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第125回 消費者委員会 議事録

日時

2013年7月9日(火)16:00~17:56

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、小幡委員、田島委員、夏目委員、
 細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
 大阪府消費生活センター  神山課長補佐
前岡総括主査
 消費者庁  山下取引対策課長
片桐表示対策課長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.詐欺的投資勧誘対策について
○説明者: 大阪府消費生活センター  神山課長補佐
前岡総括主査
消費者庁  山下取引対策課長
片桐表示対策課長
3.預託法について
4.その他
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 大阪府消費者保護条例における「権利」取引の考え方について(大阪府消費生活センター提出資料)(PDF形式:149KB)
【資料2】 特定商取引法の指定権利制の廃止に関する論点(PDF形式:217KB)
【資料3】 「特定商取引法の指定権利制の廃止に関する論点」に対する消費者庁の考え方(消費者庁提出資料)(PDF形式:179KB)
【資料4】 特定商取引に関する法律第一条(抜粋)(PDF形式:130KB)
【資料5】 特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部改正について(諮問)(PDF形式:359KB)
【資料6】 消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等一覧(平成25年4月~6月)(PDF形式:110KB)
【参考資料】 委員間打合せ概要(PDF形式:74KB)
【追加資料】 特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部改正について(答申)(案)(PDF形式:49KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間も過ぎておりますので、始めさせていただきます。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第125回)」会合を開催いたします。
 また、本日は、所用によりまして、稲継委員と川戸委員が御欠席の予定になっております。
 それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第の下に一覧を載せております。きょうは、詐欺的投資勧誘対策について審議したいと考えております。
 資料1は、大阪府の「消費者保護者条例における『権利』取引の考え方について」ということで、大阪府消費生活センターから提出いただいた資料になっております。
 資料2は、消費者委員会提出ですけれども、「特定商取引法の指定権利制の廃止に関する論点」。
 資料3は、それに対しての消費者庁の考え方ということで、消費者庁提出資料です。
 資料4は、「特定商取引に関する法律第一条(抜粋)」です。
 資料5は、特定商品等のいわゆる預託法ですけれども、こちらの「法律施行令の一部改正について(諮問)」になります。
 資料6といたしまして、この4月から6月にかけて、消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧をおつけしております。
 それから、7月2日に委員間打合せを行っておりますので、その概要を参考資料としておつけしております。
 不足がございましたら、お申し出いただければと思います。
 それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

≪2.詐欺的投資勧誘対策について≫

○河上委員長 それでは、始めさせていただきます。
 本日の最初の議題、「詐欺的投資勧誘対策について」であります。消費者委員会では、詐欺的投資勧誘に関する消費者問題について調査・審議を行っておりますが、詐欺的投資勧誘による消費者被害の実態を見ますと、例えば温泉付有料老人ホームの利用権、天然ガス施設運用権など、さまざまな権利まがいの投資商品が商材として用いられています。こうした事態に鑑み、消費者委員会ではこれまでも複数回にわたって、特定商取引法における指定権利制の在り方について検討を行ってきたところですが、本日は、さらに集中的に審議を行いたいと考えております。
 初めに、地方自治体における関連条例の規定について、ヒアリングを行いたいと思います。本日は大阪府にお越しいただいております。大阪府におかれましては、お忙しい中、また、遠方にもかかわらず当委員会へ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 大阪府の消費者保護条例では、商品及び役務並びにこれらの提供を受ける「権利」を対象として消費者保護に関する規定が置かれていると承知しておりますが、このように広く権利を対象とした背景等について、御説明をいただければと思います。説明時間については、恐縮ですが、15分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 大阪府消費生活センターの神山と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 それでは、大阪府の消費者保護条例に「権利」を含めることとした経緯について、簡単に御説明させていただきます。
 大阪府の消費者保護条例は、昭和51年の訪問販売法が制定されたことを契機に制定されています。条例制定の目的としまして、「消費者が安全で良好な消費生活を営むためには、事業者間の公正で自由な競争を確保するとともに消費者の自主的な努力と消費者の権利を確立し、消費者と事業者の対等性の回復を図る」となっております。
 制定時は、危害防止、表示の適正化、苦情処理等について規定されておりました。この時点で条例は、「消費生活に必要な商品及び役務」を対象としておりました。当時も、法律と違い、限定、指定制というものはとっておりませんでした。その後、昭和63年に訪問販売法が改正され、指定権利が追加されたことを契機に、大阪府におきましても条例の改正について検討をしたところでございます。その検討に当たっては、大阪府消費者保護審議会に対して諮問しております。
 このときの課題として、当時、東京都をはじめ他府県において、条例で禁止行為が規定されたことから、大阪府においても同様に禁止行為を規定するという点がございました。もう一つは、訪問販売法の指定権利が対象になったことで、府条例においても対象とすべきかという点について、議論されております。
 当時の審議会の議論の中では、権利だけではなく、商品等も含めて、法律は指定制をとっているが、実際に消費者に被害が生じた場合、指定以外のものによることが考えられるため、消費者被害を防止し消費者利益を擁護するという府条例の目的から、指定制は不十分ではないかという意見がありました。
 また、府条例は一般的な規制をしており、有効な規制が可能であるという意見も出ております。そのほかにも、これからの社会は、多様化していることもあり、新たな問題が生じるだろうという意見もあり、権利についても、限定することなく全てを含めたものです
 ただ、このとき、単に権利ということでは余りにも意味が広がりすぎるのではないかという意見があり、「消費者が消費生活において使用し、または利用する」という、一定の枠を設ける規定になっております。
 その後は、平成16年の消費者保護基本法の改定や特定商取引法の改正があり、条例の見直しをしております。当時、消費者基本法が大きく変わったということで、前文や基本理念、禁止行為のクレジット関係の規定の追加等、大きな改正になっております。ただ、この際には、条例の対象については、特に変更はなく、文言をわかりやすくするということで今の規定の内容になっております。
 昨年度、特定商取引法が改正され、消費者安全法などの、関係法令が改正されたという点を踏まえ、現在、大阪府におきましては、条例改正を検討しております。特商法で訪問購入が規制の対象になったこと等、条例をどうすべきかということについて、大阪府の消費者保護審議会で議論をしていただいているところですが、審議会の中間報告の中では、訪問購入に限らず、買取り型の消費者取引をすべて対象にすべきという意見をいただいているところでございます。
 経過については、以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明を踏まえて意見交換をしたいと思いますので、意見のある方は御発言をお願いいたします。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明、ありがとうございました。この府条例を見ますと、二条の一号で、「商品及び役務並びにこれらの提供を受ける権利」というのをセットにして、「商品及び役務等」と言うという表現で規制されております。これが、昭和63年の段階で決められたということなのでしょうか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 条例は平成2年に改正されておりまして、63年の法の改正を契機に検討、見直した際に、現在の規定になったものでございます。

○山口委員長代理 都条例を比較して見ますと、これらの提供を受ける権利というものは都条例では特に書かれていないのですが、済みません、ほかの県なりの条例でどうなっているかというところについては、何かお調べになったことはございますか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 現在ということですか。

○山口委員長代理 はい。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 この点について確認しておりません。

○河上委員長 権利の概念を入れたときは、まだ指定商品・指定役務制もとられていた時期だったわけです。ということは、ひも付きの権利、つまり、指定の商品が権利化されているとか、あるいは役務が権利化されているという、そういう理解だったのでしょうか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 当時、訪問販売法で規定された権利と同様のものを想定していたようですが、それ以外にもいろいろな問題が今後出てくるのではないかという問題意識があり、広く指定制をとらずに、条例の対象は、権利も含め、商品・役務について制限を設けることなく規定をした。条例の考え方としては、法で対応できない「すき間事案」について、広く対応すべきだという意見があり、今の規定になっているということでございます。

○河上委員長 府条例で対象にしているときは、与えられるべき効果というのは、具体的には、禁止行為についての立入検査とか、そういうものが全部含まれてくることになりますか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 そうです。規制の対象ということになっておりますので、禁止行為に違反するようなことがあれば、対象になります。ただ、条例のほうは行政指導になり、勧告と公表が今の規定になっております。

○河上委員長 その意味では特商法の規定とか、一定の民事効を伴うものではないということもあって、ある程度広くとってもいいと、そういうご判断があったのでしょうか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 当時、規定されたときには、広く一般的な規制ということで規定されたというふうに聞いております。

○河上委員長 もう一点、伺いたいのですが、権利という形で無限定の言葉でこうやってあらわしたことで、「これがうまくつかまえられた」というような具体的なケースがあったら、御紹介いただければと思います。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 権利に関しては、過去に指導等を行ったというのはありません。消費者からのご相談の中には、権利に関するものも含まれていますが、相談自体が匿名であったり、単発的な話が多いということもあり、指導等までには至らない、また、例えば詐欺まがいの犯罪のような形の場合は、相手の実態がつかめないということもありまして、なかなか指導までは至らないというのが現実です。相談の数も、それほど多いということもないと思います。

○河上委員長 逆に、権利という言葉を使われたことによって適正な権利取引に何か支障があったとか、そういう話はございますか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 その点については、今まで、何か問題が生じたということは聞いておりません。

○河上委員長 ほかにいかがですか。

○山口委員長代理 今回の消費者庁の消費者白書でも、高齢者に特に限定されてはいますが、顕著な事実として、先ほど委員長が言いましたように、いわゆる権利的なものが商材として、消費者被害あるいは消費者トラブルをもたらしている。その金額も件数もかなり多いという実情があるようですが、この点について大阪府ではどういうふうに対処されているのか。あるいは、それについて、今後どういうふうにしたらいいと考えていらっしゃるのか。その辺のお考えもあればお聞かせいただければと思います。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 大阪府といたしましては、特に権利に係るものということだけで議論をしていることは現時点ではございません。
 権利に関する問題に対し、今後、どう対応するのかということですが、実態として、消費者からの相談の数も多くはないのではないかなと。犯罪まがいのものは警察に相談されたりということが多く、一般的な消費者取引のトラブルという形で上がって来ることは、余り見受けられないのではないかと思っております。

○山口委員長代理 そうすると、悪質な事業者の取引について、特商法で警察が検挙するという実例は把握されていますか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 権利に関してということですね。

○山口委員長代理 別に権利でなくても、一般のいわゆる消費者トラブルについて。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 最近であれば、SNSを利用したデート商法による特商法違反で検挙されたというのがございます。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
 特によろしいですか。
 それでは、ここから先はむしろ今後の建議の話題になりますけれども、例えば特商法で現在は指定権利制をとっているという事態がございます。役務と商品に関しては指定制が外れたという段階で、仮に権利というところが、指定されたもの以外のすべてに及ぶ可能性があるとすると、例えば現場でそのことで何か混乱が起きるとか、問題がありそうですか。それとも、それだったら使える可能性が出てくるというようなことがございますか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 実際に法が改正になった場合、どう対応するかとは具体的に検討していないですけれども、昨今の詐欺的な権利に係る商法については、事業者と言い切れるのかという疑問点は個人的には持っております。特商法というのが事業者に対する規制という形になっているかと思いますので、詐欺的な行為をする者に対して、行政処分としては、業務停止という処分が一番重いのではないかと思いますが、それが本当に有効なのかという疑問が個人的にはあります。今以上に警察と連携してやっていくことも、必要になってくるのではないかと思います。

○山口委員長代理 今、神山課長補佐のおっしゃった、犯罪的なものだというのが一見明白でしたらいいのですが、実態を調べてみたらかなり詐欺的、欺瞞的であっても、消費者にアプローチする事業者の段階では、非常にお得な、有利な、安全・安心な商品であるかのような形でアプローチをしてきますね。ひっぺ返してみれば、実態は今おっしゃったような犯罪的だったかもしれないけれども、アプローチする段階では、最初から、これは詐欺だから警察案件というふうに決めつけにくいのではないですか。その辺の行政なり警察のアプローチのしやすさという観点から言うと、特商法の建付けが変わることについてはどうなのでしょうか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 実際に対応する場合にどうかということは何とも言えませんが、おっしゃっているのも一つの考え方ではあると思います。そういう形でやるというのも、当然、一つのやり方としてはあるのではないかと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
 先ほどの話の中で、「事業者」と見るのかどうかということについては、個人的に疑問点をお持ちであるとおっしゃっていましたが、事業者概念というのは、センターの対応としてはどういうものを考えているのですか。

○大阪府消費生活センター神山課長補佐 府の条例もそうですが、事業者と消費者との取引を念頭に置いて規定されていますので、事業活動を行っている中で、例えば行き過ぎの行為であったり、利益優先であったり、相手にウソをついたりというような行為をする事業者も当然いると思います。そういった事業を通常行っている事業者にとって、例えば行政処分の業務停止というのは、手痛い、かなりのペナルティになると思いますけれども、今回、詐欺的ということなので、犯罪に限ったものというわけではないと思いますが、そういった行為に対して業務停止というのが有効な手段であるかというところについて、少し疑問があるかなと。個人的にですが。

○河上委員長 業務停止で完結するというわけではなくて、恐らくそれらを含めて、警察が端緒として一定の摘発をすることにつながっていくだろうという予想のもとでの話ですが。ただ、今、出ている被害を食い止めるためには、できるものからやっていったほうがいいのではないかという発想が委員会の中では議論があったものですから。疑問とされたご趣旨は、わかりました。
 ほかにはいかがですか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。詐欺的な投資勧誘では、電話勧誘販売等の取引類型において、架空と見られるような権利さえも商材とした不適正な取引で、特に最近では高齢者に深刻な財産被害を及ぼしているという実態がございます。こうした実態のもとで、地方自治体の現場において、条例でこうした権利取引についても対応を図ることとされた経緯についての御説明は、当委員会での今後の検討に大変参考になるところがありました。さまざまな権利取引については、法律レベルでの規制について具体的に申せば、特定商取引法の指定権利制の在り方に関して、委員会としては、その廃止を含めた検討が必要な段階に来ているのではないかという考えを持っておりまして、その点についても、大阪府の取組みに対しては大変関心を抱いた次第でございます。
 大阪府におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。
 引き続きまして、特定商取引法における指定権利制の廃止について、消費者庁との間で議論を行いたいと思います。ただ、消費者庁におかれましては、業務の御都合から少し時間をおくれてこちらに御出席されると伺っております。時間の制約もございますから、まずは、当委員会の考え方を吉田委員から簡単に御説明いたします。消費者庁からペーパーをいただいておりますので、その後、消費者庁の御意見を消費者庁から簡単に説明をいただいて、引き続き議論の時間を設けたい。できるだけ消費者庁との議論に時間を使いたいと考えております。
 それでは、吉田委員から説明をお願いしたいと思います。10分程度で結構かと思います。

○吉田委員 それでは、議論に先立ちまして、現段階での委員会の考え方について、資料2別ウインドウで開きますにまとめてありますので、その概要を御説明いたします。
 まず、1ポツですけれども、これは、特商法における権利の概念についてまとめてあります。現行の特商法では、権利について、「施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであって、政令で定めるもの」と規定していますが、現下の欺瞞的権利取引による消費者被害に対応するには、このような限定的な概念から、「物品・役務の利用・提供及び金銭の提供を受ける法的地位であって、売買契約の目的となるもの」とすることが適当ではないかと考えています。
 次に、2ポツですが、特商法の在り方、法目的についてです。これまでの委員会の場で、消費者庁からは、架空の権利取引など取引の存在自体が否定されるべき詐欺的事案については、特商法の法目的に合致せず、適用は不適切との御見解をいただいております。しかし、詐欺的投資勧誘に関する事案は、消費者が取引を行う時点では適正取引であるかのように偽装され、行政調査などによって、初めて契約の目的物が架空の疑いが強い、または、契約の目的物は実在するものの、消費者が事実とは異なる有利な取引であると誤認させられていると評価できるものが多いと思います。
 特商法は、契約締結前の勧誘行為等に規制を課すものであり、消費者保護の観点からは、欺瞞的権利取引などの事後的に契約の有効性が否定される可能性を有する取引を含め、外形標準的に同法を適用すべきだと考えます。また、それらの取引を特商法の対象外とすれば、より悪質性の高いものが適用を逃れることになるのではないでしょうか。仮に法目的に合致しないとのことであれば、特商法の法目的を含めた抜本的な改正を検討していただく。また、それが困難な場合には、同法に類する制度の整備を検討していただければよいと考えております。
 続きまして、3ポツです。平成20年に商品・役務の指定制が廃止された意義についてです。権利を装うことによる役務取引規制の脱法を防ぐために権利取引を規制しているとすれば、商品・役務の指定制が廃止されたことにより、権利のみに指定制を維持する意味は失われたのではないでしょうか。さらに、商品・役務の指定制廃止により、欺瞞的権利取引の基礎となる商品・役務も特商法に盛り込まれたとすれば、欺瞞的権利も同法に取り込むべきではないでしょうか。
 4ポツです。詐欺的投資勧誘に対して、禁止法や業法ではなく、特商法の指定権利制の廃止により対処する理由についてです。詐欺的投資勧誘の場合、多種多様な権利が商材として設定されることが想定されます。このため、違法商材をあらかじめ個々具体的に指定することは困難であり、全面禁止や参入規制等を行った場合、欺瞞的権利にとどまらず、適正な権利を含めた一定の包括的権利取引をその対象とせざるを得ません。その場合には、適正な権利取引を行う事業者に過剰な規制が課され、経済活動を著しく阻害することが懸念されることになります。したがって、販売・勧誘に行為規制を課すことを通じて、欺瞞的権利取引を排除していくことが適正ではないでしょうか。
 最後に5と6ですが、指定権利制廃止の効果についてです。特商法では、契約時の書面不交付、虚偽・不備記載、不実告知等、客観化された要件のもとで不適切な勧誘行為に対して直罰規定を設けており、そういった事案には警察による取締りもあわせて行われます。指定権利制が廃止されれば、形式的・外形的違反行為を理由とする取締りが可能となり、警察にとっても取締りが格段に行いやすくなると期待されることから、速やかな被害の拡大防止や当該行為に対する抑止効果も期待できるのではないでしょうか。例えば特商法の不実告知については、事業者の二重の故意の立証を要しないことから、刑法の詐欺罪よりも立件が容易と考えられます。
 以上のことから、委員会としては、特商法における指定権利制の廃止、または、同法に類する新たな制度の整備が検討されるべきと考えているところです。
 私からの説明は以上ですけれども、本日は、時下の高齢者を中心とした詐欺的投資勧誘被害をどうしたら防いでいけるのかという前向きな視点を持って、未来志向の議論ができることを期待しております。
 以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 消費者庁は間もなく出席される予定かと思いますので、しばらくお待ちいただくことになりますが、その間、ほかの委員の方から何か補足的な意見があれば、御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 資料2は、これまで我々の間で議論をした内容がほぼ文章としてまとめられておりまして、これを消費者委員会から消費者庁に文書で伝えております。これに対して、消費者庁から文書で資料3別ウインドウで開きますが返ってきているというところであります。消費者庁と消費者委員会との間で一定のやり取りをしながら、このような形での建議を考えているけれども、ちゃんと遂行してもらえるかということを打診しながら、意見調整しているわけであります。いざ特商法の改正ということになれば、消費者庁に頑張っていただかないといけないということで、消費者庁が絶対これはできないと言っているものを建議しても、なかなか難しいのが現実です。ここではしっかりと消費者庁の考えを伺った上で、消費者委員会として、それでもあえて建議を立てるかどうかということも含めて考えていく必要がございます。その意味ではかなり大事な議論になりますので、是非、活発な御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 前提事実として、どことは申し上げませんが、2004年11月から6年間、2010年までの間に、特定商取引法で処分された事業者のその後の状況を分析したデータがございます。この6年間で、449社が特定商取引法による行政処分を受けていますけれども、このうち、現在でも活動が確認できたのは79社だけというデータがございます。つまり、ほとんどの事業者は事業を継続していることが確認できない。449社のうち350社以上が確認できない。明らかに破産したのが35社という実情です。
 どういう業種が多いかというと、一番多いのが学習系で88社、住宅系、いわゆる住宅リフォーム詐欺的なところが74社、健康食品などの痩身食品などを含めて45社、羽毛布団や磁気マットレスなどを含む寝具類が44社、健康器具などの器具類が43社、イオン水や活性水などを含めた浄水器が33社、エステのほか化粧品などの美容系が29社。
 消費者庁では、いわゆる事業者としての存在を認めた上で、その適正性を期すというのが特商法の趣旨だという御説明がなされているわけですけれども、実情としてこの449社のデータを見ますと、事業の実情を行政処分を契機に是正して適正な事業活動に移行する事業者ももちろん多いし、いてほしいと思いますが、むしろ行政処分を契機に社名を変えたり、あるいは、事業継続が困難になるという実例が非常に多いようです。特定商取引法による行政処分を契機に、取引市場から退席していただくといいますか、そういう機能をどうも特定商取引法の行政処分は果たしているのではないか、という実情がこういう449社のデータの分析から明らかになっているように思われます。
 さらに、警察による行政処分の実例を見ましても、特定商取引法が警察の摘発のきっかけになっている。特定商取引法違反を先行して捜査を進め、詐欺とあわせて刑事摘発をするとか、あるいは、私自身が深く関与してまいりました霊感商法の事案などでは、特定商取引法で相次いで霊感商法を行っている事業者を摘発し、それによって事実上、霊感商法による印鑑販売や、数珠・置物などの販売が根絶されたという実例もございます。特定商取引法の行政処分による是正はもとより、大阪府でも御説明がありましたが、この種消費者トラブルを多発させている事業者の行為を抑止することも、社会的事実として、これまで多数、刑事的な摘発がなされていることも、分析の結果、明らかになっております。一応、そのことだけは事前に御報告しておきたいと思います。

○河上委員長 ありがとうございました。事業者としての存在を認めた上で、その事業活動としての適正化を目指すという目標と、現実は必ずしも合致していないということですね。
 特商法だけで効果を完結させようということを考えなければ、特商法にはそれなりの意味もあるだろうと思います。しかし、特商法だけを見てこれだけで本当にいいのか、こんな効果しかないものをどうして狙い撃ちにして改正をしようとするのか、という話になってしまうでしょうね。実際に、詐欺罪とか、一定の禁止行為にして、例えば刑事罰を加えるという契約類型をつくるとなると、それなりにハードルは高くせざるを得ないわけで、特商法のように簡単に外形標準でもって是正命令をしたり、調査をしたりということがやりにくいということは確かだろうと思います。
 ほかに、何か補足的な御意見がございましたら、いかがでしょうか。消費者庁からの考え方はもう文字になっていますから、あらかじめ、もしお考えがあれば伺ってもいいかと思いますが、いかがでしょうか。だいぶ議論をしたので、議論は尽きている感じはしないでもないですが、いかがですか。
 消費者庁のほうからは、まだ。

○原事務局長 あと5分ぐらいお待ちいただくようになるかと思います。

○河上委員長 それでは、5分ほど休憩いたします。

(休憩)

○河上委員長 お待たせしました。
 続きまして、特定商取引法における指定権利制の廃止についてということで、消費者庁との議論を行いたいと思います。
 消費者庁では、業務の御都合からこういう形でということで、少し遅くなりましたけれども、再開致します。消費者庁におかれましては、お忙しい中、当委員会に御出席いただき、ありがとうございます。
 それでは、委員会から出しました書面に対して、消費者庁のお考えをうかがいたいと思います。すでに、書面でいただいておりますので、簡単に、かいつまんで御説明を5分ほどでお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁山下取引対策課長 お手元に資料3として配付させていただいております。これは、資料2の委員会から御提示いただいた論点に対して、当方の考え方をまとめたものでございます。時間の都合もございますので、個別の論点につきましてはその都度御説明、補足させていただくこととしまして、1ページ目の「基本的考え方」というところだけ述べさせていただこうかと思います。
 特商法で、今回のような現に被害が起きている詐欺的投資取引を規制することができるかどうかという課題をいただいているわけですが、我々の見解としましては、それは難しいということが結論としてございます。これは、消費者委員会から御提示いただいた認識でもありますけれども、パラ1、「現在、問題となっている詐欺的投資勧誘では、契約後連絡が取れなくなることがほとんどであり、予め仕組まれた集団的・組織的詐欺あるいは第三者詐欺による取引であることから、その存在自体が許されるべきではない」ということでございます。
 こうした中、特商法の目的でございますが、法律上規定されている行為規制を事業者に対して遵守させ、かつ、民事ルール、クーリング・オフ等が活用されることによりまして、一般消費者を保護するとともに、特定商取引を公正にし、商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にすることにございます。冒頭言及させていただいたとおり、今、問題となっている詐欺的投資取引というのは、本来その存在自体が許されるべきでないわけです。それにもかかわらず、仮にそれが特商法の規制のもとに置くというのであれば、本来、存在自体が許されない詐欺的な取引について、一定の行為規制にさえ従えば存在自体は許される、こういった変なことになってしまう、誤ったメッセージを出すことになってしまうため、消費者委員会の御提案を認めることはできないということでございます。
 いろいろ御議論はあろうかと思いますが、これは、政策論ではなくて立法論でございます。したがいまして、前回、まさに特商法の押し買い規制の適用除外政令の議論に当たって、特定の例えば自動車とかそういったものを除外すべきかどうかということで、けんけんがくがくの議論になったわけでございますが、ああいった政策論ではなくて、これは立法論の世界でございますので、特商法で立法的に対応することは難しいということが、我々の結論でございます。
 今回いただいたのは特商法ということでございますが、委員会との議論の中では、景表法にあっても詐欺的投資取引に積極的に関与するべきではないか、こういう問題意識もいただいているわけでございます。それにつきましては、簡単に片桐課長から御説明をいただこうかと思います。資料3の最後の4ページ目、「その他」のところで触れさせていただいております。
 基本的な考え方は、今、私が申し上げた、特商法でなじまないということと同じでございます。いずれにしましても、真正面からこういった取引を特商法ないし景表法でとらえることは困難であるということです。それでは、片桐課長から御説明いたします。

○消費者庁片桐表示対策課長 では、4ページ目でございます。景表法について、「付言すると」というところに書いてあるところをごらんいただければと思いますけれども、基本的にはここに記載のとおりでございます。景品表示法も基本的に、実体のある商品・役務、グッズ・サービスを前提にしているということでございます。適正な表示であれば、当然、事業活動を続けていくこと自体は問題ないということでございます。したがって、景品表示法違反行為に対する措置についても、表示に関するもののみということで、事業活動そのものを規制するものではないということでございます。
 あえて、こういった詐欺的な投資勧誘等の事案に対して、景品表示法ではどうかということでございますけれども、今、申し上げたとおり、景品表示法違反行為に対する措置は表示に関するもののみでございます。表示のみを是正されるということで、事業活動自体は逆に言うと肯定することになるということでございまして、問題の本質といいますか、詐欺的投資勧誘に対する直接的な対応にはならない。かえって事業そのものの正当性を認めることにもなりかねないということで、事案の対応ということでは、かえって逆行することにもつながると考えているということでございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、議論を行いたいと思います。ただ、論点がたくさんございますので、なるべく絞った形で議論を行いたいと思います。大きく2つの議論、すなわち、特定商取引法の在り方、法の目的についてということと、それから、指定権利制を廃止した場合の効果について、議論ができればと思います。
 なお、この2つの論点は密接に関連する部分もあろうかと思いますので、それぞれの論点を中心に議論するということで進めてまいりたいと思います。
 まず、特定商取引法の在り方、目的について、20分くらいの目安で議論をさせていただきたいと思います。
 初めに、私から、2点ほど確認させていただきたいと思います。
 消費者庁からは、架空の権利取引等、取引の存在自体が否定されるような詐欺的事案については、特商法の法目的に合致しないので適用は不適切であるという御説明をいただいております。先ほど御不在のときに、吉田委員から消費者委員会の意見については紹介したのですが、先ほどの説明にもありましたとおり、特商法という法律は契約締結前の勧誘行為等について規制を課すものでございまして、欺瞞的権利取引などの事後的に契約の有効性が否定される可能性を有する取引であったとしても、外形標準的に同法を適用せざるを得ないのではないかというのが消費者委員会の考え方です。それによって欺瞞的取引等を排除することを通じて、取引類型全体から見て商品等の流通の適正化ができるというふうに解釈すべきではないか。仮に消費者委員会が考えているような法解釈を行った場合、何か具体的に支障があるのかどうかということ、これをお教えいただきたい。これが第1点目であります。
 第2点目は、仮にそのような解釈が現行の特商法の法目的に合致しないということであれば、特商法の法目的自身を見直すことも考えられるのではないか。そこも支障があれば、具体的にお答えいただければと思います。
 あえてもう一点、つけ加えさせていただければ、特商法の法目的は、消費者庁からいただいた基本的考え方に、「特定商取引法を公正にし、商品の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にすること」と書いてありますが、これは、むしろ経済産業省の発想のように思われます。消費者庁に移った特定商取引法というのは、それを一つの目標とはするけれども、むしろ法目的の主眼は、消費者の権利の保護を大きな要素としていることは明らかです。消費者庁に移転した特商法の法目的ということになると、資料4別ウインドウで開きますの中にあるかと思いますけれども、「特定の取引の相手方である購入者等が不当な損害を受けることのないよう必要な措置を講ずること」「購入者等の利益の保護を達成する」ところに目的があるわけで、むしろ軸足をこちらに移転した場合には、やはりやるべきことがあるのではないかという感じがしますけれども、いかがでしょうか。

○消費者庁山下取引対策課長 まず最初の御質問、支障があるかどうかという話につきましては、参考となる我々の記述としては1ページの最初のマルであろうかと考えております。2ページ目のなお書きに書きましたけれども、いわゆる偽装された取引、欺瞞的な取引であっても、契約として一応有効に成立する場合があるではないかという御主張でもあります。
 今回、当方のペーパーには記述はございませんが、委員長の御執筆の本などを事務局は引用されながら、そういったものもあるではないか。したがって、そういったものも特商法の対象になるのではないか、こういったことをおっしゃられているのかと思っておりますが、そもそも、どういった取引であれば有効に成立するのかということにつきましては、委員長がお書きになっている本には必ずしも詐欺的投資取引とは書いていないわけです。それは、「冒険的取引」と言ったり、「射倖契約」と言ったりですが、必ずしも詐欺的取引が前提にあるとは書かれていない。また、どういう取引であれば有効に成立するかどうかという議論はさておきまして、取引の有効性の議論と、それが特商法になじむかどうかというのは、別次元の話なわけです。したがって、そこは区別して考えるべきだというのが我々の考えでございます。
 目的規定の関係で言えば、1番目の問いの続きで、1ページ目の最初のマルの部分が関連するかと思いますけれども、我々は、あってはならない取引を規制の対象としているわけではない。それは先ほど申し上げたとおりでございますが、しかしながら、「特商法は、ある取引自体を排除するのではなく、取引自体が市場に存在することは認めながらも、行為規制を通じて販売行為等を適正にすること」、これによりまして、その目的の達成を図ろうとしている法律でございます。
 もし取引自体を排除することが目的であるというのであれば、そういった目的を担保するために、取引の禁止規定、あるいは参入規制が置かれることになろうかと思いますけれども、現に特商法に置かれているのは行為規制であり、民事ルールであり、あるいは罰則規定のみであるわけです。したがいまして、我々は現行の特商法においては、そもそも欺瞞的な、あってはならないような、存在自体が許されるべきでない取引というのは対象に置いていないということでございます。
 2点目の、法律の法目的自体を見直すべきではないかということでございます。これに関連して、この法律が経産省から消費者庁に移ったわけだから、そこも含めて再検討してはどうか。こういう御質問に関してでございます。
 まず、法律の所管が移ったとの御指摘につきましては、依然として経産省は共管しております。現に執行にあっても、経産局が地方にまでその執行の目を光らせているわけでございます。当然、局が局なりに判断しているわけでございます。したがって、消費者庁の専管ではないということが一つです。
 それから、法目的自体を見直すことにつきましては、我々実務の立場からすると非常に難しいということでございます。目的の違うものをつくるということですので、自然な発想に立てば、別の法律をつくればいいではないか、そういう議論になるわけでございます。したがって、法目的を変えることは容易なことではないということは申し上げたいと思っております。

○河上委員長 目的を変える必要はなくて、そもそも消費者保護という観点は目的に入っていることですので、そこのところは別に否定されているわけではないですね。

○消費者庁山下取引対策課長 はい。現にお配りいただいた資料4にもあるとおりでございまして、目的の半分は購入者等の利益の保護でございますので、そういう意味では全く私どもは否定しているわけではございません。現にそういう観点から執行しているわけでございます。

○河上委員長 では、委員の方々から何か御質問がございましたら、お願いします。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 前回も議論させていただきましたけれども、消費者白書で、これだけ高齢者に対する取引被害がまん延していると特集されている状態の中で、消費者庁として、今の実態をどうするのかというマインドが全く伺えないというのは大変残念です。
 幾つも言いたいことはあるのですが、2つに絞ります。御案内のとおり、詐欺的投資勧誘の、山下課長がおっしゃる「あってはならない取引」は、詐欺だという顔をして消費者に近づくわけではないわけです。あたかも安全・安心でお得な取引ですという顔をして、消費者に近づくわけです。消費者は、これだったら大丈夫だということでお金を出してしまうのが実情だというのは痛いほど御存じのとおりです。
 そういう中で、特商法というのは何がすぐれているかというと、ああいう商品、こういう物を売ってはいけません、規制しますという形ではなくて、客観的な行為対応に基づいて特定の商取引を、訪問販売とか、通信販売、電話勧誘販売、インターネット取引というような取引類型に即して、消費者に被害をもたらすものを抑止するべく、例えば通信販売でやるならば、あるいは訪問販売でやるならば、契約書にはこういう契約事項を書きなさいと。そういうものを書かないで取引した場合については、行政処分の対象になります、場合によっては刑罰の対象になりますと。そういう規制をしている。そういう意味では、消費者にとっては、あるいは行政にとっても警察にとっても、使い勝手のいい法律になっているわけです。
 ところが、これが指定権利制ということで、わけのわからない権利、あるいは外形的には真っ当な外形をとっているけれども、ふたをあけてみるとかなり欺瞞的だったり、利益誘導だったり、誤認だったりするものについて、特商法が使えないという現行法制度のもとで、これを使えるようにできませんかというのが提案なわけです。消費者庁は、そもそもこの法律の目的としては、市場から排除されるべきものを対象にはしていないと言われていますが、現実の取引は、市場から排除されるべきものとして社会現象としてあるわけではなくて、いかにも消費者にとっていいものであるかのように近づく。そういうものを消費者庁としては特商法でなぜ規制なさろうとしないのか、というのが一つです。
 もう一つは、おいでになる前に現実の問題として事実を述べましたけれども、過去6年、2004年~2010年の449件のデータを見ますと、消費者庁あるいは経産省が行政処分した後、350社以上は事業の継続が確認できないというのが実態です。つまり、行政処分した後は市場から退場しているのです。私は、取引対策課の現場の皆さんは、これは消費者行政の点から許せないという事業者について、熱い気持ちで取引対策課として摘発されていると思います。
 例えば開運商法という業者がございます。これは、開運ブレスレットを3,000円で買って、その後、それを契機に何十万、何百万と払わせるという極めて悪質な事業者です。これを苦労して、苦労して、現場では特定商取引法で摘発されています。摘発された後は市場からいなくなっています。現実にこういう苦労をなさっているのです。それを課長のレベルでそれはうちの仕事ではないと言うのは、現実からかけ離れているのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○消費者庁山下取引対策課長 まず最初に、根本的なところから申し上げなくてはいけないと思います。我々は、我々というのは「消費者庁は」という意味でございますが、別に現下で起きている詐欺的投資取引に関する被害、これがどうあってもいいと言っているわけでは何らないです。そのために、まさに消費者委員会として、我々の聞き及ぶところでは、建議をして、今回議論するもの以外につきましてもパッケージで提案されようとしている、そういうふうに認識しているわけです。繰り返しになりますけれども、我々消費者庁としては、この被害に対して目をつむっていいという認識は全くございません。
 ただ、今回ここで御議論しようといただいているのは、特商法で対応できるだろうというところなのです。冒頭、私は、特商法では対応できません、これは政策論ではなくて立法論ですというふうに申し上げているのです。先ほど、委員長代理は「使い勝手がいい法律だから」、こういうふうにおっしゃられました。ただ、立法論として、使い勝手がいい法律だから、そこを何とかできるだろうというのは通らない話だと、当たり前ですけれども、我々は認識しているわけでございます。政策論ならわかる。立法論ではそういう議論は通らないわけです。したがって、特商法で何とかできるだろうという御下問に対しては、それは申しわけないけれども、できませんというふうに申し上げているのです。
 ちょっと話はそれるかもしれませんが、本来であればこの消費者委員会の場では、特商法で何とかできるだろうという議論にフォーカスして議論をする必要はなくて、今、建議でどういったことを考えられているのか、詐欺的投資取引に対してパッケージでどういった対応をしていくのか、そういうのが議論としてあってしかるべきだと私は思います。そちらのほうがよほど建設的な議論になろうかと思っております。熱い気持ちはあります、我々も。別にさめているわけでも何でもございません。
 現に第120回の消費者委員会で私から御紹介したとおりでございまして、昨年になりますけれども、CO2の排出権を扱っていた「やよいトレード株式会社」という事業者をまさに特商法で処分したわけです。なぜ処分できたか。これは御説明したとおりですけれども、CO2の排出権と言いながら、実際には店頭デリバティブ取引をしていたわけですが、差金決済取引をしていたわけです。差金決済取引を役務取引ととらえることができたので、特商法を適用したということなのです。我々としては、別にやよいトレードで終わらせるつもりはございません。同様の適用可能な事案があれば、そこは特商法を適切に執行していく。それは熱い気持ちを持っているわけでございます。それは担当課長として断言します。
 最後に、委員長代理から、課長のレベルで判断していいのか、処理していいのか、つぶしていいのか、という御発言がありましたが、本件は、ここで紙として配付したものは、私の一存で書いたものでは全くございません。これは消費者庁としての紙でございます。

○山口委員長代理 現場では、現実に対象にならないとおっしゃっているような取引でも規制されていますよということです。取引市場で、あるべきでない取引であっても、実際に苦労して摘発されていますよということを言っているのです。

○消費者庁山下取引対策課長 ですから、そこは私が申し上げたとおりでございまして、例えばやよいトレードのように役務の提供として構成できるようなものがあれば、それは今後とも適切に特商法を執行していくつもりでございます。

○山口委員長代理 現実にそういう取引を、これはCO2排出権ですが、ことしの6月30日に大阪府警は詐欺で摘発しています。詐欺で摘発しているということは、課長のおっしゃり方をすれば、市場にあるべきではない取引だと思われますね。

○消費者庁山下取引対策課長 詐欺罪の適用と特商法の適用は、また違う議論になろうかと思います。我々は、あくまで特商法で適用できるかどうかという議論をしているわけです。それは、大変申しわけございません、繰り返しになりますが、我々はぎりぎりのところで、今、やっているわけでございまして、今後ともやるという、少なくとも担当課長である私は熱い思いは持っております。

○河上委員長 役務が含まれているからできるというお話ですけれども、役務の提供と物品の提供という形をとって権利が構成されているのが普通ですから、その意味ではほとんどのものができるということにはならないのですか。

○消費者庁山下取引対策課長 その関係で申し上げれば、我々の資料の2ページ目、「3.関係」というところが参考になろうかと思います。2パラの「これについては」のところですけれども、繰り返しになるので余り申し上げませんが、要は役務の提供があるという大前提で、ただ、それを権利と称して転売して転々流通してしまう。こういったものは権利と称するものであって、もともとの事業者は直接的に消費者に提供するものではございません。したがって、そういった脱法行為を防ぐために、現在、指定されているという建付けになっておりまして、この考え方は今も変わっているわけでございません。
 つまり、役務という存在が大前提なわけです。役務あっての権利なのです。したがって、指定権利制を撤廃して、およそ権利と称するものは何でも規制にかからしめてしまえという議論には、我々は立っていないわけでございます。

○河上委員長 逆に言うと、架空の役務であっても役務のような外形をしていて、それが権利としてパッケージ化されているというものもあり得るわけですね。先ほど景表法の話が出て、今、安愚楽牧場が随分問題になっていますけれども、そのかなり前に「ふるさと牧場」というのがありまして、そのときは、牛を一匹も飼っていないのに牛の権利が商品として売られていて、これを景表法で対応したという経緯があったかと思います。事後的に評価してみたら、それが架空のものであったり、存在しなかったものというのは、法律の対象としてやってきたのではないかと思われるわけです。
 一方で、契約の締結過程について一定の規律をしたからといって、それが内容的に、合理的な違法性を持たない契約であることを担保することにはならないはずで、その部分に規制をかけたからといって、内容的にも有効なものだという誤ったメッセージを出すことにはならない。成立過程の規律をつくることと、内容規制をやることは全く別問題ではないかという気がしますけれども、その辺はどうなのでしょうか。

○消費者庁山下取引対策課長 まず、事前か事後かという話は、先ほど委員長代理からもありましたけれども、こうやって現に高齢者をはじめとする消費者がだまされている。だまされているというか、勧誘を受けている時点ではそれが真っ当なものかどうかわからないではないか。真っ当かどうかは後になって気づくものです。したがって、後になって気づいた時点で対応しても、後追いになるというか、予防にならないではないか。だから何とかしなくてはいけない、ということであろうかと思うのです。それはそうだと思います。
 ただ、繰り返しになりますけれども、特商法は、実体のない詐欺的なもの、これはいずれ処分の段階で処分できないわけです。我々としては、先ほど、ある意味見切りで走っているのではないかという趣旨の委員長の御発言があったかと思いますけれども、別にそういう手抜きみたいなことはしているつもりは、少なくとも私はございませんで、きちんと聴取等を重ねて、これは実体があるという大前提で、大前提なんて意識するほどでもないぐらいの大前提だと思いますけれども、そういったものに基づいて調査に入っているわけです。したがって、事前か事後かという話は、先ほど言いましたように政策論だと思うのです。つまり、事後では遅い、事前で何か対応が必要だというのであれば、どうしたらいいかというのは、別に特商法というツールに限って議論をする必要は全くないわけでございまして、ほかのいろいろな考え方があろうかと思います。
 まさに、特商法でも対応できない、景表法でも対応できない、どうしてくれるのだという意味で、すき間事案として安全法が改正されたという経緯もあるわけでございますので、そういったものを適切に執行するとか、広い意味で啓発活動をもっと強めると。山口委員長代理は、高齢者に対して啓発活動は無理だとこの間我々におっしゃっていましたけれども、私は全然そうは思っていません。そういうことをやるとか、そういった広い視野で議論すべきだと。これこそ政策論だと思います。

○山口委員長代理 どうしても一つだけ申し述べたいのですが、お二人の考えと昨年亡くなった神宮司審議官の考え方は明らかに違いますね。私は神宮司審議官と親しく何回もお話をしましたけれども、彼は、こういう投資商品についてもそれは景表法でいけると言いましたよ。現実にやると言いました。公正取引委員会のときは、どれだけでかい会社をどれだけ摘発するか、これが仕事だったけれども、今は、吹けば飛ぶような、場合によってはそれ自体が市場にいていいのかどうかもわからないぐらいの会社を、景表法違反でどんどん摘発して、それで消費者被害をなくす、抑止するのだとおっしゃいましたよ。
 また、実際に特商法でも、吹けば飛ぶような会社であっても現実に消費者問題を起こしているならば、消費者被害を予防するという視点から積極的に摘発していかなければいけないということをおっしゃっていました。私は、現実に現場はそうなさっていると思いますよ。消費者庁が現実にやっていらっしゃることと、今、立法的に違うとおっしゃることとが、乖離しているとしか思えないです。

○消費者庁山下取引対策課長 神宮司審議官と山口先生の間でどのような議論があったか、私は存じ上げておりません。ただ、御紹介があったような話は、私自身は、審議官からそういう話は聞いたことは正直ございません。事実かと思いますけれども、私自身は確認できないので何とも申し上げられません。ただ、我々は組織として動いておりますので、今の消費者庁としての考え方というのを紙に落としているわけでございます。一個人の考え方ではございません。これが一つです。
 それから、繰り返しになりますけれども、私も現場も熱い思いを持ってやっていると、それは自覚しております。若干話はそれますけれども、例えば前払式の金地金の割賦販売、80歳の御高齢の方が、実は受け取るのが25年後の105歳になってからという、国センの注意喚起文が出ましたけれども、まさにあの被害を起こしていた事業者を、ちょっと前ですが、処分したわけです。株式会社シーリードという事業者でしたが、熱い思いを持ってやっております。
 ただ、熱い思いを持てば立法論的に何でも通るわけではない。そこは、先生のことなら百も承知でいらっしゃると私は思っています。我々はできる限界の範囲でやっているわけでございます。したがって、やよいトレードもできた。今後とも、類似の事案はどこまでとれるのかということを概念的に整理することは難しいですけれども、できるものはチャンスをとらまえてやっていきたいと思っております。

○河上委員長 既に効果の問題にも入っていると思いますけれども、指定権利制廃止をした場合、特商法でこれをやった場合の効果について、もう少し議論を深めたいと思います。
 先ほど、消安法の話が出てまいりました。消安法については、今回の審議で問題としているような権利取引など、すき間事案を対象としてやるということで、迅速な対応が必要であるということで、先般、改正法が施行されたと認識しております。
 ところが、消費者庁が主張されるように、特商法の行政調査に余り実効性がないとか、あるいは、消安法でやると言っても多数消費者被害の実態への対応ということを言い始めると、逆に、消安法を動かすことのハードルのほうが特商法よりかなり高いことになりかねない。そうだとすると、消安法の改正の意義について、消費者庁としてどういうふうに考えてきたのか。特商法に消安法とは異なる特有の事情があるのかどうか。問題があって、そこにすき間があって、対応できる可能性があるのであれば、指定権利制を廃止することによって、さっさと外形標準で規制の端緒をつくることを妨害する発想というのはどこにあるのだろうか、という気がします。
 山下課長が熱い思いで今の特商法の法適用に取り組んでおられる、私はよくわかります。わかりますけれども、それだったらなおさら権利のところを、指定制をやめて、もっとすっきりと、役務かどうかということを迷わないで入っていけるようにしてはどうかという気がしますけれども、いかがですか。

○消費者庁山下取引対策課長 消安法の話になるのであれば、本来担当の後藤室長がいたほうがよいかと思いますけれども、私の言える範囲で申し上げますと、実効性がないとの御指摘をいただいたわけでございます。ただ、実効性がないから特商法で対応すべきだろうというのは論理の飛躍があると思います。経緯的に実効性があろうとなかろうと、まさにすき間事案を拾うために消安法が改正されたわけであるから、もし実効性がないというのであれば、その見直しも含めて考えるのが私は筋だと思います。
 その点について言いますと、恐らく実効性というのは執行の段階も含めてということであろうかと思いますけれども、第120回の委員会で、私も、後藤室長も、金融庁の担当室長も全く同じようなことを申し上げたわけですが、執行が大変だということは別に安全法に限りません。我々の紙でも、3ページ目の「5.関係」のところで言及させていただいていますけれども、実際に今でも悪質な事業者というのは、レンタルオフィスやレンタルポストを使っています。転々としているわけです。なかなかその実態がつかめない。実態がつかめないということは立入検査ができない、必要な物証がそろわない。こういう困難を抱えています。これは別に消安法だけの話ではなくて、特商法もそうだし、金融庁の室長もおっしゃっていたように、金商法もそうだと思います。そこは変わるところはないと思うのです。したがって、ここは別に、だから特商法だという議論にはならないと考えております。これが一つです。
 その関係で言えば、山口先生からいただいた特商法の処分を受けた事業者の多くが、処分後は企業として継続的に活動していないという調査結果が出ているということでございました。分析してみないとわかりませんけれども、実際に活動をやめてしまったのかもしれません。ただ、現にあるのは、法人が前提のことだと思いますけれども、法人であれば、法人名をすり替えてまた同じことを繰り返す輩というのもいるわけです。特に中小さんであれば、そういうことをやっているわけです。処分されても、まあ、いいやと。企業をすり替えてまた同じことをしている事業者は現にいるわけです。そういったのが果たして何割あるのか。その辺の分析も本当は必要だと思います。要は特商法で処分して、その実効性がどこまで上がっているかという検証は、これはまた別の議論としてすべきだと私は思っております。

○河上委員長 私が申し上げたのは、消安法にもそういう問題点はあったはずだと。つまり、調査をしようと思ってもなかなかつかまえにくいという問題点はあった。そういう問題点があったにもかかわらず、消安法に関しては、すき間を拾うんだといって立法したわけです。今、特商法について、指定権利制を外しても、そういう問題点があるからだめだというふうにおっしゃるけれども、いろいろな立法をするときに、それが実効性のある形で執行できるかどうかということは、決して邪魔ではないのではないですかということを言っているのです。

○山口委員長代理 消安法に基づいて、消費者庁がかなり精力的に注意喚起情報を出されています。実際に去年の2月14日には、風力発電に係る「土地の権利」をめぐる投資勧誘に関する注意喚起をされた。2月17日には、太陽光発電事業の合同会社加盟店の募集に関する注意喚起をされた。7月13日には、中東の天然ガス関連事業の名称を用いた「天然ガス施設運用権」の勧誘に関する注意喚起をなされている。11月2日には、iPS細胞作製に係る特許権の知的財産分与譲渡権勧誘に関する注意喚起をされた。この種の権利的なもので消費者の被害が起こっていますということで、注意喚起をされています。
 これが、特商法の指定権利が廃止されて特商法の適用対象になっていれば、例えば、権利としてこういうものを売る場合には、最低限、これこれこういうことについて契約書に明記しなければいけませんということを政令で定めます。そうしますと、政令で定めていないという事実一つをとって行政処分の対象にできるわけです。あるいは、警察も踏み込むことができるのです。
 ところが、消安法ですと、大量消費者被害事案ということで、何件も被害が起こるまでは手が出せないわけです。その意味では、特定商取引法もあっていい、消安法もあっていいということだと思いますけれども、消費者庁は現実に被害があって注意喚起をなさっているこういうものについて、特商法の網にかけて規制をすることによって被害を抑止する。あるいは、被害を迅速に救済する、そういう視点があっていいのではないか。また、実効性もあるのではないかと私は思いますが、どうでしょうか。

○消費者庁山下取引対策課長 繰り返しになりますけれども、この被害に対してどう取り組むかという話、政策論と、特商法で対応できるかどうかという立法論は全く別なのです。山口先生の熱い思いは私もよくわかります。何とかしなくてはいけないというのはよくわかります。ですが、特商法で対応しろというのは、それは法の限界があるということを繰り返し申し上げているわけです。別に特商法で対応しなくても、ほかのいろいろなやり方があるわけです。

○山口委員長代理 ないから、言っているのです。

○消費者庁山下取引対策課長 法律がすべてではないと私は思っていますので、そういったことも含めて、では、どうしたらいいのかという議論があってしかるべきだと思います。まさにそちらのほうが建設的な議論になろうかと思います。

○河上委員長 具体的に特商法の限界というのは何なのですか。たとえば、物品なら、まがい物を売っていても、特商法の適用は否定されないはずです。

○消費者庁山下取引対策課長 それはペーパーに書いているとおりでございまして、要は、詐欺まがいのものについて、実体のないものについてまで、特商法の目的規定に照らして対象とすることはできませんということでございます。

○山口委員長代理 明らかに論理矛盾ですよ。先ほど来、山下課長がおっしゃっている現実に摘発した例は、市場から排除されるような事件もやっているということを、実際に認めておられるではないですか。

○消費者庁山下取引対策課長 私はそうは申し上げたつもりはなくて、役務の提供として構成される実態があれば、それは適切に対応していきますというふうに申し上げただけです。

○原事務局長 事務局ですけれども、ひとこと発言したいのですが、私は昭和51年、訪問販売法が制定されたときからずっと見ていて、訪問販売から電話販売も取り入れていて、特定商取引法というのは、市場とか、取引の実体とか、そこに向けた消費者トラブルがあればということで、発展系でいろいろ法改正に取り組んでこられたという感じの法律だと考えております。もちろん、今の法目的に照らすと、という判断もあるかもしれませんけれども、発展的に取り組んだときに、消費者安全法、特定商取引法、景表法、そういったところで、全体で何かできないかというところを是非考えていただきたい。もちろん、特商法の権利の話だけに消費者委員会は詐欺的投資勧誘で取り組んでいるわけではなくて、啓発とか、犯行ツールについても取り上げております。それについてはまた、全体をお示ししたいと思っておりますけれども、せっかく発展系で30年も取り組んできたので、その延長線上で検討を重ねていただきたいと思います。

○消費者庁山下取引対策課長 ですから、私は全く同じ方向を向いていると思っていまして、まさに発展的にどうしたらいいのかという議論があってしかるべきだと強調しているわけでございます。ただ、目的を発展的に展開できるかというと、私はそうは思っておりません。法目的を変えるということはそんなたやすいことではございません。これは立法論です、繰り返しになりますが。それに固執するのではなく、あくまで全体的にどうやって発展的に施策を展開していくのかという議論をすべきだと私は考えております。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 お聞きしていて、何をそんなに守られているのがよくわからないのですが、立法論とおっしゃいますが、普通、立法政策として、新たにこういう立法があったほうがよりよいということで確かに立法論という話をしますが、今、ここで議論をしているのは、特定商取引法のこの法の目的の中で読めるか、読めないかということですね。それを読めないとしきりと言っていらっしゃるのですが、いくらおっしゃられても、私どもはこれは読めるのではないかと思っているわけです。
 なぜかというと、最終的に守りたいのは消費者で、消費者が不利益、被害に遭わないようにというところが法目的なので、それがなぜ要らないということになるのか。同じことを繰り返していただいているのですが、こちらも同じことをほぼ言っていますが、なぜその法目的に合わないかというのは、どうしても論理が私どもには理解できないのです。

○消費者庁山下取引対策課長 すみません。退席しなくてはいけない時間になってしまったのですけれども、我々としては別におかしなことを言っているつもりは全くございません。それは紙に書いてあるとおりでございます。本当にできないものはできない、これは申し上げなくてはいけないわけでございます。結論的に申しますれば、もし消費者委員会としてこれについて建議の内容に含まれるのであれば、我々としてもきちんとそれに対して見解を、今回はこうやってペーパーを出させていただいて、これ自体公開されるわけでございますけれども、最終的にもそういった意見は述べなくてはいけなくなるであろうと考えております。

○河上委員長 もうお時間が迫っているということで、消費者庁の御見解をうかがっておりますと、今の段階で両方が歩み寄ることはできないようですけれども、ただ、当委員会としては、権利も含めて外形標準的に特定商取引法の適用が可能ではないかということと、特定商取引法の指定権利制の廃止は、一定の効果を持つのではないかというふうに考えているところであります。ただ、詐欺的な投資勧誘から消費者を守らなければならないという方向性は両者共有しているところですので、引き続き何ができるか、何をすべきかということの検討を深めて、できる範囲のことで建議を立てていきたいと思います。

○消費者庁山下取引対策課長 私からのお願いですけれども、是非、特商法の見直しに議論を特化しないでいただきたいということなのです。我々が目指すべきは、お互い共通だと思いますけれども、この被害を防ぐことであって、特商法の指定権利制を廃止すること自体ではないと思います。そこは是非、共通認識としていただきたい。

○河上委員長 それは了解しております。

○消費者庁山下取引対策課長 先ほど小幡委員から、なぜできないのか理解に苦しむというお話がありましたが、我々としては別に奇をてらったことを言っているつもりは全くございません。そこは再度申し上げさせていただきます。

○小幡委員 法制局を通らないのではないかということを心配なさっているということですか。端的に言うならば。

○消費者庁山下取引対策課長 法制局もそうでしょうし、そもそも法目的を変えるようなものであれば、それは特商法を変えるのではなくて、ほかの立法というのがあるのではないですかということ。例えば、参入規制をする業法であるとか、禁止法とか、そういうアイデアもあるのではないですかと、これは前々から申し上げるところでございます。すみません、以上です。

○河上委員長 法目的の解釈も複数あり得るということかもしれません。

○山口委員長代理 基本的にやる気の問題だと思いますが。

○河上委員長 担当課長の気持ちが熱いことは明らかですから、それは大丈夫でしょうけれども。引き続き消費者委員会としては、建議に向けて調査審議を行ってまいりたいと思いますので、消費者庁におかれましては、是非御協力をお願いしたいと思います。
 消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

≪3.預託法について≫

○河上委員長 続きまして、「預託法について」であります。
 平成25年7月1日付で、資料5別ウインドウで開きますにありますとおり、内閣総理大臣から消費者委員会委員長宛てに、「特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部改正について」という諮問が提出されています。なお、預託法、すなわち特定商品等の預託等取引契約に関する法律の第11条第2項に、「政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは消費者委員会に諮問しなければならない」と定められております。
 また、本内容については、去る5月14日に開催された第120回委員会において、消費者庁から説明がございましたので、その点について意見交換を委員会でも行ったところであります。きょうもその続きということで、最終的に意見をまとめたいのですけれども、この点につきまして、御意見のある方は御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○山口委員長代理 別紙として配られていますけれども、要するに預託法で適用対象にする物品を、自動販売機及び自動サービス機、動物及び植物の加工品、家庭用治療機器、こういうものに拡大するというものです。適用対象を拡大すること自体に別に反対する必要はないので、それはそれとしてどうぞとしか言いようがないと思いますが、こういう形で、先ほどの指定権利制の問題ではありませんが、後追い的に指定物品を追加するという対応でいいのかどうかというのは、非常に疑問はありますけれども、施行令1条の改正を行うこと自体について、あえて反対する必要はないのではないかと思いました。

○河上委員長 ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、委員会としての答申案を配付してください。

追加資料別ウインドウで開きます配付)

○河上委員長 この答申案について、事務局から説明をお願いします。

○原事務局長 今、配付しておりますけれども、本日の日付になります。消費者委員会委員長から内閣総理大臣宛てということで、答申を出したいと思います。
 特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部改正について(答申)。
 平成25年7月1日付け消取引498号で、当委員会に諮問のあった特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部改正については、特定商品等の預託等取引契約に関する法律の趣旨に鑑み妥当であり、その旨答申する。
 以上です。

○河上委員長 ただいまの答申案について、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特に修正意見もございませんので、このような答申案で皆様の御了解をいただいたということで、内閣総理大臣宛てに答申を行いたいと思います。
 答申に当たって、私からひとこと、コメントを申し上げたいと思います。
 まず、政令で定める特定商品等以外の物品、あるいは施設利用権を中心に、預託取引に係る消費者被害の発生状況について実態把握を継続的に行っていただきたいということがございます。それから、実態把握による被害状況に応じた特定商品等の見直しや、中長期的には、特定商品制そのものの見直しも含めて検討を行っていただければありがたいということであります。
 後でまた御紹介があるかと思いますけれども、日弁連から、この答申で諮問を受けた案について、パブリックコメントに答えている意見書が出ております。その最初のところにも書かれていますけれども、「余りにも断片的なこのような対応でいいのか」という書き出しから始まって、もっと根本的に預託等取引特定事業法というのを考えてはどうかということで、日弁連の試案が述べられております。自民党の中でもそうした方向での議論が一時期なされて、まだこれは進展が見られておりませんけれども、そういう議論が行われているという段階であります。
 前回も消費者庁から来ていただいて伺った話では、今回はできるところからやると。つまり、今、受けている宿題の中で、政令の改正の部分をとりあえず応えるという位置づけでやるので、預託法そのものの見直しをやらないつもりではないというお返事はあったところです。これまでの状況から見て、速やかに対応していくのが難しいということもありますから、預託法そのものの指定権利制も含めて抜本的に見直すということを、将来的には是非考えていただきたいと思います。
 預託者の受け取る配当金が、ほかの被害者からの収奪によって賄われているという事実がある業者、その業者を延命させる限りは新たな被害者を生み出すだけであります。その意味では、速やかに問題商法の根絶に向けた行動がとれるように是非抜本的な見直しを考えていただければということであります。
 コメントとして申し上げました。

≪4.その他≫

○河上委員長 続きまして、議題「その他」としまして、消費者委員会に寄せられた意見等について、事務局から報告がございます。事務局から、お願いします。

○原事務局長 資料6別ウインドウで開きますをごらんください。ことしの4月~6月まで、消費者委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文の一覧です。11件いただいております。日付、件名、発信者を載せております。
 17番は、「美容医療に関するホームページ、広告の現状についての要望書」をいただいております。それから「消費者基本計画」の話、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続きの特例に関する法律案」についての会長声明もいただいています。
 21番目は、「新食品表示法施行への今後の検討課題への対応について」ということで、食品表示部会の委員の方連名で、新食品表示法施行に伴う進め方についての御提案をいただいております。
 22番目は、「消費者契約法の見直しの検討に直ちに着手すること等を求める意見書」を大阪弁護士会からいただいております。
 24番目は、「いわゆる健康食品」及び「保健機能食品」の規制改革会議の規制緩和の話ですけれども、断固反対しますということで主婦連合会からいただいております。この中に消費者委員会の話も入っておりまして、第1次の委員会のときに、特保の更新制の導入の話を消費者庁に求めて、今、検討をされているところですけれども、こういったものが全く配慮されていないことの御意見なども、この中でいただいているところです。
 25番目の「地方消費者行政の推進に関する提言」は、全国市長会から毎年いただいているものになります。
 ざっとですけれども、以上になります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 これらの意見等について、御意見のある方は発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 美容医療に関するホームページとか、広告の現状についての要望書というのが出ております。これは、委員会でもフォローアップを含めて関心を持っているところですけれども、細川委員、何かありますか。

○細川委員 これは引き続きやっていますけれども、やはりかなり問題があると思いますし、厚労省の姿勢も、消費者の利益という視点では問題だと思いますので、第2次の消費者委員会の中で何らかの行動を起こす必要があると思います。

○河上委員長 それから、「食品表示法施行への今後の検討課題への対応について(提案)」というのがあって、委員会にも何度か御意見をいただいているところであります。食品表示部会で田島先生が随分対応してくださっていますけれども、もしよかったら、何かご発言ください。

○田島委員 3つの論点を検討していただきたいというのは非常によくわかりますが、2番目に食品添加物について議論をしていただきたいという御要望をいただいています。これは私としては、厚生労働省で、それこそ先ほどの特商法のあれではないですけれども、食品衛生法自身を改正しなければいけなくなるような大きな課題ですので、消費者庁には少し課題が多すぎるのではないか。ということで、第1番目の原料原産地の問題と、第3番目の遺伝子組換え、これを早めに部会の下に調査会を立ち上げたらよろしいのではないか、私自身はそう思っております。

○河上委員長 どうぞ。

○山口委員長代理 御意見はわかるのですが、例えば食品添加物について、現行の包括的な表示で足りているのかという問題で、消費者はそのような包括表示ではよくわからないではないかという議論がかねてよりあるようなのです。難しい問題だというのはよくわかりますが、消費者委員会の部会の中で、難しいかもしれないけれども、オープンの議論をすること自体、意味がないことではないように思います。難しいから部会も設けない、あるいは議論もしないというよりは、むしろ議論はする方向、しかし、なかなか難しいかもしれないねという、そういう立て方はできないのでしょうか。

○田島委員 食品添加物の指定そのものについても見直すとか、一括表示をしたらいいのか、しなくてもいいのかということが、そこまで議論は進んでしまうと思うのです。今、添加物は1,800ありますけれども、それの区分も4つあります。そういった4つの区分が果たして適当かどうかとか、そういうことまで議論しなくてはいけない。そうなると、食品添加物の指定そのものに立ち返って議論をしなくてはいけない。そうすると、添加物を指定する、しないというのは厚生労働省の範囲なのです。消費者庁はあくまでも表示だけですから、厚生労働省の添加物の指定についてまで言及しなければいけないというのは、なかなか難しいのではないか。そういうことなのです。

○山口委員長代理 議論をすると、難しいからかえって混乱するということなのでしょうか。

○田島委員 厚生労働省の施策にまで踏み込まざるを得なくなってしまうと思います。

○山口委員長代理 済みません。踏み込んでいいのではないかと思いますが、それはまずいのですか。

○田島委員 消費者委員会として踏み込んでもいいですけれども、それこそ厚生労働省は、こんにゃく入りゼリーのときにも、非常にかたくなで、とても消費者庁が太刀打ちできる相手ではないと思いました。厚生労働省の食品添加物行政を是正してほしいということは、なかなか難しいと思います。

○河上委員長 難しい問題であるということはよくわかりました。
 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 田島委員がおっしゃったとおりだとは思いますけれども、ただ、この部会に出ている委員の方々、消費者団体としましても、添加物の包括の一括表示というのは世界のルールからも外れて、日本の非常に特異な表示システムなので、そういう観点からも、今後の課題としてやはり早期に見直してほしいという希望はあるわけでございます。部会で一つひとつの指定をどうするかという話ではなくて、消費者委員会として、また部会として、今後の課題として、見直す方向で検討してほしいというふうに意見を出すことは、ある意味、役目ではないかなと私自身は考えます。本当に実際には難しいと思いますけれども、それとは別の観点として、意見はやはり出すべきではないかというふうに思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 食品表示法の一元化の問題の後始末の府令の問題もあって、表示課は結構大変な状態になっていることが予想できますが、将来的に避けることのできない課題としてはあるのだろうと思います。ただ、その課題は、実際にやっていこうとすると大変難しい問題をはらんでいるというのが、田島委員のお話からもよくわかりました。
 ほかにはよろしいですか。
 では、委員会に寄せられました意見、要望書等については、今後とも全委員で情報を共有するとともに、定期的に委員間で意見交換を行う機会をつくって、時にはそれぞれの意見について委員会で議論をする時間を持つようにしていきたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

≪5.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定等について説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回の委員会は、来週7月16日の火曜日を予定しております。
 議題につきましては、消費者契約法に関する調査作業チームの報告書、まだ印刷物にはなっていないのですけれども、まとまりましたので、消費者契約法についての取りまとめの御報告を予定しております。
 消費者契約法関連では、7月20日に東京、7月27日に大阪でそれぞれシンポジウムを開催する予定にしております。それから、「第9回地方消費者委員会」を、金沢で7月26日(金曜日)の午後を予定しております。これも消費者契約法の課題ということで、今まで検討した結果を広く皆さんに知っていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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