第101回 消費者委員会 議事録

日時

2012年10月2日(火)16:00~18:21

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

 小平内閣府特命担当大臣
【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、夏目委員、細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
経済産業省資源エネルギー庁  片岡電力市場整備課長
電力市場整備課担当者
国土交通省  滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長
杉山運輸審議会審理室調査官
消費者庁  堀井消費者制度課長
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.小平内閣府特命担当大臣御挨拶
3.公共料金について
○説明者: 経済産業省資源エネルギー庁  片岡電力市場整備課長
電力市場整備課担当者
国土交通省  滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長
杉山運輸審議会審理室調査官
4.平成23 年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について
○説明者: 消費者庁  堀井消費者制度課長
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1】 「公共料金問題についての建議」に対する実施状況報告関連資料(経済産業省) 【資料2】 「公共料金問題についての建議」に対する実施状況報告関連資料(国土交通省) 【資料3】 平成23 年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要関連資料(消費者庁提出資料) 【参考資料】 委員間打合せ概要(PDF形式:84KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから、「消費者委員会(第101回)」会合を開催いたします。
本日は、新たに就任されました小平内閣府特命担当大臣にお越しいただいておりますので、開会に当たりまして、大臣より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

≪2.小平内閣府特命担当大臣御挨拶≫

○小平内閣府特命担当大臣 皆さん、こんにちは。このたび、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)を拝命いたしました小平忠正と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、大臣就任に当たりまして、野田内閣総理大臣から、消費者行政に関しては事業者中心の行政を転換し、消費者や地域の現場の視点を大胆に取り込むという消費者庁発足当時の理念を踏まえ、消費者の安全・安心を高める消費者行政を強力に推進すること、との指示をいただいているところであります。
消費者が安心して暮らせる社会の構築は、政府の主要な課題でありまして、その実現に向かって、消費者委員会においても引き続き、消費者庁を含めた関係省庁の消費者行政全般に対して、積極的に建議や提言などを行っていただきたいと思っておりますので、皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上であります。ありがとうございました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
大臣におかれましては、この後、御公務があるということですので、ここで退席されます。また、機会を見てどうぞお越しくださいませ。どうも、お忙しいところをありがとうございました。

(小平大臣退室・河上委員長退室)

○山口委員長代理 本日は、河上委員長も所用によりここで退席されましたので、ここからの議事進行は私の方で務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、配付資料の確認につきまして、事務局よりお願いします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第の下に配付資料一覧を載せております。
資料1といたしまして、「公共料金問題についての建議」に対する実施状況報告関連資料で、経済産業省から御提出いただいた資料です。
資料2は、同様に国土交通省から御提出をいただいた資料になります。
資料3は、後段ですが、「平成23年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要の関連資料」ということで、消費者庁から御提出をいただいた資料です。
最後に参考資料といたしまして、9月25日に委員間打合せを開催しておりまして、そちらの概要を掲載したものをつけております。
以上になります。
不足がございましたら、また途中でお申し出いただければと思います。よろしくお願いします。

≪3.公共料金について≫

○山口委員長代理 消費者委員会では、今年2月に、「公共料金問題についての建議」を経産大臣、国交大臣及び消費者担当大臣に対して出しました。建議事項といたしましては、1番、公共料金全般、2番、鉄道運賃など、3番、電気料金のそれぞれにつきまして、決定過程の透明性及び消費者参画の機会を確保する観点から、各種取組を挙げております。これらの建議事項の対応につきまして、本年8月までにその状況の報告を求めるとさせていただいておりました。
本日は、前半は経済産業省から、後半は国土交通省から、建議を踏まえたその後の実施状況について御報告をいただいて、質疑を行いたいと思います。
なお、消費者庁につきましては、現在、公共料金に関する研究会において最終取りまとめに向けた検討を進めておられまして、建議への実施報告の内容についても反映させることにされておりますので、最終取りまとめの結果を待って、別途、実施状況の報告をいただく予定にしております。
まず、経済産業省から御説明をいただきたいと思います。東京電力の問題で大変お忙しい思いをされたと思いますが、また改めて、その後の状況につきましてもよろしく御説明をお願いいたします。説明は15分程度でお願いできればと思います。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 経済産業省の片岡です。どうぞよろしくお願いします。
まず初めに、東京電力の料金改定におきましては、多大な御協力、御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。おかげさまをもちまして、認可後、9月1日から実施されているところでございます。お手元に資料1-1ということで、「実施状況報告について確認したい事項」という紙がございます。その後ろに1枚紙で、経済産業省の大臣の判こがつきました資料1-2という報告があります。この報告の内容が、大きなA3の1-1の真ん中にありますので、対比させながら、また、確認したい事項につきましても、補足しながら御説明をさせていただければと思います。
最初に、建議事項のマル3であります。電気料金の決定過程の透明性を確保する観点から、有識者会議の議論の結果を踏まえ、必要な情報の提示に努めるということが言われてございます。これも消費者委員会あるいは消費者庁の公共料金の研究会の御意見も賜りながら、今回、料金の認可としましては平成10年以来、料金の値上げの認可としましては昭和55年以来、32年ぶりでございましたので、やり方につきましても相当大きく変えたつもりでございます。
まず一つは、1行目に書いてありますけれども、有識者会議の報告を踏まえ、審査の透明性を拡大するという観点で、電気料金審査専門委員会、これは、経産省の審議会ですが、総合資源エネルギー調査会のもとに設置いたしました。5月11日に認可申請がございまして、直ちに5月15日から第1回を開催いたしております。第1回は、申請事業者、当時の東京電力の社長から説明をしていただくとともに、自治体、消費者団体、中小企業、そうした団体からの意見聴取も公開の場で行ってございます。
この委員会は、内容に応じて経営情報そのものを扱いますことから、非公開にすることもできるという規定に設置上なっておりましたけれども、安念委員長の御判断で、公開でやっていくということで、5月15日から7月5日まで計10回にわたって検討を行いました。この10回はすべて公開で行われております。
第1回で御意見をいただきました消費者団体の方々につきましては、以降、消費者庁の長谷川課長にも来ていただきましたが、オブザーバーという形で毎回、御参加をいただきました。
ここに提出された資料、これは進め方としては、10回ありましたけれども、例えば原価の項目、燃料費、人件費など、項目ごとにそれぞれ審査の基準を経産省の方で示しまして、それに対して東京電力から申請の内容を説明しまして、それを委員の方々で御議論いただいて、審査の基準なりに合致しているかどうか、あるいは、基準として足りないことはないかということを御議論いただきました。
これは最後のタイミングになりましたけれども、個別の原価につきましては、公開の場での議論に加えまして、より原本にさかのぼって中身を見ていくということに委員長の判断でなりまして、6名の委員が2人1組となり、担当分野を決めて中身を見ていった。経産省なり、場合によっては東京電力に直接聞いていただきましたけれども、延べ33回、56時間、文字通り缶詰になって検討していただきまして、その結果、査定方針案という形で、委員会としての査定方針を7月5日にまとめていただいたところでございます。
その過程におきまして、公聴会を実施することになってございまして、これは電気事業法に基づきまして、法律上、意見を聞かなければならないということになってございます。5月14日から23日、官報での募集、経産省資源エネルギー庁のホームページの掲載、消費者庁さんにも御紹介いただきまして、消費者団体、各省庁にお願いしまして、関係する団体に、自治体も含まして300以上の団体に周知を依頼しています。
その結果、資料にございますとおり、東京会場、埼玉会場ということで、陳述人として、東京は10名、埼玉は5名という方々の手が挙がったということでございます。参考人につきましては、これも電気事業法上、意見陳述に加えまして参考人を呼ぶことができるとなってございましたけれども、これまで随時、要望書等をいただきました団体を中心に約80の団体に声かけをしまして、そのうち、東京で10名、埼玉で5名という形で参考人に来ていただいたということでございます。
また、運営方法を見直すべきであるという御意見をいただいておりましたので、議事の進行、特に意見陳述の議事の進行におきましては中立的な第三者に議事進行をやっていただくということで、議長は私がやりましたが、議事進行人は、東京会場は、審査専門委員会の委員長代理であります山口一橋大学教授。埼玉会場は、委員長でございますけれども、安念中央大学教授にやっていただきました。
これまでは一方向といいますか、意見を言いっぱなしであるという御指摘がございましたので、今回、経産省、東京電力もそれぞれその場におりまして、その場で回答できるものは回答をするという形の、制限時間の中で質疑応答もあわせてやるというやり方でしております。
加えまして、この公聴会はインターネットがある前からずっとある規定でございますので、最近の情報の進化で、インターネットを通じた「国民の声」というのを初めて募集しております。当初、公聴会の6月9日までの募集期間でやりましたところ、1,200ほどの意見がありましたけれども、更に6月26日まで延長しまして、合計2,336件の御意見をいただいてございます。
中身としましては、2,300件ほどのうち、人件費に関する意見が約1,200件、法的整理でありますとか、経営責任に関する意見が700件ぐらい。残りは、発送電分離とか、電力指針ガイドに関する意見が300件ほど、そうした意見をいただいております。公聴会の御意見も、こうした御意見もあわせて見解をまとめまして、第10回の審査専門委員会で提示をしてみていただいた上で、最終的に経産省のホームページに載せています。
公聴会の場におきまして、審査専門委員会の委員がもっと意見を聞くべきだという御意見をいただきましたので、審査専門委員会の第8回だったかと思いましたけれども、6月末に消費者団体の方々、10団体弱だったと思いますが、来ていただきまして、審査専門委員会の場で意見をいただいて、そこで中身に反映していくという形にさせていただきました。その後、7月5日の審査専門委員会の査定方針を受けまして、経産省の案として消費者庁に協議を行い、その後、物価関係閣僚会議を経まして、政府案として7月25日に最終的な認可を行ったということでございます。
確認したい事項のところで、今回、「評価されるところである」といただきましたのは、大変ありがたいことですけれども、今後、運用基準を策定する必要はないかと問われております。今回、東電のことで、正直申し上げて、我々も、平成10年以来、やった人間もほとんどいなかったものですから、手さぐりでやったところがあります。
報道等でも御承知かもしれませんけれども、複数の社が一気に出てくるということもあるかもしれませんし、場合によっては、もっとバラバラと五月雨で出てくることもあるかもしれないので、そのやり方につきましては、今回の東電のものがデファクトにはなるとは思います。それを前提に更に改善すべきところは改善したいと思っておりますけれども、あらかじめ決めてしまうのもどうかということで、現時点ではそうしたものをつくっているということはございません。今後、もう少し事業者からの申請の表明などがございまして、準備期間がございますれば、枝野大臣あるいは安念委員長とも相談しながら、見直すべき点は見直したいというふうに考えてございます。
下の方の項目でございますけれども、特に公聴会につきまして、周知や運営方法についてどのような検討を行っているか。これは、正直に申し上げますと、周知期間が短かったのではないかと思っております。繰り返しですけれども、官報では5月14日から5月23日までの募集を行っておりましたけれども、周知も我々としては精一杯やったつもりでありますけれども、十分届かなかったということがあろうかと思います。時間的なタイミングをもう少し長くとるとか、周知の仕方も、お願いの仕方をもう少し個別に電話をするとか、あるのかもしれませんが、どういうやり方があるかというのは、是非、消費者庁なり消費者委員会なり、皆様とも御相談しながら考えたいと思っております。
消費者団体の委員を正規の委員として参加していただくべきではないかということですけれども、これにつきましても、最後、消費者庁との協議の過程におきまして意見という形でいただきまして、その意見に対する回答を4月19日に経産省の方から公表しております。
ここで申し上げておりますのは、一つは、制度改革そのもの、電気料金制度そのもの、こうした検討の場には今でも消費者団体の方々にも入っていただいているということでございます。例えば基本問題委員会、エネルギーミックスなり、エネルギー政策の根本を御議論していただく場ですけれども、例えば阿南長官なども入っていただいたということでございます。
他方、電気料金の審査、これはそもそも設置の趣旨として査定方針をつくるということで、客観的かつ専門的にやっていただきたいという大臣の御意向もありまして、中立的な第三者の方々のみで構成し、その場にオブザーバーとして消費者団体の方々、あるいは説明者として申請事業者である電力会社に来ていただいたところであります。これにつきましても、今後、回答の中で検討内容に応じて適切な消費者の参画の拡大を図ってまいりたいというふうに経産省の方で書いていますので、どのようなやり方があるかということについては、これから検討していきたいということでございます。今の時点で、大臣の関係で決めたり、決まっていることはないので、ここまでしか申し上げることができませんけれども、そういうことでございます。
次のページ、これは委員会の場でも何度か御指摘いただいていますけれども、原価査定を行った上で、その後の事後評価が非常に大事であるということをいただいております。特に東京電力の申請の過程で、規制部門と自由化料金の利益率の差が、原発の停止といった影響がございましたけれども、1対9ということもございまして、こうした事後評価が非常に大事であることは十分に認識しております。その旨も先ほどの4月19日の経産省の回答の中で書いてございます。
具体的にどうするかということにつきましては、有識者会議の報告書の中にも、3つのフェーズに分けておりまして、認可のタイミングでは厳正に見る、これはやったわけでございます。今回、認可する際には、原価の算定という、料金の費用の見積もりの期間を3年間で見積もりなさいと。それは、効率化の効果を先取りする、だんだん費用は下がっていくはずであるということを前提に、そういう形で3年間の原価をつくらせるというふうに制度を変えたわけですけれども、3年の間、原価算定期間内にどうなっているか。
これは、有識者会議で御議論いただいたときの考え方としては、その期間は基本的には事業者が説明をする。そのために、部門別の収支、自由化部門と規制部門の赤字・黒字を毎年、経産省はとっているわけですけれども、これまで規制部門が赤字の場合のみ事業者の名前を公表していたのですが、それを今年から、毎年、赤字でも黒字でも公表するという形にしてございます。仮に算定期間内に、先ほどの1対9でありますとか、自由化部門は非常に赤字だけれども、規制部門は黒字でもうかっているとかというようなことがありましたら、それはおかしいというのが対外的にわかるような形にして、それで説明させるということを基本の方針にしてございました。
算定期間が終わった後、3年たつと、当然、原価もずれている可能性がございます。部門別収支も毎年のことでわかりますので、その結果、出てきた部門別収支をもう少ししっかり見ていく。その際に、最終的にそれで改定がなされない場合には、電気事業法の23条、料金認可申請命令という形で料金を出し直してくださいという命令は出せますが、これまで出した実例はございませんし、法律上、社会的・経済的事情の変動に応じて著しく不適当な場合といった書き方になっていますので、なかなか使いづらいのではないかということを御指摘いただきました。
これにつきましては、今、基準を検討しております。今年、7月末に各電力会社が部門別の収支を出してきています。各電力会社は既に原価算定期間を終わっています。平成20年に料金改定していまして、料金改定したときには、原価算定期間が1年だったものですから、既に原価算定期間は3年、4年ほど経過しているわけでございまして、先ほど申し上げたとおり、算定期間は終わっていますので、その結果を踏まえて命令の発動を考える。その際に一定の基準がないと、恣意的に発動することはできませんし、かつ、皆さん御承知のとおりかもしれませんが、今、各社赤字です。今は原価よりも費用がかかってしまって赤字になっていますが、機械的にそれを合わせようとしますと、単に値上げになる。それはそれでどうかということもありますので、まさに黒字で一定の基準、送電線利用料制度とか、いろいろな制度がございますので、それを見ながら基準をつくろうと思っていますけれども、その基準を超えたらきちんと精査をして、その上で、更に自主的に直さなければ法律の命令を出すといった基準を明確にしたいと思っております。
これは審査の基準になりますので、今、中で検討していますが、検討の結果ができましたら、パブリックコメント等もかけまして対外的に明らかにしたいというふうに考えます。それは年内には終えたいということで、現在、作業をしているところでございます。
他方で、一番下に書いてございますけれども、原価算定期間内であります。基本的には収支を公表させることによって、自主的に説明をさせるのが基本ではないかと申し上げました。これは、有識者会議の場でも根本的な一番の大きな論点として、規制料金における事業者のインセンティブと原価の適切な維持をどうバランスさせるかというのが一番の論点で、各国の規制料金みんな、その意味でブラッシュアップも含めて悩んでいるわけです。
何が言いたいかと申しますと、原価そのものに必ず費用を一致させようとしますと、査定した額を必ず使い切ろうと。仮に効率化効果が出ても、それは使ってしまって、すべて原価と一致させよういうことがあって、それは長期的に見て、果たして需要家のためになっているかという気もしますし、一たん認可の際にきちんと査定で効率化の努力を織り込んだ形で認可しているのであれば、それよりもより効率化が進んで原価が下がった場合には、事業者のメリットもあってしかるべきではないかということで、原価算定期間につきましては、それが努力によるものか、そうではないのかというのは明らかにして説明していただく。よほどおかしければ、原価算定期間終了後と同じように何らかの対応というのは、行政としては逃げるつもりはありませんけれども、基本は、原価算定期間内はそういう形で自主的に説明させるということではないかと思っています。
ただ、東京電力の場合につきましては、それに加えて、これも御議論がございましたように、賠償資金をきちんと返していく。特別負担金という形で利益を国庫に戻していくというのがございます。特別負担金の額につきましては、賠償機構法上、できるだけ多くということになっていますので、これは毎年、機構と東電が議決した上で、主務大臣である経産大臣が財務大臣と協議した上で決まることになっています。それにつきまして、東電の場合は相当厳しく特別負担金という形で効率化の努力もしっかり見ていって、可能な限りたくさん賠償金を戻してもらうことになろうかと思います。そういう意味では東京電力と他の電力は若干、置かれている位置が違うのかもしれないという気もしております。
いずれにしましても、今回、東電の電気料金の値上げの審査につきまして、世の中を含めまして、しっかり厳しくやることに対する要請は非常に肌身で感じましたし、御意見も様々いただきましたので、ほかの電力会社がどうなるか、原子力発電所の再稼動のタイミング等も踏まえまして、どうなるかわかりませんが、もし審査がありました場合には厳正に対応したいと考えております。
以上です。

○山口委員長代理 ありがとうございました。
御報告いただいた内容につきまして、質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。

○小幡委員 今までずっと認可申請はなかったということでしたが、今回、東京電力という大きなものがきましたので、決定過程の透明性確保という見地から、さまざまな情報公開、公聴会をやり、そして、安念委員会の方では審議自身を公開なさったということですので、それ自身については評価できると思います。今回、東京電力が非常に注目されてこのような状態でやれたということではありますが、今後、ほかの電力会社等々が、ある意味では原発絡みはありますが、平時の状況できますし、あるいはガス料金とかそういうところもあり得ないことではないので、公共料金一般の話になってくると思いますけれども、まず、3月の有識者会議報告書は、電力についての一般的な審査基準という理解なのかということをお伺いします。
それから、先ほど御説明があったとは思いますが、今回、東京電力についての電気料金審査専門委員会が設置されました。3月の有識者会議報告書が審査基準になるとすれば、それにのっとる形で電力についてはその都度、審査専門委員会をつくることになるのかと思います。先ほど、安念座長の判断で議事を公開なさったという説明があったかと思いますけれども、できれば常に公開の方がよいと思いますし、そういうことも含めて、ガイドライン等を作っていただいて、審査の委員会構成でありますとか、オブザーバーをどうするかというようなことも入れていたただきたいと思います。消費者団体の代表を委員に据えるということも含めて、それぞれの審査の運用基準の策定ということについて、もう少し御説明いただけますか。
こちらとしては、建議に沿うと、それぞれの料金の審査のところで消費者団体の代表が入る。そして、議事等も公開してというようなことになるかと思いますので、その辺りをお願いします。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 まず、審査の中身の話の基準としましては、3月の有識者会議の報告を踏まえて、審査要領という形で業者の方で取り込んだ形で基準を策定して、これは公表もされております。それをもとに、今回、東電の審査を行っていただきました。当然、審査要領で書き切れていないといいますか、資料としても膨大であります。書き切れていないところは審査要領の考え方を援用して、今回、査定を行っていただいたということでありまして、基本的に東京電力の審査専門委員会の査定方針、7月5日に出していますが、これは他の電力にも適用し得るものというふうに考えております。
枝野大臣も何度も会見でおっしゃっていますけれども、その後、消費者庁との協議を踏まえまして、公的資金を投入される企業であることを踏まえ、更にもう一段ということで人件費の深掘り等を行っておりますけれども、それは、公的資金を投入された企業であることを踏まえたものであります。7月5日段階で出てきた、審査専門委員会につくっていただいた東電の料金に対する査定方針が各社に適用された。更に深堀った部分は、個別の判断があったということだと思います。
個別の他の電力会社から申請があった場合のやり方については、いつどういう形で出てくるかもわからない中で、まさに認可権が大臣にあるものですから、そういう意味では、ある程度それが明らかになってきたタイミングで大臣とも相談して決めていくということかなと思っています。ただ、先ほど申し上げましたとおり、全部公開でやったとかいうことは、実態上もそういう形でやっていますので、それがデファクトのスタンダードになるのではないかと思います。
委員につきましては、繰り返しですけれども、最初に誰をどう選ぶかというのは、審議会の委員ですので、大臣が任命するという形になっています。そういう意味ではまだ具体的には出てきていない段階で、具体的な相談はまだできていないということであります。

○小幡委員 我々の建議は、要するに料金の審査の体制をつくるというところにあると思うので、認可申請が来るかわからないので、来てから大臣に諮って一々決めますということであると、たまたま東電についてはそういうふうにされたということですが、今後についてのしっかりしたスタンスがないということになりますね。アドホックに、時の大臣によって変わるかもしれません。つまり、建議で求めているのは、料金の決定のときに消費者の声をしっかり入れるシステムをつくってほしいということだったと思うのですが、もう少しそこは、やれるということはないのでしょうか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 建議事項としては、必要な情報の提供に務める必要があると書いていただいていまして、それよりブレークダウンしていただいたのが今のお話だと思います。あらかじめある程度決めておくべきではないかということは、十分そのように思いますので、それは検討します。こちらとしましても、今の御意見、建議の内容も踏まえまして、中できちんと議論したいと思います。

○山口委員長代理 確認いたしますが、電気事業法には108条に公聴会の規定はありますが、審議会の規定はありましたか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 電気事業法上はないです。ただ、総合エネルギー調査会は審議会ですので、審議会の運営の要領はあります。ただ、御承知のとおり、審議会全体の運営要領なので、そこまで個別に具体的なことは書いていないものですから、個々の審議会ごとに設置することに決めている。今回の審査専門委員会も第1回の場で、議事の公開でありますとか、審査のやり方について御議論いただいて、今回の委員会ではそういう形で決まってそれで済んだということであります。

○山口委員長代理 そうしますと、電気事業法上は、法律的には必ずしも審議会の答申を得なければならないとなっているわけではないけれども、今回はエネルギー調査会のもとに電気料金審査専門委員会を設置した、こういうことになりますか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 おっしゃるとおりです。

○山口委員長代理 それは今後も、制度の枠組みとして法律上は明示されているわけではないけれども、ほかの電気事業者の申請があった場合には同じ運用になるだろうということですか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 いろいろな見直しの方向といいますか、幾つか今回やってみて、御指摘も踏まえて、見直すべきところはあるのではないかと思いますけれども、基本的にはきちんと審査専門委員会を活用してやっていくということではないかと思います。少なくとも我々はそう思っております。

○小幡委員 確かに建議事項としては、経産省に直接ではないのですけれども、審議会委員の選任状況をしっかり確認して、消費者の権利を十分代弁し得る人材が、実際に委員として登用されているかという視点の確認をせよというのを、消費者庁に対する建議で言っています。結果的に回ってくる話ではあると思いますが、そういうこともあってお伺いしたかったのですが、今後、申請を予想してということでなくても、料金を審査する体制づくりという観点からある程度あらかじめ整えるべきだと思いますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。

○山口委員長代理 今回、消費者団体の代表の方が2人、オブザーバーで参加ということになりましたが、オブザーバーとしての感想をお聞きしたときに、やや物足りなさをお感じになったようです。審査専門委員会の委員として、消費者の声を反映できる方を委員として選任することは考えられないのでしょうか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 前回、東電のときには、消費者庁の研究会でも申し上げましたけれども、中立的、客観的に、審査といいますか、査定方針をつくっていただく。その上で、物価担当官の申合せも踏まえまして、消費者庁には協議をしてございます。消費者庁は消費者委員会の意見を踏まえて対応されたと思います。そういう意味で、どういう形で消費者の意見を踏まえていくかということにつきましては、我々としては一定の、御意見は賜ったと思いますけれども、委員として参加させるべきという意見をいただいていますので、それにつきましては消費者庁も、今後、案件に応じて適切な対応を考えていきたいと回答していますので、検討していきたいと思います。

○細川委員 今のお話は、経産省にしっかりやっていただきたいということもありますけれども、これ自身が今後の課題ではないかと思います。今回、こういうことがあって、かなりやっていただいたという印象を私は持っています。枝野大臣にも実際にお会いいただいて我々の意見も直接伝えることができましたし、消費者目線ということで、こういうふうになったのだと思います。
ただ、それを今後、恒常的に続けるというところはまだシステムができていないということでありますし、また、電力だけではなく、あるいは経産省だけではなく、公共料金全般に、今回のケースがリーディングケースとなって、同じような形で算定基準、あるいは情報公開基準をつくって、公共料金の透明化を図るというところが重要だと思います。消費者委員会として、あるいは消費者庁もそうですけれども、今後、公共料金の部会等をつくって、各省の算定要領を今回行われたもの、少なくともそれ並みにするような仕組みづくりの活動が必要なのではないかと思います。

○山口委員長代理 ほかによろしいですか。

○小幡委員 変更命令の発動の話です。これは、例えば今の仕組みづくりの話と絡みますけれども、料金の審査をするシステムの中にこういうもの組み込んで基準をつくることになりますと、発動すべきかどうかなどということをそこで検討する委員会とか、そういうものをつくるということはお考えになっていないのでしょうか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 それも、命令を発動するに当たって、あるいは発動しないのも含めて、客観性、透明性の拡大をどうするかということだと思います。料金認可と同じでありまして、権能自体は電気事業法の権限は大臣にあるわけですけれども、そのプロセスは法律上は規定されていないということです。そういう意味では、基準などはパブコメなどもかけて客観化しようと思っていますけれども、個別の判断にも第三者の視点を入れるとか、どうすべきかというのは考えたいとは思います。

○小幡委員 仮定の話で申し訳ないのですが、過去、東電のときにだいぶ問題になりましたが、自由化部門と規制部門の利益率が1対9だった。かなり著しいというふうに、社会通念上も解されると思いますが、そういう場合には発動され得るという理解でよろしいですか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 これも、消費者庁への回答(7月19日)で、収益構造のゆがみが著しく、また、構造的なものと認められる場合には改定を促す。応じない場合には、必要に応じ申請命令を発動すべきであると書いていますので、それは何らかの構造的なものかどうかというのは、そこをまさに客観的に見るということだと思います。

○小幡委員 我々はこの建議をした時点では、デフレ時代で、今回のような事故の起きる前から、過去ずっと眠っていた法律の条文であったという感じがしていて、放っておくと誰も気がつかないで、電気事業法23条も有効に使われないでいる。そういう状態はやはりまずいのではないかということを考えていたわけです。たまたまタイミング的にこれからどうなっていくかというのは、電力会社は赤字とか、いろいろおっしゃいましたけれども、公共料金についてのとらえ方として、本来すべきことがされていなかったということがあったと思います。
「著しい」という辺りも、これから基準を作るというところでなかなか難しいのかもしれませんが、もう少し条文自身、「著しい」というのがなければ、よりよいと思いますが、そこは法律改正ということになると思います。ただ、広い範囲の消費者を相手にしているのですから、「著しい」という感じ方も、消費者によってはかなり著しいと思われるかもしれないので、消費者の視点から基準をつくっていただいて、本当に発動できるものとして改めて生かしていただきたいと思っています。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 一点だけ、御指摘させていただくと、平成12年に自由化しまして、認可制から、届出でよいとなったのですけれども、その後、4回ほど値下げの改定を各社が自主的にやっています。ほかの公共料金についてはわかりませんが、競争の進展もあったのかもしれませんし、おっしゃったようにデフレで下がったのかもしれませんし、そもそも設備が古くなって償却費が減っているということもあるかもしれませんが、20年までは順次下がってきているのは確かです。
その中で1対9というのも、あれはまさに説明項でもありましたけれども、柏崎刈羽が止まって、要は赤字傾向で出ている差でもあるので、もうかって差が出ているというよりも、費用がかかってああいう比率になっている面もあります。何らかの利益をためこんで、それがずっと維持されているというわけでも必ずしもないのではないかと思います。
もう一点は、先ほど申しましたように、必ずお金を使い切れといいますか、原価を使い切れというのも、それはそれでどうかというふうにも思いますので、そこのバランスをよくとっていくということだと思います。

○山口委員長代理 先ほどの説明の確認ですが、各社について、今、規制部門と自由化部門の収支の結果が出ているのでしょうか。それはどういう形で、今後、開示されることになるのでしょうか。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 もう開示されています。各社のホームページ等で、自由化部門の利益、規制部門の利益はこうなっていますと。その要因の差異は、両方とも赤字のところが多いのですが、原子力が止まってこうなっていますとかいうことを各社説明しています。今、我々の方で基準も含めて精査中ですので、最終的にはその評価も含めて経産省の方で差異を出しましたけれども、既に結果自体は、8月1日だったと思いますが、公表されています。

○山口委員長代理 そうしますと、今後は毎年、その結果がそういう形で公表されることになるということでよろしいわけですね。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 そういうことです。それで、毎年、判断をします。

○小幡委員 先ほどのつけ加えですけれども、値下がりを少しずつしていたというのは確かだと思いますが、問題は、その値下げが本当に適正であったかということだと思います。今回、有識者会議報告書等で、改めて原価としてどのぐらいのものを電力会社が入れてよいかということを精査して初めて、いろいろわかったこともあるということだと思います。そういうことからすると、電力会社の値下げ幅が本当に適切であったかという話はぬぐえないので、過去のことで言ってもしょうがないのですが、先ほどのことに対しては指摘しておきたいと思います。

○経済産業省資源エネルギー庁片岡電力市場整備課長 法制度の問題もあるわけですから。

○山口委員長代理 よろしいですか。
それでは、経済産業省におかれましては、建議事項につきまして、行政によるチェック能力向上のために、一般電気事業、供給、約款、料金算定規則などの見直しを実施されました。また、東京電力の値上げ申請に対しては、電気料金審査専門委員会を新たに設置して、審議過程や資料をすべて公開して開催されるなど、本当にいろいろ御尽力いただいたことにつきまして感謝申し上げます。
東京電力を除く各電力会社につきましても、今後、値上げの予定もあるということですが、事後評価を実施することも含めて、また、年明けを目途に、今回の委員会での議論などを踏まえつつ、その後の検討状況についても併せて御報告をお願いすることになるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
きょうはお忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。
引き続きまして、国土交通省から御説明をいただいて、質疑を行いたいと思います。
国土交通省におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客運送業務監理室長、杉山運輸審議会審理室調査官からの御説明、よろしくお願いいたします。できましたら、御説明は30分程度でお願いできればと思います。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 国土交通省鉄道局旅客輸送業務監理室の滝沢でございます。本日はよろしくお願いいたします。こういうフォローアップという形で説明の場を設けていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
早速、本日は資料をいただいておりますので、資料の2-1に基づきまして、建議の御報告といろいろな説明事項につきまして、御説明を申し上げたいと思います。
お手元に、参考資料といたしまして、ガイドラインの一部改正をいたしました写しでございます。加算運賃につきましては、情報提供の充実をするということで、各鉄軌道事業者に通達を出してございますので、その写しを添付させていただいております。また、加算運賃につきましては、各社の公表ベースでございますが、ホームページ等に記載してございます公表の数字につきまして集計をしたものでございます。
それでは、早速、御説明をさせていただきたいと思います。
まず、鉄道運賃にかかります情報提供ガイドラインの見直しについてでございます。2月末に建議をいただきました内容でございます。鉄軌道業の情報提供ガイドラインにつきましては、運賃改定時を主に意識したものであり、改定後でありますとか、認可の審査時の事前の情報の提供を念頭に置いていないという御指摘でございました。この御指摘を踏まえまして私どもは、運賃における透明性の向上、利用者の監視のもとにおきます効率化の促進を一層図る必要があると感じておりまして、情報の提供の時期につきましては、認可時だけではなく、申請時及び平年度3年間の収入原価をとってございます実施後につきまして、3区分への見直しを行い、先般、8月、各地方運輸局を通じまして、各鉄軌道事業者に周知徹底をした次第でございます。
2つ目の加算運賃でございますが、加算運賃の回収状況でありますとか、長期間、加算運賃を継続する必要性について、説明責任を十分果たしていないのではないか、また、加算運賃を継続する必要性が乏しくなった路線について、そういった回収状況等の確認を踏まえて、見直しを指導することという御指摘でございました。現在、加算運賃につきましては、14社20路線が対象になってございます。
まず、加算の回収状況でございますが、参考資料にもございますように、集計をいたしましたところ、最大で資本費の回収が約65%程度ということで、直ちに制度の趣旨を逸脱するような水準にはまだ至っていていというところでございます。
また、継続をする必要性などにつきまして、説明責任を十分に果たしていないという御指摘でございましたので、今般、さらなる情報提供の充実を図りますよう、文書にて同様に各地方運輸局を通じまして関係の鉄軌道事業者に周知徹底を行いました。
次に、見直しの基準策定等につきましては、各社の事情等のほか、近年の社会経済情勢でありますとか、いろいろ考慮する必要もございます。また、加算運賃につきましては、受益と負担という関係では運賃の根幹にかかる問題でもございますので、引き続き事業者と十分議論を重ねた上で、何らかの方向性を導きたいと考えております。
簡単ではございますが、鉄道局からは、情報提供ガイドラインと加算運賃について、御報告を申し上げます。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 続きまして、建議事項のウとエにつきまして、運輸審議会に対して御指摘をちょうだいしております。本件につきまして、私、運輸審議会の事務局でございます運輸審議会審理室の調査官をしております杉山でございます。私より御報告をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、建議事項のウでございます。運輸審議会における情報の提供の拡大についての検討という御指摘をいただいております。事実関係といたしまして、昨年6月、運輸審議会におきましても、国交省内あるいは委員の中から、もう少し積極的な情報の開示に努めるべきではないかという御指摘もありました。運輸審議会としても検討いたしまして、従前、議事に関しましては、基本的にすべて情報公開法による開示請求があった段階で対応するということで、こちら側からの情報提供は基本的に最後の答申だけ出すという形になっておりましたのを、審議の際の議事概要をホームページ上で公表するということを昨年6月以降実施をしております。
これにつきましては、こちらの委員会でも御認識されているかと思いますが、それだけでは、規制当局、国土交通省のそれぞれの局から、一体どういう説明があったのかがわからないという御指摘をちょうだいしております。確かに御指摘のとおり、公表しております議事概要、説明の後、委員と役所でどういうやり取りをしたかということの概要を載せております。したがいまして、もともとどういう説明をしたのかということがわからないという御指摘はごもっともであるということで、見直しを行いまして、審議会での配付資料、基本的には規制当局が運輸審議会に対して説明をする資料などでございます。あとは答申の原案ですとか、こういった審議会で配付された資料につきましては、基本的に議事要旨とともにホームページで公表をすることといたしました。
ただし、運輸審議会は、運賃認可等で個別の事業者の経営情報を扱いますので、資料中、仮に情報公開請求があった場合であっても、開示できないような行政機関の保有する情報の公開に関する法律に規定する不開示情報、この部分は除外する。恐らくその部分だけ黒でマスキングする等の措置をとることになると思います。基本的には開示請求があった場合に出すようなものは、最初からホームページに議事要旨とともに公表するということにしております。これは、9月以降の案件から適用することとしております。9月は審議案件が出てきておりませんので、まだ出てきているものはございませんが、今月1件、港湾関係の案件がございますので、それが最初になるかと思います。
また、公聴会あるいは参考人の意見聴取を行った事案につきましては、答申の際に公聴会、あるいは参考人意見聴取で提起された意見をどのように取り扱ったかということにつきまして、ホームページで公表することとしています。これは昨年6月、議事概要の公表と同時に決めております。ただ、昨年6月以降、公聴会、参考人意見聴取を行った事案がございませんので、まだこれも具体の事例はない状態でございます。
説明聴取事案につきましても、御指摘をいただいております。かつて軽微認定事案と呼ばれていたものでございます。これにつきましては、規制当局から説明を聴取した上で過去の同種事案の取扱いなども勘案いたしまして、審議会で個別に判断をした上で、認定することにしております。
結果的には、これまで説明聴取事案としたものにつきましては、地方の小規模な事業者の上限運賃の設定・変更など、社会的な影響が比較的小さいと考えられるもの、あるいは既存新幹線の延伸にかかる特急料金の設定であって、既存区間の考え方がそのまま引き延ばされていて、実質的な審査事項が余りないようなものを、国土交通省設置法第15条第3項で、そのような案件については、審議会への諮問・答申を経ることなく処分ができるとされておりますので、この条項に該当するという判断をしているところでございます。
ただ、これにつきましても、今まで結論しか世の中に出しておりませんでしたので、一言、「軽微と認定した」ということだけが発表されておりまして、何が何だかわからないという御指摘を受けておりました。これにつきましては、同様に昨年6月以降、規制当局からの説明を聞いたとき、更に次なり、次の次の回で15条3項の認定を行った際、どういうやり取りがあったかということを議事概要で公表しております。この中で最終的に説明聴取事案として認定するという判断をする際、どういう理由で判断をしたかということを議事概要の中で記載、公表しているところでございます。
続きまして、エにつきまして、運輸審議会の委員の選任についての御指摘でございます。
従来より、国民目線に立った利用者保護と安全で安定的な事業運営の確保の必要性、これを十分に踏まえた上で、適切かつ合理的な審議・決定をするよう努めてきているところでございます。
委員の人選につきましては、現在の消費者基本計画で当該審議会の性格などに応じて、生活者・消費者を代表する委員の選任に努めることが努力義務でございますが、規定されております。こういったことも勘案しつつ、公正・中立な審議を行う必要から、均衡がとれた委員構成となるように留意して、幅広い経験、高い識見を有する方を選んでいるところでございます。今後とも引き続き、国民目線での審議が可能な委員の選任に十分留意してまいりたいと考えているところでございます。
また、公聴会につきまして、従来より、一般消費者の生活に大きな影響を与える事案、首都圏の大手民鉄、大手バス会社などでございます。このような事案につきましては、運輸審議会一般規則に定める「利害関係人」からの請求があるか否かを問わず、運輸審議会の判断によりまして職権で公聴会の開催を決定しているところでございます。公聴会を行う際には、公募によりまして一般利用者等を公述人として選定しているところでございます。
なお、御指摘いただいております運輸審議会一般規則に定める「利害関係人」でございますが、行政処分にかかる当事者、競争関係にある者等、当該事案に関して特に重大な利害関係を有する者。その意味では利害関係がある人間の中でも、かなり重大な利害関係を有する者につきまして、その者からの請求があった場合には必ず公聴会を開催しなければならないという、強い法的な効力を認める趣旨でございます。したがって、広く意見を聞くという趣旨とは若干違うものと考えております。
いずれにいたしましても、利害関係人からの請求の有無とは別に、利用者の利益を考慮した上で職権による公聴会を従来から開催してきているところでございます。今後とも引き続き個別事案の審議に際しましては、この事案について公聴会を開催して、広く一般の意見を聞く必要があるか否かということについて、十分留意しながら事案の審議に当たってまいりたいと考えている次第でございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山口委員長代理 ありがとうございました。
杉山調査官に前提でお聞きしたいのですが、運輸審議会の議事内容というのは、例えば先ほどの経産省の方の審議経過は、要旨ではなく、中身まですべて開示されていると思いますが、要旨告知ではなく、そういう形に変えることはできないのでしょうか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 現在の考え方としましては、経営上の情報を含むということもございますので、全面的な議事録の開示は、情報開示請求がございました場合には対応いたしますが、最初から公表するということについては現在のところはまだ考えおりません。ただ、議事要旨で、どういう議論がなされたのかということのポイントですとか、かなりの部分は外に対してわかっていただけるのではないかと考えております。

○山口委員長代理 そうしますと、開示請求があった場合には基本的には議事内容すべて開示されることになりますか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 現在つくっている議事録がどういうものかと申しますと、説明部分については書いておりません。その後のやり取りについて、一問一答のような形でつくっている議事録はございます。これにつきましては、開示請求がありましたら開示する。当然、企業の経営上の競争関係を損なうような情報など、そういう部分については黒塗りさせていただいた上で開示をしております。

○山口委員長代理 先ほどの経産省の話の中で、エネルギー調査会の下に電気料金の専門調査会をつくって、具体的な内容についてオープンの場で議論されているわけですが、運輸審議会においても、そういう個別の審査に当たって、より具体的に審査する下部組織を置くとかいう議論はこれまではなかったのでしょうか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 結論としては、これまで特にそういう議論はございません。経済産業省の電気料金の場合、もともと審議会が規定されておりませんので、そのための審議をする専門的な組織なり、有識者を入れて議論をしようとした場合、どこかにつくらざるを得ないということで、エネルギー調査会のもとに部会をつくったということだと思います。運輸審議会の場合、鉄道であれば鉄道事業法ですとか、個別法に、運輸審議会にかけなければいけないということが最初から法定されております。そのための舞台としては最初から運輸審議会というものが存在しておりますので、経産省のケースとはちょっと違うのかなと思います。

○山口委員長代理 それでは、御質問、御意見があれば、御発言をお願いします。

○小幡委員 鉄道事業法と航空法と道路運送法、いずれも運輸審議会に諮るというふうに法律上、必要的になっていて、しかも、料金もそうですが、基本的な方針の策定、事業停止命令、許可取消等についても諮るということになっているわけですね。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 はい。守備範囲は広うございます。

○小幡委員 鉄道と道路と航空と含むということでも広いのに、更に、料金認可だけでなく基本的な方針の策定までここが行う。そういう位置づけになっているので、大変広範な権限を持っているわけです。そうすると、実際に料金の認可についてこの料金でよいかという諮問をされたときに、委員さん6名いらっしゃって、何も専門部会とかをつくられていない。その6名ですべてについて諮問に答えられる、という理解でよろしいのでしょうか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 お答えいたします。2つあるかと思います。一点目として、先ほど若干説明が不十分だったかもしれませんが、部会等が今まで検討されたことがないかということで、安全に関する基本方針、モードごとのいわゆる運輸安全マネジメントに関する役所側の監査の際の基本方針、この審議につきましては、業規制とは毛色の違う安全規制についての審議になりますので、専門委員を別途発令いたしまして、運輸安全確保部会というものをつくって、そこで審議をしております。したがいまして、運輸審議会本体で扱っておりますのは、いわゆる経済的規制に係るような運賃料金の規制でございますとか、業務停止命令等でございますが、基本的に業務停止命令は実際かかる事案がございませんので、実態的には運賃関係の審議が大部分を占めている状況でございます。
いろいろモードが鉄道なり航空なり自動車なりとある中で、どこまで専門的な審議ができるのかという御質問でございますが、そもそも運輸審議会に、どのような役目をどこまでを求めるかということかと考えております。基本的には、現在の運輸審議会の考え方、国土交通省の考え方としては、個別の各事業法に定める認可基準に従った申請内容になっているかどうか。例えば原価をきちっと計算してそれに照らし合わせるということについては、各担当部局がそれはきちんと見る。その上で運輸審議会というところは、専門的なことを各局がやったことをチェックし直すというよりは、広い国民各層を代表する6名の委員が、国民目線、生活者・消費者目線で見ておかしくないかということをチェックする機関であると考えておりますので、特に個別具体の専門的なことをそこでやるという位置づけではないと理解しております。
万一、個別に特定の事案について、各所管局の具体的な事実認定に何か疑義があるなど、より専門的に審議をする必要が仮に生じた場合には、必要な有識者から参考人として意見聴取することは可能でございますので、そういったことで対応していくことになるかと思います。

○細川委員 認可基準は各局が持っているということですが、そうすると、鉄道なら鉄道で、鉄道局で認可基準、例えば今回で言えば加算運賃の議論がありましたけれども、加算運賃の認可基準を持っていて、それで出してきているという理解でよろしいのですか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 基準自体は各局がそれぞれの法律に基づいて、また、法律に大もとの認可基準がございます。それを受けた具体的な細かい内容は各局でつくっております。当然、その内容の説明を聞いて、その基準自体が国民から見て問題ではないかという指摘をすることは、場合によってはあり得ると思います。ただ、基準そのものを運輸審議会がつくるというわけではございません。それはそれぞれの局がつくって、それについて運輸審議会として、基本的には妥当だという前提で、それにのっとって個別の事案がどうかということを審議することになります。

○細川委員 では、建議の項目ごとにお伺いしたいと思います。資料の右側に確認したい事項が書いてありますので、それプラス、若干確認したいことをお聞きしたいと思います。
まず、アについてですけれども、これは、ガイドラインを改正していただいたということで、どうもありがとうございました。かなりこちらの意図をおくみ取りいただいたのかなと思います。ただ、ここで気になるのは、運賃改定にかかわる情報提供と書いてありますけれども、新線の運賃の場合にはどういうふうに考えるのか、それがまず1点です。
イについては、加算運賃を継続する必要について、情報提供を各事業者に依頼したことは評価できるところでありますけれども、では、どういう情報提供をすべきかということを国交省は期待しているのでしょうか。現在は資本費とか回収した額が簡単に出ているだけです。資本費の内訳はどういうものなのか。あるいは、その他の利息だとか、線路使用料といっても全くよくわからない。この中身がどうで、毎年どういうふうに推移しているのかとか、そのようなものを消費者が知りたいといった場合、それに事業者は答えるような情報提供がなされることを想定されているのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
同じイで、加算運賃のところです。当該路線の加算運賃の状況は、簡単ですが、毎年、事業者が更新して公表していることは承知していますけれども、国土交通省として数字の正確性はどのように確認しているのでしょうか。先ほど、ネット上の数値を出したというようなお話がありましたけれども、その程度しか把握していないのでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。国交省として、事業者の情報を、更に情報提供を消費者向けにしているのかということをお聞きしたいと思います。
あと、加算運賃の見直しに関する明確な基準はないということですけれども、基準を策定する必要はないのでしょうか。また、今まで国交省は国会答弁等で、加算運賃についてはおおむね10年、50%回収できたところで廃止又は減額する、理論的にそういうことを目指しているというお話でしたけれども、今回の御回答では100%が理論的だという形で、ちょっと話が変わってきています。私は、10年50%ということで、ほぼ回収が終わるという形での条件のもとに加算額を決めているというふうに理解していましたので、それがもし違うのであれば御説明をいただきたいと思います。
ウの国交省の審議会マターで、今、軽微事案などについての御説明もいただきましたけれども、例えば京浜急行の空港線ができたとき、あれはたしか軽微事案で済ませています。日本の表玄関のたくさん利用するところの運賃なのに、なぜこれが軽微事案になったのかというのを教えていただきたいと思います。
エですけれども、重大な利害関係を有する者のみを認めるというお話ですけれども、まさに利用者こそが運賃の認可については利害関係人ではないか、そのために公共料金制度があるのではないかと思います。もちろん、一回でも切符を買った人は重大な利害関係人だということはないと思いますけれども、日常的に定期券を買ったり、通学している人、あるいは、たくさん労働者を抱えていて通勤定期代を払っている事業者は、明らかに重大な利害関係人であると思いますけれども、どうもそれを排除しているような感じがします。
その例として、東京モノレールが、もう10年ぐらい前、定期運賃を49%ぐらい値上げしたことがあります。ところが、これは利害関係人からの申出がなかったということで公聴会が開催されておりません。事業者であっても、競争事業者ではなく、いわゆる利用者としての事業者、定期券の代金を支払う消費者としての事業者であるものだから、これは利害関係人として見なしていなかったということです。申出権もないし公聴会も開かなかった、そういう事実もあります。これも私はおかしいと思いますので、公聴会を開かなかった理由をもしおわかりでしたら、教えていただきたいと思います。

○山口委員長代理 お願いします。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 たくさんいただいたので、順番にお答えいたします。まず、ガイドラインの件でございますが、新規路線の運賃設定のときの情報提供についてはどうなのかという御指摘ですが、これにつきましては、お手元のガイドラインの中に目的の記載がございまして、そこには、運賃改定以外についても同様に、事業者が創意工夫のもとに情報提供をするというふうになってございます。過去、運賃改定がいろいろ議論になった経緯もあり、ガイドラインは運賃改定を代表例に記載してございますが、新線につきましても同様に情報提供をしていただく、我々もそういうふうに考えてございます。
2点目でございますけれども、加算運賃につきまして、国土交通省として、鉄道事業者が加算運賃について具体的にどのような情報提供することを期待しているのか、という御指摘だと思いますが、新線の場合には、経営状況が長期間にわたり非常に苦しい、厳しいというのが現状でございまして、その原因は、新線の建設費、巨額な資本費でございます。経営が軌道に乗るまでの資本費の回収について加算運賃で手当てをしているわけでございますので、資本回収の目的が達成される段階になりましたときには、当然でございますが、事業者の経営判断といたしまして、残りの資本費等につきまして、例えばネットワーク全体で負担するのがいいのか悪いのかということを含めて、総合的に廃止、見直しの検討をしていただく。もう一つは、やはりタイミングというのがございますから、運賃改定か、あるいは、それ以外の何かの機会をとらえて、順次、解消していただくということだと認識をしてございます。

○細川委員 50%・10年という形で、今まで、国交省は言われてきたと思いますが。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 国会答弁の中におきましても、10年・50%を経過した時点で、順次、減額すべきものと認識というふうな趣旨の答弁をしておりまして、そのとおりでございます。10年・50%ということでございますが、これは特に基準というものではなくて、過去の加算運賃を設定する際の長い歴史の中で、例えば運輸審議会に、10円、20円上げるときの説明でありますとか、考え方につきまして、慣習的にということがいいのかどうかわかりませんが、理解していただくために用いてきたものでございます。
ですから、例えばA社がそういった考え方を使うと、次のB社も参考にして、当然、説明をしてございますから、過去に多数の前例がありました。ただ、設定のときの一つの説明として、10年・50%という説明をしている路線につきましては、そういった条件が満たされる段階になったときには、当然、見直しをしていただくのが筋だと思っております。
そういうことでございますが、御承知のとおり、バブルが崩壊した以後、鉄道事業者につきましては、少子高齢化、今の景気の低迷等を含め、輸送需要が横ばい、あるいは将来的には減少が見込まれている中で結構厳しい経営状況になってございます。そういったものもあり、加算路線の経営状況は、当初見込んでいたような輸送需要が期待できないというのが現状でございまして、現在も、大半の加算路線につきましては非常に厳しい状況であるということでございます。
我々としましても、引き続きそういった状況を踏まえつつ、適宜、見直し等につきましては、指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○細川委員 そういう情報の正確性みたいなものは確認しているのですか。あと、国交省としては加算運賃についてどういう情報提供をされているのでしょうか。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 国土交通省として、路線の経営状況をどういう形で確認しているのかという御指摘でございますが、当然でございますが、各鉄道事業者は、毎年度、決算時期には決算資料等を公表してございます。その決算資料でありますとか、必要に応じて加算路線の事業者からヒアリング等を行いまして、必要な説明については受けてございますし、その一定の合理性等につきましては、確認をさせていただいている次第でございます。
それから、見直しの明確な基準がないということで、基準を制定する必要があるのではないかという御指摘だと思いますが、これも御指摘のとおりでございます。先ほど御説明を申し上げましたが、加算の趣旨は、未来永劫いつまでも設定をしていいということではないわけでございます。たまたま、という言い方は僣越ではございますが、いろいろな事情で運賃改定がなされていない状況ですので、見直しの機会を失っているということも実態でございます。加算が長期化していることを踏まえますと、一旦この辺りで、廃止・見直し等につきましての一定程度の基準は要るのではないかということは我々も感じてございます。
ただし、設定時、それぞれ違う条件のもとに、経営状態も違いますし、路線特性、例えば空港線でありますとか、観光路線でありますとか、通勤通学の郊外型路線でありますとか、いろいろ性格がございます。そういったことも踏まえないといけませんし、基準を設けるといったときに、一定の減収という痛みを伴うわけでございます。そういったときに、痛みを伴うときの見直しのタイミングでありますとか、もう一つは、各社、ネットワークが密になって、1社だけの運賃改定では済まなくなっておりますので、どうしても他社を巻き込まないといけない状況にございます。そうしますと、広く調整も一緒に必要になってくるわけでございます。
そういったことを踏まえて、冒頭で申し上げましたが、公共料金につきましては、消費者基本計画、消費者庁の建議事項への対応などを踏まえつつ、じっくり事業者と議論をさせていただいて、何らかの方法をこれからいろいろ検討していきたいというふうに認識をしてございます。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 運輸審議会の関係でございます。まず、昔の軽微認定事案の関係で、京急の空港線の加算運賃について、なぜ当時の軽微認定でされているかということでございます。今、資料を持ち合わせているわけではございませんが、軽微認定については数年前に、細川先生も御存じかと思いますが、新聞報道が出まして、問題ではないかというような御指摘もありました。その際に、その記事にも出ておりましたように、従来、加算運賃については運輸審議会は軽微認定でやってきていたと。確かに報道のとおり、従前、加算運賃については軽微事案で処理されてきております。したがって、恐らく京急につきましても、過去の事例の並びと前例踏襲ということで、軽微認定で処理がされたのだろうというふうに推定されます。
そこにつきましては、昔は何年かおきに大規模な運賃改定というものがある中で、特定の区間の特定の加算だけであれば、通常の案件と同じように扱う必要もなかろうという判断で軽微な事案という扱いをしてきたのであろうと思われますが、昨今、運賃改定が滅多に行われないという状況下にあっても、その加算運賃が軽微と言えるかどうかというところはまた議論のあるところかと思います。最終的には過去の事例を例にはしますが、その意味では、今まで軽微認定、説明聴取でやっているから、次にもし出てきたときに自動的にそうなるということにはならないのではなかろうか、というふうには考えております。いずれにせよ、そこは一律の基準をつくってどうこうというよりは、その都度きちんと規制部局より説明を聞いて、問題ないかどうかということをきちっと判断していく中で、説明聴取でいいのか、諮問・答申が必要となるのかということを、審議会として個別に判断をしていくことになろうと考えております。
利害関係人につきましては、繰り返しになりますが、ここで言う運輸審議会一般規則の利害関係人でないからといって、その人たちのことを全く考慮しない、あるいは、審議に際して無視するということでは決してございません。職権での公聴会開催等もやっておりますし、実際の委員と各担当部局とのやり取りの中では、消費者なり生活者の立場から見て、これはどうなのかという審議をやっているところでございますので、ここで言う利害関係人でないということをもって、利用者の方に配慮しないとか、利用者のことを考えないというわけではございません。場合によっては、職権による公聴会を開催しております。
御指摘のございました東京モノレールの事案でございますが、これも、詳細な資料があるわけではないので確たる御回答ができないのですが、まず、ここの御回答にも書かせていただいておりますが、職権による公聴会をやるかどうかの基準としては、大きく2つあるかと思います。社会的影響が大きい事案かどうか。あるいは、強い反対意見が想定される事案かどうか。一般論で申し上げますと、東京モノレールについては、空港のところの1路線しかないということで、社会的に与える影響が小さいとは言いませんが、大手民鉄などに比べると影響度が若干小さいという判断がされているのかと。恐らく、これまでの東京モノレールの申請事案について公聴会をやった例を調べて、特に今までやっていないのでという判断かと思います。
御指摘のありました通勤定期が値上げされたということですと、考えなければいけないのは、それ自体が妥当かどうかという判断と公聴会をやるかどうかという判断は、必ずしもリンクはしない。2段階になるのではないか。例えば、反対意見が出てきそうなもの、既に出てきている、地元で大規模な反対運動が起こっているとか、どこかから反対の意見書が来ているというような場合には、恐らく職権での公聴会が開催される可能性が高いのではなかろうかと思います。
恐らく東京モノレールの事案については、特にそういう社会的な動きもなかったのだろうと推測されますし、最終的にはそれで問題ないという答申を出して認可されておりますので、うろ覚えですが、割引率を大幅に下げたのだと思います。下げた後の割引率を他社と比較しても、同じ水準だったのをガンと割引率を下げたわけではなく、もともと高かったのを他社と同程度の水準まで下げた、ということではなかろうかと思います。ですから、値上率としては40何%というかなり大きな率にはなりますが、それ自体が不当なものではない。あるいは、鉄道事業法に規定する差別的な運賃設定ではないという判断を担当局の方でして、審議会としても確かにそういうことだろうということで、その判断を是としたということかと思います。ちょっと確定的な記録がないので、何とも申し上げられませんが。

○細川委員 今、重大な利害関係人に、利用者を必ずしも排除するものではないというお話がありましたね。利用者も職権で重大な利害関係人と認めることもあると。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 「利害関係人」と認めるのではなくて、職権で開催するときの判断基準としては、反対意見があるようなもの、あるいは社会的影響の大きいものかどうかということですし、利用者にとってこれがどうかということは、当然、審議に際して考慮される事項になります。そういうことでございます。

○細川委員 重大な利害関係を有する者に利用者は入ることはあるのですか、ないのですか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 現在は「ない」という解釈です。

○山口委員長代理 利害関係人の規定は、運輸審議会一般規則という昭和27年につくられた運輸省令に定められています。その5条にあるのですが、これを見ますと、競争関係にある事業者とか、値上げ申請をした直接の関係者、原則としてそれに限られているようです。あとは、「各号に掲げる者のほか、運輸審議会が当該事案に関し、特に重大な利害関係を有すると認める者」となっているわけですが、これはそろそろ見直すということにならないですか。
今、例えば自治体が一定の資金を提供して、路線の本数とか、敷設に協力するということがあります。そうすると、地元自治体というのも利害関係人に入れてもおかしくなさそうな気もしますし、今、細川委員が言ったように、定期券を買っている方とか、そういう方々を入れるかどうか見直すという動きはないのですか。あるいはそのようなお考えはないですか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 そういう方たちが問題があると主張しているというようなことが、何らかの形で既に把握できている場合には、職権による公聴会開催になる可能性が高いと思われます。制度論として、その他審議会として認める者に入れるかどうかという論点とは違う論点なのかもしれないです。

○細川委員 その場合は、職権により、初めにクレームを言ってきた人たちが重大な利害関係人であると認めるから、公聴会を開催するのではないですか。必ずしも申し出た人の権利として与えているのではないけれども、この人たちの主張は重大な利害関係の主張かどうかというものを職権で判断している、そういうことではないのですか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 その意味では実態のところではほとんど違いがないのかもしれませんが、概念上、運輸審議会が行う公聴会は、利害関係人からの請求があって行うものと、審議会が職権で行うものの2種類でございます。どちらに区別をするかというと、職権で行う公聴会に区別されることになります。地元で反対意見が出ているとか、これが問題ではないかということがどこかから指摘をされていることを踏まえて、職権で審議会が公聴会を開催するということで、形式的、法文の整理としては違うわけです。実態的にはそういうことも考慮をした上でやるという意味では、余り変わらないのではないかと言われればそうかもしれませんが、形式的には、一般規則の最後の包括条項を使っての、「利害関係人」からの請求に基づく公聴会ではないという位置づけになります。

○小幡委員 なぜそんなにこだわられるのかわかりませんが、利害関係人という言葉はそういうつもりで書いていないからということで、多分こだわっていらっしゃるわけですね。我々の建議の趣旨は、消費者、利用者が公聴会を求めたら、それを認めるべきではないかということを申し上げたいわけです。そうすると、この規則を「利害関係人・利用者」というふうにすることについては、どのようにお考えですか。つまり、利害関係人という言葉に非常にこだわっていらっしゃって、ここにはどうしても入れられないということを強くおっしゃっているわけですね。それを職権でやるからよいでしょうという御発言なのですが、私どもの建議は、職権でやるからよいというのではなくて、それを利用者が求めることを認めるべきではないかと申し上げているわけです。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 現在の審議会の諸規定上、利用者が求めることができるという制度にはなっていない。御指摘のように、利害関係者又は利用者としたとしても、今、制度上あるのは、請求があった場合には絶対に開かなければいけないという強い立場の方しか規定されておりませんので、利用者はその強い立場にはならない。

○小幡委員 そういうふうに強い立場になるように変えていただけないか、ということを申し上げているわけです。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 例えば、一人でも出てきた場合に、絶対に公聴会を開催しなければいけないのかという論点になっていきますので、仮にそういう声があった場合には、それを踏まえて、最終的には審議会の判断として、開催するか、しないかを決定するということにしておく必要があるというのが現在の考え方です。

○小幡委員 利用者というのは不特定多数ですけれども、日常的に交通機関を利用する消費者という例示を我々は建議では挙げているわけです。基本的には公聴会をやることはとても大事なことなので、日常的に使う利用者が公聴会を開いてくださいと言ってきたときに、果たして否定する必要はあるのでしょうか。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 別に否定しているわけではないのですが。

○小幡委員 そうであれば、それほど問題のある話ではないですね。規則の「利害関係人の解釈」というふうに、我々の建議でやや狭く言いすぎたのかもしれないですが。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 利害関係人かどうかはともかく、利用者から何らかの申出なり、何らかの意思表示があった場合、それを踏まえて審議会として適切に対応せよということであれば、それは全くそのとおりであると思っております。絶対かどうかというところです、ポイントは。当然、そういったものも踏まえた上で対応させていただくというのは、従来からそうしてきているところでございます。

○細川委員 それは、運輸審議会での小さい範囲での利害関係人というだけではなく、基本的な哲学というか、国交省の政策とか立場というのは誰のためにあるのか、というところにかかってくると思うのです。そこで排除すること自体が、国民、消費者目線での政策を進めようという意思が薄弱なのではないか、そういうあらわれであるかなというふうに思います。本当に国民、消費者の目線でやるということであれば、いろいろな工夫もあると思います。利用者というものを定義するとか、一回でも切符を買ったことのある人を利用者と言えと我々は言っているのではなく、その辺は基準をつくって、家計の中で恒常的に交通費を払っている者とか。
あるいは、個人が誰でも言ったら公聴会を開かなければならなかったら大変なことになるというのであれば、例えば適格消費者団体というのがあるわけだから、適格消費者団体からそういう申出があったときは公聴会を開催することができるようにするとか、初めから、違う、違うと言うのではなく、そこをもう少し工夫しましょう、ぐらいのマインドはないのかなというふうにちょっと私は思っています。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 そういう意味では、今、おっしゃっているようなことを否定しているつもりは全くなくて、それをあらかじめきちっと定型的に、この人たちだということを規定するのと、その都度個別の状況を見て柔軟に判断していくのと、どちらの方がいいかというところで、かちっと決めきってこの範囲です、この範囲ではない人は言ってきてもだめですということではなくて、そこは個別に適切に判断をしていきたい。今後もそこはきちんと判断をしてやっていきたいということで、公聴会をやりたくないと言っているわけではないので、そこは誤解していただきたくないのですが。

○小幡委員 一点よろしいですか。公聴会は、そもそも運輸審議会にかかる案件について開催される話で、実際には、軽微事案で、それも私は問題だと思いますが、結構軽微事案とされて運輸審議会にはかからない状況です。運輸審議会にかかるものであれば公聴会というのは、むしろ原則的にやればよいぐらいの話ではないでしょう。先ほど細川委員がおっしゃったように、例えば何十人という単位で求めてくれば開く、など細則で定めるとか、いくらでもやり方はあると思いますが、むしろ原則は開けばよいわけですので、そこをそれほどこだわって、ここには利用者は含めないと言う必要性はないと思います。
それから、加算運賃というのはそれぞれについて認可されますか。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 個別でございます。

○小幡委員 そうであれば、審査基準をつくっておかないと行手法違反にならないか、と思って、先ほどから伺っていたのですが、加算運賃についても申請に対する処分ですね。そうであれば、先ほど、運用でそれぞれの業者の状況を見てとおっしゃいましたけれども、予測可能性の観点もございますので、審査基準をまずはつくっておくというのが行手法の精神なので、むしろ基準をつくらないということはあり得ないと思うのですが。

○細川委員 杉山さんは先ほど、原局で基準はつくっているとおっしゃいましたね。

○国土交通省杉山運輸審議会審理室調査官 一般的な意味の基準です。加算運賃について個別の基準があるかどうかというところではなく、個別の認可基準は各事業法に定まっていまして、その具体的な中身というのは各局であると、そういう意味です。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 鉄道運賃でございますが、御承知のとおり、鉄道事業法の16条に適正な原価・利潤を総収入が超えない範囲という審査基準がございますから、その中で我々は審査をさせていただいているということでございます。また、算定要領というものがあって、運賃改定を前提につくっているわけでございますが、算定要領に準じて、加算運賃につきましては算定させていただいている。そういうふうに事業者が申請した中身について、審査させていただいているということでございます。

○小幡委員 審査基準は、できる限り具体的なものにせよということは行政手続法にも書いてあるわけなので、今の加算運賃の10年で50%とか、そういうふうにかつて答弁したものがあるのであれば、普通はそういうのが基準になるはずですね。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 先ほど申し上げましたように、10年・50%という基準はございません。過去の経緯の中で、例えば10円、20円をどういう考え方で設定をしましたかというときの説明の考え方として、よく使われているということでございます。一つの目安として使っておりますから、当初考えていたとおりのような実態になっているのであれば、当然、見直すべきだろうということでございます。それがたまたま、鉄道の収支、特に新線につきましては、非常に厳しい経営状況でありまして、50%の資本費回収にも満たないところが大半であるという実態でございます。

○小幡委員 いずれにしても、何か基準はつくるべきであっで、その基準というのはまさに目安なのです。絶対にそれに一歩でも離れたらだめという意味の基準ではないので、そういう意味でまさに目安を審査基準にすべきであると思います。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 運賃を10円、20円どうやって設定するかということに尽きると思います。細川先生は御承知だと思いますが、鉄道の新線というのは非常に巨額な投資でございまして、短期で収支が成り立つような事業ではございません。当然、30年、40年かかります。そういった中で、開業当初に加算運賃をどう設定するかといったら、まさにマイナス改定でございます。原価を償うということであれば、千円以上の加算運賃を設定しないと、多分それは収支償いません。
そういった中で、資本費負担を軽減してあげないと非常に路線的な経営が成り立たない。競合他社、競合路線もありますし、鉄道事業者は地域的には独占性が高うございますが、全国200社近い鉄道事業者がありますから、そういった中の横並びの運賃水準の在り方等を、事業者が、申請の際にそういったものを含めて総合的に判断し持ってこられるわけでございます。

○小幡委員 そういうものをできれば基準にすべきではないかという趣旨です。今、おっしゃったようにいろいろあるわけですからね。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 ですから、それは16条の基準に基づいて我々は審査させていただいているということでございます。

○小幡委員 それでは抽象的すぎますが、これ以上言っても、無理なようですね。

○細川委員 水かけ論になりますし、我々も別に何が何でも廃止しろと言っているのではなくて、適切な価格、必要なコストは上乗せされて、それがもし不要になったときは、当然、減額あるいは廃止するという、当たり前な仕組みを当たり前のように運用してほしいと言っているだけです。ところが、主体的に国土交通省がそういうものをチェックしているとも思いませんし、情報提供は不十分だと思います。だからこそ、今回、事業者に情報提供を促すようなことを出していただいたわけです。
ただ、今の御説明でも全然状況がわかりませんし、廃止とか削減というのは事業者に痛みを伴うものだから、いろいろ慎重に協議してと言うけれども、その中に消費者と協議するという概念はないようですし、しかも、加算運賃をかけられているときは、逆に消費者が痛みを生じているわけです。廃止したときは事業者の痛みになるけれども、廃止するまでの10年、20年、30年というのは、逆にずっと消費者が痛みを生じているわけです。しかも、先ほど、滝沢さんは10円、20円とおっしゃいましたけれども、170円加算運賃しているところもあるわけです。区間によっては本料金と加算運賃が同じぐらいのところもあり得る料金を加算しているわけだから、全く10円、20円だけの話ではないわけです。
そういう意味で言うと、加算運賃を今、続けることが妥当なのかどうか。もしそれが妥当ならば、我々も妥当だというふうにして消費者に納得してもらう、そういう役割もあると思いますので、私は、消費者庁及び消費者委員会設置法第8条に基づく資料請求を国交省にさせていただきたい。余り膨大だと国交省も御迷惑だと思いますので、加算運賃で回収が50%前後にいっている京成電鉄本線、京王電鉄相模原線、京浜急行電鉄空港線、JR北海道千歳線、この4線について、初めの資本費の内訳、支払利息、線路使用料の中身。あと、加算運賃の収入累計額、これらが毎年どういうような形で変化してきたのか。それを8条に基づいて資料請求をして、その辺がどうなっているかというのを少しこちらで検証をする必要があると思います。

○山口委員長代理 室長に申し上げます。消費者委員会で議論をした際のデータで、1992年にJR北海道は、千歳線の南千歳から新千歳空港まで140円加算されているわけです。この予算が173億円かかったというデータがありまして、65.2%が既に回収しているとなっています。ただ、JR北海道の空港線は新しい線を引っ張ったわけではないのではないか。あるいは、京急線の天空橋から羽田空港までの加算運賃は170円ですが、これが1998年に開始されています。これは700億円かかったということになっておりまして、47.4%が既に回収されている。こうありますけれども、700億円という数字の中身が全くわからないし、どういう形で170円が回収されてきているのか。これもよくわからない。
恐らく北海道の場合は、JR北海道全体が相当な赤字でしょうから、仮に千歳線でそれなりの利益が出ても、北海道としてはいろいろな事情があるだろうなと思わなくもないですね。あるいは京急線については、モノレールとの競合線ですから、こっちばかり下げていたらモノレールは厳しくなるのかなとか、いろいろな事情があるだろうと忖度はできる。先ほど来滝沢室長がおっしゃっているように、全体が厳しいので、ここである程度回収できたからといって、その加算運賃を廃止というわけにはそう簡単にいかないというのもわからないでもないけれども、消費者から見ると、もう少し中身を開示していただいてもいいのではないかというところが素朴な議論としてあるわけです。細川委員がおっしゃった4線について、一定のデータを御準備いただくことはできないでしょうか。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 もう少し具体的に詳細なデータをということでありましたので、持ち帰りまして、どこまで整理できるかわかりませんが、検討させていただきたいと思います。
確かに何度も御指摘を受けているとおり、そこは我々も認めないといけない部分でありますが、要するにこういう非難を受けるポイントは、情報提供が非常に不透明というか、不親切なんでしょうね、ということはよくわかります。そういう意味では、今回、指導文書を出させていただいたのは、この場で御議論いただくことではないのかもしれませんが、例えば加算運賃をやめますと言ったときに、極端な言い方で、残りの資本費の回収の負担分を、では誰が負担をしますかということになってしまいます。それがネットワーク全体で負担すべきなのか、会社が負担すべきなのか、あるいは、赤字だから路線は要らないのかという議論を、事業者、我々も含めてやらないといけないのだと思います。そういった難しさがあります。
そういう中で、従来から、路線別の経営状況、路線セグメントというのは、細川先生も御承知のとおり、どの社も出しておりません。鉄道の運賃というのは過去長い歴史の中で、ネットワーク全体の中で一タリフというような基本的な考え方でやってきてございます。また一方では、部分的に個別路線の事情を含めて、各事業者一つの運賃表ではなく、場合によっては、新線加算とか、そのときどきの事情により、複数の運賃を抱えている社もございます。そういった事情を含めながら、先ほど御指摘のありました情報提供をどうやって工夫して、数字が出せないのであれば、利用者に納得のいくような工夫を事業者にしていただくことが筋だと思いますので、そういう意味も含めて、今回、各事業者に通達を出させていただいた次第でございます。

○細川委員 情報提供が必要だということは御了解いただいていると思いますけれども、絶えずそこで出てくるのは、経営上の秘密とかそういう話なのです。経営上の情報だから出さないと。だから、情報公開請求をしても、ほとんど真っ黒になって返ってくるということはよく言われます。経営上の秘密とかそういうものというのは、何ですかね。そもそも競争がないから公共料金分野なわけです。だからといっても競争は起きていますけれども、その情報を出すことによって、競争上、不利益になるものであれば、これは出せないかもしれないけれども、そうでないものを、ただ事業者が出したくないからといって、経営上の情報だといって情報開示を拒否する。あるいは、任意に提出されたものだからといって国交省は情報を出さない。
だからといって消費者が直接事業者に請求しても、これは民民で、全く何も向こうは義務はないわけだから、出さないということで、消費者は、対事業者、対国交省に情報開示請求をしても、不十分な情報しか出てこない。そこでまた疑心暗鬼になって不満が出てくるという、ちょっと悪循環に陥っているような感じがします。別に悪意はないと思いますけれども、是非、ちょっとそういうところも御理解いただきたいというふうに思います。

○山口委員長代理 消費者庁及び消費者委員会設置法の8条に基づく、資料の提出要求等という規定がございますが、これについて、きょうは何か御議論をしておきますか。特にいいですか。

○細川委員 任意に十分な情報を出していただければ、別にあえて法をかざしてということはないので、それは協議して詰めていただいて、出していただける情報が不十分ということであれば、法に基づく資料要求という形がいいのではないかと思います。

○原事務局長 事務局で協議をさせていただきたいと思います。

○国土交通省滝沢鉄道局安全・業務政策室旅客輸送業務監理室長 私からどうこう言う立場ではないので、恐縮でございますが、建議の説明は、加算に対しての情報提供の在り方などについて、個別の路線ではなかったため、今日は路線のデータを持ってきてございませんが、別段8条にこだわっておりませんので、可能な範囲でお出しできれば出したいと思います。

○山口委員長代理 できるだけ消費者委員会としての審議にも御協力いただきまして、御負担をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
それでは、国土交通省におかれまして、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

≪4.平成23年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について≫

○山口委員長代理 続きまして、「平成23年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について」でございます。
消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただき、ありがとうございます。
個人情報保護法に基づいて策定された個人情報の保護に関する基本方針におきまして、消費者庁は、その施行状況について関係行政機関からの報告を毎年度取りまとめて、その概要を公表するとともに、消費者委員会に御報告いただいております。平成23年度の施行状況の概要について、消費者庁が先月28日に公表されておりますので、その概要について御報告いただきたいと思います。
それでは、堀井課長、よろしくお願いします。

○消費者庁堀井消費者制度課長 個人情報保護推進室長の堀井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
時間の関係もありますので、簡単に御報告をさせていただきたいと思います。
資料3-1を御覧いただければと思います。要約版ということで書いてあり、この裏側になりますが、グラフをお開きいただいた方がよろしいかと思います。カラーで折れ線グラフなどが書いてございます。
こちらの資料については、毎回、私どもが調査で調べているいわば基礎データについての推移でございます。平成17年4月1日から個人情報保護法が全面施行されたということで、それ以降の基礎的な状況で、まず、別図1は、分野ごとのガイドラインの策定数と認定個人情報保護団体の認定団体数の推移でございます。
個人情報保護法は主務大臣制をとっておりまして、事業等分野ごとにガイドラインを各省庁つくっておりますが、こちらは、最近の23年度、24年3月31日現在、27分野につき40のガイドラインが作成されているということでございます。23年度中に新しく1本策定されて、見直しが3本あったということでございますが、このような形になっております。
認定個人情報保護団体は、事業者による自主的な苦情処理の取組などを補完して自主的な解決を図るということで、主務大臣が団体を認定しているところですが、こちらも今、39団体ということで、数としては伸びているという状況です。
別図2、下のところでございます。これは、法律に基づいて個人情報取扱事業者に対し大臣が権限行使をした件数の推移でございます。赤と緑と青でそれぞれ、報告の徴収、助言、勧告という形で書いてありますが、法律上はこれ以外にも命令という措置があります。ただ、命令については、法律が施行後、今のところは1件も実施されている状況ではございませんので、グラフには書いてございません。23年度については、16件の報告徴収と1件の助言という数になっています。
別図3は、苦情相談と個人情報の漏えい事案ということで、私どもで調べているものでございます。相談件数については、23年度は5,267件で、個人情報の漏えい件数は420件です。漏えい件数は数字的には22年度より若干増えてございますが、趨勢的には減少しているということがあるかと思います。
駆け足で状況を御覧いただきましたが、今回、施行状況の報告、取りまとめの中で新たに加わった部分があります。資料3-2の冊子ですが、こちらの3ページを御覧いただきたいと思います。4に「いわゆる『過剰反応』に対する取組状況」がついてございます。昨年、消費者委員会にこちらの施行状況を御報告した際に、いわゆる過剰反応ということで、個人情報保護法の規定を超えて、更には、その趣旨を十分に理解せずに誤解に基づいて対応される、いわゆる過剰反応と言っておりますが、そういったことについての記載がないという御指摘を受けました。そういったこともございまして、今回、各省庁が取り組んだ取組ということで紹介をさせていただいています。
まず、1つ目のマルということで、いわゆる「孤立死」についての過剰反応ということで書かせていただいています。23年度中の取組ということで書いているのですが、お亡くなりになったことを気付かれずに、その過程では、例えば関係する事業者あるいは行政機関が、もうちょっと情報をやり取りすれば速やかに気付くことができたのではないかと、そういう事案が発生しました。
そして、厚生労働省の方でこちらに書いてありますような通知を発出して、関係機関の連携による地域の情報共有とか、見守り体制などについて、依頼をしたということがございます。今回は23年度中の報告ということですので、入っていないのですが、24年度に入ってからも、引き続き、経産省、エネルギー庁、厚生労働省、消費者庁で連携して取り組んでいるということを書かせていただいております。
次の4ページでございます。一番下のマルで、「APECの越境プライバシー執行のための協力取決めへの参加」という新しい取組について、紹介させていただいています。APEC(アジア太平洋経済協力)におきましては、越境執行協力という取組を2011年から開始しています。
具体的にどういうことかと申しますと、今の企業が多国籍にグローバルに事業活動を行う中で、例えば自分の国の個人情報関係の法律を執行しようということになった場合、外国の当局が持っている情報が必要になることがあります。わかりやすく言いますと、日本企業が外国の企業に委託をして個人情報を扱っていて、その委託先で情報が漏れてしまったようなケースとか、そういうイメージです。そういうときに、執行協力の取決めの加盟をしておきますと、援助要請をしてほかの国の有している情報をもらうことができる枠組みになっています。現在、米国、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、香港、韓国、そういったところのエコノミーが参加をしていまして、我が国におきましてもその参加を関係省庁で話をして、23年の10月28日に国内で決定して、12月にAPECの取決めに参加をしたという新しい出来事がありましたので、今回、御紹介をさせていただきました。
駆け足ですが、以上でございます。

○山口委員長代理 ありがとうございました。
それでは、御質問あるいは御意見があれば、お願いいたします。

○夏目委員 御説明、ありがとうございました。3-2の3ページので、いわゆる過剰反応に対する取組状況というところを堀井課長から御説明をいただいたわけで、新たな取組として、平成24年に発出をしているということですけれども、つい先日、9月27日にNPO法人の団体が消費者庁長官を訪れて、やはり過剰反応で、個人情報保護法をもっと周知徹底してほしいと。実際に活動をしているときには、開示拒否をされていて、なかなか活動につながっていかないという要望書を出したと承知しております。
説明の中にも、「関係機関との連携により地域における情報の共有や見守り体制の構築」ということが書かれていますけれども、それがなかなか構築されていかないという現実を、どのようにとらえていらっしゃるかということを聞かせていただきたいと思います。つまり、行政だけではなく、孤立死を防ぐ、又は、お亡くなりになったのに引き続き年金を受給している、そういう事態が発生しないためにも、その地域での見守り体制というのはとても大きな力になると思いますけれども、見守り体制を構築していくときに、個人情報を盾にされて、提供できませんということがしょっちゅう現実問題として起きているわけです。そうしますと、その構築体制はなかなかできない。行政がすべて見守ることはできないと現実には思います。
ですから、もう少しきちんと見守り体制が構築できる民間団体なり、ある意味公的な性格を持っている団体に対しましては、もちろん、個人情報保護法を周知徹底した上でですけれども、過剰に開示拒否をすることがないような、そういうお取組は進めていただきたいというふうに思います。
もう一つは、国センの直接相談の窓口が閉鎖されましたので、それに代わる国への直接の個人情報保護法に関しての相談窓口が、なかなか見いだせないというところがあろうかと思います。もちろん、地方にはそれぞれの部局があるわけでございますけれども、要するに、個人情報の相談窓口を拡充していくために、今後、どういうことをお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。

○消費者庁堀井消費者制度課長 2点、御質問いただきました。1点目は、非常に難しいなと思いましたのが、民間事業者、そしてもう一つ、自治体の問題がございます。主務大臣制をとって関係省庁との間の連携というところもありますが、各自治体ということになりますと、条例でいろいろ決めておられて、個人情報保護審査会を置くなどの形で別枠組みをとっているというところがあります。したがって、どのような形で周知するかというところの私どもの今のところの解決方法としましては、先ほどお話をした通知の部分もそうですが、まず、主務大臣から各自治体に対してその業務の関係で通知を出して、更には、私どもも、個人情報保護の自治体の窓口、そういったところに向けての会議などでの周知、こういったこともさせていただきました。縦と横、いろいろな形でやっていくところをまず模索したいというふうに考えているのが一つでございます。
それと、孤立死の関係で過剰反応という話が出ましたが、災害のときの要援護者についての情報という意味でも過剰反応ということを聞いております。そういったところについては、総務省の方でも適切な情報共有を図るという観点から、現状について調査をしているということも伺っております。そういったところは私どもが、窓口官庁、取りまとめ官庁ということで情報も集約し、また、流し方を工夫していくということが一つあるかというふうに考えています。
2点目の相談窓口のところです。確かに、先ほど御覧いただいた相談件数が減っていて、23年度で1,000件くらい減ったのは、国センの直接相談が減った件数がかなりあるのではないかと個人的には考えたりもしております。各地域の消センにおいて相談をしていただいているというところを、引き続き周知をするというのはあると思いますが、国としても、現在、私どもは個人情報保護法質問ダイヤルというのを設けていまして、専門の職員が平日きちんと対応しています。
ただ、個別の案件については、さっきお話しした主務大臣制ということになりますので、法律の考え方がどうなっているかとか、そういったところについてお伝えするという意味で、一定の役割を果たしていくものと考えています。そのダイヤルについても、今、周知が十分ではないというようなこともあるかもしれませんので、そういったところをまずやっていくことを考えています。

○山口委員長代理 3ページの過剰反応についての取組状況は、昨年、指摘させていただいたところで書き加えていただいておりますし、27ページにも各省庁の対応が書かれているのですが、残念ながら、27ページの文言、あるいは3ページの記述を見ても、通達を出したとか、そういうことが漢字でズラズラと書いてある。先ほど課長がおっしゃったような、孤独死をなくすために、行政が具体的にどういうことについて改善をするように呼びかけたのか。もう少し、読んだ人、一般人がわかるような書き方がされていると、なるほど、これが過剰反応なのかと。それは、役所としても気をつけなければいけないというのが伝わってくると思うのですが、27ページのこういう通達を出したということだけを見ても、なるほど、こういうことをやられたのかという中身が伝わってこないのではないかと思います。もちろん、全体のボリュームの関係があるので、それほどたくさん書くわけにいかないと思いますが、さっと読んで、なるほど、こういう点を行政の方も過剰反応として気をつけられているんだなということが、わかるように工夫していただければ、もう少しこれをまとめる意味があるのかなという感じがいたしました。

○消費者庁堀井消費者制度課長 まとめ方は工夫をしたいと思います。また、今のお話と先ほどの夏目委員の御質問の関係で、NPOの方々からも要望をいただいたり、いろいろな方々から御要望をいただいています。消費者庁として、3ページの2つ目のマルに書いてありますが、説明会などを毎年やっており、今年度も企画をしようと思っています。説明会の内容として、例えば、災害時の情報共有に詳しい有識者に来ていただくという企画を今、考えています。更にそのときの説明の仕方として、個人情報保護法という法律の解釈で第三者に情報を提供する、それが生命・身体に危険が及ぶようなケースの場合は、今の法律上も提供できる。ただ、そこをいかにわかりやすく、現場レベルでできることを説明するかということをきちんと伝えるのも大事だと、そういう御指摘も伺っていますので、内容としても見せ方としても工夫をしていきたいと考えております。また、いろいろと御指摘ですとか、御示唆をいただければ、工夫を重ねたいと思っています。

○細川委員 直接きょうの議論には関係ないのですけれども、例えば、小学校の運動会に保護者がカメラを持っていって撮影してはいけないというところが多い。なぜかというと、ほかの子どもも写ってしまうからというんですね。ひどいなと思ったけれども、今、ユーチューブとかに入れてしまう人がいるので、ネットで何百万、何千万と、全く関係ない人も見ることができる。それを聞くと、確かに嫌だなという感じもします。あるいは、今、学校の名簿がつくれないですね。同級生の住所も名簿がない。これもひどいなと思うけれども、一方で、名簿をマルチ商法に使って電話をかける親がいるとか、「使い方」というところで過剰になっていることもある。
私は、消費者教育というか、個人情報を扱う国民的な教育というか、そういうことをしていかないと、とにかくダメか、オーケーかというだけではなく、どうやってそれを使うかという個人情報の扱いのマナーとか、ルールというものを、もう少し消費者、国民に周知していかないと、この問題は解決しないように思います。どうもそういう視点がなくて、個々の消費者とか、国民へのそういった教育とか、そういうところも施策として重要なのではないかと、今、感じたのですけれども、何か御意見はございますか。

○消費者庁堀井消費者制度課長 個人情報保護法を所管しているということで、法律をベースに考えるのですけれども、今、細川委員がおっしゃったように、この議論をしていくと、プライバシーの問題、個人情報保護法上の個人情報の問題、あとはそれぞれの守秘義務的なことと、渾然一体となっている部分が多いのかなという気がしています。
御指摘の点ですと、確かに映像などの場合、個人を特定できる場合も出てくるかもしれませんけれども、どちらかというとプライバシー的な情報の扱いの問題に近いと思いますし、学校の名簿の場合だと、法律の射程に入ってくる部分があります。ただ、必ずしもそうではないという部分もありまして、消費者庁として、法律を持っているところから言うと、法律の考え方をまずきちんとお話をして、個人情報保護法があるので名簿が作れないというような短絡的な誤解がない形というところをまずやっていく。もっと広い形の議論は、いろいろな主体がいろいろな形で考えていくことが必要なのかなと個人的には思っています。

○山口委員長代理 細川委員がおっしゃった運動会の写真の話というのは極めて現代的な問題だと思いますが、もし差し支えなければ、どうお考えですか。

○消費者庁堀井消費者制度課長 法律の議論をしてしまうと、つまらない話になるのですが、つまらないというのは、問題意識とちょっとすれ違いという意味なのですが、個人情報保護法上、義務がかかるという形になると、5,000件を超える個人データの取扱いをする民間事業者ということになるので、多分、そういう話で御回答を求められているのではないだろうと思います。個人が特定できる情報ということになると、画像というのは(「個人情報」からは)排除されませんが、ただ、前提のところの個人情報取扱事業者の議論からは外れると思います。
ただ、動画が勝手にアップロードされるなど、自分が考えている形で使われないというのは、これはこれで、違う意味でどうかという議論はあるかなという気はしてはおります。ただ、法律の議論という形にはならないというのが先ほどお話しした趣旨でございます。

○山口委員長代理 写真を撮る、それを家庭内で持っている分には全然問題ないけれども、それを画像としてメールにのせる段階で一定の制約がかかってくるのでしょうね。

○細川委員 ユーチューブという、誰でもが見られるものに入れるという。

○川戸委員 肖像権とかプライバシー侵害の話で、後で裁判を起こせると思いますが。

○山口委員長代理 そうなるでしょうね。だからといって、写真を撮ってはいけないというのはウルトラですね。

○細川委員 学校としては、そういうクレームが来ると困るから、要はやめてしまうおうという話になるわけです。禁止してしまえばそういうクレームはない。禁止した不利益は我慢してください。自分の子どもは撮れないことは我慢してください、ということになるわけです。

○山口委員長代理 それはどう考えてもおかしいですね。

○細川委員 きょうはそれを議論する場ではないので、この辺でいいのではないでしょうか。

○山口委員長代理 ほかは、よろしいでしょうか。

○夏目委員 一点、お願いなのですけれども、27ページの経産省の取組状況の中に、東日本大震災を契機にして、「大規模災害発生時における個人情報の取扱いについて、個人情報保護ガイドライン検討委員会で検討を行った」という記載がございます。多分、経済産業省だけではなく、所管庁すべてがなさっているとは思いますけれども、とても不幸な自然災害ではあったのですが、これを契機に、生命・身体にかかわる個人情報は提供できるという周知を、もう一度ガイドラインを見直すと同時に、広く一斉にやっていただきたいというふうに思います。これはお願いでございます。

○山口委員長代理 ほかにございませんか。
それでは、消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

≪5.閉会≫

○山口委員長代理 本日の議題は以上です。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。
事務局から、今後の予定等について、御説明をお願いします。

○原事務局長 次回の委員会につきましては、なお調整中というところですので、決まり次第、至急、消費者委員会のホームページで御案内をしたいと思います。御了承ください。
消費者委員会とは別に、10月20日(土曜日)に、山口で地方消費者委員会を開催いたします。「高齢者トラブルを防ぐ」というタイトルで行いたいと思いますので、こちらも是非、御案内、よろしくお願いしたいと思います。
事務局からは以上です。

○山口委員長代理 消費者委員会としては、健康食品の問題にどう取り組むのか、あるいは、詐欺的投資勧誘、特に高齢者被害の抑止にどういうふうに取り組むのかという点も含めて、今、いろいろな形で議論を詰めているところです。この場でまた議論する必要が出てくるかと思いますので、そういうスケジュールも含めて、随時、また御報告させていただきたいと思います。
本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。これをもって閉会とさせていただきます。

(以上)