第133回 消費者委員会 議事録

日時

2013年10月8日(火)16:00~17:37

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

岡田内閣府副大臣
【委員】
河上委員長、石戸谷委員長代理、阿久澤委員、岩田委員、齋藤委員、高橋委員、夏目委員、橋本委員、山本委員、唯根委員
【説明者】
消費者庁 長谷川 総務課長、松本 消費者制度課個人情報保護推進室長
【事務局】
小田事務局長、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 岡田内閣府副大臣ご挨拶
  3. 消費者安心戦略について
    • 消費者庁 長谷川 総務課長
  4. 平成24年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について
    • 消費者庁 松本 消費者制度課個人情報保護推進室長
  5. その他(消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文一覧について)
  6. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。
本日は皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第133回)」会合を開催いたします。
配付資料の確認につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○大貫参事官 お手元の資料ですが、議事次第、資料1-1、1-2、1-3、資料2-1、2-2。その後は参考1、参考2がございまして、資料3。最後に参考資料でございます。
もし不足がございましたら、事務局までお申出いただきますようお願いいたします。
また、本日は、岡田内閣府副大臣がお越しになって御挨拶いただく予定でしたが、公務のために到着がおくれております。到着次第、御挨拶をいただきたいと思っております。
以上です。

≪2.消費者安心戦略について≫

○河上委員長 それでは、議題に入ります。
最初の議題は、「消費者安心戦略について」です。消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
消費者庁では、安倍内閣の成長戦略が目指す、「消費が増え、新たな投資を誘発するという好循環」、その実現には、健全で活気と厚みのある消費市場の構築が不可欠であるという観点から、消費者の不安を払拭し、安心・安全を確保するため「消費者安心戦略」を取りまとめ、積極的に推進するとしております。本日は、消費者安心戦略の概要や、同戦略に基づく消費者庁の当面の政策スケジュール等について御説明をいただき、意見交換を行いたいと思います。
それでは、説明をお願いしたいと思いますが、説明時間については20分程度でお願いいたします。

○消費者庁長谷川総務課長 消費者庁の総務課長をしております長谷川です。本日はよろしくお願いします。
早速でございますが、資料1-3PDFを別ウィンドウで開きますというものがございます。今、河上委員長からお話がございましたが、「消費者安心戦略」は、平成26年度予算要求、機構・定員要求に合わせてこの8月に策定いたしました。資料1-3の1ページ目の後ろを見ていただきますと、消費者庁の26年度の概算要求が書いてございます。一般会計と東日本大震災復興特別会計、合わせて107.6億円、前年度比で16%増。一般会計のみで見ますと、100.1億円、前年度比で18%増でございまして、ようやく100億円に達するということでございます。また、資料1-3の裏を見ていただきますと、機構・定員は、消費者庁は現在、289名の定員でございます。それに対しまして、新規増員を28名ということで要求させていただきます。
先生方はこのような数字を見ますと、関係省庁の大きな省庁からしますと、まさに1課分あるいは1局分の予算なり定員なりと思われます。私は前は消費生活情報課におりまして、そして総務課長になりましたが、改めて、消費者庁は「小さく生んで大きく育てる」ということでございますが、本当に小さく生んでいただいたなという感じがしております。これから必死になって頑張らなければならないと思っております。
そうした中で今回、消費者安心戦略ということで基本的な構成を整理させていただきました。資料1-1PDFを別ウィンドウで開きますをごらんいただきたいと思います。アベノミクスを推進する中で、これまでのアベノミクスの御方針は、どちらかといえばイノベーションなど、事業者、供給側中心だったと思いますが、消費がきっちり増えるという観点では、健全で活気と厚みのある消費市場ということで、まさに需要側をいかにして整備していくかという観点が重要と思っております。今回、私どもは左側と右側2つに大きな柱立てをしておりますが、これをつくったときは消費税のゴーサインが出る前でございまして、明確に消費税の引上げについては書いてございませんので、ここは追記、拡充してみたいと思っています。
まず、「物価・消費市場関連対策」の推進ということでございますが、まさに消費市場の中でも価格の動向。消費税がアップされますし、円安傾向にございますので、生活関連物資が徐々に上がっているということでございます。デフレ状況は大分改善しつつありますが、随分とその環境も変わってきておりますので、消費者の目線に立った形で、そうした価格のウォッチをしていくとか、あるいは公共料金の問題に見られますように、企業の競争、あるいは消費者の選択、そうしたものを一つの柱としてしっかり見てまいりたいと思っております。公共料金の改定については、消費税の転嫁は当然行われますので、また、こちらの消費者委員会でも御審議いただくことになるのではないかと思っております。
特に物価関連では、物価モニター体制を強化してまいりたいと思っています。後ほど詳しく説明させていただきます。また、もう一つの柱といたしまして、これは消費者政策、行政のどちらかというとメインということだと思いますけれども、「消費者安心・安全確保の対策」ということで、消費市場の制度設計、あるいは執行、これは救済を含みますが、そうしたものを中心に組み立てております。この中には消費者教育の充実ということで、消費者教育は左に入るか右側に入るか、微妙なところではありますが、このような形で制度設計、執行、救済といったところを大きく整理させていただいております。
今回、成長戦略につきましては予算とセットでございますので、恐れ入りますが、資料1-3を改めてごらんいただきたいと思います。
まず、2ページ、「重要事項のポイント」でございます。1つ目の「物価・消費市場関連対策」の推進ということでございます。今回、物価モニター体制を強化してまいりたいと思っています。実は物価モニターというのは旧経済企画庁のときにありましたが、消費者庁ができるときに、実はデフレ下ということもあって、マーケットに対するウォッチ機能といいますか、必要性が低かったものですから、消費者庁になったときにこれを廃止いたしまた。それを改めて今回、ニーズが高いということもありますし、消費者庁としては、消費税の便乗値上げについてはきっちりとウォッチする必要がございますので、強化してまいりたいと思っています。来年度は、実は今年度から一応予算がついておりますけれども、それを拡充する形で私どもは増額要求をさせていただいているところでございます。
現在イメージしておりますのは、モニターについては、消費税関係では全国で4,000名を予定しております。消費税の引上げ前と引上げ後の、消費者の皆さんが買われている商品の銘柄、それがどのように変化しているかということをチェックしていただきます。消費税以外の物価において、例えば石油関連製品とか、そういうものが上がっているということがあれば、機動的に調査をお願いしたいと思っております。
そうしたことで、私どもでは、市場、事業者に対する便乗値上げの牽制、抑止力という役割も期待していますし、実際に何か問題があればその情報を関係省庁と共有して、関係省庁において適切な権限の中で対応を求めていきたいと思っています。
また、今回の物価モニターについては速報性を重視しておりまして、現在、消費者物価指数というのがありますが、消費者物価指数のもとになっている小売物価統計よりも速いスピード感で公表したいと思っています。調査の内容の幅広さにおいても、現行の小売物価統計よりも幅広い、例えば銘柄を消費者のニーズに合った形で調査してまいりたいと思っております。
公共料金の関係は、電気料金についてもいろいろと聞こえてくるところでございますので、これについても、引き続き消費者委員会と連携しながら対応してまいりたいと思っております。
次に、消費生活相談員の一層の質向上と養成・確保ということです。こちらは、いわゆる地方支援ということで、地方消費者行政活性化基金を利用して生活関連物資の上昇において、恐らく相談が地元の相談員、生活センターに来ると思いますので、そうした方々がきちんと対応できるように我々としては支援してまいりたいと思っています。
3つ目でございますが、消費税転嫁対策特措法の普及啓発ということです。こちらは先般成立いたしましたけれども、消費税分を値引きする際に、例えば消費税は当店が負担しておりますとか、消費税還元セールとか、そういう誤認を与えるような表示は宣伝広告を禁止しているところでございますので、そういう理解を事業者団体に求めていきたいと思っております。こうした関連の講習会への講師派遣ですとか、違反行為を行っている事業者に対しては勧告を行いたいと思っています。これは全くの新規でございまして、6,300万ということでかなりの増額を予定しております。
2つ目でございますが、消費市場関連です。事業者と消費者の協働支援ということで、コラボを進めてまいりたいと思っています。3ページ目をごらんいただきますと、事業者の商品企画・開発段階における消費者と事業者の一層の協力と申しますか、そういうものをぜひ進めてまいりたいと思っています。
ここについて、例えば東京都からも話がありましたけれども、ブラインドのひもがお子さんの首に巻かれてしまって事故が発生する、そういう事案とか、子どもの自転車の事故とか、そういうものが多発している。事業者にそういう防止策を踏まえた商品開発をしてもらいたいということで、そのようなコラボレーション、先駆的なプログラムを考えております。特に食品ロスについては、今、800万トンぐらいと、米の生産量と同じくらいと言われています。この問題は今、関係省庁と連携をとっておりますが、事業者だけの問題ではなく、やはり消費者もそれなりの役割、責任があると思われますので、そこを支援してまいりたいと思います。
次に、リスクコミュニケーション、風評被害対策です。被災地おいて、なかなか状況は変わっていない現状がございます。食品の放射性物質に関する意見交換会で中心となるような専門家、我々はコミュニケーターと呼んでいますけれども、栄養士、保健師、そういう方々を想定していまして、コミュニケーターの養成を通じてリスクコミュニケーションということで、全国における意見交換会、情報交換、そういうものを展開してまいりたいと思っています。風評被害、事実に基づかないで消費行動が行われるということもありますので、正確な事実のもとでの理解において消費をしていただきたいという観点で、風評被害の払拭にも貢献してまいりたいと思っています。環境などに配慮した消費生活といったところも消費者の役割は大きいものですので、そうしたものへ普及啓発を、来年度、要求として出しております。
2つ目の大きな柱は、「消費者安心・安全確保対策」でございます。
まず1つ目でございますが、消費者の生命・身体・財産の安心・安全確保の観点から、我々としては被害防止対策を積極的に展開してまいりたいと思っています。制度とともに消費者の意識、認識も重要でございますので、消費者教育の充実ということでございます。自ら考え自ら行動する消費者教育ということで、先般閣議決定いたしました基本方針に基づきまして、多様な消費者教育の担い手が参加できる消費者教育を、各地あるいは各場で推進してまいりたいと思っています。特に地域におきまして、これまでは消費生活センターは、消費者トラブルの相談を受け付ける、そういうイメージが強かったと思いますけれども、そこを消費者教育、人材育成あるいは情報発信の拠点としても位置づけたいと思っておりますので、必要な指針、マニュアル、そうしたものを作成して支援してまいりたいと思っています。
実は次が、我々としては当面、非常に重要視しているところでございます。トラブルに遭うリスクの高い消費者(高齢者、被害経験者)を守る地域ネットワークの構築や啓発活動ということでございます。資料1-2PDFを別ウィンドウで開きますの3枚目をごらんいただきたいと思います。個別事項マル2といたしまして、「消費者被害防止対策」の積極展開ということでございます。名称はいろいろ御議論あろうかと思いましたけれども、我々としては、地域で取り組む「狙われ消費者防御作戦」と。仮称でございまして、もっといい名称があれば承りたいと思いますけれども、今、高齢者の、一次のみではなく二次被害、三次被害が非常に増えております。
左側のグラフを見ていただきますと、全体的な二次被害の数は傾向的には下がってきていますが、65歳以上、高齢者の二次被害が2010年あたりから段違いに増えています。2010年、2011年、2012年と、それまでの時期とはまるで違うレベルになっています。やはり高齢者人口が増えているということもあると思います。加齢や認知症等の要因により判断力が低下しつつある人が増えているということがありますし、また、認知症の高齢者についても非常に数が増えている。正常と認知症の中間状態の方を含めますと820万人ぐらいいると言われていますので、この問題が深刻になっているということでございます。
さらに、右側のグラフを見ていただきますと、被害に遭った方々が自ら申し出るとか、相談するというのではなく、周りの方々が相談を寄せられているという傾向が70代以降で顕著に増えているということもございます。まさにこういう状況でございますので、我々としては、積極的なアウトリーチを含めた見守りの対策、サポートを構築していく必要があろうかと思っております。
3ページ目をごらんいただきたいと思います。「消費者被害防止対策に関連する取組みのスキームイメージ」でございます。こうしたトラブルに遭うリスクの高い方々を地域の段階で何とかネットワークをつくって予防していこうではないか、サポートしていこうではないかということです。福祉の関係の方々、消費者団体の方々、商店街の方々、そういう地域の関係者、また、自治体の福祉部局、警察、特商法執行機関、そうした連携をやりまして、消費生活センターが軸となって被害の防止、抑制をしてまいりたいと思っています。
右側に書いてございますが、取組のイメージです。被害防止対象者を特定しないといけませんので、我々としては、特商法の執行機関、あるいは警察から得られる情報を何とか活用できる仕組みを構築していきたいと思っています。また、今年度から始まりますプログラムとして、通話録音装置なども活用し、そういうものも抑止力として機能すればいいのではないかと思っています。
こうしたものを、我々は今、プログラムとして実施し、全体的な取組みをしているところでございます。
次の4ページ目にもスケジュールということで、既に自治体においては一部、こうしたネットワークの事業をしているところはございますが、我々としても、活性化基金を通じたバックアップ、あるいは消費者教育の基本方針ができましたので、そうした中でも位置づけてまいりたいと思っています。
今後の予定といたしまして、関係省庁との連携は不可欠でございますので、こちらをやっているところでございます。また、相談員の資格や地域の見守り体制に関する検討もやっている最中でございます。こうしたことでネットワークの充実を図っていくということで、特に当面の課題としてピックアップしております。
次は、資料1-3の4ページ目でございます。今までは被害防止でございましたが、今度は被害回復の面でございます。これも委員の皆様、御案内のとおりだと思いますが、「消費者被害の集団的回復のための裁判手続」の構築をはじめとした消費者被害回復のための取組みの充実ということでございます。例の財産被害回復のための民事裁判手続の特例に関する法律案、これはこの前の国会におきまして、衆議院で5時間40分の御審議をいただいたところでございます。そういう意味では、今、継続審議中になっております。
我々としては、ぜひ速やかに御審議、御賛同を、引き続き衆議院、また参議院で御審議いただきたいと思っていますが、10月15日からスタートする国会で会期の終わりが12月6日と聞いています。そうなりますと、11月ぐらいから御審議いただくと本当にぎりぎりの状況かなと、我々も危機感をもってお願いしているところでございますので、こちらについても精いっぱい対応してまいりたいと思っております。ここについては、法律が成立した後の施行に必要な準備、あるいは制度の周知、そうしたことの対応でございます。
それから、地域における身近な消費生活相談体制の強化ということでございます。こちらについても、消費者行政は地方での対応が最も重要と思いますので、自治体へのさらなるバックアップをしてまいりたいと思っております。
資料1-2の個別事項マル3に地方消費者行政活性化交付金の説明がございます。こちらについては、地方消費者行政において、我々としては底上げ、バックアップすべき対応をしているところでございます。これまで、基金においては304億円の予算がついてまいりました。これは関係自治体において、相談窓口の整備ですとか、相談員の配置、あるいは消費者教育にも使っていただきました。おかげさまで、消費生活センターあるいは窓口設置の自治体が増えたり、相談員が増えていますけれども、まだ身近な相談体制は緒についたばかりということでございます。
なお、こちらの予算については、来年度は10億円ということで要求させていただいております。ただ、通常ですとこの額では足りませんので、補正で対応する形になっております。この面でも我々としては、引き続き、財政当局と連携しながら対応できる限りの対応をしてまいりたいと思っております。
3つ目の最後のパーツでございますが、「生命・身体・財産の安心・安全確保」ということで、3つ、今回の安心戦略の中では位置づけております。
まず、食品表示の充実でございます。この6月に成立した食品表示法に基づきまして、2年以内に食品表示基準を策定することになっております。栄養表示の具体的ルールの策定のための検討を進めてまいりたいと思っていますし、また、6月に閣議決定しました規制改革実施計画におきまして、いわゆる健康食品の機能性表示を可能とする仕組みについて所要の調査をしてまいりたいと思っています。これも大幅増でございます。
2つ目は、リコール情報の周知強化による事故再発防止でございます。これも委員には御了解いただいていると思いますが、例のTDKのリコールを実施していた加湿器による火災事故、これは死亡事故に至ったわけです。せっかくリコールになっているにもかかわらず、情報が届かないためにそういう事故が起こるということでは非常に問題でございますので、昨年から消費者庁が運用しております分野横断的なリコール情報サイト、これもしっかりと拡充してまいりたいと思っています。また、御高齢の方のように、なかなかこういうサイトにアクセスできない方々に、どういうふうにリコール情報を目に触れるような形をつくっていくかといったところを検討し、取組みを強化してまいりたいと思います。
最後になりますが、悪質商法への厳正な取締りと消費者取引の適正化ということでございます。こちらにつきましては先ほどの取組みと重なる部分はございますが、不正な勧誘行為を取り締まるための特商法の厳正な執行。それから、トラブルに遭うリスクの高い、二次被害になる可能性の高い消費者、高齢者を何とか防止するために、執行を通じて入手した契約者リスト、こうしたものを消費者庁に集約してデータベース化し、地域ごとの被害防止対象者リストを作成し、自治体との共有を通じて被害防止の普及に努めることを柱としております。こうしたことから、悪質な事業者から二次被害を受ける消費者が減少することを何とか目指してまいりたいと思っています。
長くなりましたが、このような形で予算と、あるいは機構・定員要求とセットした形で、当面、消費者安心戦略を消費者庁は精いっぱい努めてまいりたいと思っております。
以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
ただいま御報告いただきました内容について、質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
石戸谷委員長代理、どうぞ。

○石戸谷委員長代理 個別問題に入る前に総論的に。伺いまして、堅実なと言えばあれですけれども、ちょっとこじんまりしているなという感じがいたします。消費者庁創設以来の議論を振り返って見ていると、消費者行政推進基本計画が原点だと思いますけれども、良質な市場、安心・安全な市場が新たな公共的目標だということでうたっていて、そのためにつくるということで位置づけております。安心戦略という場合、そういう位置づけだと、成長戦略の土台となるような、要するに成長戦略の必須は市場整備だという位置づけでドーンと打ち出してもらえば、全般にかかってくる。ここで言っておられる安心・安全確保対策のことは、これは重要ですけれども、被害に遭わないようにみたいな、やや受け身的な部分があるので、もうちょっと積極的に強く打ち出せないものかなと。
消費者庁国会の議論のときも、当時も事故米の不正転売の問題や何かが大きい問題になっていましたので、国会で盛んに議論されまして、議事録を確認したら、14回ほど質疑がありました。そこで確認されているのは、消費者庁のできる前ですからプレ消費者庁ということで、統括官会議や何かを開いて、消費者庁ができた場合に、司令塔として情報を一元的に集約してプレス発表して対策を練ってという位置づけになっております。昨今の偽装米の問題などを見ましても、農水のほうはプレス発表したり、JAS法とか、米トレーサビリティ法とか、食糧法に違反してこうという形で打ち出していますけれども、消費者庁のほうの対応が見えない。今は当時の国会のときの議論と違って、JAS法にしても米トレーサビリティ法にしても、もう既に所管しているわけですので、当初の構想はこうだったのだから、それに見合う予算と人的体制をつけてくれという形で力強く打ち出せないものかなと思っておりますが、いかがですか。

○消費者庁長谷川総務課長 強く打ち出すと、まさにそうだと思います。まだこれが弱いということで御指摘がありましたが、成長戦略の必要な土台という認識はおっしゃるとおりだと思いますので、そのあたりは整理させていただいて。認識としては同じだと思います。我々としては、消費者被害防止とか、被害回復というのはそんなに小さな話ではないと思っていますが、そこは法の話も制度の話もありますので、そこはしっかりと打ち出していきたいと思っています。
それから、事故米の話がありました。ここはまさに原課に伝えていきたいと思っています。農水省とも連携していると思いますけれども、消費者庁が何をやっているかというのが明確にわかるような形でプレゼンすべきだといったところを、伝えたいと思っております。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。
齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 金額は小さく上がっていますけれども、やるのはなかなか難しいと思われる、リコール情報の周知・徹底について。先ほど、リコールしているにもかかわらず火事になった事例を紹介されました。これは、事故があってみるとそうなのですが、なかなかやるのは難しいと思います。大いに期待したいところではありますし、この辺をどう考えているかというのをお伺いしたいのです。一つは、どのような周知に力を入れているかということで、情報の種類と伝達方法です。情報の種類は大きく2つありまして、倒産あるいは事業を休止している事業者の商品をどうするかということ。もう一つは、死亡事故とか、火事というような重要性から取り上げると思いますが、このあたり、何か焦点を当てるおつもりがあるかということ。
もう一つは情報の伝達です。乳幼児、高齢者は本人になかなか伝達しにくい場合が多く、その周辺にいる人に伝達するということになると思いますが、何か具体的な方策があるのかということ。インターネット利用者は多分本人が対象になるでしょうが、使い勝手をよくすることを考えておられるか。以上についてお伺いします。

○消費者庁長谷川総務課長 済みません。リコール情報そのものの属性とか、どこに焦点を当てるかというのは、今、ちょっと手元にないものですから、後ほど御報告させていただければと思います。
リコール情報サイトにつきましては、関係省庁が取り扱うリコール情報に消費者庁が一元化するということで、昨年、運営をスタートしたことをお話し申し上げましたけれども、それについて利便性を高めたいと思っています。一目見て情報の重要性の度合いがわかるような情報発信や掲載内容を工夫してまいりたいと思っています。リコール情報サイトの情報、これは製品分野でございますけれども、OECDグローバル・リコール・ポータルというのがありまして、それに接続するために必要な対応をしていきたいと思っています。
それから、ターゲットと申しますか、そちらが非常に難しく、ITリテラシーが低い方々をターゲットとしてどういうふうにできるのかということで、まずは例えば消費生活センターの職員の方とか、本来業務の中で高齢者とか、そういう方々に接点のある方々に対して情報を提供したり、行動する際に必要な知識を深めていただくために、養成の研修会を実施すると。当面難しいのですけれども、皆さんから御意見をいただきながらより対応していきたいと思います。そういう形でさまざまな場面で情報発信をしていきたいと考えております。

○河上委員長 ほかにはよろしいですか。
橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 今回、物価モニター体制が復活するということで、これに関しましては非常に喜ばしいことだと感じております。ただ、今回、消費税の値上げ等のこともありまして、物価モニターの方たちへの情報提供というか、勉強会を開かないと、単純に価格だけを調べるというのは難しいのではないかと思います。その辺のところをどのように考えているのかということと、今、消費生活センターの相談員の話がありました。高齢者とのコミュニケーション能力とか、そういうものも図っていきたいというふうに受け取られたのですけれども、そのほかにも消費者センターの現場では、いわゆる相談困難者といいますか、そういう方たちの対応が、今、悩みの種というところがあります。そういうメンタル面で、法律の内容だけではないところを、もっと充実させるような研修が必要になってくるのではないかというふうに感じております。これは意見です。
もう一点は、今回、アベノミクスということで、消費市場関連対策の推進の中に消費者と事業者との協働支援というのが入っています。先ほどの説明だけではどのようなことをするのかわからないのですが、食品ロス率等の削減は入っていましたが、具体的にこれは、例えばどのような企画をイメージしているのか、その辺を知りたいと思います。私は消費者団体ですけれども、消費者団体として、地域の事業者さんに、例えばこういう法律があるので守ってくださいとか、そういうのは中小の事業者さんはなかなか勉強する機会がない。うちのお便りをお届けして、それを活用していますというお話があったりするのですけれども、具体的にその辺はどういうイメージをしているのか。先ほどの説明ではちょっと思い浮かばなかったので、具体例があれば教えていただきたいと思います。

○消費者庁長谷川総務課長 まず一つ目の物価モニターについては、御懸念のとおりだと思います。今まさに物価モニターは、実を言うと消費者庁のホームページで募集中ですけれども、研修と申しますか、情報提供をモニターさんにしっかりやってもらうというのはおっしゃるとおりだと思います。
それから、相談員のコミュニケーションの話をいただきました。これは御提案といただいて、検討させていただければと思っています。
3つ目の消費者と事業者の協働ということですが、これは今、活性化基金を用いてやっています。ですから、まずは各地域で、ローカルなところで事業を展開していただこうかと思っています。ですから、何とか市とか何とか町で、例えば、先ほどのブラインドのひもの安全対策事業とか、子どもの事故防止対策事業とか、それぞれ自治体から提案のあったものを基本的にやっていただくということであります。
そういう商品は事業者にとにかく理解してもらわないといけませんので、我々としては市場調査をやったり、事故の事例を収集したり、あるいは消費者の意識調査をやって、それを事業者の方々と共有する。例えば関係者会議といいますか、地域において関係の事業者、消費者も入っていただいて、情報共有するコンファレンスでもいいかもしれませんけれども、そういうものを開いたり、市民公開講座を開いたり、そういうことで、消費者がどういうところにニーズを持っているかというのをまず事業者の方に理解していただく。そして、事業者としてどういう製品開発ができるかといったところをやっていきたいと思っています。
まずは事業者がマーケットの中でやっていくべき事業だと思いますけれども、こういう事故が増えたりしてきますと、もう一歩前に出て、消費者側からのニーズといいますか、そういうものを伝える場といいますか、そういうものを設けてもいいのではないかと思っております。そういう意味ではまだふわっとした形ですけれども、各自治体で事業者が商品企画・開発の段階で、消費者団体などの消費者目線を重視した意見を踏まえて、我々としてはそういう取組みを支援していく。そして、安全な商品の普及を目指していきたいと思っています。

○河上委員長 唯根委員、どうぞ。

○唯根委員 今のことに関連して、協働支援の件ですが、ことし、消費者団体のほうから、私どもの会からも複数提案をさせていただいて協働してくれる自治体を探したのですが、自治体さんがなかなか、年度が始まっていてやれないとか、担当職員がいないとか、手続が大変で手を挙げられないとかいうことで、お断りを幾つも受けた経緯がございます。そういう意味では、手続ですとか、事前の自治体さんへの働きかけは、事業者も含めてですが、大変な作業が予想されるのではないかと実感しております。
もう一点は質問ですけれども、今の御説明の中に、相談員の職務というか、物価に対しての勉強もそうですし、消費者教育の拠点としても消費生活センターがなりますし、相談員だけではなくて、今まで以上にセンターの機能を相当強化しないと、交付金の予算はつけていただけそうですけれども、橋本委員もおっしゃられるように、研修と言うものだけではなく、モチベーションを持っていただくための何か工夫ですとか、身分保障とかについてもお考えいただけているのでしょうか。また、この何年間か、消費生活センターは人数を増やすだけにとどまっている所も多く、それ以外の事は基金や交付金に期限があるということで、なかなか取り組まない自治体も結構あると聞いています。その辺も含めて具体的にどんな手立てをお考えでいらっしゃるのでしょうか。

○消費者庁長谷川総務課長 一つ目でございますが、協働支援については、私どもも、やはり使い勝手、タイミングが悪いという御意見をいただいています。確かに自治体において議会で御審議いただくタイミングを踏まえると、我々としてはかなり早めに動いたつもりですけれども、やはり自治体との意見調整に時間がかかってしまって、そういう意味では議会とのタイミングが余りよくなかったということで、今回は残念ながらできないという自治体が実際にございます。今回初めてでしたので、我々としてはこの予算は来年度も要求していくつもりですので、今回はあきらめざるを得なかった自治体については、引き続き問題意識を持ってもらいたいと思っています。
相談員さんのことはまさにおっしゃるとおりで、国がいろいろ施策を考えて消費者行政を新たに展開しておこうと思いますと、御案内のとおり、消費者庁は手足、地方部局がございませんので、どうしても自治体にお願いすることになります。その中で一番柱にしておりますのは、活性化基金での問題点、使い勝手の悪さとか、中長期的な問題とか、我々としては認識しているところでありますので、これから財政当局と厳しい調整になると思いますけれども、少しでも有効な使い方がサポートできるような形で検討していきたいということを御報告申し上げるような現状でございます。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 2点、お伺いしたいと思います。
まず1点目は、消費者教育のところでございます。今、長谷川課長が自らおっしゃいましたように、消費者庁は地方に、手足といいますか、支局部局がございませんので、実際に消費者行政にかかわるところは地方が動いていただかなくてはいけないと考えます。法律ができまして、国では推進会議も基本方針も決められているわけで、これに基づいて地方でも地域協議会をつくるように、できれば計画も方針もつくるようにと、任意でございますけれども、そういう仕組みになっていたはずでございます。しかし、地域も、議会を通したりタイミングもあったりしますので、消費者庁がこういったものを地域でつくるためにどのような後押しをしているかということ。それから、実際にどのくらい地域協議会ができて、例えば方針を決めるところまでいっているのかというような情報がおありでしたら、教えていただきたいと思います。
もう一点は、消費者被害回復のための例の法律、「消費者の財産的被害の集団的回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案」でございます。先ほど、継続審議中、そして、15日から始まる国会の会期中でも非常に審議が難しいというお話がございました。これまでも審議をしていただいて、この法律がなかなか成立に至らない争点といいますか、御懸念される例えば濫訴のところとか、いろいろな争点は明らかになっているというふうに消費者団体はかなり理解していると思いますけれども、次の国会でも恐らくだめだと。では、どこで成立させるのかという、もう少し強い進め方といいますか、例えば消費者団体の力がもっと必要ならば、消費者団体を味方にしてというようなこともございますし、さまざまな方法をもう少しやらないと、次もだめ、「じゃあいつ?」という形で、消費者庁に対するこの法律策定についての懸念みたいなものも浮かんできそうな気配がしております。その辺のお考えを聞かせてください。

○消費者庁長谷川総務課長 今、夏目委員からお話がありました一つ目の消費者教育につきましては、我々、地方における基本計画、協議会というのを、都道府県、政令指定都市レベルでは全てやっていただきたいと思っていまして、3年ぐらいを目途に、協議会あるいは計画はつくっていただきたいと思っています。現状を後ほど御報告したいと思いますが、東京都がこの前、協議会をつくって、基本計画ができたということであります。ほかの自治体もそれにならうといいますか、東京都と同時に動いている県も、岐阜県かちょっと忘れました、正確なことは後ほど御報告したいと思いますが、動いていますので、徐々には進んでいるのかと思っています。
ただ、我々としては、まだ後押し、サポートする必要があります。消費者庁は今、地方ブロック会議を開いていまして、私も再来週、地方に行く予定ですけれども、あらゆる機会を通じて、おっしゃるような意味で協議会の設置、あるいは基本計画について自治体に働きかけていきたいと思っております。
2つ目の消費者裁判手続特例法案のお話でございますが、これも我々は最大限に取組み、各方面に御協力を働きかけているところでございます。我々としては、委員会からも御意見をいただきながら進めてきた法案でございますので、消費者のために一刻も早い成立を願っているところでございます。我々として最大限、各方面に協力を仰いでおりますけれども、それこそいろいろな協力を先生方にも仰ぐかもしれませんので、そのときはぜひよろしくお願いしたいと思います。

○河上委員長 阿久澤委員、どうぞ。

○阿久澤委員 食品表示の充実ということで、ここで2点取り組んでいただけるということで示されております。その一つ健康食品、機能性の表示を可能とする仕組みの整備に向け、これは皆さんおわかりのことですが、表示というのは「正確でやわかりやすく」ということですので、取り組む以前に、ここにも健康食品の前に一般と書いていますように、健康食品そのものの定義、位置づけがあいまいであっては、ご検討いただいても、わかりにくい表示になってしまいます。そこで、健康食品とは何かを整理した上で取り組んだほうがいいのではないかと考えております。健康食品と言われていますが、特保や健康補助食品、健康志向食品、いわゆる健康食品など、健康とつく食品がありまして、そのなかでの機能性表示となれば、消費者には非常にわかりにくいことと思いますので、まず、健康食品とはどういうものかという定義、位置づけを整理していただきたいと思っております。意見でございます。

○河上委員長 高橋委員、お願いします。

○高橋委員 2点、申し上げます。
一つは、先ほど橋本委員から物価モニター調査のお話がありましたけれども、これを復活させるということは大変よいと思います。ただ、消費税を上げるに際しての便乗値上げの監視という機能もあると思いますので、表示方法についても調べていただきたい。もう御計画されているかもしれませんが、今回、税抜き、総額、併記の表示が認められるということで、モニターの方も混乱すると思いますし、それ以上に消費者が混乱いたします。その辺の実態調査もあわせてやっていただくことでもう少し監視の強化につなげていただきたいと思います。
2点目は、消費者の安心・安全確保対策のところですが、これは全体に、高齢者を中心とした弱者対策が強化されるというふうに読めるわけです。これも当然ですけれども、特に3つ目の財産の安心・安全確保のところでは、資産形成層を狙う金融サービス事業者の動きとか、規制緩和の動き、ここに目を光らせる必要があると思います。と申しますのは、アベノミクスで、行き過ぎといいますか、そういう動きがあるというふうに私は感じているからでございます。消費者庁にもたくさんの要望書や意見書が届いていると思いますけれども、消費者委員会にも、例えば商品先物取引についての不招請勧誘禁止の撤廃の動きを止めるべきという意見書がたくさん届いております。また、承知していますところでは、今、金融庁でクラウドファンディングに関する検討が行われています。インターネットを通じて個人が事業に資金を投入できるようなアベノミクスの市場戦略ですけれども、この規制緩和についても、やはり消費者庁として目を光らせていただきたいと思います。この辺についても既に御検討されているのでしたら、御意見をいただきたいと思います。

○消費者庁長谷川総務課長 まず一つ目の消費税の表示方法については、原課と問題共有して検討してみたいと思っています。
それから、財産被害、規制改革の流れの中での資産形成の中で、やはりリスクは高まる危険性はあります。それは消費者庁は十分認識しておりますけれども、被害が増えることはない形で、いろいろな方々から御要請をいただいているところでございますので、十分対応してまいりたいと思っています。

○河上委員長 時間もかなり押して来ましたので、よろしいでしょうか。
これは概算要求とセットになった話なので、どうしても思い切った踏み込みが難しかったのかもしれませんけれども、各委員の発言にもありましたように、幾つか不満も残るところがあります。私の見るところ、どちらかというと、風評被害に惑わされるな、しっかり勉強して選択できるようにしろ、食品ロスはなくせと、消費者がもう少し賢くなれというトーンのものが多いのですけれども、他面で、悪質な事業者の行動に対してきちんと対応するという部分が、いまひとつトーンが弱いのではないかという感じがしております。これは概算要求内容との関係もあるということですが、政府が、経済成長戦略、財政再建のための消費税率の引上げを進める中で、それと並行して、一般消費者の利益擁護を図るためにセーフティネットを整備することは、先ほど石戸谷委員長代理からも出ましたように、市場の発展にとって全く基本的なインフラであるということで、大変重要な課題であると認識しております。
ご説明いただいた消費者安心戦略は、消費税引上げ等に対処するための物価・消費市場関連対策と、消費者の不安を払拭して安心・安全を確保するための、安心・安全確保対策の推進、これを柱にしてつくられているものであります。かなりの部分、こうした課題に対処するための政策パッケージで、非常に重要なパッケージであると思います。消費者委員会といたしましても、その推進を積極的に後押しする形で対応したいと思っております。
もう一つ、同戦略の項目の一つとして、消費者被害の集団的回復のための裁判手続の構築というのが挙げられております。この件については、近々開会する臨時国会で法案の審議が行われる予定でありますが、当委員会としても、この法案をぜひとも今度の国会で速やかに成立させることを期待しております。消費者庁におかれましてもぜひ頑張っていただきたい。消費者委員会としても何かできることがありましたら、ぜひ御協力したいと思いますので、一緒にやりましょうということであります。
消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪3.平成24年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について≫

○河上委員長 続きまして、「平成24年度の個人情報の保護に関する法律執行状況の概要について」であります。消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
個人情報保護法に基づいて策定された個人情報の保護に関する基本方針において、消費者庁は、毎年度の法の執行状況について関係行政機関からの報告を取りまとめ、その概要を公表するとともに消費者委員会に報告するものとされております。平成24年度の執行状況の概要について、消費者庁が先月30日に公表をしておりますので、まず冒頭に、個人情報保護法と同法の執行状況の概要について御報告をいただくとともに、ビッグデータの利活用促進にかかわる問題など、個人情報保護法をめぐる政府内での最近の動きと、これに対する消費者庁の考え方、あるいは取組み状況について、御説明をいただければと思います。
それでは、消費者庁から説明をお願いいたします。10分程度でお願いいたします。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 消費者庁の松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
説明に先立ちまして、まず、個人情報保護法の体系をごく簡単に御紹介したいと思います。資料2に添付されました参考1PDFを別ウィンドウで開きます参考2PDFを別ウィンドウで開きますをごらんいただければと思います。
参考1に三角形のイメージ図があろうかと思いますが、個人情報保護法は主としまして、図の左側、民間部門の個人情報の取扱いを規律するものでございます。また、個人情報保護法は主務大臣制をとっておりまして、事業分野ごとに主務大臣による法執行が行われるということでございます。
参考2に法執行のイメージ図を用意いたしました。仮に個人情報の不適切な取扱いが行われた場合、一つには、苦情の処理としまして当事者間による解決が図られるルートがございます。この際に認定個人情報保護団体、また、地方公共団体等がかかわることがございます。一方、主務大臣が権限を行使して事業者に改善を求めるルートもございます。主務大臣の権限としては、報告の徴収・助言、勧告、命令がございまして、命令の違反には罰則が用意されております。以上が法の体系でございます。
それでは改めまして、平成24年度の施行状況について説明いたします。資料2-1PDFを別ウィンドウで開きますをごらんいただければと思います。裏面にあわせてカラー刷りのグラフもございますので、御参照ください。
まず、国の個人情報の保護に関する施行状況でございます。各主務大臣のもとで、法律の考え方をわかりやすく説明するためガイドラインを公表しております。24年度末現在で27分野40本ございます。24年度中に新たに策定したものは2本。これは、従来あったものを新たにつくり直したという形でございます。そして見直しを行ったものが10本でございます。この合計12本のうち、ガイドラインの共通化、つまり各ガイドラインの用語をそろえるなどの取組みが7本となっております。
続きまして、主務大臣による権限の行使の状況でございます。平成24年度につきましては報告の徴収が8件行われました。裏面のグラフをごらんいただければおわかりかと思いますが、報告の徴収の件数は、前年度と比べ減少している状況にございます。
次に、認定個人情報保護団体の認定の状況でございます。表面のほうにお戻りください。24年度末現在、39団体が主務大臣の認定を受けて、個人本人からの相談に応じて事情を調査するなど苦情の処理を行う活動をしております。
次に、いわゆる過剰反応への取組みです。法の定め以上に個人情報の提供を控えてしまうことで有益な活用が行われない状況が一部に見られます。平成24年度、特に孤立死という問題への対処、防止策としまして、地域において支援が必要な方の情報を把握して適切に支援する観点から、関係省庁がそれぞれ対応をとっております。具体的には、電気、ガス、水道といった定期的に戸別訪問を行う事業者、地方公共団体の福祉担当との連携強化、これを依頼したり、生命・身体等の保護が必要な場合には、個人情報を他に伝えても問題ないということの理解を促したり、また、実際に地域において高齢者等の見守り活動などに取り組んでいる事例を情報提供するなど、御紹介したところでございます。
また、資料2-2PDFを別ウィンドウで開きますの4ページにございますけれども、平成24年度、災害時の対策としまして、個人情報を生かすために自治体が要援護者名簿を作成することにつきまして、災害対策基本法の改正の検討がなされております。
本件について補足しますと、平成25年度に入りまして法改正がなされています。来年4月からは、災害時避難行動に支援が必要な人の情報を関係者で共有して情報を役立てていくことになります。また消費者庁におきましては、全国で説明会を開催するなどして、その際に、過剰反応について、有益な利用という側面についても理解を深めていただくように事例紹介などを行っております。
資料2-1に戻っていただいて、次に事業者に関する状況でございます。24年度中、地方公共団体及び国民生活センターに寄せられました個人情報に関する苦情は合計で5,623件です。前年度は5,267件でございましたので、前年度より増加している状況がございます。一方で、個人情報の漏えい事案につきましては319件ということで、前年度420件よりも減少しております。
苦情相談件数、漏えい件数について、裏面のグラフをごらんいただきますとおわかりのように、法施行以降、年によって増減はございますけれども、全体的な傾向としては、それぞれ減少の傾向にあるところでございます。
以上が施行の状況でございます。
最後に、口頭での御紹介で恐縮ですけれども、個人情報に関連する最近の動向につきまして、少し御紹介をいたします。
一つは、さきの通常国会で、社会保障や税の分野にかかわるいわゆる番号法が成立しております。個人情報保護法や行政機関個人情報保護法に対する特別法ということになりまして、個人番号を特定個人情報として厳格に取り扱うための各種制度が置かれています。その一つとしまして、新たな監督機関として特定個人情報保護委員会というものが設置されることになっております。この監督機関については、法施行後1年を目途に、特定個人情報以外の個人情報を所掌事務とすることについて、検討を加えることになっております。なお、法の施行は27年の後半が想定されているものと承知しております。
もう一つの動向としましては、いわゆるビッグデータビジネスの普及推進が成長戦略の一つとなっておりまして、その中で、個人情報を匿名化して利用するという考え方の整理が求められております。また現在、政府のIT総合戦略本部のもとに設置された検討会で、パーソナルデータの利活用のルールの検討が行われております。この検討のもとに制度見直しの方針が年内に策定されるということでございます。
簡単ですが、私からの説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、質疑に入りたいと思いますけれども、ただいま、岡田内閣府副大臣がお越しになられましたので、一言、御挨拶をいただきたいと思います。

≪3.平成24年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について≫(続き)へ

≪4.岡田内閣府副大臣ご挨拶≫

○岡田内閣府副大臣 内閣府副大臣を拝命いたし、消費者問題も担当することになりました、参議院議員の岡田広です。きょうは同時刻に、私は復興の副大臣も兼ねておりますので、復興庁の大臣、副大臣、政務官、三役会がありまして、おくれましたこともお詫びを申し上げたいと思っております。
森大臣を支えまして、消費者行政が直面している諸課題につきまして、微力でありますが、頑張っていきたいと考えております。委員の皆様にはそれぞれの見識を御意見としていただきながら、ぜひとも、国民の安心・安全の消費者行政のために頑張っていきたいと考えていますので、どうぞ、貴重な御意見、よろしくお願いいたしまして、御挨拶にかえたいと思います。ありがとうございました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
岡田副大臣は地方消費者行政にも造詣が深いと伺っておりますので、いろいろな意味でまたよろしくお願いしたいと思っております。副大臣は最後まで御参加いただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。

≪3.平成24年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について≫(続き)

○河上委員長 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

○石戸谷委員長代理 資料2-2の37ページ以下に、主な個人情報漏えい事案ということで、大規模漏えい事案についてまとめていただいたものが載っています。万単位というか、数十万、何百万単位の漏えい事件が列挙されておりまして、不正アクセスのほうが多いですけれども、CD-ROMをなくしてしまったとか、いまだにそういうのがある。しかも、損保とか銀行とか、金融機関のようなところで大規模な漏えい事件がまだ起こっている。
対応については、右側のほうに要約的なものがありますけれども、基本方針では、大規模漏えい事案は事案を収集して、個別事案について中身を分析して、今後の施策の充実に資するというのが盛り込まれています。こういう大規模なものの、要約された、社内ルールの厳格な運用というような漠とした対応策ではなしに、もうちょっと具体的な分析・検討というのはまとめの前段としてやられているのでしょうか。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 御指摘をいただいたとおり、漏えい事案、大きなものについては具体的な事案ということで掲げまして、それ以外の事案については、件数として御報告をしているところでございます。具体的に大きな漏えい事案が発生したという際には、各事業を所管している主務官庁である主務大臣のほうでまず状況を把握する。もちろん、事業者からもきちんとした報告がなされるということでございますので、対応としましては、安全措置、その後の発生の防止、再発防止という形の取組みがなされています。具体的にどのようなことが行われ、施策として今後に役立てているというところにつきましては、現在のところ、本文に具体的な記載はされておりませんので、御指摘を踏まえまして、今後につきましてはその点も工夫をしてまいりたいと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 資料2-1のグラフをごらんいただきたいのですが、図3を見ますと、漏えいの減少傾向が出ているということを示すものだと思います。漏えい事案件数も苦情相談件数も、スタート時点からすると数分の1になっているということを示していると思います。
ただ、気になるのは、この法律の適用対象が5,000人超の個人情報を用いる事業者であるということで、その報告数値がこれであるということだと思うのです。そうすると、5,000以下の個人情報を扱う適用対象外の事業者、この管理レベルがどうかというのが気になるところです。これが以前と変わっていないということであれば、このグラフの一番左側のレベルで推移している可能性がある。そのあたりについてはどのように認識しておられるでしょうか。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 御指摘をいただきましたとおり、個人情報保護法、特に施行令におきまして、5,000件以下の情報しか取り扱っていない事業者については、個人情報取扱事業者ではないとしまして、この保護法の適用から外れる。当然、趣旨といいますか、保護法の精神はきちんと努力して守っていただくということになりますけれども、ここに挙げられましたのは、個人情報取扱事業者、5,001件以上の情報を持っていて、なおかつ、そこの情報が漏えいしたという事案になっております。具体的に個人情報取扱事業者でない者がどの程度漏えいしたか、あるいは、きちんと取り扱っているのかという部分については、正直なところ、把握できていない状況でございまして、その推移とレベルについての詳細はわかっておりません。

○河上委員長 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員 御報告、ありがとうございました。24年度の状況と、第3章で法施行後8年間の施行状況の傾向をまとめておられますが、消費者庁としてはどういうふうに評価をされているのかというのが、もう少しストレートに出てもいいのではないかという感じがいたします。例えば資料2-1ですと、第3章で3つの点についてまとめておられます。これだけですと、例えば事業分野ごとのガイドラインの策定はこれで十分。あるいは、認定個人情報保護団体のつくられ方も十分で、適正な経過を見ているというふうに思っていらっしゃるのか。どこか不足している、弱いところがあるというふうに見ていらっしゃるのかというのが、これではわからないと思います。
それから、2番目、3番目の主務大臣の権限行使の動向ですとか、個人情報に関する相談、苦情の件数というのも、傾向的に若干のでこぼこがあるけれども、減少傾向にあると書いておられる。それで法律施行後、いい方向に向かっているというふうに非常に確信を持っておられるのか、単に数字だけの説明をされていらっしゃるのか。そこがちょっとわかりにくかったので、もう少し評価を入れられてもいいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 御指摘、ありがとうございます。法施行後の状況につきまして評価を加えて紹介するとすれば、まず、認定個人情報保護団体、またガイドラインにつきましては、近年は水平なレベルになっているということでございますので、我々の認識としましては、必要な分野におけるガイドラインなり団体は既につくられているだろうと思っております。また新たな事業が行われたり、新たなニーズが起これば、それはまた必要なところが生じてくるとは思いますけれども、現状においては、各事業者が参照するガイドラインというのは整備されたのではないかと認識しております。
それから、権限行使の件数でございます。これは事案の発生状況によるものでございますので、漏えい事案が減っているというところとあわせ考えれば、主務大臣が権限を行使する場面も少なくなってきているのかなというふうに思います。また、事業者自体が、個人情報の取扱いについてはかなり意識を持って、きちんと適正に取り扱うようになってきたということもあり、それが、漏えい事案の減少であるとか、それを踏まえた主務大臣における権限行使の減少につながっているのではないかと思っております。

○河上委員長 齋藤委員、お願いします。

○齋藤委員 先ほど、把握していないということでしたが、国民生活センターなどに相談案件は行っていないのでしょうか。そこは調べたのでしょうか。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 個人情報に関連しての相談件数につきましては、各消費生活センターと国民生活センター、あと、各自治体で条例を扱っておりますので、条例担当部局、それらを合わせた件数としまして、本体で言えば5ページ、あるいは資料2-1にも挙げておりますが、全体として昨年度は5,623件あった。ただ、その中に、より小さな事業者の事案があったかどうかという詳細の部分までは把握していない状況でございます。

○河上委員長 山本委員、どうぞ。

○山本委員 一つは質問ですけれども、資料2-2の4ページに、消費者庁が説明会を13会場、3,100人の方に参加していただいて開いたとあります。これは、具体的にはどういう方を対象に、どのような内容の説明会をされたという御趣旨なのかということをお伺いしたいと思います。表題から見ますと、過剰反応に対する取組みということですので、それにかかわることかとは思いますが、もう少し具体的に教えていただければと思います。
2点目は、むしろ意見です。過剰反応の問題と書かれていますけれども、個人情報の保護をするという要請が一方には非常に強くあるわけですが、他方には、使っていかなくてはいけないということもあって、そこのバランスのとり方というのは、今後、難しくなっていくだろうと思います。現在、番号法の施行にあわせて個人情報保護の体制自体を見直していく動きになっていますので、その中でもぜひ、そこのところのバランスがとれる体制ができるようにしていただきたいと思います。
特に、現実に深刻な問題に一番直面するのは恐らく自治体だろうと思いますので、自治体の方の意見もよく聞きながら、その辺の体制をどう整えていくのかというのをぜひ考えていただきたい。これは、消費者庁だけの問題というわけではないと思います。あるいは、消費者庁のミッションから少し外れた部分があるのかもしれませんが、意見として申し上げたいと思います。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 まず、1点目の御質問にお答えいたします。消費者庁で行いました全国における説明会は、対象としましては、参加者の募集は各地方公共団体の方にお願いしているということもございますが、自治体の職員の方、事業者の方、学校関係者の方、民生委員の方、消防団の方など、まさに個人情報を万一のときにどう扱うかというところで、日ごろ、解釈といいますか、使い方、利用の仕方、あるいは、保護の仕方を考えていらっしゃるような方々にいらっしゃっていただいているという状況でございます。会場によりまして、参加者の割合はそれぞれ異なるわけですけれども、対象としましても、広く一般の方を中心に応募しまして、今、申し上げたような方々に集まっていただいているという状況です。
趣旨につきましては、個人情報の法律一般の話もしますけれども、より具体的に、その説明会を行う会場の要望に応じまして、特に地域における高齢者等の見守りに対する個人情報の取扱いの情報がほしいということでしたり、あるいは、災害時にどのように行えばいいかというようなテーマをお聞きしながら、その会場ごとに説明をしている。説明に際しましては、そうした情報に詳しい専門の方、弁護士の方などに来ていただいて、講師を務めていただくということで取り組んでいる状況でございます。
2点目は御意見ということでございましたけれども、我々も、個人情報の保護と、有用性・利用というバランスをとるのが法の趣旨であろうと考えております。その点をしっかりと踏まえながら、保護だけに偏ることなく、また、利用のほうで過度に情報が守られない状態にならないようにして、消費者庁としては消費者目線ということもありますので、そこの点を気をつけながら、今後の検討につきましても協力をしていきたいと考えております。

○河上委員長 橋本委員どうぞ。

○橋本委員 今のことに関連して、細かいことですけれども、災害時要援護者名簿の作成についてです。これについては、それをつくった後、関係者と共有することというふうにここに書いてありますけれども、どのような範囲で共有者を考えているのか。また、これについてガイドライン等を作成するのか。早くこれはつくって関係者と共有してもらって、いざというときに、使いたくはないですけれども使えるようにするためには、地方公共団体は、どこまで共有をしていいのかとか、非常に悩んでいるのではないかと思います。その辺は、今後、ガイドラインのようなものをつくるのか。または共有者はどこまでを考えているのか等、お知らせいただければと思います。

○消費者庁松本消費者制度課個人情報保護推進室長 災害対策基本法の改正につきましては、担当は内閣府の防災室になります。改正を受けまして、今後、ガイドラインといいますか、その策定をする中で、具体的に災害がまさに発生したときに支援が必要な方を救える対策を、これは特に住民の方に一番近い自治体が取り組むことになりますけれども、そうした取組みに向けての考え方を明らかにするというふうに承知しております。
情報の共有の範囲ですけれども、これも今後、しっかり検討されていくと思いますけれども、自治体関係者以外にも、自治会のメンバーですとか、そうした方々においても、地域で助け合うという精神のもとに、これらは決められていくのだろうというふうに認識しております。

○河上委員長 よろしいでしょうか。
現実問題としては、個人情報はもういっぱい漏れていると考えたほうがいいですね。ビッグデータがそういう形で情報としてあって、逆に、それをどういうふうに誰が使うかというところをきちんとコントロールできるかどうかというあたりが、相対的には大事な問題だという気がいたします。自分の個人情報をきちっと支配してコントロールできるというのは、基本的な権利でもありますので、その辺は今後の推移を消費者庁としてもしっかり見守っていただきたいと思います。
委員会としても、個人情報保護法をめぐる動向については高い関心を持っております。IT総合戦略本部のパーソナルデータに関する検討会が、年内に取りまとめる予定になっている制度の見直し方針、これを含めまして、個人情報やプライバシー保護に配慮したパーソナルデータの利活用のルール、これに関する政府内での検討をしっかりと注視していきたいと考えております。情報というのは、一遍漏れてしまったり、悪用されてしまっては取り返しがつかないものですから、その意味では消費者庁としても、消費者の権益を守る観点から、しっかりと対応していただければありがたいと思います。
消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪5.その他(消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文一覧について)≫

○河上委員長 続きまして、議題の「その他」といたしまして、消費者委員会に寄せられた意見等について、事務局より報告がございます。
大貫参事官からお願いいたします。

○大貫参事官資料3PDFを別ウィンドウで開きますをごらんください。ことしの7月~9月までに消費者委員会に寄せられました要望書、意見書、声明文の一覧で、29件いただいております。日付、件名、発信者が載っております。
上からごらんいただきますと、最初のものはグレーゾーン金利ということですけれども、次の4件が東京都からです。最初のものは、消費者安全法に関する都の権限を強化してほしい。2件目が、景品表示法においてやはり知事に権限を委譲してほしいというものでございます。3件目は、行政処分の根拠となる証言を行った消費者を支援する。嫌がらせで訴訟が行われるということで、そういう制度を考えてほしいということです。4件目がクレジットカードの現金化対策でございます。
少し時間が足りなくなっておりますので、簡潔に申し上げたいと思いますけれども、今期の特徴は、商品先物の不招請勧誘について規制緩和の動きが出ておりますので、むしろ規制を強化してほしいという同じような意見が7件、共通で出ております。そのほか、例えば36番のカネボウ化粧品事故については、二次の委員会、既に131回のときに御議論をいただいものがあります。
33番、参考送付ですけれども、クレジットカードについて、決済代行業者の法的な位置づけを割販法の中できちんと位置づけてほしいというもの。あるいは49番、いわゆるプロ向けのファンドが適正に執行されていない。49人以下の私募について、実際上はプロ向けということで法律ができているのに、一般の消費者向けに販売されている点について、何とかすべきであるという御意見。そのほか、ごらんのとおり、公益通報者保護制度、電力システム改革、安全確保といったことについて、御意見をいただいているところでございます。

○河上委員長 この意見書に関しては、各委員に配付して委員間打合せでも少し議論をしたところですけれども、この段階で意見のある方は発言をお願いいたしたいと思います。

○石戸谷委員長代理 消費者庁、消費者委員会の設立の趣旨からしますと、消費者の声が届く仕組みということでうたわれていますので、圧倒的に意見が多いもの。それから、地方自治体が住民、消費者に身近なところからの声を反映させるというのが、消費者庁創設のときにうたわれておりますので、そこは重く受け止めるべきではないかという2つ、感想です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
委員間打合せでは、例えば適格機関投資家に対するルールをきちんと考えるべきではないかといった話は随分いろいろ意見交換をいたしましたので、ここで出てきているような問題は、委員の間では問題意識は共有されているかと思います。特にこれについては一言、この段階で言っておきたいという方がおられましたら、どうぞ。いかがですか。

○唯根委員 金融商品先物取引についての不招請勧誘禁止撤廃に反対する意見については、先ほど7件ということで、その後も続々出てきております。私は不招請勧誘禁止を求めた審議会にかかわっていましたので、これは消費者側が、高齢者の被害も含めて、何とか防止しようということでやっと導入していただいた制度なので、これについてはやはりもう一度、消費者委員会でも取り上げていただきたいと思います。

○河上委員長 そうですね。ほかにはいかがですか。
夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 この7月~9月までの意見書の中には、数としては多くないものですけれども、いわゆる健康食品というものについての御意見が幾つか出てきておりました。これはずっと続いていて、恐らくこれからも続いていくだろうと思います。ですから、健康食品の定義が必要だという阿久澤委員の御意見がございましたけれども、同時に、機能性表示の食品が実際にどんどん市場に出ている。特区をつくって、例えば北海道さんがそういう形で機能性食品表示をして出しているというところがございまして、消費者が判断しにくいような表示に、いろいろな仕組みの中でせざるを得ないような状況になっていて、わかりにくいという御意見も随分出ています。これはやはり余り先送りしないで、きちっと消費者委員会として取り組んでいくことが必要ではないかというふうに、今までも意見を出しましたので、引き続きということでお願いしたいと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
こうした意見はまだ次々と参りますので、一つひとつきちんと対応できるかどうかわかりませんが、委員会の意見交換の中でも情報共有をしながら、委員会としての考え方を具体的に示していきたいと思います。
本日の議題は以上でございます。

≪6.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定についての説明をお願いいたします。

○大貫参事官 次回の日程及び議題につきましては、決まり次第、お伝えいたしたいと思います。
本日、18時30分を予定しておりますけれども、消費者庁の会見室におきまして、河上委員長の定例記者会見、報道の方を対象に行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、この後、委員室に移動いただいて、40分ぐらいから委員間打合せを開催させていただきたいと思います。
以上です。

○河上委員長 本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)