消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会 議事録

日時

2013年3月12日(火)16:00~17:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、小幡委員、田島委員、
 夏目委員、細川委員、吉田委員
【参加団体】
 公益社団法人 消費者関連専門家会議  佐分正弘 理事長
長谷川公彦 専務理事
中村哲 理事
 一般社団法人 日本経済団体連合会  阿部泰久 経済基盤本部長
斎藤仁 政治社会本部長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換
○公益社団法人 消費者関連専門家会議  佐分正弘 理事長
長谷川公彦 専務理事
中村哲 理事
○一般社団法人 日本経済団体連合会 阿部泰久 経済基盤本部長
斎藤仁 政治社会本部長
3.開会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1】 消費者関連専門家会議提出資料(PDF形式:175KB)
【資料2】 日本経済団体連合会提出資料(PDF形式:97KB)
【資料3】 消費者委員会の建議・提言等の概要と主な成果(PDF形式:482KB)
【資料4】 消費者団体ほか関係団体との意見交換会出席団体一覧(PDF形式:63KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会委員と消費者団体ほか関係団体等との意見交換会」を開催いたします。

≪2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換≫

○河上委員長 さっそく議事に入りたいと思います。消費者委員会では、今後の運営改善等の参考にするため、消費者団体ほか関係団体等から御意見を伺うとともに、委員との意見交換会を開催しております。既に2回ほどやっておりまして、今回はその3回目になりますけれども、今回は、消費者関連専門家会議(ACAP)から、佐分正弘理事長、長谷川公彦専務理事、中村哲理事、さらに、日本経済団体連合会から、阿部泰久経済基盤本部長、斎藤仁政治社会本部長にお越しいただいております。
 皆様におかれましては、大変お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。まず、皆様から、最近の主な活動状況、消費者問題における最近の関心事項、消費者委員会の活動についての評価と期待をそれぞれお伺いし、その後、委員との間で意見交換をさせていただきたいと思います。
 最初に、ACAPから御説明をお願いしたいと思います。短くて恐縮ですが、説明は10分程度でお願いしたいと思います。

○消費者関連専門家会議佐分理事長 それでは、うちは3名来ていますので、それぞれ分担してお話をさせていただこうと思っております。
 初めに、「当会の現在の活動状況」ということで、私からお話しさせていただきます。
 資料にございますけれども、主要テーマということで、今年度、実施してまいりました。
 1番目は、社会の発展に資する事業ということで行っております。これにつきましては、下にあります具体例のところで一部御紹介をしたいと思っております。
 2番目の会員の資質向上に資する事業につきましては、東京、大阪の月例会、例会等で実施させていただいております。
 団体組織力の強化につきましては、会員拡大を含めながら組織力を高めようということで実施させていただいております。
 具体例ということで、まず1番目でございますけれども、公益事業の拡大、外部の組織・団体との交流、連携の強化を目指して実施してまいりました。特に行政、自治体、団体等への委員の派遣ということでは、例えば文科省主催の「消費者教育推進委員会」や、私自身が参加しています消費者庁主催の「消費者教育推進会議」をはじめ多数の協議会、検討委員会などの委員参加させていただいています。
 講師派遣ということでは、外部組織が主催する「パネルディスカッション」や講演会などがあります。2月には神戸、東京で、文部科学省主催での「消費者教育フェスタ」が開催され、パネリストを派遣しています。
 大学への出前講座につきましては、首都圏で、大東大、明治大、専修大等、近畿地区では、神戸大、帝塚山大学に講師を派遣させていただいており、定着しつつあります。
 消費者フェアにつきましては、各自治体(東京都、高槻市他)主催のフェアにおきまして、講師派遣や啓発展示等を行っています。
 また啓発展示ということでは、全国26か所の消費生活センターに一般消費者向けの常設の啓発展示を展開させていただいております。
 消費者庁との連携で、「定例意見交換」というのがありますが、これは実は昨日もございまして、月例にしようということで如月会という名前をつけ、今後、毎月第2月曜日に定例的にやっていこうということで進めております。
 会員企業の役員と消費者庁幹部との懇談会でございますが、お手元に当会の機関誌があるかと思います。『FORUM』、これの1枚目を開いていただきますと、消費者庁幹部とACAP会員企業役員との懇談会の開催について掲載しています。是非、お時間のあるときにお読みいただければと思います。この懇談会につきましては、継続的に実施していきたいと思っております。本年も6月か7月くらいに実施したいと考えております。
 それから、全相協と共催でのシンポジウムですが、東京、神戸で、集団的消費者被害回復に関するシンポジウムを開催させていただいております。
 当会の例会については、お手元の資料にあるとおりです。
 また、韓国のOCAPとの交流会も行いました。何かと騒がしい時期ではあったのですが、消費者委員会にも御協力いただいて無事実施することができました。御礼申し上げます。
 次は企業の消費者志向経営を推進ということでございます。これにつきましては、現在、苦情対応マネジメント規格「ISO10002」を中心に普及活動をやらせていただいています。認証ではない「自己適合宣言」での普及を推奨しておりますが、現在、82社が導入済み、うち31社がACAP会員となっております。実際に自己適合宣言を希望する企業から、第三者意見書の発行を行って欲しいという意見がかなりあったものですから、そのための事業を当会として開始しています。
 以上、今年度の活動について紹介させていただきました。簡単でございますが、以上でございます。
 引き続きまして、2番につきましては専務理事からお願いいたします。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 バトンタッチしまして、2の「当会の消費者問題における最近の関心事項」につきまして御説明します。
 数点ございますが、私ども、事業ミッションのひとつとして「健全な消費社会の実現」を掲げております。その関連で、特に外部との連携、交流等の中で感じていること、あるいは関心を持っていることを述べます。
 最初に、消費者教育推進法が施行されたことにつきまして、今後の推進体制ですとか、具体的な実行施策がどのようなものになって、どのような展開をされるのかということについて注視していきたいと思っております。私どもACAPにおきましても、これは非常に重要なテーマと考えております。来年度の取組みの最重要項目の一つとして検討プロジェクトを立ち上げ、国全体の動きを見据え、連動しながら、事業者としてどのような支援、協力ができるかということを考えていきたいと思っております。 2番目としまして、現在、法制化が進んでいる「集団的消費者被害回復制度」があります。現在、与党審議の段階にあるということのようですが、本制度の内容は、日本の国情にも配慮していただいているような説明を受けております。ある程度、事業者にも配慮された制度内容となるものと思いますが、ほとんどなじみのない制度でございますので、事業者サイドの警戒心もまだまだ高いものがあります。この制度がどのような形で落ち着くのかということはしっかり見極めたいと思います。
 3番目は、国民生活センターの今後についてです。昨年、消費者庁への一元化の方針が出されまして、かなり検討されましたが、現状のままで様子を見るという方向も出てきているようです。消費者行政、特に地方の消費者行政の強化が重要と言われておりますが、これを進める上で、消費生活センターの相談員の体制、処遇ですとか、あるいはセンター機能の強化などは非常に大事なテーマと思っております。この関連の中で、国民生活センターが担っている機能が今後どのように整理されていくのか、あるいは強化されていくのかということについては関心高いものがあります。
 また、食品表示の一元化、あるいは製品の安全等の取組みも、事業者にとっては非常に関心の高いところでございまして、関係の行政担当者からいろいろな説明をいただいています。これらにつきましても、法制化が近いということもありますので、引き続き留意していきたいと思います。
 これ以外にも多数ありますが、代表的なものとして以上を御報告させていただきました。

○消費者関連専門家会議中村理事 それでは、「消費者委員会の活動への評価と要望」ということでお話をさせていただきます。
 この委員会が設置されましてから3年半が経過しまして、さまざまな建議や提言、意見が提出されておりますけれども、活動や発言は非常に影響力のある委員会であると私どもも認識しております。
 特に1月25日に河上委員長が記者会見されました、「当面の主要課題」というのをホームページでも拝見いたしましたが、食品の表示、詐欺的投資勧誘、情報通信分野の個人情報の在り方等、幅広い分野にわたる提言、意見を準備されており、精力的な活動を展開されていることが見て感じとれている次第です。また、それを受けて、それぞれのテーマごとに下部の組織も準備されていまして、その点については非常に評価できるのではなかろうかと思っております。
 ただ、消費者契約法改正の例に限らず全般的に言えることですが、消費者庁と消費者委員会設置に当たりまして、審議会機能が消費者委員会にあるということを考えますと、検討の際の構成メンバーが重要になるのではなかろうかと思います。最近、話題になっております消費者契約法改正につきましても、消費者契約法に関する調査作業チームというのが立ち上がりまして、2月2日には検討チームによるシンポジウムも開催され、その内容についてもホームページで公になっています。特に消費者契約法の改正は、現在、法務省で審議中の民法改正と並び事業者にも非常に大きな法改正であると認識しております。
 しかしながら、今の段階の消費者契約法の調査作業メンバーを拝見いたしますと、学識経験者が中心ですが、大きな影響力を持つ法律でもあるので、消費者や事業者も積極的に議論に加わっていただきたいと考えます。この法律をこれから推進するに当たって、メンバー構成についても十分配慮をいただければありがたいと思っております。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 時間がちょっとオーバーしていますが、簡単に、4番目の「その他の意見等」ということで、消費者保護関連の国際規格のISO10001、10002、10003について、御依頼も含めてお話ししたいと思います。
 これは、2004年、OECDの消費政策部会で提示された、いわゆるお客様満足のための苦情対応を中心とした国際規格です。これは消費者志向の経営を推進する上で非常に有効なツールであると認識しておりまして、私どもACAPは、原案の作成からかかわりまして、現在、本規格の普及に努めております。
 ただ、悲しいことに、本規格が社会においてそうポピュラーでない部分もありまして、事業者、特に経営層の理解が、十分かと言うと、まだまだそういう状況ではありません。来年度も、当会は普及に向けて一生懸命やる所存ですが、できれば消費者委員会や、消費者庁のご支援を頂戴していきたいと考えます。本規格の価値観を、特に事業者、企業の中に普及させることによって、お客様のことを考えた企業行動をとる企業が増えるということに繋がりますので、是非、活動に御協力いただきたいと思います。
 できれば、この規格を含めて、経営が社会にアピールできるように、例えばかつてありました消費者志向優良企業表彰のように、国の名のもとにそういうことが行われますと、経営者には非常にインパクトがあります。これはややツール的な発想にもなりますが、そういうことも含めて是非御相談させていただきたいと思います。OECDでは、加盟国の一つの責任としてこれを普及しなさいという指示が出ている中で、日本の場合、なかなかそこに踏み込めていないという状況があると思います。当会としての協力は惜しみませんので、よろしくお願いしたいと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、日本経済団体連合会から御説明をお願いします。
 説明は、公平を期しまして、10分程度ということでよろしくお願いいたします。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 経団連で消費者法制を担当しております阿部でございます。
 初めに、河上委員長をはじめ消費者委員会の皆様には、一連の意見交換会の中で、名だたる消費者団体と並びまして私どもをお呼びいただきまして、ありがとうございます。引き続き、友好的な関係にさせていただければと思っております。
 お手元にご用意いただいております資料に基づきまして、今、いろいろ動いている消費者法制につきまして、私どもの関心事項を申し上げたいと思います。その後で斎藤から全体的なことを申し上げさせていただきます。
 最初に、「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案」でございます。私どもは、先週5日の与党の消費者問題調査会の中でも申し上げましたが、このような仕組みをきちんと整備していくことは非常に大事なことだと思っております。消費者委員会、消費者庁が発足して以来の宿題でございますし、3年にわたる審議の中で、それなりに合理的な考え方になってきたのではないかと思っております。この機会に是非成案を得るということで、迅速な消費者被害救済につながる仕組みをつくっていただきたいと思っております。
 ただ、私ども経団連の会員企業はどちらかというと大企業でございまして、それなりに理解も早いし対応も迅速でございますが、傍ら、中小企業団体の中でじわじわと不安が広がっています。今まで、余り中身を存じておられなかった方たちに情報が断片的に伝えられる段階になっておりまして、非常に戸惑いがあるということでございます。そういう意味で一層の慎重な御審議を願いたいと思いますが、現時点で訴訟制度の中身について私どもから申し上げたいことは4点ほどございます。
 一つは、今までの民事訴訟手続とは異質なものを持ち込むことになりますので、慎重にご配意いただきたいということでございます。この仕組みは、本来、少額でありながら多数の被害を生じた場合について迅速に解決する仕組みだと思っておりますが、この少額なるもの、あるいは、多数たることの具体的な線引きを明らかにしていただきたいということでございます。3人ならば多数だとか、500万円でも少額だと言われてしまいますと、抵抗感がございますので、これはおのずと妥当な数字があるかと思います。法律に書き込めとは申しませんが、何らかの形でお知らせ願いたいと思います。
 二つ目は実際上の懸念でございますが、リコール制度とこの仕組みが重なったときに混乱が生ずるのではないかという懸念がございます。リコールにつきましてはさまざまな仕組みがあり、法的な要請に基づくものも、事業者が自主的に行っているものもございます。事業者がリコール等で対処しているときに、被害を待って損害賠償請求をするということになりますと非常に混乱を生ずると思いますので、リコールが行われているときのこの訴訟制度の扱いについては、十分に慎重に御議論願いたいと思います。
 三つ目はそもそも論でございますが、一体どのような訴訟がこの被害対象になるかという、訴訟の対象というものをもう少し明らかにしていただければと思っております。
 四つ目ですが、これも何度も申し上げていることではございますけれども、アメリカのPL訴訟のように、非常に使いづらい、利用者、場合によっては消費者にとっても最終的にはプラスにならない仕組みにつながることを、私どもは非常に恐れています。そういう意味で一番大事なことは、この訴訟を提起でき、手続を遂行できる者をいわゆる適格消費者団体の中からさらに限定をするということです。訴えを提起できる団体を厳格に限定して監督していただきたいということでございます。現在、11ございます適格消費者団体につきましては、それぞれ立派な実績のある方々でございますので、この方々が特定になることについては異存はございませんが、一部には、全国47都道府県に一つずつ置くべきだというご意見もあると伺っております。訴訟を起こすために団体をつくるというのは全く本末転倒な話でございまして、ここは、特定適格消費者団体にするということについて厳格にお考えいただきたいということでございます。以上が中身についてのお話です。
 それから、中小企業団体等で不安が広がっていると先ほど申しましたが、しっかりとした広報と、仮に法律が成立した場合、施行までの間に十分な猶予期間を置いていただきたいということをお願いしたいと思います。現在、与党審査中ということで、恐らく今国会に法案が提出されるところまで来るかなと思っておりますが、私どもはせっかくここまでいろいろな形で議論してきたものでございますので、特に中小企業者を中心とする事業者に対する不安を拭っていただければと思っております。これが1点目のお願いでございます。
 2点目は、消費者の財産被害に係る行政手法についてでございます。これは、検討状況等をときどきお聞きしているわけですが、まさに悪質な事業者に対する対応としてこれが一番大事なものではないかと思っておりますので、これにつきましても、迅速な検討の上で成案を示していただきたいと思っています。ただ、既存のばらばらな行政手法、措置等があり、そこで何が足りないのか、それをどのような形で補足していくのかということについて、もう少しわかりやすくお示しいただければと思っております。具体的にどれこれとは申しませんけれども、今ある仕組みで何が足りないのか、新しい仕組みでどういうことができるのかということを、もう少しわかりやすく御説明願えればと思っております。
 3点目ですが、消費者契約法の見直しにつきましては、先ほど、ACAPの中村理事がおっしゃったことと同じ考え方でございますが、つけ加えて申し上げさせていただきますと、現在、法制審議会の民法部会で債権法の大改正の議論が行われております。間もなく中間試案が示されると存じておりますが、そこで、いわゆる消費者契約法的な規律を民法の中に入れるかどうかという議論が続くと思っています。消費者契約法は民法の特別法として、十分に議論を重ねてきたかと思いますが、仮に民法(債権法)の中にこのような規律を入れる場合の両者の関係というか、整理は、十分にしていただきたいと思っております。
 ちなみに、私どもは、民法という基本法にこのような規律を持ち込むことには反対でございます。むしろ必要に応じて消費者契約法を充実させていきながら、迅速に対応するほうが望ましいのではないかと思っておりますが、その辺りもお考えいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 昨年、私から3点申し上げさせていただきました。一つは、できるだけ国民にとって身近な問題を消費者委員会が取り上げることが大事であるということです。東日本大震災後の放射線等の対応、風評被害の対応等について、委員会がより積極的に意見発信してはどうかということを申し上げました。その後、いろいろな建議を見ていますと、さまざまな国民目線でとらえた提言が出されるようになりました。
 不幸と言えば、2年間の任期切れが、ちょうど震災が終わって、半年という重要な時期と重なりましたが、委員の交代でなかなか活動の引き継ぎがうまくいかなかったところがありました。しかし、最近の活動を見ていると、リコールの事件が起きると、行政も一緒に対応するようにとか、我々事業者にとっても非常にありがたい提言も多数出されており、感謝しております。
 2つ目は、監視機能、審議会機能についてです。これは言い尽くされた話で、むしろ監視機能については、消費者庁だけを監視するのではなく、消費者行政を多岐にわたる省庁が担っているわけですから、さまざまな省庁の消費者部門に対してどんどん監視してはどうかということを申し上げました。きょうの資料3で配られているように、建議先が、内閣府特命大臣のみならず、特に最近は、国交省、厚労省、経産省、総務省、さまざまなところにわたっています。そこは、この委員会として、消費者庁とは違う役割分担を出しているのではないでしょうか。
 片や審議会機能については、前々から申し上げていますように、もともとの建て付けが消費者庁の審議会をこちらに独立したという関係もあり、予算、人員、さまざまな面で足りてないという制約がございました。最近の部会運営の資料作成等も消費者庁と連携してなさっているということでございますので、そこは非常に改善されてきているのではないかと思っております。
 最後に、早いもので第2次体制発足以来、もう任期1年半近くたって、この9月でまた、せっかくの先生方が任期を迎えます。その際は、是非、本委員会のみならず下部の専門調査会や部会でも継承性を考えた委員構成にしていただきたいと思います。そうでないと、初めに申し上げたように、9、10、11月ぐらいが本当に活動が止まってしまうわけです。そこは皆様方はよく御承知のことと思いますので、早めに後任を人選して引き継ぐか、あるいは、継続性を持った形で権限をどういう形にするかといった具体的な方策を、委員長をはじめ皆様方にお考えいただければと存じます。消費者問題というのは、時間が経てば起こらなくなるというものではございません。その辺の対応をよろしくお願いしたいと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 御説明、ありがとうございました。
 消費者教育について、御意見などを伺えればと思っておりますけれども、ACAPさんからも御指摘があったとおり、ことしは、地域において消費者教育の推進体制をどう構築していくかという、初めての年になるかと思っております。行政だけではとても足りないわけで、地域の消費者団体、企業の皆様、あるいはACAPさんのような専門家団体のチームワークが重要だと思っております。
 先ほど、プロジェクトチームを立ち上げて、ことしの重要課題として取組みを開始されたという御説明がありました。時間の制約もあって詳しくお話しいただけなかったところもあると思いますので、よろしければ、具体的な取組み、こうあったらいいな、あるいは、行政がこうしてくれたらもっといいのにとか、その辺の御意見等を伺えればと思います。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 まだ詳細について詰め切ったということではございません。来年度、プロジェクトを立ち上げ進めていく予定の段階です。過日、理事長と、今日も傍聴に来ておりますが、担当の谷一啓発委員長と事務局長も含めまして、協議をしております。
 今月、文科省主催で「消費者教育フェスタ」が行われましたが、その中でもいろいろな組織、団体が、それぞれの得意技とか資源をうまく活用して、特に教育を受ける方にとって効果的な、意義のあるものにしなければいけないということが確認されたと思います。そういう蓋然的なコンセプトはあります。
 私ども事業者としては、これまで啓発的な意味でいろいろな活動はしてきていますが、そういう活動実績ですとか、手法ですとか、あるいは啓発のいろいろな資料、情報を、今後の消費者教育あるいは学校における消費者教育を考えたときに、どうすればそれを活用いただけるのかを考えていく必要があります。いわゆる教育にふさわしい内容として活用いただけるのか、その辺りをしっかり論議していきたい。御指摘のありましたとおり、そのためには事業者だけで考えても、到底無理な話でございまして、むしろ事業者は側面支援という体制を整えつつ、学校関係者、行政の方、地方の自治体の方との、プラットフォームといいますか、その地域地域の事情に合わせた内容を考え対応していく必要があると思います。そういう観点での働きかけなりワークをしていきたいと思います。
 もう一つは、例えば成功事例といいますか、こういうことでやると負担もそれほどでなく、効果も上がるというような実際の活動事例があれば、それを横展開することによって、効果も上がるのではないかと思います。その辺の連携戦略ですとか、あるいは、組み合わせによってどういう効果があらわれるのか、その辺りをプロジェクトの中でしっかり詰めていきたいと考えます。理事長が消費者庁の教育推進会議のメンバーになっていますので、その会議の進め方と軌を一にしながら、そこに我々の持っているものをどのように組み合わせるかを考えていくことが、非常に大事なことではないかととらえています。

○吉田委員 ありがとうございました。チームの有力なメンバーだというふうに私もすごく期待をしているところです。今までの実績も踏まえて、いかにチームワークをしっかりやっていくかというところが極めて重要かと思います。もう一方で、企業のCSR活動ともうまく絡めたらいいのではないかとも思っています。もしかしたら経団連さんのほうでもそのようなお考えがあるかもわかりませんが、もし何かあれば伺いたいと思います。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 実は、消費者団体、事業者団体、NGO、労働団体、政府、学識経験者のマルチステークホルダーによる「社会的責任に関する円卓会議」という会議が4年前にできました。私ども経団連は、消費者団体と一緒に消費者教育を中心とする人材育成のWGの幹事を務めています。実は、文科省、消費者庁、環境省などにより、環境教育や市民教育など、いろいろな名のもとに教育が行われています。しかし、ふたをあけてみると、目指すところはみんな同じではないかと思います。たまたま3年前から文科省が行う消費者教育フェスタという行事の一環として、円卓会議の参加メンバーのマルチステークホルダーとして関わってまいりました。今年は神戸と東京、その前は岐阜と東京で、具体的に出前授業ですとか、各消費者団体、事業者団体、さまざまな企業が持っている実際の教材等を展示したり、教師の皆さん、生徒の皆さんと一緒になって考えていくプロジェクトを行っており、非常にうまく回っているのではないかと思います。
 ただ、残念なのは、消費者教育推進会議というのは消費者庁が事務局で、文科省は確かオブザーバーです。その前の消費者教育推進会議では、文科省もたしか副座長で政務官が入っていらっしゃったのですが、消費者庁の中の会議になってしまうと、ほかの環境省とか文科省というのは、我々はつながっているけれども、なかなか直接の関与がありません。
 もう一つ、申し上げたかったのは、来年、2014年の秋に名古屋と岡山でユネスコの「ESDの10年」の国際会議が開催されます。ESDというのは、ヨハネスブルグサミットで小泉総理が、“education for sustainable development”が大事だという日本の提案によってできたもので、ドイツで中間会議をやり、いよいよ最終年は日本で会合をやる。その目的は、まさに消費者教育でもあり環境教育でもあるということで、これもマルチステークホルダーで全部やらなければいけないと思っています。
 そういったことについても、消費者委員会の高い立場で、それぞれの省庁が行っている教育について、横串を出させていただくような取組みが重要だという建議等を出していただきますと、役所も動きやすいのではないかと思っております。よろしくお願いします。

○吉田委員 まさに御指摘のとおりで、民も官も統合的にやっていく必要性があると思いますので、私どもも考えていきたいと思います。ありがとうございます。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 どうもありがとうございました。こういう機会ですから、3つほど、御意見があれば伺いたいと思います。
 一つは、リコールの問題について、先般、消費者委員会として建議をしたわけですが、リコール製品が、効果的に消費者から回収あるいは修繕がされるような徹底方法をどうしたらいいのかというときに、この建議の中で一つ問題になりましたのが、販売店の勧誘の在り方なのです。御存じのとおり、現在の消費生活用製品安全法では、いわゆる量販店を含む販売店が、リコールあるいは危険情報については、輸入業者、メーカーがやることについて協力することの規定があるけれども、自ら危害情報を消費者に徹底するという法理的な義務づけはなされていないのです。
 この辺は、経産省でこれから建議を踏まえて、あるいは、先日の長崎のグループホームの火災事件を踏まえて、検討されると思います。メーカーよりもむしろ量販店、その他、もちろん、政令などで一部零細業者は除外するということであっていいと思いますが、特定の分野については、量販店の義務を法律的に明示してきちんとしたほうがいいのではないかという議論があるかと思います。その点について、御議論があればお聞かせいただければと思います。
 2つ目は、今、高齢者に対する詐欺的投資勧誘や、インターネットを使った消費者トラブルが激増している。国センなどの情報を見ますと、ネット取引が一番多いです。このネット取引について、消費者トラブルを抑止するためにどうしたらいいのかという点で非常に難しいわけです。消費者委員会で議論をしていますと、サクラサイトのように、最初から悪いことをやろうとして、すき間を狙ってと言いますか、ヒットエンドランで悪いことをやってサッと逃げるという手合いと、ネットを使って新規事業を展開しようという中で、ついついオーバートークをしてしまってトラブルになったという両方があるわけです。変な規制をすると、真面目にこれから新規事業を展開しようというところがやりにくくなる。これでは困るだろう。他方、ヒットエンドランで悪いことをやってパッと逃げようと。これが緩いところでやりたい放題やられても、やはり消費者にとって困るというところで、どういうふうにしたらいいのかということで、今、検討にあたって非常に苦しんでいるところですが、この点についても何か御意見があれば伺いたい。
 もう一つ、これは規制改革会議でも注目されているところですが、ビッグデータの活用です。ポイントカード等、いわゆるターゲティング広告等で効果的なマーケティングをするために、消費行動データを集約して効果的に商業展開していくということが、今、注目されております。それはそれで結構なことだと思いますが、これとプライバシーの問題、あるいは、個人情報保護の問題との関係をどういうふうに考えたらいいのか。集積されたデータと、それが、どこの誰という個人識別とが峻別されれば構わないけれども、限りなく峻別は難しいという話を聞きますので、大丈夫なのかという点も検討しているところですが、何か御意見があればお聞かせいただければと思います。

○河上委員長 では、経団連からお願いします。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 では、順番にお答えいたします。
 まず、リコールにつきましては、実効性を高めるためにどうしても顧客情報を持っている方の協力は不可欠かと思います。そういう意味では、大型量販店のように対応が可能なところについては義務づけを進めることを検討してもいいと思いますが、いろいろ聞いてみますと、個人情報保護法の関係もありまして、例えば保証期間を超えると自らデータを廃棄してしまうということです。これは何とかならないかなと思っております。昔であれば、顧客データというのは販売店にとって宝でございますので、一度つかんだものは離さず握っていたわけですが、最近は法的な制約もあって必要以上に持たない。保証期間を過ぎたら廃棄してしまっている。私はどうかなと思いますけれども、実際にそのようなことがなされているようでございます。そういう意味では、後ほどまた御議論があるかと思いますが、個人情報保護法の考え方の無理なところは直していかなければいけないと思っております。
 話は戻りますが、リコールを効率的に進めるためには、少なくともわかっている範囲で量販店に協力を求める、義務づけることは不可欠ではないかと思っております。
 それから、ネット商法、これは非常に難しい問題であります。御指摘のとおり、詐欺的なものと新たなビジネスを始めるときの行き過ぎというのが、なかなか峻別がつかないわけですが、少なくとも最初から詐欺的な意図を持ってやっているものについては厳重に取り締まる。場合によっては、プロバイダに責任をもっと厳しく課すこともあっていいと思います。やり方は法的には非常に難しいかと思っておりますが、最初から悪意を持ってネット取引に参入してくるような人たちについては、厳重に排除し、故意、過失にかかわらず結果的にサポートしてしまうプロバイダについても、責任の一端を負わすべきではないかと思っております。
 3番目は、難しい話でございまして、これも個人情報保護法にかかわるものでございますが、一つの解決策になると思いますのは、今国会で番号制度に係る法律がやっとまとまり、建議されております。これはすぐには民間利用ができないことになっておりますけれども、民間利用を考えるときに、一つの有効かつ社会的な要請が高い分野として、こういうものとビッグデータを組み合わせ、民間がしかるべき範囲で責任を持った管理ができるようになれば、少しは前進するのではないかと思っております。
 ただ、最終的に法律で解決できる問題かどうかというのは、私はよくわかりません。ビッグデータを集積して、それをどのような分野で活用するかということについては、日々の技術革新と制度の追いかけっこみたいなところがありますので、将来を見据えた上での対応を御検討いただければと思っております。
 余り答えになっておりませんが、以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございます。
 ACAPのほうから何かございますか。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 リコールですけれども、私ども、業種がたくさんありますので、やはり製品の性格、性質ですとか、そういうものによって有効な手法というのは変わるのではないかと思います。基本的にはリコールは周知と回収ですから、周知をいかに徹底するか、回収がいかに徹底できるかに尽きると思います。
 特に後者は、例えば食品というのは、かなり広範にいろいろなところで早く消化されてしまいますので、100%の回収というのはとてもできません。しかしながら、例えば自動車ですとか、家電とか、かなり長い間使うものについては、先ほどの話ではありませんが、トレーサビリティという点では、今の段階よりも二段、三段の工夫をすれば、対象の製品がどこにあるかを把握することは技術的に可能になるのではないかとも考えられます。長期のトレーサビリテイが必要な製品と、それをやっても期待される効果が上がらない製品等を区分しながら、必要なものについては、例えばそういう措置をメーカーに義務づけるとか、行政の力でしっかりトレースできる仕掛けをつくるとか進めることによりかなりキャッチできる状況が期待できるのではと思われます。
 加えて、社会への周知を徹底する。この場合は、メーカーの努力だけではなく、生命の危険等のある場合は、公共放送、政府広報も活用して、危険情報についてはあまねく知らしめる行動が必要ではないかと思います。その取り組みの中で、各組織、団体が協力して事故の未然防止のために取り組んでいくことが大事ではないかと思います。予想される事故内容、製品の特徴をセグメントして、効果的な手法なり仕掛けを考えるというのは、特にリコールにおいては必要なのではないかと思います。

○河上委員長 今のテーマでなくても結構ですけれども、どうぞ。

○細川委員 きょうはどうもありがとうございました。
 先ほど、経団連の阿部さんから、最近の立法の動きの中で御意見がありまして、その中で印象的だったのは、中小企業の影響や理解が進むような形でやってほしいというお話がありました。経団連というのは、お話にあったように大手企業が中心でありながら、中小企業の気持ちを慮るというのは非常に重要なことで、それは日本人の美徳だと思うのです。自分たちの利益だけではなく、ほかの者のことも考えるというのは美徳なんですけれども、一方で、私は今、大学教員をしていまして、その前に国民生活センターにいましたけれども、国民生活センターで問題が起きて何かやろうとすると、「中小企業をつぶす気持か」という声が霞が関から聞こえてきたことが何回もあります。
 中小企業だからといって慮ることが本当にいいことなのかという思いがあって、もちろん、いろいろな意味で大企業には太刀打ちできないわけですから、その辺は何らかの政策が必要だとは思います。ですが、スタンダードを変えてしまって、中小企業がやっている分野は危ないんだ、規制は緩やかなんだということを放置したら、かえっていつまでたっても信用されなくて、いつまでたってもビジネスチャンスをつかむことができないというふうになってしまうのではないか、ということを前から強く感じていました。
 この前、経産省の方に来ていただいて売電価格についてのお話を聞いたときに、経産省の方がおもしろいことを言われていて、どういう意味なのかちょっとよくわかりませんが、売電は太陽光発電ですが、本当は太陽熱利用の温水器とかそちらのほうが効率がいいと。ですが、太陽熱温水器というのは悪徳業者に市場を荒らされてしまって、消費者から信用が得られない市場になったので、経産省は注目していない、そのような趣旨の話をされていました。ちょっと私が意味を取り違えているのかもしれませんけれども、かえってそういうふうにすることによって中小企業のチャンスを逃してしまう。
 例えば住宅リフォーム、これは非常に問題があると私どもは思っていますけれども、国交省はかたくなに中小企業の建設業者の登録制とかそういうものを拒んでいます。それは彼らにとって重荷だからということですけれども、それが本当にいいのだろうか。スタンダードが大手企業と中小企業で違っていていいのだろうか、そんな思いがしています。本当に悪いことをする人は徹底的に市場から撤退させ、真っ当に職人としていい仕事をしている人たちが自分たちのビジネスチャンスを得られるようにする、そういう仕組みをつくらないと、なかなか日本の経済の再生もないのではないかと思っているものですから、発言させていただきました。もし何か御意見があれば。

○日本経済団体連合会阿部経済基盤本部長 御指摘のとおり、あらゆる分野で中小企業のことに触れるとすぐにいろいろな議論があるのですが、2つあると思います。
 1点目は、中小企業は、きちんと説明し納得していただければ、何もダブルスタンダードのような形で過保護に扱う必要は全くない存在だと思っています。彼らも事業者でございますので、それは当たり前のことかと思っております。
 2点目は、今回の消費者保護関係の立法につきましては、彼らは余りにも知らなすぎるのです。新聞記事をたまに見るのが関の山です。私どもでございましたら、組織を通じてさまざまな情報を会員企業にも伝達するわけですが、中小企業団体がそういうことを地域地域でやっておられるかというと、ほとんどそういうことはないのではないかと思っております。そこは改善の余地があるかなと思います。商工会をはじめとして組織がしっかりとした団体は全国あまねくありますので、そこと、消費者委員会・消費者庁、あるいは国全体で連携を取っていけば、簡単に言うと、上から下に流す情報はちゃんと彼らは受け取ってくれるわけです。そういう意味では、まだ上から流していないというか、行政の側から積極的に情報を流そうとしていないのではないかと思います。

○河上委員長 どうぞ。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 ISO26000の規格策定作業にエキスパートとして参画した経験から申し上げますと、ISO26000は、中小企業、途上国、そういうところに普及しなければ意味がないのではないかということで始まりました。初めは、中小企業向けの別の規格をつくろうかという動きもあったのですが、規模や環境を問わず、すべての組織に共通の指針をつくるということで始まりました。
 ただし、中小組織のユーザーに向けたインセンティブやメリットを書くコラムを一つつくりまして、大企業は、人的、フィナンシャル、さまざまなリソースを持っているけれども、中小企業というのは逆にオーナーがしっかりしていれば、むしろ身動きが早い、やろうと思えば組織全体に浸透することができる強みがあります。この点を踏まえて、規格で何をすべきかというのを考えれば、例えばコンプライアンスのセクション、CSRのセクションをわざわざ部を設けなくても、オーナー次第だということが強調されました。顔が見える存在はかえっていいのではないかということで、むしろそれを中心に広めようという規格にしております。
 ただ、そうは言っても、例えば田島先生の御専門の食品表示の話で、余りにも技術的、細かいルールを決めますと、本当にそれが守れるのか、どこまで書き込むかとか、そこはやはり、消費者が必要としている情報を何でもかんでもではなく、ちゃんと守れるという、その辺のことも含めて考えるのも、本来の意味での安全確保では大事ではないかということはあろうかと思います。

○河上委員長 制度として強制するかどうかという辺りでも問題はあって、この間のリコールの問題でも、実は中小の小さなお店が掲示を出したりして、自主的に結構やってくださっているらしいのです。そういうふうにしてうまくやってくれるところと、そこまでできなくて、法的義務にしてしまって、場合によってはサンクションがかかわるような制度になってしまったときに、果たしてそれで耐えられるかというような非常に微妙な問題があります。これから、中小の事業者の方にうまく情報が流れて事業者の団体の間で協力関係が構築できるかというのは、我々にとっても非常に興味のある課題と思います。
 ほかにございますか。

○夏目委員 消費者保護関連規格のお話をお伺いしたいと思います。
 先ほど、ISO26000については斎藤さんから詳しいお話がございましたし、円卓会議、マルチステークホルダーで取り組んでいるというお話も承知しております。こういう形のものが、例えば、これから地方でつくられる消費者教育推進会議の地方版のようなところにうまく広がっていくといいなと思います。先ほど、斎藤さんからは、省庁がばらばらでやっているものを、横串を刺すような形で消費者委員会が提言なりそういったものを出すといいのではないかという御示唆があったと思います。ACAPのほうは、消費者委員会として規格の活用の検討を進めてもよいのではないかとここに記載されていますけれども、具体的にはどういうことをお考えでしょうか。斎藤さんからは少しありましたけれども、お考えがあったら聞かせてください。

○消費者関連専門家会議長谷川専務理事 ISOにつきましては、事業者、企業が自分たちの問題としてとらえることが大事でして、どのようにして広く事業者に伝えられるのかということが非常に大切と思います。規格内容は、私たち自身でつくったわけではありませんが、導入した企業の実態、担当者の声を聞きますと、本規格導入により、お客様、消費者のことを考えて行動する企業体質に間違いなく変わっていくと言われています。こういう企業、組織が増えることが、ある意味、消費者委員会の皆様が求めようとしている社会をつくる上で有効なのではないかと思う次第です。
 そのためには、規格そのものを社会の人たちが知るということが大事だと思います。先ほど、中小の方はなかなか情報が遠いということもありましたが、消費者委員会だけではなく、消費者庁ですとか、教育であれば文科省ですとか、国絡みの何か大きな、アドバルーンではないですが、周知のためのイベント企画というか、そういう発想も織り込みながらやると社会のムーブメントとして勢いがつくのではないかと思います。そのような工夫も行政の方々にはお願いしたいと思います。
 実務的な面でのフォローという面では、経団連さんも含めまして、事業者団体として十分できる体制をとっておりますので、社会や事業者の多くがなるほど、あのような価値観、規格が大事なんだなと思えるようなきっかけがつくられれば、社会に対するインパクトとして期待できるのではないかと思います。

○日本経済団体連合会斎藤政治社会本部長 森大臣がこの間、委員会に来られたときの議事録を拝見しまして、事業者と消費者はウィンウィンの関係だということ、これが消費者委員会、消費者庁をつくった基本だという話をなさったのは非常に印象的でした。消費者委員会が、地方でいろいろな関係者との会合を開いていると思いますが、残念ながら、地方の消費者団体の人、消費相談センターの人は呼ばれますけれども、事業者というのは余り呼ばれておりません。先ほどの中小企業の話もそうですが、事業者も、消費者の権利あるいは消費者保護、さらに、事業者と一緒に安全な社会をつくるという観点で、事業者の意見も聞く機会を消費者委員会が持っていただく。あるいは、消費者教育でなくてもいいですが、これから地方消費者行政が大事だということで、地方にいろいろな関連組織がつくられると思いますので、事業者の意見を反映する構成メンバーも考えていただきたい。
 最後に、これはこの委員会に対しての要望ではございませんが、消費者教育推進基本法というのは非常にいい法律ですが、一点だけ不満がございます。事業者団体の責務と書いてあって、消費者団体等の行う消費者教育を金銭的なものを含めて支援すると書いてある。我々は主に金だけ出すことを期待されているのかという点で疑問を感じます。むしろ先ほどACAPの長谷川さんがおっしゃったように、事業者ほど一生懸命いろいろなところで出前授業とかをやっている団体はないので、消費者団体とほかと連携して消費者教育に取り組むというのが正しい姿だと私は思います。金だけ出してそれが期待されているというような建て付けは、何かの機会があったらそこは改正してほしいと思っています。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 時間になってしまって、なかなか議論は尽きないのですけれども、最近、事業者の方とお話ししていると、消費者団体の方とお話しするのと余り変わらなくて、我々が目指しているものは本当に一つなんだなという気がします。事業者対消費者という構図でいろいろ考えてきていた時代はもう終わったので、むしろこれからは、よき消費者社会をつくるためには、事業者も含めたステークホルダーが協力していろいろな活動をしていかないといけない時代になっているということを、きょうもまた痛感いたしました。
 特に消費者教育の問題は象徴的でして、商品とかいろいろなものについての情報は、事業者の方のほうがたくさん持っていらっしゃるわけです。その意味でも、そういうものについて消費者に対して啓発活動をしていく最適任者でもあるわけですから、できましたら事業者団体の方々の協力も得て、消費者啓発、教育活動を推進していけるようにということを、消費者委員会としてもやっていきたいと思います。先ほど、ウィンウィンという言葉が出ましたけれども、消費者にとっても健全な事業者にとってもプラスになる、そういうルールづくりも含めた活動をやっていければと思います。
 きょう、民法改正、消費者契約法見直しの問題についても若干お話がございました。この間の民法改正に関する中間試案では、少なくとも消費者関連の規定はすべて落ちています。ですから、今後は消費者契約法の中で必要なルールをもう一度精査して、消費者契約法を充実させるという方向で問題を考えないといけないと思います。実は、消費者委員会の中にワーキングチームをつくって議論の整理をしております。これをできるだけ早くオープンにと思っています。まずは、理論的にどんな問題があるのかということを専門家の間で洗い出しをする作業をやってきておりまして、この間、その問題点の暫定的な提示をさせていただきました。あと3回ほどなので、この形でやってしまおうかとは思いますけれども、そこから後は、メンバーに外部の方を加え、実務家の方、消費者団体の方からも御意見をいただき、さらに続けて本格的な調査委員会の立ち上げに向けて動きたいと思っております。また、いろいろとお力添えをいただければありがたいと思います。
 ほかにも、今後、事業者団体の方々からのさまざまなお力添えをいただく必要があろうと思いますけれども、本日出された意見だけでも我々の宿題がたくさん見えてまいりました。こうした意見については、今後の委員会の運営の改善に参考にさせていただきたいと存じます。

≪3.閉会≫

○河上委員長 本日は、お忙しいところをありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。
 短い時間で恐縮でしたけれども、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。これで閉会といたします。

(以上)

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