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第176回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2014年10月28日(火)16:00~16:45

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員
【説明者】
消費者庁 菅久 審議官
消費者庁 加納 消費者制度課長
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 景品表示法への課徴金制度の導入の検討状況について
    消費者庁 菅久 審議官
    消費者庁 加納 消費者制度課長
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会第176回本会議」を開催いたします。

また、本日は所用により唯根委員が御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○大貫参事官 議事次第にございますとおり、本日は資料1として1-1と1-2、及び参考資料として委員間打合せ概要をお配りしております。不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いします。


≪2.景品表示法への課徴金制度の導入の検討状況について≫

○河上委員長 それでは、本日の議題ですけれども、「景品表示法への課徴金制度の導入の検討状況について」ということであります。消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

景品表示法への課徴金制度の導入につきまして、当委員会は昨年12月に内閣総理大臣から諮問を受け、専門調査会を設けて、原則、本会議との合同会議として検討を行いまして、本年6月にその答申を行ったところでございます。同答申を踏まえて、その後、消費者庁において課徴金制度導入に向けた法改正の検討が進められ、8月の第170回本会議において、その時点での検討状況について消費者庁から御説明をいただきました。その後、消費者庁ではさらなる検討を重ねられ、去る10月24日に法案が閣議決定をされたということであります。

本日は、閣議決定された法案の内容について、前回説明いただいた内容からの変更点を中心に消費者庁から御報告いただいて、若干の意見交換を行いたいと考えております。説明時間は、恐縮ですが、15分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁加納消費者制度課長 それでは、消費者庁の加納と申します。私から御説明したいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

お手元の資料のほうで、今回、閣議決定しました改正法案の条文と、それから概要図をつけておりますので、この概要図に基づきまして御説明したいと思います。

先ほど河上委員長からお話がありましたが、前回、この消費者委員会で8月末にパブリックコメントに付するということで、その概要を御説明いたしました。8月26日から9月4日までという期間ではありましたが、パブリックコメントをかけまして、一定数の御意見をいただきまして、それに基づきましていろいろと内容の検討を深めてまいりました。また、この間、与党におけるいろいろな御議論もありまして、それを踏まえて検討を進め、先週の金曜日でありますけれども、閣議決定をしたという状況であります。

それで、内容でありますけれども、1枚めくっていただきまして横長の概要図がありまして、これに基づいて御説明したいと思います。背景・経緯等は、もう既に御案内のとおりですので、説明は割愛させていただきますが、課徴金納付命令、課徴金の減額、除斥期間、賦課手続といった大枠は、前回御説明したところと特に大きく変わるものではございません。

変更点としましては、課徴金納付命令の主観的要素のところが若干変わっておりまして、従前の案では、事業者が相当の注意を尽くしたことを証明したときは賦課しないという書き方をしておりましたが、その注意義務を尽くすという言い方が、全て尽くし切らないと認められないのではないかと受け取られる向きがあったということでありますので、そこを相当の注意を怠ったという言い方に改めております。相当の注意の内容については、また後ほど御説明したいと思います。

また、そのことを事業者が証明したという形で、証明責任は事業者という形で明記しておりましたが、ここについてはいろいろな議論がありまして、行政処分であるということで、証明責任は行政が負うという原則に立ち返るほうが適当ではないかと考えまして、そこはそれを前提に条文を書きおろすという修正をいたしました。

相当の注意を怠った者でないと認められるときは賦課しないという言い方でありますと、一見しますと事業者のほうにあると思われるかもしれませんが、これは原則として課徴金を課すとしつつ、ただし、一定の場合には課さないという条文のたてつけの構造になっておりまして、その関係から、こういう書き方をしておりますが、私どもとしては、立証責任は行政にあるということを前提に、こういう書きおろし方をしているということであります。

それから、被害回復のところでありますけれども、一定の自主返金に基づく課徴金額の減額または命じないという大枠自体については、特に変わっているところはありません。ただ、従前の案は、自主返金に加えまして、自主返金が奏功しない場合に一定の寄附というものを認め、その寄附によって自主返金を補足して課徴金額を超える場合には、あわせて免除の対象とするという提案をしておりました。

これにつきましては、パブリックコメントにおけるさまざまな御意見、もともと自主返金というのは被害回復ということで直接的でありますが、寄附というのが自主返金と同視するものかどうかということについては、疑問も提示されたところであります。

ここについてはいろいろと検討いたしまして、本則に帰り、課徴金は原則として国庫に納付すべきものである。それを減額する、あるいは命じないというのは、それ相応のものに絞り込みをするのが適当であると考えまして、寄附はこの際導入せずに、ストレートに一定の自主返金に基づく課徴金の減額、あるいは命じないという形で、たてつけとしては整理したところであります。

あと、ちょっと細かい話になるかもしれませんが、自主返金につきましては適正性を担保するという観点から、法律上も幾つか要件立てをしておりますけれども、返金措置計画という形で今回書いておりますが、それを作成し、内閣総理大臣の認定を受け、計画にのっとって返金していくことが事後的に確認できることを前提に、減額または納付を命じないというたてつけにしております。

あと、細かい話ですが、施行期日につきましては公布から1年6カ月以内という形にしております。比較的長目にとっていると思われるかもしれませんが、これにつきましては、例えば課徴金額の算定等について、政令や内閣府令、さらにガイドラインというところで詳細を詰めるということがありますので、そういったところにつきましては一定の期間を設けながら検討する。その検討したところを、さらに事業者、消費者、双方に十分な周知をするということで、一定の期間をとっておこうということで、1年6カ月以内で政令に定める日というのを施行日という形で測定しております。

もっとも、これは政令の策定が早ければ、早い時期に施行する可能性もありますので、私どもとしてはできるだけ早い時期に施行することを念頭に、法律がもちろん成立した後ということになりますけれども、さらに引き続き検討を進めることになろうかと思います。

ちょっとページを進めまして、14ページを御覧いただきますと、消費者委員会の従前の案との比較対照というものがございます。これを御覧いただきますと、色をかけておるところが消費者委員会の答申とは異なっているところでありまして、主観的要素のあたり、それから被害回復のあたりは、先ほど御説明したとおりであります。

あと、加算措置については、消費者委員会の答申においては検討が行われるべきという形で、むしろ積極的に提案いただいたところでありますが、結論として、これは今回盛り込んでおりません。ここにも書いておりますが、過去の措置命令を検証いたしますと、再発防止について加算をもって臨むべき必要性があるかどうかについては、過去の事案を見る限りは、必要性は認められないと考えまして、これは導入しておりません。

それから、先ほど1つ説明を飛ばしたものとしまして、相当の注意の内容というものがございますので、1点補足いたします。18ページでありますが、相当の注意というものにつきまして、ここに書いているような整理をしております。私どもとしては、この相当の注意というのは、表示する際に必要とされる通常の商慣行に則った注意をしていれば足りるものと整理しておりまして、※印のところですけれども、例えば先般改正されました景表法7条に基づく管理上必要な措置を講じている場合には、基本的には相当の注意を怠った者ではないと認められるという整理をしております。

消費者委員会でもいろいろと御議論出ましたが、いわゆる川上・川下のような問題というものに、これに応じて適切に対処することを考えております。

この間、消費者委員会の各委員におかれましては、いろいろと御指導いただいたと思っておりまして、改めてこの場をかりまして感謝申し上げたいと思います。法案は閣議決定しただけでありまして、まだ成立したわけではありませんので、今後は国会の審議に委ねることになりますけれども、私どもとしては、国会の審議に対応して、できるだけ早い時期にこの法案が成立するように、また努力を重ねていきたいと思っております。御説明は以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。石戸谷委員、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 御説明ありがとうございました。

これから国会で審議があるということなので、法律の細部については今後の議論になると思いますので、今回見送られた寄附の関連について個人的な感想を若干申し上げます。

今回の課徴金は消費者法の中に位置づけるということで、自主返金と寄附という、ほかの課徴金にない類型を盛り込んだということで、ここについて、そういう意味ではいろいろな議論があったと思います。この問題については、関連する諸制度とともに、今後またさらに検討を深めるべき大きいテーマだなと思っております。

というのは、一方で規制緩和がありまして、事前規制から事後監視にという動きが強まるわけですけれども、他方において行財政改革というのが行われている関係で、エンフォースメントの部分に人的あるいは財政的な措置をどんどん強化することができる体制にないと思われますので、今の状況に対応した形で公の部分と私的な部分との役割分担というのを再定義したほうが、今後のためによかろうと考えております。

そういう意味からしますと、公の秩序について国が責任を持ち、私人については被害救済を図るのみということではなくて、私人側のほうでも被害救済、権利行使とともに、あるべき法の実効性確保について果たし得る役割をちゃんと位置づけて、他方、国のほうでも、秩序維持だけではなくて、被害救済のほうを促すという意味合いで相互の役割を再構築することが望まれるのではないかと思います。そういう意味では、今回、自主返金について盛り込まれたことは、そういう方向からして大いに注目すべき問題だと思います。課徴金の枠組みの範囲に限らず、この問題については、今後さらに検討を深めていくべき問題だなと考えています。以上です。

○河上委員長 特に、これにお答えいただく必要はないですね。

ほかにはいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 質問が2つあります。

1つは、概要のところの課徴金納付命令で、規模基準、課徴金金額が150万円未満となる場合は、課徴金を賦課しないとあります。ここで言う課徴金は、通常、売上高の何%、ここでいえば3%が150万円となると思うのです。その下に第9条で課徴金額の減額とあります。自主申告すると課徴金額の2分の1を減額し、課徴金納付命令は多分この2分の1という金額が出てくると思います。これも課徴金額となるので、そこで混乱が起きるような気がします。この2分の1を減額したものを何と呼ぶことになるのでしょうか。

例えば150万円で自主申告すると75万円になり、課徴金は75万円となる。そうすると、150万円未満じゃないか、と話が混乱する可能性がある。呼び方を少し工夫されるのかと思った次第で、それを確認したい。

もう一つは、4ページに自主返金があります。この自主返金をするときに、実施予定返金措置計画提出というものがあります。この法律が定める所定の手続に乗って減額になるフローだと思います。そうすると、この事業者がもし自主返金する場合には、まず必ず実施予定返金措置計画書を出さなければならず、このフローチャートに途中から乗ることはできないのか、この2点の質問です。

○河上委員長 お願いします。

○消費者庁加納消費者制度課長 1点目は、言い方はちょっと工夫の余地があるかもしれませんが、結論から申し上げますと、75万円の場合は75万円を課徴金額として取りますということを想定しております。自主返金による減額というのは、まず課徴金額があって、その後で減額するということですけれども、そこは150万円の縛りとはまた別途ということで御理解いただければと思います。

それから、自主返金につきましては、計画を出していただいて認定を受けるというのが前提でありますので、計画を出さない場合には、残念ながらこの枠組みには乗らないということであります。

○河上委員長 その話で言うと、300万円弱の課徴金だったときに自主返金すると150万円以下になってしまいますね。半額になる。この半額が150万円弱のときというのは、課徴金がかかるのですか、それともかからないのですか。

○消費者庁加納消費者制度課長 かかります。

○河上委員長 かかるということでよろしいのですね。

○齋藤委員 言い方がちょっと混乱する。

○河上委員長 自主返金したのだから150万円を下回ったじゃないかとは言わさないという理解でよろしいですね。

ほかにはいかがでしょうか。岩田委員どうぞ。

○岩田委員 閣議決定まで持っていかれて、本当に御苦労さまでございました。8月に御説明いただいたときの案と比べれば、消費者委員会の答申の反映という観点から見て、若干残念な点も生じておりますけれども、課徴金の骨格のところは、これで国会を通れば実現できることになったということは、本当にうれしいことだと思います。特に、不実証広告規制が対象に入ったということと、先ほど石戸谷先生も言われましたけれども、自主返金を促進するような仕組みが入ったことは、これまでの検討の経過を踏まえましても非常に前に進んでよかったかなと思っています。

ここからのお尋ねは、ここまでの経緯で、どこからどんな御意見があって、こうなったかということについてですが、ある程度マスコミの情報とか消費者委員会の事務局を経由した情報で理解しておりますけれども、改めて消費者委員会の場で御説明いただきたいと思うのです。

まず、パブリックコメントを踏まえて修正されたところ、主要な点だけでよろしいのですけれども、どこかということ。

そして、閣議決定に至るまでに与党調整をされたと思いますので、その過程で変更になった点。

それから、各省協議はパブリックコメントに出す前に実質的に終わっていたと思いますけれども、官邸も含めて、政府の中の御意見で変わった点、そういう観点から御紹介いただければと思います。

それから、野党説明も多分やられているのではないかと思うのですけれども、野党からはどんな評価・意見が出てきそうかということについても、差しさわりがない範囲で結構ですけれども、教えていただければと思います。以上です。

○消費者庁加納消費者制度課長 まず、パブリックコメントでありますけれども、先ほど御説明いたしましたとおり、8月26日から9月4日までやりまして、合計172件の御意見をいただいたところであります。172件の内訳につきましては、原案をおおむね支持する意見が42件、原案より厳しく課徴金を課すべきとする意見が66件、原案より課徴金を課す場合を限定すべきという意見が54件という割合でありました。

各論点に対する意見や考え方につきましては、詳細は消費者庁のホームページに公表しておりますので、またそちらを御覧いただきたいと思いますけれども、例えば今、岩田委員御指摘の不実証広告規制につきましては、これを課徴金の対象にすることは必要であるという意見もあれば、対象とすべきでないという意見も御意見としてあったところでありまして、そういった御意見も踏まえて検討し、今回、ペーパーで書いておりますように、推定規定という形で入れると。これは、消費者委員会で前回御報告したところと枠組みが変わるものではありませんが、そういった形で入れているところであります。

また、意見や関心を比較的呼んだと思われるところとしましては、算定率というのもございます。このペーパーでは売上額の3%と書いておりますけれども、パブリックコメントでいただいた意見としましては、この3%という数字は不十分ではないかという御意見も多数いただきました。他方で、特に中小零細企業を念頭に、この3%という数字のまま課徴金ということにしますと、事業活動の継続が困難になるのではないかという観点で、例えば小売とか卸売といった業種あるいは規模によって、その算定率を3%でない数字とする。1%、2%ということだと思いますけれども、するのが適当であるという意見もあったところであります。

これにつきましては、今回の課徴金制度の趣旨、不当な表示を抑止するということを踏まえまして、また一般消費者に与える影響というものを勘案いたしまして、私どもとしては一律に3%にするのが適当ではないかと考えて、これは原案を維持したと結果的にはそうしているところであります。

そのほか、いろいろ御意見はございましたけれども、先ほど岩田委員がおっしゃった修正点との関係で申し上げますと、大きくは2点でございまして、その主観的要素のところ。とりわけ立証責任の所在というところについても、さまざまな意見がございました。また、先ほど石戸谷委員から御指摘がありました、被害回復の制度に寄附を加味する免除制度を設けているところにつきましても賛否両論あった。もちろん賛成の意見もございましたが、これは課徴金制度には合わないという観点の御意見もあったところでありまして、そういった御意見も踏まえて検討を重ねてきたという経緯でございます。

それから、与党調整でありますけれども、消費者委員会に8月末にお出しした案などで御説明し、与党からもいろいろと御指摘いただいたところでありまして、先ほど申し上げましたパブリックコメントにおける御意見もあわせて検討し、最終的には今日お示しした案で与党からも御了承いただいたところであります。

各省協議及び政府内の検討でありますが、ここでは特に大きな変更はなかったものと認識しております。ただ、法文上、技術的な観点から、一定の調整というのはございましたが、大きな枠組みについて各省協議や政府内の調整において、大きく変わるところはなかったと認識しております。

最後、野党の感触でありますけれども、これは私ども、必ずしも正確には把握できておりませんで、むしろ今後、国会において野党からさまざまな立場の御指摘があると考えております。私どもとしましては、野党からも御理解いただいた上で、早期にこの法案が成立することに向けて努力するということであります。

○河上委員長 よろしいでしょうか。

ほかにはいかがでしょうか。高橋委員。

○高橋委員 2点御質問させていただきます。

1点は、返金措置の実施についてですが、適正な返金のために被害者をどう特定するかというのは重要なポイントだと思います。しかしながら、この案では特定の仕方というのが定められていないわけです。これは政令で定められるものと推察いたしますが、その場合、さらにパブリックコメントのような形をとって、消費者サイドの意見を聞くなどの機会が与えられるのかどうか、それをお伺いします。

2点目は、相当の注意を怠った者について、主観的要素の立証責任を行政が負うという説明がありました。不当表示の抑止力という点から見ていくのだと思いますけれども、景表法第7条第1項で規定する、必要な措置の主語の事業者というのが何を指すのかが不明瞭な気がいたします。親会社がグループ会社のコンプライアンス機能を果たして、グループとしての法令遵守の方針を示していれば、子会社はオーケーなのかどうか、それについて確認させていただきたいと思います。

○河上委員長 よろしいでしょうか。お願いします。

○消費者庁加納消費者制度課長 1点目は、私から。返金につきましては、この法律で言いますと第10条第1項になりますけれども、返金対象につきましては、「課徴金対象期間において当該商品又は役務の取引を行つた一般消費者であつて政令に定めるところにより特定されているものからの申出」となっておりまして、その詳細は高橋委員が御指摘のとおり、政令によって定めることを予定しております。

私ども、この法案の立案過程において想定しておりますのは、典型的にはクレジットカード取引などによって、事業者が相手方である一般消費者を特定しているような場合を想定しておりますけれども、それ以外にどこまで広げられるかというところは検討の余地がある。その観点としましては、これは課徴金というのは原則として国家に納付すべきものと。ところが、適正な返金を促すことによって課徴金を課すまでもないと正当化される場合にあっては、返金に委ねるという発想でありますので、課徴金を課さないに足りる適正な返金であるということが、ある程度制度的に担保されているものでなければならないと考えておりまして、それをどこまで認めるかということについては、さらに政令を策定する中で検討してまいりたいと思います。

これは政令でありますので、当然パブリックコメントの対象になります。高橋委員の御指摘のとおり、消費者サイドの意見も含め、パブリックコメントにおいていただいた意見を踏まえながら検討していくことになろうかと思います。

○消費者庁菅久審議官 2つ目の点でございますけれども、事業者、グループであろうが何であろうが、方針を示しただけでは相当の注意には足らなくて、表示する際に、平たく言えばちゃんとチェックしているか、確認しているかどうか。18ページの四角囲いのところに書いてありますけれども、例えば取引先から来た納品書に、例えば産地の表示であれば、何々産と書いているのを確認した上で、そのとおり表示しましたということであれば、それで大丈夫ですけれども、納品書に何も書いていないのに勝手に書いたら注意していないことになりますし、それはそれぞれ表示をする際に必要な注意をしたかどうかということで判断されることかと思います。

もちろん、方針を決めてきちんとやっていくことは重要ですけれども、方針を決めても、具体的な表示をする際に、その方針に従ったことをやっていなければ、それは注意したことにはならないことになろうかと思います。

○河上委員長 よろしいですか。

○高橋委員 御説明ありがとうございました。

2つ目のほうは、行政がその辺は詳しく調査すると理解してよろしいですか。

○消費者庁菅久審議官 はい。現実的には、事業者の方から、これこれの注意を私はしたのですという主張があって、争点になることだと思いますので、そういうことを前提に必要な調査をしていくということかと思います。

○高橋委員 1点目のほうは、パブリックコメントの件はよくわかったのですけれども、クレジットカードが主ということで、レシートを持っていった消費者とか、家計簿にきちんと記載してあるというケースが除外されるのもどうなのかなと思いますので、慎重に検討していただきたいと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 高橋委員御指摘のような御意見もありましたので、それも検討課題になってくると思います。

○河上委員長 ほかには。山本委員、どうぞ。

○山本委員 まず、ここまでこぎつけていただいたことに感謝申し上げたいと思います。法技術的にはかなり難しい問題もあったのではないかと思いますけれども、この法文にあらわれた部分、あるいはあらわれていない部分も含めて、いろいろ御検討いただいたことと思いますので、その点については、まず感謝申し上げたいと思います。

意見になりますが、主観的要素の部分です。ここは、確かに変更があったと思いますが、それほど根本的なものではないのではないかと私自身は思っています。1つは、先ほどの注意義務を尽くしたという表現が相当の注意と変更されているという点ですけれども、この点は消費者委員会でも、一定の注意義務を尽くしたということについては、これはケース・バイ・ケースであると。事業者の規模とか業種とか、いろいろなことを総合的に勘案して注意を尽くしたかどうかが判断されると議論されていたと思いますので、中身が変わっているというよりは、表現として慎重な表現がとられたということではないかと理解しています。

それから、反証の点です。消費者委員会の答申では反証とはっきり書かれていたところが、むしろ案では、そこについて行政庁側が一定の調査をすることが想定された書き方になっているということでございます。これは確かに一定の変化であると思いますけれども、結局、景表法違反行為があったということを認定すると、場合によっては、かなりそこで相当の注意を怠っているだろうと推定できる場合があるだろうと思います。

それから、先ほどお答えがございましたけれども、実際上はまず行政側が調査して、いろいろ聞くわけですけれども、そうすると、恐らく事業者側からこういう事情がありますということが具体的に主張されて、さらに調査が進んでいくという過程をとるだろうと思いますので、実際上のプロセスを考えても、それほど大きく変わるという感じではない。

ただ、そういう注意義務の点について行政側が注意を払った上で処分しなくてはいけないということが、変更後の案では明確になっているわけですけれども、実際の動きを考えると、違法行為の認定をしなくてはいけないわけですし、細かい事情は結局事業者に聞き出して、そこからいろいろなことを出してもらった上で調査が進むということですから、そういう点では、余り根本的な変化というわけではないのではないかと認識しております。

○河上委員長 特にお返事はよろしいですか。はい。

ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

前にもちょっと話題になったのですけれども、課徴金の算定率に関して3%という数値を出してきた。それは、いわゆる中央値をとって、この数値にしたのだという説明を以前にいただいたわけですけれども、中央値という概念については、いろいろな方から、まだ質問されることが多いので、もう少しきちんと説明していただけるとありがたいと思います。少なくとも半分以上の事業者に関して言うと、実際に獲得したといいますか、利益として上げたものについては、やり得になってしまうのではないかという御意見もあったりしますが、中央値というのは一体何を考えて、こうしたのですか。それとも、前の独禁法のときの3%という数値があったから、それにたまたま合ってしまったということなのですか。

○消費者庁菅久審議官 ここは、基本的な考え方は前の法案と変わっていないわけですけれども、いわゆる売上高営業利益率。過去の違反した事業者、措置命令を受けた事業者。今回ですと、消費者庁発足以降の事件で措置命令を受けた事業者のうち、わかるものということですけれども、その売上高営業利益率を出しまして、事業者全体の売上高営業利益率ということですけれども、それを並べて真ん中のところが、ちょっと上回っているのですけれども、3%ちょっとということでしたので、前回の法案でも3%ということももちろんありますが、そう違わないということで、今回、同じように3%という数字を出してきたということであります。

○河上委員長 ただ、今回の課徴金の額を考えるに当たっては、不当な表示をするインセンティブをそぐといいますか、事前抑止にふさわしい数値にしようじゃないかというあたりでの一般的な合意が委員会の中ではございました。答申の中では具体的な数値は示さないけれども、そのような不当な表示への気持ちをそぐだけのインセンティブを与えるような数値という観点から、3%というのが選ばれているのではないかと期待しているのですが、そういう観点からすると中央値というのはどうなのでしょうかという御質問ですけれども。

○消費者庁菅久審議官 不当表示による利得を剥奪することによって、不当表示を抑止するという制度ということでございますけれども、本来的には個々の不当表示による、まさに利得というものが計算できれば、その数字を使って何らかのものを出してくるということがあるかもしれないですが、残念ながらそういう数字がない。これは、20年法案のときも同じですし、今回も同じでございます。

そこで、不当な利得を何で擬制していくかという話になってくるのですけれども、それが可能な数字ということで売上高営業利益率を持ってきたということでございますので、そういう意味では擬制ということではありますが、とりあえずの出発点としては、この数字で始めてみたいということであります。

○河上委員長 消費者の側から支払われた代金というのは、言ってみれば消費者の損失であって、それが原資になって事業者の利得ができ上がっている。少なくとも議論の当初は、その原資になった利得を消費者が容易に取り返せないから、これを国が取り返すのだという形で課徴金が正当化された時期がありました。

そういう不当利得を吸い上げるといいますか、吐き出させるという観点が、ある段階ですっと姿を消して、課徴金制度というのは制裁金であるという説明のほうにぐっと傾いたという印象がぬぐえません。この点は、人によっては誤解する可能性があるという気がしたので、その辺のことについてももう少し説明が必要じゃないかという気がしていたのですけれども、どうでしょう。

○消費者庁菅久審議官 我々といたしましては、変わっているつもりは実はないのですけれども、一定の金銭的な不利益を課すことによって不当表示を抑止する仕組みということでございますので、金銭的不利益としてどういうものを設定していくかということだと思います。個々個別に不当な利得というものを算定することが可能であれば、まさに個々個別にそれを徴収することがあるかもしれませんけれども、そういうことは基本的になかなかできない、それから行政上もコストがかかり過ぎるということもあると思います。不可能ということもあると思います。そういうことで、一律の率でということになったときに、ではどういう一律の率かということかと思います。

この3%についてはいろいろ御議論ありまして、もちろん少ないという御議論もあるのですけれども、一方で大き過ぎるという御議論もあって、そうした中で今回、この数字に最終的に落ち着いているということかと思っています。

○河上委員長 ここでまた3%がどうこうということを蒸し返すつもりはないのですけれども、人によっては、これは不当利得の吐き出しの問題という観点から説明をしようという人もいらっしゃる。その問題と混同してしまうと、例えば利得の原資が消費者から出た損害にあって、だから消費者のほうに間接的ながら還元できるような寄附というものも組み込まれてはどうかという話が、説明としては結びつくものと個人的には理解しておりました。

ですから、そういうものではなくて、これはあくまで制裁金であって、その制裁金が不当な表示の抑止にとって効果的かどうかの判断に、これは純化するのだということになった。ある時点で課徴金制度の制度趣旨に変更があったのではないかと私自身は感じていたのですけれども、その辺はそうでもないのですか。

○消費者庁菅久審議官 課徴金制度ということで言いますと、そもそも金銭的不利益を課すことによる違法行為の抑止ということでございますので、そこにとどまれば次に被害回復までいかないわけですけれども、今回はそれに加えて、その制度の中で事業者による自主的な対応、それが被害回復につながりますので、それを促す、または妨げないという制度を組み込んだということだと思っております。根本のところは、個別に国が個々の不当利得を取るというよりは、一定の金銭的不利益を課すことによる違法行為の抑止ですけれども、それに加えて、資料の真ん中の目的に書いてありますように、それとともに、被害回復を促進するための措置というものを今回入れたということかと思っております。

○河上委員長 ありがとうございました。ここから先、具体的に法案として国会で審議されるわけでありますけれども、今回御報告いただいた法案は、基本的には当委員会での答申内容の骨格部分は反映していただいておりますし、若干異なる部分があることについては残念ではありますけれども、消費者庁が迅速に法案策定作業を進められ、今般、閣議決定まで持っていかれたということについて、その御努力に対しては心から敬意を表しますとともに、感謝申し上げたいと思います。

本法案が滞りなく国会で早期に成立することを期待しております。なお、この法案が成立した暁には、消費者庁において執行という問題がありますので、その体制を整備されていかれることと。それから、仮にこの法案によって課徴金を課してもなかなか改善が見られない、あるいは再犯事例が出てくるというようなことがあった場合には、速やかに見直しなども検討していただけるとありがたいと考えております。まずは第一歩でありますから、今国会で早期に成立することを心から期待したいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(消費者庁退室)

○河上委員長 本日の議題は以上でございます。


≪3.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いしたいと思います。

○大貫参事官 次回の本会議につきましては、11月4日火曜日、17時に開催を予定しております。

この後、委員間打合せを開催しますので、委員の皆様におかれましては委員室のほうに御移動いただきますようお願いいたします。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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