってしまっています。都道府県にわずかに残っている場合でも、基金でテスト機械は購入されふえたけれども、それを運用する人が減らされてしまったとか、そういう地方の消費者行政の実態は、形の上では窓口がふえましたと言われますが、内容的には充実したものではないという正確な状況把握をしてほしい。

地方の消費者行政が充実したものになるかといえば、まず職員をふやすこと、そのためには、基本はお金だと思います。職員を確保するためのお金が要る。それから、相談員の質を確保するためには、ボランティア精神を求めるというのではなく、雇うということについてそれなりの覚悟が必要、地方の消費者行政の充実ということは、お金をいかに注ぎ込むかということにかかっていると思います。

午前中もよその消費者団体の方と、夫の収入の範囲内でしか働けないような今の状況では消費生活相談員の量と質の確保は難しいねという話をしていました。質と量の確保のために作られた試験制度ですが、地方自治体に受け皿がないことには、幾ら試験制度ができても受ける人も確保できないでしょうし、継続して自治体の相談員として働きたいという人もなかなか確保できないと思っています。

○河上委員長 ありがとうございました。

阿部さんのほう、よろしいですか。

○全国消費生活相談員協会阿部理事 全体をくまなく見ているわけじゃないのですが、私の個人的な感想です。今までの議論は何だったのだろうということで、非常に申しわけないのですが、現場の相談員としてがっかりしています。もうちょっときちんとした形で結論が出るのではないかと思って期待していたのですけれども、これでは私どもは質の確保というのは多分とても難しいのではないかと思っておりますので、もう一度きちんとした検討をしていただきたいなと思っております。

○河上委員長 もう一つ、アドバイザー・コンサルタントという資格がございますけれども、大石さんは何かこの点に関してはありますか。

○日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石理事・環境委員長 ありがとうございます。

NACSも、もとはアドバイザーとコンサルタントの資格の集まりだったのですけれども、今回、1月より名前も変えまして、この相談員の資格に何とかNACSとしても貢献できないかということで考えております。全ての資格者の集まりの団体として社会貢献にまい進する意味を込めて相談員の名前を加えました。究極的には、先ほど皆さんおっしゃったように、何をするにしても財政的な支援というのが一番必要だと思うのですけれども、相談員というのは資格を取って終わりではなくて、その質を高めるためには研修制度などということも絶対になくてはならないもので、これも結局財政的なものが必要になってくるのですけれども、NACSとしては研修制度などにも今後ずっとかかわっていければいいかなということは考えております。

以上です。

○河上委員長 ほかにこの問題に関して。産業協会さん、どうぞ。

○日本産業協会高尾専務理事 日本産業協会の高尾でございます。

いずれにしても、今やるべきことは、消費生活相談員資格制度の目的は何なのか、もっとはっきりと示す必要があるのかなという感じがいたします。例えば都道府県とか市町村の消費生活相談に対して適切な助言等を行う人材の養成を目的としているといったような明確な説明がちょっと欠けるのかなと思います。大事な資格制度ですので、まずはそのあたりを明確にぜひ示していただきたいと考えております。当協会が現在実施しております消費生活アドバイザーは、消費者と企業や行政の架け橋として、非常に幅広い分野で社会貢献を果たす人材を養成することを目的としており、消費生活相談員資格とは分野や目的も違いますので、その違いもその中ではっきり示していただいたほうがいいのかなという感じがいたします。

以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。

ほかには。橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 きょうはいろいろな御意見、ありがとうございます。もっと詳しく聞きたいこともあるのですが、これからパブコメが19日までということですので、その間にまた皆さんのいろいろな意見もお聞きできるかなと思います。

きょう聞いた中で、ちょっと確認しておきたいことがあるのですが、ESDについて触れられた団体が何団体かあるのですけれども、その中で専門家会議の方が、環境保全に関して消費者教育の一環と位置づけられるのに違和感があるという御意見があったのですけれどもね。あと、NACSさんもこれについて書きぶりと、それと内容を見ますと、消費者教育の分野だけではなくて、商品選択の一環として、こういったことも考えなければいけないのではないかということがあって、同じようにここだけの問題ではないのではないかという問題点が指摘されたのではないかと思うので、その辺、ちょっと詳しくお聞きしたいなと思います。

もう一点ですが、グローバル化についても何人かの方がおっしゃっていたのですけれども、これについて、消団連さんでしたか、グローバル企業と国内法の関係というお話があったのですけれども、国内法で網のかけられない部分についていろいろ出てきています。インターネットなどの関係でそういったものが出ているのですけれども、先ほど項目だけのお話だったので、もうちょっと具体的にお話を聞かせていただきたいのと。日本産業協会さんもグローバル化、誰が担い手になるのかが見えないというお話でしたが、具体的にこういったやり方があるのではないかという御提案がございましたら、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

あと、この2点について、ほかの団体さんで私が聞き漏らしているところがありましたら、さらに御意見いただければと思います。

以上でございます。

○河上委員長 それでは、ESDの話ですけれども、ACAPさんのほうから、まずお願いします。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 ESDについては、持続可能な社会のための教育という形でかなり長く取り組まれている実績があるわけで、それをどのようにこの基本計画の中に位置づけるのかがポイントと思います。消費者教育の中でも、当然触れられるべきテーマだと思いますので、消費者教育の中での位置づけとしてこれを進めるのか、それとも環境にコンシャスを持った消費者が必要だということで、環境の領域に比重を置いた形でESDを位置づけるのかをきちんと判断して、計画には盛り込んだほうが明解になるのではと思います。

環境の保全そのものは重要なことなので、この章立ては必要だと思うのですが、ESDは環境だけの教育ということでもない訳で、この活動の内容をもう少し丁寧に見て、教育の方に位置づけるのか、環境に位置づけるのかをご検討いただくのが良いと思います。

○河上委員長 NACSさん。

○日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会大石理事・環境委員長 ありがとうございます。

ESDというのは、そもそも持続可能な社会を実現するための方法の一つで、消費者市民社会の実現ということを目的にしていると考えています。これまでのお話にも出てきておりますように、環境という範囲だけではない社会全体に関わるといいますか、先ほど拝師事務局長からもお話があったように、貧困の撲滅というのも大きい意味で持続可能な社会の実現につながっていると思います。

なので、ただ単に環境と言ってしまうととても範囲が狭く思われるのですが、私たちは究極的には持続可能な社会を目指して生活していく中で、例えば26ページに書いてあるような温室効果ガスの削減とか生物多様性というのは、貧困の撲滅と同時に、人間がこれから地球上で生きていくには必ず目標として挙げなければならないことであると思います。そのような意味で、相反するものではないと思いますので、内容については「加え」ではなくて、同等ということで基本として考えてほしいということでお話いたしました。

以上です。

○河上委員長 もう一つ、グローバル化の話がございました。消団連さん、敷衍してください。

○全国消費者団体連絡会山根代表理事 全国消団連です。

例えば総務省のほうでもいろいろと検討が進んでおりまして、オリンピック等に向けてということで、情報通信の分野、ITの環境を整備して発展させるということ。その一方で消費者保護もきちんとされなくてはならないということで、さまざまルール化等、議論が進んでいると思います。

適正な契約とか個人情報保護とか、さまざまな論点があるわけですけれども、そういった国内のルールが整備される一方で、巨大グローバル企業、ITの分野では巨大なグループ等、あるわけですが、そのあたりとの格差というのか、詳しくわかりませんが、力の関係もあり国内のルール、ガイドライン等が通用しない場面がたびたびあると、これは聞いている話ですけれども、そういった実態もあるということをさまざまな方から聞いています。そういった危機感も共有すべきだということで、申し上げているところです。

○河上委員長 あと、こういう問題に対応するための担い手の問題で、日本産業協会さんからお話がありましたけれどもね。

○日本産業協会高尾専務理事 ESDでThink Globally, Act Locallyという言葉があると思いますけれども、その逆のThink Locally, Act Globallyでいけないかなと思っています。特に東南アジアの国々では、こういったニーズがとてもあるように感じております。誰が行くのかということですけれども、消費生活アドバイザーで行ける方が行くのも一つかなと思っております。NACSさんは全国に支部がありますけれども、海外支部をつくってもいいのかなと勝手に思っております。語学が必要ですけれどもね。

何を教えるかですが、日本の法律を教えるわけにもいきませんので、例えば消費生活アドバイザーであれば、アドバイザーとしての基本的な考え方や知識とか消費者志向経営をもっと掘り下げた部分を伝えていくといったことが考えられます。制度そのものじゃないのですけれども、そのベースにある部分を各国々の実情に合わせて伝えていくことが大切だと思います。その担い手は、NACSさんの会員でいいのかなという感じはいたします。

実際、インドネシアからクレジットトラブルの対応でいらっしゃった視察団がトラブル対応を消費生活アドバイザー資格者がやっているという話を聞き、消費生活アドバイザーってなんですか、内容を知りたいという質問があったようです。そうした話からも、アジアの国々では、消費生活アドバイザーに対するニーズがあるのかなと感じましたので、お話をさせていただきました。

○河上委員長 JICAさんとかACAPさんも随分いろいろなところとやっていますから、本当はそういう国際的なパイプを持っている方々がまとまって、御指摘のような活動ができれば一番効率的であると思いますけれども。

予定していた時間が本当にあっという間に過ぎて、もう三、四分しかなくなってしまいました。きょうは、いろいろ御意見伺って、本当に勉強になりました。消費者基本計画に関しては、今から消費者委員会で意見を取りまとめて出す予定でおりますので、きょうの御意見も参考にさせていただいて、考えていきたいと思います。

私、自分でメモをとっていたのですけれども、言われたことがたくさんありまして、きちんとまとめる自信がありません。1つには、体裁の問題があるみたいで、全体の目標が余り明確でなかったり、工程表がいかにも具体性を欠いていて、検討をずっと5年間もやっていくような工程表ではだめなので、もう少し明確な目標を立てて工程表をつくってほしいということがあります。

それから、KPIに関しても、それが意味のあるKPIになるようにということも随分御指摘がありました。

さらに、総論的な部分で、先ほど「格差社会」の話が出てきまして、基本計画にどのように反映するかは難問ですが、確かに大事な論点であるという気がいたしました。事業者の位置づけがいま一つはっきりしなくて、むしろここでの発言を伺っている限りでは、事業者と消費者と行政は三位一体で協力してやっていくのだという姿勢をはっきり出したほうがよいという御意見が強かったような気がいたしました。私も同感でございます。

あと、各論の話になると問題はたくさんございまして、それぞれまた後で整理して考えていきたいと思います。ただ、難しいのは、消費者問題というのは問題ごとに一固まりになっているのですけれども、他方で行政はそれぞれ別の、例えば法律とか制度的な対応ごとに縦割りをつくっています。ですから、消費者庁の縦割り行政の悪いところがこの中でも出てきてしまったということかもしれません。その制度的な縦割りの問題と、法律の個々の問題に対する対応の仕方によっても、また違ってきます。

そうすると、理念的に体系化しようとして、今回の計画はそれなりに頑張ったのですけれども、逆に問題ごとの対応においてはわかりにくくなったり、制度的な対応においてもわかりにくくなっているという面があります。我々も、実は以前は医者のカルテみたいな基本計画一覧表が出てきて、これはどこがどこまでやるのだというのを検討していたのですけれども、それが非常に見えにくくて全体の方向性がはっきりしないことを問題視していました。最近、石戸谷先生が対応表を考えながら悩んでおられるのですが、どういう形にしても、この基本計画をうまく作成するのは難しい。

ただ、全体として理念とか体系を明らかにして、今後の進む方向を見せる。そして、それに対して、一定の工程表をつくろうという一つの姿勢をもってつくられたということは評価したいと思いますので、できればその中でわかりやすいような形で組みかえなり、整理なり、あるいは体系的なそれぞれ制度との間のひもづけをやっていただくようなことも委員会として考えてみたいと思います。

消費者委員会に対しては、中村さんから非常に厳しい御指摘もございました。消費者委員会はこれから5年間、何をするのだということでありますけれども、それもしっかりと考えていきたいと思います。

≪3.閉会≫

○河上委員長 きょうは本当にお忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。皆様、本日は寒いですけれども、お気をつけてお帰りください。どうもありがとうございました。

(以上)

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