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第119回 消費者委員会 議事録

日時

2013年5月7日(火)16:00~18:11

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、細川委員、吉田委員
【説明者】
 消費者庁  長谷川消費生活情報課長
村山消費者政策課長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.消費者教育について
○説明者: 消費者庁  長谷川 消費生活情報課長
3.消費者基本計画の検証・評価・監視について
 1) 消費者基本計画改定素案の概要について
○説明者: 消費者庁  村山 消費者政策課長
 2) 食品と放射能に関するリスクコミュニケーション(施策番号21、21-2関係)
○説明者: 消費者庁  村山 消費者政策課長
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 消費者教育の推進に関する基本的な方針(基本方針)関連資料(消費者庁提出資料) 【資料2】 消費者基本計画(改定素案)関連資料(消費者庁提出資料) 【資料3】 消費者基本計画の検証・評価・監視に係る関係省庁ヒアリングの対象施策等(PDF形式:78KB)
【資料4】 食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針関連資料(消費者庁提出資料) 【資料5】 第8回地方消費者委員会(札幌)開催案内(PDF形式:291KB)
【参考資料1】 消費者教育の推進に関する基本方針の策定に向けた意見(PDF形式:173KB)
【参考資料2】 委員間打合せ概要(PDF形式:64KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第119回)」会合を開催いたします。
 本日は、所用によりまして、夏目委員、村井委員が御欠席の予定になっております。
 それでは、配付資料の確認につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○原事務局長 配付資料の確認をさせていただきます。
 資料1の関連、枝番がついておりますけれども、「消費者教育の推進に関する基本方針関連資料」ということで、消費者庁から御提出いただいている資料です。
 資料2は、これも枝番がついておりますけれども、「消費者基本計画(改定素案)関連資料」ということで、消費者庁から御提出いただいている資料です。
 資料3は1枚紙で、5月は消費者基本計画の検証・評価の作業をしてまいりたいと思っておりまして、本日はその第1回目ですが、取り上げたい課題、「食品と放射能に関するリスクコミュニケーション」ということで、本日のテーマをおつけしております。
 資料4は、それに関する「食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針関連資料」ということで、消費者庁から御提出いただいている資料です。
 資料5といたしまして、「第8回地方消費者委員会」を、札幌で製品安全をテーマに開催する予定にしております。5月25日(土曜日)の午後ですが、北海道消費者協会、適格消費者団体の消費者支援ネット北海道と御一緒に開催したいと思っておりますので、是非、御案内方、傍聴の皆様にもよろしくお願いしたいと思います。
 参考資料1といたしまして、昨年12月に「消費者教育の推進に関する基本方針の策定に向けた意見」を消費者委員会で提出しておりますので、本日の議論の参考にしていただけたらと思います。
 参考資料2といたしまして、この間、4月23日に委員間打合せを行っておりますので、その概要をおつけしております。
 不足がございましたら、途中でお申し出いただければと思います。
 以上です。

○河上委員長 「施策別整理表」というのは。

○原事務局長 これは傍聴の方にはお配りしておりませんが、委員の方ということで、参考といたしまして、消費者基本計画の施策別の整理表で、ホームページ上からアクセスして見ることができるものです。

○河上委員長 かなり大部なもので、ちょっと用意ができなかったということですね。

≪2.消費者教育について≫

○河上委員長 それでは、議題に入りたいと思います。最初の議題は「消費者教育について」です。消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
 消費者教育推進法という新しい法律ができ上がったわけですけれども、同法では、政府が消費者教育の推進に関する基本方針の案を作成しようとするときは、消費者委員会や消費者教育推進会議の意見を聞かなければならない旨が規定されています。このため当委員会においては、消費者教育推進会議が発足し、「消費者教育の推進に関する基本方針案」が審議されるのに先駆けまして、昨年の12月25日に「消費者教育の推進に関する基本方針の策定に向けた意見」を発出したところです。その後、本年3月に消費者教育推進会議が発足し、これまで3回にわたって基本方針案に関する審議が行われたところですが、現在、基本方針の素案がパブリックコメントにかけられていると伺っております。
 そこで、本日は、消費者庁から、当委員会の意見や推進会議での審議を踏まえて取りまとめられた基本方針の素案の内容について、御説明をいただき、意見交換を行いたいと思います。
 それでは、説明をお願いいたします。説明時間は20分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 消費者庁の長谷川です。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元に資料1-1資料1-2をお配りしております。基本的に資料1-1の概要で御説明できればと思っております。適宜、資料1-2の素案本体もごらんいただければと思います。
 資料1-1の1枚紙、概要案を見ていただきますと、この方針案につきましては、今、委員長からお話がありましたけれども、3月より推進会議を開催いたしまして、御意見を賜ってまいりました。5月1日からパブコメをスタートさせていただきまして、19日を締めとして、国民の皆さんからいただいた意見を踏まえて修正をしていく予定です。できれば6月に閣議決定という方向で調整してまいりたいと思っております。
 まず、主な内容でございますが、大きく5つのパートになっています。
 1つ目は、消費者教育の推進の意義です。ここは、背景ということで、なぜ消費者教育が重要かといったところを記述しております。グローバル化、ボーダーレス化、高度情報化、高齢化、そうした中で消費者を取り巻く環境は厳しくなっておりまして、トラブルの多様化、複雑化が進んでいます。また、これまで消費者問題といたしまして、大量生産・大量消費、あるいは大量廃棄も含めていいかもしれませんが、そうした消費者自身の行動が地球環境への影響が著しくなってきた。そうした問題が顕在化しているということです。
 さらに、はからずもではあると思いますが、消費者への影響といった点からクローズアップされたのが、震災の経験ということでございました。ミネラルウォーター、電池の買いだめ、灯油の買いだめ、いろいろございまして、本来行くべきところに行かなくなった。それから風評被害と、現在も非常に苦慮している地域がございますが、災害時においても、消費者の合理的な行動の必要性といったところが直近の課題かと思っております。
 そうした中で、どういう消費者教育を求めるかといった点で、消費者被害の防止というのはこれまでも言われているところでございますが、自主的・合理的な行動のための自立支援。それから、今回の新しい概念にもつながるわけですが、公正かつ持続可能な社会の形成の理解促進が目指すべき方向ではないかと思っております。
 そうした結果、消費者教育のどういうような能力を目指すべきかといった点では、実践的能力の育成。知識を取得するだけではなく、実際に行動に結びつける。それから、消費者市民社会(consumer citizenship)という比較的新しい概念を取り入れまして、そうした社会の形成に寄与する消費者を育成するというところを目指しております。
 恐れ入りますが、素案の5ページ目をごらんいただきたいと思います。今回の基本方針の具体的な内容は、平成25年度~29年度の5か年間を対象といたしまして、消費者教育の推進の意義、基本的な方向、推進の内容、関連する他の消費者施策との連携、そうしたものが規定されていますので、それにのっとった形で、今回、内容を策定しております。
 また、これを踏まえまして、都道府県及びその市町村におきましては、努力義務ということではございますが、推進計画が作成されることが期待されます。そうしたもとになるものとして、今回、作成いたしました。ですから、やや網羅的かと思われるかもしれませんが、行政として、このような基本方針案を法律に基づいた形での整理ということで、御承知おき願いたいと思っております。
 資料1-1にお戻りいただきますと、推進の基本的な方向ということです。まず、法律にのっとりまして、体系的な推進が一つの目指すべき方向であると思っています。これまで、各現場で消費者教育の担い手の方々が一生懸命やられたわけですが、少々場当たり的とか、全体的な連携が足りないということで、重複があったり、あるいは抜けているところがあることが問題視されていました。そうしたところを改善し体系的な推進にするということで、領域ごと、段階ごとに目標を設定したり、あるいは、情報の見える化ということで、多様な担い手が共有して認識できるものをつくっていこうということを一つの柱としております。
 カッコを見ていただきますと、現時点で整理したものでございますが、消費者市民社会の構築、商品の安全、契約に関すること、情報とメディアといったことを対象領域とし、また、各ステージという整理では幼児期から高齢期、こういった整理をしております。そして、消費者の特性・場の特性に応じた方法で実施し、単に消費者が受け身だけではなく、消費者行動の社会経済への影響等を踏まえた行動を促す観点から、必要な情報ということで、多角的な視点で情報提供することをこの体系的推進の中身としております。
 また、国からの地方支援ということですが、法律にも書いてございますように、やはり必要な財政支援ということで、現在も基金を利用してもらっていますが、そうしたものを踏まえて行っていくこと。また、情報提供による支援ということであります。消費者教育につきましては、地域において実施されることにまだハードルがございます。そうしたハードルを少しでも低くするべく、既にある事例とか、好事例とか、そういうものを我々としては積極的に提供してまいりたいと思っています。
 各主体の役割と連携・協働という点では、それぞれ担い手があるわけですが、国と地方公共団体、消費者行政と教育行政、この点が特に地域においてこれから連携を深めていくべきところだと思いますので、そこについて整理をしております。また、地方公共団体と消費者団体、事業者団体というところで、それぞれの役割を果たしてもらいたいという観点から基本的な方針を記載しています。
 消費者教育は、ほかの環境教育、食育、金融経済教育、法教育とかなりオーバーラップするところがございます。そこを一層自覚的にそれぞれが意識して連携することが必要かと思われます。そうすることによってお互いのためにもなる。連携・展開による相乗効果をもたらすものと考えますので、そうしたところを、今回、整理しております。例えば教材等のコンテンツの共通化など、それぞれ持ち寄って展開することによって、より幅の広い展開が期待されるということを記載しております。
 IIIは消費者教育の推進の内容です。
 1といたしまして、さまざまな場、学校、地域社会、地域社会には家庭を入れていますが、それから職域ということで、今回、ここの部分は新しく規定されていると思います。それから、担い手の育成。担い手の育成も幅広いということになります。資源ということで、さまざまな教材がありますが、その調査研究、情報収集・提供、そういったものをカバーしております。
 その中でも特に求められる取組みということで、幾つかピックアップしております。
 まず、行政部門間。国もそうですが、地方自治体においても総合的な取組みが求められると思います。消費者行政部門と教育行政部門のみならず、これからは高齢化社会ですので、福祉関係部門、あるいは食育とか、そういった観点から言っても商工部門との連携も必要かと思っています。そうした点で、高齢者・障害者見守り、あるいは、これまで余り意識にのぼらなかった事業者・事業者団体も、その担い手として自覚をして消費者教育に携わってもらいたいと思っています。
 消費者教育ポータルサイトの活用というのは、毎月50万件程度、消費者庁に設置しておりますポータルサイトにアクセスするわけですが、担い手の方々には、情報整理、あるいは不足領域があるということで使い勝手の問題が指摘されているところです。先般も改修を行ったわけですが、引き続きこういうところを改修していく。
 地域においては、消費生活センターを拠点化しようではないかということを指摘しております。消費生活センターは、単にトラブルに対応するだけではなく消費生活一般についての情報提供もできますので、そうした点からもふさわしいかと思われます。消費者教育、あるいは人材の育成といった点で拠点化を図ってまいりたいと思います。そうした点については、国からの支援、特に国民生活センターの支援が重要かと思います。
 地域と学校のつなぎ役ということで、コーディネーターという制度をつくって、そうした方の育成、活用といったところを挙げております。
 消費者学習運動ということで、教育の受け手からしますと消費者学習になりますので、やはり国民的に周知を図っていって、自分のこととして消費者学習を、生涯学習の一環と言ってもいいかもしれませんが、そうした観点から取り組んでいただくことを進めたいと思っております。具体的には、情報共有のほか、優れた活動の奨励ということで、既にあります消費者支援功労者表彰など、そうしたものを活用してまいりたいと思っています。また、消費者学習の日、消費者教育月間、そうしたものを制定してはどうかといったところで皆さんの理解を喚起してまいりたいと思っています。また、モデル地区における先進的な事例にも取り組んでまいりたいと思います。
 IVといたしまして、関連する他の消費者施策との連携ということですが、消費者教育はほかの消費者施策と深い関係がございます。1~4に書いてございますが、そうした中でも消費者教育をきっちりと位置づけてもらう。あるいは、消費者教育の中でこうした諸施策を位置づけるといった観点で取り組んでいきたいと思っております。右のほうを見ていただきますと、例えばいろいろな事故とかトラブルの情報がありますが、そうした事故情報を的確に迅速に分析して原因究明をしていく。それを消費者教育のいろいろな資源、教材へ反映することが重要ではないかと思っています。そうした点も指摘しております。
 また、現在、消費者庁のほうで積極的に取り組んでおります、食品と放射能に関する理解増進といった点も重要だと思っていますので、まさに消費者教育としても位置づけて、こうしたリスクコミュニケーションを強化してまいりたいと思っています。
 V、今後の消費者教育の計画的な推進というところでは、推進会議の取組みという点で、各都道府県での推進をどうするかといった点とか、推進会議、小委員会での検討、施策への反映という点、専門委員・地域ごとの代表を任命するといったところを記載しております。御案内のとおり、消費者教育推進法のベースとしています推進会議は、調査審議機能が具体的に明示されているというよりは、それぞれの委員の連携、情報交換の場というふうに位置づけられておりますので、まさにそうしたミッションとして、より積極的に参加していただきたいという観点からこうしたことを記載しております。
 また、地方支援といたしましては、推進会議の地方開催、あるいは連携策の検討・推進をしてまいりたいと思っています。
 2は基本方針の達成度の検証で、5年計画ですが、中間的に3年を目途に見直しを図ってまいりたいと思っています。また、達成度の指標ということで、具体的な指標がまだありません。これについても、推進会議のほうで御議論いただければと思っていまして、消費者教育の認知度の指標化の検討など、そうしたことをやっております。
 目標といたしましては、今後、この基本方針をベースに、各都道府県で推進計画を策定していくわけですが、すべての都道府県においてこの計画が策定され、そして、協議会の設置を目指したいと思っています。
 現在、基本方針の内容につきましては、かなり抽象度が高いということがありますが、これとあわせて、実際に地方で行われている連携の事例、あるいは政府の取組みとして、具体的なところも収集・整備しているところです。基本方針の策定とともに、そうした事例を、地方、あるいはいろいろな担い手にわかるような形で情報提供をして、具体的な事例を参考にしてもらって、それぞれの担い手の取組みを進めたいと思っております。
 簡単でございますが、以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明、ありがとうございました。1-2の素案の16ページに、都道府県と市町村の役割について書かれています。下から2行目に、「具体的には、個々の市町村では実施が困難な消費者教育の担い手育成を都道府県が行い、それを管内の市町村に派遣する取組みなどが挙げられる」ということで、市町村と都道府県の役割分担を書かれていますが、具体的な担い手についてどうしてこういう内容になるのか。さらに、都道府県と市町村の役割をもう少し具体的に、どういうイメージをされているのか、御説明をいただければと思います。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 自治体においては、ほかの消費者行政と同様に自治体間の格差が非常に大きいです。一生懸命やっているところもあれば、ほとんど機能しないのではないか、やっていないのではないかというような自治体も市町村のレベルでは見えるところがございます。
 我々としては、いろいろな事情があろうかと思いますが、やはり担い手の育成というのは非常に重要なポイントだと思っておりまして、ある一定の水準は確保するように、どこかが面倒を見なければいけないと。基本的には市町村でやっていただくのが一番いいわけですけれども、資金の問題とか、もともと地元が余り熱心ではないとか、そういうような事情で遅れているようなところに対しては、都道府県のレベルでまずは担い手を育成してもらって、その方々に市町村のレベルで活躍していただくほうが効率的ではないかという点で、ここのところは具体的な事例として記載させていただいているところです。

○山口委員長代理 都道府県の担い手はどういうふうに育成するのですか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 一つは、それぞれの予算もありますし、あるいは基金も、今後どうなっていくかわかりませんけれども、我々も一生懸命そこは予算要求をしてまいりたいと思っていますので、そうした予算を使いながらお願いしたいと思っております。
 また、実際の担い手については、国のほうでも取り組んでまいりたいと思っていますし、先ほどの概要の中では説明をちょっと飛ばしましたけれども、国センの新たな役割といった点では、消費者教育の人材育成という点も非常に重視しているところでございます。国センの拠点化、あるいは支援の役割といった点も記載しているところでありますので、そうしたやり方でできれば応援していきたいと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

○細川委員 推進会議のほうでもいろいろ意見が出たと承知していますけれども、どうしても総花的というか、方針というよりも、考え方というか、それを示したにすぎないような感じがしまして、これができたからといってすぐ何が動くという、そういう感じがしません。
 例えば、「はじめに」の5ページの最後に、「今後は、この基本方針に基づき、国及び地方公共団体を始め、多様な主体が」と書いてあります。「多様な主体が知恵を出し、能力を活用しつつ、総力を結集し、消費者を育むことを目指すこととする」といっても、多様な主体というのは外部の人間ですね。政府の人間ではない人も含まれているわけです。その人たちを含んでの方針を出したところで、その人たちがどうしてこの方針に従うのかというところがよくわからないです。もちろん、別に国だけが消費者教育をやれと言っているのではなく、いろいろな人の協力が必要で、いろいろな人が主体となって客体としての消費者を育てる必要があるというのは認めますけれども、政府が出す方針で、その人たちがやるんだということを言ったからといって、それがどうなるのかなというところで、この中では、情報提供をするとか、支援すると盛んに言われましたが、その支援の中身自体が明確化されていない。結局、これはお題目で、あとは頑張ってやってちょうだいというだけのものになるのではないかという危惧を非常に持ちます。
 私は大学人なので、大学のことで言うと、22ページに「大学・専門学校等」というところがございます。第1段落では、これこれこういうことが「求められている」。第2段落では、消費者教育を展開することが「期待される」。3段落は、また「求められる」。第4段落目は、ちょっと主語がわからないのですけれども、「消費者問題の情報提供及び注意喚起を行う」。これは国がやるのか。その次の段落はまた「期待される」ということで、期待とか、求められているという話ばかりで、一体これは誰がやるのだろうか。主体がやるために例えば何かシステムをつくるとか、予算を講じるとか、そういうところは全然書いていないのです。例えば、人の手当てとか、あるいは、それぞれの主体が消費者教育をできるようにするための予算を講じるとか、あるいは、それをいつまでやるといういわゆるアクションプログラム、そういった性格づけが全く見えない。言っていることはそのとおりですけれども、もう20年前、30年前から言われながらもやられなかった部分ですので、これでいいのかなというふうに私は思います。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 総花的という御指摘ですが、なかなかここは苦しいところでして、消費者教育も本当に多様な主体で、しかも、いろいろな分野にまたがるということもあります。そうしたものを我々も視野に入れまして、今回、法律に基づいて推進の基本的な方向とか、内容といったところを整理しているものですから、どうしてもその印象を与えてしまうのは、私としては申しわけないのですけれども、性格上、致し方ないという感じがしています。
 語尾のところは、確かに「期待される」とか、そういう表現が、担い手とか、ある主体によっては多く書いてありますが、整理としては、行政についてごらんいただきますと、「図る」とか、「推進する」ということで、それはこの期間の中でやるということになっています。行政以外のところについては、法律にいろいろな責務が書いてありますけれども、そこは強制することはできませんので、具体的にこういうことが行われることが望ましいのではないかという観点から、「期待される」という表現をとっているところでございます。我々も再度そこは、他人事、と言ってはあれかもしれませんけれども、ではないような形で見直したいと思います。行政としては、きっちりやるべきことについては、そういう取組みをする姿勢、当然、政府も閣議決定までいたしますので、そういった考え方で整理をしているところであります。
 具体的なところの予算の話は、これはなかなか難しい面も実際あるところです。そこで、どういう進め方の事例となるようなところがあるのかという点については、先ほど申し上げましたように、基本方針とともに、今、整理をしているところであります。閣議決定は当然しないわけですけれども、地方のいろいろな取組み、これから参考にしてもらいたい事例といった点については、実際に実践してもらうために有益になるような形で公表してまいりたいと思っております。

○細川委員 御主張はわかりますけれども、先ほど、強制させることはできないからというお話がありました。ちょっと言葉は悪いけれども、むしろ強制させるための仕組みをつくろうとしたのではないですか。だから、こういう法定化された消費者教育推進法というものをつくって、全国どこでも消費者教育はちゃんと受けられるようにと。まさに地方消費者行政の充実と同じで、法的な枠組みをつくって、それをやらなければならないという仕組みにして消費者教育を推進させる。それが、法律で消費者教育推進法をつくって国が主体としてやっていくという意味だと思います。そういう仕組みづくりを、多分、消費者教育の関係者は期待していたし、それが消費者教育の第2のステージだと思っていましたけれども、これを見ると、今までと違わないような感じがしてちょっと残念な感じがいたします。

○河上委員長 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 せめて21ページの「小・中・高等学校」のところに、消費者委員会として提案した中にありますけれども、モデルとなるような授業をビデオ化して、それを提供するみたいな、そういう具体的なことは書き込めないのですか。どこかに書いてあるかと思って見ているのですが、そういう具体的なことは書かれていない。そのぐらいは書き込めませんか。
 それと、細かい話ですが、21ページの下から6行目に、「学習指導要領においては、社会科、公民科、家庭科、技術・家庭科などを中心に」云々と書いてありますが、私は算数が一番重要ではないかと思います。金利計算の小数点の計算です。金利が1%と8%でどれだけ負担が違ってくるのか。これは住宅ローンの問題にもかかわってくるのですけれども、そういう意味では、ここに算数ぐらい入れられないのかと思います。これは前にも申し上げたところですが、その辺を盛り込んでいただけないかなと思いますが。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 ここについては、あくまでも学習指導要領をベースにした、消費者教育に関する記載をベースにしておりますので、ほかの教科については記載が行われているところです。

○山口委員長代理 何ページですか。その辺があれば、また。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 はい。

○河上委員長 22ページに来た途端には、「教育活動の全体を通じて」となっていますから、今までのもののほかにもたくさんあるということですね。

○川戸委員 19ページと20ページに大体中身が書いてあります。

○河上委員長 19~20ページ辺りですか。

○川戸委員 はい。

○河上委員長 山口委員の言われたのは、算数ですね。

○川戸委員 この中に算数はありませんが。

○山口委員長代理 算数を入れると、だいぶ認識が違ってくると思いますが。

○河上委員長 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 消費者教育をきちんとやっていくためには、地方、地方の現場でしっかりと意欲を持ってやっていくというところが鍵になると思いますが、そうは言っても、なかなか全国的に一斉に理想的な形というのはできないと思います。そういうことからいくと、モデル地区を定めて集中的にそこで理想的な消費者教育の有り様を追求していくやり方は、手法としてすごくいいなと思っています。資料1-1のIIIのところに「モデル地区における先進的な実践」ということで項目が挙がっています。
 素案の本体の32ページを見ますと、このモデルというのが、消費者市民社会概念の普及をするためのモデルというふうに、ちょっと限定されたようなモデルという意味合いで書かれています。このように限定せずに、消費者教育全般を理想的にやっている自治体という、もう少し幅広なモデル地区という設定をしたほうがよいのではないかと思っていますけれども、モデル地区の考え方について、改めてお聞かせいただけないかと思います。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 このモデル地区については、まさに推進会議の委員から、調査研究も重要ですけれども、モデル地区を幾つか設けて集中的に行うことが効果が高いという提案がございました。それを踏まえて私どももここを整理いたしました。消費者市民社会というものが、ここにも書いてございますように、概念自体、日本の社会において深い共感を呼び、根づかせるためという点でまだまだ不足している点がございますので、改めて、こういうモデル地区を設けて、周知と言いますか、実際に消費者市民社会といった観点からの消費者教育をしっかりやってみたいと思っています。そこは御意見をいただきましたので、検討させてください。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 今、山口委員長代理から、モデル授業とかそういったものもうたえないかということで、これも大変重要だと思います。教材の開発とか、教育モデルを提示することは重要で、しかも、本来そういったものの活動の中心が消費者教育支援センターであったと私は理解していますけれども、この基本的な方針の中に消費者教育支援センターというのはどこにも書いていないのです。
 実は、これはこの会議の前に少し議論しましたけれども、いわゆる公益法人改革という制度の改革があって、例えば入札も、入札によって事業も委託しなければならない。そういうこともあって書けないということもちらっと聞きましたけれども、それはそれで、今、存在する消費者教育支援センターだけではなく、消費者教育を支援する中核の機能というのはまさに必要だと思いますし、きょうのこれを読んでも、さまざまな主体が協力しなければならないわけですから、そのコアとなる場所とか組織というのはやはり重要だと思います。もし、消費者教育支援センターが公益法人であることによっていろいろな弊害があるのであれば、少しこの制度を変えるとか、場合によっては、消費者庁のもとに消費者教育支援センターのようなものを置くとか、そこの中でモデル授業みたいなものを開発して広めていく。教材も広めていく。そのぐらいのことをしなければならないのではないかという感じがしますけれども、どうなのでしょうか。消費者庁としては、公益法人であるがゆえに消費者教育支援センターの活用を中核にすることができないのでしょうか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 もちろん、法律にのっとった形で、支援センターとは連携あるいは作業をお願いしているところだと思います。引き続き、我々も可能な限り協力もいただきたいと思っていますので、本当にそこは今の制度のプロセスの中で最大限の協力をお願いしたいと思っています。
 確かにおっしゃるとおり、各主体がいろいろな知恵を出したり、いろいろ活動をしてもらったりという点が今回のコアだと思っています。そこについては我々も深く認識するところですし、国民生活センターとあわせた形で、消費者教育支援センターについては、この中に記載するのは難しいかもしれませんけれども、引き続き、そこは連携、協力をお願いはしたいと思っています。

○河上委員長 消費者教育の拠点としては、消費生活センターを拠点として位置づけるという考え方ですね。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 そうです。

○河上委員長 以前は、消費生活センターとか国民生活センターが、文科省との間で直に議論すると文科省のほうが嫌がったのでしょう。それでわざわざ支援センターをつくったと私は伺っていたのですが、今回のこの推進法のもとでは支援センターというのはどういう位置づけになるのですか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 23ページをごらんいただきますと、「消費生活センター等における消費者教育の推進・拠点化」という点で、例えばということですが、消費生活センターの機能を十全に発揮してもらって、消費者教育についても頑張ってもらいたい。あるいは、公民館、図書館とかございますが、そうした社会教育施設において交流の場となっていますので、交流の場としての消費者問題に関する普及啓発を実施するといった点で、引き続き、そこは取組みを継続してもらいたい。消費生活センターというのは、繰り返しになりますけれども、被害の救済だけではなく、消費者生活に関する基礎的な知識とか、そういうものを情報発信すること、そうした啓発活動も行えることになっています。まさにそういう文脈から、消費者教育としての拠点化というのは自然だろうと。拠点化はなるべきだという観点で整理を行っているところであります。委員長がおっしゃったように、これまでの流れと消費者教育支援センターというのは、済みません、ちょっと勉強不足で、そこは確認させてください。

○河上委員長 これまでどうこうというよりも、消費者教育推進法ができた中で、新しい拠点として国民生活センターか消費生活センターを位置づけるとしても、今までのキャパから考えるとなかなか難しいところがありますね。ですから、むしろそうした支援センターをうまく活用して位置づけていくほうが、現実的ではないかという気がしたのです。ですから、それを全然書いていないというのは、細川委員からも御指摘があったところですけれども、全体として、この支援センターをどういうふうに位置づけるかということの位置づけがはっきりしていないことが原因なのかもしれないと思いましたので。
 ほかにいかがですか。
 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 せっかく法律ができたということですので、いよいよ消費者教育も、今までとは次元が違う段階に入り、大いに推進されるとよいという期待を持っているわけですが、先ほどから各委員が指摘されているように、ここに全部盛り込むというところから、どうしても総花的になることはある程度やむを得ないかとは思いますが、次元が違って新たなスタートという雰囲気が感じられなくて、従前に出てきたものと同じような感じがしてしまうということはあります。
 ただ、対象領域、各段階、消費者の特性に応じてとか、そういうことを、きちんと目標を立てて評価が的確にできればよいとは思いますが、その辺のスケジュール感もはっきりしていないのです。実際どのようなスケジュールで目標を立て、実証・評価まで行けるのか。目標の立て方にもよりますが、その辺りの具体性がもう少しほしいと思いました。
 それから、消費者教育は、学校教育のところだけではなく、いろいろな段階で大切だという、それぞれの分野で充実するというのはあるのですが、やはりかなりの部分が学校教育の現場でやっていただくことにどうしてもなろうかと思います。そこで文科省が、これが法律になりましたので、まさにここの部分に責任を持って取り組んでいただく。そのときに、今までとは違って法律ができたわけですから、より一層新たに、より効果が出るようなやり方で取り組んでいただくというところでの連携が非常に大きいと思います。その辺り、消費者庁は、我々のほうで、特に文科省との間で実効的な連携体制構築というのは以前からお願いをしているわけですが、どのようにやられることになりますか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 連携の姿というのはいろいろあると思います。これまでも連携してまいりましたし、実際、基本方針案の作成も連携してつくっているところだと思います。基本的に学校教育においては、どちらかといえば自治体のほうがイニシアチブをとって取り組むところがありますので、文科省には、我々として、より積極的と申しますか、消費者教育の推進のためのいろいろなサポートをしてもらいたいと思っておりますので、そうした点でいろいろとお願いをしているところであります。
 文科省との連携では、例えば、消費者庁と文科省が連携してという表現は、閣議決定の文言としてはちょっとどうかと思っておりまして、すべて連携して進めるものだと思っています。具体的にというと、例えば消費者教育以外、法教育とか、食育とか、そういった点でも、関係省庁プラス我々両省庁がかかわっていくことになりますでしょうし、地方で行われている消費者教育のいろいろな主体による取組み、それの情報収集も両者でやることになりますでしょうし、細かい話になりますけれども、教材づくり、消費者教育フェスタ、そうしたものについても連携していくことになろうかと思っています。
 教育委員会とか、消費者行政とか、消費者団体とか、多様な主体がいかに支援していくかといったところの具体的な事例といいますか、そうしたものを、文科省と消費者庁が一緒になって、それぞれが、所管と言うと言葉はあれかもしれませんけれども、パイプを持っている自治体に示していくことがやはり重要かと。霞が関で両省庁が連携してやっていくところを示せれば、そこは非常に有効ではないかというふうに思っております。

○河上委員長 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 2つありまして、一つは、例えば文科省との協力というときに一番考えられるのは、新指導要領の中で例えば消費者教育の時間を1コマつくるとか、こういう構想はないのですか。
 もう一つは、先ほど小幡委員がおっしゃったように、達成度の検証というのは一番最後にやりますけれども、いつまでに何をどうするのかというのが一つも書いていないのです。その上に5年ごとに基本方針の検討を加え、それを変更するものとすると書いてあるだけです。この辺のスケジュール感というのを改めて教えていただきたいと思います。その2点、よろしくお願いします。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 これは計画ではなく、基本方針なものですから、どこまでそこを織り込めるのかというのは議論があるのではないかという気持ちがしております。法律においても、方向性というところが中心になっておりますので。ただ、我々もそこのスケジュール感は、当然、念頭に置いているところでございますので、そこは改めて相談させてください。どこまでできるか、あるいはできないか、考えさせてください。
 それから、学習指導要領のことです、今のお話は文科省にも伝えますが、ようやくここ2年ないし3年で、学習指導要領の中に明確に消費者教育の位置づけが書いてありますが、消費者教育そのものを教科としてというのは、正直言って結構難しいのではないかという感じがいたします。本当に皆さん、相当いろいろなサポートをいただきながらようやくここまで来たところですので、教科そのものになるとなかなか難しいと思いますが、先ほど山口委員長代理がおっしゃったように、いろいろな工夫の仕方もあろうかと思います。教科が確保できないならば、それこそ算数の中で金利を計算するとか、国語の中で、取扱説明書の記載方法ではないですが、読解力を養うとか、そういうことはあると思いますので、そうした形が、学校の先生から、「ああ、消費者教育はこういうふうにすればできるのか」という、余りハードルが高くないような形で、我々もいろいろな情報とか教材を提供してまいりたいと思います。本当にすぐ使えるようなものを念頭に置きながらやっていきたいと思っていますが、教科についてはちょっとまだ難しいのではないかという印象を持っております。

○河上委員長 小幡委員。

○小幡委員 現場に新学習指導要領の趣旨の周知徹底を図るという文章だけはありますが、消費者教育はどうしても必要なものと位置づけられているものです。法律もできたぐらいなので、それは必ずやっていただきたいわけですね。今、川戸委員からもございましたが、現場において今の状態では、熱心な先生は取り上げてくださるかもしれないぐらいの程度であって、本当に重要なものであれば、やはり必ず行うべきです。それぞれの段階で消費者教育の内容はもちろん違ってきて、契約とか、だんだん年齢が上にいくとそういう教育になりますが、法律ができたので必ずやってほしいのですが。そこは例えば教科というふうにしないと、多分やってもらえないのではないか。その辺り、この法律ができたということで、さらなるジャンプができないかなと思うところです。

○河上委員長 細川委員、どうぞ。

○細川委員 小幡委員、川戸委員の質問と関連していると思いますけれども、私はちょっと残念だったのは、消費者教育推進法ができたことによって、逆にそれまでよりも文科省の関与が後退してしまったような感じがします。文科省はワンオブゼムになってしまって、主体になっていない。例えば、きょうは長谷川課長はお越しですけれども、ここに文科省の課長もいていいと思いますが、これは事務局が呼ばなかっただけなのか。わかりませんが、共同して推進する役割を担っているはずなのに、どうも、消費者教育の推進は消費者庁がやるものだ、それに文科省がお手伝いするみたいな、そんなイメージになってしまっているというのが残念です。
 今、法定化された消費者教育推進会議というのがありますけれども、この法律ができる前に、運用上、消費者教育推進会議というのがあって、そのときは今よりも文科省の関与は強くて、会長が消費者庁担当の内閣府の副大臣で、副会長が文科省の政務官でした。文科省の政務官が来ているがゆえに、文科省は、初等・中等教育局長も来れば、生涯学習局長も来るし、担当課長もズラッとそろっていました。ところが、法定化された消費者教育推進会議を見たら、文科省は幹事の一人として他の省庁と一緒に課長が来るだけというスタイルになってしまって、エッという思いがしています。
 そもそも消費者教育推進会議というのが、いわゆる審議会ベースでの委員会であるがゆえに、初めは行政関係者もその会議に加わるはずだったのに、審議会に行政機関の長は入ってはいけないという内閣法制局の解釈があるという話になって、行政の関係者というのは自治体の人のことだというふうに消費者庁はとって、自治体の人は入っているけれども、消費者教育推進会議そのものには、大臣とか、文科省の局長や課長などは入らない、そういうシステムができてしまった。これは、消費者教育を推進してきた人からすると、一つの審議会ができただけのような、そういうイメージを持つわけです。ここで長谷川課長に言ってもしょうがない話ですけれども、その辺がどうかなという感じがいたします。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 今のところは、行政の機関と申しますか、審議会でのルールと申しますか、規則に基づくと、こういう形がある意味精いっぱいという形になっておりますが、ただ、文科省とのコミットメントについては、推進会議においては私の横に課長も座って、両方で会議を運営するといいますか、そういう立場になっていますし、幹事の一人であるということですが、実を言うと私も幹事なのです、制度上は。ですから、幹事だからといって、コミットメントの深さが浅くなっているということはないと思います。各省も委員と同テーブルに座って、適宜、発言と。委員おっしゃったように、余り消極的なところについては、推進会議の委員のほうから御指摘があったりするのは事実ですので、そこは、後退したということには当たらないような形で我々も運営には努めていますし、各省もその覚悟で参加していると思います。
 それから、小幡委員がおっしゃったように、確かにジャンプのところは迫力不足というようなお話があるかと思います。今回、全般的な観点から総合的に推進するということがありますので、総合的にやるには、推進会議の委員のメンバーを見ていただきますと、非常に幅広い方々に参加していただいています。その方々の期待といいますか、意見を承るほうですので、そういう意味では全体的なバランスも考えた基本方針になっているかと思います。
 学校教育については、先生方が、いかに消費者教育が重要かということを理解する。自分の教える対象が、当事者として、消費者教育がいかに重要なものかという、そういう認識を持つような取組みといいますか、我々の情報提供なり啓発も重要かと思いますので、御指摘は踏まえて、そこは前向きに対応してまいりたいと思っています。

○河上委員長 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 これは率直に聞きたいのですが、消費者教育推進に関する法律の20条で、消費者教育推進地域協議会を組織するように努めねばならないと書いてあって、どういうことをやるかということが具体的に書いてあります。消費者教育推進地域協議会というのは非常に重要で、これまで関心がなかった市町村あるいは都道府県でも、こういうものをつくるように努力義務が浸透し、それを各都道府県や市町村でつくるのが当たり前になってくれば、そこで、情報交換をして何をしましょうかというところから始まるので、非常に重要だと思ったのですが、今回のこの素案は、どこかに書いてあるかと思ったのですが、余りタイトルにも出てこないのですが、どうなっているのですか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 そこは記載がございます。

○山口委員長代理 表題に出ていますか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 私が書いたところですので、表題にも出ています。消費者教育の協議会は、地域でのネットワーク化、我々は結節点にしたいと思っておりますので、そういうような表現でやっています。

○原事務局長 36ページです。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 ありがとうございます。

○山口委員長代理 見出しにはどうもなさそうですね。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 わかりました。そこは、わかるように記載をしたいと思います。

○河上委員長 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 基礎自治体でこの方針に従って一生懸命消費者教育をやろうとすれば、自治体の規模によると思いますけれども、相当の業務量になるのではないかと思います。そういった中で、推進役となるキーパーソンとしてのコーディネーターというのはすごく重要かと思います。コーディネーターの育成ということで言及はされていますけれども、ここを見れば、地域と学校をつなぐ役割と。ちょっと限定的な役割として書かれていますが、自治体における消費者教育全体をコーディネートしていくような包括的なキーパーソンが必要ではないかと思います。
 そういうことからいくと、社会教育の分野で社会教育主事が置かれているように、消費者教育の分野においても消費者教育主事のようなものを、例えばセンターには必置だとか、そのぐらいの人的な配置がないと中途半端なコーディネーションで終わってしまうのではないか。結果的に推進されずに、片手間でやるぐらいになってしまうのではないかというふうに危惧していますが、その辺のところのお考えはいかがでしょうか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 コーディネーターという言葉は、とりあえず地域と学校をつなぐ役割ということでありまして、まさに委員がおっしゃったように、それに限定する必要はないのではないか。地域で、まさに中心として消費者教育を推進すればいいという御意見も委員からあるところです。
 ただ、難しいと思うのは、それは消費者教育だけではなく、消費者行政、消費者施策みたいなものを、そういうキーパーソンみたいな方がコーディネーターという名称のもと、いろいろな働きかけをボランティア的にやっているという自治体もありまして、今、地方でいろいろな動きもあります。我々もいろいろな事例を勉強しているところでありまして、そこは先駆的な取組みとして、我々も何らかの対応をしてみたいと思っています。

○河上委員長 先ほど出てきたモデル授業とか、先駆的な取組みというのは、具体的なものはこれとは別に何かつくるわけですね。いつごろ、どういう形でつくろうかお考えですか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 一つは、実際に自治体のほうで動いているものを参考にして、いろいろなやり方はあると思いますけれども、消費者庁がどこかの自治体と協力してやるということも考えています。今年度、地方とのコラボをする先駆的なプログラム、そういう予算も計上しているところですので、そうした中で対応するというのもあろうかと思っています。あと、文科省ともその辺りは連携してみたいと思っています。

○河上委員長 よろしいですか。
 いろいろな意見が出てまいりましたけれども、どうも全体としてぼんやりしていて、非常に総花的な感じがするということで、もう少し具体性のある内容が盛り込めないものかということは、委員の皆さん、お感じのようです。具体的なものはまた別個に近々つくるということなので、それはそれとしてしっかりやっていただきたいのですけれども、やはり基本方針の中にも何かピン止めをしておくものがないと、理念だけに終わりかねない。せっかく法律ができて、さあ、みんなでそれぞれの協議会をつくってやろうというときに、目標になるものを具体的に示してピン止めをして、それをまた検証するためのプロセスとか、そういうものがないとなかなか前に進まないのではないか。これまでの消費者教育の現状を考えると、そこには少し強制的な要素も入らざるを得ないのではないかという気がします。ですから、基本方針の中にも、具体的な方策に当たるものをピン止めの形で入れていくことが必要ではないかと思います。
 今後、消費者教育の推進計画が出ることになりましたら、その中で指針がより具体化されることもあると思いますけれども、消費者庁として、それをリードするような内容をここに盛り込めるだけ盛り込んでいただきたい。きょう出た意見なども参考にしながら、必要な修正を行っていただければと思います。
 委員会としては、時期としては5月28日になるかと思いますが、パブコメも終わっていると思いますので、第122回の委員会辺りで再度報告をいただいた上で、修正された基本方針案に対する正式の委員会意見をまとめたいと考えております。また、よろしくお願いいたします。
 消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪3.消費者基本計画の検証・評価・監視について≫

○河上委員長 続きまして、「消費者基本計画の検証・評価・監視について」です。
 消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 消費者基本法においては、消費者政策会議が行う消費者基本計画の検証・評価・監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとする際には、消費者委員会の意見を聞かなければならないとされております。このため、消費者委員会においては、昨年末に行った消費者基本計画の実施状況等に関する関係省庁のヒアリング結果や、当委員会が最近行った意見表明の内容等を踏まえ、計画の検証・評価、見直しに向けての意見を本年2月26日に発出したところであります。その後、消費者庁をはじめとする関係省庁では、当委員会の意見を踏まえて計画の検証・評価及び見直し作業を行い、この結果取りまとめられた計画の改定素案が、現在、パブリックコメントにかけられていると伺っております。
 当委員会においては、本改定素案について、関係省庁からのヒアリングを実施し、計画の改定に向けた意見表明を改めて行う予定でおります。本日は、その第1回目といたしまして、第1に、消費者基本計画の改定素案の概要、第2に、食品と放射能に関するリスクコミュニケーションについて、消費者庁からヒアリングを行いたいと考えております。


1)消費者基本計画改定素案の概要について

○河上委員長 まず、消費者庁から、消費者基本計画の改定素案の概要について、御説明をお願いしたいと思います。説明時間は、大変短くて恐縮ですけれども、10分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁村山消費者政策課長 消費者庁の消費者政策課長をしております村山と申します。よろしくお願いします。
 ただいま、委員長から御紹介いただきましたように、消費者基本計画の見直しについてということで資料を用意させていただきました。消費者基本計画は平成22年度~26年度まで5年間の計画になっております。毎年度、計画に盛り込まれた施策の実施状況を検証・評価し、必要な見直しを行った上で閣議決定、公表するというものでございます。違う言葉で言いますと、各府省庁等が実施する消費者行政の施策のいわばカタログ的な役割も果たしているのではないかと考えております。毎年度、実施状況の検証・評価をして見直しを行うということですが、夏ごろに行っておりまして、ことしも6月ころに見直しを行いたいと考えております。
 お手元にあります資料2-1の左側は、平成24年度の検証・評価ということで、現在行っている171の具体的施策がございますけれども、その中で平成24年度に進捗した主なところをまとめております。消費者庁関係では、御案内の内容が多いかと思いますけれども、消費者安全法の改正によりまして、いわゆる事故調査機関の体制整備、「消費者安全調査委員会」の設置をしていますし、重大な財産被害を生じさせた事業者への行政措置等の導入をしております。また、特商法を改正して訪問購入の規制をしているほか、食品表示に関する包括的かつ一元的な制度の創設に関して、食品表示法案が閣議決定をしたところでございます。また、集団的消費者被害回復に係る訴訟制度ということで、集団的回復の民事裁判手続特例法案もこのほど閣議決定したところでございます。
 消費者庁以外のところで申しますと、脱法ドラッグ対策ということで、厚生労働省の省令改正による指定薬物の包括指定制度の導入、消費者庁では通販サイトの集中取締りを行っています。製品火災対策の強化ということでは、製品起因の火災が発生した場合、消防機関による調査を強化することにしています。また、消費者委員会でも御議論いただいていますけれども、公共料金等の調査審議体制の強化ということで、「公共料金等専門調査会」の設置などを行っているところであります。
 こうした消費者行政における進捗がある一方で、消費者庁及び消費者委員会の発足から3年たちまして、あわせて消費者基本計画が3年経過したところであります。5年計画の3年間を振り返りまして、残りの2年間で重点的に取り組むべき施策として、3つの観点から重点施策として取りまとめたところです。こちらが、右側の主な重点施策の概要ということでございます。
 3つの観点といたしまして、最初に「消費者力向上の総合的支援」ということで、消費者の自立の促進を図る観点で合計9つの施策をまとめています。具体的には、リコール情報のきめ細かな情報発信等ということで、販売事業者あるいは関係省庁の持っている情報提供ツールを活用した情報発信などを推進してまいります。それから、食品と放射能に関するリスクコミュニケーション等ということで、これはこの後の議論のテーマになると理解しております。公共料金等の決定過程の透明性は、引き続き確保するように進めてまいります。また、今、議論のありました消費者教育の推進に関しても、推進するということでございます。消費者関係法制の検討ということでは、消費者契約法、特定商取引法の在り方等について、検討を進めてまいります。
 2つ目に、消費者に身近な地域における取組みを充実する「地域力の強化」という観点でございます。まず、地方消費者行政ということで地方自治体の支援方策の検討を進めてまいります。消費生活相談業務の質に関しては一層の向上が重要と考えておりますので、その体制の整備でございます。具体的には、相談員の処遇の改善を地方自治体に働きかけること、また、相談員資格の法的位置づけの明確化に関して検討してまいりたいと思います。
 3つ目の観点としましては、消費者トラブルへの対応を中心とした「消費者の信頼の確保」。具体的には、詐欺的投資勧誘の防止という観点、悪質商法を排除するモデル事業の実施、医療機関債発行等のガイドラインの改定等々の施策が含まれています。また、個別のトピックといたしまして、エステ・美容医療サービス関係、有料老人ホーム関係、電気通信事業における販売勧誘方法の改善といった分野に関して、施策を推進してまいりたいと考えております。
 以上のような重点施策をまとめまして、現在、パブリックコメントにかけているところでございます。今月、委員会の皆様に引き続き御審議をいただきたいと考えております。
 以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 資料2-3別紙2と書いてある部分を前提に発言させていただきますと、以前は大きな項目ごとに重点的な取組みが幾つか並んでいたのが、今回は、第4として「消費者基本計画」の検証・評価・監視とあって、十数項の重点項目が列挙されています。これはこれとしていいのかなと思わなくはないのですが、確認しますと、地方消費者行政の充実という観点から、従前は、活性化基金終了後においても、「地方消費者行政における地方公共団体の積極的な取組みを下支えする支援の在り方を検討するとともに、財政の確保に向けて検討を行います」というものでしたが、今回、改定された案では、基金を積極的に活用して云々という、割とさらっとした記述です。活性化基金で予算が組まれたのでそれを活用してという表現になっているのですが、これでは、従前の「財政支援の在り方も含めて検討する」ということは落とすのか。落とさなくてもいいのではないかという気がしますが、その辺はどう考えてこういう記述になさったのか、お聞きしたいと思います。具体的なページ数は18~19ページの右側辺りに書いてありますが、その点がどうなのか。
 それから、23ページに特定商取引法についての記述があります。今回、消費者契約法については民法改正の議論と連携して検討しますということで、13ページに明記されてあって、これはこれで前進だし、是非そうしていただきたいと思いますし、今、消費者委員会で検討している消費者契約法の実体法の改正の方向についても、踏まえてやっていただきたいと思います。
 23ページの特定商取引法のところを見ますと、これは5年後見直しという規定がありますので、当然、特定商取引法の適用除外の問題や、指定権利制の問題その他、かなりいろいろ検討すべき立法課題もあると思います。ところが、23ページの15項を見ると、「特定商取引法の規定の施行状況について検討を行います」と書いてあります。20年度の改正附則の中では、「必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と書いてあって、抜本的な見直しの後の再検討も視野に入れることが出ているのですが、そういう特定商取引法の在り方について、再検討することが書かれていないと思います。この点についてはもう一歩踏み込んだ書き方ができないのでしょうか。
 以上、地方消費者行政の財政支援の在り方のことと、特定商取引法の改正の検討という点について、質問いたします。

○消費者庁村山消費者政策課長 地方消費者行政の件に関しましては、10の地方消費者行政の総論でも、「引き続き、地方消費者行政の充実・強化を図り」と書いてありますので、充実・強化ということに関しては重要性を明記しているところでございます。具体的に25年度に関しては地方消費者行政活性化基金の延長、上積みということでございますし、26年度以降は、「地方公共団体への支援の在り方及び財源の確保について引き続き検討」ということで、現在、政府として書けるところを書いて整理をしているところでございます。ただし、繰り返しになりますけれども、地方消費者行政に関しては重要性は十分認識しているところでございます。
 特定商取引法に関しましても、山口委員の御指摘のような状況というのは認識しておりますけれども、まずは状況を把握する、また、検証するということは、この検討の上でも重要な状況だと考えられますので、そういった形で整理させていただいているところでございます。

○山口委員長代理 是非、所要の改正を検討するというふうに、一歩踏み込んだ記述にしていただけないかと思います。私の希望はそれです。

○河上委員長 この重点施策の推進の中の書きぶりの問題ですね。

○山口委員長代理 はい。

○河上委員長 その辺、私としても是非検討していただければと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。

○細川委員 資料2-1で、左側にも右側にも公共料金の話があるので、それについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 改定素案の44ページの一番下から45ページに公共料金のことを書いています。その中の項目67については「実施済み」と書いてあります。ちょっとこれは、そうではないのではないかと思います。例えば実施済みの理由として、カッコして「公共料金等の新規制定についても消費者庁との協議等を行うこととした」と。この一つをもって実施済みとしています。これは中身は、2年ぐらい前に成田スカイアクセスという新しい線路ができたときに、本来、国交省が消費者庁に協議すべきと思われていたけれども、新規の公共サービスの料金決定は物価問題ではないという、とんでもない解釈のもとに関与しなかった。それはいくら何でもおかしいだろうということで、新規のものについても行うことになったということ、それは一つの進展ではありますけれども、この項目は、これ一つだけで実施済みということではないのではないかと思います。
 そういう意味で言うと、資料2-1の左側にあるように、公共料金等専門調査会ができたこと自体も一つの進展だと思うので、そのことをここに書いたほうがいいと思います。ただ、それで終わりではなくて、いまだに消費者庁、消費者委員会、そのもとの公共料金等専門調査会が、どの程度、各省が出してくる公共料金の値上げ案に関与するかという仕組みはまだ決まっていないのです。今まで、電気料金だけはあって議論していますけれども、電気料金はある意味、経産省の専門調査会がかなりしっかりやって、オープンにして情報も出し、我々はこういうのが必要だと言ったら向こうも積極的に出してくれたので、こちらが余り体制整備されていなくてもある程度仕事ができたのです。
 今後、経産省の専門調査会のようなものがないところから案が出てきて、それが消費者目線に立っていないとしたときに、消費者庁あるいは消費者委員会はどの程度関与できるか。電力会社の場合はここに事業者が来てくれましたけれども、ほかのものの場合、消費者委員会で事業者を呼ぶことができるのかどうかも、決まっているのかどうか、あいまいなところがあります。そういう体制整備の話なので、この67はしっかり書き込むべきだと思います。その体制があって67-2の全体的な話もできると思いますけれども、その辺は検討いただけないでしょうか。

○河上委員長 いかがですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 まず、67のところで、「実施済み」という整理はどうかということですけれども、昨年度も67の書きぶりに関しては「実施済み」ということになっています。ただ、公共料金の問題は重要だということに関してはおっしゃるとおりだと思いますし、消費者委員会において、公共料金等専門調査会を設置したことに関しても認識をしております。そこは平成24年度の検証・評価のところでも明記しております。さらに,今後どうすべきかということに関しては、重点施策の中に公共料金という項をつくりまして、そこで書き込んでいます。ですから、公共料金の重点施策のところで何か御意見等があれば承るということかと思います。
 最初に説明すればよかったのかもしれませんけれども、後ろの1~171までは一種のカタログ機能もあって、総覧性があることで、それはそれで便利ということでもあったわけです。しかし、進捗がわかりにくい、あるいは、今後の残された課題がわかりにくいということも踏まえまして、今般、重点施策という形でまとめております。ですから、公共料金に関しても、公共料金等専門調査会での議論を深めていくというところで対応した形になっております。

○原事務局長 事務局から一言です。公共料金については非常に重要な施策ということで、この5月は毎週火曜日、消費者基本計画の検証・評価をやりますけれども、その中で改めて取り上げる予定にしております。きょうは意見出しというところで、議論についてはまたしっかり時間を設けたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○河上委員長 いいですか。

○細川委員 一つ、書面調査というのが出てきていて、読んでいる者には全然わからないです。この書面調査というのは何ですか。例えば、重点施策の14ページの一番上、「平成25年度・書面調査や消費者委員会公共料金等専門調査会で行った各省庁ヒアリングを踏まえ」と書いてあります。

○消費者庁村山消費者政策課長 そこは、わかりやすくするように検討いたします。

○細川委員 何かやったのでしょうね。質問を書面で出して回答してきたものだと思いますけれども、それを書面調査という言い方をしていて、中身が全然わからない。

○河上委員長 実施済みと書いてしまったものは、もうこれでやったから終わりという趣旨ですか。それとも、継続的にさらに実施の効果が続いていますという趣旨ですか。引き続き実施しますとか、継続的に実施しますと書いてあるのと、いくつか表現のパターンがあるようですが、この区別は何なのですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 171施策がありますので、具体的な施策の内容に応じて、1回実施すればそれで一応、政策効果があるというものは「実施済み」、それから、継続的に実施するということで、効果があるものは「継続的に実施します」という整理にしております。

○河上委員長 先ほどの公共料金で実施済みと書いてあるところ、それから、枝の2のところは継続的になっていますけれども、1の何もないほうは、これは、もうこれ以上はやりませんという趣旨になるのですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 そうです。67は実施して、さらに必要なことということで、67-2というのを新たに加えて、そちらに関しては「継続的に実施する」という整理にしているということでございます。

○河上委員長 細川委員の御指摘だと、67も一部実施ということにとどまるのではないかという趣旨のように聞こえましたが。

○細川委員 はい。

○消費者庁村山消費者政策課長 いずれにしても、来週ではないかもしれませんが、当該施策のヒアリング時にでも御議論いただければと思いますし、また、各施策の一覧よりも、重点施策の部分の書きぶりで御議論いただいてもいいかもしれません。

○河上委員長 それでいいですか。

○細川委員 うがった見方かもしれませんけれども、偶然これがうまくいったので、これを当てはめて実施済みと書いてしまったという印象があるのです。新規の路線だけの話ではないし、新規の路線だけをもって言っているのだったら、具体的施策のほうに新規設定についても、付議にするという設定があって、それをやったというなら100%実施済みですけれども、この67というのは、もっと大きくいろいろ根本的な問題を言っていると思うので、一つのものだけをもって実施済みと言って、あとは議論しないというのはおかしいのではないか。もちろん、その後、実施済みとなったから67-2をつくったというのがそちらの考え方だと思いますけれども、67-2に入らない67の課題というのは私はあるのではないかと思いますので、それは今後の議論ということでいいですか。きょうは概要ということで、確かに余り個別なものが入ってもあれですから。

○原事務局長 平成23年に出されたものをここに書かれているのだと思いますけれども、もう一回、事務局としても整理をして次回に臨みたいと思います。
 それから、委員長などがおっしゃられたのは、実施済みと書かれると、次年度、施策としてやらなくていいというので施策として消えるのかどうか、という感じのところも気になっておられるのではないかと思います。それはどうなのですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 それは具体的に個別の話になると思いますけれども、67については対応済みで、実際にはもちろん公共料金に関する施策をしますけれども、それは67-2、あるいは他の施策で引き続きやっているということになるのではないかと考えております。

○河上委員長 67に関しては、もうやらないということですね。

○消費者庁村山消費者政策課長 例えば仕組みをつくるということに関しては、一回仕組みをつくれば、見直しもあり得ますけれども、その仕組みが動いている限りはその仕組みの中で動いているということなので、言葉上は「実施済み」にさせていただく場合もあるかと思います。

○河上委員長 その辺の仕組みづくりについても、一部しかまだ実施されていないという認識であれば、一部実施済みという話になるのかもしれません。それはまた検討させてください。
 もっとも、全体として見ますと、本年2月に委員会から出させていただいた計画の改定の意見は、かなり取り込んでいただいていると認識しております。その意味では御尽力に感謝申し上げたいと思います。
 今回の計画の検証・評価・見直しについては、消費者庁、消費者委員会の発足後3年が経過したことを踏まえて、創設時の理念に立ち返って計画におけるこれまでの取組みを総括的に検証・評価して、平成26年の末までの計画期間中の重点施策として何をやるかということ、そして、その実施スケジュールを明らかにするということで、全体として実効性のある計画へと改定をするのが最大の眼目と認識しております。当委員会としては、こうした観点から、今後、関係省庁ヒアリングを行っていくわけですけれども、それを通じて計画の改定素案について検証・評価をちゃんと行い、必要な意見があれば、さらにまた述べていくということにしたいと考えておりますので、また、よろしくお願いしたいと思います。
 消費者庁におかれましては、お忙しいところを審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

2)食品と放射能に関するリスクコミュニケーション(施策番号21、21-2関係)

○河上委員長 続きまして、「食品と放射能に関するリスクコミュニケーションについて」です。引き続き、消費者庁におかれましては、よろしく対応をお願いしたいと思います。
 先ほどの説明にありましたように、本件は、今回の計画の改定素案において、これまでの取組みを総括的に検証・評価した上で、平成26年度末までの計画期間中に重点的に取り組むべき施策、重点施策の一つとしてこの問題が示されているところでございます。その概要について、まずは消費者庁から説明をいただきたいということで、説明は10分ほどでお願いできればと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁村山消費者政策課長 食品と放射能に関するリスクコミュニケーションということで、御説明させていただきます。お手元に「食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針の概要」というのがあるかと思います。こちらの説明を中心とさせていただきたいと思います。
 消費者庁といたしましては、食品と放射能に関する消費者理解を進め、食品に関する風評防止が重要な施策であるという観点から、この1月から内部に検討チームをつくりまして、その施策の在り方について検討してまいりました。具体的には、今の消費者理解の状況、風評被害の状況に関しまして、現場における実態調査が重要であるという観点から、消費者意識に関する実態調査、事業者への聞き取り調査を行ってきたところでございます。その結果は資料4-1の2枚目にございますけれども、意識調査に関しては、インターネット調査という手法でことしの2月に実施いたしました。5,000人の方から御意見をいただいたところでございます。
 こちらの状況で言いますと、例えば(2)、「『食品中の放射性物質の基準値上限の食品を生涯食べ続けても十分に安全なレベルだということ』の理解が全体の約3割にとどまっている」、あるいは(3)、「『基準値以内であっても、できるだけ低線量の食品を希望する』方が約5割に及んでいる」ということで、基本的な食品と放射能に関する知識、理解をさらに増進させる必要がある。消費者への基礎的な情報の周知が継続して必要な状況ということがわかりました。また、これを反映しまして、1)の「『福島県』産品の購入をためらう方は2割弱、『岩手、宮城、福島(東北の被災3県)』の産品の購入をためらう方が1割強」等といった状況もわかってまいりました。特に福島県の消費者の状況について見ますと、消費地に比べると、放射性物質や基準値に対する理解度はほとんどの項目で高いという状況もわかったところでございます。
 他方、農林水産物の生産者、流通業者、加工業者、有識者等から聞き取り調査をしたところでございます。この結果ですけれども、産品の扱いに関しましては、徐々に震災前と同じ取扱いに戻りつつある品目もあるという状況ですが、戻り方が一様ではなく、また、これまでは高値だったものが、今も価格が平均以下にとどまるもの、取引が途絶えてから再開されていないものもあるという状況。それから、被災地への応援ムードが全体的に薄れつつあるといった状況もございました。また、学校給食への食材への要求が厳しいという状況も聞かれたところであります。政府に対しては、食品と放射能に関する正確な知識の普及が、学校教育も含めて継続的に求められるという状況も伺ったところであります。
 こうしたところから、今後の課題といたしましては、基準値の概要など、食品と放射能に関する基礎的な知識の提供、被災地あるいは消費地で関心や知識が違うことへの対応、また、情報提供の手法の工夫、給食等の学校現場での啓発等々の課題がわかってきたところであります。
 こうした状況を踏まえまして、消費者理解増進のための施策の方針としてまとめたところであります。この中で1と2に関しては、基本的に食品と放射能の問題に関して、消費者庁が行う領域の施策が中心になっています。他の省庁とも連携して行う施策でございます。3と4に関しては、消費者関連とまでは言えないのかもしれませんけれども、他方で、風評被害の問題の解決は産業側での対応も密接に関係していると考えられますので、あわせてこちらに掲載しているところであります。
 まず、具体的な施策の1ですけれども、わかりやすい情報の提供というところでは、食品中の放射性物質に関する検査の実施、情報提供の推進、食品と放射能をめぐる最新の状況の提供ということで、わかりやすいパンフレットを最新の内容に改めて、引き続き提供すること。インターネット等を活用して、先ほど御紹介しましたような基礎的な知識に関して、よりわかりやすく、かつ正確に情報を周知することなどを進めてまいりたいと考えております。
 また、リスクコミュニケーションの重点的な展開に関しては、大消費地を重点に置いた取組みと福島県を中心とした被災地における取組みということで、特に関心・知識の地域差への対応も踏まえまして、ややアプローチを変えて取り組もうと考えております。
 その中でも、具体的により効果的な消費者への情報提供ということで、地域で、食品と放射能の問題に関して説明できる専門家(コミュニケーター)を、全国で2,000人を目標に養成しようと考えております。こういった専門家を養成して、子育て世代を対象にしたミニ集会の開催促進を行います。それによって子育て世代においては正しい理解をしていただくことを目的としています。また、このミニ集会は、保育所、保健所、幼稚園等での開催を想定していますので、より双方向でのやり取りができるのではないかと考えております。
 また、福島県を中心とした被災地における取組みということでは、例えば外部被ばくを含めた不安、農産物の自家消費や山菜等の食習慣を踏まえて、説明会を実施していきたいと考えております。
 2の積極的な消費者教育・啓発の推進ということで、消費者教育における取組みにおいて、食と放射能の問題を扱ってまいりたいと考えております。消費者月間におけるイベントにおいて、食と放射能に関して民間で取組みを行っている方を積極的に表彰することにより、この問題に取り組むことへスポットライトを当てていこうと考えております。また、消費者の理解を促進するためには、実際に生産者がどのように取り組んでいるのかを直に見ていただくことも推進してまいりたいと考えております。
 3、4に関しては、農産品の戦略的なPRの内容、あるいは、国内・国外からの観光業の支援などを掲げているというところでございます。
 こちらを4月末にまとめまして、食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方向性を示せたかと考えております。今後は、こうした方針を踏まえまして施策を推進していきたいと考えております。
 また、基本的に食品と放射能に関する問題は消費者の理解の度合いによるということもありますので、なかなか進捗が測りにくいわけですけれども、その点につきましては、フォローアップ調査、具体的には消費者に対する意識調査を行っていくことによりまして、それを踏まえて施策の進捗をさらに進めていくことにしております。
 以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いします。
 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 御説明、ありがとうございました。基本的なところを確認したいと思いますけれども、資料4-1の右上に書かれている被災地という言葉をはじめとして、方針の中に用語として被災地と出てきます。この被災地というのは、今般の地震・津波のあった被災地という意味なのか、それとも、原発事故の影響を受けているという意味での被災地として使われているのか。その辺の整理はどのようになっているのでしょうか。

○消費者庁村山消費者政策課長 それは後者になります。原発事故の影響で食品と放射能に関する問題が発生したところを考えております。

○吉田委員 単に被災地と言ったときに、一般の方がイメージするのは、津波なりの被害があったエリアとどうしてもとらえがちで、そのエリアと原発事故の影響のエリアとは必ずしも一致していないというところが余り明確に伝わらないのではと思います。例えば岩手県の例でいきますと、県内の南、福島に近いほうでは、放射能の影響は多々出ている一方で、岩手県の北のほう、福島から遠いところはそれほど影響が出ていないということが実態としてあるわけです。単に被災地,被災県と言ってしまうと、岩手県全体があたかも放射能汚染によって影響を受けているとどうしてもとらえがちだと思いますので、その辺の用語の使い方といいますか、説明というのもしっかりとしていただければありがたいと思います。

○消費者庁村山消費者政策課長 はい。

○河上委員長 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 連休中、きのう、おとといと、私も宮古から釜石まで行ってきました。原発とまた問題は違いますが、山田町と大槌町の復興がほとんどできていない。建物の基礎部分は残っているけれども、建物が跡形もなくなっている、そういう一帯が1,000戸以上。特に大槌町については町役場までが被災したまま残っていて、小学校が燃えたところが新しく仮の町の庁舎になっていましたけれども、復興がまだ全然軌道に乗っていないなとショックを受けて帰ってきました。
 原発の問題についても、それこそ村山課長の認識を聞きたいのですけれども、原発の被災とがんになる確率ですが、私はこういうふうに聞いています。人間誰でも1万分の幾つかのがんになる確率はある。それが一定の被ばくを受けると、がんになる確率がどんどん高くなる。内部被ばくでいわゆる発がん物質をたくさん食べれば食べるほどがんになる確率が高くなっていくということで、これは絶対安全とか、絶対危険とか、そんなものではなくて、これは個人差もあるし、言葉悪く言ってはいけないのかもしれないけれども、運不運もあるかもしれない。
 そういうレベルですから、私の今の認識でいいのかどうか、村山さんの認識もお聞きしたいけれども、一番重要なのは、福島県産であろうがどこ産であろうが、それがどの程度放射能の汚染をしているのか。要するに、その食物がどの程度内部被ばくの危険性があるのか、客観的に数値化して、安心して食べられるものかどうかがきちんと表示されるのが一番重要ではないかと思います。
 例えば、ここには「食べて応援しよう!」キャンペーンとありますけれども、放射線にある程度被ばくしているような食べ物を食べて応援しようキャンペーンなどというのはとんでもない話で、それは、毒をみんなで食らいましょうというようなものでしょう。だから、きちんと検査して、安全性がどこまで確保できているかというのが前提にならなければいけないと思うけれども、この基本計画の中身を見ても、どうもそういうところは書かれていないように思います。まず前提にそこをやった上で、安全性のあるものであれば、北海道産のトマトであろうが、福島産のトマトであろうが、安心して食べられる。
 ところが、スーパーに福島産と北海道産が並んでいると、両方ゼロだったら安心して福島産を買います。ですが、本当かいなという不信感があると、ついつい北海道産を選びたくなる、九州産を選びたくなるというのは実情だと思います。その辺の、福島産でも安心なんです、それがスーパーに並んでいるんですと、その事実をきちっと提示することがまず必要ではないか。それがあって初めて、消費者教育というのができるのではないかと思います。それは本当に重要なところだと思いますが、発がん性の問題も含めて、どういうふうにその辺をお考えになっているのか、お聞きしたいです。

○消費者庁村山消費者政策課長 今、御指摘されたところは重要なところかと思います。政府では、食品と放射能に関する問題、健康への安全性を科学的に検証して、その結果、食品の基準値を決めております。一般食品の基準は100ベクレル/kgでございますけれども、その基準値をもちまして農林水産品等を検査するという体制にしております。その体制を踏まえまして、現在、市場に出回っているものは安全であるという状況でございますので、例えば食べて応援しようということであっても、市場から買ったものであれば安全であるという状況です。ちなみに、この100ベクレルというのは、普通の人が一生食べても健康への危険性は非常に小さいというものでございます。
 そういった基礎的な知識を消費者に伝えるのはもちろん重要なことですので、それは引き続き、これからより効果的に進めていきたいと考えております。

○河上委員長 田島委員、どうぞ。

○田島委員 放射能の問題は非常に深刻で、今、山口委員長代理がおっしゃったように、一番消費者が安心するのは徹底的な情報開示以外にないと思います。例えば中国産ギョウザのときでも、いろいろなときでも、徹底的な情報開示で安心感を根づかせるという方法しかない。福島県産のお米を全量検査したことがございましたけれども、あれはとてもいいことだと思うのです。実際にスーパーで並んでいる食品は、確かに国の基準100ベクレル以下をクリアーしているものしか売っていないという前提で買っているわけですけれども、本当にその基準をクリアーしているのかというのは正直言ってわからない。ですが、それを徹底的に情報開示していただければ安心して買い求められるということで、徹底した情報開示をお願いしたいということです。
 もう一つは、学校給食の話がありますけれども、よく、私も学校給食を担当している栄養士さんから電話をもらいます。一番困るのは、私は使いたいけれども、保護者の人たちが使わせてくれない。それで、学校給食に、福島県産のもの、あるいは被ばく地のものがなかなか使えない。そういったことを解消するのは、学校給食職員に対する支援とか、そういうようなことは今回の計画にありますのでしょうか。

○消費者庁村山消費者政策課長 1点目の情報開示を徹底的にということで、これも現在も行っているところでありまして、先ほどの農林水産品の検査の状況も結果を政府のホームページで公表しております。それを見ていただくこともできますが、かなり膨大な量になりますので、それをいかにわかりやすく伝えていくことができるかというのが課題なのではないかと考えております。
 また、学校給食の問題では保護者の方の理解の話がございました。保護者においても基礎的な情報を理解していただくべく、特に子育て世代を念頭に置いたミニ集会という形で、やり取りを工夫していければと考えております。特に学校給食の問題では、保護者への対応が必要となる栄養教諭の方にも講師になっていただいて、ミニ集会を開催していただけるように、なるべく工夫したいと考えております。

○河上委員長 私は、先ほどからずっと違和感を感じていたのですけれども、村山課長が、復興庁や農林水産省の方なのか、経済産業省の方なのかと思ってしまうときがあって、消費者庁が一体この問題にどういうスタンスで臨まれるのかという辺りが心配なのです。森大臣自身が復興支援に非常に関心を持っておられることもあって、こういうキャンペーンに力こぶを入れられるのはそれなりにわかることではありますが、消費者庁のスタンスはあくまで消費者の権益を守ることです。そうなると、少しでも放射能について危険性があると思った消費者が、子どもをそれから少しでも遠ざけて、そういうものがないものを食べさせたいと思うのはごくごく自然な感じがします。
 そういうことを考えると、消費者にとっての利益を守るということと、リスクコミュニケーションをしっかりとさせることによって、間接的ではあるけれども復興支援に役立てるという、その両方の面で消費者庁がどういう立ち位置でものを言うかは、かなり大事なことではないかという気がするのです。その辺をきちんと説明しないと、消費者庁はどうも事業者や生産者のためにものを言っているというふうに逆に誤解を生む可能性があると思ったので、その辺の立ち位置を少し説明していただけますか。

○消費者庁村山消費者政策課長 消費者庁の立ち位置は、農林水産省や他の省庁と異なります。森大臣のお考えと消費者庁の考えは同じであり、まさに消費者の観点から食品と放射能の問題に取り組んでいるところでございます。
 消費者行政ということで言いますと、食品と放射能に関する正しい理解を消費者にしていただくことが基本でございます。消費者は知る権利がありますので、知る権利に対応するべく必要な知識を提供するのが消費者行政の考え方ではないかと考えております。これは、農林水産品の消費を促進するとか、そういったこととは少し視点が違うのではないかと考えております。

○山口委員長代理 今、委員長も言われたのですが、100ベクレルが絶対安心だと言えるのかどうか。私も自信を持って言っているわけでも何でもないのですが、言葉は悪いかもしれないけれども、割と気にし屋さんの幼い子を抱えているお母さんなんかは、中には、一時、東京に住んでいるお母さんが大阪のほうに引っ越したぐらいに過敏なお母さんもいます。あるいは、給食を食べている子どもさんたちのお母さんの中には、少しでも放射性物質が少ないものを食べさせたいと思っている方もいると思います。課長もおっしゃったように、100ベクレルのものを一生食べても大丈夫だと言われても、私の聞いたところでは、要するに段階的なものであって、100ベクレル以下は絶対安心でそれ以外はアウトと、必ずしもそうでもないと聞くわけです。
 そうすると、少しでも少ないほうが安心だというお母さんの声といいますか、割と気にし屋さんの声は、あなたの考えは間違っているということで、勉強会をやって、そういう考え方の人をつぶすというふうにもなかなかならないのではないかというところを考えると、これはそれぞれの個人の考え方もあるだろうし、とても難しい。その辺をどう整理して政府として消費者に発信するのか。私も、こうすべきだという答えはないけれども、ただ、100ベクレル以下は大丈夫だから、どんどん食べるようにみんなで理解していきましょうと言っても、そんな単純なものかなという気もするし、その辺はもう少し説得力を持ってやらないと必ずしも支持されないのではないかと思いますが、どうですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 繰り返しになりますけれども、消費者行政ということで、消費者にこの問題に関する正確な情報を提供し、理解していただくことが重要であると思います。今の御議論は、そういうことではないとは思いますけれども、どんどん食べさせるという目的ではなく、正確に理解していただいた上で、消費者が選択する権利というのは当然あると思います。
 ただ、必要以上に心配するということは、合理的ではないと考えられますので、正確な理解をしていただくために、より分かりやすい形での知識・情報の提供を行っていきます。

○河上委員長 ありがとうございました。食品の安全・安心をめぐる問題の中でも、食品と放射能の問題は、目下、消費者の関心が非常に高い問題の一つと思います。他方、必ずしも正確ではない知識で不必要に消費者がおびえたり、食べられるものを捨てたり遠ざけたりする、あるいは、不十分な理解に基づいて行動することによって、安全上問題のないものまで避けることによって、そういうものを生産している被災地というか、原発の影響を受けた土地の事業者が風評被害に嘆いているという事実があるわけで、その意味では、消費者に賢く正しくおそれてほしいということが基本なのですね。消費者に、正しく、そして賢くおそれてほしいということの前提としては、先ほど来出ていますけれども、信頼できる正確な知識を徹底的に開示する。消費者庁は、そのことのためにいろいろなところに対して働きかけるというスタンスでおられることが一番ではないか。消費者が合理的な選択ができるだけの環境を整えることこそ消費者庁の使命だと。消費者の誤った認識がかえって市場をゆがめ、ひいては消費者自身の利益をそこなう。その立ち位置をぶれさせないでいただくことが大事なのではないかという気がします。
 きょうのお話でも、結果としてそれが、消費者は不必要に高いものを買わなくて済むことにもなりますし、それが間接的には被災地の支援にもなるということだと思います。その意味では、この施策において消費者庁は他の省庁と協力関係を持つわけですけれども、被災地支援の問題と消費者権益の擁護という問題とを余り混同させることなく、消費者庁の立ち位置からうまく協力する、連携するということを是非お願いしたいと思います。施策の進捗や効果についても定期的にフォローアップをしていただいて、その改善につなげていただくことを是非お願いしたいと思います。少し余計なことを申し上げたかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。

○消費者庁村山消費者政策課長 ありがとうございました。

○河上委員長 本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

≪4.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定等について説明をお願いいたしたいと思います。

○原事務局長 どうもありがとうございました。
 次回の委員会は5月14日を予定しております。
 議題につきましては、詐欺的投資勧誘対策についてのヒアリングと、消費者基本計画の検証・評価・監視についての第2回目、ほかを予定しております。
 通常、委員会は隔週の火曜日に開催しておりますけれども、5月については消費者基本計画の関係省庁ヒアリングを実施するために、14日、21日、28日と各週火曜日に開催する予定としております。
 それから、資料5といたしまして、第8回の地方消費者委員会を札幌で開催する予定です。5月25日(土曜日)の午後ということで、内容は「製品安全について」ということです。消費者委員会、北海道における活動の報告と、それから、消費者庁にもお越しいただきまして、製品安全の取組みをお話ししていただいた上でパネルディスカッションを行いたいと思っておりますので、是非、これも御案内をよろしくお願いしたいと思います。
 事務局からは以上です。

○河上委員長 本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをどうもありがとうございました。

(以上)

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