第114回 消費者委員会 議事録

日時

2013年3月12日(火)17:00~18:51

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、小幡委員、田島委員、
 夏目委員、細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
 消費者庁  村松 地方協力課長
 国土交通省自動車局  野津 審査・リコール課リコール監理室長 
 消費者庁  村山 消費者政策課長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.地方消費者行政について
○説明者: 消費者庁 村松 地方協力課長
3.自動車リコール制度について
○説明者: 国土交通省 自動車局 野津 審査・リコール課リコール監理室長
4.消費者安全の確保に関する基本方針について
○説明者: 消費者庁 村山 消費者政策課長
5.その他
6.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 地方消費者行政関連資料(消費者庁提出資料) 【資料2】 消費者委員会 地方消費者行政専門調査会 設置・運営規程(改訂案)(PDF形式:85KB)
【資料3】 自動車リコール制度関連資料(国土交通省提出資料) 【資料4】 消費者安全の確保に関する基本的な方針関連資料(消費者庁提出資料)(PDF形式:214KB)
【資料5】 第7回地方消費者委員会(米沢)実施結果(PDF形式:103KB)
【資料6】 傍聴希望申込方法の変更について(PDF形式:127KB)
【参考資料】 委員間打合せ概要(PDF形式:66KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 お待たせいたしました。予定の時間を過ぎておりますので、始めさせていただきます。
本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第114回)」会合を開催いたします。
本日は、所用によりまして、稲継委員と川戸委員が欠席の予定になっております。
それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○原事務局長 配付資料につきまして、議事次第の下の段に書いております。
資料1が「地方消費者行政関連資料」ということで、枝番がついていますが、消費者庁御提出の資料です。
資料2といたしまして、「消費者委員会の地方消費者行政専門調査会設置・運営規程」の改定案をお示ししております。
資料3といたしまして、「自動車リコール制度の関連資料」ということで、国土交通省から御提出いただいた資料です。
資料4といたしまして、「消費者安全の確保に関する基本的な方針」の関連資料で、消費者庁から御提出いただいた資料です。
資料5といたしまして、第7回地方消費者委員会を米沢で開催いたしました実施結果。
資料6は、事務的なことですけれども、傍聴希望申込方法の変更について、御紹介します。
参考資料といたしまして、この間、3月5日に委員間打合せを行っておりますので、その概要の資料をおつけしております。
不足がございましたら、途中でお申出いただければと思います。

≪2.地方消費者行政について≫

○河上委員長 それでは、早速、議事に入ります。
最初に、「地方消費者行政について」であります。消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
消費者委員会では、昨年7月に、集中育成・強化期間後における地方消費者行政に対する国からの支援策の在り方についての建議、「地方消費者行政の持続的な展開とさらなる充実・強化に向けた支援策についての建議」を行ったところであります。現在、消費者庁や関係省庁において、鋭意取組みが進められているところと承知しております。
建議のフォローアップにつきましては、4月上旬を目途に改めて行いたいと考えておりますけれども、最近、地方消費者行政に関して新たな動きが幾つかございましたので、本日は、中間的にそれらの概要について御報告をいただきたいと考えております。
具体的に申しますと、最近、消費者庁が公表された「地方消費者行政の現況調査(第2次)」、24年度の補正予算、25年度の当初予算についての情報、第3に「地方消費者行政に対する国の財政措置の活用期間に関する一般準則」、この3つのポイントについてであります。簡単に御説明をいただきまして、質疑を行いたいと思います。その後、昨年7月の建議で今後の検討課題とされていた地方消費者行政が中期的に目指すべき姿を検討するため、消費者委員会のもとに「地方消費者行政専門調査会」を立ち上げることについて、審議をいただきたいと考えております。
最初に、消費者庁から先ほどの件に関して説明をいただきます。
10分くらいでお願いできればと思います。

○消費者庁村松地方協力課長 村松でございます。
早速でございますが、資料1-1で現況調査の結果について、御説明申し上げたいと思います。
こちらは先行調査を5月に行いましたが、今回は本調査ということで昨年10月に実施し、2月に公表したものでございます。
まず1番、窓口の状況でございます。センター数は3年間で223か所増加。センターも含めまして窓口を設置している市町村は、3年間で228自治体に増加してございます。
2番の消費者行政担当職員の配置状況でございます。相談員は3年間で591名の増加、事務職員につきましても、数は減っていますが専任職員が増えているということで、専任化が進んでいるところでございます。
3番が相談員の処遇の状況でございます。全体で3年間で単価が36円増加しているところでございますし、2ページの(2)、雇用期間、雇止めの関係でございますが、更新回数の制限を設けているところも若干減ってきておりますけれども、まだ全体の2割弱が雇止めをしているという状況でございます。
処遇の改善につきましては、これまで3年間で343の自治体で報酬の引上げが行われているところでございます。
4番が予算の状況でございます。(1)の3段目にございますとおり、自主財源も確実に増えておりまして、3年間で約15億円増加してございます。消費者行政予算の無い市区町村の数も3年間で93減っているところでございまして、現在、残り130になっております。
最後のページでございますが、事業の実施状況でございます。相談・あっせんの件数で、特にあっせん率はこの3年間で1.1ポイント増えまして、7.2%となっています。
自治体の職員、相談員の研修への参加の状況は、参加させていない自治体数、市区町村、まだあるのですが、この3年間で2.3ポイント減少しています。
(3)の講習の実施は、まだ実施していない市区町村もございますが、この3年間で2.8ポイント減少しているところでございます。
(4)の庁の内外における連絡会議の設置状況でございますが、庁内の他部局の会議の設置につきましては、12.9%、他の自治体、団体との連絡会議等の設置につきましては、14.3%となっております。
外部有識者、専門家の活用でございますが、活用している自治体は全体で37%という状況になっています。
こちらが現況調査に見る地方消費者行政の現状でございます。
続きまして、地方への財政支援策、資料1-2資料1-3でございます。今後の財政支援につきましては、2つの柱で支援を行っていく予定でございます。
1つ目が、資料1-2の、基金の上積み、補正予算の60.2億円でございます。こちらは、これまでの集中育成・強化期間の取組みをさらに充実させる目的のもので、2つの柱で自治体を支援いたします。
1つ目が基礎的な取組みの下支えということで、センターの設置、相談員の配置や処遇の改善、養成、レベルアップ、それから、都道府県による市町村支援も引き続き支援いたします。
もう一つが、消費者問題解決力の高い地域社会づくりということで、リスクコミュニケーションですとか、消費者教育のプロジェクト等を引き続き支援するものでございます。
こちらが、財政支援の一つの柱でございます。
もう一つが資料1-3で、こちらは、来年度の当初予算に5億円を盛り込んでいるものでございまして、国と地方とのコラボレーションによる先駆的プログラムです。国を挙げて取り組むべき重要な消費者問題につきまして、国が政策テーマを提示し、意欲ある自治体にそれを実施いただきまして、その結果を全国に普及することを図るものでございます。仕組みとしましては、こちらも基金に上積みということで考えているところでございます。
提案するテーマは大きく5つございます。風評被害の防止、消費者と事業者との協働支援、特に金融分野を中心とする体系立った消費者教育の展開、悪質事業者の撃退、適格消費者団体の設立促進ということで、この5つのテーマを自治体にぜひ実施していただければということで、現在、中身の詰めを行っているところでございます。
このような形で25年度までは財政支援を行うわけですけれども、60.2億円につきましても、補正予算でございますので、消費生活相談員の雇用ですとか、安定的な地方消費者行政下支えに不安があるということは声の上がっているところでございます。
そこで、各自治体が長期的な支援に立った体制整備を進められるように、昨月、長官通知として出しましたのが、資料1-4-1にございます、「地方消費者行政に対する国の財政措置の活用期間に関する一般準則」でございます。こちらを昨月、消費者庁長官通達として制定したものでございます。
この準則は、平成26年度以降も視野に入れまして、基金などの財政支援の個別事業ごとの活用期間についてルールを定めたものでございます。
この準則の趣旨は大きく2つございまして、一つは、各自治体の消費者行政体制が定着するまでは継続的な支援が必要であるということを、消費者庁として認識を明示するということ。2つ目としましては、各自治体におきまして、この準則に示された期間を踏まえつつ、円滑かつ計画的に自主財源の移行の道筋をつけることをお願いしたいということでございます。
中身としましては、表をご覧いただければと思います。センター整備につきましては、活用期間は3年、それ以外につきましては、相談員の雇用、レベルアップ等、事業につきましても7年間ということで、これを活用期間としてございます。
この準則では特例を設けておりまして、国の財政支援の活用期間後も、引き続き、自主財源におきまして体制の維持・強化に取り組むと首長が意思表明をした場合には、この期間を2年間延長ということを特例として設けております。逆に、相談員の雇止めを行う自治体につきましては、2年間の短縮というペナルティも設けているところでございます。
また、小規模市町村につきましては、自主財源を確保は難しいところもございますので、2年延長して、原則9年でございます。さらに、首長が表明を行えば最長11年という形の支援期間になるところでございます。
これが一般準則でございまして、今後は、この準則も踏まえて引き続き財政支援を考えるとともに、自治体には自主財源化への取組みをお願いできればというふうに考えているところでございます。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 資料1-4-1に基づく説明が大変注目すべきところですが、まず、通常の自治体には原則7年、小規模市町村は原則9年というのは、基金によって手当されるのか、それとも通常予算をこれからこういう形で組むからという、国としての地方自治体への約束、と言えるかどうかわかりませんが、そういう形で予算措置を講ずるからよろしくという趣旨なのか、その辺が一つです。
それから、現実にこういう形で既に2月には自治体に通知されているとすると、雇止めをこれから実施されようとしているところについての反応とか、問い合わせがどの程度あるのか。例えば消費生活センターの所長などに聞くと、雇止めはしたくないけれども、自治体の予算を握っている部局からは、センターの職員あるいはセンターの相談員だけ特別扱いするわけにいかないということで、どうしても雇止めということになってしまったと。7年が5年になったり、9年が7年になったりということで、困ってしまうけれども、かといって予算の部局からは特別扱いするなと言われるというところで、間にはさまった消費者行政部局の方がジレンマに陥るだろうと思います。その辺をどうするのかといっても、消費者庁としてはどうしようもないのかもしれませんが、どういうふうにお考えになるのか。
もう一つは、自治体によっては民間委託しているところが結構あります。その辺との関係はどういうふうにお考えになっているのか。
以上、3点、お伺いします。

○消費者庁村松地方協力課長 まず、1点目でございます。準則によりまして、26年度以降も具体的予算が決められているというわけではございませんで、消費者庁としては、今後も一定期間、財政支援が必要ということを自治体の方々にお示しすることがこの準則の一つの目的でございます。基金かどうかは、今後、来年の予算要求に向けて検討していきますが、何らかの財政支援が行われる場合には、このようなルールに基づいて今後も支援していくということをお示ししたものでございます。

○山口委員長代理 いつまで続くかわからないから不安だという自治体の声に、一定程度応える形でこういうものを出した、こういうことになるわけですか。

○消費者庁村松地方協力課長 そうでございます。今年も補正でございましたので、その点を安心材料としてお示ししたかったというのが大きな思いでございます。
2点目は、ジレンマというところもあろうかと思いますが、こういう形で準則をお示ししておりますので、自治体では、この準則をもとに長官通知で総務省との考え方の共有というところもお示ししておりますので、これを活用して、財政当局、人事当局に、雇止めの抑止についてこれから調整に入りたいという形の声も聞かれております。自治体にはこの準則をうまく使っていただいて、雇止めの見直しをぜひお願いできればと考えているところでございます。
3点目の民間委託につきましては、メリット、デメリットあろうかと思いますので、その都度、自治体の相談に乗っていきたいと考えているところでございます。

○河上委員長 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 一般準則については自治体の関心も高いところだと思っています。これを見て、自治体によっては、これを材料に人事、財政と交渉して、一般財源なり恒常的な人員の確保なりをしていこうという自治体と、一方で、国の財政措置の一定のゴールが見えても、いくら人事、財政に交渉してもそれは勝ちとれない、ゴールを静かに待つしかないと諦めムードの自治体とあるのではないかと思います。
庁にも自治体のほうから、この説明を受けたフィードバックといいますか、意見といいますか、そういったものが入っているのではないかと思いますが、どんなふうな意見が入っているのか教えていただきたいと思います。あわせて、基金も新しい動きということで、一定程度、来年度以降の見通しが立ってきたかと思いますので、その点も含めて、地方の反応といったところをおわかりになる範囲で教えていただければと思います。

○消費者庁村松地方協力課長 まず、一般準則につきましては、各自治体の消費者行政担当課におかれましては総じて好意的な反応をいただいているところでございます。庁内のカウンターパートに対する交渉のツールを提示できたというところがございますし、安心材料というところもございますし、その点が一つ、そういう形の反応になっているところかと思います。
予算については、大きく2つ、従来の取組みの維持・充実の60.2億円と5億円ということで、こちらを自治体にお示ししているところでございますけれども、60.2億円につきましては、ほぼ自治体のニーズを満たす形で活用いただけるのではないかという形でございます。5億円につきましても、政策テーマをお示しして自治体に感触を伺っているところでございますけれども、かなり意欲的な自治体のほうから、ぜひやりたいという多くの声をいただいているところでございます。こちらもぜひ中身を濃くやっていきたいと考えております。

○吉田委員 自治体がおおむね好意的だというところは非常に安心しました。ありがとうございます。
財政措置のほうは、最長9年の期間が過ぎてしまうと、国の財政措置が、7番の法定受託事務のところを残して終わってしまうのではないかということを危惧するところもあると思います。委員会でも、経常的な経費の国の財政負担の在り方について建議しているところですが、相談情報を収集してそれを国に提供することについての国の財政負担というところが、この中から見えてこない、どうなるのかというところがあると思います。その点について、庁の中での検討というのはどうなっているのでしょうか。

○消費者庁村松地方協力課長 全体としましては、こちらは国からの財政支援ということでございますので、7番の法定受託事務のように、それとは別な形で国が負担するところまでを射程に入れているものではございません。それはそれで国が負担をするというものがあるとすれば、それは別な形で議論をしていくべきと考えているところでございます。

○河上委員長 この問題については、建議のフォローアップの際に、他の建議事項に関する報告とあわせて再度議論をさせていただければと思います。ただ、現在は地方消費者行政の揺籃期であるだけに、消費者庁が継続的な財政的支援をするというメッセージを送ったことについては高く評価したいと思いますし、地方に対してもいい刺激になるのではないかと思います。
消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。
続きまして、「地方消費者行政専門調査会」の立ち上げについてであります。同専門調査会については、第1次委員会の際に設置されて、平成23年4月に報告書を取りまとめたところで一たん活動を終えておりましたけれども、第2次の委員会としても、親委員会での対応に加えて、新たな課題を検討するため、専門的知見を有する方々にお集まりいただいて同専門調査会を立ち上げてはどうかと考えております。お手元に、資料2「地方消費者行政専門調査会 設置・運営規程(改定案)」を配付しておりますので、内容について、事務局から説明をお願いします。

○原事務局長資料2をごらんください。第2次でも地方消費者行政専門調査会を立ち上げるということで、改定案を提示しております。設置・運営規程は平成21年12月21日に策定したものですけれども、第3条の専門調査会の所掌のところを改定したいと思っております。
内容については、3ページに新旧対照表を載せておりますので、そちらをごらんいただきたいと思います。現行は第3条として、「専門調査会は、『地方消費者行政の充実強化に向けて』(平成21年12月14日消費者委員会決定)に掲げる論点その他の地方公共団体における消費者行政の推進に関する事項について、委員会の求めに応じて、調査審議する」としておりました。ですから、特定をしていたというところなので、これを、全般的な課題を取り上げることができるというふうに改定したいと思っておりまして、第3条を「専門調査会は、委員会の求めに応じて、地方消費者行政に関する重要事項について調査審議する」と、改めさせていただけたらと思っております。別紙として、平成21年12月14日に決定した内容のものを参考資料としておつけしております。
提案としては第3条の改定ということになります。よろしくお願いします。

○河上委員長 これまでずっと親委員会で消費者行政の話は引き受けてやってきたのですが、この段階で少し意見を深堀りしていただいてまとめたいということで専門調査会を立ち上げる。それに当たっての所掌事項の調整ということですけれども、何か御意見はございますか。よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 それでは、この案のとおり、本設置・運営規程を改定することに決定いたします。
なお、地方消費者行政専門調査会の具体的な審議事項、メンバーについては、現在、最終的な調整を行っておりまして、3月中には第1回の専門調査会を開催できるように準備を進めているところでございます。よろしくお願いいたします。

≪3.自動車リコール制度について≫

○河上委員長 引き続きまして、「自動車リコール制度について」であります。国土交通省から、お忙しいところ、御出席をいただいております。
消費者委員会では、平成22年8月に「自動車リコール制度に関する建議」を国土交通大臣及び消費者担当大臣に対して発出し、その後、建議に対する国土交通省の取組みについてフォローアップを行ってきたところです。しかし、昨年末、三菱自動車工業株式会社から、4回目となるリコールの届け出が出されるというやや異常な事態が発生いたしました。そこで本日は、この件に関連しまして、三菱自動車工業株式会社における対応の経緯、国土交通省における把握及び対応の状況、最後に、建議に係るリコールに関する技術検証の実施状況及び監査方針の見直しの状況等の対応について御説明をいただき、その後、質疑を行いたいと思います。
それでは、国土交通省から説明をいただきたいと思います。野津審査・リコール課リコール監理室長にお越しいただいておりますので、20分程度でお話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 御紹介いただきました、国土交通省野津でございます。
お手元の資料3-1と3-2に基づきまして、まず初めに、今回の三菱自動車の事案の経緯について御説明申し上げます。三菱自動車の報告書、資料3-2の2/18ページから表がついておりまして、今回の4回にわたったリコールの概要から申し上げます。
表に、ノックスフロン期間、期間A、B、C、Dと書いてございますが、これは大変歴史のあるエンジンでありまして、軽自動車に積まれているエンジンです。過去から基本的な構造は同じでずっと搭載されているという経緯がありまして、最初に22年11月にリコールをしたのが期間Bと言われる部分になります。第2回目のリコールを24年1月にしておりますが、これが期間AとCになります。その後、届け出られたリコールの対象範囲に間違いがあったということで、訂正のリコールが24年3月に届け出られています。第4回目のリコールが昨年の12月になりますが、これがノックスフロン期間と呼ばれるところで、正確に言うと一部対象車種ですが、この期間を対象にリコールをしています。
これがリコールの4回の経緯でありまして、不具合といいますのは、軽自動車のエンジンのクランクシャフトと言われる回転する部分がありまして、そこの回転する部分からオイルが漏れないように、オイルシールという、一種のパッキンと言いましょうか、ゴム部品で、回る部分だけれども漏れないようにふさいでいるオイルシールという部品がございます。これが抜けて、結果としてオイルが漏れてきた。最終的にはエンストに至ることもある、こういう不具合でございます。
最初の不具合からの経緯ということで御説明いたします。資料3-1、当方から発表したプレス資料の1枚目から若干補足も入れながら御説明いたしますと、「1.経緯」の(1)に、「平成17年2月に同社は初めての不具合情報を入手」ということで、最初の不具合は三菱自動車にこのタイミングで入っています。その後、18年3月には当省にも同様の不具合情報が来ています。この後、ちょっと書いてございませんが、平成19年9月に、いわゆるリコール監査、私どもの立入検査で本件について、市場措置の検討についてどうなっているのかという指摘をしてございます。
平成19年12月に、これは三菱自動車の報告書の8/18ページにありますが、国土交通省にその状況の報告ということで来ておりまして、市場措置はその時点ではしないという報告がありました。翌年の平成20年1月に、三菱自動車が社内的に市場措置をしないという決定をしてございます。報告書の4/18ページにそういう記述がございます。
その後、当方では技術検証というものを20年2月から実施しております。これは、三鷹に交通安全環境研究所という独立行政法人がありますが、法律でそういう研究機関に技術検証を依頼することができるということがありますので、同法の規定に基づいて技術検証を依頼して検証を開始しております。その後、報告書の10/18ページ目にありますけれども、21年10月と12月に、三菱自動車に対しては市場措置について指導したという経緯がございます。その後、22年11月に第1回目のリコールが行われるというのが、第1回目のリコールまでの流れでございます。
(2)にありますけれども、平成23年10月以降に三菱自動車に対しまして、同社の従業員から内部通報があります。その後、私どもから同社に対して調査をするように指示するとともに、その結果といたしまして、24年1月に第2回リコール、第3回目のリコールが訂正という形で24年3月6日に行われています。
その後、多少前後いたしますが、24年2月下旬に、同社従業員からさらなる問題点を指摘する内部通報がございました。この後、私どもから同社に対して追加の指示をすると同時に、三菱自工の中で外部有識者委員会を立ち上げて調査が開始されました。
(4)は、「本日」というのは昨年の12月19日ですが、三菱自工から私どもに対して第4回目のリコール届出が出されることとあわせまして、社内調査結果報告書が出てきたということであります。この社内調査結果報告書は、有識者会議の調査をベースにして三菱自工として当方に提出してきた報告書で、それが別添資料3-2としてつけられているものでございます。
この報告書を受けまして、「2.国土交通省の対応」ということで、その当日に口頭で厳重注意をするとともに、立入検査をすることを発表いたしまして、12月25日から27日にかけまして、三菱自動車あるいは販売店等の関係先ということで立入検査を実施いたしました。
(3)とありますが、4回までのリコールの内容について技術検証をしているということで、これはこの場での建議とも関連いたしますが、追加リコールがあったものについては積極的に技術検証を活用することをお約束いたしておりますので、こういうことをしております。
(4)は一般的なことが書いてございます。
厳重注意をした内容を御紹介させていただきますと、資料3-2の4/18ページをお開きください。第3項に(1)とありますけれども、措置不要とした判断。先ほど申し上げましたが、平成20年1月に、三菱自工の中では本件は市場措置不要と一たん結論をつけております。その際の判断が妥当性に疑問がある、あるいは、次のページの結論にもありますけれども、「この時点で市場措置不要と結論づけたことは不適切かつ妥当性に欠けていた」という報告書になっています。この点については、当方もそのとおりであると考えまして、十分な妥当性がない中で「市場措置が不要であるとする不適切な社内判断がなされたこと」に関して、厳重注意をしております。
次の6/18ページ、イのところで、第1回のリコールを平成22年11月に届け出ておりますが、その際に期間Bというところに限定してリコールをした形になってございます。ここにありますのは、リコールの対象期間の限定に関して、「製造上の変化点を探したのではないのかと懸念を持たれてもやむを得ない面があった」、「便宜的な対応と疑われてもやむを得ず、不適切な点があった」、こういうことで社内報告書が出てきております。この点に関しましては、リコールの届け出に当たっての対象車両の特定に係る原因究明、及びその方法が不十分かつ不適切であったというふうに私どもは考えておりましたので、その点を厳重注意いたしております。
8/18ページは、ちょっと時点がさかのぼりますけれども、「イ 国土交通省への報告に関する法令違反の有無について」ということで、虚偽報告があったかどうかという論点になります。取り上げられている報告というのが、19年12月に私どもに市場措置はしないという方針で報告があった際の中身についてであります。一つは、オイルの漏れ方について、「徐々に漏れる」ですとか、「一時に大量に漏れることはない」、こういう表現で報告があったことに関して、これが虚偽の報告に当たるのかどうかという点でありますが、この報告書では、「虚偽の報告に該当するとまでは言えないと考えるが、技術的にきちんとしたチェックをしていれば事実をより明確かつ正確に記載した報告になっていた可能性が高く、やはり不適切」と言われております。
その下、(イ)のところですが、第1回リコールの実施の際の説明に関して、車には油圧警告灯というのがついていまして、エンジンオイルがなくなってきて油の圧力が低下すると、ランプが警告して危険をユーザーに知らせる仕組みになっています。これが、油圧警告灯が点かずにエンストしたという申出が本当はあったのですが、「点かずにエンストした事例はない」というふうに担当の人が説明したということがありまして、これについて不正確であったということ。それから、エンジンが場合によっては破損して、ブロック穴あきと書いてありますが、中の部品が突き破るような形で穴をあけるような事例が本当はあった。足だしとも言いますけれども、そういう事例はないという報告がなされているということで、これも正確さを欠くということでございます。
いずれも、虚偽報告はないというここでのまとめになっておりますが、説明の中身としては不適切だと思いますので、その点については当省に対して不適切な説明がなされたことということで、昨年、注意をいたしております。
もう一点、10/18ページに、「(2)法令違反以外の問題点」としまして、「本件において市場措置を検討する姿勢が受動的であった」ということが書いてあります。中身は大きく2つありまして、先ほど経緯で申し上げましたが、一たん市場措置をしないと判断して、その後、実質的な再検討が行われたのは、平成21年10月14日の当省のヒアリング、21年12月3日の当省からの追加報告の要請、こういうことがありましたという点と、それから、第2回リコールに至るプロセス及び第2回リコール決定に際し国交省から促されて保証修理情報を活用したという点についても受動的、消極的であったと。
これは若干専門的な話になりますが、市場で無償修理をした場合の情報というのが、一般的な品質情報とは違う形で収集されていまして、無償修理に関する情報も件数が割とデータ数としてはあるものですから、それを検討してはどうかという当省の指摘のことを言っております。この2点に関して、市場措置を検討する姿勢が極めて受動的、消極的であったということで厳重注意をしたというのが流れでございます。
以上が三菱自工に対する案件の経緯の概要でございます。
もう一点、御指示いただいておりますのは、建議に係るリコールに関する技術検証の実施状況及び監査方針の見直し状況について、報告をということでありますので、この点を御説明いたします。
以前の建議への回答におきまして、「再リコール事案の届け出が行われた際には、技術検証を積極的に活用する及び監査の方針を見直し、リコール対象車両特定のための実施体制や管理体制の状況を監査の際に確認する」としております。これらを踏まえまして、再リコール事案につきましては技術検証を積極的に活用するとともに、メーカーに対して、リコール対象車両特定のための管理体制等についての指導・確認を監査の際に実施しているところであります。
なお、建議に際しても申し上げておりますが、再リコールを起こさないように、リコールを一度で行うために、時間をかけて対策が結果的に遅れるよりも、暫定的であっても迅速にリコールが行われることが重要であり、再リコールの実施そのものが安全確保の観点からも問題であるとは考えていない、というふうに建議の際に回答させていただいておりますが、いずれにしましても、今後とも適切に事業者を指導してまいりたいと考えております。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 隠蔽体質の企業で、既に刑事事件で責任者的な立場の人が有罪判決を受けているような企業で、今回のことに至るまで事故が起こらなくてよかったなと心から思います。国交省としても大変な苦労だと思いますけれども、大変重要な問題だと思うのです。業界誌の報道によると、先ほどお話がありましたように、国交省で初めてこの問題でトラブル情報、不具合情報を入手されたのが2005年2月です。しかし,事故が発生していないことなどを理由に、会社のほうはリコールは不要と判断されているわけです。
他方で、国交省が独自に検証されて、2009年の10月と12月にはリコールを実施するように指導をなさっています。1回目のリコールについて、対象の範囲が不十分という社員の内部告発があったりして、国交省の指示を受けて改めてリコールを重ねた。ところが、それに対しても内部からの通報があって、検査した結果、4回目のリコールをした。私は、企業としての批判を免れないぐらいに隠蔽体質で、これはいつの立入検査かわかりませんが、内部告発に基づいて三菱自動車に立入検査をしたときには、社員のロッカーから数百通のクレームの報告書が発見されたというような事態になっているわけです。
これから4点、御質問させていただきたいのです。第1に、普通に考えると、これだけの企業でしたら、これからやりますということで立入検査というのはあり得ないと思うのです。資料3-1で、注意か勧告されたか知りませんが、これから立入調査をすると言って立入調査をされた。先ほど言ったような大変なものが隠蔽されたことがわかっているのに、なぜ事前に通報して立入調査をされたのか。あえて申し上げれば、資料1と2は同じ期日です。つまり、企業が調査した結果こうでしたという日と、国交省が注意をされた日が同じ日というのは、普通はあり得ないです。これは出来レースではないかと思いますよ。
普通だったら、まず企業から報告させて、その報告は納得できないということで、予告なしで立入調査をした上で、ちょっと来い、これはおかしいではないかということで処分するというのが本来の在り方ではないかと思います。どうもこれは、いろいろな問題はあるかと思いますが、出来レースではなかったのかという質問についてどうお答えになるのか。これが一つです。
第2に、内部通報が今回は重要な役割を果たしたと思いますが、この内部通報というのは国交省にあったのか、どこにあったのかというのを教えていただきたい。内部通報者については十全の保護をされているのでしょうね、ということも確認したい。
3番目に、資料3-2を拝見いたしますと、5/18ページの下にありますが、リコールではなくてサービスキャンペーンをすることにしたと。これは、ちょっと理由が信じられないのだけれども、サービスキャンペーンとしたのは、不具合においては、ユーザーに予見可能性があり、エンストに至るまでにエンジン異音や油圧警告灯の点灯によって気づくだろうから、リコールしないで、サービスキャンペーンということにした。サービスです、無料でやります。こういう話ですけれども、サービスキャンペーンという言葉自体が、要するに消費者に警戒をもたらさない、そういうやり方だと思います。これで何がユーザーに予見可能性があるということになるのか、私は信じられない。サービスキャンペーンという概念自体、これは第1回目の建議のときにも随分議論をしたのですが、誤解をもたらす言葉だから、もうひと工夫できないのでしょうかというのが3番目の質問です。
4番目は、これは第1回目の建議のときに指摘させていただいたことですけれども、全リコールの届出件数が平成7年~21年の5年間で1,518件あって、そのうち、140事案が再リコールでした。野津さんおっしゃるように、私もリコール自体が悪とは思わないし、躊躇してグズグズしているよりは、サッとリコールの情報を出すということは必要だと思います。
ところが、再リコールということになりますと、そのメーカーは何をやっているのかというところで疑ってかかって、本当にそれで大丈夫なのかというところでの強力な検査なり、それぞれの検証は必要だと思います。その点で、今回、冒頭述べたような事実経過を考えると、国交省は努力されたのだろうなとは思いますが、それでもなお今回の事態になってしまった。今後、今回の教訓を踏まえて、この問題についてどういうふうに改善されるつもりなのか。このままで頑張るからもうちょっと見ていろという話なのか。そういうふうに先ほどの話は聞こえたのですが、どういうふうになさる予定なのか。それが4番目です。お願いします。

○河上委員長 では、よろしくお願いします。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 ありがとうございました。
最初に、立検を事前に通報した、あるいは同じ期日で発表しているという出来レースかどうかという点でありますが、これは、通報があったという話を受けてから、三菱自動車も何回も呼んで話を聞いてきております。私どもは、そうやって話を聞くのも調査のやり方ですし、立入検査も一つの調査のやり方だと思っていまして、いずれにしても報告徴収の権限を使ってやるわけでありまして、そこは手法の違いかなというふうに思っております。
そういうふうに事前に話を聞いておりましたので、どういう通報があって、どういうふうな社内調査が進んでいるのかということについても聞いておりましたので、報告書が出た段階では、どちらかというと中身は当然知っていたという状況です。したがいまして、当日、その場で口頭厳重注意をするという判断をいたしました。一方、こういう内容が出たにもかかわらず、国交省としてどういう見解を持っているのかというところは言うべきであろうとも思いましたので、それまで継続的に私どもも報告を求めて聞いておりましたので、その時点の判断として口頭厳重注意をいたしました。不自然ではないかという御指摘はよくわかりますけれども、経緯としてはそういうことであります。
立入検査も、通常、私どもは通告しないでやっております。ただ、これだけのことを表に出した場合には、国交省としてどういう対応をするのかということは必ず問われると私どもは考えました。したがって、それに対して立入検査をしますからというふうに個別に答えるよりは、方針として出していったほうが、国民に対する説明責任は果たせるのではないかという判断をして書きました。ただ、個別の期日まで言うことについては、いかにもやり過ぎだろうということで、そこは控える。そこで線を引いたというところは、いろいろな議論はあるかもしれませんが、当時の私どもの判断としては、スタンスを説明したいということでこういう形をとりました。それが1点目であります。
内部通報がどこにあったのかという点に関しましては、この報告書に、三菱自工に対して三菱自工の社員からあったということが書いてございます。ただ、その内容はどうだったのかというのは書いてございません。三菱自工にあった内部通報に関して、その通報者の保護をするのは三菱自工の責任ですので、そこについて、私どもが何ら言うべき立場にないと思っております。
国土交通省に対して報告があったのかという点に関しては、あった・ないで言いますと、それ自体いろいろ差しさわりがある件だと思っていますので、今回の件に関しましてはノーコメントにさせていただいております。
サービスキャンペーンの予見性の話でございますが、オイル漏れのほかにもいろいろな不具合がありまして、中には、警告ランプがついていて、事前にいろいろ知らせて基準違反になる前に止める、そういうやり方は現に技術的にございます。オイル漏れについて、結果的にはリコールすべきだということですので、この判断自体、よくなかったと思いますが、ただ、予見性がある場合、最悪の事態は免れるからサービスキャンペーンにするという考え方自体はございます。
それから、サービスキャンペーンかリコールかの判断は、相談を受けてその中で決まることなので、いずれにしても門戸をあけておいて、相談に来てくれということで我々はやっています。ですから、この判断が不適切かどうかということよりも、きちんと早く相談しに来てくれということをメーカーには言っております。ですから、この判断自体を個別に取り上げて口頭厳重注意の中には入れておりませんが、入れていないのは、むしろ個別に判断が違うというところを突いて、メーカーがこの点を詰めまくるよりは、早く相談に来てもらったほうがいいと思っていますので、そこは門戸を広げてやるという考えです。
再リコールが140件あるという御指摘でございますが、確かに、再リコールがなくて一発できちんと対象範囲を決めて、内容も確実なものでやるというのが一番いいことだとは思います。ただ、現実問題、最初につくった車が不具合を起こすのもそうですし、例えば対策もそうであるし、やはり失敗のゼロというのはないので、そこのゼロを追い求めて届出が遅れるよりは、とりあえずできるところからやってくれということでやっています。今回の場合も届出が来た時点で、対象範囲は、それは変だということで指摘しているのですが、それはそれで受け取る。受け取ると同時に宿題を出して、対象範囲について再検討してくれということでやってございます。ちょっとお答えになっているかどうかあれですが。
改善ということですが、これと前後するような形ですけれども、私どもは体制の整備ということでもお認めいただいてやっております。不具合情報の収集、それに対する対応は、より早く適切にしていくように努力をしておりますし、今後とも、より改善できるように取り組んでまいります。

○山口委員長代理 部外者でも容易に想像がつくのは、何とかのオイル漏れというリコールがあった場合、それはその機種だけなのか、また時期的にはこれで限定されるのかというのは普通に考えますよね。現に違っていたわけです。この辺は、今後のリコールについても、例えばこういうリコールをしましたと。輸入車も結構リコールはあるわけですが、その場合に、それ以外の時期の機種はどうなのかとか、その辺は継続的にといいますか、あるいは体系的に検査機関のほうでやるような体制になっているのですか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 それはまさにルーティンとしてやっていますが、届出されますと、なぜその期間が対象なのかというのと、対策の内容が技術的にいいのかどうかというのを私どもは厳しく見るようにしております。場合によっては、特に技術的な中身は、三鷹の交通研に、この対策で大丈夫かという照会をすることもあります。そういうことで日ごろから見る観点に入ってございます。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。
私も少し伺いたいのですけれども、技術的な中身のことはよくわかりません。わかりませんが、4回のリコールがあって、先ほどの表では、ノックスフロン期間、期間A、B、C、これは対象になっています。期間Dは対象外になっています。さらに、国土交通省からの御報告によると、第4回までのリコールの内容について、道路運送車両法63条の3第5項に基づいて、「交通安全環境研究所に技術的な検証を依頼する」という書き方になっています。そうすると、期間Dに関してはそうした検証の依頼をしないということでしょうか。第4回までの分について検証をしてもらうということにしたわけですから。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 申しわけありません。書き方がよくなかったのかもわかりませんが、4回までのリコールの対象範囲があって、これでいいのかどうかということも含めて検証してくれということなので。

○河上委員長 ということは、期間Dの分についても検証の対象としているという理解でいいですか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 はい。

○河上委員長 わかりました。三菱自動車の内部委員会が、期間Dに関しては問題ないからという形で外しているということがございますので、その部分に関して、第三者の目からもう一度検証することを外しているのだとすれば、これはやはり問題ではないかという気がしたのですが、そこはむしろ同じように対象として考えると見てよろしいですね。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 まさに当委員会の以前の建議の趣旨がそういうことだと理解していまして、これは追加リコール、再リコールでありますので、Dの部分も含めて検証しているということです。

○河上委員長 まさに消費者委員会の建議でお願いしたことだったものですから、ちゃんとやっていただいているかどうかが気になったものですから。
もう一つ、先ほどの山口委員長代理の質問に対する説明の中で、よくわからなかったのですが、サービスキャンペーンとリコールというのは本質的に性格が違うのではないですか。

○山口委員長代理 消費者の受け止め方がですね。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 それは、もちろん違うと思いますが。

○河上委員長 リコールに踏み切るというのは、ティッシュペーパーを配るとか、その辺のオイルの具合を調整するというか、空気圧がどうですかとか、そういうプラスのサービスを行うという問題ではないですね。今回のリコールの問題は、まさに一定のものについて欠陥があったということですから、その危険性について、サービスキャンペーンですと称して、言ってみれば欠陥とは違うレベルの問題として問題を処理しているというふうには見ないのですか。その点の説明がよくわからなかったので。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 私どもの制度では、サービスキャンペーンもメーカーの責任で回収するわけですから、設計、製造に起因した欠陥ゆえの行為であるのは間違いないです。そこは両方とも同じなのですけれども、安全上、問題があるかないかというところが切り分けのポイントであります。そこでいわゆる商品性という言葉が出るのですけれども、今回のようなものの場合は、やはり皆さんに来てもらわないと困るので、そういうものは、安全上問題があるというリコールにカテゴライズして呼び込むべきだと私どもも考えております。
サービスキャンペーンというのは、逆に言うと、商品性の問題であると当省のホームページでもアナウンスしていますので、そこは、結果的には審査をきちんとして、ジャッジしてやるということに尽きるのではないかと思っております。

○河上委員長 消費者に、それが商品の安全性の問題であるということを前提にしてサービスキャンペーンが行われているかどうかという辺りが問題で、その辺のリスクに関する認識がうまく共有されてなかったら、消費者は勘違いしますね。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 逆に言うと、商品性も含めて全部リコールだという名前にすると、それはそれでリスクについての周知がうまくいかないと思っていまして、サービスキャンペーンとリコールの分けというのは、それなりに必要な分けなのではないかと思っています。サービスキャンペーンという枠もなしにしてしまって、全部リコールにしてしまいますと、例えば雨漏りがするとか、本当の意味での商品性のものとかそういうものも入ってきて、これもリコールだとなると、消費者も逆にわかりにくいと思います。ですから、どこかで線を引いて分ける必要があって、そこの狭間のところで判断として不適切な場合があるかもしれませんけれども、そこは私どももきちんと指導・監督をしております。

○河上委員長 どうぞ。

○原事務局長 第1次の消費者委員会で建議を出したときにも見ておりましたが、市場措置の届出、リコールと改善対策とサービスキャンペーンについては、中期的な課題として現在の在り方を見直していただきたいとお願いをしておりました。このときに、消費者委員会でもユーザーアンケートを行っておりまして、この3つの制度の違いを具体的に知っているユーザーは13.3%にとどまっていました。ユーザーは3つの違いについて理解をしていないということも、そのとき資料としておつけしておりますので、やはり重ねて、消費者委員会の建議として取り上げていただきたいと思います。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 この点、中期的な検討ということで課題としてはお約束しておりますので、引き続き検討してまいります。

○河上委員長 村井委員、どうぞ。

○村井委員 この案件は報告書を拝見致しますと、3月末までにもう一度、三菱自動車工業から報告書を提出いただくということなのでしょうか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 その点の説明が抜けておりました。今、進行している話は2つございまして、この資料にも書いてございますが、3月末までに改善対策の実施状況を出してくださいというのを三菱自工に対して指示をしております。もう一つは、私どもは立入検査をいたしましたが、その結果がまだまとまっていません。検証中ですので、それをまとめるという2つのことがございます。

○村井委員 そうしますと、当該会社の委員会の報告は虚偽ではなかったと記載がございますが、国土交通省の調査や立入検査の状況によっては、虚偽だったという判断が出てくる可能性もあるということでしょうか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 私どもの立入検査では、この報告書の妥当性、虚偽かどうか、法令違反の有無も含めて調査をするということでやっております。

○村井委員 国土交通省の調査結果で虚偽があったとなると、改善指導や厳重注意ではなくて、法令による罰則規定の適用があるということでしょうか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 あり得るということだと思います。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 今の村井委員のお話とも絡むのですが、今回注意をなさっている内容は、先ほど、4回までのすべてという話がございましたが、この経緯、1回目から4回目までのすべてについて一体として、小出しというか、そういうリコールのやり方でよいのかということも含めた問題について注意をなさっている、そういう理解でよろしいでしょうか。場合によっては、村井委員が言われたように、法令違反、処分というところにつながる可能性がある、そういうことですか。何を注意されているのかというのがわかりにくかったので。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 追加リコールを重ねたということの関連でいきますと、第1回目のリコールの対象範囲の特定が、その時点で原因究明が余りできていなかったので結果として不適切だったということで、第1回目のリコールの関連でいきますと、その点を注意しております。第2回目のリコールは、通報後になりますが、私どもも通報内容も踏まえた上で審査してやっていますので、第2回目の期間がAとCになったこと自体については、当時の判断としては不適切な点はなかっただろうというふうに、この報告書の段階では認識しております。ですから、その点について注意を特段していないということでございます。
ただ、結果論になりますけれども、原因究明がうまくいっていなかったというのが、第1回目のリコールの範囲がよくわからなかった点にありますので、そこを注意しているということです。

○小幡委員 当時の判断として、2回目のリコールについては問題ないだろうと思ったけれども、今回は一応全体を見て判断しましょうということで、技術検証も含めてやっていらっしゃるということですか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 そこは、技術的に現時点で追加でやる必要があるかないかというところをやっております。

○小幡委員 素人的に言うと、内部通報というのがあって追加リコールをやることになったというのがやはり引っかかります。内部通報があって、はじめて次のリコールになっていくと。そういう内部通報できるような環境があったということ自身は、むしろ是とすべきでしょうけれども、会社自体の姿勢としてどう考えるかということですね。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 事実関係だけ申し上げれば、内部通報があったから第2回目以降のリコールがあったとは書いていないわけです。私どもも、第1回目のリコールのときに範囲が適当かどうかというのは既におかしいと思っていたので、三菱自工に対しては継続調査をするように指示をしたという事実もあります。内部通報があったからやったかどうかというところは、この報告書にも書いていませんし、その点だけは事実関係としてはそういうことになっております。

○山口委員長代理 これは法律に定められることではないのかもしれませんが、今回の三菱の企業体質と、ほかのメーカーについて、消費者委員会で別に聞いたことがあります。リコールを出すかどうかの判断は、経営判断と別の部門でやっているという話を、現実に日本の別のメーカーで聞いているわけです。ところが、ここはもろに経営判断の部門でやっているんですよ。現実に4回目のリコールで一番多くリコールが出て、8,000円~1万6,000円ぐらいの修繕費用がかかっていて、70億円ぐらい支出をしたというわけです。結局、経営判断がリコールするかどうかの判断のところにかかわってくると、どうしても今回のような判断になってくるわけです。私は、リコールするかどうかの判断は経営判断と切り離したところでやるべきだと思うけれども、その辺は国交省のほうで、モデルケースでこうなんだとか、これは法律で定められることではないと思うけれども、そういう指導があっていいのではないかと思うのです。
しかも、この企業の弁護士がかかわったというけれども、この弁護士は顧問弁護士なのです。第三者委員会ではないのです。企業運営にかかわっている顧問弁護士が審査しても、公正な審査ができるわけはないです。だから、リコールの決定の審査の在り方、あるいは、その後の第三者委員会的な立場の審査の在り方、この辺は国交省のほうで、にじみ出す感じでもいいから何らかやらないと、同じような問題が別なところで起こったらえらい悲劇になると思うので、ぜひお願いしたいと思います。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 三菱自工のやり方というのは、以前のリコール問題を受けて措置不要と判断したものも、経営の関係者でつくる常務会というところに上げて判断をすることになっています。今回のケースでいけば、措置不要というのを判断してくださいと上げて、結果的にそれが通ってしまっているのですが、そこで、「いや、それはリコールすべきだ」、こういうことが機能していればよかった、というのが反省点になると思いますけれども、ただ、経営と切り離せば今回の問題がなかったのかどうかというのは、必ずしもそうとは言い切れないのではないか。
つまり、措置不要と下のほうで判断して、上にそれで上げているだけです。過去の教訓でそういうのを入れたので、そこで、これはリコールすべきだというふうに機能すればよかったのかもしれませんが、そこは結果としては機能していない。そこの経営のタッチの仕方というのはいろいろなやり方があるのだろうと思います。私どもは、そこはやはり結果でチェックしていくしかないのではないか。判断のプロセスというよりも、不具合の事情もいろいろですので、結果で判断すべきではないかと現時点ではそういうふうに考えております。
それから、顧問弁護士云々の話ですが、弁護士はいかなる立場でも一定の責任はあると考えていますので、顧問弁護士だからだめだというふうに私どもから要請したとか、そういう経緯はございません。ただ、私どももこの調査報告書が、これでいい、以上終わりとしているわけではありませんので、いずれにしても、立入検査を含めて精査するというスタンスで臨んでおります。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 今回のリコールで事故が起こらなかったのは、不幸中の幸いといいますか、ただ、一歩間違いますと、自動車というのは本当に生命・身体にかかわってくる商品です。しかも、ユーザー側にとりましては、車検も含めてユーザー側の義務も課せられているわけです。例えば車検を1回受けなかったら車に乗れないわけです。それなのに、同じメーカーが同じ原因で4回もリコールを繰り返すことに対して、やはり甘いのではないか。会社そのものの体質も問題あるでしょうけれども、それを監督する省庁として、やはり甘いのではないかというふうに受け止めざるを得ないと思います。
どうしてそういうことを申し上げるかというと、車を使う人たちが変わってきているわけです。以前のように車のことがわかる人ばかり乗っているわけではなく、ほとんど車のメカについてわからない人が乗っている。だとしたら、つくる側に安全性を求める以外にないわけです。ですから、リコールを繰り返さないでほしい。少なくとも同じ部分のリコールを何回も何回もこんなふうに繰り返してほしくない。
先ほど説明されたように、リコールまで持っていかないで、例えば改善対策とか、サービスキャンペーンという方法があると。それはそうだろうとは思いますけれども、それも、きちっと消費者に不具合だということを伝えることは、先ほど事務局から、市場措置の届出区分について検討すべきだという意見が前回も検討会で出ているという話が出ましたので、これは早急に検討いただきたいと思います。国交省は自動車メーカーにやさしいといいますか、甘いという感覚を持たざるを得ないです。
今は消費者の使用形態が変わってきているということを申し上げましたけれども、これからもっと変わってきます。例えば、今、私が使っている車はハイブリッドですけれども、構造は全然わかりません。電気自動車も入ってきています。ハイブリッド車、電気自動車にリコールが起こらないかというと、その可能性はゼロではないわけです。当然、リスクは高くなっていくわけです。そういう意味でも、メーカーに対する監督はより強めていくという方向が必要ではないかと思います。いかがでしょうか。

○国土交通省自動車局野津審査・リコール課リコール監理室長 委員の御指摘はごもっともだと思います。ただ、決して私どもは甘いというふうなことでやっているつもりはありませんので、そこはどうとらえられるかということかなと思いますけれども、ユーザーも車も変わっているというのは確かにそのとおりであります。この前も三菱自動車の電気自動車のリコールも起きています。電気で新しい技術が入ってくれば、その部分に不具合とかいうのは出てきますので、新しいところに不具合が出ていないかというのは監査等でもチェックして、必要な指導をしていきたいと思っています。
繰り返しになりますけれども、メーカーにとってやさしいとか、そういうふうに見られないように、消費者目線に立った行政でやるように、引き続き努力をしてまいりたいと思います。

○河上委員長 時間も大分超えてしまいましたので、この辺で終わりにしたいと思いますけれども、先ほど話になりましたように、結果で評価されてしまうと思うのです。その意味では、決して意図的に手を抜いたとか審査が甘かったとは思いませんけれども、結果を見れば、もう少し踏み込んだ規制があってもよかったのではないかということは今でも悔やまれるところがあると思います。
国土交通省におかれましては、消費者の安全確保の観点から、特に再リコール事案における技術検証を的確に実施していただくとともに、自動車メーカーに対する監査をより厳格に実施していただきたいと思います。
また、昨月公表しました、「消費者基本計画の実施状況に関する検証・評価及び計画の見直しに向けての意見」という中でも、委員会として述べさせていただきましたけれども、再リコール事案に関する技術検証、監査方針の見直しに係る課題について、取組みをさらに強化する観点から、再度御検討の上で、必要な方策を消費者計画に盛り込んでいただくよう消費者委員会として要請したいと思います。
国土交通省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪4.消費者安全の確保に関する基本方針について≫

○河上委員長 続きまして、「消費者安全の確保に関する基本方針について」に移ります。消費者庁においでいただきましたが、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。
消費者庁では、消費者安全法第6条に規定する「消費者安全の確保に関する基本的な方針」、平成22年3月に決定されたものですが、改正を予定しており、法律上、この基本方針を策定変更するときは、消費者委員会等の意見を聞かなければならないと定められております。改正の進め方については、2月26日の第113回会合で消費者庁から説明をいただいて意見交換を行いました。本日は、基本方針の改定素案がまとまったということですので、素案について説明をいただいて意見交換を行いたいと思います。
それでは、村山消費者政策課長にお越しいただいておりますので、説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁村山消費者政策課長 よろしくお願いします。
それでは、「消費者安全の確保に関する基本的な方針」の改正案について、御説明いたします。
ただいま、委員長から御紹介いただきました、前回も申し上げましたとおり、今回の改正は、来る4月1日改正消費者安全法が全面的に施行されること、及び現行の基本方針が制定から約3年を経過していることを踏まえ、これまでの消費者行政の進展に伴う時点修正が大きな目的となっています。お配りしております資料4の「消費者安全の確保に関する基本的な方針」の改正案新旧対照表でございますが、こちらは、先週5日から18日までを期限としてパブリックコメントを実施しております。現行の基本方針からの変更点は、この資料中で下線を引いた部分になっておりますので、そこの箇所を中心に御説明させていただきたいと思います。
1ページから2ページにかけて、基本的には時点修正でございまして、平成24年6月に食品安全基本法第21条に規定する基本的事項を改定いたしました。それから、消費者安全法改正に伴う事故調査機関、すなわち消費者安全調査委員会の設置、財産事案における事業者に対する勧告・命令等の措置の新設に伴う記載の追加でございます。また、消費者教育の推進に関する法律の制定に伴う記載の追加でございます。
その他、2ページ目の下、「関係者との緊密な連携」の関係者の例示として、明確化のために消費者団体等を追記するという修正をしております。
3ページから4ページにかけて、主には時点修正で、地方消費者行政活性化期間の終了、及び「地方消費者行政の充実・強化のための指針」を新たに策定いたしましたので、その策定を受けた記載の修正でございます。
5ページは、消費者安全調査委員会の設置に伴いまして現行から変えているところが一つでございます。
情報の集約・分析に関する消費者庁における体制整備を踏まえ、効率化を図りながら体制の整備に努めると追加しております。リスクコミュニケーションへの取組みの実績を踏まえ、今まで情報の発信と書いていたところを、「情報発信及びリスクコミュニケーション」という表現に変えております。
消費者安全法に基づく注意喚起以外の、他の消費者庁所管法令に基づく行政処分等の措置の公表も、情報の発信として意義があるということを考えまして、「悪質な事案への的確な法執行を」という文言を追加しております。
6ページでございますが、先ほどと同様の趣旨でリスクコミュニケーションに関する関連記載を追加しております。
6ページから7ページは、消費者安全調査委員会に関する記載を新規に追加しております。
7ページから8ページにかけて、消費者安全法の改正を踏まえまして、財産事案における事業者に対する勧告・命令ができるようになりましたので、この追加に伴いまして、「ア 重大事故等への対応」「イ 多数消費者財産被害事態への対応」に項目を変更したということでございます。その他、財産事案に関する消費者安全法の改正に伴う所要の技術的な変更を加えております。
9ページは、「5 食品の表示」ということで項を立てています。食品表示一元化法案の作成作業が行われていること、食品表示については、特に食品は消費者が口にするものであるという点で、他の表示行政に比較して消費者安全の確保の観点からの取組みがより強く求められていることを踏まえまして、独自の意義を有することからあえて特に記載しております。なお、それ以外の表示行政一般に関しては第5にて言及しているところでございます。
9ページの「6 その他」は、先ほども申し上げましたが、不断に消費者安全の確保の観点から、見直すべきものは見直すという理念を明記する形に変更いたしました。
第3ですけれども、消費者安全調査委員会における事故原因究明につきまして、関係行政機関にも活用するという趣旨の記載を追加しております。
10ページ、11ページは、表現の適正化が趣旨でございます。第5につきましては、消費者教育の消費者安全確保の観点からの重要性を明確にするために所要の修正を行いました。
簡単ですが、説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見のある方は発言をお願いいたします。
山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 幾つかありますが、5点、指摘させていただきたいと思います。
一つは、製品、役務、設備、食品、薬事の分野について、統一的にリコールのガイドラインといいますか、基本的なルールを策定するという施策を全体に打ち出すことができないのかということです。
2つ目は、数年前から消費者庁において、事故情報の公表基準を整備して公表するということが宿題になっているかと思います。今、どういう検討をなさっているか知りませんが、そういうものをきちっと整備、公表して、迅速にその事故情報を消費者に知らせる努力をするというところの記載がないように思われます。あれば教えていただきたいし、ないなら、やはりそれは重要なことだからつけ加えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
3つ目は、これは細かい指摘ではありますが、2ページで、削ることにされている「これまでの縦割り行政による弊害を打破し」という下線が引いてある部分、これはとても重要な記載であって、消費者庁ができたのだから縦割り行政の弊害がなくなったかというと、決してなくなっていないと思うので、この表現は何らかの形で残したほうがいいのではないかと思います。どうでしょうか。
それから、これはどこに書いてもいいのですが、消費者白書をこれから出すわけですね。どういうふうにしたら事故が未然に防止できるか、あるいは、防止に役立てるようになるのかという、消費者白書の活用といいますか、そういう視点はここに書かないのかというのが4つ目です。
5つ目は、5ページの下辺りに恐らく書かれることになるかと思いますが、消費者委員会で先般、リコール情報あるいは危害情報を、特に販売事業者が迅速に対応して事故防止につなげることが必要ではないかということで建議をしております。先般の長崎でのグループホームの事故などを考えると、リコールの徹底といいますか、危害情報の徹底は極めて重要ですが、特に販売事業者のかかわりというのは重要だと思います。その辺を5ページの下辺りに明記するべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
以上、5点です。

○河上委員長 今回は、意見を言いっ放しでいいのですか。何か応答されますか。

○原事務局長 意見を皆さんに出していただいて、これを消費者庁で精査していただいて、また、委員会の場で御回答いただくということでよろしいでしょうか。

○消費者庁村山消費者政策課長 答えられる範囲でお答えさせていただきます。

○河上委員長 では、とりあえず意見をどんどん出したほうがいいですね。
ほかにはいかがですか。
夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 2ページの、先ほど山口委員長代理がおっしゃいました縦割り行政のところは、この前、これを修正するとおっしゃいました。修正されたのが今回反映されていないということで理解してよろしいわけですね。

○消費者庁村山消費者政策課長 はい。

○夏目委員 わかりました。
それから、4ページの地方消費者行政活性化基金のところは、きょうの委員会の最初の「地方消費者行政について」で、長官の通達、準則の話が出てきましたけれども、やはり気になるところです。期限は準則で明記されましたけれども、金額的には、25年度は数字が出ましたが、26年度以降、どの程度の数字を積み上げていくのかというところが見えないので、なかなか地方は大変かなと思うので、ここの表現の仕方をもう少し変えていただいてもよろしいのではないかと思いました。それは意見です。
「6ページの注意喚起情報の公表に当たって」のところは、ここにもやはり消費者団体を入れてほしいですという意見を既に申し上げてあります。消費者団体につきましては、前の部分では入れていただいているので、ここにもぜひ消費者団体という文言を入れていただきたい。これは入れる方向で修正するのですか。

○消費者庁村山消費者政策課長 今、御意見をいただきましたので、入れる方向で対応したいと思います。

○夏目委員 よろしくお願いいたします。
食品の表示のところは既におっしゃいましたので、私からは以上です。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
私も、細かいことばかりで恐縮ですけれども、例えば5ページの3段落目、「消費者庁は」云々というところがあります。できましたら、消安法に基づく国会報告の記述だけではなく、平成25年から法定化された白書についても、何らかの記載をしたほうがいいのではないかというのが一つございます。
それから、9ページの3段落目ですが、「食品の表示」という部分があります。「食品は、生命・身体を維持し」云々ということで新しく書き込まれているわけですけれども、消費者安全の確保に関する施策に関する基本事項の5で食品表示の項目を特出しするよりも、順番としては、第5の「消費者安全の確保を支える重要事項」で一般的に記述しておくという方向で、特出しをするほうが流れとしてはいいのではないかと思います。
基本的には新しい法制度に対応するための書きかえですので、余り大きな問題はないかと思いますけれども、ほかにお気づきの点がありましたら、いかがですか。よろしいですか。
それでは、今の意見なども参考にしながら、基本方針について、さらに改定素案に反映させるべく検討いただければと思います。その検討結果については、次回の消費者委員会で再度、御報告をいただくということでお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

○消費者庁村山消費者政策課長 はい。

○河上委員長 それでは、お忙しいところを審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪5.その他≫

○河上委員長 議題の「その他」としまして、去る3月2日(土曜日)に米沢で開催いたしました第7回の地方消費者委員会について、事務局から実施報告をお願いいたします。

○原事務局長資料5をごらんください。簡単に御報告いたします。
第7回の地方消費者委員会を米沢で開催しました。3月2日(土曜日)で、山形県立米沢女子短期大学をお借りしています。
プログラムは「食品表示の在り方について~健康食品、表示の一元化等新しい動き」というテーマで開催しております。今回、少し工夫をしまして、基調講演は「消費者委員会の活動と食の安全」を委員長から、山形県における消費者行政の取組みをお聞きした後、「健康食品等について」ということで、ミニ講演会と言うのでしょうか、報告会を、田島委員にお願いいたしました。健康食品についてお話をいただいて、その後、消費者庁の食品表示一元化を担当しておられる伊藤さんにもお越しいただいて、ミニ報告会というのをやりました。
パネルディスカッションはその分ちょっと時間が短くなったのですけれども、パネリストには、先ほど経団連の方がお話になっていましたけれども、事業者ということで、地元でお味噌をつくっておられる花角さんに加わっていただきました。
2ページ、3ページが内容ですけれども、パネリストからは、食品表示というのは、正確に表示してそれをきちんと理解するのは難しいということで、例えばナトリウムと食塩について、どういうふうに考えたらいいのかというお話ですとか、事業者の立場からは、法律が制定されてから施行までには十分な期間を設けてください、というお話がありました。
3ページに入って、フロアからの御意見ですけれども、私もコーディネーターでいて大変気になったのですが、食品表示の一元化について大半の方は御存じでなかったということです。今回初めて聞きましたという方が多かったということです。委員長の総括コメントが最後に書いてありますけれども、食品表示の一元化法案については、詳細は引き続き議論が続くことになるので関心を持っていただきたい、消費者の理解力を高める食育も重要であるというふうにいたしました。
それから、きょうはちょっとつけておりませんけれども、アンケートをやっております。アンケートの結果は非常に好評なのですけれども、この日はものすごい吹雪で、なぜ雪の日にやるのかとか、なぜ米沢でやるのかとか、こういう試みはもっともっと皆さんに知らせていただきたいという御意見が多かったということです。
前日に山形県知事、吉村さんにお会いして、米沢市長の安部さんを委員長は表敬訪問しておられます。
簡単ですが、事務局から報告です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
今回、講演をお願いしたこともございますけれども、田島委員、何かコメントがあればお願いします。

○田島委員 雪の中、53名の方に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。

○河上委員長 大変な吹雪で、参加された方は本当に御苦労されたのではないかと思いますけれども、ふたをあけてみると、非常に熱心な議論をしていただけて、シンポジウムにしてもパネルにしても充実していたと思います。消費者庁の伊藤さんの報告も非常によくまとまっていて、消費者庁と一緒に問題意識を深めたということで、これも大変よかったなというふうに思います。
なぜ米沢かと思われるかも知れませんが、会場となった米沢女子短期大学は今度、四年制の保健栄養大学を併設して、管理栄養士を養成するということがあるようです。食育の観点から大変関心を持っておられたということもあって、今回は、その意味でも、いいチャンスにしていただけたのではないかと思います。
それでは、本日の議題は以上であります。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

≪6.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定等について御説明をお願いいたします。

○原事務局長 遅くまでありがとうございました。
次回は、定例であれば3月26日の火曜日ですけれども、議題の関係等で追加開催をする可能性もありますので、その場合は速やかにホームページ等で案内をさせていただきます。
それから、資料6として、4月からの委員会の傍聴の申込み方法を一部簡略化することにいたしましたので、案内を配付させていただいています。委員会のホームページかファックスでお申込みいただければそれで確定ということで、これまでそれに返信しておりましたけれども、そのことはなしに、お申し込みいただいた時点でこちらに直接お越しいただければというふうに傍聴の方にはお願いしたいと思います。
事務局からは以上です。
これが終わった後、すぐに委員間打合せを開催したいと思いますので、委員の先生方には移動をお願いしたいと思います。

○河上委員長 申込みが殺到してしまって、資料が足りないという話にはならないのですか。大丈夫ですか。

○原事務局長 お申し込みいただくので、資料の数については事前に把握はできます。

○河上委員長 席がなくなる可能性はないですか。

○原事務局長 席は多分大丈夫だと思います。そのときは先着順になるかもしれません。

○河上委員長 わかりました。
それでは、本日はこれにて閉会といたします。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)